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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】貨物自動車の荷室の床構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/02 20060101AFI20220228BHJP
   B62D 33/04 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
B62D33/02 B
B62D33/04 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018115345
(22)【出願日】2018-06-18
(65)【公開番号】P2019217848
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000229357
【氏名又は名称】日本トレクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 悠斗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 知也
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-121434(JP,A)
【文献】特開2015-202814(JP,A)
【文献】実開昭52-128212(JP,U)
【文献】米国特許第04662650(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 33/02-33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦桁と、
前記縦桁と直交し、かつ、前記縦桁に沿って互いに平行に並ぶ複数本の横桁と、
前記縦桁の両隣に配置され、かつ、当該縦桁に沿って前記複数本の横桁に跨る少なくとも2枚の床板と、
前記縦桁に沿って設けられ、当該縦桁とその両隣の前記床板とに跨る止水カバーと、
前記横桁と前記床板との間に配置されたアンダーパンと、を有し、
前記止水カバーは、前記縦桁に被さる中央部と、前記中央部に連接し、かつ、前記縦桁の両隣の前記床板と前記横桁との間にそれぞれ介在する一対のフランジ部と、を備え、
前記アンダーパンの端部は、前記止水カバーの前記フランジ部に重ねられて当該フランジ部と前記床板との間に挟まれ、かつ、これらに接している、
貨物自動車の荷室の床構造。
【請求項2】
請求項1に記載の貨物自動車の荷室の床構造において、
前記止水カバーの前記中央部は、前記縦桁に被さる横板部と、前記横板部に連接し、かつ、前記縦桁とその両隣の前記床板との間にそれぞれ介在する一対の縦板部と、を含み、
前記フランジ部は、前記縦板部を介して前記横板部に連接している、
貨物自動車の荷室の床構造。
【請求項3】
請求項2に記載の貨物自動車の荷室の床構造において、
前記縦桁および前記横桁は、対向する上側水平部および下側水平部と、これら上側水平部と下側水平部とを繋ぐ垂直部と、を有し、
前記床板は、前記縦桁の前記上側水平部の両隣に配置され、
前記止水カバーの前記横板部は、前記縦桁の前記上側水平部の上面を覆い、
前記止水カバーの前記縦板部は、前記縦桁の前記上側水平部の側面と前記床板の側面との間に介在し、
前記止水カバーの前記フランジ部は、前記横桁の前記上側水平部の上面と前記床板の下面との間に介在する、
貨物自動車の荷室の床構造。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の貨物自動車の荷室の床構造において、
前記アンダーパンの前記端部が重ねられている前記フランジ部の上面には凹部が形成され、
前記凹部にはシーリング材が充填されている、
貨物自動車の荷室の床構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車の荷室の床構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
貨物自動車の一つであるトラックは、シャシー,キャブおよびボディから構成され、ボディによって荷室が形成される。また、一般的に「トレーラ」と総称される貨物自動車は、牽引車であるトラクタと被牽引車であるトレーラとから構成され、トレーラによって荷室が形成される。
