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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】内視鏡用光源装置及び内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/07 20060101AFI20220228BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20220228BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
A61B1/07 731
G02B23/26 B
G02B6/42
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020530884
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2019006693
(87)【国際公開番号】W WO2020017081
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】P 2018134878
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】藤原 和人
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-043027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324420(US,A1)
【文献】特開2014-008316(JP,A)
【文献】米国特許第06768593(US,B1)
【文献】特開平10-111438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 - 23/26
G02B 6/42 - 6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザ光源と、
半導体レーザ光源からの光の内、低NAの光を発散させ、高NAの光を集束または平行光にする第1レンズ群と、
該第1レンズ群を通過した光をライトガイドの端面に集光させる第2レンズ群とを備え、
前記第1レンズ群、少なくとも1枚の光軸上のパワーよりも最周辺部のパワーの方が大きい非球面レンズを備え、光軸上のパワーよりも最周辺部のパワーの方が大きい、内視鏡用光源装置。
【請求項2】
以下の条件式を満足する請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
5mm≦NA/φ2≦25mm (1)
1/φ2≦L<1/φ1 (2)
ここで、
NA:前記半導体レーザ光源の開口数、
φ1:前記第1レンズ群の光軸上のパワー、
φ2:前記第1レンズ群の最周辺部のパワー、
L:前記半導体レーザ光源と前記第1レンズ群の主点との間の距離
である。
【請求項3】
前記第1レンズ群が、1枚の非球面レンズからなる請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項4】
以下の条件式を満足する請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
5mm≦NA′/φ3≦25mm (3)
ここで、
NA′:前記ライトガイドの開口数、
φ3:前記第2レンズ群のパワー
である。
【請求項5】
請求項1に記載の内視鏡用光源装置と、前記ライトガイドを備える内視鏡と、を備える内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザ光源(以下、LD光源という。)から発せられる光を凹レンズによって発散させた後に凸レンズによって収束させてライトガイドに入射させる内視鏡用光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-43027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LD光源からの配光は一般に狭いため、特許文献1のように、LD光源から射出された光全体を発散もしくは収束してライトガイドに入射させると内視鏡観察に必要な広い配光が得られない。
強度の高い低NAの光をライトガイドのNAに合わせるためにLD光源から射出された光全体を発散させると、高NAの光がケラれて光の伝送効率が大幅に低下してしまう。
