(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】混色LED部品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/24 20200101AFI20220228BHJP
H05B 47/135 20200101ALI20220228BHJP
H05B 47/14 20200101ALI20220228BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20220228BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20220228BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220228BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220228BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20220228BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220228BHJP
【FI】
H05B45/24
H05B47/135
H05B47/14
H05B47/155
H01L33/48
H01L33/00 J
F21S2/00 311
F21Y113:13
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019526610
(86)(22)【出願日】2017-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2017078057
(87)【国際公開番号】W WO2018091274
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-08-18
(31)【優先権主張番号】102016122209.7
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】399011911
【氏名又は名称】ヴィシャイ セミコンダクター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Vishay Semiconductor GmbH
【住所又は居所原語表記】Theresienstr.2 D-74025 Heilbronn B.R.Deutschland
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ゴットロブ,ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】レッテンマイヤー,フランツ
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-004280(JP,A)
【文献】特開2014-137963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
H01L 33/48
H01L 33/00
F21S 2/00
F21Y 113/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア(13)と、前記キャリア(13)上に配置されるとともに、互いに異なる色で発光し、それにより加法混色に対応する出力放射を共に生成するように構成された少なくとも3つの発光ダイオード(21R、21G、21B)と、を有する混色LEDアセンブリ(11)であって、
前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の各々が、個別の発光特性を有するとともに、それらの発光ダイオード(21R、21G、21B)に電気エネルギーを供給するように、前記発光ダイオード(21R、21G、21B)はそれぞれ対応するドライバ入力(25R、25G、25B)を有しており、
前記出力放射の混色を、前記ドライバ入力(25R、25G、25B)における各々のエネルギー供給を変化させることによって設定できるように、前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の発光特性が、それぞれのエネルギー供給に依存しており、
前記
混色LEDアセンブリ(11)は、前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の各々について、各発光ダイオード(21R、21G、21B)の個々の発光特性を表す少なくとも1つの読み取り可能な較正値を含む、少なくとも1つの較正情報要素(31a、31b)をさらに有
し、
前記較正情報要素(31a、31b)が、光学的に読み取り可能であるとともに、レーザー彫刻によって形成されることを特徴とする、混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項2】
前記較正値が、所定のエネルギー供給値における各発光ダイオード(21R、21G、21B)の、
- 主波長の値、
- スペクトル中心の値、および
- 光度の値、
