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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】燃焼機関システム
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20220228BHJP
   F01N 1/02 20060101ALI20220228BHJP
   F01N 3/00 20060101ALI20220228BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20220228BHJP
   F01N 13/08 20100101ALI20220228BHJP
【FI】
F01N3/20 M
F01N1/02 F
F01N3/00 F
F01N3/08 B
F01N3/20 S
F01N13/08 B
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018165131
(22)【出願日】2018-09-04
(65)【公開番号】P2019044773
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2021-06-28
(31)【優先権主張番号】PA 2017 70667
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597061332
【氏名又は名称】エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・フィリアル・アフ・エムエーエヌ・エナジー・ソリューションズ・エスイー・ティスクランド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・マイヤー
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-148333(JP,A)
【文献】国際公開第2011/048666(WO,A1)
【文献】特表2003-536010(JP,A)
【文献】特表2008-531913(JP,A)
【文献】特開2013-113188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00~ 3/38
F01N 1/02
F01N 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼機関システム(1)であって、
煤煙を含む排気ガスを発生させる内燃機関(2)と、
前記排気ガスにより駆動されるターボチャージャ(3)と、
前記ターボチャージャの上流に配置され、前記内燃機関(2)からの前記排気ガスを浄化するために前記内燃機関(2)に流体連結されたNO還元ユニット(4)であって、前記煤煙が内部で堆積する前記NO還元ユニット(4)は、
チャンバ(6)、入口パイプ(7)、および出口パイプ(8)を有する触媒反応器ハウジング(5)、ならびに
前記入口パイプ(7)と前記出口パイプ(8)との間の前記触媒反応器ハウジング(5)の前記チャンバ(6)内に配置された1つまたは複数の触媒要素(9)
を備える、NO還元ユニット(4)と、
を備える、燃焼機関システム(1)であって、
前記燃焼機関システム(1)は、
煤煙除去ユニット(10)であって、
断面受器面積(A)ならびに受器入口(15)および通気ポート(16)を有する受器(14)と、
弁(11)に前記受器入口(15)を流体連結する、および前記断面受器面積(A)よりも小さい断面導管面積(A)を有する導管(17)と
を備える、煤煙除去ユニット(10)
をさらに備える、燃焼機関システム(1)において、
前記煤煙除去ユニットは、前記触媒反応器ハウジング(5)の開口(12)と流体連通状態にある前記弁(11)をさらに備え、前記弁(11)は、前記触媒反応器ハウジング(5)内の前記排気ガスの少なくとも一部が前記煤煙除去ユニット(10)内に逃げることを可能にする開位置を有することを特徴とする、燃焼機関システム(1)。
【請求項2】
前記開口(12)は、前記1つまたは複数の触媒要素(9)の上流にて前記チャンバ(6)に配置される、請求項1に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項3】
前記通気ポート(16)は、前記ターボチャージャ(3)の下流に流体連結された通気パイプ(18)に流体連結される、請求項1または2に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項4】
前記断面導管面積(A)は、前記断面受器面積(A)の50%未満、好ましくは30%未満である、請求項1から3のいずれか一項に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項5】
前記導管(17)は、前記断面導管面積(A)の直径よりも大きい導管長さ(L)を有する、請求項4に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項6】
