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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】ランプカメラ一体モジュール
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/56 20060101AFI20220228BHJP
   B60R 13/10 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
B60Q1/56
B60R13/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018558962
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(86)【国際出願番号】 JP2017043684
(87)【国際公開番号】W WO2018123474
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】P 2016255601
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅之
(72)【発明者】
【氏名】永井 輝
(72)【発明者】
【氏名】阪井 健
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3121535(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0107571(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第02875473(FR,A1)
【文献】特開2009-083730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/56
B60R 1/00,13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のライセンスプレートの左右方向に配置され当該ライセンスプレートに光を照射する一対のライセンスプレートランプと、
前記一対のライセンスプレートランプの間に配置され車両の後方を撮影する2つの後方視認カメラと、
それぞれの前記ライセンスプレートランプと前記後方視認カメラとが取り付けられると共に車両本体に取り付けられるハウジングと、
を備え
一方の前記後方視認カメラは、車両が後進する場合に車両の後方の様子を撮影する第1のカメラとされ、
他方の前記後方視認カメラは、車両が前進する場合に車両の後方の様子を撮影する第2のカメラとされる
ことを特徴とするランプカメラ一体モジュール。
【請求項2】
前記第1のカメラと前記第2のカメラとが、前記ハウジングの左右方向における中心を基準として、互いに反対側に配置される
ことを特徴とする請求項に記載のランプカメラ一体モジュール。
【請求項3】
少なくとも一つの前記後方視認カメラの撮影面に空気を吹きかけるクリーナーを更に備え、
前記クリーナーは、空気の吹き出し口に空気を送り込むポンプを有し、
前記ポンプは、前記ハウジングにおける前記一対のライセンスプレートランプの間に取り付けられ、
前記第1のカメラと前記第2のカメラとは互いに横並びに配置され、
前記ポンプは前記第2のカメラを基準として前記第1のカメラ側と反対側に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のランプカメラ一体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプカメラ一体モジュールに関し、具体的には、ライセンスプレートランプ及び後方視認カメラの車両本体への取り付けが容易なランプカメラ一体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の後部に配置されるライセンスプレートに光を照射するライセンスプレートランプが知られている。また、車両の後進時に後方を撮影する後方視認カメラが知られている。下記特許文献1には、一対のライセンスプレートランプとこれらライセンスプレートランプ間に配置される後方視認カメラとが車両に搭載された様子が記載されている。
【0003】
特許文献1には、ライセンスプレートランプ及び後方視認カメラは、トランクリッドにおける庇部の内部に固定されると記載されている。具体的には、当該庇部にモールがライセンスプレートの上部に設けられ、このモールと重なる位置にライセンスプレートランプ及び後方視認カメラが固定されている。
【0004】
【文献】特開2007-145048号公報
