IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社小糸製作所の特許一覧

<>
  • 特許-車輌用灯具 図1
  • 特許-車輌用灯具 図2
  • 特許-車輌用灯具 図3
  • 特許-車輌用灯具 図4
  • 特許-車輌用灯具 図5
  • 特許-車輌用灯具 図6
  • 特許-車輌用灯具 図7
  • 特許-車輌用灯具 図8
  • 特許-車輌用灯具 図9
  • 特許-車輌用灯具 図10
  • 特許-車輌用灯具 図11
  • 特許-車輌用灯具 図12
  • 特許-車輌用灯具 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/33 20180101AFI20220228BHJP
   F21V 7/05 20060101ALI20220228BHJP
   F21V 7/09 20060101ALI20220228BHJP
   F21V 13/02 20060101ALI20220228BHJP
   F21W 102/20 20180101ALN20220228BHJP
【FI】
F21S41/33
F21V7/05
F21V7/09
F21V13/02 400
F21W102:20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018103220
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2019091678
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2021-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2017218312
(32)【優先日】2017-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】仲野 裕次
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-199308(JP,A)
【文献】特開2011-171062(JP,A)
【文献】特開2013-045718(JP,A)
【文献】特開2011-009005(JP,A)
【文献】特開平06-275112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/33
F21V 7/09
F21V 7/05
F21V 13/02
F21W 102/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を反射する複数の反射面を有するリフレクターとを備え、
前記複数の反射面が存在する領域が反射領域として形成され、
前記複数の反射面は少なくとも一つずつが第1の反射面と第2の反射面と第3の反射面として形成され、
前記第1の反射面の反射角度が所定の軸を基準として所定の角度以下にされ、
前記第2の反射面と前記第3の反射面の反射角度がそれぞれ前記所定の軸を基準として前記所定の角度より大きくされ、
前記第2の反射面の反射方向と前記第3の反射面の反射方向とが異なる方向にされ、
前記反射領域の少なくとも半分の領域に前記第2の反射面と前記第1の反射面と前記第3の反射面が順に隣り合って存在する
車輌用灯具。
【請求項2】
前記第2の反射面が光を左方へ反射する反射面にされ、
前記第3の反射面が光を右方へ反射する反射面にされた
請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記所定の角度が10度にされた
請求項1又は請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
前記複数の反射面が平面に形成された
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用灯具。
【請求項5】
前記複数の反射面のうち少なくとも一つの前記反射面は反射角度が隣り合う全ての前記反射面の反射角度と異なるようにされた
請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車輌用灯具。
【請求項6】
前記複数の反射面のうち任意の前記反射面は反射角度又は反射方向が隣り合う全ての前記反射面の反射角度又は反射方向と異なるようにされた
請求項5に記載の車輌用灯具。
【請求項7】
前記反射領域は複数の区分領域によって形成され、
前記複数の区分領域にはそれぞれ少なくとも前記第2の反射面と前記第3の反射面が存在し、
前記複数の区分領域のうち前記光源に最も近い前記区分領域における前記第2の反射面と前記第3の反射面の前記所定の軸に対する反射角度が、全ての前記反射面の前記所定の軸に対する反射角度の中で最大にされた
