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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】自動保管および回収システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20220228BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
B65G1/00 511J
B65G1/04 555Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020522675
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2018072968
(87)【国際公開番号】W WO2019081092
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】20171698
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】513044245
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アウストルハイム, トロンド
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/121512(WO,A1)
【文献】特表2017-512166(JP,A)
【文献】特開2011-020778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 1/04
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元グリッド(4)と、複数のコンテナ荷役車両(9)とを備える、自動保管および回収システムであって、
前記3次元グリッド(4)は、複数の保管カラム(5)を備え、前記複数の保管カラム(5)の中にコンテナ(6)が、垂直スタック(7)において相互の上に保管され
各コンテナ荷役車両(9)は、コンテナ(6)に取外可能に接続するための持上フレーム(17)を有するンテナ持上デバイス(18)を備え、前記保管カラム(5)からコンテナ(6)を回収し、前記保管カラム(5)の中にコンテナ(6)を保管するため、かつ前記グリッド(4)を横断して前記コンテナ(6)を水平に輸送するために、前記グリッド(4)の最上位におけるレール(10、11)上で動作され、前記自動保管システムは、複数の床要素(21)を備え、各床要素は、コンテナ(6)の垂直スタック(7)の上の保管カラム(5)の上端(22)に配列可能であり、かつ、前記コンテナ(6)の垂直スタック(7)によって支持され、それにより、オペレータ(23)が前記保管カラムの上に立ち得、前記床要素(21)は、前記グリッド(4)内の保管カラム(5)内に配列される直スタック(7)において相互の上に保管され得る、自動保管および回収システム。
【請求項2】
前記床要素(21)のそれぞれは、前記グリッド(4)の前記最上位に配列された車両(9)の使用によって、輸送され、保管カラム(5)の前記上端(22)に配列され得る、請求項1に記載の自動保管および回収システム。
【請求項3】
前記車両は、専用の床要素荷役車両またはコンテナ荷役車両(9)である、請求項2に記載の自動保管および回収システム。
【請求項4】
前記床要素(21)のそれぞれは、前記コンテナ荷役車両(9)の前記持上フレーム(17)に取外可能に接続可能である、請求項1~3のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
【請求項5】
前記床要素(21)のそれぞれは、前記コンテナ(6)の水平周囲に実質的に対応する平周囲を有する、請求項1~4のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
【請求項6】
前記持上フレーム(17)は、前記コンテナ(6)の周囲上部区分(26)および前記床要素(21)の周囲上部区分(27)のうちのいずれかの上の対応する持上フレーム接続要素(25)への取外可能な接続のためのンテナ接続要素(24)を備える、請求項1~5のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
【請求項7】
前記床要素(21)のそれぞれは、コンテナ(6)の垂直スタック(7)の上に配列可能である、請求項1~6のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
【請求項8】
前記床要素(21)は、各保管カラム(5)が前記上端(22)における床要素(21)を特徴とするとき、コンテナ荷役車両(9)が、隣接する保管カラム(5)の区分(28)にわたって通過することが可能であるように配列可能である、請求項1~7のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
【請求項9】
3次元グリッド(4)と、複数のコンテナ荷役車両(9)とを備える動保管および回収システムの最上位に配列される、または前記最上位からアクセス可能な機器へのアクセスを提供する方法であって、
前記3次元グリッド(4)は、複数の保管カラム(5)を備え、前記複数の保管カラム(5)の中にコンテナ(6)が、垂直スタック(7)において相互の上に保管され得
各コンテナ荷役車両(9)は、コンテナ(6)に取外可能に接続するための持上フレーム(17)を有するンテナ持上デバイス(18)を備え、前記保管カラム(5)からコンテナ(6)を回収し、前記複数の保管カラム(5)の中にコンテナ(6)を保管するため、かつ前記グリッド(4)を横断して前記コンテナ(6)を水平に輸送するために、前記グリッド(4)の最上位におけるレール(10、11)上で動作され、前記自動保管システムは、複数の床要素(21)を備え、各床要素は、保管カラム(5)の上端(22)に配列可能であり、それにより、オペレータ(23)が、前記保管カラムの上に立ち得、前記方法は、
-前記グリッド(4)の前記最上位のオペレータ(23)アクセス可能部分と前記機器との間に継続区分(28)を形成する、隣接する保管カラム(5)のセットを識別するステップと、