【発明の概要】
【0005】
上記のようにライセンスプレートランプ及び後方視認カメラがトランクリッドやバックカメラ等における庇部の内部に固定される場合、ライセンスプレートランプ及び後方視認カメラが車両のアウターパネルに取り付けられることが考えられる。このように取り付けられたライセンスプレートランプや後方視認カメラが視認しづらいように、ライセンスプレートランプや後方視認カメラがモールやガーニッシュ等の意匠部品で出来るだけ覆われる。
【0006】
このようにライセンスプレートランプや後方視認カメラが車両のアウターパネルに直接取り付けられる場合、ライセンスプレートランプや後方視認カメラを個別にアウターパネルに取り付ける必要がある。一般的に、ライセンスプレートランプや後方視認カメラをアウターパネルに取り付けるとき、アウターパネルはシャーシーと一体化された状態であるため、作業者は無理な姿勢でこれらを取り付けなければならない傾向にある。
【0007】
そこで、本発明はライセンスプレートランプ及び後方視認カメラの車両本体への取り付けが容易なランプカメラ一体モジュールを提供しようとすることを目的とする。
【0008】
上記目的の達成のため、本発明のランプカメラ一体モジュールは、車両のライセンスプレートの左右方向に配置され当該ライセンスプレートに光を照射する一対のライセンスプレートランプと、前記一対のライセンスプレートランプの間に配置され車両の後方を撮影する少なくとも1つの後方視認カメラと、それぞれの前記ライセンスプレートランプと前記後方視認カメラとが取り付けられると共に車両本体に取り付けられるハウジングと、を備えることを特徴とする。
【0009】
このようなランプカメラ一体モジュールによれば、一対のライセンスプレートランプ及び後方視認カメラが取り付けられたハウジングを車両本体に取り付けることができる。従って、一対のライセンスプレートランプと後方視認カメラとを個別に車両本体に取り付ける場合と比べて、ライセンスプレートランプ及び後方視認カメラの車両本体への取り付けを容易にすることができる。
【0010】
また、前記後方視認カメラを2つ備え、一方の前記後方視認カメラは、車両が後進する場合に車両の後方の様子を撮影する第1のカメラとされ、他方の前記後方視認カメラは、車両が前進する場合に車両の後方の様子を撮影する第2のカメラとされることが好ましい。
【0011】
このように第1のカメラ、第2のカメラが一対のライセンスプレートランプの間に配置されることで、2つのカメラをハウジングの中央部近傍に配置することができる。通常、ライセンスプレートは、車両の左右方向の中央に配置されるため、本ランプカメラ一体モジュールも車両の左右方向の中央に配置される傾向にある。従って、上記構成によれば、第1のカメラ、第2のカメラを車両の左右方向の中央近傍に配置することができる。
【0012】
この場合、前記第1のカメラと前記第2のカメラとが、前記ハウジングの左右方向における中心を基準として、互いに反対側に配置されることが好ましい。
【0013】
このような構成とされることで、第1のカメラ及び第2のカメラが共にハウジングの左右方向における中心を基準として一方側に配置される場合と比べて、互いに反対側に配置される第1のカメラ、第2のカメラを車両の左右方向のより中央に配置することができ、第1のカメラで写される映像と第2のカメラで写される映像の差を小さくすることができる。
【0014】
また、少なくとも一つの前記後方視認カメラの撮影面に空気を吹きかけるクリーナーを更に備え、前記クリーナーは、空気の吹き出し口に空気を送り込むポンプを有し、前記ポンプは、前記ハウジングにおける前記一対のライセンスプレートランプの間に取り付けられることが好ましい。
【0015】
後方の様子を写す後方視認カメラに水滴や塵埃等が付着すると、本来映し出すべき映像が得られないという懸念があるため、これら水滴や塵埃等と除去する必要がある。この除去手段の一つとして、後方視認カメラの撮影面に空気をふきかけるクリーナーがある。上記のクリーナーは、空気の吹き出し口に空気を送り込むポンプを有する。このポンプが一対のライセンスプレートランプの間に取り付けられることで、後方視認カメラとポンプとの距離を小さくすることができる。このため、ポンプと吹き出し口とを繋ぐ管における空気の圧力損失を小さくして当該管内における空気の圧縮を抑制し、適切な量の空気を吹き出し口から吹き出すことができる。
【0016】
また、この場合において、互いに横並びに配置される前記後方視認カメラを2つ備え、一方の前記後方視認カメラは、車両が後進する場合に車両の後方の様子を撮影する第1のカメラとされ、他方の前記後方視認カメラは、車両が前進する場合に車両の後方の様子を撮影する第2のカメラとされ、前記ポンプは前記第2のカメラを基準として前記第1のカメラ側と反対側に配置されることが好ましい。