本発明は、LD光源から高効率に光を取り出しながら内視鏡観察に必要な広い配光を得ることができる内視鏡用光源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、半導体レーザ光源と、該半導体レーザ光源からの光の内、低NAの光を発散させ、高NAの光を集束または平行光にする第1レンズ群と、該第1レンズ群を通過した光をライトガイドの端面に集光させる第2レンズ群とを備え、前記第1レンズ群、少なくとも1枚の光軸上のパワーよりも最周辺部のパワーの方が大きい非球面レンズを備え、光軸上のパワーよりも最周辺部のパワーの方が大きい、内視鏡用光源装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、LD光源から高効率に光を取り出しながら内視鏡観察に必要な広い配光を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る内視鏡用光源装置を示す模式図である。
図2図1の内視鏡用光源装置に備えられる半導体レーザ光源の配光を示す図である。
図3図1の内視鏡用光源装置から発せられる照明光の配光を示す図である。
図4図1のレンズ間における照明光の強度分布を示す図である。
図5】比較例として、半導体レーザ光源からのレーザ光を略平行光にする内視鏡用光源装置を示す模式図である。
図6図5の光源装置から発せられる照明光の配光を示す図である。
図7図5のレンズ間における照明光の強度分布を示す図である。
図8図1の内視鏡用光源装置の第1実施例のレンズ配列を示す図である。
図9図1の内視鏡用光源装置と発光ダイオードとを組み合わせた第2実施例のレンズ配列を示す図である。
図10図9の発光ダイオードから発せられる照明光の波長特性を示す図である。
図11図9の半導体レーザ光源から発せられるレーザ光の波長特性を示す図である。
図12図9のダイクロイックミラーにより合波されてライトガイドの先端から射出される照明光の波長特性を示す図である。
図13図9の発光ダイオードから発せられる照明光の配光を示す図である。
図14図9の半導体レーザ光源から発せられるレーザ光の配光を示す図である。
図15図9のダイクロイックミラーの透過率特性を示す図である。
図16図9のダイクロイックミラーにより合波されてライトガイドの先端から射出される照明光の配光を示す図である。
図17図9のライトガイドの先端に配置される照明光学系の一例を示す図である。
図18図17の照明光学系を用いた場合の半導体レーザ光源から発せられるレーザ光の配光および発光ダイオードから発せられる照明光の配光をそれぞれ示す図である。
図19図1の内視鏡用光源装置の第3実施例のレンズ配列を示す図である。
図20図18の第1の半導体レーザ光源から発せられるレーザ光の波長特性を示す図である。
図21図18の第2の半導体レーザ光源から発せられるレーザ光の波長特性を示す図である。
図22図18の第3の半導体レーザ光源から発せられるレーザ光の波長特性を示す図である。
図23図20図21および図22のレーザ光を合波したレーザ光の波長特性を示す図である。
図24図20のレーザ光の配光を示す図である。
図25図21のレーザ光の配光を示す図である。
図26図22のレーザ光の配光を示す図である。
図27図19の第1のダイクロイックミラーの透過率特性を示す図である。
図28図19の第2のダイクロイックミラーの透過率特性を示す図である。
図29図20図21および図22のレーザ光が図27および図28のダイクロイックミラーにより合波されることにより、ライトガイドの先端から射出されるレーザ光の配光を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用光源装置1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡用光源装置1は、図1に示されるように、レーザ光を射出する半導体レーザ光源2と、半導体レーザ光源2から発せられたレーザ光を通過させる第1レンズ群3と、第1レンズ群3を通過したレーザ光を集光させる第2レンズ群4とを備えている。
【0009】
第1レンズ群3は、1枚の非球面レンズにより構成されている。非球面レンズは、光軸上のパワーよりも最周辺部のパワーの方が大きくなる曲率を有している。
さらに具体的には、半導体レーザ光源2および第1レンズ群3は以下の条件式(1)、(2)を満足している。
【0010】
5mm≦NA/φ2≦25mm (1)
1/φ2≦L<1/φ1 (2)
ここで、NA:半導体レーザ光源2の開口数、φ1:第1レンズ群3の光軸上のパワー、φ2:第1レンズ群3の最周辺部のパワー、L:半導体レーザ光源2と第1レンズ群3の主点との間の距離である。
【0011】
これにより、第1レンズ群3は、半導体レーザ光源2からのレーザ光の内、低NAのレーザ光を発散させ、高NAのレーザ光を集束または平行光にする。そして、第2レンズ群4によるレーザ光の焦点位置に内視鏡に備えられたライトガイド5の端面を配置しておくことにより、第2レンズ群4によって集光されたレーザ光をライトガイド5に入射させ、内視鏡の先端から射出させることができる。
【0012】
さらに具体的には、第2レンズ群4は以下の条件式(3)を満足している。
5mm≦NA′/φ3≦25mm (3)
ここで、NA′:ライトガイド5の開口数、φ3:第2レンズ群4のパワーである。
【0013】