-通路が、前記グリッドの前記最上位の前記オペレータ(23)アクセス可能部分と前記機器との間に形成されるように、前記隣接する保管カラムのセット内の各保管カラム(5)の前記上端(22)に床要素(21)を配列するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記隣接する保管カラムのセット内の各保管カラム(5)の上端に床要素(21)を配列するステップは、前記グリッドの前記最上位に配列されるなくとも1つの車両によって実施され、好ましくは、前記少なくとも1つの車両は、コンテナ荷役車両(9)である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
要素(21)が前記上端に配列される前に、前記保管カラム(5)がコンテナ(6)で満たされるように、記隣接する保管カラム(5)のうちの1つの中に少なくとも1つのコンテナ(6)を移送するように前記コンテナ荷役車両(9)のうちの少なくとも1つを指向するステップを含む、請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
記隣接する保管カラム(5)のうちの1つの中に少なくとも1つのコンテナ(6)を移送するように前記コンテナ荷役車両(9)のうちの少なくとも1つを指向するステップは、前記継続区分(28)を形成する前記隣接する保管カラム(5)の全てがンテナで満たされるまで繰り返される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
保管カラム(5)の前記上端に配列された前記床要素(21)は、前記保管カラム内の最上コンテナ(6)の上に支持される、請求項9~12のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、自動保管および回収システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景および先行技術)
本出願人のすでに公知のAutoStoreシステムは、保管容器/コンテナが、ある高さまで相互の上にスタックされる、3次元の保管グリッド構造を備える、保管システムである。そのような先行技術によるシステムが、図1に示される。保管システムは、例えば、第NO317366号および第WO2014/090684 A1号に詳細に開示されている。
【0003】
図1は、典型的な先行技術による自動保管および回収システムの骨格構造1を開示し、図2aおよび2bは、そのようなシステムの公知のコンテナ荷役車両を開示する。
【0004】
骨格構造1は、複数の直立部材2と、直立部材2によって支持される、複数の水平部材3とを備える。部材2、3は、典型的には、金属、例えば、押出アルミニウムプロファイルから作製されてもよい。
【0005】
骨格構造1は、その中に保管カラム5、およびコンテナとしても公知である、保管コンテナ6が、相互の上にスタックされ、スタック7を形成する、複数の列に配列される保管カラム5を備える、保管グリッド4を画定する。各保管コンテナ6(または、略して、コンテナ)は、典型的には、複数の製品アイテム(図示せず)を保持してもよく、保管コンテナ6内の製品アイテムは、用途に応じて、同じであってもよい、もしくは異なる製品タイプであってもよい。骨格構造1は、保管コンテナ6のスタック7の水平移動を防止し、コンテナ6の垂直移動を誘導するが、通常、スタックされるとき、保管コンテナ6を別様に支持するものではない。
【0006】
上側水平部材3は、その上にレールシステム8および複数のコンテナ荷役車両9が、保管カラム5から保管コンテナ6を上昇させ、その中に保管コンテナ6を降下させ、また、保管カラム5の上方に保管コンテナ6を輸送するように動作される、保管カラム5の上部を横断してグリッドパターンに配列される、レールシステム8を備える。レールシステム8は、フレーム構造1の上部を横断して第1の方向Xへのコンテナ荷役車両9の移動を誘導するように配列される、平行レール10の第1のセットと、第1の方向Xに対して垂直である、第2の方向Yへのコンテナ荷役車両9の移動を誘導するように、レール10の第1のセットに対して垂直に配列される、平行レール11の第2のセットとを備える(図3参照)。このように、レールシステム8は、その上方でコンテナ荷役車両9が保管カラム5の上方で側方に、すなわち、水平X-Y平面に対して平行である、平面内で移動し得る、グリッドカラム12の上端を画定する。
【0007】
各コンテナ荷役車両9は、車両本体13と、コンテナ荷役車両9の側方移動、すなわち、XおよびY方向への移動を可能にする、ホイールの第1ならびに第2のセット14、15とを備える。図2では、各セットにおける2つのホイールが、視認可能である。ホイールの第1のセット14は、レールの第1のセット10の2つの隣接するレールと係合するように配列され、ホイールの第2のセット15は、レールの第2のセット11の2つの隣接するレールと係合するように配列される。ホイールのセット14、15の一方は、ホイールの第1のセット14および/またはホイールの第2のセット15が、任意のある時間にレール10、11のそれらの個別のセットと係合され得るように、持ち上げられ、降下されることができる。
【0008】
各コンテナ荷役車両9はまた、保管コンテナ6の垂直輸送、例えば、保管カラム5から保管コンテナ6を上昇させ、その中に保管コンテナ6を降下させるための、持上デバイス18(図1および2aに図示せず)を備える。持上デバイス18は、保管コンテナ6に係合するように適合される、持上フレーム(図2aに図示されないが、図2bに17と標識されて示されるものに類似する)を備え、その持上フレームは、車両本体13に対する持上フレームの位置が、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する、第3の方向Zに調節され得るように、車両本体13から降下されることができる。
【0009】
