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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】画像処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/60 20060101AFI20220228BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
H04N1/60
G06T1/00 510
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020512529
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2017114520
(87)【国際公開番号】W WO2019041618
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-02-28
(31)【優先権主張番号】201710760193.4
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 云娜
(72)【発明者】
【氏名】何 健
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 神▲賢▼
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-330299(JP,A)
【文献】特開2001-218078(JP,A)
【文献】米国特許第06823083(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/46-1/62
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理方法であって、前記方法はステップS10~ステップS30を含み、
前記ステップS10において、RGB色空間において、原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第1関数f1 (x)に基づき前記原画像中の前記特定の点AiのRGB色空間における各空間成分に対して伸縮α及び並進βを行い、点A0 (r0, g0, b0)を得て、そして、画像処理の前後において、前記原画像の輝度及び処理済みの輝度が変化しない原則に基づき、α及びβの関係式[数1]を得て、ここでiは自然数であり、前記第1関数はf1 (x)=αx+βであり、
前記ステップS20において、前記RGB色空間において、前記原画像の中から前記特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Siを求め、第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0を得て、
前記ステップS30において、前記S0=1とし、前記点A0 (r0, g0, b0)中のr0, g0, b0の値を求め、max (r0, g0, b0)≦1であれば、前記特定の点Aiに対して前記RGB色空間において画像処理を行い、
max (r0, g0, b0)>1であれば、前記特定の点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行い、
xは前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の前記RGB色空間における各空間成分である方法。
【数1】
【請求項2】
前記原画像中の前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度は[数]であり、
前記第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理して得られる前記処理済みの飽和度は[数]である、請求項1に記載の方法。
【数2】
【数3】
【請求項3】
画像処理の前後において、前記原画像の輝度が変化しないように保持され、S0及びA0 (r0, g0, b0)によって、f1 (x)中のα及びβの値を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記CMY色空間は減色法混色原理に基づく色モデルであり、CMY色空間において第4関数f4 (x)=1-xを利用して前記特定の点Aiに対して画像処理を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
画像処理装置であって、前記装置は画像処理モジュールを含み、
前記画像処理モジュールは、RGB色空間において、原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第1関数f1 (x)に基づき前記原画像中の前記特定の点AiのRGB色空間における各空間成分に対して伸縮α及び並進βを行い、点A0 (r0, g0, b0)を得ることに用いられ、そして、画像処理の前後において、前記原画像の輝度及び処理済みの輝度が変化しない原則に基づき、α及びβの関係式[数4]を得て、ここでiは自然数であり、前記第1関数はf1 (x)=αx+βであり、前記RGB色空間において、前記原画像の中から前記特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Siを求め、第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0を得て、前記点A0 (r0, g0, b0)中のr0, g0, b0の値を求めることに用いられ、
max (r0, g0, b0)≦1の場合、前記特定の点Aiに対して前記RGB色空間において画像処理を行うことに用いられ、
max (r0, g0, b0)>1の場合、前記特定の点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行うことに用いられ、
xは前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の前記RGB色空間における各空間成分である装置。