【0003】
貨物自動車の荷室、つまり、上記ボディやトレーラなどの床は、主に縦桁,横桁および床板から構成される。縦桁は「縦根太」や「メインレール」と呼ばれ、横桁は「横根太」や「クロスメンバ」と呼ばれることもある。
【0004】
多くの貨物自動車の荷室の床は、車両の幅方向に沿って互いに平行に並べられる2本の縦桁と、車両の前後方向に沿って互いに平行に並べられる複数本の横桁と、を有する。そして、井桁状に組み合わされた縦桁および横桁によって形成される支持面の上に複数枚の床板が互いに平行に並べられて平坦な床面が形成される。床板にはアルミニウム合金などの金属製の板材やアピトンなどの木製の板材が使用される。
【0005】
図5に従来の荷室の床構造の一例を示す。図示されている床構造では、2本の縦桁と、これら縦桁に対してそれぞれ直交する複数本の横桁と、によって支持面が形成されている。
【0006】
図5には1本の縦桁100のみが図示されているが、図示されている縦桁100と平行な不図示の縦桁がもう1本設けられている。図示されている縦桁100を含む2本の縦桁のそれぞれは、対向する上側水平部101および下側水平部102と、上側水平部101と下側水平部102とを繋ぐ垂直部103と、によって断面H形に形成されている。
【0007】
また、図5には1本の横桁200のみが図示されているが、図示されている横桁200と平行な不図示の横桁が複数本設けられている。図示されている横桁200を含むそれぞれの横桁は、対向する上側水平部201および下側水平部202と、これら上側水平部201と下側水平部202とを繋ぐ垂直部203と、によって断面H形に形成されている。
【0008】
井桁状に組み合わされた縦桁100および横桁200によって形成されている支持面の上には複数枚の床板300が互いに平行に並べられている。これら床板300は、横桁200に沿って互いに平行に並んでいる。また、それぞれの床板300は、縦桁100に沿って延びている。言い換えれば、それぞれの床板300は、縦桁100に対して平行であり、かつ、複数本の横桁200に跨っている。それぞれの床板300の上面は互いに略面一であり、縦桁100の両隣の床板300の上面は、縦桁100の上側水平部101の上面とも略面一である。
【0009】
縦桁100の幅方向両端部には、当該縦桁100とその両隣の床板300とに跨る止水カバー400がそれぞれ設けられている。つまり、図示されている床構造には合計4本の止水カバー400が設けられている。これら止水カバー400は、外部から荷室内に水が浸入することを防止する目的で設けられている。具体的には、止水カバー400は、路面から跳ね上がる水やタイヤによって跳ね上げられる水が縦桁100と床板300との間を通って荷室内に侵入することを防止するために設けられている。
【0010】
上記目的を有する止水カバー400は、縦桁100と略同一の長さを有する板金であって、縦桁100と同じく車両の前後方向に延びている。止水カバー400の幅方向一部は縦桁100の上側水平部101の下面と横桁200の上側水平部201の上面との間に介在し、止水カバー400の幅方向他の一部は床板300の下面と横桁200の上側水平部201の上面との間に介在している。つまり、止水カバー400は、縦桁100と当該縦桁100に隣接する床板300とに跨っている。さらに、止水カバー400には、縦桁100の上側水平部101の側面と当該縦桁100に隣接する床板300の側面との間に介在する突起部401が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2014-231888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のように、従来の床構造では、縦桁とその両隣の床板との間に止水カバーが設けられている。しかし、路面から跳ね上がる水やタイヤによって跳ね上げられる水の量や勢いによっては、縦桁と床板との間から荷室内に水が浸入することがあった。特に、図5に矢印で示すように、止水カバー400の突起部401と縦桁100の上側水平部101の側面との間を通じて荷室内に水が浸入することがあった。
【0013】
