(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】マルチビーム構成のための電力制御フレームワーク
(51)【国際特許分類】
H04W 52/18 20090101AFI20220228BHJP
H04W 52/14 20090101ALI20220228BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220228BHJP
【FI】
H04W52/18
H04W52/14
H04W16/28
(21)【出願番号】P 2019560677
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2018080159
(87)【国際公開番号】W WO2018201818
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2019-11-08
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン-チェン・チェン
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0126530(US,A1)
【文献】特開2015-050575(JP,A)
【文献】国際公開第2013/140434(WO,A1)
【文献】InterDigital Communications,On Power Control Processes for Multi Beam Transmission in NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705515,2017年04月07日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705515.zip>
【文献】InterDigital Communications,Power Control for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1705437,2017年04月07日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705437.zip>
【文献】3GPP;Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);Physical layer procedures (Release 13),3GPP TS 36.213 V13.5.0,2017年03月,pp.13-21,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp//Specs/archive/36_series/36.213/36213-d50.zip>
【文献】ZTE, ZTE Microelectronics,Discussion on UL power control for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1704418,2017年04月07日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1704418.zip>
【文献】Intel Corporation,On UL Power Control[online],3GPP TSG RAN WG1 #88b R1-1704740,2017年04月07日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1704740.zip>
【文献】CATT,PUSCH Power Control In Multi-Beam Configuration[online],3GPP TSG RAN WG1 #89 R1-1707529,2017年05月06日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707529.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法であって、前記方法は、ユーザー機器(UE)によって実施可能であり、前記方法では、
基準信号の受信電力を測定し、
基準信号の受信電力を次世代ノードB(gNB)からのダウンリンク送信電力と比較することにより、ダウンリンクパス損失を計算し、
前記gNBからパラメーターを取得し、および
以下の式に基づいて、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用して、サービングセルcのPUSCH送信のPUSCH送信電力P
PUSCH,c(i, j) を決定し、
【数1】
ここで、P
CMAX,c(i)は、前記PUSCH送信周期iの前記サービングセルcのために構成されたUE送信電力であり、M
PUSCH,c(i)はPUSCH送信周期iのリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースに対して割り当てられた帯域幅であり、P
O_PUSCH,c(j)はセル固有の公称成分P
O_NOMINAL_PUSCH,c(j)とUE固有の成分P
O_UE_PUSCH,c(j)の合計のターゲット電力を含むターゲット電力であり、α
c(j)はスケーリング係数であり、PL
cはダウンリンク(DL)パス損失であり、Δ
TF, c(i)は異なるタイプのトラフィックのUE固有のパラメーターであり、およびf
c(i)は前記PUSCH送信周期iのPUSCH電力制御調整状態であ
り、
前記方法ではさらに、前記PUSCH送信のUL多元接続方式を決定し、および
前記UL多元接続方式に基づいて、前記ターゲット電力P
O_PUSCH, c
(j)の前記公称成分P
O_NOMINAL_PUSCH, c
(j)の値を設定し、
スケジュールに基づいた直交多元接続(SB-OMA)、非直交多元接続(NOMA)およびグラントフリー多元接続(GRMA)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項2】
numerology調整係数δ
scsを次のように計算し、
【数2】
ここで、SCS
conf は、前記PUSCH送信のため構成されたサブキャリア間隔であり、SCS
default はデフォルトのサブキャリア間隔であり、および
前記numerology調整係数δ
scsを追加のパラメーターとして利用して、次のように前記PUSCH送信電力を決定することを特徴とする請求項1に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【数3】
【請求項3】
前記PUSCH送信の信頼性要件を決定し、および
前記信頼性要件に基づいて、前記ターゲット電力P
O_PUSCH, c(j)内のUE固有の成分P
O_UE_PUSCH, c(j)の値を設定することを特徴とする請求項1に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項4】
要件は、超高信頼性低遅延通信(URLLC)および拡張移動帯域幅(eMBB)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項5】
ピーク対平均電力比(PAPR)を測定し、
測定された前記PAPRすなわちPAPR
measured、および離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(DFT-S-OFDM)の平均PAPR(すなわちAvg.PAPR
DFT-S-OFDM)に基づいて、次のようにバックオフ係数を計算し、および
【数4】
前記バックオフ係数Δ
B,c(j)を追加のパラメーターとして利用して、前記送信電力を次のように決定することを特徴とする請求項1
から4のいずれか一項に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【数5】
【請求項6】
マルチビーム構成内の複数の検出されたビームのうちの1つのビームmの個々のダウンリンク(DL)パス損失PL
c,mを取得し、ここで、
【数6】
およびMは前記複数の検出されたビームの数であり、および
前記DLパス損失PL
cを次のように計算し、
【数7】
ここで、PL
c,Rは基準パス損失であり、
【数8】
ここで、βは上位層により構成されたビーム間の相関係数であり、かつ
【数9】
であることを特徴とする請求項1
から5のいずれか一項に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項7】
マルチビーム構成内の複数の検出されたビームのうちの1つのビームmの個々のダウンリンク(DL)パス損失PL
c,mを取得し、ここで、
【数10】
であり、およびMは前記複数の検出されたビームの数であり、および
複数のパス損失の共同受信の最適化に基づいて、前記DLパス損失PL
cを計算することを特徴とする請求項1
から6のいずれか一項に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項8】
前記DLパス損失PL
cは、すべての個々のDLパス損失の最小値
【数11】
として計算されることを特徴とする請求項
7に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項9】
前記DLパス損失PL
cは、すべての個々のDLパス損失の最大値
【数12】
として計算されることを特徴とする請求項
7に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項10】
