(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】ボイドを備えた粘着パッチ
(51)【国際特許分類】
G09F 3/10 20060101AFI20220228BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
G09F3/10 A
G09F3/00 E
G09F3/10 B
(21)【出願番号】P 2018542692
(86)(22)【出願日】2016-10-27
(86)【国際出願番号】 US2016059210
(87)【国際公開番号】W WO2017075280
(87)【国際公開日】2017-05-04
【審査請求日】2019-09-30
(32)【優先日】2015-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518148191
【氏名又は名称】アイコネックス・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ICONEX LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(72)【発明者】
【氏名】オースティン ダニエル アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン キャメロン ヴァン ウィンクル
(72)【発明者】
【氏名】トム エドワード ザガヤ
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-029604(JP,A)
【文献】登録実用新案第3164663(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2002/0142156(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0159034(US,A1)
【文献】国際公開第2013/168394(WO,A1)
【文献】特開2007-171776(JP,A)
【文献】特開2015-075515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00 - 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の第一面上の接着剤を備えた接着領域と、
前記基板の第一面上の接着剤のない2つのボイド領域と、
前記基板の反対側の第二面上のプリント層と
、を有し、
前記プリント層は、加熱により活性化すると色が変化する1つ又は複数の感熱コーティングからなり、
前記2つのボイド領域は、前記接着領域の内側に分離して互い違いに設けられ、
前記2つのボイド領域は、それぞれが前記基板の前記第一面に沿って独立した別個のボイド領域であり、
前記接着領域は、前記基板の周縁と前記2つのボイド領域の周縁との間で前記基板の全周に亘って連続する領域を形成し、
前記2つのボイド領域は、前記基板の前記第一面上で互いに異なる向きに配置されていることを特徴とする粘着ラベル。
【請求項2】
前記粘着ラベル内の前記接着領域の表面積が、前記2つのボイド領域の表面積より大きいことを特徴する請求項1記載の粘着ラベル。
【請求項3】
前記粘着ラベル内の前記接着領域の表面積が、前記2つのボイド領域の表面積より小さいことを特徴する請求項1記載の粘着ラベル。
【請求項4】
前記粘着ラベル内の前記接着領域の表面積が、前記2つのボイド領域の表面積とほぼ同じであることを特徴する請求項1記載の粘着ラベル。
【請求項5】
前記接着領域が前記2つのボイド領域の全てを包囲しかつ輪郭を描いていることを特徴する請求項1記載の粘着ラベル。
【請求項6】
前記接着領域の一部分が、前記粘着ラベルの中心に位置していることを特徴する請求項1記載の粘着ラベル。
【請求項7】
前記接着剤が、高粘着性接着剤、高粘着性感圧接着剤及び感圧接着剤の一つであることを特徴する請求項1記載の粘着ラベル。
【請求項8】
前記2つのボイド領域は、それぞれが三角形の領域であり、互いに前記三角形の1つの頂点が逆向きをなすように配置されていることを特徴する請求項1乃至7のいずれかに記載の粘着ラベル。
【請求項9】
接着剤からなる接着領域を有しかつ接着剤のない2つのボイド領域を有する粘着パッチを基板の裏面にプレスによって貼ることからなり、
前記2つのボイド領域は、前記接着領域の内側に分離して互い違いに設けられ、
前記2つのボイド領域は、それぞれが前記基板
の裏面に沿って独立した別個のボイド領域であり、
