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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】液体供給装置および液体供給方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 23/06 20060101AFI20220228BHJP
   F04B 1/16 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
F04B23/06
F04B1/16
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018123366
(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2020002881
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000145611
【氏名又は名称】株式会社コガネイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村岡 裕之
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-150402(JP,A)
【文献】特開2014-001663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 23/06
F04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の吸入流路および第1の吐出流路に連通する第1のポンプ室と、第2の吸入流路および第2の吐出流路に連通する第2のポンプ室と、前記第1の吐出流路および前記第2の吸入流路が開口する弁取付面とが形成された一体型のポンプブロックと、
前記第1のポンプ室に前記第1の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第1のポンプ室から前記第1の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第1のポンプと、
前記第2のポンプ室に前記第2の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第2のポンプ室から前記第2の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第2のポンプと、
前記ポンプブロックの外側に設けられ、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路との連通を遮断する閉状態と、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路とを連通させる開状態を備え、外部からの制御信号に基づいて開状態と閉状態を切り換える弁駆動部を有し、前記弁取付面に取り付けられる流路開閉弁と、を有し、
前記流路開閉弁は、前記第1のポンプが吸入動作し前記第2のポンプが吐出動作するときに前記閉状態となり、前記第2のポンプが吸入動作し前記第1のポンプが吐出動作するときに前記開状態となって液体を前記第2の吐出流路に案内する、液体供給装置。
【請求項2】
請求項1記載の液体供給装置において、
前記流路開閉弁は、電磁弁である液体供給装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の液体供給装置において、
前記第1のポンプの吸入動作時に液体容器に収容された液体を前記第1のポンプ室に案内し、前記第1のポンプの吐出動作時に前記液体容器への液体の逆流を阻止する吸入制御弁を有する液体供給装置。
【請求項4】
請求項3記載の液体供給装置において、
前記第2の吐出流路に吐出制御弁を設ける液体供給装置。
【請求項5】
請求項4記載の液体供給装置において、前記吸入制御弁と前記吐出制御弁の少なくともいずれか一方は、逆止弁である、液体供給装置。
【請求項6】
請求項4記載の液体供給装置において、前記吸入制御弁と前記吐出制御弁の少なくともいずれか一方は、電磁弁である、液体供給装置。
【請求項7】
請求項6記載の液体供給装置において、前記第1の吸入流路に連通する連通流路および前記液体容器に接続される吸入ポートが設けられた吸入側のポートブロックを有し、前記電磁弁からなる前記吸入制御弁は前記吸入側のポートブロックに取り付けられ、前記吸入ポートと前記第1の吸入流路とを連通させる状態と、連通を遮断する状態とに開閉作動する、液体供給装置。
【請求項8】
請求項6記載の液体供給装置において、前記第2の吐出流路に連通する連通流路および塗布具に接続される吐出ポートが設けられた吐出側のポートブロックを有し、前記電磁弁からなる前記吐出制御弁は前記吐出側のポートブロックに取り付けられ、前記吐出ポートと前記第2の吐出流路とを連通させる状態と、連通を遮断する状態とに開閉作動する、液体供給装置。
【請求項9】
請求項6記載の液体供給装置において、前記液体容器に接続される吸入ポートが前記ポンプブロックに設けられ、前記電磁弁からなる前記吸入制御弁は前記ポンプブロックに取り付けられ、前記吸入ポートと前記第1の吸入流路とを連通させる状態と、連通を遮断する状態とに開閉作動する、液体供給装置。
【請求項10】