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射された光を反射する複数の反射面を有するリフレクターを備えた車輌用灯具についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用灯具には、光源から出射された光を所定の方向へ向けて反射するリフレクターが設けられ、リフレクターが複数の反射面を有する構成にされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような車輌用灯具においては、光源から出射された光が各反射面で所定の軸、例えば、光軸に平行な方向へ反射されて外部へ向けて照射される。また、車輌用灯具には反射面に拡散ステップが形成されたものがあるが、この場合においても各反射面の反射方向が何れも光軸に平行な方向にされた状態で、この平行な方向を基準として拡散されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-144501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように、従来の車輌用灯具においては、各反射面における反射方向が光軸に平行な方向にされているため、歩行者や他の車輌の搭乗者等によって車輌用灯具の点灯状態が視認されたときに、各反射面において光って見える位置が視認する角度に応じて一律に移動されるように認識される。
【0006】
例えば、車輌用灯具が正面から視認されたときには各反射面において光って見える位置が各反射面のそれぞれ中央部であるように認識され、車輌用灯具が斜め側方(左右側方)から視認されたときには、各反射面において光って見える位置が各反射面の中央部よりそれぞれ左方又は右方に寄った位置であるように認識される。
【0007】
従って、車輌用灯具が視認されたときに光の照射状態が視認する角度に応じて単調に変化するようにしか認識されず、被視認性が乏しくなってしまう。
【0008】
また、各反射面における反射方向が何れも光軸に平行な方向にされているため、車輌用灯具が正面に対して斜め方向から視認されたときに、車輌用灯具から斜め方向へ照射される光量が少なく、視認方向によっては光が見え難くなり被視認性が低下するおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1に、本発明に係る車輌用灯具は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を反射する複数の反射面を有するリフレクターとを備え、前記複数の反射面が存在する領域が反射領域として形成され、前記複数の反射面は少なくとも一つずつが第1の反射面と第2の反射面と第3の反射面として形成され、前記第1の反射面の反射角度が所定の軸を基準として所定の角度以下にされ、前記第2の反射面と前記第3の反射面の反射角度がそれぞれ前記所定の軸を基準として前記所定の角度より大きくされ、前記第2の反射面の反射方向と前記第3の反射面の反射方向とが異なる方向にされ、前記反射領域の少なくとも半分の領域に前記第2の反射面と前記第1の反射面と前記第3の反射面が順に隣り合って存在するものである。
【0011】
これにより、反射領域の少なくとも半分の領域に、光を第2の反射面及び第3の反射面の反射角度より小さな角度で反射する第1の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で光を反射する第2の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で第2の反射面の反射方向と異なる方向へ光を反射する第3の反射面とが存在する。
【0012】
第2に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記第2の反射面が光を左方へ反射する反射面にされ、前記第3の反射面が光を右方へ反射する反射面にされることが望ましい。
【0013】
これにより、反射領域の少なくとも半分の領域に、光を第2の反射面及び第3の反射面の反射角度より小さな角度で反射する第1の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で光を左方へ反射する第2の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で光を右方へ反射する第3の反射面とが存在する。
【0014】
第3に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記所定の角度が10度にされることが望ましい。
【0015】
これにより、第1の反射面で反射された光が所定の軸方向に平行な方向又は所定の軸方向に対して大きく離隔しない方向へ向けて照射される。
【0016】
第4に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記複数の反射面が平面に形成されることが望ましい。
【0017】
これにより、複数の反射面が簡素な形状に形成される。
【0018】
第5に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記複数の反射面のうち少なくとも一つの前記反射面は反射角度が隣り合う全ての前記反射面の反射角度と異なるようにされることが望ましい。
【0019】
これにより、少なくとも一つの反射面の反射角度とその反射面に隣り合う全ての反射面の反射角度とが異なるため、当該一つの反射面とその周囲の反射面とが存在する領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化する。
【0020】
第6に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記複数の反射面のうち任意の前記反射面は反射角度又は反射方向が隣り合う全ての前記反射面の反射角度又は反射方向と異なるようにされることが望ましい。
【0021】
これにより、リフレクターの何れの反射面においても反射角度又は反射方向が隣り合う全ての反射面の反射角度又は反射方向と異なるため、反射領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化する。