本実施形態に係る内視鏡用光源装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡用光源装置1によれば、半導体レーザ光源2から射出されたレーザ光は、半導体レーザ光源2の開口数NAに従って広がり、第1レンズ群3を通過させられた後に第2レンズ群4を通過させられることにより、ライトガイド5の端面に集光される。
【0014】
この場合において、本実施形態に係る内視鏡用光源装置1によれば、図2に示されるように配光の狭い半導体レーザ光源2からのレーザ光の内、低NAのレーザ光が、第1レンズ群3によって発散させられることにより光束径を広げられた後に第2レンズ群4によって集光される。これにより、図3に示されるように広い配光を得ることができる。
【0015】
他方、半導体レーザ光源2から射出されるレーザ光の内、高NAのレーザ光は、第1レンズ群3によって、低NAのレーザ光と同様に発散させられたのでは、光束径が大きくなりすぎて第2レンズ群4によってケラれを生じてしまう。本実施形態においては、高NAのレーザ光については第1レンズ群3によって平行光に変換された後に第2レンズ群4によって集光されるので、ケラれを防止して光量ロスを低減することができるという利点がある。これにより、図4に示されるXY方向における強度分布の照明光を内視鏡の先端から射出させることができる。
【0016】
本実施形態によれば、光量を低減させずに配光を十分に広げた照明光を得ることができるという利点がある。
【0017】
比較例として、図5に示されるように、第1レンズ群3をコリメートレンズにより構成し、略平行光に変換されたレーザ光を第2レンズ群4により集光するクリティカル照明10の場合には平行光束の強度分布がそのままライトガイド5から射出される照明光の配光分布となる。図2に示されるように半導体レーザ光源2の配光は極めて狭いので、照明光の配光分布も図6に示されるように、図3の本実施形態の場合よりも狭くなってしまう。XY方向における照明光の強度分布も図7に示されるように、図4に示される本実施形態の場合よりも狭くなってしまう。
【0018】
本実施形態によれば、条件式(1)を満たすことにより、装置の大型化を防止し、光量の低下を防止することができるという利点がある。
レンズの大きさは大型化を防ぐために、直径50mm程度以下であることが必要である。一方、レンズの大きさが直径10mm以下である場合には、レンズの焦点距離が短くなってバラツキに弱くなるため、光量低下に繋がってしまう。最周辺のレーザ光の光束aは直径10mm以上50mm以下であることが望ましい。
【0019】
第1レンズ群3の焦点距離をf、半導体レーザ光源2のNAをNAI、光束径をaとすると、
NAI=a/2f、すなわち、a=2fNAIであり、
10≦2fNAI≦50
から条件式(1)が導かれる。
【0020】
条件式(2)を満足することにより、低NAのレーザ光を発散させ、高NAのレーザ光を収束または平行光にすることができる。
第2レンズ群4が条件式(3)を満足することにより、レーザ光をライトガイド5に効率よく取り込むことができるという利点がある。
【実施例
【0021】
ここで、本実施形態に係る内視鏡用光源装置1の第1実施例について、図8のレンズ配列および以下のレンズデータを参照して説明する。
本実施例に係る内視鏡用光源装置1は、半導体レーザ光源2側に凹面を配置したメニスカスレンズ(非球面レンズ)3aからなる第1レンズ群3と、半導体レーザ光源2側から順に半導体レーザ光源2側に凸面を配置した平凸レンズ4aおよび半導体レーザ光源2側に凸面を配置したメニスカスレンズ4bとからなる第2レンズ群4とを備えている。
【0022】
第2面が後述する式(4)で表される非球面であり、各係数は以下の通りである。レンズデータにおけるrは曲率半径、dは距離、ndはd線上の屈折率、νdはd線上のアッベ数であり、非球面Zは下式(4)により与えられる。
Z=cs/(1+√(1-(K+1)c))+ As+ Bs
+ Cs+ Ds+ Es10 (4)
ただし、
c:面の曲率
s:光軸からの高さ
K:コーニック定数
A:2次の非球面係数
B:4次の非球面係数
C:6次の非球面係数
D:8次の非球面係数
E:10次の非球面係数
【0023】
(第1レンズ群および第2レンズ群)
面番号 r d nd νd
1 -34.9224 10.0000 1.51805 64.14
2 -32.7180 75.0000
3 37.0230 8.0000 1.64100 55.38
4 ∞ 0.5000
5 15.4350 9.5000 1.64100 55.38
6 35.8750 12.9000
【0024】
K=-1.0000
A=0
B=-4.4765×10-5
C=1.4192×10-7
D=-4.9935×10-10
E=5.7685×10-13
【0025】
本実施例によれば、
φ1=0.00255
φ2=0.0144
φ3=0.044
NA=0.22
NA′=0.68
L=101.956
であり、
NA/φ2=15.28
1/φ1=392.16
1/φ2=69.44
NA′/φ3=15.45
となり、条件式(1)、(2)、(3)を満足している。
【0026】
