(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】紙材料のログの製造に使用される親リールから紙を除去するための装置
(51)【国際特許分類】
B65H 19/10 20060101AFI20220228BHJP
B65H 19/12 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
B65H19/10 Z
B65H19/12 A
(21)【出願番号】P 2019554347
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(86)【国際出願番号】 IT2018000045
(87)【国際公開番号】W WO2018189756
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】102017000038963
(32)【優先日】2017-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ペリーニ、ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーニ、ジョヴァッキーノ
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-176880(JP,A)
【文献】特開2005-015216(JP,A)
【文献】実開昭57-181748(JP,U)
【文献】実開平01-024056(JP,U)
【文献】特開昭62-051541(JP,A)
【文献】特開平11-009013(JP,A)
【文献】実開平06-007943(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/00-19/30
B65H 21/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙材料の紙ログの製造に使用される親リールから紙を除去するための装置であって、
当該装置は、消尽された親リール(3D)を支持するように構成された支持システム(88)を備え、消尽された親リール(3D)は、除去されるべき残留紙が巻かれた管状コア(30)を有し、
そしてまた当該装置は、消尽された親リール(3D)が前記支持システム(88)上に置かれたときに、前記コア(30)から残留紙を除去するための除去手段を備え、
前記除去手段は:
-基礎構造(80)であって、当該基礎構造には、水平軸に沿って、穿孔されかつ内部キャビテイ(81C)と連通する外面を有する吸引シリンダー(81)が取り付けられ、次に、前記シリンダー(81)の内側に
吸引力を生成するように適合された吸引ユニット(811)が接続され、それによって、前記
吸引力がシリンダー(81)の外面に通じる基礎構造と;
-所定の角速度及び回転方向を有する前記軸の周りのシリンダ(81)の回転を決定するアクチュエータ(84)と、を有し、
ここで、前記支持システム(88)は、前記シリンダ(81)に平行に、消尽された親リール(3D)を支持するように適合されており;
ここで、前記装置は、
残留紙を取り除く段階において、シリンダ(81)と消尽された親リール(3D)との間の接触を可能にするために、前記支持
システム(88)と前記シリンダ(81)との間の間隔を調節する手段と;
-支持システム(88)上に置かれた消尽された親リールの瞬間直径を検出するための検出手段と;
-前記検出手段に接続され、前記検出手段によって検出された消尽された親リール(3D)の瞬間直径に応じてシリンダ(81)の回転を決定するアクチュエータ(84)を制御するように構成された制御ユニットと、を含み、
前記制御ユニットは、消尽された親リール(3D)の瞬間直径が所定の最低値に達したときにシリンダ(81)の回転を止めるようにプログラムされており;
ここで、シリンダ(81)の前記回転と当該シリンダ(81)の外面上の
