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特許7030817ディスプレイ電源制御方法、装置、記録媒体及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】ディスプレイ電源制御方法、装置、記録媒体及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20220228BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
G09G3/20 670D
G09G3/20 612G
G09G3/36
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019537080
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2018088248
(87)【国際公開番号】W WO2019011064
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2019-07-08
(31)【優先権主張番号】201710571690.X
(32)【優先日】2017-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516189213
【氏名又は名称】クンシャン ゴー-ビシオノクス オプト-エレクトロニクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Kunshan Go-Visionox Opto-Electronics Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Building 4, No. 1, Longteng Road, Development Zone, Kunshan, Jiangsu 215300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン ユキン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シャオバオ
(72)【発明者】
【氏名】ゲ ミンウェイ
【審査官】斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0094386(US,A1)
【文献】特開2005-091636(JP,A)
【文献】特開2000-122028(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106847215(CN,A)
【文献】特開2005-062618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動チップとスクリーンを含むTFT型ディスプレイに応用されるディスプレイ電源制御方法であって、
前記駆動チップが適当な画像を表示させるよう前記スクリーンを制御するとともに、前記スクリーンが薄膜トランジスタによって画素を制御され、
当該ディスプレイ電源制御方法において、
パワーアップ制御モジュールが起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常となる可能性を下げるよう予め規定された規則に従って前記駆動チップの電源をパワーアップさせるように前記パワーアップ制御モジュールが前記駆動チップに含まれる電源管理モジュールへの供給電圧を制御するステップと、
前記駆動チップに含まれる電源管理モジュールへの供給電圧を制御するステップの後、前記駆動チップに対して連続給電するステップと、を含み、
前記駆動チップに含まれる電源管理モジュールへの供給電圧を制御するステップは、前記パワーアップ制御モジュールが起動信号を受信した後、前記駆動チップから出力されるゲート駆動負電圧が異常となる可能性を下げるよう予め規定された規則に従って、第一の期間において、前記駆動チップの電源をパワーアップさせるように前記電源管理モジュールへの供給電圧を第一レベルまで制御するステップと、
前記第一の期間が経過した後の第二の期間において、前記電源管理モジュールへの供給電圧が第一レベルより低い第二レベルまで降下するように前記電源管理モジュールへの供給電圧を制御するステップと、
前記第二の期間を経過した後、前記電源管理モジュールへの供給電圧が再び第一レベルまで上昇するように前記電源管理モジュールへの供給電圧を制御するステップと、を含むディスプレイ電源制御方法。
【請求項2】
駆動チップとスクリーンを含むTFT型ディスプレイに応用されるディスプレイ電源制御装置であり、前記駆動チップが適当な画像を表示させるよう前記スクリーンを制御するとともに、前記スクリーンが薄膜トランジスタによって画素を制御され、
当該ディスプレイ電源制御装置において、
起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常となる可能性を下げるよう予め規定された規則に従って前記駆動チップの電源をパワーアップさせるように前記駆動チップに含まれる電源管理モジュールへの供給電圧を制御するパワーアップ制御モジュールと、
前記駆動チップに対して連続給電する正常給電モジュールと、を含み、
前記駆動チップは、デジタル回路を含み、
前記電源管理モジュールへの供給電圧を段階的に降下させた後、前記デジタル回路への供給電圧を制御して前記駆動チップをパワーアップさせるディスプレイ電源制御装置。
【請求項3】