本実施形態に係る内視鏡用光源装置1の第2実施例について、図9のレンズ配列および以下のレンズデータを参照して説明する。
本実施例に係る内視鏡用光源装置11は、半導体レーザ光源2からのレーザ光と、発光ダイオード12からの照明光とを合波して射出する装置であって、第1レンズ群13と第2レンズ群14との間にダイクロイックミラー15を配置し、発光ダイオード12から発せられコリメートレンズ16によって略平行光にされた照明光をダイクロイックミラー15によって半導体レーザ光源2からの照明光に合波している。
【0027】
第1レンズ群13は、半導体レーザ光源2側に凹面を配置したメニスカスレンズ(非球面レンズ)13aであり、第2面が式(4)で示される非球面である。
コリメートレンズ16は、半導体レーザ光源2側から順に、半導体レーザ光源2側に凹面を配置したメニスカスレンズ16aと両凸レンズ16bとから構成されている。
第2レンズ群14は、半導体レーザ光源2側から順に半導体レーザ光源2側に凸面を配置した平凸レンズ14aおよび半導体レーザ光源2側に凸面を配置したメニスカスレンズ14bとから構成されている。
【0028】
(第1レンズ群)
面番号 r d nd νd
1 -23.2816 6.6667 1.51805 64.14
2 -21.812
【0029】
K=-1.0000
A=0
B=-1.51×10-4
C=1.08×10-6
D=-8.53×10-9
E=2.22×10-11
【0030】
(コリメートレンズ)
面番号 r d nd νd
3 -26.702 6.67 1.71582 53.87
4 -11.4887 0.33
5 280.7927 5.33 1.71582 53.87
6 -28.07
【0031】
(第2レンズ群)
面番号 r d nd νd
7 28.07 5.33 1.71582 53.87
8 -280.7927 0.33
9 11.4887 6.67 1.71582 53.87
10 26.702
【0032】
図10は、発光ダイオード12から発せられる照明光の波長特性、図11は、半導体レーザ光源2から発せられるレーザ光の波長特性、図12は合波されてライトガイド5の先端から射出される照明光の波長特性である。
また、図13は、発光ダイオード12から発せられる照明光の配光、図14は半導体レーザ光源2から発せられるレーザ光の配光、図15はダイクロイックミラー15の透過率特性、図16は合波されてライトガイド5の先端から射出される照明光の配光である。これによれば、半導体レーザ光源2から発せられるレーザ光が発光ダイオード12から発せられる照明光に近接する配光を有していることがわかる。
【0033】
本実施例によれば、
φ1=0.0037
φ2=0.0215
φ3=0.0678
NA=0.22
NA′=0.68
L=68.28
であり、
NA/φ2=10.23
1/φ1=270.27
2/φ2=46.51
NA′/φ3=10.03
となり、条件式(1)、(2)、(3)を満足している。
【0034】
さらに、図17に示されるように、特許第5897224号公報に示される照明光学系20をライトガイド5の先端に配置することにより、図18に示されるように、半導体レーザ光源2から発せられるレーザ光の配光を発光ダイオード12から発せられる照明光の配光にさらに近づけることができる。
図17の照明光学系20のレンズデータは、以下の通りである。
【0035】
面番号 r d nd
1 ∞ 1.00 1.888
2 -1.60 0.03
3 1.60 0.60 1.888
4 -1.60 0.04
5 1.50 2.50 1.734
6 ∞
【0036】
本実施形態に係る内視鏡用光源装置21の第3実施例について、図19のレンズ配列および以下のレンズデータを参照して説明する。
本実施例に係る内視鏡用光源装置21は、3つの半導体レーザ光源22a,22b,22cからのレーザ光を2つのダイクロイックミラー23a,23bによって合波している。
【0037】
3つの半導体レーザ光源22a,22b,22cからのレーザ光を通過させる3つの第1レンズ群24a,24b,24cは、いずれも半導体レーザ光源22a,22b,22c側に凹面を配置したメニスカスレンズ(非球面レンズ)25a,25b,25cであり、第2面が式(4)で示される非球面である。第1の半導体レーザ光源22aからのレーザ光を通過させる第1の第1レンズ群24aと、第2の半導体レーザ光源22bからのレーザ光を通過させる第2の第1レンズ群24bとは同じレンズデータを有している。
非球面の曲率半径は光路長が長い程小さいことが望ましい。これによって伝送効率の低下を防止することができる。
【0038】
(第1、第2の第1レンズ群)
面番号 r d nd νd
1,3 -39.0644 10 1.51805 64.14
2,4 -26.0467
【0039】
K=-1.0000
A=0
B=-1.84×10-5
C=-4.13×10-8
D=2.89×10-10
E=-5.87×10-13
【0040】
(第3の第1レンズ群)
面番号 r d nd νd
5 -39.9224 10 1.51805 64.14