吸引力は、当該シリンダ(81)と消尽された親リール(3D)とが接触すると、消尽された親リール(3D)の回転と、消尽された親リール(3D)からシリンダ(81)への残留紙の移送を決定するようにしたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記シリンダ(81)は、前記最低値の直径に達したときに、消尽された親リールから残留紙を除去し、消尽された親リールから離すサイクルの開始段階において、消尽されたリールと接触するように配置されているそれぞれのアクチュエータ(814)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シリンダ(81)は、その外面に縦長キャビティ(810)を設けており、かつシリンダ(81)の軸に平行なガイド(87)に沿ってそれぞれのアクチュエータ(86)によって移動されるキャリッジ(82)を備え、そして当該キャリッジ(82)が前記縦長キャビティ(810)に挿入されるように適合されたブレード(83)を担持することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、シリンダ(81)が消尽された親リール(3D)と接触していないときに、キャリッジ(82)を作動させるようにプログラムされていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、シリンダ(81)が消尽された親リール(3D)と接触していないときに、前記ブレード(83)に対応する前記縦長キャビティ(810)を有するシリンダ(81)の位置決めを駆動することを特徴とする請求項
3に記載の装置。
【請求項6】
前記支持
システム(88)に関連した前記消尽された親リール(3D)をロックするための手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ロック手段は、前記消尽された親リールに挿入されたピン(7)に作用することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置はプラント内に設置されており、
当該プラントは:
紙ウェブを用いて紙ログを生成するように構成された巻き返し機(1)と;
対応する親リール(3A、3B、3C、3D)を支持するようにそれぞれ構成された所定数の巻き出し機(2A、2B、2C、2D)と;
前記巻き返し機(1)及び巻き出し装置(2A、2B、2C、2D)が配置された領域(Z)内に配置されかつ作動するブリッジクレーン(4)と;
を備え、
前記紙ウェブは前記親リール(3A、3B、3C、3D)から巻き戻され、前記巻き返し機(1)に供給され、
前記装置は、前記親リールのコア(30)をクリーニングするクリーニング装置(8)であり、
前記クリーニング装置(8)が前記ブリッジクレーン(4)によって供給される領域(Z)内にあり、前記ブリッジクレーン(4)は前記コア(30)を前記クリーニング装置(8)との間で移動させるために使用することができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記検出手段が光学的検出装置であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記検出手段が機械的検出装置であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙材料のログの製造に使用される親リールから残留紙を除去するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トイレットペーパーのロールまたは台所用紙のロールが得られる紙材料から作られたログの製造は、ログの形成に進む前に様々な操作が実行される所定の経路上で、1つ以上の重ね合わされた層によって形成された紙ウェブの供給を含み、そして分離可能な引き裂きシートに分割する予備切断線を形成するためのウェブの横方向の予備切断を含むことが知られている。
【0003】
ログの製造は通常、一般に「コア」と呼ばれる厚紙チューブの使用を伴い、その表面には、ログを製造する「巻き返し機」と呼ばれる機械に導入されるコアに紙ウェブを結合することができるように、所定量の接着剤が分配される。接着剤は、コアがその凹形状のために「クレードル」として一般に知られている端部セクションを含む対応する経路に沿って通過するとき、コア上に分配される。ログの形成は、また、各コアをその長手方向軸の周りに回転させ、それによって同じコア上のウェブの巻き付けを決定する巻き付けローラの使用を含む。このプロセスは所定数のシートがコア上に巻かれたときに終了し、最終シートのフラップが、このようにして形成されたロールの下に位置するものに接着される(いわゆる「フラップ接着」操作)。コアに巻かれたシートが所定数に到達すると、完成されているログの最後のシートは、例えば、対応する切断前ラインに向けられた圧縮空気のジェットによって、次のログの最初のシートから分離される。この時点で、巻き返し機からログがダウンロードされる。
【0004】
