(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】測量装置、測量方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20220228BHJP
G01S 19/43 20100101ALI20220228BHJP
【FI】
G01C15/00 102C
G01S19/43
(21)【出願番号】P 2020060661
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2020-06-23
【審判番号】
【審判請求日】2021-02-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520111246
【氏名又は名称】ハイウエアエクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】海田 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】神矢 耕次
【合議体】
【審判長】岡田 吉美
【審判官】濱本 禎広
【審判官】中塚 直樹
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第2019-0023471(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第102985790(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109063369(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 15/00
G01S 19/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル線の敷設対象物の場所を測量する測量装置であって、
RTK-GPS測量により、測量者が一の測量点から、もう一方の測量点へ移動したことに応じて連続的にこの間の複数の測量点の緯度、経度、標高を測量する測量手段と、
各測量点間の移動経路を取得する移動経路取得手段と、
取得した移動経路を記録する記録手段と、
測量した前記緯度、経度、標高に基づいて、前記測量点近郊の地図を表示し、当該地図上に、当該測量点を表示するとともに、記録した前記移動経路に基づいて、測量点間を接続した測量線と、当該測量線に沿って、当該測量点間を接続した
ケーブル線とを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする測量装置。
【請求項2】
測量した前記測量点の緯度、経度、標高からなるデータを、当該緯度、経度、標高近郊の地図データであるCAD又はGISシステムで利用可能な形式のデータとして出力する出力手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の測量装置。
【請求項3】
前記表示手段が表示する前記測量点近郊の地図が、CAD又はGISデータであって、
前記表示手段は、前記測量点を前記CAD又はGISデータに表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の測量装置。
【請求項4】
ケーブル線の敷設対象物の場所を測量する測量装置が実行する測量方法であって、
RTK-GPS測量により、測量者が一の測量点から、もう一方の測量点へ移動したことに応じて連続的にこの間の複数の測量点の緯度、経度、標高を測量するステップと、
各測量点間の移動経路を取得するステップと、
取得した移動経路を記録するステップと、
測量した前記緯度、経度、標高に基づいて、前記測量点近郊の地図を表示し、当該地図上に、当該測量点を表示するとともに、記録した前記移動経路に基づいて、測量点間を接続した測量線と、当該測量線に沿って、当該測量点間を接続した
ケーブル線とを表示するステップと、
を備えることを特徴とする測量方法。
【請求項5】
ケーブル線の敷設対象物の場所を測量する測量システムのコンピュータに、
RTK-GPS測量により、測量者が一の測量点から、もう一方の測量点へ移動したことに応じて連続的にこの間の複数の測量点の緯度、経度、標高を測量するステップ、
各測量点間の移動経路を取得するステップ、
取得した移動経路を記録するステップ、
測量した前記緯度、経度、標高に基づいて、前記測量点近郊の地図を表示し、当該地図上に、当該測量点を表示するとともに、記録した前記移動経路に基づいて、測量点間を接続した測量線と、当該測量線に沿って、当該測量点間を接続した
ケーブル線とを表示するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共用施設、上下水道(例えば、マンホール、管路)、プロパンガスの位置、高速道路電灯や電柱等の野外の建築物の場所を測量する測量装置、測量方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、野外の建築物について、その正確な場所を把握するために、この場所の正確な緯度、経度を計測したいというニーズがある。
【0003】