6 -32.718
【0041】
K=-1.0000
A=0
B=-4.48×10-5
C=1.42×10-7
D=-4.99×10-10
E=5.77×10-13
【0042】
(第2レンズ群)
面番号 r d nd νd
7 42.105 8 1.71582 53.87
8 -421.189 0.5
9 17.233 10 1.71582 53.87
10 40.053
【0043】
図20は第1の半導体レーザ光源22aから発せられるレーザ光の波長特性、図21は第2の半導体レーザ光源22bから発せられるレーザ光の波長特性、図22は第3の半導体レーザ光源22cから発せられるレーザ光の波長特性、図23は合波されてライトガイド5の先端から射出される照明光の波長特性である。
【0044】
図24は第1の半導体レーザ光源22aから発せられるレーザ光の配光、図25は第2の半導体レーザ光源22bから発せられるレーザ光の配光、図26は第3の半導体レーザ光源22cから発せられるレーザ光の配光である。図27は、第1のダイクロイックミラー23aの透過率特性、図28は第2のダイクロイックミラー23bの透過率特性、図29は合波されてライトガイド5の先端から射出される照明光の配光である。これによれば、3つの半導体レーザ光源22a,22b,22cから発せられるレーザ光が近似する広い配光を有していることがわかる。
【0045】
本実施例によれば、第1の第1レンズ群24aを通過する光路および第2の第1レンズ群24bを通過する光路においては、
φ1=0.0084
φ2=0.0146
φ3=0.046
NA=0.22
NA′=0.68
L=76.66
であり、
NA/φ2=15.07
1/φ1=119.05
2/φ2=68.49
NA′/φ3=14.78
となり、条件式(1)、(2)、(3)を満足している。
【0046】
第3の第1レンズ群24cを通過する光路においては、
φ1=0.00255
φ2=0.0144
φ3=0.046
NA=0.22
NA′=0.68
L=101.956
であり、
NA/φ2=15.28
1/φ1=392.16
2/φ2=69.44
NA′/φ3=14.78
となり、条件式(1)、(2)、(3)を満足している。
【0047】
本実施形態においては、以下の態様を導くことができる。
本発明の一態様は、半導体レーザ光源と、該半導体レーザ光源からの光の内、低NAの光を発散させ、高NAの光を集束または平行光にする第1レンズ群と、該第1レンズ群を通過した光をライトガイドの端面に集光させる第2レンズ群とを備え、前記第1レンズ群が、少なくとも1枚の非球面レンズを備える内視鏡用光源装置である。
【0048】
本態様によれば、半導体レーザ光源から射出された光の内、低NAの光は第1レンズ群において発散された後、第2レンズ群において集束させられることにより、配光が拡大され、高NAの光は第1レンズ群において集束または平行光にされた後、第2レンズ群において集束させられることにより、ケラれを防止することができる。これにより、LD光源から高効率に光を取り出しながら内視鏡観察に必要な広い配光を得ることができる。
【0049】
上記態様においては、前記第1レンズ群は、光軸上のパワーよりも最周辺部のパワーの方が大きくてもよい。
この構成により、第1レンズ群を通過する低NAの光を発散させ、高NAの光は集束または平行光にすることができる。
【0050】
上記態様においては、以下の条件式を満足してもよい。
5mm≦NA/φ2≦25mm (1)
1/φ2≦L<1/φ1 (2)
ここで、NA:前記半導体レーザ光源の開口数、φ1:前記第1レンズ群の光軸上のパワー、φ2:前記第1レンズ群の最周辺部のパワー、L:前記半導体レーザ光源と前記第1レンズ群の主点との間の距離である。
【0051】
条件式(1)の上限を上回ると装置が大型化し、下限を下回るとバラツキに弱くなって光量が低下する。
条件式(2)を満足することにより、低NAの光を発散させ、高NAの光を集束または平行光にすることができる。
【0052】
上記態様においては、前記第1レンズ群が、1枚の非球面レンズからなっていてもよい。
この構成により、内視鏡用光源装置を簡易かつ安価に構成することができる。
【0053】
上記態様においては、以下の条件式を満足してもよい。
5mm≦NA′/φ3≦25mm (3)
ここで、NA′:前記ライトガイドの開口数、φ3:前記第2レンズ群のパワーである。
条件式(3)の上限を上回ると装置が大型化し、下限を下回るとバラツキに弱くなって光量が低下する。また条件式(1)と同等の範囲とすることにより、光をライトガイドに効率よく取り込むことができる。
【符号の説明】
【0054】
1,11,21 内視鏡用光源装置
2,22a,22b,22c 半導体レーザ光源
3,13,24a,24b,24c 第1レンズ群
4,14 第2レンズ群
5 ライトガイド
3a,13a,25a,25b,25c メニスカスレンズ(非球面レンズ)
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