電源チップ、前記駆動チップと前記スクリーンを含む電子機器であって、
前記電源チップは、メモリとプロセッサを含み、前記メモリにプログラムが蓄積され、前記プログラムが前記プロセッサで実行されると、請求項1に記載の方法を実行させる電子機器。
【請求項4】
電源チップ、前記駆動チップと前記スクリーンを含むTFT型ディスプレイに応用される記録媒体であって、
前記電源チップに内蔵されたプロセッサにより実行されるプログラムを蓄積し、
当該プログラムは、プロセッサで実行されると、請求項1に記載の方法を実行させるプログラムである記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ技術分野に関し、特にディスプレイ電源の制御方法、装置、記録媒体及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
TFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)型ディスプレイは、あらゆるノートパソコンやデスクトップパソコンに設置された主な表示装置である。当該型において、それぞれの各画素点が画素点の後に集積された薄膜トランジスタにより駆動されるようになる。TFT型ディスプレイは、一般的に駆動チップ及びスクリーンを含む。さらに、駆動チップが、薄膜トランジスタの動作状態を制御することによりスクリーンに適当な画像を表示させるように作動している。従来のTFT型ディスプレイは、再起動またはスリープ喚起時に画面が真っ暗になってしまう可能性があり、また駆動チップの性能がスクリーンの表示効果に直接に影響するため、駆動チップの性能を改善することは早急に解決すべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、TFT型ディスプレイの駆動チップの性能を改善するという課題に対し、ディスプレイ電源の制御方法、装置、記録媒体及び電子機器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、駆動チップとスクリーンを含むTFT型ディスプレイに応用されるディスプレイ電源制御方法を提供する。前記駆動チップが適当な画像を表示させるよう前記スクリーンを制御するともに、前記スクリーンが薄膜トランジスタによって画素を制御され、当該ディスプレイ電源制御方法において、起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御するステップと、前記駆動チップに正常で連続給電するステップと、を含む。
【0005】
一実施例において、前記駆動チップは電源管理モジュールを含み、さらに、前記起動信号を受信した後前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう前記駆動チップの電源に予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように制御するステップが、起動信号を受信した後、前記駆動チップに出力されたゲート駆動負電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御するというステップである。
【0006】
一実施例において、起動信号を受信した後、前記駆動チップに出力されたゲート駆動負電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御するステップが、起動信号を受信した後、正常に第一レベルまでにパワーアップさせるように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御するステップと、第一の期間を経過した後、電圧が第一レベルより低い第二レベルまで降下するように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御するステップと、第二の期間を経過した後、電圧が再び第一レベルまで上昇するように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御するステップと、を含む。
【0007】
一実施例において、前記第一レベルは2.5V~4.8Vである。好ましくは、前記第一の期間は8ms~12msであり、さらに好ましくは、前記第一の期間は10msである。好ましくは、前記第二の期間は8ms~12msであり、さらに好ましくは、前記第二の期間は10msである。
【0008】
一実施例において、前記第二レベルは1V~2.2Vである。
【0009】
一実施例において、前記駆動チップは電源管理モジュールと、デジタル回路とを含み、さらに、前記起動信号を受信した後前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう前記駆動チップの電源に予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように制御するステップが、起動信号を受信した後、前記電源管理モジュールの供給電圧を制御してパワーアップされるステップと、第三の期間を経過した後、前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるステップと、を含む。
【0010】
好ましくは、前記第三の期間は90ms~110msであり、さらに好ましくは、前記第三の期間は100msである。
【0011】