請求項6記載の液体供給装置において、塗布具に接続される吐出ポートが前記ポンプブロックに設けられ、前記電磁弁からなる前記吐出制御弁は前記ポンプブロックに取り付けられ、前記吐出ポートと前記第2の吐出流路とを連通させる状態と、連通を遮断する状態とに開閉作動する、液体供給装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の液体供給装置において、前記第1の吐出流路は、前記第1のポンプ室に連通するとともに前記第1の吸入流路と同軸状である第1の連通部と前記弁取付面に開口する吐出部を有し、前記第2の吸入流路は、前記弁取付面に開口する吸入部と前記第2のポンプ室に連通する第2の連通部を有する液体供給装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の液体供給装置において、前記ポンプブロックは、前記弁取付面に垂直であり前記第1の吸入流路が開口する第1の開口面と、前記弁取付面に垂直であり前記第2の吐出流路が開口し前記第1の開口面に平行な第2の開口面と、を有する液体供給装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載の液体供給装置において、前記第1の吸入流路と前記第2の吐出流路は同軸状である、液体供給装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の液体供給装置において、前記第2のポンプが吸入動作しているときに吐出動作する前記第1のポンプの吐出流量は、前記第1のポンプが吸入動作しているときに吐出動作する前記第2のポンプの吐出流量の2倍である、液体供給装置。
【請求項15】
第1の吸入流路および第1の吐出流路に連通する第1のポンプ室と、第2の吸入流路および第2の吐出流路に連通する第2のポンプ室とが形成された一体型のポンプブロックと、
前記第1のポンプ室に前記第1の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第1のポンプ室から前記第1の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第1のポンプと、
前記第2のポンプ室に前記第2の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第2のポンプ室から前記第2の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第2のポンプと、
前記ポンプブロックの外側に設けられ、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路との連通を遮断する閉状態と、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路とを連通させる開状態を備え、外部からの制御信号に基づいて開状態と閉状態を切り換える弁駆動部を有する流路開閉弁と、を有する液体供給装置において、
前記流路開閉弁を閉状態として、前記第1のポンプが吸入動作し、前記第2のポンプが吐出動作する第1吐出ステップと、
前記第1のポンプと前記第2のポンプが停止、前記流路開閉弁を前記閉状態から前記開状態に切り換える第1休止ステップと、
前記流路開閉弁を開状態とし、前記第1のポンプが吐出動作し、前記第2のポンプが吸入動作する第2吐出ステップと、
前記第1のポンプと前記第2のポンプが停止し、前記流路開閉弁を開状態から、前記閉状態に切り換える第2休止ステップと、を有する液体供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状樹脂等の液体を供給する液体供給装置および液体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を供給するために、液体供給装置は、収縮して吐出動作を行い、膨張して吸入動作を行うポンプ室を備えたポンプを有している。特許文献1には、一次側ポンプとこの一次側ポンプに直列に接続される二次側ポンプとを備え、フォトレジスト液等の液体を供給するための液体供給装置が記載されている。特許文献2には、第1のポンプとこのポンプに直列に接続される第2のポンプとを備えた液体クロマトグラフ用ポンプが記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された液体供給装置は、一次側ポンプの吐出口と二次側ポンプの流入口との間に連通流路が接続され、逆止弁が連通流路に設けられている。逆止弁は、一次側ポンプの吐出動作時には一次側ポンプから二次側ポンプへの液体の流れを許容し、一次側ポンプの吸入動作時には一次側ポンプへの液体の逆流を阻止する。
【0004】
特許文献2に記載されたポンプは、2つのシリンダが形成されたポンプ本体を有し、それぞれポンプを構成するプランジャがそれぞれのシリンダに往復動自在に設けられている。第1のポンプと第2のポンプとの間の流路には、逆止弁が設けられており、この逆止弁は特許文献1における逆止弁と同様の機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-1663号公報
【文献】特開2004-150402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の液体供給装置ように、一次側ポンプと二次側ポンプとが分離された形態においては、2つのポンプを連通流路の配管により接続し、配管に逆止弁が設けられる。このため、液体供給装置の構造が複雑となり、組立作業に時間がかかる。