【数4】
【請求項6】
前記原画像中の前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度は[数]であり、
前記第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理して得られる前記処理済みの飽和度は[数]である、請求項5に記載の装置。
【数5】
【数6】
【請求項7】
画像処理方法であって、前記方法はステップS10~ステップS30を含み、
前記ステップS10において、RGB色空間において、原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第1関数f1 (x)に基づき前記原画像中の前記特定の点AiのRGB色空間における各空間成分に対して伸縮α及び並進βを行い、点A0 (r0, g0, b0)を得て、そして、画像処理の前後において、前記原画像の輝度及び処理済みの輝度が変化しない原則に基づき、α及びβの関係式[数7]を得て、ここでiは自然数であり、前記第1関数はf1 (x)=αx+βであり、
前記ステップS20において、前記RGB色空間において、前記原画像の中から前記特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Siを求め、第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0を得て、
前記ステップS30において、前記S0=1とし、前記点A0 (r0, g0, b0)中のr0, g0, b0の値を求め、max (r0, g0, b0)≦1であれば、前記第2関数f2 (x)を利用して前記特定の点Aiに対して画像処理を行い、
max (r0, g0, b0)>1であれば、第4関数f4 (x)を利用して前記特定の点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行い、
xは前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の前記RGB色空間における各空間成分である方法。
【数7】
【請求項8】
前記原画像中の前記特定の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度は[数]であり、
前記第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理して得られる前記処理済みの飽和度は[数]である、請求項7に記載の方法。
【数8】
【数9】
【請求項9】
画像処理の前後において、前記原画像の輝度が変化しないように保持され、S0及びA0 (r0, g0, b0)によって、f1 (x)中のα及びβの値を得る、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記CMY色空間は減色法混色原理に基づく色モデルであり、ここで、前記第4関数はf4 (x)=1-xである、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理の技術分野に関し、特に画像処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活水準の向上に伴って、求められる電子製品の画面表示効果は高まりつつある。従来技術では、画面の表示効果を向上させるために、通常、画面表示時に画像処理を行い、画像処理過程において、色表示をさらに鮮明にするために、通常、画像の飽和度を調整する必要がある。
【0003】
カラー画像の飽和度強調について、RGB空間内に色域外れの問題がないことを確実にすること及び色相を変化しないように維持することは非常に重要である。通常、カラー画像に対する強調はほとんどHSI又はHSV等の空間に変換して処理するが、処理完了後、RGB空間に変換する時に色域の問題が生じる可能性があり、通常、カットの方式を採用して外れた値を境界値にマッピングすることが一般的であり、その結果、細部ロスを引き起こし、色相の変化が発生する可能性があり、且つ空間変換の方法は計算量が比較的多く、手間がかかり、効率が低い。
【0004】
図1に示すように、カラーRGB画像に対して空間変換方法によって飽和度強調を行うフローチャートであり、まず、処理すべきカラー画像をHSI等の空間に変換し、飽和度値Sを抽出し且つそれに対して所定の方法による飽和度強調f (S)を行い、強調済みの飽和度値f (S)を得て、処理済みのHSIモデルを再びモデル変換式によってRGBモデル空間に変換する。RGBモデル空間を正規化した後、各RGB成分の範囲は0~1であり、HSIモデルによって変換されたRGB成分値が1の色域を超えるという問題があるため、一般的なカット方法によっては、原画像と色相が一致しないことを引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、色域外れにより原画像と色相が一致しない等の問題を解決する画像処理方法を提供する。
【0006】
本発明は画像処理方法を提供し、前記方法はステップS10~ステップS30を含み、前記ステップS10において、第1関数f1 (x)に基づき原画像のRGBの色空間成分点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得て、ここでiは自然数であり、前記ステップS20において、第2関数f2 (x)に基づき原画像中の特定の点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得て、前記ステップS30において、前記f2 (xi)=1とし、点A0 (r0, g0, b0)を求め、max (r0, g0, b0)≦1であれば、点Aiに対して前記RGB色空間において画像処理を行い、max (r0, g0, b0)>1であれば、点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行う。
【0007】