前記導管(17)は、前記断面導管面積(A)の直径よりも10%大きい、好ましくは前記断面導管面積(A)の直径よりも25%大きい、より好ましくは前記断面導管面積(A)の直径よりも50%大きい導管長さ(L)を有する、請求項4に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項7】
前記チャンバ(6)は、チャンバ容積(V)を有し、前記受器(14)は、前記チャンバ容積(V)の20%未満である、好ましくは前記チャンバ容積(V)の10%未満である受器容積(V)を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項8】
遮音ユニット(19)が、前記煤煙除去ユニット(10)および/またはNO還元ユニット(4)を少なくとも部分的に包囲する、請求項1から7のいずれか一項に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項9】
前記NO還元ユニット(4)の上流に配置された第2のターボチャージャ(21)をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の燃焼機関システム(1)。
【請求項10】
請求項1から9に記載の燃焼機関システム(1)内のNO還元ユニット(4)のチャンバ(6)内の煤煙を低減させるための煤煙低減方法であって、
前記弁(11)を開くステップであって、前記導管(17)内におよびさらに前記受器(14)内に前記排気ガスの一部が逃げることを可能にし、前記チャンバ(6)内に伝播される音波を発生させて、前記チャンバ(6)内の前記煤煙の一部を緩める、ステップと、
前記弁(11)を閉じるステップと、
前記受器(14)を通気させるステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼機関システムと、本発明による燃焼機関システム内のNO還元ユニットのチャンバ内の煤煙を低減させるための煤煙低減方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関からの排気ガスは、NO排出を削減するために触媒反応器内で浄化される。浄化プロセス中に、煤煙は、反応器ハウジング内で、およびSCR反応器内の触媒素子の表面上に堆積していく。これらの表面から煤煙を清浄するために、高圧空気が、この煤煙を緩めるように所定の間隔をおいて噴射され、このガスが、反応器ハウジング外へと緩んだ煤煙を搬送する。しかし、高圧空気は、煤煙を緩めることにおいて非常に効率的ではなく、多数の機材、すなわち高圧パイプおよびノズルを必要とし、これらは、多額のコストがかかり、修理または交換が困難な場合がある。特許文献1は、内燃機関からの排気ガスを浄化するために適用される、ガス流中の微粒子を除去するための構成体を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2006/091136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、先行技術の上記の不利な点および欠点を完全にまたは部分的に解消することである。より詳細には、本発明の目的は、煤煙除去においてより効率的であるおよび/またはより少数の機材を必要とする、改良された燃焼機関システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的は、以下の説明から明らかになる多数の他の目的、利点、および特徴と共に、燃焼機関システムによる本発明に記載の解決策によって達成される。この燃焼機関システムは、
煤煙を含む排気ガスを発生させる内燃機関と、
排気ガスにより駆動されるターボチャージャと、
ターボチャージャの上流に配置され、内燃機関からの排気ガスを浄化するために内燃機関に流体連結されたNO還元ユニットであって、煤煙が内部で堆積するNO還元ユニットは、
チャンバ、入口パイプ、および出口パイプを有する触媒反応器ハウジング、ならびに
入口パイプと出口パイプとの間の触媒反応器ハウジングのチャンバ内に配置された1つまたは複数の触媒要素
を備える、NO還元ユニットと
を備える。燃焼機関システムは、
煤煙除去ユニットであって、
触媒反応器ハウジングの開口と流体連通状態にある弁であって、触媒反応器ハウジング内の排気ガスの少なくとも一部が煤煙除去ユニット内に逃げることを可能にする開位置を有する弁と、
断面受器面積ならびに受器入口および通気ポートを有する受器と、
弁に受器入口を流体連結する、および断面受器面積よりも小さい断面導管面積を有する導管と
を備える、煤煙除去ユニット
をさらに備える。
【0006】
弁に受器入口を流体連結し、断面受器面積よりも小さい断面導管面積を有する導管を有することにより、音波が、触媒反応器ハウジング内で生成されて煤煙の少なくとも一部を緩める。
【0007】
開口は、1つまたは複数の触媒要素の上流にてチャンバ中に配置され得る。
【0008】