特許文献1は、上記に開示された操作スキームに従って動作する巻き返し機を開示している。このようにして製造されたログは、次に、所望の大きさのロールを得るためにログの横方向の切断が実行されることによって、1つ以上の切断機を供給する緩衝マガジンに搬送される。
【0005】
また、巻き返し機に供給される用紙は、巻き返し機自身の上流に配置された適切な巻き出し機上に配置された、通常は親リールと呼ばれる大径リールによって供給されることも知られている。各親リールは、管状コア上に巻かれた所定量の紙から形成される。親リールがほとんど使い果たされると、紙はログの生成を中断しないように、第2の巻き出し機上に配置された別のリールから取り出され、その後、第1のリールは、そのシートから取り外され、その場所に他のリール等が装填される。取り外されたリールは常に、そのコア上にある量の残留紙を有し、当該コアは再使用されなければならないので、その残留紙を除去する必要がある。
【0006】
この目的のために、取り出されたリールのコアはフォークリフトに載せて、クリーニングステーションに運ばれ、ここで、オペレータは、特殊な装置を使用して残留紙を除去する。特許文献2は、再使用されることになっている紙ロールのコアから残留紙を除去するための装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】EP1700805
【文献】US4506575
【文献】WO2016/046852
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、親リールのコアのクリーニング作業を改善することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この効果は、独立クレームに示された特徴を有する装置及び方法によって達成される。本発明の他の特徴は、従属クレームの主題である。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、プロセスをより安全かつ効率的にする、クリーニング動作の自動制御モードを導入することによって、親リールのコアに対するクリーニング動作を改善することが可能である。
【0011】
本発明のこれらのおよびさらなる利点および特徴は以下の説明および添付の図面によって、当業者にはより明白であり、これらは実施の例として提供されるが、限定的な意味で考慮されるべきではない:
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本発明による装置を使用するプラントを示す概略側面図である。
【
図2A】
図1に示されるプラントの可能な使用モードを示す第1の概略図である。
【
図2B】
図1に示されるプラントの可能な使用モードを示す第2の概略図である。
【
図2C】
図1に示されるプラントの可能な使用モードを示す第3の概略図である。
【
図2D】
図1に示されるプラントの可能な使用モードを示す第4の概略図である。
【
図2E】
図1に示されるプラントの可能な使用モードを示す第5の概略図である。
【
図3A】本発明による、使用された親リールのコアから残留紙を除去するための装置(8)を示す概略図である。
【
図4A】
図3Aに示される装置の動作構成における概略側面図であり、いくつかの要素は、他の要素をよりよく強調するために省略されている。
【
図5】本発明によるプラントにおける装置(8)の可能な位置に関する概略図である。
【
図6A】装置(8)のさらなる構成を示す第1の概略図である。
【
図6B】装置(8)のさらなる構成を示す第2の概略図である。
【
図7A】本発明による装置に関する動作ステップのシーケンスを示す第1の概略図である。
【
図7B】本発明による装置に関する動作ステップのシーケンスを示す第2の概略図である。
【
図7C】本発明による装置に関する動作ステップのシーケンスを示す第3の概略図である。
【
図7D】本発明による装置に関する動作ステップのシーケンスを示す第4の概略図である。
【
図7E】本発明による装置に関する動作ステップのシーケンスを示す第5の概略図である。
【
図8】吸引シリンダ(81)の一部の縦断面図を示しており、特に、吸引シリンダの内部キャビティ及び半径方向孔を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面の図面に関連して、本発明の本質的な構成についていえば、例えば、本発明の装置(8)が使用される、紙材のログを製造するためのプラントは、ログを製造する巻き返し機(1)と、複数の巻き出し機(2A、2B、2C、2D)とを備える。前記巻き出し機の各々は対応する親リール(3A、3B、3C、3D)を支持するのに適しており、その親リールからは紙ウェブが巻き返し機(1)に供給するために巻き出される。上記プラントはまた、ブリッジクレーン(4)を含む。