【0007】
一方、特許文献2のように、ポンプ本体に2つのポンプと逆止弁とを組み込むようにすると、逆止弁を組み込むためにポンプ本体を分割型としなければ、ポンプを組み立てることができない。したがって、第1のポンプが組み込まれるブロック材と、第2のポンプが組み込まれるブロック材とによりポンプ本体を形成し、ブロック材に逆止弁を収容する凹部を形成しなければならない。このため、ポンプの構造が複雑となり、組立作業に時間がかかる。しかも、逆止弁をブロック材の内部に組み込むと、ポンプの点検や洗浄、逆止弁の交換等のメンテナンス時にポンプ本体を分解しなければならず、メンテナンス性が悪い。
【0008】
上述のように、フォトレジスト液を塗布する場合と相違して、液状の樹脂を金型に供給して樹脂製品を製造する場合であって、金型に例えば1cc程度の樹脂材料を供給する場合には、ポンプからの吐出精度を高める必要がある。このように、比較的少量の液体を供給する場合には、一次側ポンプと二次側ポンプとの間に逆止弁を設けると、液体の吐出精度を高めることができない。なぜならば、逆止弁においては、二次側ポンプの吐出開始時に僅かに一次側ポンプに向けて液体の逆流が発生するからである。
【0009】
本発明の目的は、構造が簡単であってメンテナンス性に優れた液体供給装置および液体供給方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、吐出精度を向上することができる液体供給装置および液体供給方を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の液体供給装置は、第1の吸入流路および第1の吐出流路に連通する第1のポンプ室と、第2の吸入流路および第2の吐出流路に連通する第2のポンプ室と、前記第1の吐出流路および前記第2の吐出流路が開口する弁取付面とが形成された一体型のポンプブロックと、前記第1のポンプ室に前記第1の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第1のポンプ室から前記第1の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第1のポンプと、前記第2のポンプ室に前記第2の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第2のポンプ室から前記第2の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第2のポンプと、前記ポンプブロックの外側に設けられ、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路との連通を遮断する閉状態と、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路とを連通させる開状態を備え、外部からの制御信号に基づいて開状態と閉状態を切り換える弁駆動部を有し、前記弁取付面に取り付けられる流路開閉弁と、を有し、前記流路開閉弁は、前記第1のポンプが吸入動作し前記第2のポンプが吐出動作するときに前記閉状態となり、前記第2のポンプが吸入動作し前記第1のポンプが吐出動作するときに前記開状態となって液体を前記第2の吐出流路に案内する。
【0012】
本発明の液体供給方法は、第1の吸入流路および第1の吐出流路に連通する第1のポンプ室と、第2の吸入流路および第2の吐出流路に連通する第2のポンプ室とが形成された一体型のポンプブロックと、前記第1のポンプ室に前記第1の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第1のポンプ室から前記第1の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第1のポンプと、前記第2のポンプ室に前記第2の吸入流路から液体を吸入する吸入動作、および前記第2のポンプ室から前記第2の吐出流路に液体を吐出する吐出動作を行う第2のポンプと、前記ポンプブロックの外側に設けられ、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路との連通を遮断する閉状態と、前記第1の吐出流路と前記第2の吸入流路とを連通させる開状態を備え、外部からの制御信号に基づいて開状態と閉状態を切り換える弁駆動部を有する流路開閉弁と、を有する液体供給装置において、前記流路開閉弁を閉状態として、前記第1のポンプが吸入動作し、前記第2のポンプが吐出動作する第1吐出ステップと、前記第1のポンプと前記第2のポンプが停止、前記流路開閉弁を前記閉状態から前記開状態に切り換える第1休止ステップと、前記流路開閉弁を開状態とし、前記第1のポンプが吐出動作し、前記第2のポンプが吸入動作する第2吐出ステップと、前記第1のポンプと前記第2のポンプが停止し、前記流路開閉弁を開状態から、前記閉状態に切り換える第2休止ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0013】
流路開閉弁はポンプブロックの内部に組み込まれることなく、ポンプブロックの外側に設けられているので、流路開閉弁をポンプブロックから容易に取り外すことができ、液体供給装置のメンテナンス性を向上させることができる。第1と第2のポンプ室は、一体型のポンプブロックに形成されており、ポンプブロックは複数の部材を組み立てることなく、簡単な構造であり、液体供給装置を容易に組み立てることができる。第1の吐出流路と第2の吸入流路との連通を遮断した状態と、連通させる状態とに電磁弁により切り換えるようにしたので、第2の吐出流路から高精度で液体を吐出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施の形態である液体供給装置を示す一部切り欠き正面図である。
