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特許7030683宇宙空間品質の太陽電池アレイの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】宇宙空間品質の太陽電池アレイの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/042 20140101AFI20220228BHJP
   H02S 10/40 20140101ALI20220228BHJP
   H02S 40/34 20140101ALI20220228BHJP
【FI】
H01L31/04 500
H02S10/40
H02S40/34
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018503797
(86)(22)【出願日】2016-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-08-09
(86)【国際出願番号】 US2016042223
(87)【国際公開番号】W WO2017019308
(87)【国際公開日】2017-02-02
【審査請求日】2018-03-23
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】62/197,470
(32)【優先日】2015-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521434056
【氏名又は名称】シエラ・スペース・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】SIERRA SPACE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ロドニー・ドブソン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】スコット・クリスチャンセン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・エル・ルール
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】野村 伸雄
【審判官】加々美 一恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-238896(JP,A)
【文献】特開平8-298334(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0112233(US,A1)
【文献】特開2001-332753(JP,A)
【文献】特開2011-171529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宇宙空間品質の太陽電池アレイ製造した後に修理する方法であって、
複数の多接合太陽電池を有する多接合太陽電池ウェハを供給するステップであって、それぞれの多接合太陽電池は、太陽電池アレイの全電力性能の5%未満というわずかなパーセンテージを形成する、供給するステップと、
保護カバーガラスで多接合太陽電池ウェハを覆うステップと、
多接合太陽電池ウェハと保護カバーガラスの両方を複数の多接合太陽電池に切り出すステップであって、それぞれの多接合太陽電池は、対応する電気の端子に大きさを合わせ、形作られ、そして配置された正の電気の端子と負の電気の端子を有し、正の電気の端子と負の電気の端子の両方は、多接合太陽電池の共通の裏面に配置されて、切り出すステップと、
それぞれの多接合太陽電池の正の電気の端子と負の電気の端子が、プリント回路基板の対応する電気の端子に電気的に連結するように、それぞれの多接合太陽電池の裏面がプリント回路基板の前面と接触して、プリント回路基板の上に多接合太陽電池を配置するステップであって、プリント回路基板は、プリント回路基板層の中にカーボンファイバ補強材が組み込まれ、多接合太陽電池から多接合太陽電池への相互接続配線及びバイパス、及びブロッキングダイオードを含む電気の配線を有し、それぞれの多接合太陽電池の正の電気の端子と負の電気の端子は、プリント回路基板の電気端子の熱膨張係数と合致する熱膨張係数を有して、配置するステップと、
記プリント回路基板から単一の多接合太陽電池のみを取り外す及び置き換えるステップと、