のうち、少なくとも一つを表すことを特徴とする請求項1に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項3】
前記較正値が、所定の複数の可能なクラス値のうちの1つを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項4】
前記較正情報要素(31a、31b)が、前記キャリア(13)の表面に配置されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項5】
前記較正情報要素(31a、31b)が、前記
混色LEDアセンブリ(11)の上面に配置されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項6】
前記較正情報要素(31a、31b)が、一次元または二次元の光学コードを備えることを特徴とする請求項
1~5のいずれか一項に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項7】
前記
混色LEDアセンブリ(11)は、前記キャリア(13)上に配置された3~6個の発光ダイオード(21R、21G、21B)を備えることを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項8】
前記少なくとも3つの発光ダイオード(21R、21G、21B)が、赤、緑、および青色の光を放射し、それにより少なくとも実質的に白色光として現れる出力放射を共に生成するように構成されることを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項9】
前記
混色LEDアセンブリ(11)が、さらにリフレクタおよびディフューザ(23)のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1~
8のいずれか一項に記載の混色LEDアセンブリ(11)。
【請求項10】
混色LEDアセンブリ(11)の製造方法であって、
- キャリア(13)を提供し、
- 互いに異なる色の光を放射するように構成されるとともに、各々の発光特性がそれぞれへのエネルギー供給に依存する、少なくとも3つの発光ダイオード(21R、21G、21B)を提供し、
- 前記発光ダイオード(21R、21G、21B)によって放射された異なる色が共に加法混色に対応する出力放射を生成し、かつ前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の各々にそれぞれのドライバ入力(25R、25G、25B)を介して電気エネルギーを別々に供給できるように、前記発光ダイオード(21R、21G、21B)を前記キャリア(13)上に配置し、
- 前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の各々について、各発光ダイオード(21R、21G、21B)の個々の発光特性を表す少なくとも1つの較正値を決定するように、較正測定を実行し、
- 前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の各々について決定された較正値を含む較正情報要素(31a、31b)を、
レーザー彫刻により、光学的に読み取り可能な形態で前記キャリア(13)に設ける、
ステップを備えた、製造方法。
【請求項11】
前記較正測定を実行するステップが、
- 前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の各々に少なくとも1つの所定値の電気エネルギーを供給して、前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の個々の発光特性の少なくとも1つの関連値を測定し、
- 前記発光ダイオード(21R、21G、21B)の個々の発光特性の測定値に応じて較正値を選択する、
ステップを備えることを特徴とする請求項
10に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアと、キャリア上に配置された少なくとも3個の発光ダイオード(LED)と、を有する混色(color mixing)LEDアセンブリに関する。キャリアは、例えば、非導電性のキャリア基板(例えば、セラミック材料または合成樹脂を含む)と、その上またはその中に設けられた電線(例えば、金属からなる導体路)と、を有する。キャリア上に配置された発光ダイオードは、互いに異なる色の、すなわち互いに異なるスペクトル範囲の光を放射し、それによって加法混色(additive color mix)に対応する出力放射を共に生成するように構成される。このようなLEDアセンブリにおいて、少なくとも3つの発光ダイオードは、例えば、赤、緑、青の光を放出するように構成することができ、それにより少なくとも実質的に白色光として見える出力放射を生成する。
【0002】
そのようなLEDアセンブリは、例えば、一般照明、自動車室内照明、又はディスプレイの背景照明の分野において使用される。
【0003】