【0014】
さらに、前記プラント(PL)は、消尽段階で親リールによって供給されるウェブの尾部を、それぞれの巻き戻し機に取り付けられた別の親リールによって供給されるウェブの頭部と接合することを意図したいくつかの結合ユニット(5A、5B)を備えることができる。前記プラント(PL)はまた、親リールによって供給されるウェブの方向に関して巻き戻し機(1)の上流に配置されたウェブを接着しエンボス加工するためのユニット(6)を備えることができる。前記親リールは、管状支持コア(30)の周りに巻かれた紙ウェブによって構成される。
【0015】
巻き出し機の数、嵌合ユニットの存在および数、ならびに接着およびエンボス加工ユニットの可能な存在は、本説明の目的のために限定的な意味で考慮されるべきではなく、例示の目的のためにのみ考慮されるべきである。
【0016】
プラント(PL)の作動ユニット、すなわち巻き返し機、巻き出し機、結合ユニット、および接着およびエンボス加工ユニットは、前記ブリッジクレーン(4)が作動する領域(Z)上に設置され、したがって当該ブリッジクレーン(4)はこれらのユニットの各々に役立つことができる。前記領域(Z)の内部には、親リール(3E)が一時的に位置することができるパーキングポイント(P3)に親リールの支持ユニットが存在し、前記巻き出し機に配置されるのを待つことができる。
【0017】
上述したタイプのプラント(PL)は、例えば、特許文献3に開示されており、より詳細な説明については、特許文献3を参照されたい。プラント(PL)の個々の操作ユニット(1、2A~2D、3A~3D、4、5、6)の構造および動作は、それ自体知られている。特に、ブリッジクレーン(4)は親リール(3A、3B、3C、3D)の任意のコア(30)に挿入することができる拡張可能なピン(7)に係合し、それを移動させるようにそれぞれ適合された2つのアーム(40)を備えるタイプのものである。この機能を実行するのに適した拡張可能なピン(7)は、例えば、特許文献3に開示されている。
【0018】
上記プラントは、また、消尽された親リールのコア(30)から残留紙を除去するように設計されたクリーニング装置(8)を備える。冒頭で述べたように、実際には、親リールのコア(30)を再利用するために、この操作を行う必要がある。
【0019】
好ましくは、前記装置(8)がブリッジクレーン(4)の作動可能な領域(Z)内の所定の点に配置される。このようにして、以下に更に説明するように、ブリッジクレーン(4)を使用して、ログが製造されている間であっても、消尽された親リールのコア(30)を移動させることができる。
【0020】
図3A~
図3Cに示す例に関し、本発明に係る装置(8)は、水平軸を備えた吸引シリンダ(81)、ブレード(83)を備えたキャリッジ(82)、ベルト及びプーリ接続(85)の手段によりその軸周りの吸引シリンダ(81)の回転を決定する電動モータ(84)、各ベルト接続(860)の手段により吸引シリンダ(81)の軸に平行なガイド(87)に沿ってキャリッジ(82)の移動を決定する電動モータ(86)、及び対応する拡張可能なピン7を収容するように成形された二つのシート(88)を有する上部構造を備えている。
【0021】
前記ブレード(83)はそれぞれのケーシング(830)によって覆われ、そして、例えば、前記キャリッジ(82)によって支持された対応する電気モータ(831)によって駆動される円形ブレードである。前記シリンダ(81)は、その内部に凹部を形成するアスピレータ(811)に接続されている。
図8はシリンダ(81)の一部を示しており、内部キャビテイ(81C)と、アスピレータ(811)によって生成された吸引力が外部に送出される半径方向穴(81H)とを示している。
【0022】
さらに、シリンダ(81)の各端部は、それぞれのアーム(812)によって支持されている。当該アーム(812)は以下でさらに説明するように、吸引シリンダ(81)を下降位置および上昇位置に維持することを可能にする。各アーム(812)は、吸引シリンダ(81)の長手方向軸に平行なヒンジ軸(801)によって構造(80)にヒンジ止めされた後側部を有する。さらに、各アーム(812)は、下降したシリンダ(81)位置において、構造(80)の当接部(800)上に載る付属物(813)を備えた前面部を有する。その後側部と前側部との間の所定の位置に、各アーム(812)はシリンダ(81)の対応する端部が拘束されるクレードルシート(817)を有する。