【0017】
第2のカメラにより撮影される車両が前進する場合の車両の後方の様子を示す映像は、ルームミラーやサイドミラーの代替えとして車両の室内に配置されるモニタ装置に映し出し得る。車両は通常前進する状態で使用され、後進する状態は一時的である。従って、第1のカメラよりも第2のカメラの方が、撮影面をクリーニングする機会が多くなる。そこで、ポンプが第2のカメラを基準として第1のカメラ側と反対側に配置されることで、ポンプが第1のカメラを基準として第2のカメラ側と反対側に配置される場合よりも、ポンプと第2のカメラとの距離を小さくすることができる。従って、使用頻度の高い第2のカメラの撮影面をクリーニングする空気の吹き出し量をより適切な量とすることができる。
【0018】
以上のように、本発明によれば、ライセンスプレートランプ及び後方視認カメラの車両本体への取り付けが容易なランプカメラ一体モジュールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態におけるランプカメラ一体モジュールが車両に取り付けられた様子を示す図である。
図2】ランプカメラ一体モジュールを示す斜視図である。
図3】ランプカメラ一体モジュールの正面図である。
図4】ランプカメラ一体モジュールの上面図である。
図5】ランプカメラ一体モジュールの背面図である。
図6】変形例に係るランプカメラ一体モジュールの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るランプカメラ一体モジュールを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。
【0021】
図1は、本実施形態におけるランプカメラ一体モジュールが車両に取り付けられた様子を示す図である。なお、図1では理解の容易のため、車両VEは破線で示されている。図1に示すように、本実施形態では、不図示のトランクルームを形成するトランクリッドTLは、車両VE後部の上面から後方側面に渡って一体とされている。このトランクリッドTLの後方側面にはライセンスプレートLPが取り付けられている。また、ライセンスプレートLPの上部には、銀めっき等が施されたモールMOが設けられている。このモールMOで概ね隠される位置に本実施形態のランプカメラ一体モジュールが取り付けられている。
【0022】
図2は、ランプカメラ一体モジュールを示す斜視図であり、図3は、ランプカメラ一体モジュールの正面図であり、図4は、ランプカメラ一体モジュールの上面図であり、図5は、ランプカメラ一体モジュールの背面図である。これらの図に示すように、本実施形態のランプカメラ一体モジュール1は、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lと、第1のカメラ20と、第2のカメラ30と、クリーナー40と、オープナー50と、ハウジング70と、を主な構成として備える。
【0023】
一対のライセンスプレートランプ10R,10Lは、それぞれランプカバー11と、ランプカバー11内に配置される不図示の光源及び点灯回路と、コネクタ12を備える。光源としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)を挙げることができる。それぞれのライセンスプレートランプ10R,10Lは、下方に光を出射することでライセンスプレートLPに光を照射する構成とされる。
【0024】
第1のカメラ20は、車両VEが後進する場合に車両VEの後方の様子を撮影する後方視認カメラであり、筐体21及び筐体21に保持されるレンズ22を有する。本実施形態では、レンズ22は、車両VEの後方における斜め下方を向いており、第1のカメラ20は、車両VEが後進するときに後方の地面及び車両VEの背後の様子を比較的広い視野角で撮影する。撮影された映像は、車両VEの室内のモニタに映し出される。なお、第1のカメラ20は、車両VEの後進時以外にも後方の様子を撮影するものであっても良い。
【0025】
第2のカメラ30は、第1のカメラ20と横並びに配置され、車両VEが前進する場合に車両VEの後方の様子を撮影する後方視認カメラであり、筐体31及び筐体31に保持されるレンズ32を有する。本実施形態では、第2のカメラ30は、ルームミラーやサイドミラーで視認し得る車両VEの後方の様子を撮影するカメラとされ、従って、第1のカメラ20よりも車両VEの後方における遠方を撮影することを目的とするカメラとされる。このため、レンズ32は、車両VEの後方における第1のカメラ20のレンズ22よりも上方を向いており、第2のカメラ30は、第1のカメラ20よりも狭い視野角で撮影する。第2のカメラ30で撮影された映像は、車両VEの室内のモニタに映し出される。なお、第2のカメラ30は、車両VEの前進時以外にも後方の様子を撮影するものであっても良い。