従来のように、および本願の目的のために、Z=1は、グリッド4の最上層、すなわち、レールシステム8のすぐ下にある層を識別し(本願では、レールシステム8は、グリッドの最上位と称される)、Z=2は、レールシステム8の下方の第2の層であり、Z=3は、第3の層である等となる。図1に開示される実施形態では、Z=8は、グリッド4の最下の底部層を識別する。その結果、実施例として、かつ図1に示されるデカルト座標系X、Y、Zを使用して、図1に7’として識別される保管コンテナは、グリッド場所またはセルX=10、Y=2、Z=3を占有すると言われ得る。コンテナ荷役車両9は、層Z=0内を進行すると言われ得、各グリッドカラムは、そのXおよびY座標によって識別されることができる。
【0010】
各コンテナ荷役車両9は、グリッド4を横断して保管コンテナ6を輸送するとき、保管コンテナ6を受容および収容するための、保管コンパートメントまたは空間を備える。保管空間は、例えば、第WO2014/090684A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような、車両本体13内の中心に配列される、空洞を含んでもよい。
【0011】
代替として、コンテナ荷役車両は、第NO317366号(その内容もまた、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるような、片持ち梁構成を有してもよい。
【0012】
コンテナ荷役車両9は、例えば、第WO2015/193278A1号(その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるように、占有面積、すなわち、概して、グリッドカラム12の側方または水平範囲、すなわち、グリッドカラム12のXおよびY方向の範囲に等しい、XおよびY方向のある範囲を有してもよい。代替として、コンテナ荷役車両9は、例えば、第WO2014/090684A1号に開示されるように、グリッドカラム12の側方範囲より大きい、占有面積を有してもよい。
【0013】
レールシステム8は、図3に示されるように、単一のレールシステムであってもよい。代替として、レールシステム8は、図4に示されるように、二重レールシステムであって、したがって、別のコンテナ荷役車両9が、その列に隣接するグリッドカラムの上方に位置付けられる場合でも、コンテナ荷役車両9が、概して、グリッドカラム12の側方範囲に対応する占有面積44を有し、グリッドカラムの列に沿って、XまたはY方向のいずれかに進行することを可能にしてもよい。
【0014】
保管グリッドでは、グリッドカラム12の大部分は、保管カラム5、すなわち、保管コンテナが、スタック状に保管される、グリッドカラムである。しかしながら、グリッドは、通常、保管コンテナを保管するために使用されないが、保管コンテナが、保管コンテナがグリッドの外側からアクセスされる、またはグリッドから外にもしくはその中に移送され得る、アクセスステーション、すなわち、コンテナ荷役ステーションに輸送され得るように、コンテナ荷役車両が、保管コンテナを積み降ろしならびに/もしくは積み込み得る場所を含む、少なくとも1つのグリッドカラムを有する。当技術分野では、そのような場所は、通常、「ポート」と称され、ポートが位置するグリッドカラムは、ポートカラムと称され得る。
【0015】
図1のグリッド4は、2つのポートカラム19と、20とを備える。第1のポートカラム19は、例えば、コンテナ荷役車両9が、アクセスまたは移送ステーション(図示せず)に輸送されるべき保管コンテナを積み降ろし得る、専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポート20カラムは、コンテナ荷役車両9が、アクセスまたは移送ステーションからグリッド4に輸送されている保管コンテナを積み込み得る、専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0016】
図1に開示されるグリッド4内に保管される、保管コンテナ6が、アクセスされるべきとき、コンテナ荷役車両9のうちの1つが、グリッド4内でのその位置から標的保管コンテナを回収し、これを積降ポート19に輸送するように命令される。この動作は、その中に標的保管コンテナが位置付けられる保管カラムの上方のグリッド場所に、コンテナ荷役車両9を移動させることと、コンテナ荷役車両の持上デバイス(図示せず、車両の中心空洞内に内部的に配列されるが、図2bの第2の先行技術による車両の持上デバイス18に類似する)を使用して、保管カラムから保管コンテナを回収することと、積降ポート19に保管コンテナを輸送することとを伴う。第2の先行技術による車両9が、図2bに示され、持上デバイスの一般的設計をより良好に図示する。第2の車両9の詳細が、ノルウェー特許第NO317366号に説明される。先行技術による車両9の両方の持上デバイス18は、保管コンテナへの取外可能な接続のための、持上フレーム17(把持デバイスとも称され得る)の角に近接して接続される、持上バンド16のセットを備える。持上フレーム17(および随意に、接続される保管コンテナ)を上昇または降下させるために、持上バンド16が、巻かれ、コンテナ荷役車両内に配列される、少なくとも1つの回転持上シャフト(図示せず)をオン/オフにする。少なくとも1つの持上シャフトの種々の設計が、例えば、第WO2015/193278 A1号および第PCT/EP2017/050195号に説明される。持上フレームは、保管コンテナに取外可能に接続するための、コンテナ接続要素24と、誘導ピン30とを特徴とする。標的保管コンテナが、スタック7内の深部に位置する、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナが、標的保管コンテナの上方に位置付けられる場合、動作はまた、保管カラムから標的保管コンテナを持ち上げることに先立って、上方に位置付けられた保管コンテナを一時的に移動させることを伴う。時として、当技術分野において「掘削」と称される、このステップは、積降ポート19に標的保管コンテナを輸送するために続いて使用される、同一のコンテナ荷役車両を用いて、または1つまたは複数の他の協働コンテナ荷役車両を用いて実施されてもよい。代替として、または加えて、自動保管および回収システムは、具体的には、保管カラムから保管コンテナを一時的に除去する仕事に専用のコンテナ荷役車両を有してもよい。いったん標的保管コンテナが、保管カラムから除去されると、一時的に除去された保管コンテナは、元の保管カラムの中に再度位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナは、代替として、他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0017】