【0022】
第7に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記反射領域は複数の区分領域によって形成され、前記複数の区分領域にはそれぞれ少なくとも前記第2の反射面と前記第3の反射面が存在し、前記複数の区分領域のうち前記光源に最も近い前記区分領域における前記第2の反射面と前記第3の反射面の前記所定の軸に対する反射角度が、全ての前記反射面の前記所定の軸に対する反射角度の中で最大にされることが望ましい。
【0023】
これにより、光源に最も近い区分領域において光が大きな反射角度で反射される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、反射領域の少なくとも半分の領域に、光を第2の反射面及び第3の反射面の反射角度より小さな角度で反射する第1の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で光を反射する第2の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で第2の反射面の反射方向と異なる方向へ光を反射する第3の反射面とが存在するため、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図2乃至図13と共に本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略断面図である。
図2】光源とともに示すリフレクターの概略断面図である。
図3】反射領域の構成の一例を示す概念図である。
図4】反射面の反射角度の割合の一例を示す図である。
図5】反射面の反射角度の一例を示す図である。
図6】左右方向の反射と上下方向の反射とを考慮した場合の一例を示す概念図である。
図7】反射面が三角形状に形成された場合の構成の一例を示す概念図である。
図8】反射面が六角形状に形成された場合の構成の一例を示す概念図である。
図9図10乃至図13と共に光によって文字や模様等が認識される構成の例を示すものであり、本図は、光の進行方向を示す概念図である。
図10】第1の出射面から出射される光によって文字が認識される例を示す概念図である。
図11】第2の出射面から出射される光によって模様が認識される例を示す概念図である。
図12】第3の出射面から出射される光によって模様が認識される例を示す概念図である。
図13】配光の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0027】
以下の説明にあっては、光軸方向を前後方向として前後上下左右の方向を示すものとする。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0028】
車輌用灯具1は、例えば、車体の左右両端部にそれぞれ取り付けられて配置されている。車輌用灯具1は前方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成されている。灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。尚、図1は、車輌用灯具1の構成を概念的に示す図であり、車輌用灯具1を構成する各部の具体的な形状や大きさを示すものではない。
【0029】
灯室5には光を出射する光源6と光源6から出射された光を反射するリフレクター7とが配置されている(図1及び図2参照)。光源6はリフレクター7の後端より前側に位置されている。リフレクター7は、例えば、前方及び下方に開口された椀状に形成され、内面が反射領域10として形成されている。車輌用灯具1は所定の軸、例えば、光軸Sの方向(光軸方向)が前後方向にされている。また、以下には、光の拡散角度や反射方向や反射角度等を光軸Sを基準として示すが、本発明においては基準が光軸Sに限られることはなく、所定の軸(仮想軸)、例えば、光の照射方向、例えば、前後方向に延びる軸が基準にされていればよい。
【0030】
反射領域10は、例えば、上下左右に並ぶ複数の反射面20、20、・・・によって形成されている。反射面20、20、・・・は、例えば、平面に形成されている(図2参照)。但し、反射面20、20、・・・には光軸Sを基準とした拡散角度が、例えば、5度以内の拡散ステップが形成されていてもよい(図2参照)。尚、図2は、リフレクター7の構成を概念的に示す図であり、リフレクター7に形成された反射面20、20、・・・の実際の向きや大きさや配列状態を示すものではない。
【0031】
以下に、リフレクター7における反射領域10の具体的な構成について説明する(図3乃至図5参照)。尚、反射領域10の以下の説明において参照する各図に示された記号の意味は以下の通りである。
【0032】
「・」は反射方向が光軸Sを基準として10度以下であることを示し、「→」は反射方向が左方向であり光軸Sを基準として10度より大きいことを示し、「←」は反射方向が右方向であり光軸Sを基準として10度より大きいことを示す。
【0033】
反射領域10は、例えば、上下左右に均等に区分された四つのベース領域11、11、・・・によって構成されている(図3参照)。図3においては、ベース領域11、11、・・・が太い実線によって区分されて示されている。尚、反射領域10に設けられるベース領域11の区分の方向及びベース領域11の数は任意である。
【0034】
ベース領域11は、例えば、上下左右に均等に区分された九つの区分領域12、12、・・・によって構成されている。図3においては、区分領域12、12、・・・が細い実線によって区分されて示されている。尚、ベース領域11に設けられる区分領域12の区分の方向及び区分領域12の数は任意である。