【0026】
クリーナー40は、ポンプ41と、吹き出し部42,43と、配管42a,42w,43a、43w,45を有する。
【0027】
ポンプ41は、空気を送り出すポンプであり、第2のカメラ30を基準として第1のカメラ20側と反対側に配置される。ポンプ41は2系統に空気を送りだす機構とされ、ポンプ41には配管42a,43aがそれぞれ接続される。つまり、ポンプ41は、接続された配管42aと配管43aのそれぞれに個別に空気を送り出すことができる。
【0028】
配管42aは、本実施形態では、ポンプ41の第2のカメラ30側に一端が接続され、第1のカメラ20の近傍に他端が配置される。この配管42aの他端には、吹き出し部42が接続される。吹き出し部42は、第2のカメラ30の上部に配置される。吹き出し部42の吹き出し口からは、配管42aからの空気が噴き出す構成とされ、この空気は、第1のカメラ20の撮影面であるレンズ22に吹きかけられる。
【0029】
配管43aは、本実施形態では、ポンプ41の第2のカメラ30側と反対側に一端が接続され、ポンプ41の背後を通って、第2のカメラ30の近傍に他端が配置される。この配管43aの他端には、吹き出し部43が接続される。吹き出し部43は、第2のカメラ30の上部に配置される。吹き出し部43の吹き出し口からは、配管43aからの空気が噴き出す構成とされ、この空気は、第2のカメラ30の撮影面であるレンズ32に吹きかけられる。
【0030】
配管45は、水を通す配管とされ、不図示のポンプから所定の圧力で水の供給を受ける。また、配管45には、配管42w,43wが接続されており、配管42wは吹き出し部42に接続され、配管43wは吹き出し部43に接続される。従って、吹き出し部42の吹き出し口からは、空気、水の少なくとも一方が、第1のカメラ20の撮影面にむかって吹き出し、吹き出し部43の吹き出し口からは、空気、水の少なくとも一方が、第2のカメラ30の撮影面に向かって吹き出す。
【0031】
オープナー50は車両VEのトランクリッドTLを開くための部材であり、筐体51とボタン52とを有する。ボタン52が押されると、トランクリッドTLに設けられるロック機構とリンクする内部の機構により当該ロック機構が解除される。
【0032】
ハウジング70は、車両VEの左右方向に延在する部材であり、ハウジング70には、上記の一対のライセンスプレートランプ10R,10Lと、第1のカメラ20と、第2のカメラ30と、クリーナー40と、オープナー50とが取り付けられている。ハウジング70は、主として、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lと、クリーナー40と、オープナー50とが取り付けられる概ね平板状の板状部位71と、第1のカメラ20と、第2のカメラ30とが取り付けられる概ね箱型状の箱状部位72とを有する。
【0033】
板状部位71においては、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lと、クリーナー40と、オープナー50とがそれぞれ取り付けられる位置に開口が形成されており、当該開口にそれぞれの部材が貫通され、これら部材が板状部位71に固定されている。この状態で、ハウジング70の表面側にそれぞれのライセンスプレートランプ10R,10Lの発光素子が位置し、ハウジング70の裏面側にそれぞれのライセンスプレートランプ10R,10Lのコネクタ12やクリーナー40の各配管42a,42w,43a、43w,45が位置する。また、箱状部位72の空間には、第1のカメラ20と、第2のカメラ30の一部が配置されると共に、第1のカメラ20と、第2のカメラ30の撮影面等は、箱状部位72に形成された開口からハウジング70の表面側に露出している。なお、上記のように第1のカメラ20は、第2のカメラ30よりも広い視野角で撮影を行うため、図4に示されるように、第1のカメラ20の撮影面が第2のカメラ30の撮影面よりも後方に突出されるように第1のカメラ20、第2のカメラ30はハウジング70に取り付けられる。また、箱状部位72の上記空間において、配管42a,42wと吹き出し部42とが接続され、配管43a、43wと吹き出し部43とが接続され、吹き出し部42,43の吹き出し口を含む部位が、箱状部位72に形成された開口から露出している。
【0034】