例えば、電柱の場所を正確に把握することは、電柱を利用してケーブル等を敷設する業者にとって重要である。そこで、GPS(Global Positioning System)付のスマートフォンにインストールされた地図アプリケーションを用い、対象物である電柱の場所を計測することが行われている。これは、スマートフォンを携帯したユーザが、対象物の位置まで移動し、GPSにより場所を記録するものである(非特許文献1参照)。
【0004】
また、RTK(Real Time Kinematic)-GPSによる測量も知られている。これは、既知の基準点の緯度、経度、標高に基づいて、基準点から離れた測量点を基準点からの補正により、複数の衛星によって位置を正確に測量するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】[令和2年2月27日検索]、インターネット<URL: https://support.apple.com/ja-jp/HT202570>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スマートフォンによる場所の計測は、衛星の位置誤差や電波が大気圏に影響され誤差が生じる等、精度が悪く、より高精度の測量装置が求められている。
【0007】
本発明は、高精度の測量装置、測量方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0009】
本発明は、ケーブル線の敷設対象物の場所を測量する測量装置であって、RTK-GPS測量により、測量者が一の測量点から、もう一方の測量点へ移動したことに応じて連続的にこの間の複数の測量点の緯度、経度、標高を測量する測量手段と、
各測量点間の移動経路を取得する移動経路取得手段と、
取得した移動経路を記録する記録手段と、
測量した前記緯度、経度、標高に基づいて、前記測量点近郊の地図を表示し、当該地図上に、当該測量点を表示するとともに、記録した前記移動経路に基づいて、測量点間を接続した測量線と、当該測量線に沿って、当該測量点間を接続したケーブル線とを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする測量装置を提供する。
【0010】
本発明によれば、ケーブル線の敷設対象物の場所を測量する測量装置は、RTK-GPS測量により、測量者が一の測量点から、もう一方の測量点へ移動したことに応じて連続的にこの間の複数の測量点の緯度、経度、標高を測量し、各測量点間の移動経路を取得し、取得した移動経路を記録し、測量した前記緯度、経度、標高に基づいて、前記測量点近郊の地図を表示し、当該地図上に、当該測量点を表示するとともに、記録した前記移動経路に基づいて、測量点間を接続した測量線と、当該測量線に沿って、当該測量点間を接続したケーブル線とを表示する。
【0011】
本発明は、測量装置のカテゴリであるが、方法及びプログラム等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高精度の測量装置、測量方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、測量システム1の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、測量システム1の全体構成図である。
【
図3】
図3は、測量装置100が実行する第1の測量点表示処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】
図4は、測量装置100が実行する第2の測量点表示処理のフローチャートを示す図である。
【
図5】
図5は、測量装置100が実行する第2の測量点表示処理のフローチャートを示す図である。
【
図6】
図6は、詳細データの入力画面の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、測量装置100が出力するデータの一例を模式的に示した図である。
【
図8】
図8は、測量結果表示画面の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0015】
[測量システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である測量システム1の概要を説明するための図である。測量システム1は、測量装置100から構成され、野外の建築物の場所を測量するコンピュータシステムである。
【0016】
なお、測量システム1は、自身の周囲360度撮影可能な撮影装置、測量装置100が各種データを出力するコンピュータ、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、測量システム1は、測量装置1と含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組み合わせにより、後述する各処理を実行することになる。
【0017】
測量装置100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末や、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末、据置型パソコンやノートパソコン等のパーソナルコンピュータであり、上述した撮影装置、コンピュータ、その他の端末や装置類等と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータの送受信や各種処理を実行する。