【0035】
区分領域12は、例えば、上下左右に均等に区分された九つの反射面20、20、・・・によって構成されている。図3においては、反射面20、20、・・・が点線によって区分されて示されている。尚、区分領域12に設けられる反射面20の区分の方向及び反射面20の数は任意である。
【0036】
また、図3には、反射領域10とベース領域11と区分領域12と反射面20が何れも正方形にされている例を示しているが、反射領域10とベース領域11と区分領域12と反射面20の形状は任意であり、長方形や平行四辺形や菱形や三角形等の正方形以外の多角形であってもよい。また、図3には、便宜上、反射面20、20、・・・を同じ大きさにして示しているが、反射面20、20、・・・は異なる大きさにされていてもよい。
【0037】
リフレクター7において、各反射面20の反射方向を所定の範囲毎に分けると、各範囲に含まれる反射面20の面積の割合が、反射領域10の面積に対して以下のようにされている(図4参照)。
【0038】
範囲は、例えば、範囲1から範囲6まで六つに分けると、反射方向が光軸Sに平行にされた範囲(角度0度)が範囲1であり、反射方向を10度毎に分けた各範囲が範囲2から範囲6である。図4において、範囲2から範囲6に「左」又は「右」とあるのは、それぞれ反射方向が左方又は右方であることを示している。
【0039】
範囲1の割合は10%前後にされており、例えば、11%にされている。範囲2から範囲6までの各範囲の割合は、範囲1の割合の数値に対して10以内の数値になるようにされている。例えば、範囲1の割合が11%の場合には、範囲2から範囲6までの「左」と「右」のそれぞれの割合が1%以上21%以下になるようにされている。
【0040】
反射面20、20、・・・はそれぞれ3種類の反射面のうち何れか1種類の反射面として形成されている(図3及び図4参照)。この3種類の反射面は第1の反射面20Aと第2の反射面20Bと第3の反射面20Cとされ、第1の反射面20Aと第2の反射面20Bと第3の反射面20Cは異なる方向へ光を反射する反射面である。
【0041】
第1の反射面20Aは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度以下にされている(図4参照)。第2の反射面20Bは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を左方へ反射する反射面である。第3の反射面20Cは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を右方へ反射する反射面である。
【0042】
尚、上記した所定の角度は10度に限られることはなく、他の角度でもよい。但し、所定の角度は10度に近い角度が望ましく、例えば、5度から15度までの任意の角度を用いることが可能である。
【0043】
リフレクター7においては、反射領域10の少なくとも半分の領域に第2の反射面20Bと第1の反射面20Aと第3の反射面20Cが順に隣り合って存在する(図3参照)。反射領域10の半分の領域は二つのベース領域11、11が占有する領域である。
【0044】
具体的には、リフレクター7においては、各区分領域12のそれぞれに第2の反射面20Bと第1の反射面20Aと第3の反射面20Cが順に隣り合って存在するように構成されている。
【0045】
例えば、図3に抽出して示した区分領域12Aにおいては、中段に第1の反射面20Aを挟んだ左右両側に第2の反射面20Bと第3の反射面20Cが第1の反射面20Aに隣接して位置され、第2の反射面20Bと第1の反射面20Aと第3の反射面20Cが順に隣り合って位置されている。
【0046】
また、例えば、区分領域12Aにおいては、中列に第1の反射面20Aを挟んだ上下両側に第3の反射面20Cと第2の反射面20Bが第1の反射面20Aに隣接して位置され、第2の反射面20Bと第1の反射面20Aと第3の反射面20Cが順に隣り合って位置されている。
【0047】
さらに、各区分領域12のそれぞれは、例えば、三つの第1の反射面20A、20A、20Aと三つの第2の反射面20B、20B、20Bと三つの第3の反射面20C、20C、20Cとによって構成されている。
【0048】
さらに、リフレクター7においては、少なくとも一つの反射面20の反射角度が隣り合う全ての反射面20、20、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0049】
例えば、図3に抽出して示した区分領域12Aにおいては、中央に第1の反射面20Aが位置され上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が第2の反射面20B、20Bと第3の反射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第1の反射面20Aの反射角度が上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0050】
また、例えば、図3に抽出して示した隣り合う四つの区分領域12、12、・・・に跨がる領域Bにおいては、中央に第1の反射面20Aが位置され上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が第2の反射面20B、20Bと第3の反射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第1の反射面20Aの反射角度が上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0051】