前記DLパス損失PL
cは、すべての個々のDLパス損失的重み付き組み合わせ
【数13】
として計算されることを特徴とする請求項
7に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法。
【請求項11】
1つまたは複数のプロセッサーと、
命令を保存するメモリとを備え、
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、ユーザー機器に以下のように実行させ、
基準信号の受信電力を測定し、
基準信号の受信電力を次世代ノードB(gNB)からのダウンリンク送信電力と比較することにより、ダウンリンクパス損失を計算し、
前記gNBからパラメーターを取得し、および
以下の式に基づいて、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用して、サービングセルcのPUSCH送信のPUSCH送信電力P
PUSCH,c(i, j) を決定し、
【数14】
ここで、P
CMAX,c(i)は、前記PUSCH送信周期iの前記サービングセルcのために構成されたUE送信電力であり、M
PUSCH,c(i)はPUSCH送信周期iのリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースに対して割り当てられた帯域幅であり、P
O_PUSCH,c(j)はセル固有の公称成分P
O_NOMINAL_PUSCH,c(j)とUE固有の成分P
O_UE_PUSCH,c(j)の合計のターゲット電力を含むターゲット電力であり、αc(j)はスケーリング係数であり、PL
cはダウンリンク(DL)パス損失であり、Δ
TF, c(i)は異なるタイプのトラフィックのUE固有のパラメーターであり、およびf
c(i)は前記PUSCH送信周期iのPUSCH電力制御調整状態であ
り、
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、ユーザー機器に以下のように実行させ、
前記PUSCH送信のUL多元接続方式を決定し、および
前記UL多元接続方式に基づいて、前記ターゲット電力P
O_PUSCH, c
(j)の前記公称成分P
O_NOMINAL_PUSCH, c
(j)の値を設定することを特徴とする物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するためのユーザー機器(UE)。
【請求項12】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、ユーザー機器に以下のように実行させ、
numerology調整係数δ
scsを次のように計算し、
【数15】
ここで、SCS
conf は、前記PUSCH送信のため構成されたサブキャリア間隔であり、SCS
default はデフォルトのサブキャリア間隔であり、および
前記numerology調整係数δ
scsを追加のパラメーターとして利用して、次のように前記PUSCH送信電力を決定することを特徴とする請求項
11に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するためのユーザー機器(UE)。
【数16】
【請求項13】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、ユーザー機器に以下のように実行させ、
前記PUSCH送信の信頼性要件を決定し、および
前記信頼性要件に基づいて、前記ターゲット電力P
O_PUSCH, c(j)内のUE固有の成分P
O_UE_PUSCH, c(j)の値を設定することを特徴とする請求項
11または請求項12に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するためのユーザー機器(UE)。
【請求項14】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、ユーザー機器に以下のように実行させ、
ピーク対平均電力比(PAPR)を測定し、
測定された前記PAPRすなわちPAPR
measured、および離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(DFT-S-OFDM)の平均PAPR(すなわちAvg.PAPR
DFT-S-OFDM)に基づいて、次のようにバックオフ係数を計算し、および
【数17】
前記バックオフ係数Δ
B,c (j)を追加のパラメーターとして利用して、前記送信電力を次のように決定することを特徴とする請求項
11から請求項13のいずれか一項に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するためのユーザー機器(UE)。
【数18】
【請求項15】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、ユーザー機器に以下のように実行させ、
マルチビーム構成内の複数の検出されたビームのうちの1つのビームmの個々のダウンリンク(DL)パス損失PL
c,mを取得し、ここで、
【数19】
およびMは前記複数の検出されたビームの数であり、および
前記DLパス損失PL
cを次のように計算し、
【数20】
ここで、PL
c,Rは基準パス損失であり、
【数21】
ここで、βは上位層により構成されたビーム間の相関係数であり、かつ
【数22】
であることを特徴とする請求項
11から請求項14のいずれか一項に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するためのユーザー機器(UE)。
【請求項16】
前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、ユーザー機器に以下のように実行させ、
マルチビーム構成ないの複数の検出されたビームのうちの1つのビームmの個々のDLパス損失PL
c,mを取得し、ここで、
【数23】
およびMは前記複数の検出されたビームの数であり、および
複数のパス損失の共同受信の最適化に基づいて、前記DLパス損失PL
cを計算することを特徴とする請求項
11から請求項15のいずれか一項に記載の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するためのユーザー機器(UE)。
【請求項17】
送受信機と、前記送受信機を制御するコントローラーとを備え、
前記コントローラーは、命令を保存するメモリと、1つまたは複数のプロセッサーとを備え、前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサーによって実行されると、前記コントローラーに以下の動作を実行させ、
基準信号を含む信号をユーザー機器(UE)に送信し、および
以下の式に基づいて、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用して、サービングセルcのPUSCH送信のPUSCH送信電力P
PUSCH,c(i, j)を決定するためのパラメータを前記ユーザー機器にシグナリングし、
【数24】
ここで、P
CMAX,c(i)は、前記PUSCH送信周期iの前記サービングセルcのために構成されたUE送信電力であり、M
PUSCH,c(i)はPUSCH送信周期iのリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースに対して割り当てられた帯域幅であり、P
O_PUSCH,c(j)はセル固有の公称成分P
O_NOMINAL_PUSCH,c(j)とUE固有の成分P
O_UE_PUSCH,c(j)の合計のターゲット電力を含むターゲット電力であり、αc(j)はスケーリング係数であり、PL
cダウンリンクパス損失であり、Δ
TF, c(i)は異なるタイプのトラフィックのUE固有のパラメーターであり、およびf
c(i)は前記PUSCH送信周期iのPUSCH電力制御調整状態であ
り、
前記コントローラーはさらに、前記PUSCH送信のUL多元接続方式を決定し、および
前記UL多元接続方式に基づいて、前記ターゲット電力P
O_PUSCH, c
(j)の前記公称成分P
O_NOMINAL_PUSCH, c
(j)の値を設定し、
スケジュールに基づいた直交多元接続(SB-OMA)、非直交多元接続(NOMA)およびグラントフリー多元接続(GRMA)のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする通信システムにおける、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力的の決定を容易にするための基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月5日に米国特許商標庁に提出された仮出願番号62/502,424であり、発明名称が「マルチビーム構成のための電力制御フレームワーク」との米国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、一般に、送信電力制御に関し、特に、マルチビーム構成における物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)電力制御に関する。
【背景技術】
【0003】