【0023】
各アーム(812)は、それぞれのアクチュエータ(814)に接続され、ヒンジ軸(801)の周りを回転してシリンダ(81)を上下させることを可能にする。図面に示される例を参照すると、各アクチュエータ(814)はそれぞれのアームの下部付属物(815)に接続され、そしてその反対側(816)において前記構造(80)に拘束される。クリーニング対象の消尽された親リール(3D)のコアを支持するピン(7)がブリッジクレーンによって、
図7(A)に示すように、前記構造(80)のシート(88)内に搬入されると、クリーニングサイクルが開始可能となり、そして
図7(B)に概略的に示すように、対応する空気圧アクチュエータ(814)によって吸引シリンダ(81)が持ち上げられそして上記リール(3D)に接触し、その間、アスピレータ(811)が作動せしめられる。
図7Aおよび7Bは、リール(3D)から突出する残留紙のフラップ(L)を示す。
【0024】
上記リールが取り外された巻き出し機の向きに応じて、吸引シリンダ(81)は、モータ(84)によって時計回りまたは反時計回りに回転せしめられ、このように摩擦によってリール(3D)を回転させ、リールから巻き出された紙をその上に巻き付ける。
図7Cは、吸引シリンダ(81)の回転及び作用する吸引力によって吸引シリンダ(81)に付着する位置にある前述のフラップ(L)を示している。この回転は、コアが清浄になるまで続く(
図7D)。実際には、吸引シリンダ(81)が上記紙をリールに巻き取る方向に従ってリールから当該紙を巻き出すのに適した方向に回転され、このようにして巻き返しシリンダとして作用する。
【0025】
光電池(図面には示されていない)は、リール上にもはや紙がない時間を識別するために、クリーニング段階中にリール(3D)の直径を検出する。この光電池は、吸引シリンダの吸引、回転、および位置決めを管理する制御ユニットにその検出結果を伝達する。この時点で、吸引シリンダ(81)は
図7Eに示すように、それぞれのアクチュエータによってその下降した初期位置に戻され、その外面に設けられたスロット(810)がブレード(83)と整列するまで回転する。
【0026】
次に、切断段階を開始する。キャリッジ(82)は、ブレード(83)をシリンダ(81)の表面に巻かれた紙と接触させ、そして連続的なパスで、紙をシリンダから除去する。上記切断作業は特に効果的である。何故なら、紙が巻き付けられるシリンダの表面よりもスロット(810)が内側にあるので、ブレード(83)をスロット(810)内に導入して、シリンダ上に存在する紙のすべての層を通過させることによって切断作業が行われるからである。前述の切断ユニット(82、83)がシリンダ(81)から紙を除去する間、前記ブリッジクレーン(4)はプラント内の親リールの交換サイクルを継続することができ、したがって、デッドタイムの劇的な減少をもたらす。
【0027】
図7A~7Eでは転写を受ける紙、すなわち、リール(3D)から除去され、シリンダ(81)上に転写された紙は、より太い線で表されている。前述のスロット(810)には、紙をシリンダ(81)から取り外す際にブレードの弾性コントラスト面として作用する、図面には示されていないゴム製のインサートを有利に配置することができる。
【0028】
光電池の代わりに、例えば、機械的プローブを用いることができる。例えば、キャリッジ(82)は、モータ(86)によって駆動されるベルト(860)に拘束される基部(820)を備え、この基部はガイド(87)によって画定される方向に沿ったキャリッジの移動を決定する。前記基部(820)上には2つの空気圧アクチュエータ(821)が配置され、これらのアクチュエータは一群の関節式レバー(822)によって、ブレード(83)を駆動するモータ(831)を支持する板(823)に接続される。実際には、アクチュエータ(821)がブレード(83)をシリンダ(81)の近くに、またその逆に、ブレード(83)をシリンダから離れるように動かすことを可能にする。
【0029】
モータ(86)はキャリッジ(82)の吸引シリンダ(81)と平行な平行移動を決定し、アクチュエータ(821)は、ブレード(83)をシリンダ(81)に対して往復移動させる。前述したように、ブレード(83)はキャリッジ(82)をガイド(87)に沿って交互に移動させながら、紙をシリンダ(81)から数回のパスで除去する。
【0030】
図面は、除去された紙が出る傾斜面(EP)を示している。コアから除去された紙は、重力によって、
図2A~