保管コンテナ6が、グリッド4内に保管されるべきとき、コンテナ荷役車両9のうちの1つが、積込ポート20から保管コンテナを積み込み、これを、これが保管されるべき保管カラムの上方のグリッド場所に輸送するように命令される。保管カラムスタック内の標的位置またはその上方に位置付けられる、任意の保管コンテナが除去された後、コンテナ荷役車両9は、所望される位置に保管コンテナを位置付ける。除去された保管コンテナは、次いで、保管カラムの中に戻るように降下される、または他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0018】
自動保管および回収システムを監視および制御する、例えば、所望される保管コンテナが、コンテナ荷役車両9が、相互と衝突することなく、所望される時間に所望される場所に送達され得るように、グリッド4内の個別の保管コンテナの場所、各保管コンテナ6のコンテンツ、ならびにコンテナ荷役車両9の移動を監視および制御するために、自動保管および回収システムは、典型的には、保管コンテナを追跡し続けるために、コンピュータ化され、データベースを備える、制御システムを備える。
【0019】
上記に説明されるような自動保管および回収システムの問題は、機器が点検を必要とするとき、グリッド上に配列される機器に手動でアクセスすることにおける困難さである。そのような機器は、コンテナ荷役車両、コンテナ荷役車両のための充電ステーション等を含む。例えば、コンテナ荷役車両が、グリッド上にある間に動作を停止した場合、点検要員が、車両に到達するための容易な方法は、存在しない。1つの選択肢は、手動で運転される要員用車両である、点検車両ユニットを使用することである。しかしながら、これらの車両は、使用が煩わしく、オペレータが、グリッド上にいかなる要求される機器を輸送することも可能にするものではない。さらに、点検を必要とする機器を囲繞する面積は、通常、開口保管カラムから構成され、点検作業を少なくとも安全な様式で実施することを困難にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】ノルウェー特許第317366号公報
【文献】国際公開第2014/090684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、グリッド上に配列され、点検を必要とする機器が容易にアクセスされ得る、自動保管および回収システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
(発明の要約)
本発明は、添付される請求項および以下に定義される。
【0023】
第1の側面では、本発明は、3次元グリッドと、複数のコンテナ荷役車両とを備える、自動保管および回収システムを提供し、3次元グリッドは、その中にコンテナが、垂直スタック状に相互の上に保管され得る、複数の保管カラムを備え、各コンテナ荷役車両は、コンテナに取外可能に接続するための持上フレームを有する、コンテナ持上デバイスを備え、保管カラムからコンテナを回収し、その中にコンテナを保管するため、かつグリッドを横断してコンテナを水平に輸送するために、グリッドの最上位におけるレール上で動作され、自動保管システムは、複数の床要素を備え、各床要素は、オペレータが、保管カラムの上に立ち得るように、コンテナの垂直スタックの上の保管カラムの上端に配列可能であり(すなわち、各床要素は、コンテナのスタックによって支持され)、床要素は、グリッド内の保管カラム内に配列される、垂直スタック状に相互の上に保管され得る。代替として、各床要素は、オペレータが、床要素の上に立ち得るように、またはオペレータが、保管カラムの上の床要素上に立ち得るように、保管カラムの上端に配列可能であるものとして定義され得る。言い換えると、床要素は、オペレータが、保管カラムの上のグリッドの最上位に立つことを可能にする。
【0024】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素のそれぞれは、グリッドの最上位に配列される車両の使用によって輸送され、保管カラムの上端に配列されてもよい。車両は、専用の床要素荷役車両(すなわち、コンテナではなく、床要素を取り扱うためのみに好適である車両)、または好ましくは、コンテナ荷役車両であってもよい。好ましくは、床要素は、上側表面を備え、上側表面のレベルが、レールの上側レベルまたはその(わずかに)下方にあるように配列される。
【0025】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素のそれぞれは、コンテナ荷役車両の持上フレームに取外可能に接続可能である。
【0026】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素のそれぞれは、コンテナの水平周囲に実質的に対応する、水平周囲を有する。水平周囲は、床要素が、保管カラムの上端に配列される、レール間に収容されることを可能にする。さらなる実施形態では、各床要素の最大水平寸法は、コンテナの最大水平寸法に実質的に等しい。
【0027】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素は、レールの上側レベルに等しい、またはそのわずかに下方のレベルに床要素の上側表面を配列するように適合される、高さを有する、側壁を備える。
【0028】
自動保管および回収システムのある実施形態では、持上フレームは、コンテナの周囲上部区分および床要素の周囲上部区分のうちのいずれかの上の対応する持上フレーム接続要素への取外可能な接続のための、コンテナ接続要素を備える。周囲上部区分は、周囲端部から内向きに延在する、上部表面の区分を意味することが意図される。
【0029】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素は、コンテナと同一の持上フレーム接続界面を有する。特に、床要素およびコンテナは、持上フレームへの取外可能な接続のための、持上フレーム接続要素を備える。