図2図1の要部を示す拡大断面図である。
図3図2におけるA-A線断面図である。
図4図1に示された流路開閉電磁弁の要部を示す断面図であり、(A)は流路開閉電磁弁が閉じた状態を示し、(B)は流路開閉電磁弁が開いた状態を示す。
図5】他の実施の形態である液体供給装置の要部を示す断面図である。
図6】液体供給装置における液体供給動作を示すタイムチャートである。
図7】他の実施の形態である液体供給装置の要部を示す断面図である。
図8】さらに他の実施の形態である液体供給装置の要部を示す断面図である。
図9図8に示された液体供給装置の制御回路を示すブロック図である。
図10】さらに他の実施の形態である液体供給装置の要部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。液体供給装置10は、液体容器11内の液体Lを塗布ノズル等の塗布具12に供給するために使用される。液体供給装置10は、直方体形状のポンプブロック13を有している。ポンプブロック13は6つの面を有しており、図1において左側の面を正面14aとし、反対側面を背面14bとし、下側の面を下端面14cとし、上側の面を上端面14dとする。図3において左右の面を側面14e、14fとする。正面14aと背面14bは平行であり、下端面14cと上端面14dは平行であり、正面14aは下端面14cに対して直角である。
【0016】
底付きの第1のシリンダ孔15が背面14bに開口してポンプブロック13に設けられ、底付きの第2のシリンダ孔16が背面14bに開口してポンプブロック13に設けられている。両方のシリンダ孔15、16は相互に平行である。このように、ポンプブロック13は、2つのシリンダ孔15、16が単一のブロック部材に設けられた一体型である。正面14aおよび上下の端面14c、14dは外部に露出した外面である。
【0017】
ポンプブロック13の背面14bは駆動機構取付面であり、ポンプ駆動機構17が背面14bに装着される。ポンプ駆動機構17は第1のポンプ18と第2のポンプ19とを備えている。ポンプ18はポンプ部材としてのプランジャ21を有し、ポンプ19はポンプ部材としてのプランジャ22を有している。
【0018】
プランジャ21はシリンダ孔15に往復動自在に装着される。第1のポンプ室23がシリンダ孔15とプランジャ21により形成され、ポンプ室23はプランジャ21の往復動により膨張収縮される。プランジャ21の収縮限位置は、プランジャ21が第1のシリンダ孔15の底面に最接近した位置により設定される。プランジャ22はシリンダ孔16に往復動自在に装着される。第2のポンプ室24がシリンダ孔16とプランジャ22により形成され、ポンプ室24はプランジャ22の往復動により膨張収縮される。プランジャ22の収縮限位置は、プランジャ22がシリンダ孔16の底面に最接近した位置により設定される。図1および図2においては、プランジャ22がシリンダ孔16の底面に最接近した状態を示す。
【0019】
プランジャ21とシリンダ孔15の間には僅かな隙間が設けられており、ポンプ室23からの液体の漏出はシール部材20により防止される。同様に、ポンプ室24からの液体の漏出はシール部材20により防止される。
【0020】
第1の吸入流路25がポンプブロック13に形成され、吸入流路25は開口面である下端面14cに開口し、ポンプ室23に連通する。第1の吐出流路26がポンプブロック13に形成され、吐出流路26は弁取付面である正面14aに開口し、ポンプ室23に連通する。吐出流路26は、図2に示されるように、第1の連通部である連通部26aと吐出部26bとを備える。連通部26aは、ポンプ室に連通し、吸入流路25に同軸状であって、シリンダ孔15に垂直である。吐出部26bは、シリンダ孔15と平行であり、正面14aに開口している。
【0021】
第2の吸入流路27がポンプブロック13に形成され、吸入流路27は取付面である正面14aに開口し、ポンプ室24に連通する。第2の吐出流路28がポンプブロック13に形成され、吐出流路28は開口面である上端面14dに開口し、ポンプ室24に連通する。吸入流路27は、図2に示されるように、第2の連通部である連通部27aと吸入部27bとを備える。連通部27aは、ポンプ室24に連通し、吐出流路28と同軸状であり、シリンダ孔16に垂直である。吸入部27bは、シリンダ孔16と平行であり、吐出部26bと平行となって正面14aに開口している。
【0022】
ポンプ駆動機構17は、ポンプ部材としてのプランジャ21を往復動するための第1のモータ31と、ポンプ部材としてのプランジャ22を往復動するための第2のモータ32とを備えている。プランジャ21にねじ結合されるナットがポンプ駆動機構17の内部に組み込まれており、モータ31の主軸の回転運動は、ナットを介してプランジャ21の直線往復運動に変換される。同様に、モータ32の主軸の回転運動は、プランジャ22の直線往復運動に変換される。
【0023】
プランジャ21がポンプ室23を膨張させる方向に駆動されてポンプ18が吸入動作を行うときには、吸入流路25からポンプ室23に液体が吸入される。一方、プランジャ22がポンプ室24を収縮させる方向駆動されてポンプ19が吐出動作を行うときには、ポンプ室24から吐出流路28に液体が吐出される。