それらの製造に起因して、各発光ダイオードは、個々の発光特性(例えば、個々の波長特性および/または光度特性)を有する。これは、同じタイプの異なるLEDアセンブリに設置された同じ色のタイプの複数の発光ダイオードが、必ずしも同じ動作条件下(例えば、同一の印加電圧と同じ温度)で同じ発光特性を持っていないことを意味する。同じ色タイプの発光ダイオードは、例えば、それらの主波長またはそれらの光度密度に関して互いに異なり得る。これは、同じ動作条件下で同じタイプの異なるLEDアセンブリ間で生成された出力放射の間に視覚的に知覚される差があり得るという結果を有する。これは、同じ種類の複数のLEDアセンブリが互いに隣接して配置され、できるだけ均一な出力放射を生成すべきである場合には特に望ましくない。
【0004】
実際、それらの主波長、それらのスペクトル中心、またはそれらの光度のようなそれらの発光特性の異なるパラメータに従って発光ダイオードを分類することが可能である。したがって、発光ダイオードは、製造業者によってこれらの異なるパラメータに関して試験することができ、それぞれの発光ダイオードは、異なるパラメータのそれぞれについて所定の複数のクラスのうちの1つに関連付けられる。したがって、それらの発光特性の異なるパラメータに関して同じクラスに関連する発光ダイオードは、複数のLEDアセンブリが出力放射に関して一致するように、互いに対して同じ出力放射を生成すべき複数のLEDアセンブリの製造のために選択され得る。しかしながら、そのような選択プロセスは、発光特性のパラメータおよびパラメータクラスの多数の可能な組み合わせを考慮に入れるか、または利用可能に保たなければならないので、望ましくないほどに高い論理的労力を要する。
【0005】
LEDアセンブリは、複数の発光ダイオードに対し互いに独立して電気エネルギーを供給するために、各発光ダイオードに対しそれぞれの電気ドライバ入力を備える。発光ダイオードの発光特性はそれぞれのエネルギー供給に依存する。したがって、出力放射線の混色は、ドライバ入力においてそれぞれのエネルギー供給を変化させることによって設定することができる。これは、例えば、照明装置としてのLEDアセンブリの使用時に選択可能な色温度を設定するために望ましい場合がある。
【0006】
LEDアセンブリの個々の発光ダイオードに対する個々のエネルギー供給のこの実現性はまた、互いに関して同じ色タイプの複数の発光ダイオードにおける個々の発光特性の差を補償するために使用することができ、それにより、互いに隣接して配置された同じ種類の複数のLEDアセンブリが、個々の発光ダイオードの適切な制御によって少なくとも実質的に同じ出力放射を生成することができる。この目的のために、LEDアセンブリで使用される複数の発光ダイオードがそれぞれ個々の発光特性に関して測定されるように、各LEDアセンブリについて較正測定を実行することが可能であり、その較正測定の結果として、個々の制御特性が、特定のアプリケーションにおいてそれぞれのLEDアセンブリに接続されているコントロールユニットに保存される。LEDアセンブリの動作中、制御ユニットは、保存されている制御特性に従ってLEDアセンブリの個々の発光ダイオードのエネルギー供給を制御する。したがって、このようにして、複数のLEDアセンブリがそれらの出力放射に関しての一致を達成することができる。しかしながら、この手順はまた、特に個々の制御特性を簡単かつフェイルセーフな方法で各制御ユニットに供給するように、ユーザ側に望ましくない高い努力を強いることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、個々の発光ダイオードの個々の発光特性を考慮して所望の出力放射を生成するように、ユーザが各LEDアセンブリを制御できるようにすることを単純化できる、LEDアセンブリおよびLEDアセンブリの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有するLEDアセンブリによって達成され、特に、LEDアセンブリが、各発光ダイオードの個々の発光特性を表す少なくとも1つの読み取り可能な較正値を含む、較正情報要素をさらに有することによって達成される。
【0009】
LEDアセンブリは、そのLEDアセンブリにおける異なる複数の発光ダイオードの個々の発光特性に関する1つの較正情報を読み取り可能な形で含む、少なくとも1つの較正情報要素を備えている。LEDアセンブリのユーザは、その較正情報を読み、それを簡単な計算規則に従って制御特性に変換し、それに従ってLEDアセンブリを制御して所望の混色を有する出力放射を生成することができる。LEDアセンブリの動作中、制御ユニットは、保存されている制御特性に従ってLEDアセンブリの個々の発光ダイオードのエネルギー供給を制御する。それにより、個々の発光ダイオードの個々の発光特性を簡単に考慮することができる。特に、(例えば、共通のキャリア装置に設置することにより、および、互いに電気的に接続することにより)LEDアセンブリおよび関連する制御ユニットが既に恒久的に組み合わされてアセンブリグループを形成している場合には、ユーザは較正情報要素に含まれる情報を読み取り、それをLEDアセンブリに関連する制御ユニットに保存するだけでよい。
【0010】