【0030】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素のそれぞれは、コンテナの垂直スタックの上に配列可能であり、すなわち、床要素が、スタックの上に支持されるようになっている。
【0031】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素のそれぞれは、水平周囲にレール接続要素を備え、レール接続要素は、床要素が、グリッドの最上位に対して所望されるレベルに保持されるように、保管カラムの上端におけるレールに接続することが可能である。設計に応じて、レール接続要素は、床要素が、コンテナより大きい断面を有する、床要素を収容することが可能である断面を有する、専用カラム内に保管されなければならないことを伴い得る。
【0032】
自動保管および回収システムのある実施形態では、床要素は、隣接する保管カラムがそれぞれ、上端における床要素を特徴とするとき、コンテナ荷役車両が、隣接する保管カラムの区分にわたって通過することが可能であるように配列可能である。言い換えると、床要素は、水平レベルに配列可能であり、コンテナ荷役車両が、それらの上方および側を通過することを可能にする。
【0033】
自動保管および回収システムのある実施形態では、コンテナおよび床要素は、形成される通路が、オペレータのために色によって容易に区別可能であるように、異なる、対照的な色を有する。好ましくは、コンテナは、灰色である一方、床要素は、赤色、橙色、青色、または緑色等の、灰色に対して非常に対照的な色である。
【0034】
第2の側面では、本発明は、第1の側面に記載の自動保管および回収システムのための床要素を提供し、床要素は、保管カラム内に収容されるために好適な略長方形の水平周囲を伴う、上側表面を有し、上側表面の周囲上部区分上に配列される、持上フレームへの取外可能な接続のための、持上フレーム接続要素と、持上フレーム上に配列される誘導ピンとの相互作用のための、水平周囲の各角における、カットアウトまたは陥凹とを備える。好ましくは、床要素は、上側表面の2つの平行および/または対向側のそれぞれに、2つの持上フレーム接続要素を備える。床要素は、コンテナの上に支持されるために好適である、下側表面(例えば、底部表面)を有する。
【0035】
上側表面は、好ましくは、改良される把持を提供するように、テクスチャ加工される。
【0036】
床要素のある実施形態では、持上フレーム接続要素は、上側表面内に長方形の孔を備える。
【0037】
ある実施形態では、床要素は、複数のリブのグリッドによって相互接続される、側壁を備える。
【0038】
好ましい実施形態では、上側表面は、側壁を相互接続する複数のリブのグリッドによって、下方から支持される。
【0039】
床要素のある実施形態では、側壁は、水平リブと、複数の垂直リブとを備え、リブは、側壁の外向きに面する側上に配列される。好ましくは、水平リブは、持上フレーム接続要素の上側表面形成部分内の長方形の孔に沿った、長方形の孔を備える。
【0040】
ある実施形態では、床要素は、赤色、橙色、黄色、緑色、および青色、好ましくは、赤色、橙色、ならびに黄色の群から選定される、色を有する。
【0041】
第3の側面では、本発明は、3次元グリッドと、複数のコンテナ荷役車両とを備える、自動保管および回収システムの最上位に配列される、またはそこからアクセス可能な機器へのアクセス、すなわち、オペレータによる手動のアクセスを提供する方法に関し、
3次元グリッドは、その中にコンテナが、垂直スタック状に相互の上に保管され得る、複数の保管カラムを備え、
各コンテナ荷役車両は、コンテナに取外可能に接続するための持上フレームを有する、コンテナ持上デバイスを備え、保管カラムからコンテナを回収し、その中にコンテナを保管するため、かつグリッドを横断してコンテナを水平に輸送するために、グリッドの最上位におけるレール上で動作され、自動保管システムは、複数の床要素を備え、各床要素は、オペレータが、保管カラムの上に立ち得るように、保管カラムの上端に配列可能であり、本方法は、
-グリッドの最上位のオペレータアクセス可能部分と機器との間に継続区分を形成する、隣接する保管カラムのセットを識別するステップと、
-通路が、グリッドの最上位のオペレータアクセス可能部分と機器との間に形成されるように、隣接する保管カラムのセット内の各保管カラムの上端に床要素を配列するステップと
を含む。
【0042】
機器は、例えば、限定ではないが、コンテナ荷役車両、コンテナ荷役車両のための充電ステーション、保管カラム内で立ち往生している保管コンテナ等であってもよい。
【0043】
グリッドのオペレータアクセス可能部分は、例えば、グリッドの最上位の周囲に配列されるプラットフォーム、またはその一部であるプラットフォームによって、オペレータが容易に到達し得る部分である。
【0044】
本方法のある実施形態では、隣接する保管カラムのセット内の各保管カラムの上端に床要素を配列するステップは、グリッドの最上位に配列される、少なくとも1つの車両によって実施され、好ましくは、少なくとも1つの車両は、コンテナ荷役車両である。
【0045】
ある実施形態では、本方法は、保管カラムが、床要素が上端に配列される前に、コンテナで満たされるように、コンテナ荷役車両のうちの少なくとも1つを、隣接する保管カラムのうちの1つの中に少なくとも1つのコンテナを移送するように指向するステップを含む。好ましくは、コンテナ荷役車両のうちの少なくとも1つを、隣接する保管カラムのうちの1つの中に少なくとも1つのコンテナを移送するように指向するステップは、隣接する保管カラムの全てが、コンテナで満たされるまで繰り返される。
【0046】
本方法のある実施形態では、保管カラムの上端に配列される床要素は、保管カラム内に収容される最上コンテナの上に支持され、すなわち、床要素は、保管カラム内に収容される、コンテナのスタックの上に支持される。
【0047】
本方法のある実施形態では、保管システムは、第1の側面の実施形態の特徴のうちのいずれかを備えてもよい。
【0048】
本発明のある実施形態では、隣接する保管カラムの継続区分は、少なくとも部分的にアクセスされるべき機器の周囲に延在する。このように、本方法は、機器へのアクセスだけではなく、オペレータが少なくとも部分的に機器の周囲を移動し得る、作用表面も提供する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