を備える宇宙空間品質の太陽電池アレイ製造した後に修理する方法。
【請求項2】
保護カバーガラスは、多接合太陽電池ウェハを複数の多接合太陽電池に切り出す前に多接合太陽電池ウェハ上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プリント回路基板は、硬い、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
プリント回路基板は、柔軟性がある、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
多接合太陽電池ウェハは、20cm 程度の大きさの多接合太陽電池に切り出される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
さらに、プリント回路基板の裏面へ、バイパスとブロッキングダイオードを設置することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ピックアンドプレースロボットが、プリント回路基板の上に多接合太陽電池を配置するために使われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ピックアンドプレースロボットが、人が干渉することなく、プリント回路基板の上に多接合太陽電池を配置するために自動的に使われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
多接合太陽電池ウェハと保護カバーガラスの両方を複数の多接合太陽電池に切り出すステップは、切削工具を使って、切削工具の一回の動作で、多接合太陽電池ウェハと保護カバーガラスの両方を切り開くことを備える、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2015年7月27日に出願され、表題が「太陽電池アレイシステム及び製造方法」である、同時係属の米国仮特許出願62/197,470の優先権を主張する。前述の仮特許出願は、これによって主張された出願日に優先して参照することにより組み込まれる。
【0002】
本開示は、宇宙空間品質の太陽電池アレイシステム(単に「太陽電池アレイ」(solar array)ともいう)及びそのようなシステムの製造方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
現在の宇宙空間品質の太陽電池アレイシステムを製造する方法は、製造工程において、自動化及びモジュール分割法に関して大幅に限られている。自動化された製造システムがある範囲において、そのようなシステムは、非常に特別に作られる必要があり、また、十分にさまざまな太陽電池アレイ電力の要求及び大きさに対応するまで大きくない。さらに、現在のシステムは、太陽電池パネルの前面と裏面で配線ハーネスを利用して、直列と並列で、太陽電池を接続することに関連する、労働者コストと金銭的コストを高くすることには取り組めない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述を考慮して、現代の工業品質の自動化された機械と方法を使って、宇宙空間品質の太陽電池アレイを製造するための改良された方法の要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書では、宇宙空間品質の太陽電池アレイと宇宙空間品質の太陽電池アレイを製造する関連した方法であって、ここで製造方法は、高度に自動化され、モジュール方式にされる方法が開示される。自動化され、及びモジュール方式にされた製造工程は、宇宙空間品質の太陽電池アレイの太陽電池アレイの故障の主な原因となるかもしれない、ヒューマンエラーと職人の技量の品質による欠陥の可能性を排除しまたは減らすことができる。
【0006】
1つの態様において、宇宙空間品質の太陽電池アレイの製造方法であって、複数の太陽電池を有する太陽電池ウェハを供給し、保護カバーガラスで太陽電池ウェハを覆い、太陽電池ウェハとカバーガラスの両方を複数の太陽電池に切り出すことにおいて、それぞれの太陽電池は、正の電気の接点と負の電気の接点を有し、正の電気の接点と負の電気の接点の両方は、太陽電池の共通の、裏面に配置されているように、切り出し、それぞれの太陽電池の正の電気の接点と負の電気の接点が、プリント回路基板の対応する電気の接点に電気的に連結するように、それぞれの太陽電池の裏面がプリント回路基板の前面と接触して、プリント回路基板の上に太陽電池を配置することにおいて、プリント回路基板は、太陽電池から太陽電池への相互接続配線及びバイパス及びブロッキングダイオードを含む電気の配線を有して、配置する、ことを備える宇宙空間品質の太陽電池アレイの製造方法が開示される。保護カバーガラスは、太陽電池ウェハを複数の太陽電池に切り出す前に太陽電池ウェハ上に配置されることができる。代替の実施形態において、保護カバーガラスは、太陽電池ウェハを複数の太陽電池に切り出した後、複数の太陽電池上に配置され、また、一方で、複数の太陽電池が、プリント回路基板に配置される。