【0018】
測量装置100は、RTK-GPS測量により、測量点の緯度、経度、標高を測量する。
【0019】
例えば、測量装置100は、RTK-GPS測量により、既知の基準点の緯度、経度、標高に基づいて、ユーザが測量する測量点を基準点からの補正により、複数の衛星によってこの測量点の緯度、経度、標高を測量する。このとき、この測量点の緯度や経度や標高、測量点の詳細データ(例えば、電柱である場合、番号等の識別子、種別、位置、高圧、低圧、トランス、開閉器、この測量点近郊の画像や識別子の番号や場所の画像や全周の画像)を併せて記録する構成も可能である。
【0020】
測量装置100は、測量した緯度、経度、標高に基づいて、測量点近郊の地図を表示し、この地図上に、今回測量した測量点を表示する。
【0021】
例えば、測量装置100は、自身にインストールされた地図アプリケーションにより、測量点近郊の地図を自身の表示部等に表示し、この地図上に、測量点を示すマーカやアイコン等を重畳させて表示することにより、測量した測量点を地図上に表示する。
【0022】
なお、測量装置100は、測量した測量点の緯度、経度、標高からなる測量データを、この測量データ近郊の地図データであるCAD(Computer-Aided Design)又はGIS(Geographic Information System)システムで利用可能な形式のデータとして出力する構成も可能である。
【0023】
また、測量装置100は、CAD又はGISデータにより作成された地図を自身の表示部等に表示し、この地図上に、測量点を示すマーカやアイコン等を重畳させて表示することにより、測量した測量点を地図上に表示する構成も可能である。
【0024】
また、測量装置100は、測量者が一の測量点から、もう一方の測量点へ移動したことに応じて、連続的にこの間の測量を行い、連続的に測量された測量点を測量線として表示し、この測量線に沿って、測量点間を接続した線を表示する構成も可能である。この場合、測量装置100は、測量線に沿った直線や曲線や不規則な曲線、多角形等を、測量点間を接続した線として表示することになる。また、測量点が、ケーブル敷設対象物である場合、測量線に沿って、ケーブル敷設対象物間に敷設するケーブルを接続した線として表示することになる。
【0025】
次に、測量システム1が実行する処理の概要について説明する。
【0026】
はじめに、測量装置100は、RTK-GPS測量により、測量点の緯度、経度、標高を測量する(ステップS01)。
【0027】
測量装置100は、上述したRTK-GPS測量により、この測量点の緯度、経度、標高を測量する。
【0028】
測量装置100は、測量した緯度、経度、標高に基づいて、測量点近郊の地図を表示し、この地図上に、今回測量した測量点を表示する(ステップS02)。
【0029】
測量装置100は、自身にインストールされた地図アプリケーションにより、測量点近郊の地図を自身の表示部に表示し、この地図上に上述したマーカやアイコン等を重畳させて表示することにより、測量した測量点を地図上に表示する。また、測量装置100は、CAD又はGISデータにより作成された地図上に、上述したマーカやアイコン等を重畳させて表示することにより、測量した測量点を地図上に表示する。
【0030】
以上が、測量システム1が実行する処理の概要である。
【0031】
[測量システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である測量システム1のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の好適な実施形態である測量システム1のシステム構成を示す図である。
図2において、測量システム1は、測量装置100から構成され、野外の建築物の場所を測量するコンピュータシステムである。
【0032】
なお、測量システム1は、上述した撮影装置、コンピュータ、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、測量システム1は、測量装置1と含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組み合わせにより、後述する各処理を実行することになる。
【0033】
測量装置100は、上述した通り、携帯端末や、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ等であり、上述した撮影装置、コンピュータ、その他の端末や装置類等と公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータの送受信や各種処理を実行する。
【0034】
測量装置100は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、測量装置100は、記録部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、測量装置100は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0035】