本発明の一好適実施例では、前記ステップS10はステップS11~ステップS12を含み、前記ステップS11において、前記RGB色空間において、前記原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、前記ステップS12において、前記第1関数f1 (x)に基づき前記原画像中の点AiのRGB色空間における各空間成分に対して画像処理を行い、A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得て、前記画像処理とは、前記原画像中の点Aiの前記RGB色空間における各空間成分に対して前記RGB色空間において伸縮α及び並進βを行うことであり、ここで前記第1関数はf1 (x)=αx+βである。
【0008】
本発明の一好適実施例では、前記ステップS20はステップS21~ステップS23を含み、前記ステップS21において、前記RGB色空間において、前記原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、前記ステップS22において、第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Si=f3 (xi)を求め、前記ステップS23において、第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得る。
【0009】
本発明の一好適実施例では、前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度は[数1]であり、第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の彩度Siを処理し、処理済みの彩度[数2]を得る。
【0010】
【数1】
【0011】
【数2】
【0012】
本発明の一好適実施例では、画像処理の前後において、前記原画像の輝度が変化しないように保持され、S0=f2 (xi)及びA0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)の関係式によって、f1 (x)中のα及びβの値を得る。
【0013】
本発明の一好適実施例では、前記CMY色空間は減色法混色原理に基づく色モデルであり、CMY色空間において第4関数f4 (x)=1-xを利用して点Aiに対して画像処理を行い、xは前記点Ai (ri, gi, bi)の前記RGB色空間における各空間成分である。
【0014】
本発明はさらに画像処理装置を提供し、前記装置は画像処理モジュールを含み、前記画像処理モジュールは、第1関数f1 (x)に基づき原画像のRGB色空間の成分点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得ることに用いられ、ここでiは自然数であり、第2関数f2 (x)に基づき原画像中の特定の点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得て、点A0 (r0, g0, b0)を求めることに用いられ、max (r0, g0, b0)≦1の場合、点Aiに対して前記RGB色空間において画像処理を行うことに用いられ、max (r0, g0, b0)>1の場合、点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行うことに用いられる。
【0015】
本発明の一好適実施例では、前記画像処理モジュールは前記原画像中の点Aiの前記RGB色空間における各空間成分に対して前記RGB色空間において伸縮α及び並進βを行うことに用いられ、ここで前記第1関数はf1 (x)=αx+βである。
【0016】
本発明の一好適実施例では、前記画像処理モジュールは第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Si=f3 (xi)を求めることに用いられ、ここで、[数3]であり、前記画像処理モジュールはさらに第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度[数4]を得ることに用いられる。
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
【0019】
本発明はさらに画像処理方法を提案し、前記方法はステップS10~ステップS30を含み、前記ステップS10において、第1関数f1 (x)に基づき原画像のRGB色の空間成分点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得て、ここでiは自然数であり、前記ステップS20において、第2関数f2 (x)に基づき原画像中の特定の点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得て、前記ステップS30において、前記f2 (xi)=1とし、点A0 (r0, g0, b0)を求め、max (r0, g0, b0)≦1であれば、前記第2関数f2 (x)を利用して前記点Aiに対して画像処理を行い、max (r0, g0, b0)>1であれば、第4関数f4 (x)を利用して前記点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行う。
【0020】
本発明の一好適実施例では、前記ステップS10はステップS11~ステップS12を含み、前記ステップS11において、前記RGB色空間において、前記原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、前記ステップS12において、前記第1関数f1 (x)に基づき前記原画像中の点AiのRGB色空間における各空間成分に対して画像処理を行い、A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得て、前記画像処理とは、前記原画像中の点Aiの前記RGB色空間における各空間成分に対して前記RGB色空間において伸縮α及び並進βを行うことであり、ここで前記第1関数はf1 (x)=αx+βである。
【0021】
本発明の一好適実施例では、前記ステップS20はステップS21~ステップS23を含み、前記ステップS21において、前記RGB色空間において、前記原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、前記ステップS22では、第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Si=f3 (xi)を求め、ステップS23において、前記第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得る。