【0024】
流路開閉弁としての流路開閉電磁弁33が弁取付面としての正面14aに取り付けられている。流路開閉電磁弁33は、ポンプ18が吸入動作し、ポンプ19が吐出動作するときに、吐出流路26と吸入流路27との連通を遮断する。さらに、流路開閉電磁弁33は、ポンプ19が吸入動作し、ポンプ18が吐出動作するときに、吐出流路26と吸入流路27とを連通させる。このように、流路開閉電磁弁33は、ポンプブロック13の外側に設けられ、吐出流路26と吸入流路27とを連通させる開状態と、連通を遮断する閉状態とに動作する。
【0025】
ポンプ18が吐出動作を行うとともに、ポンプ19が吸入動作を行うときには、流路開閉電磁弁33を介してポンプ室23からポンプ室24に液体が供給される。それぞれのポンプ18、19が吐出動作を行うときのモータ31、32の回転方向を正転方向とすると、吸入動作するときにはモータ31、32は逆転方向に駆動される。
【0026】
図2に示されるように、ポンプブロック13においては、シリンダ孔15の径D1とシリンダ孔16の径D2は同一径(D1=D2)であり、両方のシリンダ孔15、16の横断面積は同一である。また、プランジャ21の往復動ストロークS1は、プランジャ22の往復動ストロークS2の2倍(S1=2S2)であり、プランジャ21の往復動時の速度は、プランジャ22の往復動時の速度の2倍に設定されている。上述のように、流路開閉電磁弁33が吐出流路26と吸入流路27とを連通させている開状態においては、ポンプ19が吸入動作しポンプ18が吐出動作する。一方、流路開閉電磁弁33が吐出流路26と吸入流路27との連通を遮断している閉状態においては、ポンプ18が吸入動作し、ポンプ19が吐出動作する。したがって、ポンプ18の吐出流量は、ポンプ19の吐出流量の2倍である。
【0027】
これにより、プランジャ22が吸入動作し、プランジャ21が吐出動作するときには、プランジャ21の吐出動作により、ポンプ室23内の液体は、ポンプ室24に供給されるとともにポンプ室24を介して吐出流路28に吐出される。吐出流路28に流れる液体は、ポンプブロック13の下端面から上端面に向けて流路内を流れるので、液体に気泡が含まれていても、気泡が流路内に留まることなく、気泡を外部に排出することができる。
【0028】
図4図1に示された流路開閉電磁弁33の要部を示す断面図である。
【0029】
図4に示されるように、流路開閉電磁弁33は、ソレノイドケース34が設けられた弁収容ケース35を有し、ポートプレート36が弁収容ケース35に取り付けられる。流路開閉電磁弁33は、外部からの制御信号に基づいて弁部材45を開閉動作させ開状態と閉状態を切り換える弁駆動部40を有している。弁駆動部40としての可動鉄心37がソレノイドケース34内に軸方向に往復動自在に装着され、コイルばね38により、可動鉄心37にはポートプレート36に向けて突出する方向のばね力が加えられている。図示しないコイルがソレノイドケース34に組み込まれており、コイルに制御信号としての駆動電流が印加されると、可動鉄心37はばね力に抗して後退する方向に駆動される。ポートプレート36は、図2に示されるように、ねじ部材39によりポンプブロック13の正面14aに取り外し自在に装着される。ねじ部材39が取り付けられるねじ取付孔39aがポートプレート36に形成されている。
【0030】
図4に示されるように、揺動アーム41が弁収容ケース35内に配置され、揺動アーム41は可動鉄心37の前方を可動鉄心37を横切る方向に延びている。揺動アーム41の基端部は支持軸42により弁収容ケース35に揺動自在に支持される。弁駆動レバー43が揺動アーム41とポートプレート36との間に配置され、弁駆動レバー43は揺動アーム41に沿って延びている。弁駆動レバー43の長手方向中央部は支持軸44により弁収容ケース35内に揺動自在に支持され、弁駆動レバー43は支持軸44を中心に揺動する。
【0031】
ゴム製の弁部材45が弁駆動レバー43に設けられており、弁部材45とポートプレート36とにより液体流路46が形成される。流入孔47と流出孔48がポートプレート36に形成され、流入孔47と流出孔48は液体流路46により連通される。流入孔47は第1の吐出流路26に連通され、流出孔48は第2の吸入流路27に連通される。開閉部49が流出孔48に対応して弁部材45に設けられており、開閉部49は流出孔48を開閉する。コイルばね51が揺動アーム41の基端部と弁駆動レバー43の一端部との間に配置され、コイルばね51は開閉部49が流出孔48を開く方向のばね力を弁駆動レバー43に加える。
【0032】
作動部52が揺動アーム41の先端部に設けられ、作動部52は弁駆動レバー43の他端部に接触している。力点部53が揺動アーム41の長手方向中央部に設けられ、力点部53は可動鉄心37に向けて突出し、可動鉄心37の先端面が力点部53に接触している。可動鉄心37は揺動アーム41の長手方向中央部に接触しているので、作動部52の揺動ストロークは、可動鉄心37の軸方向ストロークよりも拡大され、拡大された作動部52の揺動ストロークにより、開閉部49は開閉作動される。したがって、小型の流路開閉電磁弁33により、液体流路46と流出孔48との連通開度を確保しつつ、開閉部49は高速で流出孔48を開閉することができる。
【0033】
図4(A)はコイルばね38のばね力により、開閉部49が流出孔48を塞いで流入孔47と流出孔48の連通を遮断した状態、つまり閉じた状態を示す。図4(B)はコイルに駆動電流が印加されて可動鉄心37が後退駆動されてコイルばね51のばね力により開閉部49が流出孔48から離れて流入孔47と流出孔48とを連通させた状態、つまり開いた状態を示す。