前記接着領域は、前記基板の周縁と前記2つのボイド領域の周縁との間で前記基板の全周に亘って連続する領域を形成し、
前記2つのボイド領域は、前記基板
の裏面上で互いに異なる向きに配置されていることを特徴とする方法。
【請求項10】
複数のラベルのウエブを前記プレスを通して、前記プレスにより、処理する過程を更に含み、各前記ラベルは、前記基板
の裏面に施された前記接着剤からなる前記接着領域と前記接着剤のない前記2つのボイド領域とを有する粘着パッチを有することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記処理がさらに、前記プレスを通して処理した処理済みの各前記ラベルについて、前記接着領域及び前記2つのボイド領域の寸法及び位置を変えることを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記貼ることはさらに、前記接着領域の少なくとも一部を貼る過程を含み、前記接着領域の前記一部は、前記2つのボイド領域によって包囲されかつ輪郭を決められることを特徴とする請求項
10記載の方法。
【請求項13】
前記貼ることはさらに、前記接着領域の前記一部を前記ラベル
の裏面の中心に施すことを含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記貼ることはさらに、前記2つのボイド領域を前記ラベルの中心からずらして位置決めすることを含むことを特徴とする請求項
10記載の方法。
【請求項15】
前記2つのボイド領域は、それぞれが三角形の領域であり、互いに前記三角形の1つの頂点が逆向きをなすように配置されていることを特徴する請求項9乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
サーマルプリンターにより、レシートを表すラベルの第一面に画像形成すること、及び
前記サーマルプリンターにより、前記レシートの第二面上の粘着パッチを活性化することを含み、
前記粘着パッチは、接着剤を有する接着領域と、前記レシートの前記第二面の周囲に沿って配置された2つの、それぞれが別個に独立した、接着剤のないボイド領域とからなり、
前記2つのそれぞれが別個に独立したボイド領域は、前記接着領域の内側に分離して互い違いに設けられ、
前記接着領域は、前記レシートの周縁と前記2つのそれぞれが別個に独立したボイド領域の周縁との間で前記レシートの全周に亘って連続する領域を形成し、
前記2つのボイド領域は、前記レシートの前記第二面上で互いに異なる向きに配置されていることを特徴とする方法。
【請求項17】
さらに、活性化された前記粘着パッチをアイテム(物品)に設けることを含むことを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記アイテム(物品)が、製品用のパッケージ材料又はコンテナー材料であることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記2つのボイド領域は、それぞれが三角形の領域であり、互いに前記三角形の1つの頂点が逆向きをなすように配置されていることを特徴する請求項16乃至18のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイドを備えた粘着パッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特殊な応用を含む種々の応用に使用するために、無数の形態において、遍在する粘着ラベルが利用できる。代表的な粘着ラベルは、それらの裏面に感圧性接着剤を備え、そして下層の剥離ライナーに最初に積層される。
【0003】
粘着ラベルは、個々のシート、或いは扇形に折り畳んだスタックに一緒に接合して、或いはまた連続したロール(ウエブ)において見出すことができる。ラベルを大量に必要とする商用の応用において、通常はラベルロールが用いられる。
【0004】
接着剤に基づく印刷応用における課題は、ラベルに塗布した非常に多くの接着剤が、印刷運転中に、プリンターの機械的コンポーネント(構成要素)へ集めるのに時間を要すことにある。そのため、プリンターを介して供給される接着剤コーティングを備えたあらゆるラベルは、印刷品質と干渉したりプリンターを詰まらせたりし得る。
【0005】
さらに、粘着ラベルロールの製造中は、各ラベルにおいて同量の粘着パッチを同じ部位に繰り返し施すため、ウエブをリールに巻き取る際にウエブ及び/又はリッジにしわが生じることになる。
【0006】