【0007】
本明細書に記載された主題の1以上の変形の詳細は、添付の図面と以下の説明に記載される。本明細書で記載された主題の他の特徴と利点は、説明と図面から、及び請求項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】1以上の太陽電池パネルを含む構造を有する宇宙船を示す。
図2】複数の太陽電池が取り付けられた基板として機能する、プリント回路基板(PCB)の概略図を示す。
図3】太陽電池の電気の接点の実例の構造の因子を示す。
図4】プリント回路基板の前面に配置された複数の太陽電池を備えるを示す。
図5】宇宙空間を飛ぶアプリケーションを使って、太陽電池アレイを製造する従来の方法のフローチャートを示す。
図6】自動化されたピックアンドプレース工業機械及び工程を組み込んだ、太陽電池アレイを製造する改良された工程のフローチャートを示す。
図7】太陽電池ウェハの実例を示す。
図8】PCBが取り付けられるであろう、PCBに隣接して配置された一体化されたカバーガラスを備える太陽電池を備える。
図9】宇宙船構造の表面の上に直接取り付けられた、一体化されたカバーガラスを有する取り付けられた太陽電池を備えるPCBを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図は、絶対値または対比で計測する必要はなく、説明に役立てることを意図する。また、機構と要素の相対的な配置は、説明をはっきり役立たせる目的のために変更されてもよい。
【0010】
宇宙空間品質の太陽電池アレイと宇宙空間品質の太陽電池アレイを製造する関連した方法であって、製造方法は、高度に自動化され、モジュール方式にされる方法が開示される。自動化され、及びモジュール方式にされた製造工程は、宇宙空間品質の太陽電池アレイの太陽電池アレイの故障の主な原因となるかもしれない、ヒューマンエラーと職人の技量の品質による欠陥の可能性を排除しまたは減らすことができる。
【0011】
開示された宇宙空間品質の太陽電池アレイは、相対的に小さいセルを含み、一体化された配線がプリント回路基板の中に埋め込まれまたは上に直接組み込まれる。一体化された配線は、裏面(すなわち、単一の面)の電気の接点を有する太陽電池のためのインターフェースを提供する。ただ1つの面の接点は、宇宙空間品質の太陽電池アレイの製造において、ピックアンドプレース技術(PnP)を使用することができる。すなわち、正の電気の接点と負の電気の接点の両方は、太陽電池の同じ面(例えば裏面など)に存在する。太陽電池は、全ての裏面の電気の接点を含むため、太陽電池は、例えば、PnP工程を使うことによってなど、太陽電池パネルに他の太陽電池を、容易に、また効率的に、パッケージ化され、電気的に相互接続される。裏面接点は、大きさと位置決めの観点からプリント回路基板の対応する接点に合わせられる。
【0012】
さらに、太陽電池アレイは、プロセスにしたがって製造され、ここでカバーガラスは、太陽電池を形成するウェハの角切りの前に、ウェハ段階で、太陽電池の上に一体化される。セル製造工程の間、カバーガラスのただ1つのシートは、太陽電池ウェハの一部または全太陽電池ウェハを覆って配置される。カバーガラスは、その後、複数の太陽電池と組み合わせて切断され、それぞれカバーガラスによって覆われた複数の太陽電池を形成する。これにより、製造工程はさらに効率がよくなる。
【0013】
図1は、1以上の太陽電池パネル105を含む構造を有する、例えば衛星など、宇宙船100を示す。太陽電池パネルは、本明細書に記載される工程にしたがって製造される太陽電池アレイシステムを組み込むことができる。太陽電池パネルは、周知の方法で、折り畳まれたまたは積み込まれた状態と、広げられたまたは展開された状態との間を推移することができる。太陽電池アレイ115は、1以上の太陽電池パネル105を含み、太陽電池パネルは、それぞれの太陽電池パネル105に接合された太陽電池120をいくつ含んでもよい。太陽電池は、対応する太陽電池パネル、または他の回路基板に、機械的に取り付けられ、電気的に導電性の相互接続装置を使って、お互いに電気的に接続され、太陽電力供給ネットワークをもたらす。太陽電池は、太陽光を電気エネルギに変える、付属の電気回路を含む。このようにして、太陽電池120は、例えば、バッテリに充電する及び/または1以上の宇宙船システムを駆動するためなどに、電力を供給する。