較正情報要素に符号化された個々の発光ダイオードの較正情報は、LEDアセンブリの製造者の側で、LEDアセンブリのキャリアに発光ダイオードを取り付ける前または後に決定することができる。較正測定が、発光ダイオードが既に組み合わされて固定ユニットを形成した後にのみ実行される場合には、論理的労力が軽減される。すべての場合において、LEDアセンブリの各発光ダイオードについての較正情報要素に含まれる情報は、それぞれの発光ダイオードの個々の発光特性を表す少なくとも1つの較正値を含む。この少なくとも1つの較正値は、較正測定の測定値、または個々の発光特性の異なるパラメータに対する所定のスキームに従ってそれらから導出されるクラス値(class value)を含むことができる。較正情報要素の種類に応じて、それは高い情報密度を有することができ、それにより発光ダイオードの個々の発光特性をそれに応じた高い精度で符号化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の有利な実施形態を以下に説明する。
【0013】
実施形態によれば、較正情報要素に含まれる各較正値は、所定のエネルギー供給(例えば、それぞれのドライバ入力に印加される電圧または電流)の値における、主波長の値、スペクトル中心の値、および/または各発光ダイオードの光度(luminous intensity)の値を表しうる。
【0014】
前記の発光特性の値は、異なるエネルギー供給値の(例えば、異なる電圧値の)較正情報要素にさらに含まれうる。
【0015】
異なる他の動作条件(温度など)に対する複数の較正値を、それぞれの発光ダイオードの較正情報要素にさらに含めることができる。
【0016】
較正情報要素に含まれる少なくとも一つの較正値は、特に、特性曲線または一連の特性曲線を定義しうる。
【0017】
各較正値は、既に述べたように、基礎となる較正測定の特定の測定値を含むことができる。これに代えて、すなわちクラススキームが発光特性の対応するパラメータに対して定義されるとき、較正値は所定の複数の可能なクラス値(class values)のうちの1つを含むことができる。
【0018】
一実施形態によれば、較正情報要素は、LEDアセンブリのキャリアの表面に配置することができる。これにより較正情報要素がLEDアセンブリに容易に取り付け可能であり、それでもなお読み取りのために容易にアクセス可能である。
【0019】
較正情報要素は、特に、発光ダイオードも配置されて光を放出するLEDアセンブリの側に対応する、LEDアセンブリの上面に配置されることが好ましい。これにより、LEDアセンブリと関連する制御ユニットとがすでに恒久的に組み合わされてアセンブリを形成している場合でも、または複数のLEDアセンブリが互いに隣接して配置されている場合でも、較正情報要素は容易にアクセス可能であり、容易に読み取ることができる。
【0020】
一実施形態によれば、較正情報要素は光学的に読み取り可能であってもよい。これにより、一般的な方法による簡単な非接触読み取りが可能になる(例えば、画像分析装置を有するカメラ)。
【0021】
較正情報要素は特に、一次元光学コード(例えばバーコード)または二次元光学コード(例えばいわゆる「QRコード」、登録商標)を含むことができる。こうした一次元または二次元の光学コードは、高い情報密度を可能にし、小さな幾何学的寸法でも確実に読み取ることができる。
【0022】
一方、光学的可読較正情報要素は必ずしもコード要素を含む必要はなく、少なくとも一つの数字、少なくとも一つの文字、または、少なくとも一つの数字及び少なくとも一つの文字の組み合わせを含んでもよい。この実施形態は、それでもなお(画像認識による)電子的な読み取りが可能であり、それぞれの較正情報を電子コードリーダなしで読み取ることができるという利点を有する。
【0023】
特に有利な実施形態によれば、光学的可読較正情報要素はレーザー彫刻によって形成することができる。そのようなレーザー彫刻は、(先行する較正測定により)1つの較正情報が存在するとともに、レーザー彫刻の適用のために(特にキャリアの)LEDアセンブリの表面が露出し、かつアクセス可能な時点において、LEDアセンブリの製造工程の一部として又は生産ラインに沿って、簡単な方法でLEDアセンブリに適用ことができる。
【0024】
しかしながら、そのようなレーザー彫刻の代わりに、光学的可読較正情報要素をLEDアセンブリ(特にキャリア)に(例えばレタリングとして)印刷する、または化学的に適用する(例えばエッチングする)こともできる。
【0025】
レーザー彫刻によって適用された二次元光学コードの形態の較正情報要素も、わずか0.3mm×0.3mmのサイズで確実に認識されかつ光学的に読み取られ得ることが実験により示された。
【0026】
しかしながら、光学的可読性の代わりに、較正情報要素を別の方法で、例えば容量的に、磁気的に、または無線により非接触で読み取ることも可能である。
【0027】
さらなる代替実施形態によれば、較正情報要素は、少なくとも1つの較正値を含む不揮発性電気メモリを有することができ、このメモリは、例えばLEDアセンブリに提供されるとともに読み取り装置への電気的接続を可能にする電気読み取り出力を介して電気的に読み取り可能である。
【0028】
一実施形態によれば、LEDアセンブリは、キャリア上に配置された3、4、5または6個の発光ダイオードを含むことができる。LEDアセンブリは、異なる発光特性(特に異なる波長特性)を有する少なくとも3つの発光ダイオードを含み、異なる色の光を放射することにより加法混色(additive color mix)を可能にする。しかしながら、加法混色の可能性を拡大するために、および/または個々の色に関して冗長性または拡大された幾何学的分布を提供するために、4つ以上の発光ダイオードを設けることもできる。
【0029】