さらにまた、ラベルを(印刷後及びウエブから外した後)品物に貼る際に、ラベルは、それらの外周部に沿ってまくれ上がり(はみ出し)が生じ、その結果、幾つかの場合には、ラベルを張る品物から剥がれ落ちることになる。ある場合には、これらのタイプの問題のあるラベルは、また、コーヒー用カラーが、カップに適切に嵌まるのをラベルの剥がれが阻止する場合に、コーヒー用カラーがコーヒーカップ(一杯のコーヒー)をスリップするように、品物に添付された他の材料にも干渉させ得る。
【0007】
従って、改良型の粘着パッチを提供することが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
種々の実施形態において、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチ及びパッチをラベルに張り付ける方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つの実施形態によれば、粘着パッチが提供される。粘着パッチは、接着剤を備えた接着領域と接着剤のない領域(本願では、「ボイド」という)とが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1Aは、本発明の実施形態による、ウエブにおけるラベルに貼ったスタガリング(互い違い配置した)ボイドを備えた粘着パッチを示す線図。
図1Bは、本発明の実施形態による、ウエブにおけるラベルに貼ったスタガリングボイドを備えた別の粘着パッチを示す線図。
図1Cは、本発明の実施形態による、ウエブにおけるラベルに貼った粘着パッチは、少量の接着剤をボイド領域に施したボイドを備えた別の粘着パッチを示す線図。
【
図2】本発明の実施形態による、ボイドを備えた感圧高粘着性粘着ラベルを施すサーマルプリンターを示す斜視図。
【
図3】本発明の実施形態による、ライナーレスラベルを示す断面図。
【
図4】本発明の実施形態による、印刷テキストを含む
図3のライナーレスラベルの第二面を示す図。
【
図5】本発明の実施形態による、ボイドをもつ活性化した接着剤のストリップを含む
図3のライナーラベルの第一面を示す図。
【
図6】本発明の実施形態による、ボイドをもつ粘着パッチを貼りつける装置の例を示す図。
【
図7】本発明の実施形態による、ボイドをもつ粘着パッチを備えたラベルを印刷する両面サーマルプリンターの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に一層詳しく説明するように、ボイド(単数又は複数個)を備えた接着剤は、プリンターに対する給紙及びサーマル印刷ラベル、ライナーレスラベル並びに関連製品のその他の性能や処理性能を改善する。
【0012】
用語“粘着性メディア”とは、サーマルトップコーティング(すなわち加熱した際に暗色化し、“サーマルコーティング”として知られたコーティング)及び基板の反対側に被覆した感圧接着剤(PSA)を特徴とする紙製品(ラベル又はライナーレスラベル)を指すものである。サーマル被覆引張面は、反撥面エネルギーシリコーン(又はシリコーンなし(水性)の剥離剤/混合物)でオーバーコート(保護被覆)され、紙を、ピッキングしたりメディアにおける他の製品に欠陥を生じさせることなしにロールに巻き取る際に、それ自体から剥離するようにしている。
【0013】
ここで説明したボイドを備えた粘着パッチは、添加する接着剤の量を一定に保ちながらラベル(レシートのようなしかしそれに限定されない)の裏面の広範囲にタックを分布させることができる。同じ周長のソリッド粘着パッチと比べて、(本明細書に記載したような)ボイドを備えた粘性パッチは、粘着ボイドパッチカウンター(小片)がプリンター内でボイドのないソリッド粘着パッチにおいて生じる結合を増大させながら、ラベルを描く際にプリンター内の許容性能を維持する。
【0014】
さらに、比較的小さなソリッド粘着パッチと違って、一つ以上の内部ボイドをもつ比較的大きな粘着パッチは、ラベルの裏面に総粘着剤量をより良く分配でき、そしてラベルがパッケージや品物に貼られる際に、ラベル(レシートのような)の周囲に沿ってカールの“フラッピング”、“フラッギング”、“フレアリング”、“リッピングアップ”をラベルが受ける傾向を防ぐ。
【0015】
本明細書で説明した粘着ボイドパッチは、ラベルの裏面に必要な接着剤を少なくして全対象範囲のラベル機能をもたらす。これにより、ラベルのウエブを製造する際に必要な接着剤のコストを下げることで価値が生まれ、また、ラベル毎に用いる接着剤が少ない、比較的環境にやさしい応用がもたらされる。
【0016】