【0014】
図2は、複数の太陽電池210が取り付けられる、回路基板として機能するプリント回路基板(PCB)205の概略図を示す。PCBは、前面、裏面、及び厚さを有する平面構造である。実施形態において、PCBは、前面に複数の電気の接点を有し、少なくともいくつかの電気の接点は、太陽電池がPCBに取り付けられたとき、太陽電池210とPCBの間の電気の連結を確立するために、少なくとも1つの太陽電池210の裏面において、対応する電気の接点を合わせるために、大きさを合わせ、形作られ、そして配置されている。太陽電池の多くは、変更されることができ、図2に示されるものによって限定されない。加えて、太陽電池210は、図2に示されるものによって限定されないさまざまなパターンで配置されることができる。プリント回路基板は、また時にはプリント配線基板とも呼ばれる。
【0015】
開示された太陽電池の小さい大きさにより、PCBにおける利用可能空間の使用ができ、PCBに連結されることができる太陽電池の量を最大化するように最適化される。これに限られない例において、「小さい大きさ」の太陽電池は20cm未満である。「大きい」セルは、大きさにおいて、60cmまたはそれ以上の範囲内であり、一般的な太陽電池の大きさは、大きさにおいて約26cmから31cmの範囲内である。実施形態において、使用される太陽電池は、総活動領域において、1cmより大きく、20cmより小さい。
【0016】
実施形態において、太陽電池210がPCBに取り付けられたとき、PCB205はそれ自身、太陽電池パネルとして機能し、ここで太陽電池パネルは、支持構造及び電気の構成要素(例えば、配線セル、抵抗、ダイオード、サーミスタなど)を含む。別の実施形態において、PCB205は、支持構造または下地構造として機能する。この実施形態において、太陽電池パネルは、PCB205、太陽電池210及び構造的な支持を提供する分離支持構造を含む。PCBは、固定された構造であることができまたは、柔軟な構造であることができる。
【0017】
それぞれの太陽電池210(光起電力電池)は、前面と裏面を有する。それぞれの太陽電池は、光起電力効果によって、光のエネルギを直接、電力に変換する電気装置である。それぞれの太陽電池は、光に曝されたときに変化する、例えば電流、電圧、または抵抗など、電気の特性を有することができる。さらに、それぞれの太陽電池210は、太陽電池の共通の、裏面に配置された正の電気の端子(または接点)と負の電気の端子の両方を有し、裏面は、PCB205の前表面に接触して並置される面である。太陽電池210は、PCB205に共平面で平行な列に並んで配列することができる。PCBはその上に、PCB205の他の電気の構成要素と同じようにお互いに太陽電池を接続する複数の導電性の配線またはパスを形成した。実施形態において、PCB205は、2以上の層で形成され、それぞれの層は、その上にプリントされた少なくとも1つの導電性パスを有する。
【0018】
述べられたように、太陽電池の電気の接点は、PCB上に、対応し、補完する電気の接点のパターンに合う、あらかじめ決められたパターンで、または構造因子で配置される。これにより、太陽電池を、ロボット装置及びPnP技術を含む、自動化された装置及び方法を使って、PCBに連結することができる。図3は、太陽電池210の裏面を示し、正の電気の接点305と負の電気の接点310は、あらかじめ決められたパターンで配置される。述べられたように、PCBは、太陽電池210上で接点のパターンに合う、補完するパターンで配置された、対応する正と負の電気の接点を有する。図3で示されたパターンは、本開示におけるこれに限定されない例であることが、理解されるべきである。
【0019】
太陽電池電力の分配ネットワークは、電気の直列または並列で、与えられた列をなして、太陽電池205は全て電気的に接続することによって、形成される。太陽電池210は、電力供給ネットワークと電気的に接続されるのと同じように、PCB205に物理的に及び電気的に接続される。図4は、例となるPCB405を示し、複数の太陽電池は、それぞれの太陽電池の裏面における電気の接点が、PCB210の前面における電気の接点の対応する一組と接触して電気的に連結されるように、PCBの前面に配置される。太陽電池は、太陽電池がPCB上で配置される方法は、変わることが理解されるべきであるが、格子、または、アレイパターンで配置される。