アップリンク(UL)電力制御は、受信ポイントでの所望のサービス品質(Quality of Service,QoS)を満たすように送信電力を設定し、隣接する受信ポイントへの干渉を最小限に抑えることを目的とする。マルチビーム構成では、複数の受信ポイントが存在する場合がある。したがって、リンク適応ゲインのために、UL送信電力をターゲット受信ポイントに適応させる必要がある。LTE(Long Term Evolution)移動体通信ネットワークの送信電力制御の一般原則は、特定のサービスのターゲット信号対干渉およびノイズ比(Signal to Interference and Noise Ratio,SINR)、UL送信帯域幅、サービングセルへのダウンリンク(Downlink,DL)パス損失、上位層で構成されたパラメータによるフラクショナル電力制御、異なるトランスポート・フォーマット(たとえば、アップリンク制御情報(Uplink Control Information,UCI))の調整、および閉ループ電力補正などの要因を考慮する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
5Gの新しい無線(New Radio,NR)通信ネットワークは、ビーム固有の電力制御用のビーム固有の開ループパラメータと閉ループパラメータを定義することができる。5Gの新しい無線ネットワークの次世代ノードB(gNB)は、ユーザ機器(User Equipment,UE))をさまざまな波形用に構成できる場合、さまざまな波形に対してさまざまな電力ヘッドルームを取得することもできる。したがって、5G新しい無線(New Radio,NR)通信ネットワークおけるビーム固有の電力制御の原理には、マルチビーム構成に追加の変数を含める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための方法を提供する。前記方法はユーザ機器(UE)により実現される。前記方法では、基準信号の受信電力を測定し、基準信号の受信電力を次世代ノードB(gNB)からのダウンリンク送信電力と比較することにより、ダウンリンクパス損失を計算し、前記gNBからパラメータを取得し、および以下の式に基づいて、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用して、サービングセルcのPUSCH送信のPUSCH送信電力PPUSCH,c(i, j)を決定し、
【0006】
【0007】
ここで、PCMAX,c(i)は、前記PUSCH送信周期iの前記サービングセルcのために構成されたUE送信電力であり、MPUSCH,c(i)はPUSCH送信周期iのリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースに対して割り当てられた帯域幅であり、PO_PUSCH,c(j)はセル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)とUE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j)の合計のターゲット電力を含むターゲット電力であり、αc(j)はスケーリング係数であり、PLcはダウンリンク(DL)パス損失であり、ΔTF, c(i)は異なるタイプのトラフィックのUE固有のパラメータであり、およびfc(i)は前記PUSCH送信周期iのPUSCH電力制御調整状態である。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記方法では、numerology調整係数δ
scsを次のように計算し、
【数2】
ここで、SCS
confは、前記PUSCH送信のため構成されたサブキャリア間隔であり、SCS
defaultはデフォルトのサブキャリア間隔であり、および前記numerology調整係数δ
scsを追加のパラメータとして利用して、次のように前記PUSCH送信電力を決定し、
【0009】
【0010】
いくつかの実施形態では、前記方法では、さらに、前記PUSCH送信の信頼性要件を決定し、および前記信頼性要件に基づいて前記ターゲット電力PO_PUSCH, c(j)内のUE固有の成分PO_UE_PUSCH, c(j)の値を設定する。いくつかの実施形態では、前記信頼性要件は、超高信頼性低遅延通信(URLLC)と拡張移動帯域幅(eMBB)のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記方法では、さらに、前記PUSCH送信のUL多元接続(multiple access)方式を決定し、および前記UL多元接続方式に基づいて、前記ターゲット電力PO_PUSCH, c(j)の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH, c(j)の値を設定する。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記多元接続方式は、スケジュールに基づいた直交多元接続(SB-OMA)、非直交多元接続(NOMA)およびグラントフリー多元接続(GRMA)のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記方法では、さらに、ピーク対平均電力比(PAPR)を測定し、測定された前記PAPR(すなわち、PAPRmeasured)、および離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(DFT-S-OFDM)の平均PAPR(すなわち、Avg. PAPRDFT-S-OFDM)に基づいて、次のようにバックオフ係数ΔB,c(j)を計算し、および
【0014】
【0015】
前記バックオフ係数ΔB,c
(j)を追加のパラメータとして利用して、前記送信電力を次のように決定する。
【0016】
【0017】
いくつかの実施形態では、前記方法では、さらに、マルチビーム構成内の複数の検出されたビームのうちの1つのビームmの個々のダウンリンク(DL)パス損失PL
c,mを取得し、ここで、
【数6】
およびMは前記複数の検出されたビームの数であり、および前記DLパス損失PL
cを次のように計算し、
【数7】
ここで、PL
c,Rは基準パス損失であり、
【数8】
ここで、βは上位層により構成されたビーム間の相関係数であり、かつ
【数9】
である。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記方法では、さらに、マルチビーム構成内の複数の検出されたビームのうちの1つのビームmの個々のダウンリンク(DL)パス損失PL
c,mを取得し、ここで、
【数10】
およびMは前記複数の検出されたビームの数であり、および複数のパス損失の共同受信の最適化に基づいて、前記ダウンリンク(DL)パス損失PL
cを計算する。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記ダウンリンクパス損失PL
cは、すべての個々のDLパス損失の最小値
【数11】
として計算される。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記DLパス損失PL
cは、すべての個々のDLパス損失の最大値として計算される
【数12】
【0021】
いくつかの実施形態では、前記DLパス損失PL
cは、すべての個々のDLパス損失的重み付き組み合わせとして計算される
【数13】
【0022】
本発明他の態様は、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するためのユーザ機器を提供し、前記ユーザ機器は、1つまたは複数のプロセッサと、命令を保存するメモリとを備え、前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、ユーザ機器に以下のように実行させ、基準信号の受信電力を測定し、基準信号の受信電力を次世代ノードB(gNB)からのダウンリンク送信電力と比較することにより、ダウンリンクパス損失を計算し、前記gNBからパラメータを取得し、および以下の式に基づいて、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用して、サービングセルcのPUSCH送信のPUSCH送信電力PPUSCH ,c(i, j)を決定する:
【0023】
【0024】
ここで、PCMAX,c(i)は、前記PUSCH送信周期iの前記サービングセルcのために構成されたUE送信電力であり、MPUSCH,c(i)はPUSCH送信周期iのリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースに対して割り当てられた帯域幅であり、PO_PUSCH,c(j)はセル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)とUE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j)の合計のターゲット電力を含むターゲット電力であり、αc(j)はスケーリング係数であり、PLcはダウンリンク(DL)パス損失であり、ΔTF, c(i)は異なるタイプトラフィックのUE固有のパラメータであり、およびfc(i)は前記PUSCH送信周期iのPUSCH電力制御調整状態である。
【0025】
本発明の別の態様は、通信システムにおける、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力的の決定を容易にするための基地局を提供し、前記基地局は、送受信機と、前記送受信機を制御するコントローラーとを備え、ここで、前記コントローラーは、命令を保存するメモリと、1つまたは複数のプロセッサを備え、前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記コントローラーに以下の動作を実行させ、基準信号を含む信号をユーザ機器(UE)に送信し、以下の式に基づいて、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用して、サービングセルcのPUSCH送信のPUSCH送信電力PPUSCH ,c(i, j) を決定するためのパラメータを前記ユーザ機器にシグナリングし、