一実施例において、前記第三の期間を経過した後前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるステップが、前記駆動チップで前記電源管理モジュールの供給電圧を段階的に降下させた後、前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるというステップである。
【0012】
好ましくは、前記駆動チップで前記電源管理モジュールの供給電圧を段階的に降下させた後前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるステップが、前記駆動チップで前記電源管理モジュールの供給電圧を第一電圧まで降下させ、さらに第二電圧まで降下させた後、前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるというステップである。ここで、前記第二電圧は電源管理モジュールに用いる基準電圧であり、好ましくは、前記第一電圧は前記電源管理モジュールのチャージポンプにより生成された電圧である。
【0013】
もう一つの発明は、駆動チップとスクリーンを含むTFT型ディスプレイに応用されるディスプレイ電源制御装置であり、前記駆動チップが適当な画像を表示させるよう前記スクリーンを制御するともに、前記スクリーンが薄膜トランジスタによって画素を制御され、当該ディスプレイ電源制御装置において、起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御するパワーアップ制御モジュールと、前記駆動チップに正常で連続給電する正常給電モジュールと、を含む。
【0014】
もう一つの発明は、電源チップ、駆動チップとスクリーンを含むTFT型ディスプレイに応用される記録媒体であり、前記記録媒体は前記電源チップ内に設置されて、電源チップに内蔵されたプロセッサにより実行されるプログラムを蓄積し、当該プログラムは、プロセッサで実行されて、起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御するステップと、前記駆動チップに正常で連続給電するステップとを実現させるようプログラムである。
【0015】
もう一つの発明は、電源チップ、駆動チップとスクリーンを含む電子機器であって、前記電源チップは、メモリとプロセッサを含み、前記メモリにプログラムが蓄積され、前記プログラムが前記プロセッサで実行されると、起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御するステップと、前記駆動チップに正常で連続給電するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0016】
上記ディスプレイ電源制御方法、装置、記録媒体及び電子機器によれば、起動信号を受信した後、駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御する。駆動チップの電源が、駆動チップからスクリーンに出力する電圧の性能を直接に決定するため、さらに電源がパワーアップの際の短時間内に電圧変動がよく発生するから、本願によれば、駆動チップのパワーアップ状況を改善することにより、駆動チップの出力電圧の品質を向上させることができ、よってディスプレイ画面が真っ暗になる可能性を低減しディスプレイの表示性能が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例または従来技術による技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下は、実施例または従来技術を記述するのに必要な図面を簡単に説明する。下記の図面は本発明の実施例に過ぎず、当該図面に基づいて他の実施例の図面を得られることは、当業者にとって創造的な労働をしなくてもできる。
図1】一実施形態に係るディスプレイ電源制御方法のフローチャートである。
図2図1に示す実施形態におけるディスプレイ電源制御方法のステップS100の一つの実施例のフローチャートである。
図3図1に示す実施形態におけるディスプレイ電源制御方法のステップS100のさらなる実施例のフローチャートである。
図4図3に示す実施例のディスプレイ電源制御方法における駆動チップの具体的なパワーアップ方式のフローチャートである。
図5】もう一つ実施形態に係るディスプレイ電源制御装置のブロック図である。
図6図5に示す実施形態におけるディスプレイ電源制御装置のパワーアップ制御モジュールの一つの実施例のブロック図である。
図7図5に示す実施形態におけるディスプレイ電源制御装置のパワーアップ制御モジュールのさらなる実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を容易に理解するために、図面を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。図面には、本発明の最適な実施例が示されている。しかし、本発明は様々な形で実現でき、本明細書で記述される実施例に限らない。その一方で、これらの実施例を挙げる目的は、本発明の開示をさらに徹底的かつ完全に理解することである。
【0019】
特に定義しない限り、本明細書中にて使用されるすべての技術用語および科学用語は、本考案の技術分野の当業者一般に理解されている意味とする。本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で使用された用語「及び/又は」は、挙げられた一或いは複数の関連項目の任意な、あらゆる組み合わせを含む。
【0020】