既に述べたように、少なくとも3つの発光ダイオードは、赤、緑、および青色の光を放射し、それによって共に白色光として現れる出力放射を生成するように構成され得る。
【0030】
一実施形態によれば、LEDアセンブリは、個々の発光ダイオードによって放射される光またはLEDアセンブリによって生成される出力放射を所望の幾何学的特性に従って形成させるためのリフレクタを有することができる。あるいはまたはさらに、LEDアセンブリは、個々の発光ダイオードによって放射された光を可能な限り効率的に混合するためのディフューザを有することができる。
【0031】
個々の発光ダイオードの電気エネルギー供給(例えば供給電圧)のための前記ドライバ入力は、例えばLEDアセンブリまたはキャリアの側面領域に設けることができる。全てのドライバ入力に対して別々の関連する接地接続を提供することができ、又は共通の接地接続がLEDアセンブリの全てのドライバ入力に対して存在する。
【0032】
LEDアセンブリはオプトエレクトロニクス部品である。それは特に表面実装型装置(SMD)とすることができる。LEDアセンブリは、標準化されたハウジング形状、例えばSMD PLCC-4、またはSMD PLCC-6を有することができる。輪郭の寸法(長さ×幅)は、好ましくは最大で約6mm×5mmであり、例えば約3.2mm×2.8mm、あるいは約3.5mm×2.2mmである。高さは、好ましくは最大で約3mmであり、例えば約1.9mm、あるいは約1.5mmである。
【0033】
本発明の目的はまた、独立方法クレームの特徴を有する製造方法によって実現され、特に以下のステップ、
- キャリアを提供し、
- 互いに異なる色の光を放射するように構成されるとともに、各々の発光特性がそれぞれへのエネルギー供給に依存する、少なくとも3つの発光ダイオードを提供し、
- 発光ダイオードによって放射された異なる色が共に加法混色に対応する出力放射を生成し、かつ各発光ダイオードにそれぞれのドライバ入力を介して電気エネルギーを別々に供給することができるように、発光ダイオードをキャリア上に配置し、
- 各発光ダイオードの個々の発光特性を表す少なくとも1つの較正値を各発光ダイオードについて決定するように、較正測定を実行し、
- 各発光ダイオードについて決定された較正値を含む較正情報要素を読み取り可能な形態でキャリアに設ける、
ステップを含む、混色LEDアセンブリの製造方法によって実現される。
【0034】
異なる方法ステップは、必ずしも指定された順序で実行される必要はない。較正測定の実行は、例えば、発光ダイオードがキャリア上に配置される前または(好ましくは)後に行われ得る。較正情報要素の種類に応じて、較正値が決定されるまたは較正情報要素に含まれる前にキャリアに較正情報要素を設けてもよく(例えば、較正情報要素が、電気店である場合)、あるいは較正値が決定された後にキャリアに較正情報要素を設けてもよい(例えば、較正情報要素が光学コードとして適用される場合)。
【0035】
較正測定の実行は、特に以下のステップを含むことができる。
- それぞれの発光ダイオードに少なくとも1つの所定値の電気エネルギー(例えば電圧値)を供給して、それぞれの発光ダイオードの個々の発光特性の少なくとも1つの関連値(例えば主波長の値)を測定し、
- それぞれの発光ダイオードの個々の発光特性の測定値に応じて較正値を選択する、ステップ。
【0036】
較正値の選択は、例えば、異なる所定の値クラス(value class)に対応する複数の値範囲のうちの1つとの関連付けを含むことができる。この点において、個々の発光特性の複数の異なるパラメータおよび複数のパラメータクラスを、各パラメータに対して提供することができる。
【0037】
他の点では、製造方法に関連して指定されたLEDアセンブリは、上述の実施形態によるLEDアセンブリの特徴を有することができる。
【0038】
本発明を、図面を参照しながら例証として以下に説明する。
【0039】
唯一の図は、混色LEDアセンブリ11を平面図で示す。LEDアセンブリ11は、その表に枠状の辺縁領域15を有するハウジングの形態のキャリア13を有する。キャリア13の設置領域17が辺縁領域15内に配置されている。設置領域17には、3つの発光ダイオード21R、21G、21Bが配置されている。発光ダイオード21R、21G、21Bは、赤、緑、および青の色すなわちスペクトル範囲の光を放射し、それにより加法混色に対応するとともに実質的に白色光として現れる出力放射を共に生成するように構成される。3つの色の加法混色は、これ以上詳細には示されない、発光ダイオード21R、21G、21Bを覆う拡散透過ディフューザ23によって支持される。
【0040】
発光ダイオード21R、21G、21Bに電気エネルギーを供給することができるようにするために、LEDアセンブリ11は、キャリア13からまたはハウジングから接点要素として横方向に突出して、LEDアセンブリ11の下側(図示せず)に向かって延びる対応する数のドライバ入力および関連する接地コネクタを有する。接地コネクタ27Rを有するドライバ入力25Rは発光ダイオード21Rに関連している。接地コネクタ27Gを有するドライバ入力25Gは発光ダイオード21Gと関連している。接地コネクタ27Bを有するドライバ入力25Bは発光ダイオード21Bと関連している。各発光ダイオード21R、21G、21Bは、キャリア13の電気接続線を介して各ドライバ入力25R、25G、25Bまたは接地コネクタ27R、27G、27Bに接続された2つの端子を有する(図示せず)。