図2Eおよび
図4Aにおいて符号「CE」で示されている下方に位置するバスケットに集められ、このバスケットとしては車輪付きバスケットが使用可能である。
【0031】
本発明による装置を備えたプラントの使用の可能な実施の例によれば、添付図面の
図2A~2Eを参照すると(
図2Aは
図1Aと同一であるが、装置8の使用に関連する動作の可能なシーケンスをより良く説明するために再度示されている)、親リール(3D)が消尽されたとき、ブリッジクレーン(4)はそれぞれの巻き出し機(2D)に対応するように配置されている。この時点で、ブリッジクレーン(4)は
図2Aに示すように、消尽されたリールのコア(30)の端部に存在するピン(7)の各々と係合する。
【0032】
このようにして、ブリッジクレーン(4)は
図2Bに示すように、リールを持ち上げ、巻き出し機からリールを取り外し、リールを装置(8)に運ぶことができる。ここで、消尽されたリール(3D)がそのコアに挿入されたピン(7)を介してブリッジクレーン(4)に拘束されている間に、オペレータは消尽されたリール(3D)から残留紙を除去するサイクルを開始する。
【0033】
クリーニング作業が完了すると、ブリッジクレーン(4)は
図2C及び
図2Dに示すように、クリーニングされたコア(30R)をパーキングポイント(P3)まで運び、そこからピン(7)を引き抜くことによってそれを解放する。続いて、
図2Eに示すように、ブリッジクレーン(4)は、同じピン(7)を用いて、新しい親リール(3E)をパーキングポイント(P3)から拾い上げ、フリーな巻き出し機(2D)に移す。
【0034】
この実施の例では、清掃されるコア(30)が装置(8)上に保持されている限り、ブリッジクレーン(4)は使用中である。あるいは、ピン(7)をコア(30)から引き抜くことなく、ブリッジクレーン(4)は装置(8)の前述のシート(88)上のクリーニングされるべきコア(30)を解放することができる。この場合は、ピン(7)はコア(30)に拘束されたままであり、シート(88)に配置された適切な挟み部(89)によって保持され、連結レバー(890)によって当該挟み部に接続されたそれぞれのアクチュエータ(11)によって制御される。この場合、ブリッジクレーン(4)は新しいリール(3E)を待機点(P3)で係合する前に、所定のピンパーキングエリアで2つのピンをピックアップする。
【0035】
図4Aおよび
図4Bは、支持体(88)によって支持された消尽されたリール(3D)に接触する吸引シリンダ(81)を示す。シリンダ(81)内の吸引が作動し、シリンダ(81)がその軸の周りを回転すると、消尽されたリール(3D)とシリンダ(81)との間の接触が消尽されたコイル(3D)のコア(30)からシリンダ(81)への紙の移送を決定し、したがって、前述のように、シリンダ(81)は巻き返しシリンダとして作用し、前記コア(30)から除去された紙をその外表面に収集する。
【0036】
図6Aは、吸引シリンダ(81)が下降待機位置にある状態で、消尽された親リールがクリーニングされるのを待機する待機構成にある装置(8)を示す。
図6Bはクリーニングサイクルの終わりに、クリーニングされたコア(30)と、コアから離れた位置に戻された吸引シリンダ(81)とを有する同じ装置(8)を示す。
図6Bに示す吸引シリンダ(81)の位置は、一旦その回転が停止されると、キャリッジ(82)によって担持されたブレードが介在するときにとる位置にも対応する。消尽されたコイルのコアの取り扱いおよび新しいコイルの装填は、ログの製造を中断することなくログの製造と並行して行われる。
【0037】
ブリッジクレーン(4)によって供給される領域(Z)の内側の点に装置(8)を設けることは、ブリッジクレーン(4)をより効率的に使用し、プラント自体の自動化レベルを高める可能性を提供する。同時に、利用可能な空間のより合理的な使用ができる。上述したクリーニング作業が施されたリールのコアは、ブリッジクレーンによって集積ステーションに配置することができる。
【0038】
前述の説明から、吸引シリンダ(81)が、消尽された親リール(3D)から残留紙を除去するために使用されることが明らかである。換言すれば、吸引シリンダ(81)は消尽された親リール(3D)から除去された紙を吸引シリンダ(81)自体の上に収集するのであり、そのため親リールのコア(30)は紙を除去した直後であっても再使用のために始動することができる。消尽されたリールから除去された紙の最終的な消去は、前述のように吸引シリンダ(81)に作用するブレード(83)によって決定される。
【0039】