本発明の実施形態は、TFT型ディスプレイに応用されるディスプレイ電源制御方法を提供する。TFT型ディスプレイは電源チップ、駆動チップ及びスクリーンを含む。スクリーンは薄膜トランジスタによって画素を制御される。スクリーンは、例えば画素マトリクス、水平駆動回路、及び垂直駆動回路を含む。画素マトリクスは、複数の画素及び複数の画素駆動回路を含み、各画素がそれぞれ対応する一つの画素駆動回路によって制御される。水平駆動回路は、水平(走査)アドレスバスを介して各画素駆動回路に走査信号を送信する。垂直駆動回路は、垂直(データ)アドレスバスを介して各画素駆動回路にデータ信号を送信する。駆動チップは適当な画像を表示させるようスクリーンを制御する。駆動チップは水平駆動回路、垂直駆動回路をそれぞれに電気接続され、ディスプレイ全体のデータ処理、転送、及び制御信号の発信などの機能を有する。駆動チップは、例えばMCU(あるいはFPGA)及び周辺回路によって構成される。電源チップ(Power IC)は駆動チップに給電することに用いられる。本実施形態に係るディスプレイ電源制御方法は電源チップで実行してもよい。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係るディスプレイ電源制御方法は以下のステップを含む。
【0022】
ステップS100において、起動信号を受信した後、駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう、予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように駆動チップの電源を制御する。
【0023】
ここで、起動信号というのは、例えばパソコンの起動またはスリープ喚起際に生成された信号である。駆動チップの電源とは、電源チップから駆動チップに入力される電力ソースである。駆動チップが出力する電圧は、例えばゲート駆動正電圧VGH、ゲート駆動負電圧VGLなどを含む。駆動チップの出力電圧に異常が発生すると、スクリーンの薄膜トランジスタが動作異常されるまで引き起こされて、スクリーン画面が真っ暗になされてしまう。
【0024】
駆動チップは、例えばデジタル回路及びアナログ回路を含む。
【0025】
ここで、デジタル回路は例えば入出力インターフェース及びタイミング制御モジュール(即ち、TCONモジュール)を含む。入出力インターフェースは高速パラレルバスインタフェース及びシリアル・ペリフェラル・インタフェースを有する。タイミング制御モジュールは、例えば、SPIインターフェース及びRGBインターフェースからのデータを処理するとともに、駆動チップにおいて一部モジュールのタイミング制御を行うなどの機能を備える。
【0026】
アナログ回路は、例えば電源管理モジュール及び画素駆動モジュールを含む。ここで、電源管理モジュールが駆動チップにおける部件及びディスプレイの走査信号に電力を提供し、電源管理モジュールが例えば基準電圧源、チャージポンプ、LDO(low dropout regulator、低損失レギュレータ)を含む。画素駆動モジュールは例えばソース駆動モジュール、ゲート駆動モジュール及びガンマ補正モジュールを含む。ここで、ソース駆動モジュールがスクリーンの垂直駆動回路に階調電圧を出力する。ゲート駆動モジュールが水平駆動回路に走査信号(例えばゲート駆動正電圧VGH、ゲート駆動負電圧VGLなど)を出力する。ガンマ補正モジュールがソース駆動モジュールに階調電圧を提供し、ガンマ曲線を調整することによりバイナリコードと階調電圧との対応関係を変化できる。
【0027】
駆動チップにおいて、駆動チップの電源が、例えば上記電源管理モジュールの供給電圧VCI及びデジタル回路の供給電圧を含む。パワーアップの際に電圧がバラツキしやすいため、駆動チップの出力電圧が異常発生され、ディスプレイ画面が真っ暗になる可能性がある。そのため、駆動チップの電源パワーアップ方式を改善することで、スクリーン画面が真っ暗になる可能性が低減させられる。
【0028】
ステップS200において、駆動チップに正常で連続給電する。
【0029】
ステップS100が実行された後、電源チップは通常の需要に応じて駆動チップに給電し、TFT型ディスプレイを正常に動作させる。
【0030】
以上説明したように、上記実施形態に係るディスプレイ電源制御方法において、駆動チップの電源が、駆動チップからスクリーンに出力する電圧の性能を直接に決定するため、さらにパワーアップ際の短時間内に電圧変動がよく発生するから、本願によれば、駆動チップのパワーアップ状況を改善することにより、駆動チップの出力電圧の品質を向上させることができ、よってディスプレイ画面が真っ暗になる可能性を低減しディスプレイの表示性能が向上できる。
【0031】
一実施例において、上記駆動チップは電源管理モジュールを含む。さらに、上記ステップS100が、起動信号を受信した後、駆動チップに出力されたゲート駆動負電圧VGLが異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように電源管理モジュールの供給電圧を制御するというステップである。
【0032】
ここで、ゲート駆動負電圧VGLが電源管理モジュールの供給電圧VCIは降下させることにより得られる。ゲート駆動負電圧VGLが異常上昇するとは、ゲート駆動負電圧VGLが正常な電圧範囲より高いことを意味する。例えば、正常にゲート駆動負電圧VGLの範囲が(-7V、0V)である場合、ゲート駆動負電圧VGLが0.6Vまで上昇されたと、異常上昇であると考えられる。
【0033】