測量装置100において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記録部と協働して、記録モジュール130を実現する。また、測量装置100において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、測量モジュール140、入力受付モジュール141、出力モジュール142、移動経路取得モジュール143、測量終了判断モジュール144、表示モジュール145を実現する。
【0036】
[第1の測量点表示処理]
図3に基づいて、測量システム1が実行する第1の測量点表示処理について説明する。
図3は、測量装置100が実行する第1の測量点表示処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0037】
測量モジュール140は、RTK-GPS測量により、測量点の緯度、経度、標高を測量データとして測量する(ステップS10)。ステップS10において、測量モジュール140は、上述したRTK-GPS測量により、測量点の緯度、経度、標高を測量データとして測量する。
【0038】
測量モジュール140が、RTK-GPS測量によりこの測量データを測量する場合、測量装置100が、GPSのみによりこの測量データを測量する場合と比較して、より正確に測量することが可能となる。
【0039】
また、測量装置100は、RTK-GPS測量により、この測量データを測量することにより、現場で所定の誤差(例えば、2センチ)で測量をしながら、後述するCAD図面入力を簡素化することが可能となる。すなわち、RTK-GPS測量を行うことにより、実際の地点の誤差を2.0cm程度に抑制することが可能となる。
また、測量装置100は、RTK-GPS測量により、目標物が無くても2点測定でこの2点間の距離を測定することが可能となる。また、測量装置100は、RTK-GPS測量により、世の中にある全てのものを測量し、全ての座標系の地図に反映することが可能となる。また、測量装置100は、RTK-GPS測量により、1年間を通すと、必ず複数回、現地に複数人が足を運んでいるので、現地測量を他の作業のついでに行うことが可能となる。また、測量装置100は、RTK-GPS測量により、ペーパーレスにより業務の手戻りをなくすことが可能となる。また、測量装置100は、RTK-GPS測量により、複数の業務を掛け持ちすることが容易となり、業務時間削減が可能となる。
【0040】
入力受付モジュール141は、測量点の詳細データの入力を受け付ける(ステップS11)。ステップS11において、詳細データは、上述した通り、測量点が電柱である場合、番号等の識別子、種別、位置、高圧の有無、低圧の有無、トランスの有無、開閉器の有無、敷設物を敷設する部位の地上高、敷設物位置上下の間隔、他社敷設物敷設状況、全体の画像、識別子の画像、位置の画像、全周の画像等である。入力受付モジュール141は、ユーザからの入力、コンピュータ等に記録されたデータベース等からの取得、自身が有する撮影装置による撮影、データ通信可能に接続された撮影装置による撮影等することにより、この詳細データの入力を受け付ける。
【0041】
なお、測量点が電柱以外の建築物である場合、入力受付モジュール141は、この建築物に対応するデータを詳細データとして入力を受け付けることになる。
【0042】
図6に基づいて、入力受付モジュール141が入力を受け付ける詳細データについて説明する。
図6は、詳細データの入力画面の一例を模式的に示す図である。
図6において、入力受付モジュール141は、入力画面200を自身の表示部等に表示し、ユーザからの入力を受け付ける。この入力画面200は、測量点である電柱の緯度、経度、標高の測量結果を表示する測量表示欄210、上述した詳細データの入力を受け付ける詳細データ入力欄220により構成される。測量表示欄210は、測量モジュール140が測量した結果が表示される。この測量表示欄210において、度単位として、緯度及び経度として、所定の種類(例えば、WGSS84、JDG2000、JDG2011、TOKYO)の中から、一又は複数を選択して表示可能である。また、cm単位として、上述した所定の種類の其々に対する19座標系の内、一又は複数を選択して表示可能である。詳細データ入力欄は、上述した各データや画像の入力を受け付ける。
【0043】
このようにすることにより、業種によって使用する座標系が異なっていても、詳細データの表示が可能となる。
【0044】
記録モジュール130は、測量点の測量結果及び測量点の詳細データを記録する(ステップS12)。ステップS12において、記録モジュール130は、この測量結果と、詳細データとを対応付けて記録する。
【0045】
出力モジュール142は、測量した測量点の緯度、経度、標高からなる測量データを、この測量データ近郊の地図であるCAD又はGISシステムで利用可能な形式のデータとして出力する(ステップS13)。ステップS13において、出力モジュール142は、記録した測量点の測量結果を、CAD又はGISシステムで利用可能な形式のデータとして、出力する。この結果、出力モジュール142は、測量結果を、CAD又はGISシステムにより作成された地図上に出力することになる。
【0046】
図7に基づいて、出力モジュール142が、出力するデータについて説明する。