【0026】
【0027】
ここで、PCMAX,c(i)は、前記PUSCH送信周期iの前記サービングセルcのために構成されたユーザ機器(UE)送信電力であり、MPUSCH, c(i)はPUSCH送信周期iのリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースに対して割り当てられた帯域幅であり、PO_PUSCH,c(j)はセル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)とUE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j)の合計のターゲット電力を含むターゲット電力であり、αc(j)はスケーリング係数であり、PLcダウンリンクパス損失であり、ΔTF, c(i)は異なるタイプのトラフィックのUE固有のパラメータであり、およびf
c
(i)は前記PUSCH送信周期iのPUSCH電力制御調整状態である。
【0028】
本明細書に開示されるシステム、方法、および非一時的なコンピュータ可読媒体のこれらおよび他の特徴、ならびに構造の関連要素および部品の組み合わせおよび製造の経済性の動作および機能の方法は、添付図面を参照して以下の説明および添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになり、これらはすべて本明細書の一部を形成し、同様の図面符号は様々な図の対応する部分を示す。しかしながら、図面は、例示および説明のみを目的としており、本発明の制限の定義として意図されていないことを明確に理解されたい。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示および説明のみであり、請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の好ましい非限定的な実施形態は、添付の図面を参照することにより、より容易に理解され得る。
【
図1】本発明の様々な実施形態によるマルチビーム構成におけるアップリンク(UL)電力制御のための例示的な通信システムを示す。
【
図2】マルチビーム構成における例示的なUL適応のブロック図を示す。
【
図3】本発明の様々な実施形態による物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図4】本発明の様々な実施形態による調整係数を利用してPUSCH送信電力を決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図5】本発明の様々な実施形態によるPUSCH送信電力のユーザ機器(UE)固有の成分の値を設定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図6】本発明の様々な実施形態によるPUSCH送信電力の公称成分の値のための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図7】本発明の様々な実施形態によるバックオフ係数を利用してPUSCH送信電力を決定するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図8】本発明の様々な実施形態によるダウンリンク(DL)パス損失を計算するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図9】本発明の様々な実施形態によるダウンリンク(DL)パス損失を計算するための別の例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図10】本明細書で説明される実施形態のいずれかが実施され得る例示的なシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の特定の非限定的な実施形態を図面を参照して説明する。本明細書で開示される任意の実施形態の特定の特徴および態様は、本明細書で開示される任意の他の実施形態の特定の特徴および態様と使用および/または組み合わせられ得ることを理解されたい。また、そのような実施形態は例としてのものであり、本発明の範囲内の少数の実施形態の単なる例示であることも理解されたい。本発明が関係する当業者に明らかな様々な変更および修正は、添付の特許請求の範囲でさらに定義される本発明の精神、範囲および意図の範囲内であるとみなされる。
【0031】
図1は、様々な実施形態によるマルチビーム構成におけるアップリンク(UL)電力制御のための例示的な通信システム100を示す。例示的な通信システム100は、基地局102と、ユーザ機器104A、104B(一括的にかつ個別に104とも呼ばれる)を含み得る。
図1には、1つの基地局102と2つのユーザ機器104A、104Bのみが示されているが、これは単に参照を容易にするためのものであり、限定することを意図したものではない。通信システム100は、複数の基地局102および/または3つ以上のユーザ機器104を有する。通信システム100は、複数の基地局102、および/または3つ以上のユーザ機器104を有してもよい。
図1に示すように、アップリンク(UL)通信1
06A、1
06B、およびダウンリンク(DL)通信1
08A、1
08B(一括的に個別にそれぞれ1
06、1
08とも呼ばれる)は、基地局102とユーザ機器104A、104Bとの間で発生する。
【0032】
いくつかの実施形態では、基地局102は、次世代ノードB(gNB)と呼ばれる、5Gの新しい無線ネットワークをサポートする5Gの次世代基地局である。他の実施形態では、基地局は、ロングタームエボリューション(LTE)移動通信ネットワークをサポートするE-UTRANNodeB(eNB)、3Gユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunications System,UMTS)移動通信ネットワークのNodeB、または2GのGSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)ネットワークno基地トランシーバ局(Base Transceiver Station,BTS)であり得る。したがって、ユーザ機器104は、モバイルブロードバンドアダプタを備えた携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータまたはタブレットなどのユーザデバイス、または上記のネットワークの1つを介した通信をサポートする他のデバイスであり得る。例えば、ユーザ機器104は、5Gの新しい無線ネットワークを介した通信をサポートする携帯電話であってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、基地局102は、送受信機と、UL通信106およびDL通信108を介してユーザ機器104との間で通信信号を送受信するように送受信機を制御するコントローラとを含み得る。いくつかの実施形態では、基地局102およびユーザ機器104は、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリ(たとえば、永久メモリ、一時メモリ)を含み得る。前記(1つまたは複数の)プロセッサは、メモリに格納された機械可読命令を解釈することにより、さまざまな操作を実行するように構成できる。基地局102およびユーザ機器104は、他のコンピューティングリソースを含むことができ、および/または他のコンピューティングリソースへのアクセス(例えば、1つまたは複数の接続/ネットワークを介した)を有することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、基地局102は、ユーザ機器104が物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定することを容易にするように構成され得る。基地局102は、基準信号を含む信号をユーザ機器104に送信し、ユーザ機器104は、当該基準信号を利用して基準信号の受信電力を測定し、基準信号の受信電力に基づいてダウンリンク(DL)パス損失を計算する。さらに、基地局102は、PUSCH電力を決定するためのパラメータをユーザ機器104にシグナリングしてもよい。例えば、基地局102は、以下で詳細に説明される式に従ってPUSCH電力を決定するためのパラメータをユーザ機器104にブロードキャストすることができる。
【0035】
図1に示されるように、ユーザ機器104A、電力制御モジュール112Aを含み、ユーザ機器104Bは、電力制御モジュール112B(112A、112Bは一括的にかつ個別に112とも呼ばれる)を含む。電力制御モジュール112A、112Bは、マルチビーム構成においてアップリンク(UL)電力制御を実行するように構成され得る。たとえば、は、特定のリンクの部分パス損失を補償するようにUL送信電力を設定して、ターゲット号対干渉およびノイズ比(SINR)を達成し、隣接する受信ポイントへの干渉を最小限に抑えることができる。電力制御モジュール112は、複数の要因またはパラメータ、例えば、UL送信帯域幅、特定のサービスのターゲットSINR、サービングセルへのダウンリンク(DL)パス損失、上位層で構成されたパラメータによるフラクショナル電力制御に基づいて、異なるトランスポート・フォーマット(たとえば、UCIなど)の調整、および閉ループ電力補正など)のため、UL送信電力を決定してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、電力制御モジュール112は、基準信号の受信電力を測定し、当該基準信号の受信電力に基づいてダウンリンク(DL)パス損失を計算する。また、電力制御モジュール112は、基地局102からパラメータを取得することができる。電力制御モジュール112は、以下の式に基づいて、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用して、サービングセルcのPUSCH送信のPUSCH送信電力PPUSCH,c(i, j) を決定する:
【0037】
【0038】
ここで、PCMAX,c(i)は、前記PUSCH送信周期iの前記サービングセルcのために構成されたユーザ機器(UE)送信電力であり、MPUSCH,c(i)はPUSCH送信周期iのリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースに対して割り当てられた帯域幅であり、PO_PUSCH,c(j)はセル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)とUE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j)の合計のターゲット電力を含むターゲット電力であり、αc(j)はスケーリング係数であり、PLcダウンリンクパス損失であり、ΔTF, c(i)は異なるタイプのトラフィックのUE固有のパラメータであり、およびf
c
(i)は前記PUSCH送信周期iのPUSCH電力制御調整状態である。
【0039】
いくつかの実施形態では、電力制御モジュール112は、PUSCH送信電力を決定するための別のパラメータとしてnumerology調整係数を計算するように構成され得る。他の実施形態では、基地局102は、numerology調整係数を決定し、それをユーザ機器104にシグナリング(例えば、ブロードキャスト)する。通信システム100は、周波数分割多重または時分割多重化(FDMまたはTDM)において、異なるnumerologyおよび混合numerologyの操作をサポートする。1つの物理リソースブロック(Physical Resource Block,PRB)は、システム100がどのnumerologyを使用するかに関係なく、周波数で12のリソース要素(Resource Element,RE)を含む。デフォルトのサブキャリア間隔とは異なるサブキャリア間隔でUL送信が構成されている場合、PUSCHリソースの帯域幅は、サブキャリア間隔の増減に比例して増減する。したがって、異なるnumerologyを反映する調整係数を使用して、PUSCH送信電力を調整することができる。たとえば、サブキャリア間隔がデフォルトのサブキャリア間隔と異なる場合、numerology調整係数はゼロ以外の値になるように計算されます。具体的には、さまざまなnumerologyのnumerology調整係数は、次のように定義できる:
【0040】
【0041】
ここで、δscsはnumerology調整係数を示し、SCSconfはPUSCH送信のために構成さたサブキャリア間隔である。およびSCSdefaultは初期アクセスでの物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel,PRACH)のデフォルトのサブキャリア間隔である。
【0042】
電力制御モジュール112は、numerology調整係数δscsを追加のパラメータとして利用して、次のようにPUSCH送信電力を決定することができる:
【0043】
【0044】
いくつかの実施形態では、電力制御モジュール112は、PUSCH送信の信頼性要件を決定し、信頼性要件に基づいて送信電力の対応する成分を設定するように構成され得る。他の実施形態では、基地局102は、PUSCH送信の信頼性要件を決定し、PUSCH送信電力を決定するための信頼性要件を記述する情報をユーザ機器104にシグナリング(例えば、ブロードキャスト)することができる。通信システム100は、例えば、超高信頼性低遅延通信(URLLC)、拡張移動帯域幅(eMBB)など、異なる信頼性要件を備えたサービスをサポートすることができる。したがって、ターゲットSINRは、異なる信頼性要件を備えるサービスに対して異なるように設定され得る。送信電力の1つの要素-ターゲット電力PO_PUSCH,c(j) は、ターゲットSINRに基づいて設定され、セル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)およびUE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j)を含む。セル公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j) は、セル固有の動作の電力設定、たとえばランダムアクセスチャネル(Random Access Channel,RACH)Msg3電力に指定される。UE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j) は、UE固有の動作、たとえば半永続的スケジュール(Semi-Persistent Scheduled,SPS)再送信に基づいて、異なるターゲットSINRを反映するために使用される。したがって、UE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j)は、異なる値に設定されて、異なる信頼性要件、例えばURLLC、eMBBを伴うサービスをサポートすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、電力制御モジュール112は、PUSCH送信のUL多元接続方式を決定し、決定されたUL多元接続方式に基づいてPUSCH送信電力の対応する成分を設定するように構成され得る。他の実施形態では、基地局102は、PUSCH送信のUL多元接続方式を決定し、決定されたUL多元接続方式をユーザ機器104にシグナリング(例えば、ブロードキャスト)することができる。通信システム100は、異なるUL多元接続方式(たとえば、スケジュールに基づいた直交多元接続(SB-OMA)、非直交多元接続(NOMA)、グラントフリー多元接続(GRMA)など)をサポートすることができる。異なる多元接続方式の干渉レベルは異なる。したがって、ターゲット電力PO_PUSCH,c(j) 設定は、ターゲットSINRを満たすために、各多元接続方式の干渉レベルに適合させることができる。多元接続方式はセル固有の動作であるため、ターゲット電力PO_PUSCH,c(j)のセル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)を異なる値に設定して、異なる多元接続方式の異なる干渉レベルに適合させる。
【0046】
いくつかの実施形態では、電力制御モジュール112は、ピーク対平均電力比(PAPR)を測定し、測定されたPAPRに基づいてバックオフ係数を計算するように構成され得る。バックオフ係数は、PUSCH送信電力を決定するためにさらに使用できる。他の実施形態では、基地局102は、PAPRを決定し、それをユーザ機器104にシグナリング(例えば、ブロードキャスト)することができる。通信システム100は、サイクリックプレフィックス直交周波数分割多重(Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing,CP-OFDM)および離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重(Discrete Fourier Transform-spread-Orthogonal Frequency Division Multiplexing,DFT-S-OFDM)ベースの波形をサポートする。通信システム100は、少なくとも、最大40GHzのeMBBアップリンクの場合、両方をサポートする。最大40GHzのeMBBアップリンクで少なくとも両方をサポートします。CP-OFDMおよびDFT-S-OFDMベースの波形は、異なるPAPR値を持つ場合がある。高いPAPRを使用したCP-OFDM波形の最大電力は、信号歪みなしで両方の波形に対してUEリニアアンプ(Linear Amplifier,LNA)を操作する要因により、バックオフする場合がある。たとえば、バックオフ係数ΔB,c(j)は、測定されたPAPR(すなわち、PAPRmeasured)およびDFT-S-OFDMの平均PAPR(すなわち、Avg.PAPRDFT-S-OFDM)の差異に基づいて決定される。具体的には、バックオフ係数ΔB,c(j) は次のように計算できる:
【0047】
【0048】
バックオフ係数ΔB,c(j)を追加のパラメータとして利用して以下のようにPUSCH送信電力を決定する:
【0049】
【0050】
いくつかの実施形態では、電力制御モジュール112は、マルチビーム構成で複数の検出されたビームの中で各ビームの個々のDLパス損失を取得するように構成され得る。次に、式(1)のDLパス損失PL
c関数を適宜決定できる。他の実施形態では、基地局102は、個々のDLパス損失を取得し、それをユーザ機器104にシグナリング(例えば、ブロードキャスト)することができる。マルチビーム構成では、ユーザ機器104は、検出閾値を超える1つ以上のDLビームを検出することができる。アイドルモード(IDLE)では、ユーザ機器104は、初期アクセスのためにDLビームを選択してもよい。接続モード(CONNECTED)では、ユーザ機器104は、DLデータサービスの最良のチャネル品質で複数の検出されたビームの1つに動的に適応する場合がある。同様に、ユーザ機器104は、