本発明の目的は、縦桁と床板との間から荷室内に水が浸入することがない貨物自動車の荷室の床構造を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の貨物自動車の荷室の床構造は、縦桁と、前記縦桁と直交し、かつ、前記縦桁に沿って互いに平行に並ぶ複数本の横桁と、前記縦桁の両隣に配置され、かつ、当該縦桁に沿って前記複数本の横桁に跨る少なくとも2枚の床板と、前記縦桁に沿って設けられ、当該縦桁とその両隣の前記床板とに跨る止水カバーと、を有する。前記止水カバーは、前記縦桁に被さる中央部と、前記中央部に連接し、かつ、前記縦桁の両隣の前記床板と前記横桁との間にそれぞれ介在する一対のフランジ部と、を備える。
【0015】
本発明の一態様では、前記止水カバーの前記中央部は、前記縦桁に被さる横板部と、前記横板部に連接し、かつ、前記縦桁とその両隣の前記床板との間にそれぞれ介在する一対の縦板部と、を含み、前記フランジ部は、前記縦板部を介して前記横板部に連接する。
【0016】
本発明の他の一態様では、前記縦桁および前記横桁は、対向する上側水平部および下側水平部と、これら上側水平部と下側水平部とを繋ぐ垂直部と、を有する。前記床板は、前記縦桁の前記上側水平部の両隣に配置される。前記止水カバーの前記横板部は、前記縦桁の前記上側水平部の上面を覆い、前記止水カバーの前記縦板部は、前記縦桁の前記上側水平部の側面と前記床板の側面との間に介在し、前記止水カバーの前記フランジ部は、前記横桁の前記上側水平部の上面と前記床板の下面との間に介在する。
【0017】
本発明の他の一態様では、前記横桁と前記床板との間にアンダーパンが配置される。前記アンダーパンの端部は、前記止水カバーの前記フランジ部に重ねられて、当該フランジ部と前記床板との間に挟まれる。
【0018】
本発明の他の一態様では、前記アンダーパンの前記端部が重ねられている前記フランジ部の上面には凹部が形成され、前記凹部にはシーリング材が充填される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、縦桁と床板との間から荷室内に水が浸入することがない貨物自動車の荷室の床構造が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る床構造が採用された荷室を備えるトラックの外観を示す図である。
図2図1に示されるトラックの荷室に採用されている床構造の全体構成を示す図である。
図3図1に示されるトラックの荷室に採用されている床構造の詳細を示す図である。
図4図1に示されるトラックの荷室に採用されている床構造に含まれる縦桁,横桁および止水カバーを示す図である。
図5】従来の貨物自動車の荷室の床構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、貨物自動車の一つであるトラックを例にとって本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1に示されるトラック1は、不図示のシャシーと、当該シャシーに搭載されたキャブ2およびボディ3から構成され、ボディ3によって荷室が形成されている。つまり、図示されているトラック1は、いわゆる「バン型」のトラックである。
【0023】
荷室を形成しているボディ3は、床4,天井5,右側壁6,左側壁7,前壁8,後壁9によって箱型に形成されている。後壁9は、右側壁6に回動可能に連結された右扉9aと、左側壁7に回動可能に連結された左扉9bと、から構成されている。つまり、後壁9は、観音開きの右扉9aおよび左扉9bによって構成されており、右扉9aと左扉9bの一方または双方を開いてボディ3内(荷室内)に荷物を出し入れすることができる。
【0024】
次に、トラック1の荷室の床構造、つまり、ボディ3の床構造について説明する。図2に示されるように、ボディ3の床は、複数本(本実施形態では2本)の縦桁10,20とこれら縦桁10,20に対してそれぞれ直交する複数本(本実施形態では32本)の横桁30とによって形成される支持面と、この支持面の上に並べられた複数枚の床板40(図3)と、を含む。
【0025】
縦桁10,20は、トラック1の長さ方向(前後方向)に沿って延びており、かつ、トラック1の幅方向(左右方向)に沿って互いに平行に並んでいる。一方、それぞれの横桁30は、トラック1の幅方向(左右方向)に沿って延びており、かつ、トラック1の長さ方向(前後方向)に沿って互いに平行に並んでいる。つまり、井桁状に組み合われた縦桁10,20および横桁30によって支持面が形成されている。