【0020】
述べられたように、太陽電池205は、正と負の端子の両方は、太陽電池の、例えば裏面など、1つの面に設置され、そこからアクセスできるような種類である。PCB205の裏面、または太陽電池210の反対の表面において、1以上の電気的な導電性の取り付けパッドは、太陽電池アレイを形成するように、他の回路素子及び/または太陽電池パネルの支持構造または下地構造に取り付け及び電気的な接続をすることができるように設置される。太陽電池210の正と負の端子(太陽電池の共通の裏面に配置される)は、PnP技術を用いて、PCB205の前表面において、対応する電気のパッドに接続されることができる。
【0021】
図5は、太陽電池アレイを製造する従来の方法のフローチャートを示す。方法のステップは、典型的に、人によって手動でまたは特注の機械及び/またはロボットと組み合わせた人によって、全て実行される。第1のステップにおいて、太陽電池ウェハ(例えばシリコンウェハなど)は、生産されまたは別の方法で得られる。典型的な太陽電池ウェハは、ウェハの両方の面に電気の接点を有し、太陽電池ウェハのそれぞれの太陽電池の、第1の面における正の接点と、反対の、第2の面における負の接点を備える。次のステップによると、例えば太陽電池ウェハはのこぎりによってなど、周知の方法で、個々の太陽電池に切り出され、単一の大きな太陽電池または複数の小さい太陽電池を得る。太陽電池は、その後、従来のカバーガラス相互接続セル(CIC)工程によって処理される。この処理によると、それぞれの太陽電池は、個々に適切な電気の構成要素と組み合わされ、構成要素は、太陽電池の反対側に設置されている正と負の端子によって、それぞれの太陽電池の前面と裏面の両方に配置される。電気の構成要素が適切に太陽電池に連結された後、それぞれの太陽電池は、手動で、及び個々に、電気の構成要素を保護するカバーガラス材料によって覆われる。
【0022】
太陽電池は、その後、はんだ付けされ、または、抵抗が、配線工程に続いて、ストリングスとして知られている、セルの列の中に溶接される。特注の機械及び/またはロボットは、直列に配線されたストリングの配置の中にセルを設置するために使われる。ストリングスは、その後、太陽電池パネルを作り出すために、手動で、準備された複合材料の基板の上へ、人の手によって、置かれまたは設置される。組み立てられたストリングスは、その後、太陽電池パネルの前裏面に配線ハーネスを利用して、直列に及び並列に接続される。前述の方法は、ステップの多くが、手動で人の手によって、または特注の機械によって処理されなければならないとき、非常に退屈で、時間のかかるものである。
【0023】
図6は、本開示によって、太陽電池アレイを製造する改良された方法のフローチャートを示す。開示された方法は、CICステップ及びストリングを作るステップを排除し、全プロセスに関連する時間と労働者を減らすことに留意する。以下に詳細に記載されているように、方法は、また、裏面配線ステップを排除し、さらに全プロセスと関連する時間と労働者を減らす。さらに、自動化されたPnP技術は、従来の工程で関連する手動ステップを排除するために使われる。
【0024】
図6を参照すると、第1のステップにおいて、太陽電池ウェハは、提供され、または、製造される。図7は、太陽電池ウェハ505の例を示し、格子パターンに配置された複数の太陽電池を含む。述べられたように、ウェハ505の太陽電池のそれぞれは、正の電気の接点と負の電気の接点が太陽電池の共通の、裏面に設置されるように、構成される。太陽電池は、アプリケーションに関連した多くの地球の空間で開発され、及び証明された技術によって、完成したウェハを使って、太陽電池の裏面に、正と負の端子を組み込むことができる。接点は、また、裏面に設置され、さらに適合することができる。これにより、最先端の、高効率の太陽電池の表面取り付け技術(SMT)アプローチを可能にし、アレイの組み立て品が標準の、周知のPnP技術によって、完成されることができる。
【0025】