さらに、開口は、チャンバの中間部分よりも入口パイプのより近くにてチャンバ中に配置され得る。チャンバの中間部分よりも入口パイプのより近くに開口が位置することにより、逆流が、チャンバ内に生成されて煤煙を緩める。
【0009】
また、開口は、チャンバの中間部分よりも出口パイプのより近くにてチャンバ中に配置され得る。
【0010】
さらに、開口は、入口パイプ中に配置され得る。
【0011】
さらに、開口は、触媒要素同士の間にてチャンバの中間部分内に配置され得る。
【0012】
さらに、通気ポートは、ターボチャージャの下流で流体連結された通気パイプに流体連結され得る。
【0013】
煤煙除去ユニットは、複数の開口を有してもよく、各開口は、導管に流体連結された弁を有する。
【0014】
さらに、全ての導管が、受器にこれらの開口を流体連結させ得る。
【0015】
さらに、煤煙除去ユニットは、複数の受器を有してもよく、各受器は、導管の中の1つに連結される。
【0016】
また、断面導管面積は、断面受器面積の50%未満、好ましくは30%未満であり得る。
【0017】
さらに、導管は、断面導管面積の直径よりも大きい導管長さを有し得る。
【0018】
さらに、導管は、断面導管面積の直径よりも10%大きい、好ましくは断面導管面積の直径よりも25%大きい、より好ましくは断面導管面積の直径よりも50%大きい導管長さを有し得る。
【0019】
さらに、チャンバは、チャンバ容積を有し、受器は、チャンバ容積の20%未満である、好ましくはチャンバ容積の10%未満である受器容積を有し得る。
【0020】
また、遮音ユニットが、煤煙除去ユニットおよび/またはNO還元ユニットを少なくとも部分的に包囲することになってもよい。
【0021】
煤煙除去ユニットは、弁の開口を制御するための弁制御部を有し得る。
【0022】
さらに、NO還元ユニットは、ターボチャージャの高圧側に配置され得る。
【0023】
さらに、弁制御部は、タイマーを備えてもよい。
【0024】
さらに、煤煙除去ユニットは、煤煙センサを有してもよい。
【0025】
前記煤煙センサは、圧力センサであってもよい。
【0026】
本発明による燃焼機関システムは、NO還元ユニットの上流に配置された第2のターボチャージャをさらに備え得る。
【0027】
さらに、燃焼機関システムの内燃機関は、2ストロークまたは4ストロークの内燃機関であってもよい。
【0028】
燃焼機関システムは、排気ガス受器をさらに備え得る。
【0029】
さらに、燃焼機関システムは、掃気ガス受器をさらに備え得る。
【0030】
さらに、燃焼機関システムは、例えばボイラーなどの熱交換器をさらに備え得る。
【0031】
逆止弁が、通気パイプ内に配置され得る。
【0032】
内燃機関は、少なくとも0.05%の硫黄含有量を有する燃料により作動され得る。
【0033】
前記内燃機関は、大型2ストローク内燃機関であってもよい。
【0034】
さらに、燃焼機関システムは、少なくとも200リットルの容積を有する1つまたは複数の触媒反応器ハウジングを備え得る。
【0035】
NO還元ユニットは、NO還元ユニットへの進入中または進入前に排気ガスにある量の還元剤を投与するための投与ユニットを備える還元剤供給ユニットをさらに備え得る。
【0036】
さらに、NO還元ユニットは、NO還元ユニットに供給される量の還元剤を低減させるように適応された制御ユニットをさらに備え得る。
【0037】
さらに、還元剤は、アンモニアを含んでもよい。
【0038】
また、本発明は、本発明による燃焼機関システム内のNO還元ユニットのチャンバ内の煤煙を低減させるための煤煙低減方法に関する。この方法は、
導管内におよびさらにチャンバ内に伝播される音波を生成する受器内に排気ガスの一部が逃げることを可能にして、チャンバ内の煤煙の一部を緩めるために、弁を開くステップと、
弁を閉じるステップと、
受器を通気させるステップと
を含む。
【0039】
本発明およびその多数の利点が、添付の概略図を参照して以下でより詳細に説明される。これらの図面は、例示を目的としていくつかの非限定的な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】ターボチャージャの高圧側にNO還元ユニットを有する燃焼機関システムの図である。
図2】NO還元ユニットおよび煤煙除去ユニットを示す図である。
図3】煤煙除去ユニットの斜視図である。
図4】2つの開口を有する別のNO還元ユニットと、これらの開口に連結された2つの導管を有する別の煤煙除去ユニットとを示す図である。
図5】触媒要素の上流の開口と触媒要素の下流の開口とを有する別のNO還元ユニットを示す図である。各開口は、煤煙除去ユニットに連結される。
図6】ターボチャージャの高圧側にNO還元ユニットを有する別の燃焼機関システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
いずれの図面も、非常に概略的なものであり、必ずしも縮尺通りではなく、本発明を明らかにするために必要であるパーツのみを示し、他のパーツは、省略されるかまたは単に示唆される。