リフレクター7においては、何れの反射面20を基準としたときにも、この基準にした反射面20の反射角度又は反射方向が、隣り合う全ての反射面20、20、・・・と異なるようにされている。
【0052】
例えば、図3に抽出して示した区分領域12Cにおいては、中央に第2の反射面20Bが位置され上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が第1の反射面20A、20Aと第3の反射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第2の反射面20Bの反射角度又は反射方向が上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・の反射角度又は反射方向と異なるようにされている。
【0053】
また、例えば、図3に抽出して示した領域Bにおいては、中央に第1の反射面20Aが位置され上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・が第2の反射面20B、20Bと第3の反射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第1の反射面20Aの反射角度が上下左右に隣り合う四つの反射面20、20、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0054】
次に、反射面20、20、・・・の各反射角度について説明する(図5参照)。
【0055】
図5において、右側の上段の図は第1の反射面20Aの反射角度を示し、右側の下段の図は第2の反射面20Bと第3の反射面20Cの反射角度を示す。各図において、数値が示されている各部分はそれぞれ区分領域12、12、・・・である。尚、上段の図において「左」又は「右」とあるのは、それぞれ反射方向が左方又は右方であることを示している。
【0056】
例えば、区分領域12Cにおいては、反射面20、20、・・・の各反射角度が0度(光軸Sに平行)又は20度にされており、第1の反射面20A、20A、20Aの反射角度が0度にされ、第2の反射面20B、20B、20Bの反射角度が左方へ20度にされ、第3の反射面20C、20C、20Cの反射角度が右方へ20度にされている。
【0057】
区分領域12、12、・・・のうち光源6に最も近い区分領域12B、12Bにおける第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・の反射角度は、全ての反射面20、20、・・・の反射角度の中で最大にされている。具体的には、区分領域12B、12Bにおける第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・の反射角度は、例えば、40度にされている。
【0058】
尚、第2の反射面20Bと第3の反射面20Cの反射角度の最小値は11度にされているが、第2の反射面20Bと第3の反射面20Cの反射角度の最小値を、例えば、10度にすることも可能である。
【0059】
上記のように、車輌用灯具1においては、光源6に最も近い区分領域12B、12Bにおける第2の反射面20Bと第3の反射面20Cの光軸Sに対する反射角度が、全ての反射面20の光軸Sに対する反射角度の中で最大にされている。
【0060】
従って、光源6に最も近い区分領域12B、12Bにおいて光が大きな反射角度で反射されるため、光源6の近傍において他の領域に対して特に輝度が高く視認される所謂点光りの現象の発生が抑制され、反射領域10を視認したときに均一な反射状態が認識され、被視認性の向上を図ることができる。
【0061】
尚、上記に示した反射方向の「左方向」を左斜め上方や左斜め下方をも含む方向とし、反射方向の「右方向」を右斜め上方や右斜め下方をも含む方向とすることも可能である。
【0062】
次いで、上下の反射方向をも考慮した例について説明する(図6参照)。尚、図6には、説明を簡略化するために一つのベース領域のみを示す。図6において、「↑」は反射方向が上方向であり光軸Sを基準として10度より大きいことを示し、「↓」は反射方向が下方向であり光軸Sを基準として10度より大きいことを示す。
【0063】
図6においては、上段の左側に、左右の反射方向を考慮した場合のベース領域11を示し、上段の右側に、上下の反射方向を考慮した場合のベース領域11Pを示す。
【0064】
左右の反射方向に加えて上下の反射方向をも考慮しベース領域11にベース領域11Pを足し合わせる概念で各反射面20を形成することにより、上下左右に対して斜め方向へも光が反射される構成にされたベース領域11Qを形成することが可能である(図6の下段参照)。
【0065】
例えば、同一の反射面20において、左方への反射と下方への反射を足し合わせることにより、光を左斜め下方へ反射する反射面20を形成する。
【0066】
このような足し合わせを考慮した反射領域を形成することにより、配光制御の自由度の向上を図ることができる。尚、車輌用灯具1においては、左右方向のみを考慮した反射領域が形成されていてもよく、上下方向のみを考慮した反射領域が形成されていてもよい。
【0067】