図2に示されるように、DLまたはULビーム対応を有するPUSCH送信のために選択されたDLビームと動的に関連付けられてもよい。
図2は、マルチビーム構成における例示的なUL適合200のブロック図を示している。ビーム固有の電力制御のために、通信システム100は、ビーム固有の開ループパラメータおよび閉ループパラメータを定義してもよい。電力制御モジュール112は、マルチビーム構成でPUSCH送信電力を決定する際にUL適応を考慮してもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、DLパス損失関数「PL」_cは、「PL」_(c、m)として示される複数の測定された個々のDLパス損失に関連付けられ得る。個々のパス損失PLc,mは、サービングセルcのM個の検出されたビームのビームmから測定できます。ここで、m∈{1,2、……、M}であり、およびMは、複数の検出されたビームの数である。閉ループ電力補正係数f_c(i)が累積されない場合、DLパス損失関数PLcは、個々パス損失PLc,mに設定される。閉ループ電力補正係数f_c(i)が以前のものから累積される場合、閉ループ電力制御は、リンク品質適応のために単一の無線チャネルを適応させるために動作する場合がある。そのため、DLリンク損失関数PLcは、参照リンクとして選択されたビームの単一のパス損失に従うように設定できる。任意のDLビームmのUL動的リンク適応のDLパス損失関数PLcは、基準パス損失および基準リンクのパス損失と比較したビームmのパス損失の追加のパス損失偏差に基づいて計算され得る。たとえば、DLパス損失PLcは次のように計算できる:
【0052】
【0053】
ここで、PL
c,Rは基準パス損失であり、
【数22】
ここで、βは上位層により構成されたビーム間の相関係数であり、かつ
【数23】
である。
いくつかの実施形態では、DLまたはULビームの対応がほとんどまたは全くない状態で複数のビームが構成される場合、各ビームは各TRPから送信される。
図2に示されるように、UL送信は、複数の受信ポイントまたはビームで受信され得る。DLパス損失関数PL
cは、複数の測定された個々のDLパス損失{PL
c,1,PL
c,2,……,PL
c,M,}の共同受信の最適化として定義することができる。協調セット内の複数の受信ポイントまたはビームを共同受信するための電力制御は、ターゲットSINRを達成し、協調セット内にない隣接ビームへの干渉を最小限に抑える。したがって、DLパス損失関数PL
cの最適化は、次のように定義できる:
【0054】
【0055】
ここで、パス損失補償は、すべての個々のDLパス損失測定の最小値に基づいている。共同受信のこの最適化は、少なくとも1つの受信ポイントまたはビームを確保してパス損失補償に必要な電力を達成し、協調セットにない他の受信ポイントまたはビームへの干渉を最小限に抑えるためである。他の受信ポイントまたはビームで受信した信号は、最大比合成(Maximum Ratio Combining,MRC MRC)後のエンハンスメントである場合がある。
【0056】
いくつかの実施形態では、適切な電力補償を得てターゲットSINRを達成するために各受信ポイントまたはビームを保証するために、共同受信の別の最適化は複数の測定個別DLパスパスの最大値であり得る。たとえば、共同受信の最適化は次のように計算できる:
【0057】
【0058】
いくつかの実施形態では、共同受信の別の最適化は複数の測定された個々のDLパス損失の重み付き組み合わせであり、以下のように示される:
【0059】
【0060】
ここで、重み付き係数
【数27】
は、一部の受信ポイントまたはビームへのバイアス補正、または、上位層による一部の受信ポイントまたはビームへのバイアス補正と同等である。
【0061】
いくつかの実施形態では、電力制御モジュール112は、PUSCH送信電力を決定するために上述の要因のいずれか1つまたはすべてを使用するように構成されてもよい。たとえば、PUSCH送信電力PPUSCH,c(i, j) は次のように計算できる:
【0062】
【0063】
上記のように、ΔB,c(j)は、PUSCH送信周期iにおいて、インデックスjを持つパラメータセット構成を使用する、サービングセルcの動作波形(CP-OFDMおよびDFT-S-OFDMべーすの波形)のバックオフ係数PCMAX,c(i)である。j=0の場合、ΔB,c(j)は、DFT-S-OFDMべーすの波形の測定されたPAPRのバックオフ係数である。j=1の場合、ΔB,c(j)は、構成されたCP-OFDM波形の測定されたPAPRのバックオフ係数である。MPUSCH,c(i)は、PUSCH送信周期iでリソースブロックの数で表されるPUSCHリソースリソース割り当ての帯域幅である。
【0064】
また、δscsは、周期iの構成されたPUSCH送信のnumerologyがデフォルトのnumerologyと異なる場合のnumerology調整係数である。ターゲット電力PO_PUSCH,c(j)のセル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j) は、上位層によって提供されてもよい。同様に、j=0および1の場合、ターゲット電力PO_PUSCH,c(j)のUE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j) は、上位層によって提供されてもよい。具体的には、セル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j) は次のように構成できる:j=0の場合、PO_NOMINAL_PUSCH,c(j) はSB-OMAに関連付けられたターゲットSINRに基づいて設定できる。j=1の場合、PO_NOMINAL_PUSCH,c(j) はGRMAに関連付けられたターゲットSINRに基づいて設定できる。j=2の場合、PO_NOMINAL_PUSCH,c(j) は、NOMAに関連付けられたターゲットSINRに基づいて設定できる。UE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j) は、次のように構成できる:j=0の場合、PO_UE_PUSCH,c(j)は、eMBBサービスの信頼性要件、および、サービス品質(QoS)クラス識別子(QoS Class Identifier,QCI)に関連付けられたターゲットSINRに基づいて設定できる。j=1の場合、PO_UE_PUSCH,c(j) は、URLLCサービスの信頼性要件、および、QCIインデックスに関連付けられたターゲットSINRに基づいて設定できる。
【0065】
また、α
c(j)は、上位層により構成されたフラクショナル電力制御のスケーリング係数である。マルチビーム構成では、DLパス損失関数PL
cは、動的リンクアダプテーションまたは共同受信をサポートするように、構成される。動的リンク適応の場合、DLパス損失関数PL
cは次のように定義できる:j=0の場合、閉ループ電力補正係数f_c(i)が累積されない場合、PL
cは、検出されたビーム内のターゲットビームmの個々のDLパス損失PL
c,mとして定義できる。j=1の場合、閉ループ電力補正係数fc(i) が累積されると、参照リンクのおよび望みリンクのDLパス損失の偏差に基づいてPL
cを定義する。たとえば、
【数29】
であり、ここで、PL
c,Rは基準DLパス損失である。
【数30】
ここで、βは上位層により構成されたビーム間の相関係数であり、かつ
【数31】
である。複数の受信ポイントまたはビームでの共同受信について、
【0066】
【0067】
ここで、重み付き係数
【数33】
は、選択された受信ポイントまたはビームへのバイアス補正、または、上位層による、選択された受信ポイントまたはビームへのバイアス補正と同等である。
【0068】
また、Δ
TF, c(i)は、異なるタイプのトラフィックのUE固有のパラメータ(上位層によって提供されたPUSCH送信場合のUCI)である。成分f
c(i)は閉ループ電力制御のための電力補正である。たとえば、f
c(i) は次のように計算できる:
【数34】
累積が有効でない場合、
【数35】
ここで、δ
PUSCHは、閉ループ電力制御によるダウンリンク制御情報(Downlink Control Information,DCI)で示されるUE固有の補正値である。K
PUSCHはULグラントが受信されたDLスロットに対するシフトである。
【0069】
図3は、本発明の様々な実施形態による物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信電力を決定するための例示的な方法300のフローチャートを示す。方法300は、例えば、
図1の通信システム100を含む様々なシステムで実施されてもよい。以下に提示される方法300の動作は、例示を目的とするものである。実施に応じて、方法300は、さまざまな順序でまたは並行して実行される追加の、より少ない、または代替のステップを含むことができる。方法300は、1つまたは複数のプロセッサを含むさまざまなコンピューティングシステムまたはデバイスで実施することができる。
【0070】
方法300に関して、ブロック310で、基準信号の受信電力が測定され得る。ブロック320で、基準信号の受信電力に基づいてダウンリンク(DL)パス損失を計算することができる。ブロック330で、基地局102、例えば次世代ノードB(gNB)からパラメータを取得することができる。ブロック340で、計算されたDLパス損失および受信されたパラメータに基づいてPUSCH送信電力が決定され得る。例えば、PUSCH送信電力は、式(1)に基づいて決定され得る。
【0071】