図7は、出力モジュール142が出力するデータの一例を模式的に示した図である。
図7において、出力モジュール142は、CAD又はGISシステムにより作成された地
図300に、測量データを出力した状態である。出力モジュール142は、地
図300に、今回の測量点310を、このCAD又はGISシステムで利用可能な形式のデータとして出力する。この結果、出力モジュール142は、CAD又はGISシステムにより作成された地
図300上に、測量点310を出力することになる。
【0047】
表示モジュール145は、測量した測量点の緯度、経度、標高に基づいて、測量点近郊の地図を表示する(ステップS14)。ステップS14において、表示モジュール145は、CAD又はGISシステムにより作成された地図における、上述したステップS12の処理により記録したこの測量点近郊の地図を表示する。
【0048】
表示モジュール145は、この地図上に、今回測量した測量点を表示する(ステップS15)。ステップS15において、表示モジュール145は、CAD又はGISシステムにより作成された地図における、この測量点の緯度、経度、標高に相当する地図上の位置に、上述したステップS13の処理により出力された測量データを測量点として示すマーカやアイコン等を重畳させて表示する。
【0049】
なお、表示モジュール145は、入力受付モジュール141が、このマーカやアイコン等への入力を受け付けることにより、上述した上述したステップS12の処理により記録した測量点の詳細データを表示してもよい。
【0050】
測量装置100は、上述したステップS14-15の処理を、個別の処理として実行するのではなく、一括の処理として実行してもよい。すなわち、表示モジュール145は、測量した測量点の緯度、経度、標高に基づいて、CAD又はGISシステムにより作成された測量点近郊の地図上に、CAD又はGISシステムで利用可能な形式のデータとして出力された測量点を表示してもよい。
【0051】
以上が、第1の測量点表示処理である。
【0052】
[第2の測量点表示処理]
図4及び
図5に基づいて、測量システム1が実行する第2の測量点表示処理について説明する。
図4及び
図5は、測量装置100が実行する第2の測量点表示処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。なお、上述した処理と同様の処理については、その詳細な説明は省略する。
【0053】
測量モジュール140は、RTK-GPS測量により、測量点の緯度、経度、標高を測量データとして測量する(ステップS20)。ステップS20の処理は、上述したステップS10の処理と同様である。
【0054】
入力受付モジュール141は、測量点の詳細データの入力を受け付ける(ステップS21)。ステップS21の処理は、上述したステップS11の処理と同様である。
【0055】
記録モジュール130は、測量点の測量結果及び測量点の詳細データを記録する(ステップS22)。ステップS22の処理は、上述したステップS12の処理と同様である。
【0056】
移動経路取得モジュール143は、自身の移動経路を取得する(ステップS23)。ステップS23において、移動経路取得モジュール143は、上述したステップS20の処理により測量された一の測量点を始点とし、後述するステップS25の処理により測量するもう一方の測量点を終点とした移動経路を取得する。移動経路取得モジュール143は、自身が有するセンサ類により、この始点から終点までの間の移動経路を取得する。
【0057】
記録モジュール130は、取得した移動経路を記録する(ステップS24)。ステップS24において、記録モジュール130は、始点となった一の測量点と、終点となったもう一方の測量点と、この間の移動経路とを対応付けて記録する。
【0058】
測量モジュール140は、RTK-GPS測量により、測量点の緯度、経度、標高を測量データとして測量する(ステップS25)。ステップS25の処理は、上述したステップS20の処理と同様である。この結果、もう一方の測量点を測量することになる。
【0059】
入力受付モジュール141は、測量点の詳細データの入力を受け付ける(ステップS26)。ステップS26の処理は、上述したステップS21の処理と同様である。
【0060】
記録モジュール130は、測量点の測量結果及び測量点の詳細データを記録する(ステップS27)。ステップSS27の処理は、上述したステップS22の処理と同様である。
【0061】
これらの処理の結果、測量者が一の測量点から、もう一方の測量点へ移動したことに応じて、連続的にこの間の測量を行うことになる。
【0062】
測量終了判断モジュール144は、全ての測量点の測量を終了したか否かを判断する(ステップS28)。ステップS28において、測量終了判断モジュール144は、予め設定された測量点の数を満たしているか否か、予め設定された最後の測量点を測量したか否か、最後に測量した測量点から所定距離以上移動したか否か等に基づいて、この判断を実行する。
【0063】
ステップS28において、測量終了判断モジュール144は、全ての測量点の測量を終了していないと判断した場合(ステップS28 NO)、測量装置100は、上述したステップS23の処理を再度実行する。
【0064】