【0026】
図3に示されるように、縦桁10は、対向する上側水平部11および下側水平部12と、これら上側水平部11と下側水平部12とを繋ぐ垂直部13と、によって断面H形に形成されている。尚、図2に示されている縦桁20も、図3に示されている縦桁10と同様の形状および構造を有する。つまり、縦桁20も縦桁10と同じく、対向する上側水平部および下側水平部と、上側水平部と下側水平部とを繋ぐ垂直部と、によって断面H形に形成されている。
【0027】
図3に示されるように、横桁30は、対向する上側水平部31および下側水平部32と、これら上側水平部31と下側水平部32とを繋ぐ垂直部33と、によって断面H形に形成されている。尚、図2に示されている他の横桁30も、図3に示されている横桁30と同様の形状および構造を有する。つまり、それぞれの横桁30は、対向する上側水平部および下側水平部と、上側水平部と下側水平部とを繋ぐ垂直部と、によって断面H形に形成されている。
【0028】
図2に示されている複数本の横桁30の多くは、縦桁10の垂直部13(図3)および縦桁20の垂直部(不図示)を貫通してトラック1の幅方向に延びている。但し、図2に示されている複数本の横桁30の一部は縦桁10,20を貫通していない。縦桁10,20を貫通していない一部の横桁30は、縦桁10の垂直部13(図3)や縦桁20の垂直部(不図示)に突き当てられ、それら垂直部に溶接その他の方法により固定されている。
【0029】
再び図3を参照する。それぞれの床板40は、横桁30の長手方向に沿って互いに平行に並んでおり、かつ、縦桁10および縦桁20(図2)の長手方向に沿って延びている。言い換えれば、それぞれの床板40は、図2に示されている2本の縦桁10,20に対して平行であり、かつ、複数本の横桁30に跨っている。図3に示されるように、それぞれの床板40の上面41は互いに略面一である。また、床板40の上面41と縦桁10の上側水平部11の上面11aとは互いに略面一であるが、縦桁10の上側水平部11の上面11aは、床板40の上面41よりも僅かに低い。
【0030】
図3に示されるように、縦桁10にはその全長に亘って止水カバー50が設けられている。止水カバー50はプレス加工された板金であり、図4に示されるように、対向する一対の縦板部51,52と、縦板部51と縦板部52とを繋ぐ横板部53と、によって断面形状コ字形に成形された中央部54を有する。また、中央部54の幅方向両側には、その全長に亘って一対のフランジ部55,56が連接されている。それぞれの縦板部51,52は、横板部53に対して略直角に折れ曲がっている。また、フランジ部55は縦板部51に対して、フランジ部56は縦板部52に対して、それぞれ略直角に折れ曲がっている。一方、フランジ部55,56は、横板部53に対して略平行である。さらに、それぞれのフランジ部55,56の上面には、その全長に亘って凹部57が形成されている。
【0031】
図3図4に示されるように、止水カバー50は縦桁10に帽子の如く被せられ、縦桁10とその両隣の床板40とに跨っている。具体的には、図3に示されるように、止水カバー50の中央部54は縦桁10の上側水平部11を覆うように当該縦桁10に被せられている。より具体的には、中央部54の横板部53は縦桁10の上側水平部11の上面11aを覆っており、中央部54の縦板部51,52は、縦桁10の上側水平部11の各側面11bと当該縦桁10の両隣の床板40の各側面42との間に介在している。さらに、止水カバー50のフランジ部55,56は、横桁30の上側水平部31の上面31aと床板40の下面43との間に介在している。尚、図示は省略されているが、図2に示されている縦桁20にも図3図4に示されている止水カバー50と同一の止水カバーが同様に設けられている。
【0032】
図3に示されるように、床板40の下層にはアンダーパン60が設けられている。本実施形態では3枚のアンダーパン60が設けられており、その1枚は、図2に示される2本の縦桁10,20の間の領域に設けられ、他の1枚は縦桁10の外側の領域に設けられ、さらに他の1枚は縦桁20の外側の領域に設けられている。それぞれのアンダーパン60は縦桁10,20と略同一の全長を有し、複数本の横桁30に跨っている。要するに、図3に示されている床板40の下層には、床面の略全域を覆うようにアンダーパン60が配置されている。
【0033】