さらに、パッチ毎にボイド領域を互い違いに配置することにより、ボイドと整列した縦方向におけるしわ形成の傾向を抑えることでマシン安定性が改善される。
【0017】
本発明で説明した一つ以上のボイドをもつ粘着パッチは、印刷媒体の表面に張られる。一実施形態では、ボイドを備えたこれらのパッチは、種々の寸法の任意の幾何学的形状のものでもよく、種々のパターンに貼られ得る。
【0018】
一実施形態では、一つ以上のボイドをもつ粘着パッチは、粘性の強い感圧接着剤を使用する。
【0019】
一実施形態では、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチは、任意の感圧接着剤を使用する。
【0020】
本発明で説明したボイド領域を作った粘着パッチは、従来の小さな粘着パッチ応用において用いた比較的少量の接着剤を利用しながら、ラベル周囲の近くに比較的大きな裏面の接着剤カバーエリアを可能にすることによって、優れたラベルを製造することができる。その結果、必要とされる接着剤の量を少なくでき、製造コストを低減できるようになる。
【0021】
図1Aは、本発明の一実施形態による、ウエブにおけるラベルに設けたスタガリング(互い違い配置した)ボイドをもつ粘着パッチを示す線図である。粘着パッチ(白色の楕円形ボイドをもつ灰色領域)の外周部は、ラベル外周部の近くに(
図1Aのウエブにおける各ラベルは背側の矩形センスマークで分離されている)ある。粘着パッチのボイド領域は、ラベルの中央で交差しているが、ラベルの中央は完全には重なっていない。さらに、ボイド領域の位置はラベル毎に変化し、第一ラベルは、ラベルの中心の周りで右にずれたボイド領域を備え、第二ラベルは、ラベルの中心の周りで左にずれたボイド領域を備え、また第三ラベルは、第一ラベルの場合と同様にずれたボイド領域を備えている。
【0022】
粘着パッチにおけるボイド領域は、ラベル毎に変化し、ボイド中心が完全に重なるのを避け、しかもなお、中心の少なくとも一部と交差し、結果としてマシンの巻戻し端部において最適なマシン性能が得られる。ボイドが全て整列している場合に、巻戻しリールは縦方向に走行する接着剤パターンに沿ってパッチの横方周囲部を画定している接着剤の領域にリッジ(細長い隆起部)を形成させる。これらのリッジはロールを不安定化させる。
【0023】
さらに、ボイドを備えた粘着パッチとラベル周囲部との間にマージン(余白部)なしで必要とする接着剤を少なくでき、これにより、ラベルをプリンターで描き、ロールから外した後、レシートとしてパッケージに貼りつける際に良好な接着ができ、フラッギング及びフレアリングを減少できる。
【0024】
さらにまた、ウエブの製造中に用いる接着剤が少ないので、ウエブの長さに沿って接着剤の集中がなく、ウエブ(ロール)は、普通に製造した従来のロールより柔らかくでき、本発明によるウエブは、小売業環境におけるレシート印刷中にプリンターによって比較的容易に巻き戻すことができる。これにより、プリンターやプリンターコンポーネントにおける摩耗や裂け目を少なくできる。
【0025】
ボイド付き粘着パッチラベルをウエブに製造する際に、従来の粘着パッチ応用の場合より使用する接着剤が少ないので、殆ど乾燥用エネルギーは必要としない。すなわち、ラベルにおける粘着パッチを乾燥するのに要する熱量又は時間は、パッチあたりに使用する接着剤の量の関数であり、そして本発明によりパッチあたりの接着剤が少ないので、従来技術の場合よりラベル製造中に必要な熱及び/又は乾燥用時間は少なくなる。
【0026】
図1Bは、実施形態によれば、ウエブにおけるラベルに適用した、互い違いに配置したボイドをもつ別の粘着パッチの線図である。
図1Bに例示されているように、単一の粘着パッチ内に多数のボイドが示されている。
【0027】
図1Cは、実施形態によれば、ウエブにおけるラベルに適用され、ボイド領域に少量の接着剤を塗布したボイドをもつ粘着パッチの線図である。
【0028】
図1Cのボイドをもつ粘着パッチは、ボイドの中心部内に少量の接着剤を含んでいる(
図1Cにおける暗色化した菱形部、白色領域はボイド領域であり、暗色化した領域は接着領域である)。
【0029】
付加的な量の接着剤を塗布した、ボイド領域をもつ粘着パッチのレイアウト(
図1Cに示すように)は、パッケージに固定した時にラベルのバブリングを防ぐ。
【0030】
実施形態において、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチ内の接着剤のカバーエリアは、ボイドのカバーエリアより大きい(
図1Aに示すように)。
【0031】