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、第1の反射面20Aの反射角度が光軸Sを基準として所定の角度以下にされ、第2の反射面20Bと第3の反射面20Cの反射角度がそれぞれ光軸Sを基準として所定の角度より大きくされ、第2の反射面20Bの反射方向と第3の反射面20Cの反射方向とが異なる方向にされ、反射領域10の少なくとも半分の領域に第2の反射面20Bと第1の反射面20Aと第3の反射面20Cが順に隣り合って存在する。
【0068】
従って、反射領域10の少なくとも半分の領域に、光を第2の反射面20B及び第3の反射面20Cの反射角度より小さな角度で反射する第1の反射面20Aと、第1の反射面20Aの反射角度より大きな角度で光を反射する第2の反射面20Bと、第1の反射面20Aの反射角度より大きな角度で第2の反射面の反射方向と異なる方向へ光を反射する第3の反射面20Cとが存在するため、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
【0069】
特に、視認角度や視認方向によって光って見える反射面20、20、・・・の位置が様々に変化する所謂キラキラ感が生じ、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
【0070】
また、車輌用灯具1から光軸Sに対して斜め方向へ照射される光量が増え、光の視認範囲が広がるため、被視認性の向上を図ることができる。
【0071】
さらに、第2の反射面20Bが光を左方へ反射する反射面にされ、第3の反射面20Cが光を右方へ反射する反射面にされている。
【0072】
従って、反射領域10の少なくとも半分の領域に、光を第2の反射面20B及び第3の反射面20Cの反射角度より小さな角度で反射する第1の反射面20Aと、第1の反射面20Aの反射角度より大きな角度で光を左方へ反射する第2の反射面20Bと、第1の反射面20Aの反射角度より大きな角度で光を右方へ反射する第3の反射面20Cとが存在するため、左右方向において視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
【0073】
さらにまた、所定の角度が10度にされることにより、第1の反射面20Aで反射された光が光軸方向に平行な方向又は光軸方向に対して大きく離隔しない方向へ向けて照射されるため、より必要とされる照明範囲への照射量を高めた上で、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
【0074】
また、複数の反射面20、20、・・・が平面に形成されることにより、複数の反射面20、20、・・・が簡素な形状に形成されるため、製造コストの高騰を来すことなく被視認性の向上を図ることができる。
【0075】
さらに、複数の反射面20、20、・・・のうち少なくとも一つの反射面20は、反射角度が隣り合う全ての反射面20、20、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0076】
従って、少なくとも一つの反射面20の反射角度とその反射面20に隣り合う全ての反射面20、20、・・・の反射角度とが異なるため、当該一つの反射面20とその周囲の反射面20、20、・・・とが存在する領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化し、被視認性の向上を図ることができる。
【0077】
加えて、複数の反射面20、20、・・・のうち任意の反射面20は、反射角度又は反射方向が隣り合う全ての反射面20、20、・・・の反射角度又は反射方向と異なるようにされている。
【0078】
従って、リフレクター7の何れの反射面20においても反射角度又は反射方向が隣り合う全ての反射面20、20、・・・の反射角度又は反射方向と異なるため、反射領域10を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化し、被視認性の一層の向上を図ることができる。
【0079】
上記には、反射面の形状が矩形状である例を示したが、以下に、反射面が三角形状に形成された例及び六角形状に形成された例について説明する(図7及び図8参照)。尚、三角形状に形成された例と六角形状に形成された例は、上記と同様に、足し合わせる概念で各反射面を形成した例である。但し、以下の例についても、左右の反射方向のみ又は上下の反射方向のみを考慮して反射面を形成することも可能である。尚、図7及び図8においても、説明を簡略化するために一つのベース領域のみを示す。
【0080】
先ず、反射面が三角形状に形成された例について説明する(図7参照)。
【0081】
ベース領域11Xは、例えば、上下左右に区分された九つの区分領域12X、12X、・・・によって構成されている。尚、ベース領域11Xに設けられる区分領域12Xの区分の方向及び区分領域12Xの数は任意である。
【0082】
区分領域12Xは、例えば、六つに区分された正三角形状の九つの反射面20X、20X、・・・によって構成されている。尚、区分領域12Xに設けられる反射面20Xの区分の方向及び反射面20Xの数は任意である。また、図7には、反射面20Xが正三角形状にされている例を示しているが、反射面20Xの形状は他の三角形状であってもよい。また、図7には、便宜上、反射面20X、20X、・・・を同じ大きさにして示しているが、反射面20X、20X、・・・は異なる大きさにされていてもよい。
【0083】