【0034】
流路開閉電磁弁33はポンプブロック13の内部に組み込まれることなく、外部に設けられているので、ねじ部材39を緩めることにより、流路開閉電磁弁33を容易にポンプブロック13から取り外すことができ、流路開閉電磁弁33の点検や交換等のメンテナンス性を向上させることができる。
【0035】
吸入制御弁54が第1の開口面としての下端面14cに設けられている。図1に示される吸入制御弁54は吸入側の逆止弁54aである。逆止弁54aは、図2に示されるように、下端面14cに取り付けられる弁ケース55を有し、第1の吸入流路25に連通する弁室56が弁ケース55に設けられている。吸入ポート57が弁ケース55に設けられ、液体容器11に接続される吸入配管58が吸入ポート57に接続される。ボールからなる弁体59が弁室56内に設けられている。逆止弁54aは、プランジャ21の吸入動作時に液体容器11に収容された液体Lをポンプ室23に案内し、プランジャ21の吐出動作時には弁体59が弁室56を閉じて液体容器11への液体の逆流を阻止する。
【0036】
吐出制御弁61が開口面としての上端面14dに設けられている。図1に示される吐出制御弁61は吸入側の逆止弁54aと同様に逆止弁である。吐出側の逆止弁61aは、上端面14dに取り付けられる弁ケース62を有し、吐出流路28に連通する弁室63が弁ケース62に設けられている。吐出ポート64が弁ケース62に設けられ、液体を吐出する塗布具12に接続される吐出配管65が吐出ポート64に接続される。ボールからなる弁体66が弁室63内に設けられている。逆止弁61aは、液体供給装置10の停止時に、弁体66が弁室63を閉じて塗布具12からの液ダレを阻止する。
【0037】
上述のように、流路開閉電磁弁33はポンプブロック13の内部に組み込まれることなく、ポンプブロック13の外面に取り付けられており、吸入制御弁54と吐出制御弁61も、ポンプブロック13の外面に取り付けられている。さらに、2つのシリンダ孔15、16、吸入流路25、吐出流路26、吸入流路27および吐出流路28は、単一のブロック部材であるポンプブロック13に設けられており、ポンプブロック13は一体型である。したがって、ポンプブロック13は一体型の簡単な構造となり、ブロック部材の素材に、シリンダ孔と流路とを機械加工することにより、複数の部材を組み立てることなく、ポンプブロック13を容易に製造することができる。なお、図1に示した吸入流路25と吐出流路28は、同軸状に設けられているが、連通部26aと吸入流路25が同軸状であり、連通部27aと吐出流路28が同軸状であれば、吸入流路25と吐出流路28を同軸としなくても良い。
【0038】
また、流路開閉電磁弁33は、外部から印加される駆動信号により、吐出流路26と吸入流路27とを連通させる状態と、連通を遮断する状態とに開閉制御されるので、ポンプ室23とポンプ室24とが連通するタイミング、および連通を遮断するタイミングを駆動信号により設定することができる。
【0039】
ポンプブロック13の正面14aが上下方向を向いた状態で液体供給装置10が設置されると、吸入制御弁54の弁体59および吐出制御弁61の弁体66は自重と液体Lの移動により上下方向に開閉動作する。このため、流路開閉電磁弁33を逆止弁とすると、第2のポンプ19の吐出動作開始時に僅かに液体の逆流が生じ、吐出精度が低下する。これに対し、流路開閉電磁弁33は外部からの信号により開閉動作するので、ポンプ19の吐出動作開始時から第2の吸入流路27が閉じることができるので、逆流を防ぐことができる。その結果、高い精度で塗布具12から液体を吐出させることができる。
【0040】
特に、塗布具12から液状の樹脂材料を金型に、例えば1cc程度供給する場合には、微小な逆流であっても吐出精度への影響が大きくなる。流路開閉電磁弁33を第1の吐出流路26と第2の吸入流路27との間に設けると、僅かな量の液体を高精度で金型に供給することができる。
【0041】
図5は、変形例である液体供給装置10の要部を示す断面図である。
【0042】
図5に示されるように、ポンプブロック13においては、シリンダ孔15の断面積は、シリンダ孔16の断面積の2倍に設定されている。したがって、プランジャ21の往復動ストロークS1とプランジャ22の往復動ストロークS2を同一とすることにより、流路開閉電磁弁33が開状態でのプランジャ21によるポンプ室23から液体の吐出流量は、図1に示した液体供給装置10と同様に、流路開閉用電磁弁33が閉状態でのプランジャ22によるポンプ室24から液体の吐出流量の2倍に設定される。
【0043】
図6は、液体供給装置10における塗布具12への液体Lの供給動作つまり液体供給方法を示すタイムチャートである。
【0044】
第1吐出ステップにおいて、ポンプ19は、吐出動作により液体Lを塗布具12に供給する。一方、ポンプ18は、吸入動作により液体容器11内の液体Lをポンプ室23に吸入する。流路開閉電磁弁33は、図4(A)に示されるように、OFFつまり閉じられて閉状態となる。このときには、図6に示されるように、吸入制御弁54と吐出制御弁61は開いた状態(ON)になり、ポンプ19の吐出動作により塗布具12に液体が供給される。
【0045】