3次元グリッド(4)と、複数のコンテナ荷役車両(9)とを備える、自動保管および回収システムであって、
前記3次元グリッド(4)は、その中にコンテナ(6)が、垂直スタック(7)状に相互の上に保管され得る、複数の保管カラム(5)を備え、
各コンテナ荷役車両(9)は、コンテナ(6)に取外可能に接続するための持上フレーム(17)を有する、コンテナ持上デバイス(18)を備え、前記保管カラム(5)からコンテナ(6)を回収し、その中にコンテナ(6)を保管するため、かつ前記グリッド(4)を横断して前記コンテナ(6)を水平に輸送するために、前記グリッド(4)の最上位におけるレール(10、11)上で動作され、前記自動保管システムは、複数の床要素(21)を備え、各床要素は、コンテナ(6)の垂直スタック(7)の上の保管カラム(5)の上端(22)に配列可能であり、それにより、オペレータ(23)が前記保管カラムの上に立ち得、前記床要素(21)は、前記グリッド(4)内の保管カラム(5)内に配列される、垂直スタック(7)状に相互の上に保管され得る、自動保管および回収システム。
(項目2)
前記床要素(21)のそれぞれは、前記グリッド(4)の最上位に配列された車両(9)の使用によって、輸送され、保管カラム(5)の前記上端(22)に配列され得る、項目1に記載の自動保管および回収システム。
(項目3)
前記車両は、専用の床要素荷役車両またはコンテナ荷役車両(9)である、項目2に記載の自動保管および回収システム。
(項目4)
前記床要素(21)のそれぞれは、前記コンテナ荷役車両(9)の持上フレーム(17)に取外可能に接続可能である、項目1~3のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
(項目5)
前記床要素(21)のそれぞれは、前記コンテナ(6)の水平周囲に実質的に対応する、水平周囲を有する、項目1~4のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
(項目6)
前記持上フレーム(17)は、前記コンテナ(6)の周囲上部区分(26)および前記床要素(21)の周囲上部区分(27)のうちのいずれかの上の対応する持上フレーム接続要素(25)への取外可能な接続のための、コンテナ接続要素(24)を備える、項目1~5のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
(項目7)
前記床要素(21)のそれぞれは、コンテナ(6)の垂直スタック(7)の上に配列可能である、項目1~6のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
(項目8)
前記床要素(21)は、各保管カラム(5)が前記上端(22)における床要素(21)を特徴とするとき、コンテナ荷役車両(9)が、隣接する保管カラム(5)の区分(28)にわたって通過することが可能であるように配列可能である、項目1~7のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
(項目9)
前記床要素は、保管カラム内に収容されるために好適な略長方形の水平周囲を伴う、上側表面を有し、前記上側表面の周囲上部区分(27)上に、持上フレームへの取外可能な接続のための、持上フレーム接続要素(25)と、前記持上フレーム(17)上に配列された誘導ピン(30)との相互作用のための、前記水平周囲の各角における、カットアウト(29)とを備える、項目1~8のいずれかに記載の自動保管および回収システムのための床要素。
(項目10)
3次元グリッド(4)と、複数のコンテナ荷役車両(9)とを備える、自動保管および回収システムの最上位に配列される、またはそこからアクセス可能な機器へのアクセスを提供する方法であって、
前記3次元グリッド(4)は、その中にコンテナ(6)が、垂直スタック(7)状に相互の上に保管され得る、複数の保管カラム(5)を備え、
各コンテナ荷役車両(9)は、コンテナ(6)に取外可能に接続するための持上フレーム(17)を有する、コンテナ持上デバイス(18)を備え、前記保管カラム(5)からコンテナ(6)を回収し、その中にコンテナ(6)を保管するため、かつ前記グリッド(4)を横断して前記コンテナ(6)を水平に輸送するために、前記グリッド(4)の最上位におけるレール(10、11)上で動作され、前記自動保管システムは、複数の床要素(21)を備え、各床要素は、保管カラム(5)の上端(22)に配列可能であり、それにより、オペレータ(23)が、前記保管カラムの上に立ち得、本方法は、
-前記グリッド(4)の最上位のオペレータ(23)アクセス可能部分と前記機器との間に継続区分(28)を形成する、隣接する保管カラム(5)のセットを識別するステップと、
-通路が、前記グリッドの最上位のオペレータ(23)アクセス可能部分と前記機器との間に形成されるように、前記隣接する保管カラムのセット内の各保管カラム(5)の前記上端(22)に床要素(21)を配列するステップと
を含む、方法。
(項目11)
前記隣接する保管カラムのセット内の各保管カラム(5)の上端に床要素(21)を配列するステップは、前記グリッドの最上位に配列される、少なくとも1つの車両によって実施され、好ましくは、前記少なくとも1つの車両は、コンテナ荷役車両(9)である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記保管カラム(5)が、床要素(21)が前記上端に配列される前に、コンテナ(6)で満たされるように、前記コンテナ荷役車両(9)のうちの少なくとも1つを、前記隣接する保管カラム(5)のうちの1つの中に少なくとも1つのコンテナ(6)を移送するように指向するステップを含む、項目10または11に記載の方法。
(項目13)
前記コンテナ荷役車両(9)のうちの少なくとも1つを、前記隣接する保管カラム(5)のうちの1つの中に少なくとも1つのコンテナ(6)を移送するように指向するステップは、前記継続区分(28)を形成する前記隣接する保管カラム(5)の全てが、コンテナで満たされるまで繰り返される、項目12に記載の方法。
(項目14)
保管カラム(5)の前記上端に配列された前記床要素(21)は、前記保管カラム内の最上コンテナ(6)の上に支持される、項目10~13のいずれかに記載の自動保管および回収システム。