カバーガラスは、その後、全ウェハを覆って配置され、そして、それゆえ角切りプロセスの前に、複数の太陽電池を覆って配置される。実施形態において、ただ1つのカバーガラスは、複数の太陽電池を覆って置かれることができるような大きさにされる。ただ1つののカバーガラスは、ただ1つのカバーガラスがウェハにおける全ての太陽電池を覆う程十分に大きいように、少なくとも太陽電池と同じ大きさである。別の実施形態において、カバーガラスは、ただ1つのカバーガラスが、ウェハにおける複数の太陽電池を覆うが、全ての太陽電池を覆わないようにウェハより小さい。そのような実施形態において、複数のカバーガラス素子が、ウェハの太陽電池の全てまたはいくつかを合計で覆うために使われることができる。
【0026】
ウェハが、太陽電池とカバーガラスが、両方とも角切り工程の間に合計で切り出されるように、その後カバーガラスとともに、個々の太陽電池に角切りにされ、または、切り出される。すなわち、切削道具は、それが、例えば切削工具の一回の動作でなど、カバーガラスと、カバーガラスの直接下の太陽電池をも切り開くように稼働される。これにより複数の太陽電池がもたらされ、それぞれの太陽電池は、その太陽電池を覆う、専用のカバーガラスを有する。太陽電池の接続配線は、太陽電池が配置されるPCBの上へ一体化されるので、太陽電池の前面に、分離した位置の電気の構成要素を必要としない。これにより、単一つのカバーガラスが、ウェハ段階で、複数の太陽電池の上を覆うことができる。放射線保護カバーガラスは、組み立て品段階において、製造を最適化するのと同様に、個々の太陽電池の硬度を上げることを提供する。
【0027】
次のステップにおいて、太陽電池(太陽電池にすでに配置されたカバーガラスを備え)は、PCBの上に置かれ、構造的に、電気的に連結され、電気の接点は、PCBと太陽電池の間の熱膨張に関しては、合わせられる。すなわち、太陽電池のそれぞれの電気の接点は、熱膨張係数(CTE)を有し、それは、PCBの対応した電気の接点のCTEと合致する。述べられたように、それぞれの太陽電池は、電気的な接点が、PCBの前面において、対応する接点と接触し、及び連結するように、太陽電池の裏面において、正と負の電気の接点を有する。PCBは、1つの容易に製造され、自動化された組み立て品の中に一体化された全セルの相互接続と裏面配線を含む。このアプローチは、太陽電池を電気的に、物理的に、接続するコストの高い接触する労働者の必要を排除する。PCBの電気の配線は、バイパスまたはブロッキングダイオード、ストリングス及び並列の回路構成と同じような、セルからセルへの相互接続配線の全てを含む。実施形態において、2つの面のあるPCBは、PCBの1つの面において太陽電池を、そして反対の面においてバイパスとブロッキングダイオードを、組み込むために使われる。
【0028】
これにより、太陽電池は、回路基板を形成するプリント回路基板の上に置かれることができ、電気の配線は、PCBの中に組み込まれる。また、従来の製造工程に関連する裏面配線ステップも排除する。一体化されたカバーガラスを有する取り付けられた太陽電池を備えるPCBは、その後、下地構造に取り付けられることができる。図8は、太陽電池セル805を示し、一体化されたカバーガラスは、取り付けられるべきPCB810に隣り合って配置される。PCBは、その後、下地構造815に取り付けられる。述べられたように、PCBの後ろは、PnPブロッキングダイオードと、1以上の配線ハーネスコネクタを有してもよい。別の実施形態において、図9に示されるように、一体化されたカバーガラスを有する取り付けられた太陽電池を備えるPCB805は、単に、宇宙船構造905の概略図の表面の上へ取り付けられる。PCB805は、また、複数パネルの太陽電池アレイを配置可能な宇宙船の中に一体化されてもよい。
【0029】
それゆえ、裏面にアクセス可能な正と負の接点をそのままにする一方で、ウェハ段階においてカバーガラスを一体化することは、従来のアプローチで必要とされるCICプロセスを排除する。一体化されたカバーガラスは、また、全てのセルが独立で専用のカバーガラスを有し、それぞれのセルが相対的に容易に取り外され、置き換えられることができるので、修理と、再加工を容易にする。開示された方法は、また、太陽電池の全てを取り外す必要がなく、PCBから、太陽電池アレイの1つの太陽電池を取り外し、及び置き換えるステップを含むこともできる。
【0030】
代替の実施形態において、1つのまたは複数の大きなシートのカバーガラスまたは他の保護コーティングは、カバーガラスがPCBにおける複数の太陽電池を覆うように、太陽電池がPCBに配置された後に、PCBの大きな部分を覆って配置される。可能なカバーガラス材料は、組み立て品段階でセルに噴霧され、積層された樹脂またはポリマを含む。
【0031】