図4は、発明の様々な実施形態による調整係数を利用してPUSCH送信電力を決定するための例示的な方法400のフローチャートを示している。方法400は、例えば、
図1の通信システム100を含む様々なシステムで実施されてもよい。以下に提示される方法400の動作は、例示を目的とするものである。実施に応じて、方法400は、様々な順序でまたは並行して実行される追加の、より少ない、または代替のステップを含むことができる。方法400は、1つまたは複数のプロセッサを含む様々なコンピューティングシステムまたはデバイスで実施され得る。
【0072】
ブロック410で、numerologyに基づいてnumerology調整係数を計算することができる。たとえば、numerology調整係数は、式(2)に基づいて計算できる。ブロック420において、numerology調整係数は、PUSCH送信電力を決定するための追加のパラメータとして利用され得る。例えば、PUSCH送信電力は、式(3)に従って決定され得る。
【0073】
図5は、本発明の様々な実施形態によるPUSCH送信電力のユーザ機器(UE)固有の成分の値を設定するための例示的な方法500のフローチャートを示している。方法500は、例えば、
図1の通信システム100を含む様々な環境で実施されてもよい。以下に提示される方法500の動作は、例示を目的とするものである。実施に応じて、方法500は、様々な順序でまたは並行して実行される追加の、より少ない、または代替のステップを含むことができる。方法500は、1つまたは複数のプロセッサを含む様々なコンピューティングシステムまたはデバイスで実施され得る。
【0074】
方法500に関して、ブロック510で、PUSCH送信の信頼性要件が決定され得る。ブロック520において、決定された信頼性要件に基づいて、ターゲット電力におけるUE固有のコンポーネントの値が設定され得る。例えば、次のように、決定された信頼性要件に基づいて式(1)内のターゲット電力PO_PUSCH,c(j)のUE固有の成分PO_UE_PUSCH,c(j)の値を設定することができる。たとえば、j=0の場合、PO_UE_PUSCH,c(j)は、eMBBサービスの信頼性要件およびQCIインデックスに関連付けられたターゲットSINRに基づいて設定することができる。j=1の場合、PO_UE_PUSCH,c(j)は、URLLCサービスの信頼性要件およびQCIインデックスに関連付けられたターゲットSINRに基づいて設定することができる。
【0075】
図6は、本発明の様々な実施形態によるPUSCH送信電力の公称成分の値のための例示的な方法600のフローチャートを示している。方法600は、例えば、
図1の通信システム100を含む様々な環境で実施されてもよい。以下に提示される方法600の動作は、例示を目的とするものである。実施に応じて、方法600は、様々な順序でまたは並行して方法600は、1つまたは複数のプロセッサを含む様々なコンピューティングシステムまたはデバイスで実施され得る。実行される追加の、より少ない、または代替のステップを含むことができる。
【0076】
ブロック610において、PUSCH送信のUL多元接続方式を決定することができる。ブロック620において、UL多元接続方式に基づいてターゲット電力の公称成分の値を設定することができる。たとえば、セル固有の公称成分PO_NOMINAL_PUSCH,c(j) は、次のように構成できる:j=0の場合、PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)は、B-OMAに関連されたターゲットSINR基づいて設定できる。j=1の場合、PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)は、GRMAに関連されたターゲットSINR基づいて設定できる。j=2の場合、PO_NOMINAL_PUSCH,c(j)は、NOMAに関連されたターゲットSINR基づいて設定できる。
【0077】
図7は、例示的な方法700のフローチャートを示す。方法700は、例えば、
図1の通信システム100を含む様々な環境で実施されてもよい。以下に提示される方法700の動作は、例示を目的とするものである。実施に応じて、方法700は、様々な順序でまたは並行して実行される追加の、より少ない、または代替のステップを含むことができる。方法700は、1つまたは複数のプロセッサを含む様々なコンピューティングシステムまたはデバイスに実施されてもよい。
【0078】
ブロック710において、ピーク対平均電力比(PAPR)を測定することができる。ブロック720において、測定されたPAPRおよびDFT-S-OFDMの平均PAPRに基づいてバックオフ係数を計算する。たとえば、式(4)でバックオフ係数ΔB,c(j)を計算する。ブロック730において、式(5)でバックオフ係数ΔB,c(j)を追加のパラメータとして利用して、PUSCH送信電力を決定する。
【0079】
図8は、本発明の様々な実施形態によるダウンリンク(DL)パス損失を計算するための例示的な方法800のフローチャートを示している。方法800は、例えば、
図1の通信システム100を含む様々な環境で実施されてもよい。以下に提示される方法800の動作は、例示を目的とするものである。実施に応じて、方法800は、様々な順序でまたは並行して実行される追加の、より少ない、または代替のステップを含んでもよい。方法800は、1つまたは複数のプロセッサを含む様々なコンピューティングシステムまたはデバイスに実施され得る。
【0080】
ブロック810において、マルチビーム構成内の複数の検出されたビームのうちの1つのビームの個々のパス損失を取得することができる。ブロック820において、基準パス損失および追加の偏差に基づいて、DLパス損失PLcを計算する。たとえば、式(6)でDLパス損失PLcを計算する。
【0081】
図9は、本発明の様々な実施形態によるダウンリンク(DL)パス損失を計算するための別の例示的な方法900のフローチャートを示す。方法
900は、例えば、
図1の通信システム100を含む様々な環境で実施されてもよい。以下に提示される方法900の動作は、例示を目的とするものである。実施に応じて、方法900は、さまざまな順序でまたは並行して実行される追加の、より少ない、または代替のステップを含むことができる。方法900は、1つまたは複数のプロセッサを含む様々なコンピューティングシステムまたはデバイスに実施され得る。
【0082】
ブロック910において、方法800と同様に、マルチビーム構成内の複数の検出されたビームのうちの1つのビームの個々のパス損失を取得する。ブロック920において、複数のビームの共同受信の最適化に基づいてDLパス損失PL
cを計算する。たとえば、DLパス損失PL
c関数は、式(7)、(8)または(9)に従って、複数の測定された個々のDLパス損失
【数36】
の共同受信の最適化として定義できる。
【0083】
図10は、本明細書で説明される実施形態のいずれかが実施され得るシステム1000の例示のブロック図を示す。システム1000は、様々なデバイス、例えば、ユーザ機器104(モバイルブロードバンドアダプタを備えた携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータまたはタブレット、または対応するネットワークを介した通信をサポートする他のデバイスなど)、または基地局102の一部(5Gの新しい無線をサポートするgNB、LTEネットワークをサポートするeNB、3G UMTS通信ネットワークのノードB、または2G GSM(登録商標)ネットワークのBTSなど)として実装され得る。
【0084】
システム1000は、情報を通信するためのバス1002、または他の通信機構、情報を処理するためにバス1002に結合された1つまたは複数のハードウェアプロセッサ1004を含む。(1つまたは複数の)ハードウェアプロセッサ1004は、例えば、1つ以上の汎用マイクロプロセッサ、1つ以上の中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)などであり得る。例えば、システム1000は、携帯電話またはセンサとして実施され得、プロセッサ(1つまたは複数)1004は、携帯電話またはセンサの様々な機能を制御するように構成され得る。
【0085】
システム1000はバス1002に結合されたメインメモリ1006(ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、キャッシュおよび/または他の動的記憶装置)も含む。メインメモリ1006は、(1つまたは複数の)プロセッサ1004によって実行される情報および命令を格納するためにも使用され得る。メインメモリ1006は、また、(1つまたは複数の)プロセッサ1004によって実行される命令の実行中の一時変数または他の中間情報を格納するためにも使用され得る。そのような命令は、(1つまたは複数の)プロセッサ1004にアクセス可能な記憶媒体に格納されると、システム1000は、命令で指定された操作を実行するためにカスタマイズされた特殊用途のマシンになる。システム1000は、(1つまたは複数の)プロセッサ1004に対する静的情報および命令を記憶するために、バス1002に結合された読み取り専用リ(Read Only Memory,ROM)1008または他の静的記憶装置をさらに含む。磁気ディスク、光ディスク、または、USBサムドライブ(フラッシュドライブ)などの記憶装置1010が提供され、情報と命令を保存するためにバス1002に結合される。
【0086】