【0049】
本発明のある実施形態が、ここで、実施例としてのみ、かつ以下の図面を参照して詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1図1は、先行技術による保管および回収システムの斜視側面図である。
図2図2aおよび2bは、2つの異なる先行技術によるコンテナ荷役車両を描写する。
図3図3は、本発明による、例示的保管および回収システムの斜視側面図である。
図4a図4aは、本発明による、例示的床要素の斜視上側面図である。
図4b図4bは、図4aの床要素の斜視底面図である。
図5図5aは、複数の床要素が定位置にある、図3の保管および回収システムの上側面図である。図5bは、図5aのシステムの区分Aの拡大上側面図である。
図6図6は、図3の保管および回収システムの側面図である。
図7図7aは、図5aのシステムの区分Bの側面図である。図7bは、図5aのシステムの区分Bの拡大上側面図である。
図8図8は、図7bの、C-Cに沿った区分Bの断面図である。
図9図9は、本発明による、例示的保管および回収システムの斜視側面図であり、床要素のスタックが、保管カラム内に保管されて示される。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図面では、同様の参照番号が、文脈から別様に明示的に記載されない、または暗黙的に理解されない限り、同様の部分、要素、もしくは特徴を示すために使用されている。
【0052】
(発明の詳細な説明)
以下において、本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、実施例としてのみ、より詳細に議論されるであろう。しかしながら、図面は、本発明を図面に描写される主題に限定するように意図されていないことを理解されたい。
【0053】
上記に述べられるように、先行技術による自動保管および回収システム(図1参照)の欠点は、点検または修復を実施する目的のためにシステムの最上位に配列される、もしくはそこからアクセス可能な種々の機器に手動でアクセスすることにおける困難さである。そのような機器は、例えば、コンテナ荷役車両9、コンテナ荷役車両および他の車両のための充電ステーション(図示せず)、保管カラム5内で立ち往生している保管コンテナ6等を含む。例えば、コンテナ荷役車両9が、グリッド4上にある間に動作を停止した場合、点検要員(すなわち、オペレータ)が、必要な修復または点検を実施するために車両に到達するための容易な方法は、存在しない。
【0054】
本発明による自動保管および回収システム(以降、保管システムと称される)のある実施形態が、図3および5-8に示される。例証の目的のために、保管コンテナ6の上側層(代替として、保管グリッド4の上側部分)のみが、図3に示される。本発明の保管システムは、大部分の点で、図1に示される先行技術によるシステムに類似し、すなわち、これは、3次元グリッド4と、複数のコンテナ荷役車両9’、9’’、9’’’とを特徴とする。3次元グリッド4は、その中に保管コンテナ6が、垂直スタック7(図7a参照)状に相互の上に保管され得る、複数の保管カラム5を備える。
【0055】
関連する先行技術による保管システムおよびコンテナ荷役車両のさらなる詳細が、例えば、第NO317366号ならびに第WO 2014/090684 A1号に開示され、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0056】
本実施形態では、コンテナ荷役車両9’、9’’、9’’’は、図2bに示される、先行技術による車両に類似する。各コンテナ荷役車両9’、9’’、9’’’は、コンテナ6および床要素21のいずれかに取外可能に接続するための持上フレーム17を有する、コンテナ持上デバイス18を備え、グリッド4の最上位に配列される、レール10、11上で動作される。通常の動作の間、コンテナ荷役車両は、保管カラム5からコンテナ6を回収し、その中にコンテナ6を保管するために使用され、グリッド4を横断してコンテナ6を水平に輸送することが可能である。
【0057】
オペレータ23(図9参照)にグリッドの最上位に配列される、またはそこからアクセス可能な機器への容易なアクセスを提供するために、本発明のシステムは、複数の床要素21を備える。床要素のそれぞれは、保管カラムのうちの1つの上端22に配列可能であり、オペレータ23が、保管カラム5の上の床要素21上に安全に立ち得るように設計される。
【0058】
各床要素(図4aおよび4b参照)は、保管カラム5のうちの1つの上端22に収容されるために好適である、略長方形の水平周囲を伴う、上側表面31(すなわち、床または歩行表面)を有する。本実施形態では、水平周囲は、コンテナの周囲に実質的に等しく、したがって、床要素が、保管カラム5のうちの1つの中にスタックおよび保管されることを可能にする。コンテナ荷役車両9’’’の持上フレーム18への取外可能な接続のための4つの持上フレーム接続要素25、25’は、対応するコンテナ接続要素24を介して、上側表面31の周囲上部区分27上に配列され、すなわち、床要素21は、コンテナ6と同一の持上フレーム接続界面を有する。本特定の実施形態では、持上フレーム接続要素25、25’は、持上フレーム17上の取外可能フック24との相互作用のための、長方形の孔である。しかしながら、そのような取外可能な接続のための種々の類似する技術的解決策は、当業者に明白であろう。加えて、床要素21は、持上フレーム17上に配列される誘導ピン30との相互作用のための、水平周囲の各角における、カットアウト29を有する。
【0059】
要求される剛度/強度を有する、軽量の床要素21を得るために、床要素は、複数のリブ35のグリッドによって相互接続される、垂直側壁34を備える。側壁はさらに、水平外部リブ37および複数の垂直リブ38によって強化される。水平リブ37は、持上フレーム接続要素の一部を形成する、長方形の孔25’を備える。側壁34の下側表面36は、床要素上に立つオペレータの体重が、その上に床要素21が配列される、コンテナ6のスタック7によって支持されるように、コンテナ6上で支持されるように設計される。床要素21は、好ましくは、好適なプラスチック材料で成型される。床要素21(または側壁34)の高さは、好ましくは、要求される強度を有する床要素を得るために、50~100mmの範囲内である一方、同時に、保管カラム5内にスタックされると、最低限の空間を占有する。