改良された宇宙空間品質の太陽電池アレイの製造工程は、また、宇宙規格の太陽電池アレイを製造するために非常に大きな領域のセルを使う従来のアプローチとは対照的に、とても小さいセルも利用する。例えば、製造工程の間に、PnP及びSMTの使用ができることを含む、小さい太陽電池を利用するいくつかの利点がある。別の利点は、小さなセルの使用は、熱伝導の懸念事項を最小限にするのと同じように、太陽電池とPCBの間の熱膨張係数(CTE)ストレスに関して、懸念事項を最小限にする。
【0032】
また、1つの小さいセルの損失は、通常は、全アレイ電力のとても小さいパーセンテージなので、小さなセルの使用により、太陽電池アレイが、外側の空間で使われたときに起きるかもしれない、微小隕石の衝突と影に入ることに対して高い許容が許される。すなわち、大量の個々の小さいセルは、全アレイ電力を合計で形成し、それぞれの個々のセルは、全電力性能の小さいパーセンテージ(例えば5%未満など)のみ形成する。1つのセルの損失は、全アレイの電力性能に逆に影響を与えないであろう。小さいセルの使用は、パッキングの因子を最大化し、単位面積あたりのワット数の増加をもたらし、及びまた、非常に小さい面積で高電圧バスも可能にする。自動化された工程は、信頼性を改善し、また、ヒューマンエラーを排除または大いに減らす。開示された工程は、また、これはこの開示に限られるものではないが、セルと回路基板の間の追加の熱接着の必要も排除する。
【0033】
再現することのない工学(NRE)コストにおける減少は、上述されたPCBを備える電圧と電力のモジュールを作り出すことによって、達成される。電力モジュールは、太陽電池を備える、あらかじめ決められた大きさと形状のPCBを装着することによって、達成されることができる。複数の電力モジュールは、あらゆる電力クラスの宇宙空間品質の太陽電池アレイを生産するために、さまざまな形状及びとどまっているゾーンの大きな面積を装着して配置されることができる。電力モジュールの大きさは、エレクトロニクス製造分野における供給者の大部分によって製造されることができる、アプリケーションと大きな面積のPCBに依存する。
【0034】
さらに、太陽電池アレイは、全てPCBの裏面に置かれた、バイパスとブロッキングダイオードを含む。バイパスとブロッキングダイオードのこのアプローチは、さらに従来のアレイに見られる、必要なセルとストリングの保護を組み込む一方で、パネルの前面における機能面積を最大化する。パネルの裏面におけるダイオードは、劇的にパネルの前面におけるパッキングの因子を増加し、概略の電力密度(例えば、watt/m)からさらに高い効率のアレイをもたらす。
【0035】
太陽電池の正と負の端子の裏面接点の形態もまた、改良される。取り付けるパッドの形態は、熱膨張係数(CTE)ストレスを最小化する一方で、熱伝導を最大化するように最適化される。最終の形態は、熱と熱機械分析の複数の反復と、材料の選択によって、開発された。
【0036】
PCBの材料と構造は、とても固いPCBをもたらし、いくつかの形態において必要であれば、対応する太陽電池、カバーガラス、及びPCBは、CTEの観点からお互いに合致される。
【0037】
開示された工程のいくつかの態様は、宇宙空間品質の太陽電池アレイの生産において、いくつかの現在の挑戦を解決する。従来のアプローチは、接触する労働者のコストとヒューマンエラーによって誘導された製造欠陥によって、支配される。開示された工程は、実質的に、接触する労働者とヒューマンエラーを排除し、コストを減らし、また非常に高い信頼性と高い収率の最終製品を生産する。
【0038】
宇宙空間品質の太陽電池アレイシステムと製造工程のさまざまな態様は、これから以下に、いくつかのこれに限定されない実施例を使って記載される。開示された装置と工程は、セルの小集団を特定することなく、適合する構造因子を備える、いかなるセルのタイプに適用可能であることが理解されるべきである。
【0039】
<太陽電池形態>
述べられたように、システムは、小さく(例えば15-20cm未満など)単一の及び多接合太陽電池を利用し、ここで、正と負の端子は、太陽電池の裏面に提供され、またはそうでなければ配置される。例は、シリコンの単及び多結晶セル、量子セル、CdTeセル、CIGSセル及びIII-V族セルを含む。
【0040】