図3に示されるように、アンダーパン60の端部は止水カバー50のフランジ部55,56の上に重なっている。言い換えれば、アンダーパン60の端部は、フランジ部55,56の上面と、当該上面と対向する床板40の下面43と、の間に挟まれている。さらに、フランジ部55,56とアンダーパン60の端部との間には、フランジ部55,56の凹部57(図4)に充填されたシーリング材58が介在している。本実施形態におけるアンダーパン60はガルバ鋼板であり、シーリング材58はブチルゴムである。もっとも、アンダーパン60は、例えば、アルミ板やFRP(Fiber-Reinforced Plastics)板などに置き換えることができる。また、シーリング材58はブチルゴムに限られない。
【0034】
図3に示されるように、アンダーパン60と床板40との間にはスペーサ61が配置されている。スペーサ61の裏面(アンダーパン60と対向する面)には両面テープが設けられており、スペーサ61はこの両面テープによってアンダーパン60に貼り付けられている。もっとも、スペーサ61はアンダーパン60の全面に設けられているのではなく、横桁30の上側水平部31に対応する位置に限って設けられている。
【0035】
図3に示されるように、止水カバー50の中央部54の上面54aは、当該止水カバー50が被せられている縦桁10の両隣の床板40の上面41と略面一である。既述のとおり、縦桁10の上側水平部11の上面11aは床板40の上面41よりも僅かに低い。しかし、縦桁10の上側水平部11に止水カバー50の中央部54が被せられることにより、縦桁10の上側水平部11の上面11aと床板40の上面41との間の高低差が補われ、全体として平坦な床面が形成されている。言い換えれば、縦桁10の上側水平部11に止水カバー50の中央部54を被せたときに、当該中央部54の上面54aと床板40の上面41とが略面一となるように、各部の高さが予め設定されており、また、スペーサ61が挿入されている。
【0036】
上記のように、本実施形態に係る床構造では、縦桁10に、当該縦桁10とその両隣の床板40とに跨る止水カバー50が被せられている。さらに、止水カバー50は、縦桁10の上側水平部11の上面11aを覆う横板部53と、縦桁10の上側水平部11の側面11bと床板40の側面42との間に介在する縦板部51,52と、横桁30の上側水平部31の上面31aと床板40の下面43との間に介在するフランジ部55,56と、を備えている。加えて、止水カバー50の横板部53,縦板部51,52およびフランジ部55,56のそれぞれは、折り曲げられた一枚の板金の一部である。言い換えれば、縦板部51,52は横板部53に連接しており、フランジ部55,56は、縦板部51,52を介して横板部53に連接している。よって、図3に示されるように、縦桁10と床板40との間、特に、縦桁10の上側水平部11の側面11bと床板40の側面42との間から荷室内に水が浸入することがない。
【0037】
上記構造は図2に示されている縦桁20とその両隣の床板40に関しても同様である。よって、縦桁20と床板40との間、特に、縦桁20の上側水平部の側面と床板40の側面との間から荷室内に水が浸入することもない。
【0038】
本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、縦桁と止水カバーとの間に緩衝材を配置してもよい。この場合、図3に示される縦桁10の上側水平部11の上面11aと止水カバー50の横板部53の下面との間にテープ状の緩衝材を配置することが好ましい。本発明は、バン型以外のトラックは勿論、トラック以外の貨物自動車の荷室の床構造にも適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 トラック
2 キャブ
3 ボディ
4 床
5 天井
6 右側壁
7 左側壁
8 前壁
9 後壁
9a 右扉
9b 左扉
10,20,100 縦桁
11,31,101,201 上側水平部
11a 上面
11b 側面
12,32,102,202 下側水平部
13,33,103,203 垂直部
30,200 横桁
31a 上面
40,300 床板
41 上面
42 側面
43 下面
50,400 止水カバー
51 縦板部
52 縦板部
53 横板部
54 中央部
54a 上面
55,56 フランジ部
57 凹部
58 シーリング材
60 アンダーパン
61 スペーサ
401 突起部
図1
図2
図3
図4
図5