ハウジング70の左右方向の端部にはそれぞれボルト75が取り付けられている。これらのボルト75は、図4において斜線で仮想的に示す車両VEのアウターパネルOPにハウジング70を固定するための部材である。以上のようにハウジング70に各部材が取り付けられた状態で、第1のカメラ20、第2のカメラ30、ポンプ41、オープナー50は、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lの間に配置される。更に、第1のカメラ20と第2のカメラ30とは、ハウジング70の左右方向における中心線Cを基準として、互いに反対側に配置される。本実施形態では、第1のカメラ20と第2のカメラ30は中心線Cから概ね同じ距離に配置される。
【0035】
なお、本実施形態と異なり、図6に示すように、第1のカメラ20が第2のカメラ30よりも中心線Cの近くに配置されてもよい。ここで、図6は変形例に係るランプカメラ一体モジュールの背面図である。上記のように第1のカメラ20は、車両VEの後進時に後方を撮影するカメラであるため、第2のカメラ30よりも車両VEの近傍を撮影することを目的とする。このため第1のカメラ20は中心線Cからの距離が大きくなると、映し出される映像に違和感を覚えやすい。例えば、車両VEを後進させながら駐車する場合に駐車位置を示す地面上の印や縁石等が左右非対称な位置となり、乗員が違和感を覚えやすいのである。これに比べて、第1のカメラ20よりも車両VEの遠方を撮影することを目的とする第2のカメラ30が中心線Cからの距離が大きい位置に配置されても、第1のカメラ20が中心線Cからの距離が大きい位置に配置される場合と比べて、乗員の覚える違和感が小さい傾向にある。このことから、第1のカメラ20が第2のカメラ30よりも中心線Cの近くに配置されてもよく、第1のカメラ20が中心線C上に配置されると共に第2のカメラ30が中心線Cから離れて配置されても良い。
【0036】
また、本実施形態では、ハウジング70の裏面側にシール77が配置されている。図5に示すように、シール77は、ゴム等の弾性部材から成り、ハウジング70の裏面においてハウジングに配置されるそれぞれの部材を覆っている。シール77が車両VEのアウターパネルOPとの間に介在することで、水や塵埃がアウターパネルOPとハウジング70との隙間から、ハウジング70の裏面側に侵入することが抑制される。なお、図4では、アウターパネルOPの配置位置を示している模式的な図となっているため、シール77とアウターパネルOPとが重なって記載されている。
【0037】
このようなランプカメラ一体モジュール1は、図1に示すように車両VEの背面における左右方向の概ね中心に配置される。この状態において、図2に示すように、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lは、車両VEのライセンスプレートLPの左右方向上方に配置され、ライセンスプレートLPに光を照射する。また、上記のようにライセンスプレートLPは車両の左右方向の中心に配置される傾向にあるため、ランプカメラ一体モジュール1も車両VEの左右方向の中心に取り付けられる傾向にある。このため、図1に示すようにランプカメラ一体モジュール1が車両VEに取り付けられた状態で、上記中心線Cは、車両VEの左右方向の概ね中心に位置する。従って、本実施形態では、第1のカメラ20と第2のカメラ30は、車両VEの左右方向の中心を基準として互いに反対側に配置される。なお、上記のように第1のカメラ20が第2のカメラ30よりも中心線Cの近くに配置される場合には、第1のカメラ20は第2のカメラ30より車両VEの左右方向の中心の近くに配置される。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のランプカメラ一体モジュール1は、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lと、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lの間に配置され車両の後方を撮影する後方視認カメラである第1のカメラ20及び第2のカメラ30と、それぞれのライセンスプレートランプ10R,10Lと第1のカメラ20及び第2のカメラ30とが取り付けられると共に車両本体に取り付けられるハウジング70と、を備える。
【0039】
このようなランプカメラ一体モジュール1によれば、一対のライセンスプレートランプ10R,10L及び第1のカメラ20、第2のカメラ30が取り付けられたハウジング70を車両本体に取り付けることができる。従って、一対のライセンスプレートランプ10R,10Lと第1のカメラ20及び第2のカメラ30とを個別に車両VEの本体に取り付ける場合と比べて、ライセンスプレートランプ10R,10L及び後方視認カメラである第1のカメラ20及び第2のカメラ30の車両VEの本体への取り付けを容易にすることができる。
【0040】