従って、本発明の目的は、紙材料から作られたログの製造に使用される親リールのコアから紙を除去するための装置を提供することであり、当該装置は、消尽された親リール(3D)を支持するように構成された支持システム(88)を備え、消尽された親リール(3D)は除去されるべき残留紙が巻かれた管状コア(30)を有し、そしてまた当該装置は、消尽された親リール(3D)が前記支持システム(88)上に置かれたときに、前記コア(30)から残留している紙を除去するための除去手段を備え、前記除去手段は:
-基礎構造(80)であって、当該基礎構造には、水平軸に沿って、穿孔されかつ内部キャビテイ(81C)と連通する外面を有する吸引シリンダー(81)が取り付けられ、次に、上記シリンダー(81)の内側に窪みを生成するように適合された吸引ユニット(811)が接続され、それによって、前記窪みがシリンダー(81)の外面に通じる基礎構造と;
-所定の角速度及び回転方向を有する前記軸の周りのシリンダ(81)の回転を決定するアクチュエータ(84)と、を有し、
-前記支持システム(88)は、前記シリンダ(81)に平行に、消尽された親リール(3D)を支持するように適合されており;
そして下記する手段、即ち:
-残留紙を取り除く段階において、シリンダ(81)と消尽された親リール(3D)との間の接触を可能にするために、前記支持装置(88)と前記シリンダ(81)との間の間隔を調節する手段と;
-支持システム(88)上に置かれた消尽された親リールの瞬間直径を検出するための検出手段と;
-前記検出手段に接続され、前記検出手段によって検出された消尽された親リール(3D)の瞬間直径に応じてシリンダ(81)の回転を決定するアクチュエータ(84)を制御するように構成された制御ユニットと、が設けられ、
上記制御ユニットは、消尽された親リール(3D)の瞬間直径が所定の最低値に達したときにシリンダ(81)の回転を止めるようにプログラムされており;
-シリンダ(81)の前記回転と当該シリンダ(81)の外面上の窪みは、当該シリンダ(81)と消尽された親リール(3D)とが接触すると、消尽された親リール(3D)の回転と、消尽された親リール(3D)からシリンダ(81)への残留紙の移送を決定する。
【0040】
上記に開示された本発明の特定の態様によれば、
-支持システム(80)は固定され、前記シリンダ(81)は前記最小値の直径に達したときに、残留紙を消尽された親リールから除去し、後者から離すサイクルの開始段階において、消尽されたリールと接触するように配置されているそれぞれのアクチュエータに接続される。
-シリンダ(81)には、その外面に縦長キャビティ(810)が設けられている。
-基部構造(80)には、シリンダ(81)の軸に平行なガイド(87)に沿ってそれぞれのアクチュエータ(86)によって移動され、前記縦長キャビティ(810)に挿入されるように適合されたブレード(83)を担持するキャリッジ(82)が関連付けられている。
-前記制御ユニットは、シリンダ(81)が消尽された親リール(3D)と接触していないときにキャリッジ(82)を作動させるようにプログラムされている。
-前記制御ユニットは、シリンダ(81)が消尽された親リール(3D)と接触していない時、縦長キャビティ(810)がブレード(83)に対応するように、シリンダ(81)の回転を駆動する。
-消尽された親リール(3D)をロックするためのロック手段(89)は、支持装置(88)に関連付けられている。
-前記ロック手段は消尽された親リールに挿入されたピン(7)に作用する。
-前記装置はプラント内に設置されており、当該プラントは:紙ウェブを用いて紙ログを生成するように構成された巻き返し機(1)と;前記巻き返し機に供給された紙ウェブが巻き戻される対応する親リール(3A、3B、3C、3D)を支持するようにそれぞれ構成された所定数の巻き出し機(2A、2B、2C、2D)と;前記巻き返し機(1)及び巻き出し装置(2A、2B、2C、2D)が配置された領域(Z)内に配置されかつ作動するブリッジクレーン(4)と;を備え、前記クリーニング装置(8)は前記ブリッジクレーン(4)によって供給される領域(Z)内にあり、前記ブリッジクレーンは前記コア(30)を前記クリーニング装置(8)との間で移動させるために使用される。
-前記検出手段は光学的検出手段であり、又は
-前記検出手段は機械的検出手段である。
【0041】
実際には、詳細な事項は、いかなる場合にも、採用された解決策の概念の範囲から逸脱することなく、したがって、本特許によって提供される保護の範囲内において、記載されかつ図示された個々の要素に従って変化し得る。