実施形態において、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチ内の接着剤のカバーエリアは、ボイドのカバーエリアより小さい(
図1Bに示すように)。
【0032】
実施形態において、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチ内の接着剤のカバーエリアは、ボイドのカバーエリアと実質的に同じである。
【0033】
実施形態において、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチ内のボイドの幾何学的形状は、ラベルのウエブの製造中に相対でき、ラベル毎に変化する。
【0034】
図2は、本発明の実施形態による、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチを有する感圧ラベルを供給するサーマルプリンターの図である。
図2を参照すると、プリンター10は、典型的なファストフード応用に用いられる個々のラベル12を順次印刷するように構成されている。例えば、フードは例示した紙箱のような適当なフードパッケージ14又は単純な包装紙に入れられ得る。プリンター10は、単面又は両面型サーマルプリンターのようなサーマルプリンター(
図6に示すように)を備え得る。
【0035】
プリントすなわち識別印字16は、例えばパッケージの内容物を識別するためにプリンター10においてラベル12に印刷される。個々の印刷ラベル12はプリンター10から外され、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチ38を用いて((ボイドを備えた粘着パッチ)を用いて12にラベルを貼りつけるために12は10から16へ印刷する))方法において例示したようにフードパッケージ14に貼られ得、これは
図2に示される。
【0036】
一つ以上のボイドを備えた粘着パッチ38は、
図2には原寸では示されてなく、パッチ38は、
図2に示すものよりラベル12の裏面の大きな表面積をカバーしていることが認められるべきである。さらに、パッチ38は
図1A~
図1Cに示すような一つ以上のボイドを備えている。
【0037】
図3~
図5には、本発明の実施形態による、一側に画像形成用材料を含む印刷可能な表面を、他側に剥離被覆層を備えた熱活性化接着性表面を有するライナーレスラベル100が例示されている。他のタイプのラベルも想定されることが認められるべきである。
【0038】
図3は、一実施形態による、一つ以上のボイドを備えた粘着パッチを有するライナーないしラベルの横断面図である。
【0039】
図3を参照すると、ライナーレスラベル100は、基板102と、サーマルプリント層104と、一つ以上のボイドを備えた熱活性化粘着層106と、剥離コーティング層108とを含む複数の層から成っている。一つ以上のボイドを備えた粘着層106は、基板102の第一面112上に位置し、またプリント層104は、プリント層104の基板102の第二面114上に位置している。剥離コーティング層108はプリント層104の表面116上に位置している。粘着層106は、一つ以上のボイド領域(任意の接着剤又は接着剤混合物のない領域)を備えた接着剤又は接着剤混合物から成る粘着パッチを有している。
【0040】
幾つかの実施形態では、基板は、基板の一側における活性材料から基板の他側に加えた熱を阻止するために、耐熱性があってもよい。
【0041】
ライナーレスラベル100は、ロールに巻き取られ得る。一つ以上のボイドを備えた粘着層106は、剥離コーティング層108と接触し、それにより粘着層106とプリント層104又は下側の基板102との間の粘着性を最少化している。
【0042】
プリント層104は、サーマル画像形成用物質の一つ以上の層を備えることができる。例えば、プリント層104は、熱転写印刷に適した熱転写受容性コーティング層を備えることができる。代わりに又は加えて、プリント層104は加熱時に変色するようにされる一つ以上の感熱コーティング層を有してもよく、それにより直接感熱式プリントが行われる。
【0043】
一つ以上のボイドを備えた粘着層106は、接着剤を含めてもよく、そして印刷機を用いてパッチに(上述した任意の方法で)付加され得る。
【0044】
別のプリント層104を用いる代わりに、基板102は熱変色紙から成ることができる。サーマル印刷ヘッドは、基板に付加的なプリント層を形成する必要なしに熱変色紙に可視パターンを印刷できる。
【0045】
図4には、一実施形態によれば、模範印刷又は画像形成したテキストを含む
図3のライナーレスラベルの第二面が示されている。
【0046】