【0060】
本実施形態では(図9参照)、修復/点検を必要とする機器が、グリッド4上で立ち往生し、したがって、修復/点検を必要としているコンテナ荷役車両9’によって表されている。オペレータ23に車両9’への容易なアクセスを提供するために、以下のステップが、実施される。
-グリッド4の最上位のオペレータ23アクセス可能部分と立ち往生したコンテナ荷役車両9’との間に継続区分28を形成する、隣接する保管カラム5のセットを識別するステップ。保管カラム5の好適なセットの識別は、コンピュータ化された制御システムによって自動的に、またはオペレータによって手動で実施されてもよい。
-継続区分を形成する保管カラム5のうちの1つ以上が、コンテナ6で完全に充填されていない場合、コンテナ荷役車両9’’のうちの少なくとも1つを、その区分内の保管カラム5のいずれかが、床要素21が上端に配列される前に、コンテナ6で満たされるように、1つ以上の保管カラム5の中にコンテナ6を移送するように指向するステップ。
-隣接する保管カラムのセット内の各保管カラム(5)の上端に、コンテナ荷役車両9’’’のうちの少なくとも1つによって、床要素21を配列するステップであって、通路33が、グリッド4の最上位のオペレータ23アクセス可能部分32と立ち往生しているコンテナ荷役車両9’との間に形成される、ステップ。
【0061】
オペレータ23アクセス可能部分は、オペレータが容易に到達し得る、グリッドの最上位の部分である。図3および5-8に示されるシステムでは、オペレータ23アクセス可能部分は、グリッド4の最上位の周囲に配列される、プラットフォーム32(図5a参照)に隣接する、グリッドの一部である。プラットフォーム32へのアクセスは、階段等の任意の好適な手段によるものであってもよい。オペレータにオペレータ23アクセス可能部分へのアクセスを提供するための種々の他の手段もまた、容易に想起され、および/または当業者に周知である。
【0062】
床要素21は、コンテナ荷役車両9が、床要素21および通路33にわたって通過することを可能にする、レベルに配列される。したがって、通路33の形成の間(すなわち、上記の方法の実施の間)に、通路を配列させることに関与しない、いかなるコンテナ荷役車両9も、中断された、それらの割り当てられた保管/回収動作を実施し続け得る。この特徴は、24時間/週7日の継続的な動作のために設計される、自動化保管システムにおいて非常に有利である。
【0063】
通路33が、形成されていないとき、システムは、オペレータが、要求される修復/点検を実施するためにグリッド4上に存在する間、一時的に停止される。
【0064】
本実施形態では、床要素21は、コンテナ荷役車両9’’’のうちの少なくとも1つによって、隣接する保管カラム28のセット内の各保管カラム5の上端に配列される。しかしながら、あまり有利ではない場合でも、床要素はまた、オペレータ23アクセス可能部分32から開始して段階的な様式で、手動で、または代替として、本特定の目的に専用の車両(図示せず)の使用によって、配列されてもよい。
【0065】
本実施形態の床要素21は、保管カラム内の最上コンテナ6の上に、すなわち、コンテナの完全スタック7(図8参照)の上に支持される。代替実施形態では、床要素のそれぞれは、例えば、床要素21が、コンテナ6のスタック7によって支持されていることに依存しないが、レール10、11によって/その上に支持されるように、保管カラム5の上端22を囲繞するレール10、11(または、レールと相互作用する、周囲におけるレール相互作用要素)と相互作用する、周囲を有してもよい。好ましくは、レール相互作用は、これが、保管/回収動作が、通路33の形成の間に中断されることを要求し得るため、コンテナ荷役車両9が、床要素が相互作用するレール10、11上で移動しないように防止するものではない。そのような代替実施形態では、床要素21は、例えば、保管カラムより大きい断面を有する専用の床要素カラム内に保管されてもよい。
【0066】
通路33上に存在するオペレータのための増加される安全を提供するために、床要素は、好ましくは、コンテナの色と異なる、好ましくは、床要素とコンテナとの間の高い可視コントラストを提供する、色で作製される。コンテナは、一般的に、灰色の種々の陰影で作製され、床要素は、赤色、橙色、黄色、緑色、または青色、好ましくは、赤色、橙色、もしくは黄色である。
【0067】
本発明による保管システムの第2の実施形態が、図9に図示される。第1の実施形態と第2の実施形態との主な差異は、コンテナ荷役車両のタイプである。図9の保管システムは、図2aに示される車両に類似する、コンテナ荷役車両を特徴とする一方、図3および5-8の保管システムは、図2bに示されるようなコンテナ荷役車両を特徴とする。
【0068】
本発明による保管システムの3次元グリッド4は、図3において、64個の保管カラム5を構成するように示され、図9において、144個の保管カラム5を構成するように示される。しかしながら、本発明は、グリッド4のいかなる具体的なサイズにも制限されない。
【0069】
参照番号
1 骨格構造
2 直立部材/垂直外形
3 水平部材/水平外形
4 保管グリッド
5 保管カラム
6 保管コンテナ
7 (保管コンテナの)スタック
8 レールシステム
9 コンテナ荷役車両
10 平行レールの第1のセット
11 平行レールの第2のセット
12 グリッドカラム
13 車両本体
14 ホイールの第1のセット
15 ホイールの第2のセット
16 持上バンド
17 持上フレーム
18 持上デバイス
19 第1のポートカラム、積降ポートカラム
20 第2のポートカラム、積込ポートカラム
21 床要素
22 保管カラムの上端
23 オペレータ
24 コンテナ接続要素
25 持上フレーム接続要素
26 保管コンテナの周囲上部区分
27 床要素の周囲上部区分
28 隣接する保管カラムの区部/セット
29 カットアウト
30 誘導ピン
31 上側表面
32 プラットフォーム
33 通路
34 垂直側壁
35 リブ
36 (側壁の)下側表面
37 水平外部リブ
38 垂直リブ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図8
図9