【0022】
本発明の一好適実施例では、前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度は[数5]であり、前記第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度[数6]を得る。
【0023】
【数5】
【0024】
【数6】
【0025】
本発明の一好適実施例では、画像処理の前後において、前記原画像の輝度が変化しないように保持され、S0=f2 (xi)及びA0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)の関係式によって、f1 (x)中のα及びβの値を得る。
【0026】
本発明の一好適実施例では、前記CMY色空間は減色法混色原理に基づく色モデルであり、ここで、前記第4関数はf4 (x)=1-xであり、xは前記点Ai (ri, gi, bi)の前記RGB色空間における各空間成分である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。本発明は画像処理方法及び装置を提案し、原画像が位置する色空間における点をスクリーニングし、色域外に外れた点に対して空間変換を行うことで、色域外れによる画像歪みの問題を効果的に解決し、色相が変化しないことを確実にし、画像の表示効果を向上させ、且つRGB色空間において画像に対して飽和度強調を行い、計算効率を向上させる。
【0028】
実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明における図面は単に発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力をしない前提で、これらの図面に基づきほかの図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は従来技術の画像処理の基本的なフローチャートである。
図2図2は本発明の実施例1における画像処理方法のステップ模式図である。
図3図3は本発明の実施例1における従来技術と本発明とのRGB色空間におけるカラー画像の飽和度強調方法の平面模式図の比較である。
図4図4は本発明の実施例2における従来技術と本発明とのRGB色空間におけるカラー画像の飽和度強調方法の平面模式図の比較である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、各実施例の説明は添付図面を参照して行われ、本発明の実施可能な特定の実施例を例示するために用いられる。本発明に係る方向用語、たとえば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側面」等は、単に添付図面を参照する方向である。従って、使用される方向用語は本発明を説明し及び理解するためのものであり、本発明を限定するためのものではない。図中、構造が類似するユニットは同一符号で示される。
【0031】
本発明は、従来の画像処理方法ではカラー画像をHSI又はHSV等の空間に変換して処理し、さらにRGB空間に変換する時、色域外れによって細部ロス及び色相の変化等の問題を引き起こすことに対して、画像処理方法を提案し、本実施例により当該欠陥を改善しうる。
【0032】
図2に示されるのは本発明の好適実施例1における画像処理方法のステップ模式図であり、前記方法はステップS10~ステップS30を含む。
【0033】
ステップS10では、第1関数f1 (x)に基づき原画像のRGB色空間の成分点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得る。ここでiは自然数である。前記RGB色空間において、原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、前記第1関数f1 (x)=αx+βに基づき前記原画像中の点AiのRGB色空間における各空間成分に対して画像処理を行い、処理済みの点A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得る。前記画像処理とは、前記原画像中の点Aiの前記RGB色空間における各空間成分に対して前記RGB色空間において伸縮α及び並進βを行うことである。
【0034】
ステップS20では、第2関数f2 (x)に基づき原画像中の特定の点Ai (ri, gi, bi)に対して画像処理を行い、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得る。
前記RGB色空間において、原画像の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Si=f3 (xi)を求め、第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得る。
【0035】
ここで、式[数7]、[数8]である。
一方、画像処理の前後において、前記原画像の輝度が変化しないように保持され、S0=f2 (xi)及びA0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)の関係式によって、f1 (x)中のα及びβの値を得る。
【0036】
【数7】
【0037】
【数8】
【0038】
ステップS30では、前記f2 (xi)=1とし、点A0 (r0, g0, b0)を求め、max (r0, g0, b0)≦1であれば、点Aiに対して前記RGB色空間において画像処理を行う。
【0039】
max (r0, g0, b0)>1であれば、点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行う。
【0040】