三角形状の反射面20X、20X、・・・を有するリフレクターにおいても、反射領域の少なくとも半分の領域に第2の反射面20XBと第1の反射面20XAと第3の反射面20XCが順に隣り合って存在する。第1の反射面20XAは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度以下にされている。第2の反射面20XBは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を左方(左斜め上方と左斜め下方を含む方向)へ反射する反射面である。第3の反射面20XCは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を右方(右斜め上方と右斜め下方を含む方向)へ反射する反射面である。尚、上記した所定の角度は10度に限られることはなく、他の角度でもよい。
【0084】
また、反射面20X、20X、・・・によって構成されたリフレクターにおいては、少なくとも一つの反射面20Xの反射角度が隣り合う全ての反射面20X、20X、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0085】
例えば、図7に抽出して示した隣り合う区分領域12X、12Xに跨がる領域Dにおいては、中央に第1の反射面20XAが位置され上下左右に隣り合う三つの反射面20X、20X、20Xが位置されており、この隣り合う三つの反射面20X、20X、20Xが第2の反射面20XB、20XBと第3の反射面20XCとされている。従って、中央に位置された第1の反射面20XAの反射角度が隣り合う三つの反射面20X、20X、20Xの反射角度と異なるようにされている。
【0086】
尚、反射面20X、20X、・・・によって構成された反射領域においても、光源6に最も近い区分領域12Xにおける第2の反射面20XBと第3の反射面20XCの反射角度を、全ての反射面20X、20X、・・・の反射角度の中で最大にすることが可能である。
【0087】
次に、反射面が六角形状に形成された例について説明する(図8参照)。
【0088】
ベース領域11Yは、例えば、上下左右に区分された九つの区分領域12Y、12Y、・・・によって構成されている。尚、ベース領域11Yに設けられる区分領域12Yの区分の方向及び区分領域12Yの数は任意である。
【0089】
区分領域12Yは、例えば、正六角形状の九つの反射面20Y、20Y、・・・によって構成されている。尚、区分領域12Yに設けられる反射面20Yの区分の方向及び反射面20Yの数は任意である。また、図8には、反射面20Yが正六角形状にされている例を示しているが、反射面20Yの形状は他の六角形状であってもよい。また、図8には、便宜上、反射面20Y、20Y、・・・を同じ大きさにして示しているが、反射面20Y、20Y、・・・は異なる大きさにされていてもよい。
【0090】
六角形状の反射面20Y、20Y、・・・を有するリフレクターにおいても、反射領域の少なくとも半分の領域に第2の反射面20YBと第1の反射面20YAと第3の反射面20YCが順に隣り合って存在する。第1の反射面20YAは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度以下にされている。第2の反射面20YBは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を左方(左斜め上方と左斜め下方を含む方向)へ反射する反射面である。第3の反射面20YCは反射角度が光軸Sを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を右方(右斜め上方と右斜め下方を含む方向)へ反射する反射面である。尚、上記した所定の角度は10度に限られることはなく、他の角度でもよい。
【0091】
また、反射面20Y、20Y、・・・によって構成されたリフレクターにおいては、少なくとも一つの反射面20Yの反射角度が隣り合う全ての反射面20Y、20Y、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0092】
例えば、図8に抽出して示した隣り合う三つの区分領域12Y、12Y、12Yに跨がる領域Eにおいては、中央に第1の反射面20YAが位置され周囲において隣り合う六つの反射面20Y、20Y、・・・が位置されており、この隣り合う六つの反射面20Y、20Y、・・・が四つの第2の反射面20YB、20YB、・・・と二つの第2の反射面20YC、20YCとされている。従って、中央に位置された第1の反射面20YAの反射角度が隣り合う六つの反射面20Y、20Y、・・・の反射角度と異なるようにされている。
【0093】
尚、反射面20Y、20Y、・・・によって構成された反射領域においても、光源6に最も近い区分領域12Yにおける第2の反射面20YBと第3の反射面20YCの反射角度を、全ての反射面20Y、20Y、・・・の反射角度の中で最大にすることが可能である。
【0094】
上記には、反射面20、20、・・・から光が左右方向又は上下方向において様々な角度で反射される例を示したが、例えば、反射面20、20、・・・から反射される光の反射方向を以下のように制御し、視認者において文字や図形や模様等が認識されるようにすることも可能である(図9乃至図13参照)。
【0095】
例えば、反射面20、20、・・・から異なる三つの方向へ光が反射されるように構成することが可能である(図9参照)。例えば、第1の反射面20A、20A、・・・からは光が正面方向へ反射され、第2の反射面20B、20B、・・・からは光が正面方向に対して左方へ所定の角度で反射され、第3の反射面20C、20C、・・・からは光が正面方向に対して右方へ所定の角度で反射される。
【0096】