すなわち、
図4には、印刷後のライナーレスラベル100の第二面202の一例を示している。この例では、ラベル100はファストフードの食事レシートである。
図3に示すように、ライナーレスラベル100の第二面202には、例えばプリント層104における一つ以上の感熱混合物の直接熱印刷によって取引情報が印刷されている。
【0047】
図5には、一実施形態にかかる、活性化接着剤のストリップを有する
図3のライナーレスラベルの第一面を示している(少なくとも一つの隣接部位にはストリップ内の任意の接着剤がない)。
【0048】
第一面302は、熱活性化接着剤の粘着性ストリップ310の形態のウエット接着部を備え(ウエット接着部のないボイドを備えている)そして例えばサーマル印刷ヘッドによって活性化されている。この実施形態では、粘着性ストリップ310は、フードの関連バッグや一杯のコーヒーにレシートを張り付けるのに用いることができる。その結果、レシートを付けたバッグ又はカップは顧客が同時に処理できる。
【0049】
粘着性ストリップ310は、少なくとも二つの異なる方法のいずれかで形成できる。第一の方法では、基板102の第一面112の全体は、活性化前にはドライかつ非粘着性であるボイド領域をもつ熱活性化接着剤によって覆うことができる。それで、ストリップ310を画定する熱活性化接着剤の単に選択した部分は、サーマル印刷ヘッドによる加熱によって活性化される。実施形態に応じて、かかる活性化は、レシートの第二面202に取引情報が印刷された時に又はそれとほぼ同時に或いはその後のある時期に生じ得る。第二の方法では、一つ以上のボイド領域310をもつストリップを画定する第一面302の一部は、使用前には乾燥した非粘着性である熱活性化接着剤で覆われ得る。熱活性化接着剤の全体は、サーマル印刷ヘッドによって活性化でき、この活性化は、実施形態に応じて、レシートの第二面202に取引情報が印刷された時に又はそれとほぼ同時に或いはその後のある時期に生じ得る。いずれの方法でも結果として、一つ以上のボイド付き領域310を備えた粘着性ストリップが得られることになる。両面型サーマルプリンターが用いられる場合には、第一サーマル印刷ヘッドはレシートの第二面202に印刷でき、一方、第二サーマル印刷ヘッドはレシートの第一面302に印刷できる。
【0050】
基板は、原紙、単層コート紙、複層コート紙、感熱コート紙、上質コート紙(サーマルコーティングを通して)、フィルム、或いは複数のコート紙を受け取れる任意の他の基板のような紙である。
【0051】
図6には、実施形態によれば、いかなる接着剤もない一つ以上のボイド領域を備えた粘着パッチを適用する装置の一例が示されている。
【0052】
プレス400が例示されている。例示されたプレスはフレキソ印刷またはフレキソ“flexo”印刷機である。
【0053】
図7には、実施形態によれば、いかなる接着剤もない一つ以上のボイド領域を備えた粘着パッチを有するラベルに印刷する両面型サーマルプリンターが例示されている。
【0054】
例示された両面型サーマルプリンターは、第一印刷ヘッド組立体510、第二印刷ヘッド組立体520及びモータを有している。第一印刷ヘッド組立体510は、第一印刷ヘッド550及び第一軸590の周りで回転可能な第一プラテン570を備えている。同様に、第二印刷ヘッド組立体520は、第二印刷ヘッド560及び第二軸600の周りで回転可能な第二プラテン580を備えている。
【0055】
両面型サーマルプリンターの動作中、モータは第一及び第二軸590、600を駆動して、第一及び第二プラテン570、580を回転させる。従って、ラベル500がプリンター内に供給されると、第一及び第二プラテン570、580の回転により、ラベル500は垂直矢印で示す方向に押される。ラベル500がプリンターを通過する際に、第一印刷ヘッド550及び第二印刷ヘッド560はラベル500の二つの側部を選択的に加熱して印刷動作を行う。一層特に、第一印刷ヘッド550は、矢印610で示すラベル500の側部に印刷動作し、また第二印刷ヘッド560は、矢印620で示すラベル500の側部に印刷動作する。
【0056】
実施形態において、付加した接着剤(いかなる接着剤もない一つ以上のボイド領域を備えた)は、基板に塗布されると、感圧接着剤となる。かかる場合に、限定されるものではないが、紙/ホイルラップ、段ボール箱、クラムシェル、フリーズスリーブ、カップなどのような顧客のアイテムにレシートを貼るために顧客の位置情報で接着剤に圧力が加えられ得る。
【0057】
特にある好ましい実施形態について本発明を説明してきたが、特許請求の範囲の記載の範囲内で本発明の変形が可能である。