上記式において、前記f2 (xi)=1とし、点A0 (r0, g0, b0)中のr0, g0, b0の値を求め、求められたr0, g0, b0中の数値の大きさに基づき、前記点Aiに対して画像処理を行う色空間を選択し、max (r0, g0, b0)≦1であれば、第2関数f2 (x)を利用して前記点Aiに対してRGB色空間において画像処理を行い、max (r0, g0, b0)>1であれば、第4関数f4 (x)を利用して前記点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行う。
【0041】
ここで、前記CMY色空間において、変換後の点に対して画像処理を行い、処理完了後、再び第4関数f4 (x)を利用して前記点をCMY色空間からRGB色空間に変換する。
【0042】
前記CMY色空間は減色法混色原理に基づく色モデルであり、ここで、前記f4 (x)=1-xであり、xは前記点Ai (ri, gi, bi)の前記RGB色空間における各空間成分である。
【0043】
たとえば、前記RGB色空間の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、ここでiは自然数であり、前記RGB色空間において処理された後の点をA0 (r0, g0, b0)とする。
【0044】
(1)第1関数f1 (x)=αx+βを利用して点Ai (ri, gi, bi)に対してRGB色空間において伸縮α及び並進βを行い、[表1]の式(1-1)~(1-3)を得る。
【0045】
【表1】
【0046】
(2)画像処理の前後において、原画像の輝度及び処理済みの輝度が変化しない原則に基づき、[表2]の式(1-4)~(1-5)を得る。
【0047】
【表2】
【0048】
[表3]の式(1-1)~(1-5)に基づきα及びβの関係式(1-6)を得る。
【0049】
【表3】
【0050】
(3)第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度を求め、[表4]の式(1-7)を得る。
【0051】
【表4】
【0052】
(4)第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siに対して処理を行い、処理済みの飽和度S0が以下であることが得られる。
【0053】
【表5】
【0054】
従って、式(1-6)及び[表5]の(1-8)に基づきα及びβの値を求めることができる。
【0055】
式(1-8)において、前記f2 (xi)=1とし、点A0 (r0, g0, b0)中のr0, g0, b0の値を求め、求められたr0, g0, b0中の数値の大きさに基づき、前記点Aiに対して画像処理を行う色空間を選択する。
【0056】
max (r0, g0, b0)≦1であれば、第2関数f2 (x)を利用して前記点Aiに対してRGB色空間において画像処理を行い、max (r0, g0, b0)>1であれば、第4関数f4 (x)を利用して前記点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行う。
【0057】
(5)第4関数f4 (x)を利用して点Ai (ri, gi, bi)をCMY色空間において処理することによって、前記CMY色空間中の点Ai (ci, mi, yi)を得て、[表6]の式(1-9)~(1-11)を得る。
【0058】
【表6】
【0059】
(6)第1関数f1 (x)=αx+βを利用して点Ai (ci, mi, yi)に対してCMY色空間において伸縮α及び並進βを行い、処理済みの点A0 (c0, m0, y0)を得る。すなわち、[表7]の式である。
【0060】
【表7】
【0061】
(7)第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0が以下[表8]であることが得られる。
【0062】
【表8】
【0063】
(8)第4関数f4 (x)に基づき前記点A0 (c0, m0, y0)をCMY色空間からRGB色空間に変換する。すなわち、[表9]の式である。
【0064】
【表9】
【0065】
従って、上記方法に基づき原画像中の点に対するスクリーニングを実現でき、外れた点に対して空間変換を行うことによって、色域外れの問題を解決しうる。
【0066】
図3はRGB色空間(0,0,0)~(1,1,1)輝度軸を通った横断面の模式図であり、図中、Sは飽和度であり、f (S)は飽和度強調関数f2 (x)である。
【0067】
ここで、図3Aは従来の飽和度強調方法である。case1は飽和度強調済みのr0, g0, b0が0~1の範囲内にあり、case2は飽和度強調済みのr0, g0, b0の最大値が0~1の範囲を超え、すなわち色域を超える可能性がある。一般には、カット方法によって色域の問題を解決するがあるが、その結果、画像処理の前後における色相の変化を引き起こす可能性がある。
【0068】
図3Bは本特許の改良方法であり、図からわかるように、case2の場合、CMY空間に変換する。このようにして飽和度が0~1の範囲内にあることを確実にすることができ、色域外れの問題が発生することはない。
【0069】
本発明はさらに画像処理装置を提供し、前記装置は画像処理モジュールを含む。
【0070】
まず、前記画像処理モジュールにおいて、原画像が位置するRGB色空間の中から特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、前記第1関数f1 (x)=αx+βに基づき前記原画像中の点AiのRGB色空間における各空間成分に対して画像処理を行い、処理済みの点A0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)を得る。
ここで、前記画像処理とは、前記原画像中の点Aiの前記RGB色空間における各空間成分に対して前記RGB色空間において伸縮α及び並進βを行うことである。
【0071】
次に、前記画像処理モジュールにおいて、原画像が位置するRGB色空間において特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度Si=f3 (xi)を求め、第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0=f2 (xi)を得る。
【0072】
ここで、式[数9]、[数10]である。