述べられたように、カバーガラスは、角切り/切り出しの前にウェハ段階で一体化される。このステップは、特定の接着操作及び材料選択を含む。セルは、その後、工業的な標準のPnP適合治具(例えば、柔軟なテープ、リールなど)に供給される。セルの設置面積は、多数のセルのタイプが、形態への変更がなく、置き換えられることができるように、標準化される。すなわち、PCBにおけるセルは、共通の大きさと形状に分類されることができる。セルの他のタイプは、これに限定されない例のように、単一接合III-V族セル、多接合III-V族セル、及び単一接合CdTeセルを含む。
【0041】
<パネル形態>
これに限定されない例において、パネルは、CTE効果を最小化してパネルの硬さを最大化するために、PCB層の中にカーボンファイバ補強材を組み込む、改良したPCB形態を利用する。
【0042】
述べられたように、セルの相互接続、バイパス及びブロッキングダイオード、ストリングス、及び並列な回路構造の全ての配線は、PCBの電気の配線の中に組み込まれる。2つの面のPCBは、1つの面に太陽電池を、他の面にバイパスとブロッキングダイオードを組み込むために利用される。さらに、設計のモジュール化コンセプトは、設計労力を減らし、及びコストを最小化するために、製造工程の中に組み込まれる。さまざまなバス電圧の標準化された電圧モジュールは、6Vから300Vの大きい範囲を含む。
【0043】
さらに、モジュールのコンセプトも、また、例えば、0.5cmから20cmの、あらゆる大きさのセルは、ボードの設計コンセプトへ最小限の変化で利用できるように、太陽電池で利用される。PCBは、PCBの製造と検査で標準の工業の最もよい実用に利用するように設計されてもよく、現在のアプリケーションを最適化するために迅速に再配置されることができる。
【0044】
<セルの相互接続>
セルを敷設する工程は、標準のエレクトロニクス工業のPnP設備に適合するように構成される。はんだペースト及び/または予備成形物は、太陽電池とPCBの間の電気的な接続を達成するために利用される。相互接続材料の構成は、ペースト形態及び予備成形物において、例えば、Sn96、Sn63、及びAuSnを含む。
【0045】
<パネル組み立て品>
組み立て工程は、標準のエレクトロニクス製造及び検査工程を利用する。PCBにおけるセルのパッキングの因子は、セルのX及びY方向の両方の空間を、従来の実用の0.030インチから0.003インチほどの空間に対して、減らすことによって最適化された。
【0046】
<モジュールの形態>
個々の電力モジュールは、PCBと最も大きい許されることができる組み立て工程の大きさの工業の最もよい実用を利用することによって、生み出される。電力モジュールの中の電圧モジュールの設計は、NREと設計コストを最小限にするために標準の形態に基づくことができる。電力モジュールは、アレイ電力を増加するように、大きなパネルの組み立て品の中に配置される。これらの電力モジュールは、それぞれの電力モジュールの中に一体化されるコネクタ/接続を備える全電力アレイを形成するために、接続される。
【0047】
<支持構造>
PCBに連結される複数の太陽電池によって、形成される、電力モジュールは、大きなアレイを形成するために、硬い下地構造の上に配置される。下地構造は、電力モジュールの支持体、押し下げ機構の配置、及びヒンジ取り付け部の機構を提供する。別の実施形態において、柔軟な構造またはパネルは、お互いに複数の硬い支持構造を取り付けて使われることができる。これにより、1つの硬い構造は、さまざまな動作を提供する柔軟な構造を備える別の硬い構造に対して、動作し、関節となることを許す。
【0048】
本明細書で記載された主題は、望まれた形態による、システム、器具、方法、及び/または品目で具体化されることができる。前述の記載された実施は、本明細書で記載された主題と一致する全ての実施を表さない。代わりに、それらは、単に記載された主題に関する態様に一致するいくつかの例にすぎない。いくつかの変形は、上に詳細に記載されているけれども、他の改良または追加は可能である。特に、さらなる構造及び/または変形は、本明細書で記載されたそれらに加えて提供されることができる。例えば、上に記載された実施は、記載された構造のさまざまなコンビネーション及びサブコンビネーション、及び/または、上に記載された、いくつかのさらなる構造のさまざまなコンビネーション及びサブコンビネーションへ向けられることができる。さらに、論理フローが、添付した図に描かれた及び/または本明細書で記載された場合、望まれた結果を達成するために、必ずしも特定の示された順番、または一連の順番を要求しない。他の実施は、続く請求項の範囲の中にあってもよい。
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