従来のTFT型ディスプレイにおいて、パワーアップの際に、電源管理モジュールの供給電圧VCIは正常範囲を超えた電圧変動が発生される可能性があり、よってゲート駆動負電圧VGLが異常上昇される場合がある。この時、駆動チップにLatch up現象(即ち、駆動チップの出力電圧が高すぎて薄膜トランジスタの動作が異常になる)が発生される。ゲート駆動負電圧VGLは薄膜トランジスタの動作を直接的に制御するため、ゲート駆動負電圧VGLに異常が発生すると、薄膜トランジスタが導通できず、画面が真っ暗になってしまう。本実施例において、電源管理モジュールの供給電圧VCIのパワーアップ状況を改善する(例えば、バラツキ電流を低減する)ことにより、ゲート駆動負電圧VGLの値を低下させることができ、ゲート駆動負電圧VGLが高すぎる可能性を低減できる。
【0034】
具体的には、ステップS100の上記具体実施形態は、図2に示すように、以下のステップを含むことができる。
【0035】
ステップS111において、起動信号を受信した後、正常に第一レベルまでにパワーアップさせるように電源管理モジュールの供給電圧VCIを制御する。
【0036】
ここで、第一レベルは電源管理モジュールの正常な供給電圧であってもよく、例えば2.5V~4.8Vである。好適には、第一レベルは3.3Vである。
【0037】
ステップS112において、第一の期間を経過した後、電圧が第一レベルより低い第二レベルまで降下するように電源管理モジュールの供給電圧VCIを制御する。
【0038】
ここで、第一の期間が電源チップのTransient Response(過渡応答)の特性とかかわる。Transient Responseの時間が短いほど、第一の期間は長くなる。好ましくは、第一の期間は8ms~12msであり、例えば10msである。第二レベルとは、少なくともスクリーン画面が真っ暗にならないゲート駆動負電圧VGLを保証できる大きさである。第二レベルは例えば1V~2.2Vである。好適には、第二レベルは例えば1.8Vである。この場合に、対応するゲート駆動負電圧VGLは0.4V以下になる。
【0039】
具体的には、電源チップはチャージポンプや他の電圧降下機能を有する回路により第一レベルが第二レベルまでに降下させて、ステップS112で電源管理モジュールに第二レベルを提供することができる。
【0040】
ステップS113において、第二の期間を経過した後、電圧が再び第一レベルまで上昇するように電源管理モジュールの供給電圧VCIを制御する。
【0041】
ここで、第二の期間が電源チップのTransient Response(過渡応答)の特性とかかわる。Transient Responseの時間が短いほど、第二の期間は長くなる。好ましくは、第二の期間は8ms~12msであり、例えば10msである。
【0042】
具体的には、同じく、電源チップはチャージポンプや他の電圧降下機能を有する回路により第二レベルが第一レベルまでに上昇させて、ステップS113で電源管理モジュールに第一レベルを提供することができる。
【0043】
図2に示す上記具体的な実施形態において、正常にパワーアップされた後に、電源管理モジュールの供給電圧VCIを降下させてLatch up電流を降下させるより、電源管理モジュールの供給電圧VCIが第二レベルまで降下され、Latch up現象を解除する。その後、電源管理モジュールの供給電圧VCIを第一レベルまで上昇させば、駆動チップを正常に動作させることができる。
【0044】
よって、上記具体的な実現形態は電源管理モジュールの供給電圧VCIのパワーアップ方式を最適化する(即ち、ハイレベル-ローレベル-ハイレベルというパタンを採用する)ことにより、スクリーン画面が真っ暗になる可能性が低減させられる。
【0045】
別の実施例において、上記ステップS100が別の方法に変えられて駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げられる。上記駆動チップは上記電源管理モジュール及び上記デジタル回路を含む。また、上記ステップS100は、図3に示すように、具体的に以下のステップを含む。
【0046】
ステップS121において、起動信号を受信した後、電源管理モジュールの供給電圧VCIを制御してパワーアップされる。
【0047】
ステップS122において、第三の期間を経過した後、デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされる。
【0048】
この実施例において、電源管理モジュールの供給電圧VCI及びデジタル回路の供給電圧のパワーアップ順番を、まず電源管理モジュールの供給電圧VCIを制御してパワーアップされた後、第三の期間を経過してデジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされように調整した。これにより、デジタル回路はVCI回路(例えば電源管理モジュール内の電圧上昇・降下回路)より干渉(例えば電磁気干渉)されることを避けられ、デジタル回路の正常動作を保証できる。デジタル回路は駆動チップの主な制御回路であるため、駆動チップの動作の信頼性を向上させ、駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げられ、ディスプレイ画面が真っ暗になる可能性を低減される。具体的には、第三の期間は90ms~110msであり、例えば100msである。
【0049】
具体的には、デジタル回路の供給電圧は、例えば入出力インターフェースの電圧VDDIOである。また、タイミング制御モジュールの供給電圧DVDDは、入出力インターフェースの電圧VDDIOを降下させて得る。この場合、入出力インターフェースの電圧VDDIOが後でパワーアップされる。干渉がない場合、タイミング制御モジュールの供給電圧が所定の電圧閾値(例えば1.4V)以下になることが確保でき、タイミング制御モジュールの正常動作が確保される。