システム1000は、カスタマイズされたハードワイヤードロジック、1つ以上のASICまたはFPGA、ファームウェアおよび/またはプログラムロジックを使用して、本明細書に記載の技術を実施することができる。前記ハードワイヤードロジック、1つ以上のASICまたはFPGA、ファームウェアおよび/またはプログラムロジックがコンピュータシステムと組み合わせて、システム1000を特別な機器、または、特別な機器にするように、システム1000をプログラムロジックする。一実施形態によれば、本明細書の技法は、メインメモリ1006に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ1004に応答してシステム1000によって実行される。これらの命令は、他の記憶媒体(たとえば記憶装置1008)からメインメモリ1006に書き込むことができる。メインメモリ1006に含まれる命令シーケンスの実行により、プロセッサ1004は、本明細書で説明されるプロセスステップを実行する。代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用することができる。
【0087】
メインメモリ1006、ROM1008、および/またはストレージ1010は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。本明細書で使用される用語「非一時的メディア」および類似の用語は、マシンを特定の方法で動作させるデータおよび/または命令を格納する任意のメディアを指す。そのような非一時的な媒体は、不揮発性媒体および/または揮発性媒体を含むことができる。不揮発性媒体には、例えば、記憶装置1010などの光学または磁気ディスクが含まれる。揮発性媒体には、メインメモリ1006などの動的メモリが含まれる。不揮発性媒体の一般的に、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスクが含まれるディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、その他の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、その他の光学データ記憶媒体、穴のパターンを持つ物理媒体、RAM、PROM、EPROM、 FLASH-EPROM、NVRAM、その他のメモリチップまたはカートリッジ、およびそれらのネットワークバージョンなどが含まれる。
【0088】
コンピュータ可読媒体は、永続的で揮発性のモバイルおよび不動のメディアを含むことができ、これらは任意の方法または技術を介して情報ストレージを実施できる。情報は、コンピュータで読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータである。コンピュータの記憶媒体の例には、相変化RAM(PRAM)、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、その他の種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)が含まれるが、これらに限定されない)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたはその他のメモリテクノロジー、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)またはその他の光学メモリ、カセット、カセットおよびディスクメモリ、または計算デバイスがアクセス可能な情報を保存するために使用できる、他の磁気メモリデバイスまたはその他の非伝送媒体などが含まれるが、それらに限定しない。したがって、コンピュータ可読媒体は、変調されたデータ信号やキャリアなどの一時的な媒体を除外する場合がある。
【0089】
システム1000は、バス1002に結合された通信インターフェース1018も含む。通信インターフェース1018は、1つ以上のローカルネットワークに接続された1つ以上のネットワークリンクに結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース1018は、サービス統合デジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network,ISDN)カード、衛星チップ、または対応するタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供するモデムであり得る。通信インターフェース1018は、無線通信リンク(例えば、5G、LTE、3G、2G、ラジオ、インターネットなど)を実施してもよい。そのような実施では、通信インターフェース1018は、さまざまな種類の情報を表すデジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号、または光信号を送受信する。
【0090】
システム1000は、I/Oインターフェース1012(例えば、キーボード、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ、スピーカー、マイクなど)をさらに含むことができる。I/Oインターフェース1012は、外部環境からキャプチャされたデータを入力し、および/またはシステム1000からデータを出力することができる。システム1000は、ネットワーク、ネットワークリンク、I/O、インターフェース1012、および通信インターフェース1018を介して、プログラムコードを含むメッセージを送信し、データを受信することができる。インターネットの例では、サーバーは、インターネット、ISP、ローカルネットワーク、および通信インターフェース1018を介して、アプリケーションプログラムの要求されたコードを送信し得る。受信したコードは、(1つまたは複数の)プロセッサ1004がこれらのコードを受信すると実行するが、および/または、後で実行するため、これらのコードを記憶装置1010および/または他の不揮発性記憶装置に記憶させる。
【0091】
システム1000は、電源ユニット1014をさらに含むことができる。電源ユニット1014は、電源回路10141と、システム1000の1つ以上の構成要素に電力を供給するように構成される1つ以上の電池10142(例えば、リチウムイオン電池)を含むことができる。電力回路10141は、システム1000の1つまたは複数の電池10142および電力制御モジュール112に結合することができる。当業者であれば、システム1000電池10142からの電力の供給は、電力回路10141によって調整できることを理解するであろう。電力回路10141は、(1つまたは複数の)プロセッサ1004および/または電力制御モジュール112を介して制御され得る。例えば、システム1000が事前に設定された時間を超えて動作しない場合、電力をほとんどまたはまったく消費しないように、1つ以上のプロセッサ1004は、電力供給を制限し、システム1000をアイドルモードに設定し得る。システム1000を再度動作させると、システム1000を通常のレートで消費電力にアクティブモードに設定でき。別の例では、電力制御モジュール112は、PUSCH送信電力を決定し、決定されたPUSCH送信電力に基づいて信号を送信するように電力ユニット1014を制御し得る。
【0092】
個々のユニットとして示されているが、システム1000の様々なコンポーネントは、システム1000の他のコンポーネントに統合されてもよい。例えば、(1つまたは複数の)プロセッサ1004またはその一部は、メインメモリ1006およびROM1008を備えてもよい。また、通信インターフェース1018は、アンテナおよび電圧整流器などを備えてもよい。
【0093】
特定の操作のパフォーマンスは、単一のマシン内に存在するだけでなく、複数のマシンに展開されるプロセッサ間で分散される。いくつかの例示的な実施形態では、プロセッサまたはプロセッサ実施エンジンは、単一の地理的位置(たとえば、家庭環境、オフィス環境、またはサーバーファーム内)に配置されてもよい。他の例示的な実施形態では、プロセッサまたはプロセッサ実施エンジンは、いくつかの地理的場所にわたって分散されてもよい。
【0094】
前のセクションで説明したプロセス、方法、およびアルゴリズムのそれぞれは、1つまたは複数のコンピュータシステムまたはコンピュータハードウェアを含むコンピュータプロセッサによって実行されるコードモジュールで実施され、完全または部分的に自動化され得る。プロセスおよびアルゴリズムは、アプリケーション固有の回路で部分的または全体的に実装できる。
【0095】
開示された原理の例および特徴が本明細書に記載されているが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、修正、適合、および他の実施が可能である。また、「含む」、「有する」、「含有」、「含まれる」などの言葉やその他の同様の形式は、意味が同等であり、これらの言葉のいずれか1つに続く項目が、そのような1つまたは複数のアイテムの完全なリストであること、またはリストされた1つまたは複数のアイテムのみに限定されることを意味することが意図されている。また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つ」、「当該」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の基準を含むことに留意しなければならない。
【符号の説明】
【0096】
104A ユーザ機器
104B ユーザ機器
112 電力制御モジュール
112A 電力制御モジュール
112B 電力制御モジュール
1002 バス
1004 プロセッサ
1006 メインメモリ
1008 ROM
1010 記憶装置
1012 (1つまたは複数)I/Oインターフェース
1014 電源ユニット
1018 (1つまたは複数)通信インターフェース
10141 電源回路
10142 電池