【0042】
図1は、排気ガスを発生する内燃機関2を備える燃焼機関システム1を示す。燃焼機関システム1は、ターボチャージャ3の高圧側の排気ガスにより駆動されるターボチャージャ3を備える。燃焼機関システム1は、ターボチャージャの上流にすなわちターボチャージャ3の高圧側に配置されたNO還元ユニット4をさらに備え、このNO還元ユニットは、選択的触媒還元(SCR)により内燃機関2からの排気ガスを浄化するために内燃機関2と流体連通される。NO還元ユニット4は、チャンバ6を有する触媒反応器ハウジング5と、入口パイプ7と、出口パイプ8と、入口パイプ7と出口パイプ8との間で触媒反応器ハウジング5のチャンバ6内に配置された1つまたは複数の触媒要素9とを備える。NO還元ユニット4内では、煤煙が、排気ガスの浄化中に触媒要素9上におよび触媒反応器ハウジング5内部の全ての表面上に堆積する。したがって、燃焼機関システム1は、特定の間隔をおいて煤煙を除去するための煤煙除去ユニット10をさらに備える。煤煙除去ユニット10は、触媒反応器ハウジング5の開口12内の弁11に流体連結され、弁11は、開口12が閉塞される閉位置と、触媒反応器ハウジング5内の排気ガスの少なくとも一部が煤煙除去ユニット10内に逃げ得る開位置とを有する。
【0043】
図3に示すように、煤煙除去ユニット10は、断面受器面積Aならびに受器入口15および通気ポート16を有する受器14を備え、弁11に受器入口15を流体連通させる導管17をさらに備える。導管17は、初めに受器14内に音波を送り、およびしたがってこの音波が移動することによりさらに触媒反応器ハウジング5内にも音波を送り、それにより触媒反応器ハウジング5内のおよび触媒要素9上の煤煙の少なくとも一部を緩めるために、断面受器面積Aよりも小さな断面導管面積Aを有する。煤煙除去ユニット10内に逃げる排気ガスは、定常波を生成し、この定常波がNO還元ユニット4内に移動してその中の煤煙を緩める。弁11が開くと、非常に高い圧力を有する排気ガスは、導管17内におよびさらに実質的により低い圧力を有する受器14内へと逃げ、断面導管面積Aが断面受器面積Aよりも小さいことにより、音波が、ヘルムホルツ共鳴器と同様に生成される。この音波により、局所的ガス流に急速な過渡変動が引き起こされて、触媒要素9の全ての壁部上に堆積した煤煙層に対してせん断応力の急激な変化がもたらされ、それによりこれらの壁部から煤煙が緩められる。
【0044】
受器は、図2に示すように通気ポート16を有し、受器14内の高圧排気ガスは、この通気ポート16を通り放出され、それにより受器14内の圧力が降下され、受器14は弁11が再び開いた時に排気ガスの新たな一部を受けることが可能な状態となる。受器14内の圧力は、通気パイプ18を経由してターボチャージャ3の下流のガス流中に放出される。開口12は、1つまたは複数の触媒要素9の上流にてチャンバ6中に配置され、弁11が開いて音波を発生させると、逆流が、触媒反応器ハウジング5内において同時に発生する。この逆流は、煤煙除去をさらに増進させる。
【0045】
図2では、開口12は、チャンバ6の中間部分36よりも入口パイプ7のより近くにてチャンバ6内に配置される。チャンバ6の中間部分36よりも入口パイプ7のより近くに開口12が位置することにより、または入口パイプ7中に開口12を有することにより、チャンバ6内に逆流が生成されて、煤煙を緩める。図4では、煤煙除去ユニット10は、複数の開口12を有し、各開口12が、導管17に流体連通された弁11を有し、導管17は、受器14に流体連通される。開口12は、触媒要素9同士の間にてチャンバ6の中間部分36に配置されて、開口12の下流のチャンバ6内に逆流を少なくとも部分的に発生させて煤煙を緩める。また、煤煙は、煤煙除去ユニット10内で生成された音波によっても緩められる。
【0046】
図5では、煤煙除去ユニット10は、複数の受器14を有することができ、各受器14は、導管17の中の1つに連結され、開口12の中の1つが、チャンバ6の中間部分36よりも出口パイプ8のより近くにてチャンバ6中に配置され、別の開口12が、入口パイプ7中に配置される。
【0047】
図3では、導管17の断面導管面積Aは、断面受器面積Aの50%未満であり、好ましくは30%未満である。導管17の断面導管面積Aが、受器14の断面受器面積Aの50%未満である場合には、断面積の差異がより小さな場合に比べてより大きな音波が生成される。チャンバ6は、チャンバ容積Vを有し、受器14は、受器容積Vを有し、受器容積Vは、チャンバ容積Vに応じて、および排気ガスの浄化中にどれだけの量の煤煙が経時的に堆積するかに応じて、チャンバ容積Vの20%未満であり、好ましくはチャンバ容積Vの10%未満である。図示するように、導管17は、断面導管面積Aの直径よりも大きな導管長さLを有し、導管17は、ヘルムホルツ共鳴器設計の煤煙除去ユニット10の「ネック」である。より長い導管/ネックは、弁11を開いた場合に発生する音波の周波数をより低くする結果をもたらす。一実施形態では、導管17は、断面導管面積Aの直径よりも10%大きな導管長さLを有する。別の実施形態では、導管17は、断面導管面積Aの直径よりも25%大きな導管長さLを有し、さらに別の実施形態では、導管17は、断面導管面積Aの直径よりも50%大きな導管長さLを有する。高圧排気ガスがヘルムホルツ共鳴器として設計された煤煙除去ユニット10内に逃げることにより発生する音波は、非常に大きな音を結果としてもたらし、この音波の周波数は、断面導管面積Aによって決定され、より大きな断面導管面積Aは、結果としてより高い周波数の音波をもたらす。また、周波数は、チャンバ容積Vによっても決定され、より大きなチャンバ容積Vは、周波数を低下させる。