【0050】
具体的には、上記ステップS122が、駆動チップで電源管理モジュールの供給電圧VCIを段階的に降下させた後、デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるというステップである。
【0051】
ここで、電源管理モジュールの供給電圧VCIを段階的に降下させるとは、電源管理モジュールの供給電圧VCIを順次で段階的に一つまたは一つ以上の電圧に降下させることである。また、電源管理モジュールの供給電圧VCIの電圧降下過程全体にかかる時間が上記第三の期間に達した後、デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされる。具体的には、電源管理モジュールの供給電圧の電圧降下はチャージポンプまたは他の電圧降下機能を有する回路で実現されることができる。
【0052】
具体的には、駆動チップで電源管理モジュールの供給電圧VCIを段階的に降下させた後デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされる上記ステップが、駆動チップで電源管理モジュールの供給電圧VCIを第一電圧まで降下させ、さらに第二電圧まで降下させた後、デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるというステップである。ここで、第二電圧は、例えば電源管理モジュールに用いる基準電圧VREFである。
【0053】
ここで、電源管理モジュールの供給電圧VCIを第一電圧まで降下させてさらに第二電圧まで降下させる過程にかかる時間は、上記第三の期間である。例えば、駆動チップ内のチャージポンプの立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジの持続期間、あるいはタイミング制御モジュールが同時に実行する指令数を調整するなどにより、電源管理モジュールの供給電圧VCIを第一電圧まで降下させてさらに第一電圧を第二電圧まで降下させる過程にかかる時間が上記第三の期間になるように制御する。
【0054】
具体的には、第一電圧はVCL、即ち電源管理モジュールにおいてチャージポンプが生成された電圧である。好適には、電源管理モジュールの供給電圧VCIがチャージポンプで第一電圧まで降下させ、さらに第二電圧まで降下させることができる。
【0055】
さらに、図3に示す実施例による駆動チップにおける各電圧のパワーアップ状況は図4に示される。ここで、電源管理モジュールの供給電圧VCIがパワーアップされた後、電源管理モジュールの供給電圧VCIが自身の電圧を保持するとともに、電圧AVDD(即ち、ガンマ補正モジュールと電源管理モジュールにおける電圧上昇・降下回路の供給電圧)と協働し、チャージポンプや他の電圧降下機能を有する回路で昇圧させ、ゲート駆動正電圧VGHを生成する。VGHは、例えばAVDD+VCI、2AVDD、2AVDD+VCIまたは3AVDDである。一方、電源管理モジュールの供給電圧VCIが、チャージポンプやその他の電圧降下機能を有する回路により第一電圧VCLまでに降下される。ここで、電源管理モジュールの供給電圧VCIが自身の電圧を保持するという手順と、電源管理モジュールの供給電圧VCIが第一電圧まで降下されるという手順が同時に行われてもよい。電源管理モジュールの供給電圧VCIを第一電圧まで降下させた後、第一電圧が、電圧AVDDの協働でゲート駆動負電圧VGLを生成するように電圧降下される一方、さらに降下されて第二電圧(例えば上記VREF)が得られる。図4において、破線ブロック内に示されたように、VCIパワーアップされるからVREFまでに降下するという期間は、上述した第三の期間である。VREFまでに降下した後(即ち、第三の期間を経過した後)、デジタル回路の供給電圧がパワーアップされる。
【0056】
なお、図1図3は本発明の実施例に係る方法のフローチャートである。理解できるように、図1図3のフローチャートにおける各ステップは、矢印の方向に従って順次示されているが、必ずしも矢印の示す順番で実行されなくてもよい。本明細書において明示的な説明がない限り、これらのステップが厳密な順番に限定されず、他の順番で実行されることができる。また、図1図3における少なくとも一部のステップは複数のサブステップまたは複数の段階を含んでもよく、これらのサブステップまたは段階は同じ時点で実行されなくてもよく、異なる時点で実行されてもよい。また、図1図3における少なくとも一部のステップは、順次実行されなくてもよく、他のステップまたは他のステップのサブステップまたは段階の少なくとも一部と順番または交互に実行されてもよい。
【0057】
本発明の他の実施形態は、TFT型ディスプレイに応用されるディスプレイ電源制御装置を提供する。前記TFT型ディスプレイは駆動チップ及びスクリーンを含む。前記駆動チップが適当な画像を表示させるよう前記スクリーンを制御するともに、前記スクリーンが薄膜トランジスタによって画素を制御される。ディスプレイ電源制御装置は、図5に示すように以下部品を含む。
【0058】
起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御するパワーアップ制御モジュール100。
【0059】
前記駆動チップに正常で連続給電する正常給電モジュール200。
【0060】