一方、ステップS28において、測量終了判断モジュール144は、全ての測量点の測量を終了したと判断した場合(ステップS28 YES)、移動経路取得モジュール143は、最後の測量点以後の移動経路の取得を取り止める(ステップS29)。ステップS29において、移動経路取得モジュール143は、最後の測量点を始点とした移動経路を取得していた場合、この移動経路の取得を取り止め、この移動経路を削除する。また、移動経路取得モジュール143は、最後の測量点を始点とした移動経路を取得していない場合、そのまま次の処理を実行する。
【0065】
表示モジュール145は、測量した測量点の緯度、経度、標高に基づいて、測量点近郊の地図を表示する(ステップS30)。ステップS30において、表示モジュール145は、自身にインストールされた地図アプリケーションにより、上述したステップS22の処理及びステップS27の処理により記録した測量点近郊の地図を表示する。なお、この地図は、CAD又はGISデータにより作成されたものであってもよい。
【0066】
表示モジュール145は、この地図上に、今回測量した測量点を表示する(ステップS31)。ステップS31において、表示モジュール145は、上述したステップS22の処理及びステップS27の処理により記録した測量点の緯度、経度、標高に相当する地図上の位置に、測量点を示すマーカやアイコン等を重畳させて表示する。
【0067】
なお、表示モジュール145は、入力受付モジュール141が、このマーカやアイコン等への入力を受け付けることにより、上述した上述したステップS22の処理及びステップS27の処理により記録した測量点の詳細データを表示してもよい。
【0068】
表示モジュール145は、一の測量点と、もう一方の測量点間を接続した測量線を表示する(ステップS32)。ステップS32において、表示モジュール145は、上述したステップS24の処理により記録した移動経路に基づいて、これらの測量点間を接続し、接続した結果を、測量線として表示する。
【0069】
表示モジュール145は、この測量線に沿った測量点間を接続した線を表示する(ステップS33)。ステップS33において、表示モジュール145は、この線として、測量線に沿った直線や曲線や不規則な曲線、多角形等を表示する。測量点がケーブル敷設対象物である場合、この線が、ケーブル敷設対象物間に敷設するケーブルを接続した線として表示されることになる。
【0070】
測量装置100は、上述したステップS30-S33の処理を、個別の処理として実行するのではなく、一括の処理として実行してもよい。すなわち、表示モジュール145は、測量した測量点の緯度、経度、標高に基づいて、測量点近郊の地図を表示し、地図上に、今回測量した測量点を表示するとともに、測量線を表示し、この測量線に沿った線を表示してもよい。
【0071】
図8に基づいて、表示モジュール145が表示する測量点、測量線及び測量線に沿った線について説明する。
図8は、表示モジュール145がこれらを表示した測量結果表示画面の一例を模式的に示す図である。
図8において、表示モジュール145が、測量結果表示画面400を自身の表示部等に表示した状態である。この測量結果表示画面400は、星型のアイコンとして示された複数の測量点410、各測量点410間を繋いだ測量線420が表示されている。測量点410は、測量した場所の地図上における位置を示しており、測量線420は、この測量点410間を其々接続するものである。この測量点410が、ケーブル敷設対象物である場合、この測量線420が、ケーブル敷設対象物間に敷設するケーブルを示すものとなる。線430は、スマートフォン等の端末によるGPS測量の結果を表すものである。
図8に示す通り、端末によるGPS測量のみでは、RTK-GPS測量による測量結果と比較して、実際の地点に対する誤差が広くなってしまう。そのため、実際の地点に対する誤差を抑制するために、RTK-GPS測量が有効となる。
【0072】
なお、表示モジュール145は、入力受付モジュール141が、各測量点410への入力を受け付けることにより、入力を受け付けた測量点410の測量結果及び測量点410の詳細データを表示してもよい。
【0073】
また、測量結果表示画面400は、地図アプリケーションによる地図として示しているが、上述した通り、CAD又はGISデータにより作成された地図であってもよい。この場合、表示モジュール145は、出力モジュール142が、CAD又はGISシステムで利用可能な形式のデータとして出力する測量点410、測量線420を、CAD又はGISデータにより作成された地図上に重畳させて表示することになる。
【0074】
また、表示モジュール145は、入力受付モジュール141が、測量結果表示画面400への入力を受け付けることにより、地図アプリケーションによる地図と、CAD又はGISデータにより作成された地図とを切り替えられるようにしていてもよい。
【0075】
以上が、第2の測量点表示処理である。
【0076】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、単数又は複数のコンピュータからネットワーク経由で提供される(クラウドサービス、SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0078】
1 測量システム、100 測量装置