また、本実施形態では、第1のカメラ20、第2のカメラ30が一対のライセンスプレートランプ10R,10Lの間に配置されることで、2つの後方視認カメラをハウジング70の中央部近傍に配置することができる。そして、第1のカメラ20と第2のカメラ30とが、ハウジング70の左右方向における中心線Cを基準として、互いに反対側に配置されることで、第1のカメラ20及び第2のカメラ30が共に中心線Cを基準とした一方側に配置される場合と比べて、第1のカメラ20及び第2のカメラ30を車両VEの左右方向のより中央に配置することができる。このため、第1のカメラ20で写される映像と第2のカメラ30で写される映像の差を小さくすることができる。
【0041】
また、上記実施形態では、クリーナー40における吹き出し部42,43の吹き出し口に空気を送り込むポンプ41が、ハウジング70における一対のライセンスプレートランプ10R,10Lの間に取り付けられている。従って、ポンプ41と空気の吹き出し口との間の距離を小さくすることができ、ポンプ41と吹き出し口とを繋ぐ管における空気の圧力損失を小さくして当該配管内における空気の圧縮を抑制し、適切な量の空気を吹き出し口から吹き出すことができる。さらに、本実施形態では、ポンプ41は第2のカメラ30を基準として第1のカメラ20側と反対側に配置されている。上記のように、第2のカメラ30により撮影される車両VEが前進する場合の車両VEの後方の様子を示す映像は、ルームミラーやサイドミラーの代替えとして車両VEの室内に配置されるモニタ装置に映し出し得る。車両VEは通常前進する状態で使用され、後進する状態は一時的である。従って、第1のカメラ20よりも第2のカメラ30の方が、撮影面をクリーニングする機会が多くなる傾向にある。そこで、ポンプ41が第2のカメラ30を基準として第1のカメラ20側と反対側に配置されることで、ポンプ41が第1のカメラ20を基準として第2のカメラ30側と反対側に配置される場合よりも、ポンプ41と第2のカメラとの距離を小さくすることができる。従って、使用頻度の高い第2のカメラ30の撮影面をクリーニングする空気の吹き出し量をより適切な量とすることができる。なお、第2のカメラ30の撮影面をクリーニングする空気の吹き出し量を更に適切な量とするためには、配管43aがポンプ41の第2のカメラ側に接続されることが好ましい。
【0042】
以上、本発明について、実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
例えば、上記実施形態では、第1のカメラ20と第2のカメラ30とを備えたが、これらカメラのうち一方が無くても良く、或いは、3つ以上のカメラが備えられても良い。
【0044】
また、上記実施形態と異なり、第1のカメラ20及び第2のカメラ30が共に中心線Cの一方側に配置されても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、クリーナー40を備えたが、クリーナー40が無くても良い。また、クリーナー40を備える場合であっても、一部の後方視認カメラの撮影面のみをクリーニングするものとされても良く、また、クリーナー40が空気を噴き出す構成とされなくても良い。また、クリーナー40が空気を噴き出す構成とされポンプ41を有する場合において、上記実施形態とは異なり、ポンプ41がハウジング70における一対のライセンスプレートランプ10R,10Lの間に取り付けられなくても良い。ただし、ポンプ41が一対のライセンスプレートランプ10R,10Lの間に取り付けられた方が、上記のようにポンプ41と後方視認カメラとの位置を小さくすることができるため好ましい。この様にポンプ41が一対のライセンスプレートランプ10R,10Lの間に取り付けられる場合において、上記実施形態と異なり、ポンプ41が第1のカメラ20を基準として第2のカメラ側と反対側に配置されても良い。
【0046】
本発明によれば、ライセンスプレートランプ及び後方視認カメラの車両本体への取り付けが容易なランプカメラ一体モジュールを提供し得、自動車等の車両の分野などにおいて利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・ランプカメラ一体モジュール
10R,10L・・・ライセンスプレートランプ
20・・・第1のカメラ(後方視認カメラ)
22・・・レンズ
30・・・第2のカメラ(後方視認カメラ)
40・・・クリーナー
41・・・ポンプ
42,43・・・吹き出し部
50・・・オープナー
70・・・ハウジング
71・・・板状部位
72・・・箱状部位
77・・・シール
C・・・中心線
LP・・・ライセンスプレート
MO・・・モール
OP・・・アウターパネル
TL・・・トランクリッド
VE・・・車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6