一実施例において、前記駆動チップは電源管理モジュールを含む。また、起動信号を受信した後、パワーアップ制御モジュール100は、前記駆動チップに出力されたゲート駆動負電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御する。
【0061】
一実施例において、パワーアップ制御モジュール100は、図6に示すように、以下部品を含む。
【0062】
起動信号を受信した後、正常に第一レベルまでにパワーアップさせるように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御する第一パワーアップユニット110。
【0063】
第一の期間を経過した後、電圧が第一レベルより低い第二レベルまで降下するように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御する第二パワーアップユニット120。
【0064】
第二の期間を経過した後、電圧が再び第一レベルまで上昇するように前記電源管理モジュールの供給電圧を制御する第三パワーアップユニット130。
【0065】
一実施例において、前記第一レベルは2.5V~4.8Vである。好ましくは、前記第一の期間は8ms~12msであり、さらに好ましくは、前記第一の期間は10msである。好ましくは、前記第二の期間は8ms~12msであり、さらに好ましくは、前記第二の期間は10msである。一実施例において、前記第二レベルは1V~2.2Vである。
【0066】
一実施例において、前記駆動チップは電源管理モジュール及びデジタル回路を含む。また、パワーアップ制御モジュール100は、図7に示すように、以下部品を含む。
【0067】
起動信号を受信した後、前記電源管理モジュールの供給電圧を制御してパワーアップされる電源パワーアップユニット140。
【0068】
第三の期間を経過した後、前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされるデジタルパワーアップユニット150。前記第三の期間は90ms~110msである。好ましくは、前記第三の期間は100msである。
【0069】
一実施例において、デジタルパワーアップユニット150は、前記駆動チップで前記電源管理モジュールの供給電圧を段階的に降下させた後、前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされる。好ましくは、デジタルパワーアップユニット150は、前記駆動チップで前記電源管理モジュールの供給電圧を第一電圧まで降下させ、さらに第二電圧まで降下させた後、前記デジタル回路の供給電圧を制御してパワーアップされる。ここで、前記第二電圧は前記電源管理モジュールに用いる基準電圧である。好ましくは、前記第一電圧は前記電源管理モジュールのチャージポンプにより生成された電圧である。
【0070】
なお、本実施形態に係るディスプレイ電源制御装置は上記実施形態におけるディスプレイ電源制御方法に対応するため、ここでは余計な説明を省略する。
【0071】
さらに一つの実施形態は記録媒体を提供する。記録媒体は磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)等である。当該記録媒体は、TFT型ディスプレイに応用される。前記TFT型ディスプレイは電源チップ、駆動チップ及びスクリーンを含む。前記記録媒体は前記電源チップ内に設置されて、電源チップに内蔵されたプロセッサにより実行されるプログラムを蓄積し、当該プログラムは、プロセッサで実行されて、起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御するステップと、前記駆動チップに正常で連続給電するステップとを実現させるようプログラムである。
【0072】
なお、本実施形態においてプロセッサで実行される手順は上記実施形態におけるディスプレイ電源制御方法に対応するため、ここでは余計な説明を省略する。
【0073】
もう一つの実施形態は電子機器(例えば、携帯電話、コンピュータなど)を提供する。該電子機器は電源チップ、駆動チップ及びスクリーンを含む。前記電源チップは、メモリとプロセッサを含み、前記メモリにプログラムが蓄積され、前記プログラムが前記プロセッサで実行されると、起動信号を受信した後、前記駆動チップの出力電圧が異常発生される可能性を下げるよう予め規定された規則に従ってパワーアップさせるように前記駆動チップの電源を制御するステップと、前記駆動チップに正常で連続給電するステップとを実行させる。
【0074】
なお、本実施形態においてプロセッサで実行される手順は上記実施形態におけるディスプレイ電源制御方法に対応するため、ここでは余計な説明を省略する。
【0075】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。記述の簡潔化のために、上述した実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記述されている範囲内であると考えられるべきである。
【0076】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本発明の趣旨から逸脱しないかぎり、若干の変形および改良を行うことができ、これらもすべて本発明の保護範囲内にある。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準ずるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7