ポンプ18の吸入動作によりポンプ室23内に吸入される液体の吸入量は、ポンプ19の吐出動作による液体の吐出量の2倍である。図1に示される液体供給装置10においては、プランジャ21の速度はプランジャ22の2倍であり、図5に示される液体供給装置10においてはプランジャ21とプランジャ22の速度は同一である。第1吐出ステップが所定時間T1行われた後には、第1休止ステップが休止時間T0だけ行われる。第1休止ステップにおいては、ポンプ18とポンプ19の駆動が停止される。
【0046】
流路開閉電磁弁33は、休止時間T0が経過した後にONつまり開かれて開状態に切り換えられる。
【0047】
第1休止ステップが行われた後に第2吐出ステップが行われる。第2吐出ステップにおいては、ポンプ18は、吐出動作によりポンプ室23から液体Lがポンプ室24を通過して塗布具12に供給する。ポンプ19は、吸入動作を行いポンプ室23から供給された液体Lの一部をポンプ室24に吸入する。流路開閉電磁弁33は、図4(A)および図6に示されるように、ONつまり開状態となり、ポンプ18から吐出された液体はポンプ室24に供給されるとともに塗布具12に供給される。
【0048】
第2吐出ステップが所定時間T1行われた後には、第2休止ステップが休止時間T0だけ行われる。第2休止ステップでは、ポンプ18とポンプ19は駆動を停止する。流路開閉電磁弁33は、休止時間T0が経過した後に、OFFつまり閉じられて閉状態に切り換えられる。第2休止ステップが行われた後には、再び第1吐出ステップを行う。
【0049】
このように、休止時間T0を設けると、塗布具12には間欠的に液体が供給される間欠吐出形態となる。間欠吐出形態の場合は、休止時間T0を吐出時間T1よりも短くすることができる。そのため、流路開閉電磁弁33を有する液体供給装置10は、高タクトで間欠吐出を行うとともに吐出精度を高めることができる。
【0050】
第1休止ステップおよび第2休止ステップにおいては、ポンプ18とポンプ19の駆動が停止していれば良く、休止時間T0が経過する前に開閉電磁弁33を切り換えて、休止時間T0経過後に、ポンプ18とポンプ19の駆動を再開させてもよい。
【0051】
図7は他の実施の形態である液体供給装置10の要部を示す断面図である。
【0052】
図7に示されるように、液体供給装置10の逆止弁54aの弁室56には、ばね部材60が設けられている。ばね部材60は弁体59に対して吸入ポート57を閉じる方向のばね力を加える。したがって、プランジャ21の吸入動作が停止されると、ばね力により吸入ポート57は閉じられる。
【0053】
図7の液体供給装置10においては、上述した吐出制御弁61は設けられていない。プランジャ22が吸入動作するときには、プランジャ21の吐出動作により吐出流路28に液体が吐出されるので、吐出制御弁61を設けなくても良い。ただし、上述のように、吐出制御弁61を設けると、液体供給装置10が停止しているときに、ポンプ室24と塗布具12との間の流路を遮断することができるので、塗布具12からの液ダレを防止することができる。
【0054】
なお、図1および図5に示した液体供給装置10における吸入制御弁54と吐出制御弁61を、図7に示した吸入制御弁54と同様にばね部材60を備えた逆止弁としても良く、吐出制御弁61を設けないようにしても良い。
【0055】
図8はさらに他の実施の形態である液体供給装置の要部を示す断面図である。
【0056】
図8に示されるように、吸入側のポートブロック71がポンプブロック13の開口面である下端面14c取り付けられ、吐出側のポートブロック72がポンプブロック13の開口面である上端面14dに取り付けられる。
【0057】
ポートブロック71は、吸入流路25に連通される吐出側の連通流路73と、吸入ポート57に連通する吸入側の連通流路74とを有し、図1に示した液体供給装置10と同様に、吸入配管58が吸入ポート57に接続される。吸入制御弁54としての吸入側の電磁弁54bがポートブロック71に取り付けられる。電磁弁54bは、流路開閉電磁弁33と同様の構造であり、連通流路74は電磁弁54bの流入孔に連通され、連通流路73は流出孔に連通される。電磁弁54bは、吸入側の連通流路74と吐出側の連通流路73とを連通させて、第1の吸入流路25と吸入ポート57とを連通させる開いた状態と、連通を遮断する閉じた状態とに、外部から印加される駆動信号により作動する。
【0058】
吐出側のポートブロック72は、吐出流路28に連通される吸入側の連通流路75と、吐出ポート64に連通する吐出側の連通流路76とを有し、図1に示した液体供給装置10と同様に、吐出配管65が吐出ポート64に接続される。吐出制御弁61としての吐出側の電磁弁61bがポートブロック72に取り付けられる。電磁弁61bは、流路開閉電磁弁33および電磁弁54bと同様の構造であり、吸入側の連通流路75と吐出側の連通流路76とを連通させて、第2の吐出流路28と吐出ポート64とを連通させる開いた状態と、連通を遮断する閉じた状態とに、外部から印加される駆動信号により作動する。
【0059】
図8に示されるように、流路開閉電磁弁33と吸入側の電磁弁54bと吐出側の電磁弁61bがポンプブロック13の正面14a側に配置されると、それぞれの電磁弁の交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0060】
図8に示される液体供給装置10においては、吸入制御弁54と吐出制御弁61が電磁弁であり、図1に示される液体供給装置10においては、吸入制御弁54と吐出制御弁61が逆止弁である。これに対し、それぞれの液体供給装置10において、吸入制御弁54と吐出制御弁61の一方を、電磁弁とし、他方を逆止弁としても良い。
【0061】