【0048】
高圧排気ガスが煤煙除去ユニット10内に逃げることにより発生する音波は、非常に大きな音を結果としてもたらし、したがって燃焼機関システム1は、図4に示すような煤煙除去ユニット10および/またはNO還元ユニット4を少なくとも部分的に包囲する遮音ユニット19を備える。
【0049】
図6では、煤煙除去ユニット10は、弁11の開口を制御するための弁制御部37を有し得る。弁制御部37は、所定の時間間隔をおいて弁11を作動させるためのタイマー(図示せず)を備え得る。煤煙除去ユニット10は、煤煙が触媒反応器ハウジング5内で堆積される場合に測定を行うための煤煙センサ38を有し得る。煤煙センサ38は、NO還元ユニット4内の背圧を測定するための圧力センサであってもよく、または触媒反応器ハウジング5内の煤煙層の厚さをさらに測定するための音響センサであってもよい。したがって、煤煙センサ38は、弁制御部37と通信していてもよい。燃焼機関システム1は、NO還元ユニット4の上流および他のターボチャージャ3の上流に配置された第2のターボチャージャ21をさらに備える。NO還元ユニット4は、ターボチャージャ同士の間において、したがって第2のターボチャージャ21の高圧側において流体連結される。
【0050】
燃焼機関システム1の内燃機関2は、2ストロークまたは4ストロークの内燃機関2であってもよい。図1に示すように、燃焼機関システム1は、排気ガス受器31、掃気ガス受器32、および例えばボイラーなどの熱交換器(図示せず)をさらに備え得る。ターボチャージャ3は、排気ガスにより駆動されるタービン33を備え、タービン33は、圧縮機34を駆動する。
【0051】
図5では、煤煙除去ユニット10は、2つの受器14を有し、一方の受器14は、導管17を介して入口パイプ7中の開口12に流体連結され、他方の受器14は、触媒要素9よりも出口パイプ8のより近くにて触媒反応器ハウジング5の底部に流体連通される。逆止弁35が、排気ガスが受器14から離れるように流れることを可能にする一方で排気ガスが再び逆流するのを防止するために、通気パイプ18中に配置される。
【0052】
内燃機関2は、大型2ストローク内燃機関であってもよく、少なくとも0.05%の硫黄含有量の燃料によって作動される。触媒反応器ハウジング5は、少なくとも200リットルの容積を有する。2ストローク内燃機関2は、大型船舶用の推進システムとしてまたは発電所の定置機関として使用される、大型の2ストロークユニフローターボチャージャ付き圧縮点火クロスヘッド内燃機関2であってもよい。高さ、幅、重量、および出力が大きいことにより、この大型の2ストロークユニフローターボチャージャ付き圧縮点火クロスヘッド内燃機関2は、一般的な燃焼機関とは大幅に異なり、他よりもはるかに優れている。単一の機関2の総出力は、100.000BHPを超過し得る。
【0053】
NO還元ユニット4は、NO還元ユニット4への進入中または進入前に排気ガス中にある量の還元剤を投与するための投与ユニット(図示せず)を備える還元剤供給ユニット(図示せず)をさらに備え、還元剤は、アンモニアを含む。
【0054】
本発明は、弁11を開くことにより排気ガスの一部が導管17内におよびさらに受器14内に逃げることを可能にし、それにより音波を発生させ、この音波がチャンバ6内に伝播することによりチャンバ6内の煤煙の一部を緩めることによって、燃焼機関システム1内のNO還元ユニット4のチャンバ6内の煤煙を削減する煤煙削減方法を提供する。次いで、弁11は閉じられる。受器14は、同時に通気される。
【0055】
本発明の好ましい実施形態に関連して上記において本発明を説明したが、以下の特許請求の範囲により定義される本発明から逸脱することなく、複数の修正が考えられ得ることが、当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0056】
1 燃焼機関システム
2 内燃機関
3 ターボチャージャ
4 NO還元ユニット
5 触媒反応器ハウジング
6 チャンバ
7 入口パイプ
8 出口パイプ
9 触媒要素
10 煤煙除去ユニット
11 弁
12 開口
14 受器
15 受器入口
16 通気ポート
17 導管
18 通気パイプ
19 遮音ユニット
21 第2のターボチャージャ
31 排気ガス受器
32 掃気ガス受器
33 タービン
34 圧縮機
35 逆止弁
36 中間部分
37 弁制御部
38 煤煙センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6