尚、図9に示す反射面20、20、・・・の範囲は、例として、図10乃至図12において破線で囲んだ範囲を示している。また、図10乃至図12の黒塗りの部分は光って見える部分を示している。
【0097】
このような構成にすることにより、正面方向から車輌用灯具1が視認されたときには、第1の反射面20A、20A、・・・から正面方向へ反射された光のみが視認され、例えば、第1の反射面20A、20A、・・・から反射された光によって表現される文字が認識される(図10参照)。
【0098】
一方、正面方向に対して左右の一方から車輌用灯具1が視認されたときには、第2の反射面20B、20B、・・・から正面方向に対して左方の所定の角度で反射された光のみが視認され、例えば、第2の反射面20B、20B、・・・から反射された光によって表現される模様が認識される(図11参照)。
【0099】
また、正面方向に対して左右の他方から車輌用灯具1が視認されたときには、第3の反射面20C、20C、・・・から正面方向に対して右方の所定の角度で反射された光のみが視認され、例えば、第3の反射面20C、20C、・・・から反射された光によって表現される模様が認識される(図12参照)。
【0100】
このように反射面20、20、・・・から反射される光の反射方向を制御することにより、それぞれ特定の方向から車輌用灯具1が視認されたときに、視認者において文字や図形や模様等を認識させることが可能になり、被視認性の向上を図ることができる。特に、車輌用灯具1が標識灯として用いられる場合には、文字や図形や模様等によって視認者に対して標識や注意喚起等の表現を認識させることが可能になり、車輌用灯具1の機能性の向上を図ることができる。
【0101】
尚、上記には、第1の反射面20A、20A、・・・から正面方向へ反射される光によって文字が表現され、第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・から正面方向に対して左方又は右方へ反射される光によって模様が表現される例を示したが、これらの各方向へ反射される光によって文字や図形や模様等の何れが表現されるようにしてもよい。例えば、第1の反射面20A、20A、・・・から反射される光によって模様が表現され、第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・から反射される光によって文字や図形が表現されるようにしてもよく、第1の反射面20A、20A、・・・と第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・から反射される光によってそれぞれ異なる模様が表現されるようにしてもよい。
【0102】
また、第1の反射面20A、20A、・・・と第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・から反射される光の各反射方向は任意である。
【0103】
さらに、上記には、三つの異なる方向へ光が反射されて文字や図形や模様等が表現される例を示したが、光が反射される方向は三つの方向に限られることはなく、光が二つ以上の異なる方向へ反射されて文字や図形や模様等が表現される構成にされていればよい。
【0104】
尚、上記のような文字や図形や模様等が表現される構成においては、それぞれ特定の方向から視認されたときに文字や図形や模様等が表現されるようにするために、第1の反射面20A、20A、・・・と第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・からそれぞれ反射される光の拡散角度が小さいことが望ましく、例えば、拡散角度が5°以内にされることが望ましい。また、文字や図形や模様等が複数表現される構成にされてもよく、この場合には、複数の文字や図形や模様等がそれぞれ所望の範囲に表現されるような光の反射状態を確保するために、第1の反射面20A、20A、・・・と第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・からそれぞれ反射される光の拡散角度が5°より大きくされてもよい。
【0105】
しかしながら、拡散角度が小さくなると必要とされる配光を確保し難くなるが、車輌用灯具1においては、第1の反射面20A、20A、・・・と第2の反射面20B、20B、・・・と第3の反射面20C、20C、・・・からそれぞれ反射される光が補い合うことにより所定の配光が確保されている(図13参照)。例えば、図13において、第1の反射面20A、20A、・・・から反射される光のみによって得られる配光が配光Pであり、第2の反射面20B、20B、・・・から反射される光のみによって得られる配光が配光Qであり、第3の反射面20C、20C、・・・から反射される光のみによって得られる配光が配光Rであり、これらの配光Pと配光Qと配光Rが合算された配光が車輌用灯具1において必要とされる配光Tとされている。
【0106】
従って、拡散角度を小さくして文字や図形や模様等を表現し被視認性の向上を図った上で車輌用灯具1において必要とされる配光Tを確保して適正な照射状態を確保することができる。
【符号の説明】
【0107】
1…車輌用灯具、6…光源、7…リフレクター、10…反射領域、12…区分領域、12A…区分領域、12B…区分領域、20…反射面、20A…第1の反射面、20B…第2の反射面、20C…第3の反射面、12X…区分領域、20XA…第1の反射面、20XB…第2の反射面、20XC…第3の反射面、12Y…区分領域、20YA…第1の反射面、20YB…第2の反射面、20YC…第3の反射面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13