一方、画像処理の前後において、前記原画像の輝度が変化しないように保持され、S0=f2 (xi)及びA0 (r0, g0, b0)=f1 (xi)の関係式によって、f1 (x)中のα及びβの値を得る。
【0073】
【数9】
【0074】
【数10】
【0075】
最後に、前記画像処理モジュールにおいて、前記式f2 (xi)=1とし、且つ点A0 (r0, g0, b0)中のr0, g0, b0の値を求め、求められたr0, g0, b0中の数値の大きさに基づき、前記点Aiに対して画像処理を行う色空間を選択する。
【0076】
max (r0, g0, b0)≦1であれば、第2関数f2 (x)を利用して前記点Aiに対してRGB色空間において画像処理を行い、max (r0, g0, b0)>1であれば、第4関数f4 (x)を利用して前記点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行う。
【0077】
ここで、前記CMY色空間において、変換後の点に対して画像処理を行い、処理完了後、再び第4関数f4 (x)を利用して前記点をCMY色空間からRGB色空間に変換する。
【0078】
前記CMY色空間は減色法混色原理に基づく色モデルであり、ここで、前記f4 (x)=1-xであり、xは前記点Ai (ri, gi, bi)の前記RGB色空間における各空間成分である。
【0079】
たとえば、前記RGB色空間において特定の点Ai (ri, gi, bi)を選択し、ここで、iは自然数であり、前記RGB色空間において処理された点をA0 (r0, g0, b0)とする。
【0080】
(1)第1関数f1 (x)=αx+βを利用して点Ai (ri, gi, bi)に対してRGB色空間において伸縮α及び並進βを行い、[表10]の式(2-1)~(2-3)を得る。
【0081】
【表10】
【0082】
(2)画像処理の前後において、原画像の輝度及び処理済みの輝度が変化しない原則に基づき、[表11]の式(2-4)~(2-5)を得る。
【0083】
【表11】
【0084】
式(2-1)~(2-5)に基づき、[表12]のα及びβの関係式(2-6)を得る。
【0085】
【表12】
【0086】
(3)第3関数f3 (x)に基づき前記原画像中の点Ai (ri, gi, bi)の飽和度を求め、[表13]の式(2-7)を得る。
【0087】
【表13】
【0088】
(4)第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0が以下の[表14]であることが得られる。
【0089】
【表14】
【0090】
従って、式(2-6)及び(2-8)に基づきα及びβの値を求めることができる。
【0091】
式(2-8)において、前記f2 (xi)=1とし、点A0 (r0, g0, b0)中のr0, g0, b0の値を求め、求められたr0, g0, b0中の数値の大きさに基づき、前記点Aiに対して画像処理を行う色空間を選択する。
【0092】
max (r0, g0, b0)≦1であれば、第2関数f2 (x)を利用して前記点Aiに対してRGB色空間において画像処理を行い、max (r0, g0, b0)>1であれば、第4関数f4 (x)を利用して前記点AiをCMY色空間内に変換して画像処理を行う。
【0093】
(5)第4関数f4 (x)を利用して点Ai (ri, gi, bi)をCMY色空間において処理し、前記CMY色空間中の点Ai (ci, mi, yi)を得て、[表15]の式(2-9)~(2-11)を得る。
【0094】
【表15】
【0095】
(6)第1関数f1 (x)=αx+βを利用して点Ai (ci, mi, yi)に対してCMY色空間において伸縮α及び並進βを行い、処理済みの点A0 (c0, m0, y0)を得る。すなわち、[表16]の式である。
【0096】
【表16】
【0097】
(7)第2関数f2 (x)に基づき前記原画像の飽和度Siを処理し、処理済みの飽和度S0が以下[表17]であることが得られる。
【0098】
【表17】
【0099】
(8)第4関数f4 (x)に基づき前記点A0 (c0, m0, y0)をCMY色空間からRGB色空間に変換する。すなわち、[表18]である。
【0100】
【表18】
【0101】
従って、上記方法に基づき原画像中の点に対するスクリーニングを実現することができ、外れた点に対して空間変換を行うことによって、色域外れの問題を解決する。
【0102】
図4はRGB色空間(0,0,0)~(1,1,1)の輝度軸を通った横断面の模式図であり、図中、Sは飽和度であり、f (S)は飽和度強調関数f2 (x)である。
【0103】
ここで、図4Aは従来の飽和度強調方法である。case1は飽和度強調済みのr0, g0, b0が0~1の範囲内にあり、case2は飽和度強調済みのr0, g0, b0の最大値が0~1の範囲を超え、すなわち色域を超える可能性がある。一般には、カット方法によって色域の問題を解決することがあり、その結果、画像処理の前後における色相の変化を引き起こす可能性がある。
【0104】
図4Bは本特許の改良方法であり、図からわかるように、case2の場合、CMY空間に変換し、このようにして飽和度が0~1の範囲内にあることを確実にすることができ、色域外れの問題が発生することはない。
【0105】
本発明は画像処理方法及び装置を提案し、前記原画像が位置するRGB色空間における特定の点の各空間成分に対して画像処理を行い、処理結果に基づき原画像が位置するRGB色空間中の点をスクリーニングし、外れた点に対して空間変換を行い、RGB色空間からCMY色空間内に変換して画像処理を行うことで、色域外れによる画像歪みの問題を効果的に解決し、色相が変化しないことを確実にし、画像の表示効果を向上させ、且つRGB色空間において画像に対して飽和度強調を行い、計算効率を向上させる。
【0106】
以上、本発明の好適実施例を以上のように既に開示したが、上記好適実施例は本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱せずに、種々の変更や修飾を行うことができる。従って、本発明の保護範囲は特許請求の範囲により定められる範囲に準じる。
図1
図2
図3
図4