【0041】
製造に起因して、発光ダイオード21R、21G、21Bの各々は、個別の発光特性、特に、個別の波長特性(発光スペクトル、すなわち波長に応じた相対強度)および個別の光度特性(単位mcdの光度)を有する。例えば、複数の異なる類似のLEDアセンブリ11における発光ダイオード21Rは、同じ動作条件下(例えば同じ印加電圧および同じ温度)で、主波長に関して互いに異なり得る。
【0042】
発光ダイオード21R、21G、21Bの発光特性は、それぞれのエネルギー供給にさらに依存しており、それはドライバ入力25R、25G、25Bで印加される電圧および/または電流に依存する。この特性は、ドライバ入力25R、25G、25Bにおけるそれぞれのエネルギー供給の適切な適応によって出力放射の混色を設定するために使用されるとともに、さらに発光ダイオード21R、21G、21Bの個々の発光特性を考慮するために使用される。換言すれば、各発光ダイオード21R、21G、21Bのエネルギー供給を増加または減少させることで、個々の発光特性の基準値からの差を補償することができる。しかしながら、関連する制御ユニットによる発光ダイオード21R、21G、21Bの対応する制御は、個々の発光特性がLEDアセンブリ11の各発光ダイオード21R、21G、21Bに関して既知であることを必要とする。
【0043】
発光ダイオード21R、21G、21Bのそのような適合制御を単純化するために、LEDアセンブリ11は、各発光ダイオード21R、21G、21Bの個々の発光特性を表す、発光ダイオード21R、21G、21Bのそれぞれについての読み取り可能な較正値を含む、2つの較正情報要素31a、31bを有する。ここに示す実施形態では、較正情報要素31aは、各発光ダイオード21R、21G、21Bの個々の波長特性を表す、各発光ダイオード21R、21G、21Bについての第1の較正値を有する。較正情報要素31bは、各発光ダイオード21R、21G、21Bの個々の光度特性を表す、各発光ダイオード21R、21G、21Bについての第2の較正値を含む。これらの較正値は、物理的な値として(例えば、単位nmの主波長として、または単位mcdの光度として)含まれてもよく、または所定のクラススキームによるクラス値として含まれてもよい。
【0044】
2つの較正情報要素31a、31bはキャリア13またはフレーム状の辺縁領域15の上部に配置されている。較正情報要素31a、31bは、ここに示す実施形態ではそれぞれレーザー彫刻によって形成された二次元光学コードによって形成される。
【0045】
したがって、較正情報要素31a、31bは、例えばカメラを用いて簡単な方法で光学的に読み取ることができ、その中に含まれる較正情報、すなわち前記較正値を検出することができる。較正値の読み取りおよび各々のLEDアセンブリ11に関連付けられた制御ユニットにおける読み出された較正値の保存は、特に、1つまたは複数のLEDアセンブリ11と少なくとも1つの関連する制御ユニットとを備えたアセンブリグループのアセンブリ上で行われ得る。較正情報要素31、31bから較正値を読み取るためのカメラは、例えば、キャリア装置に1つまたは複数のLEDアセンブリ11およびそれに関連する制御ユニットが取り付けられる製造ラインに沿って設けることができる。個々の制御特性を可能にするために、各発光ダイオード21R、21G、21Bの読み出された、および任意選択的に復号化または変換された較正値が、関連する制御ユニットに保存される。関連する制御ユニットは、この時点ですでに各LEDアセンブリ11または共通のキャリア装置に固定的に接続されていることが好ましく、それにより、論理的努力が最小限に抑えられ、誤った関連付けによるエラー(異なる制御ユニット間の混乱)を確実に回避できる。
【0046】
個々の発光ダイオード21R、21G、21Bの(個々の発光特性に対応する)較正情報の決定は、特に発光ダイオード21R、21G、21BがLEDアセンブリのキャリア13に既に取り付けられた後、LEDアセンブリの製造者における対応する較正測定によって行うことができる。較正測定を実行するために、それぞれの発光ダイオード21R、21G、21Bに所定の値の電気エネルギー(例えば所定の電圧値)を供給することができるとともに、発光ダイオード21R、21G、21Bの個々の発光特性の少なくとも1つの関連値(例えば主波長)が測定される。それぞれの較正情報を検出した後、計算分析および/または変換を行うことができる(例えば、閾値比較、または測定値と所定の複数のクラスのうちの1つとの関連付け)。そこから得られた各々の較正値は、各LEDアセンブリ11の較正情報要素31a、31bに含まれるとともに、ここで説明した実施形態(レーザー彫刻の形態の二次元光学コード)では、そこに含まれる全ての較正値が決定されたときに、較正情報要素31a、31bが各LEDアセンブリ11に適用されるだけである。
【符号の説明】
【0047】
11…LEDアセンブリ
13…キャリア
15…辺縁領域(marginal region)
17…設置領域
21R,21G,21b…発光ダイオード
23…ディフューザ
25R,25G,25B…ドライバ入力
27R,27G,27B…設置コネクタ
31a,31b…較正情報要素(calibration information element)