図9は、図8に示された液体供給装置10の制御回路を示すブロック図である。
【0062】
図9に示されるように、流路開閉電磁弁33、吸入側の電磁弁54bおよび吐出側の電磁弁61bはそれぞれコントローラ77からの制御信号により開閉制御される。また、モータ31およびモータ32もコントローラ77からの制御信号により回転が制御される。操作盤78がコントローラ77に接続されており、液体供給装置10の駆動開始等は操作盤78に設けられた操作部により入力される。コントローラ77は制御プログラム等が格納されるメモリと、それぞれの電磁弁の制御信号を演算するマイクロプロセッサ等を備えている。コントローラ77からの制御信号により、図6のタイムチャートで示されるように、第1のポンプ18および第2のポンプ19等の駆動が制御される。
【0063】
図1に示した液体供給装置10は、吸入側の電磁弁54bおよび吐出側の電磁弁61bを除いて、図9と同様の制御回路により駆動が制御される。
【0064】
図10はさらに他の実施の形態である液体供給装置の要部を示す断面図である。
【0065】
図10に示されるように、吸入ポート57と吐出ポート64がポンプブロック13の正面14aに開口して設けられている。吸入側の連通流路74がポンプブロック13に設けられ、連通流路74は吸入ポート57に接続される吸入配管58により液体容器11に接続される。吐出側の連通流路76がポンプブロック13に設けられ、連通流路76は吐出ポート64に接続される吐出配管65により塗布具12に接続される。
【0066】
吸入制御弁54としての吸入側の電磁弁54bがポンプブロック13の下端面14cに取り付けられる。電磁弁54bは、流路開閉電磁弁33と同様の構造であり、吸入流路25と吸入ポート57とを連通させる開いた状態と、連通を遮断する閉じた状態とに、外部から印加される駆動信号により作動する。
【0067】
吐出制御弁61としての吐出側の電磁弁61bがポンプブロック13の上端面14dに取り付けられる。電磁弁61bは、流路開閉電磁弁33と同様の構造であり、吐出流路28と吐出ポート64とを連通させる開いた状態と、連通を遮断する閉じた状態とに、外部から印加される駆動信号により作動する。
【0068】
図10に示されるように、吸入ポート57と吐出ポート64と連通流路74、76とがポンプブロック13に設けられており、吸入流路25と吐出流路28は、上述した液体供給装置10と相違し、それぞれシリンダ孔15、16の底面側から開口部側に設けられている。これにより、吸入ポート57等をポンプブロック13に設けても、ポンプブロック13の図における左右方向の寸法の大型化を避けることができる。連通部26a、27aは、吸入流路25、吐出流路28と同軸である。
【0069】
図8に示された電磁弁54b、61bがポートブロック71、72を介してポンプブロック13に取り付けられるのに対して、図10に示される電磁弁54b、61bdは、ポンプブロック13に直接取り付けられる。したがって、図10に示される液体供給装置10においては、図8に示された液体供給装置10よりも部品点数を少なくすることができる。なお、液体供給装置10は図9に示された制御回路により制御される。
【0070】
図8および図10に示されるように、吸入制御弁54と吐出制御弁61とをそれぞれ電磁弁54b、61bとすると、全ての電磁弁を開いた状態とすることによって、液体供給装置10の流路内から液体を抜きとることができる。また、流路内を洗浄液により洗浄するときには、洗浄液を逆流させることができる。これにより、液体供給装置10により吐出される液体の種類を容易に交換することができる。
【0071】
吸入制御弁54および吐出制御弁61としての電磁弁の取付形態は、図8に示されるように、ポートブロック71、72を介してポンプブロック13に取り付けるようにしても良く、図10に示されるように、ポンプブロック13に直接取り付けるようにしても良い。
【0072】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、吸入制御弁54と吐出制御弁61の少なくともいずれか一方を、逆止弁と電磁弁のいずれかとしても良い。また、図1図8および図10に示される液体供給装置10においては、図7に示した液体供給装置10と同様に、吐出制御弁61を設けない形態としても良い。また、制御信号は、駆動電流に限ることなく圧縮空気等の流体を用いても良い。その場合、弁駆動部40は、流体圧で駆動するピストンを用いた空気作動弁とすることができる。さらに、休止時間T0を設けた間欠吐出形態とすることなく、塗布具12に連続的に液体を吐出させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0073】
10 液体供給装置
13 ポンプブロック
15、16 シリンダ孔
18、19 ポンプ
21、22 プランジャ
23、24 ポンプ室
25 吸入流路
26 吐出流路
27 吸入流路
28 吐出流路
33 流路開閉電磁弁
37 可動鉄心
41 揺動アーム
42 支持軸
43 弁駆動レバー
44 支持軸
47 流入孔
48 流出孔
49 開閉部
52 作動部
53 力点部
54 吸入制御弁
54a 逆止弁
54b 電磁弁
55 弁ケース
56 弁室
57 吸入ポート
59 弁体
61 吐出制御弁
61a 逆止弁
61b 電磁弁
62 弁ケース
64 吐出ポート
66 弁体
71、72 ポートブロック
73~76 連通流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10