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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】引出しガイド
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/57 20170101AFI20220228BHJP
   A47B 88/49 20170101ALI20220228BHJP
【FI】
A47B88/57
A47B88/49
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020534505
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 AT2018060300
(87)【国際公開番号】W WO2019119004
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】A51064/2017
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク モイスブアガー
【審査官】津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2529559(CN,Y)
【文献】特表2009-504218(JP,A)
【文献】特開2006-296720(JP,A)
【文献】米国特許第04315661(US,A)
【文献】独国特許出願公開第102016125028(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/57
A47B 88/49
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出しガイド(4)であって、
- 第1のガイドレール(11)および少なくとも1つの第2のガイドレール(10)であって、互いに相対的に前記ガイドレール(10,11)の長手方向(L)に沿って閉鎖位置と開放位置との間において移動可能に支持されている、第1のガイドレール(11)および少なくとも1つの第2のガイドレール(10)と、
- 前記ガイドレール(10,11)の間において前記ガイドレール(10,11)のうちの1つのガイドレールに支持された少なくとも1つのガイド体(23a)であって、当該引出しガイド(4)の取付け位置において前記ガイドレール(10,11)を、前記ガイドレール(10,11)の長手方向に対して横方向の側方向において互いに相対的に案内可能である、ガイド体(23a)と、
を含んでいる、引出しガイド(4)において、
前記ガイドレール(10,11)のうちの前記ガイド体(23a)を有しない少なくとも1つのガイドレールが、少なくとも1つの突出部(24a)を有しており、該突出部(24a)は、前記ガイドレール(10,11)の前記開放位置において前記少なくとも1つのガイド体(23a)に前記側方向で隣接して接触しており、これによって少なくとも、前記少なくとも1つのガイド体(23a)と前記少なくとも1つの突出部(24a)とが互いに接触している領域において、前記ガイドレール(10,11)は、前記側方向において互いに遊びなしに配置されている
ことを特徴とする、引出しガイド(4)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガイド体(23a)は、回転対称に形成されていて、かつ取付け位置において鉛直に延びている軸(30)を中心にして回転可能に支持されている、
請求項記載の引出しガイド。
【請求項3】
前記少なくとも1つの突出部(24a)は、エンボス加工部の形態で前記ガイドレール(10,11)のうちの1つのガイドレールに形成されている、
請求項1または2記載の引出しガイド。
【請求項4】
前記少なくとも1つのガイド体(23a)は、前記ガイドレール(10,11)の前記長手方向(L)に関して、前記ガイドレール(10,11)の前記開放位置の方向(27)に見て後側半部に支持されている、
請求項1からまでのいずれか1項記載の引出しガイド。
【請求項5】
前記ガイドレール(10,11)の間に、少なくとも2つのガイド体(23a,23b)が支持されており、該少なくとも2つのガイド体(23a,23b)は、前記ガイドレール(10,11)の前記長手方向(L)において互いに間隔をおいて配置されており、前記ガイドレール(10,11)の前記開放位置において、第1のガイド体(23a)は、前記ガイドレール(10,11)の第1の突出部(24a)に遊びなしに接触しており、かつ第2のガイド体(23b)は、前記ガイドレール(10,11)の第2の突出部(24b)に遊びなしに接触している、
請求項1からまでのいずれか1項記載の引出しガイド。
【請求項6】
前記第1の突出部(24a)と少なくとも1つの前記第2の突出部(24b)とは、互いに異なった高さを有している、
請求項記載の引出しガイド。
【請求項7】
前記第1のガイド体(23a)は、前記閉鎖位置を起点とした前記開放位置への前記ガイドレール(10,11)の運動時に、記第2の突出部(24b)のところを通過可能であり、かつ前記第1のガイド体(23a)は、前記開放位置の方向(27)における前記ガイドレール(10,11)の継続された運動時に、前記第1の突出部(24a)と遊びなしに係合可能である、
請求項または記載の引出しガイド。
【請求項8】
前記第1のガイド体(23a)は、前記閉鎖位置を起点とした前記開放位置への前記ガイドレール(10,11)の運動時に、間隙を維持しながら、前記第2の突出部(24b)のところを通過可能である、請求項7記載の引出しガイド。
【請求項9】
少なくとも2つの前記ガイドレール(10,11)は、前記開放位置において1つの領域において互いにオーバラップし、前記第1のガイド体(23a)と前記第2のガイド体(23b)とは前記領域の内側に位置している、
請求項から8までのいずれか1項記載の引出しガイド。
【請求項10】
当該引出しガイド(4)は、互いに相対的に移動可能に支持された少なくとも3つのガイドレール(9,10,11)を有しており、第3のガイドレール(9)は家具本体(2)に、かつ前記第2のガイドレール(10)は引出し(3)に固定すべきものであり、前記第1のガイドレール(11)は、前記第3のガイドレール(9)と前記第2のガイドレール(10)との間において移動可能に支持されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の引出しガイド。
【請求項11】
前記少なくとも1つのガイド体(23a,23bが、前記第1のガイドレール(11)と前記第2のガイドレール(10)との間において、かつ少なくとも1つの別のガイド体(3c,23d)が、前記第3のガイドレール(9)と前記第1のガイドレール(11)との間において支持されている、
請求項10記載の引出しガイド。
【請求項12】
家具本体(2)と少なくとも1つの引出し(3)とを備えた家具(1)であって、前記引出し(3)は、請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つの引出しガイド(4)を介して、前記家具本体(2)に対して相対的に走行可能に支持されている、家具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(以下単に「引出しガイド」という。)であって、
- 第1のガイドレールおよび少なくとも1つの第2のガイドレールであって、互いに相対的にガイドレールの長手方向において閉鎖位置と開放位置との間において移動可能に支持されている、第1のガイドレールおよび少なくとも1つの第2のガイドレールと、
- ガイドレールの間において支持された少なくとも1つのガイド体であって、ガイドレールを引出しガイドの取付け位置において側方向(ガイドレールの長手方向に対して横方向)において互いに相対的に案内可能である、ガイド体と、
を含んでいる、引出しガイドに関する。
【0002】
引出しガイドでは、側方安定性が重要な品質基準であり、このとき側方安定性は、通常、特殊に成形されたガイドレールによって、かつ/またはガイドレールの側方案内のための走行ローラによって改善することができる。しかしながら引出しガイドの側方安定性は、引出しが家具本体に対して大きく引き出されれば引き出されるほど、著しく僅かになる。引出しガイドの完全に引き出された状態において、引き出されたガイドレールに力が加えられると、ガイドレールの間における側方遊び、またはガイドレールの長手方向に延びる軸線を中心にしたガイドレールの傾倒を増加させる、てこの作用が生じる。引き出された引出しのこのような側方遊びは、引出しの構造幅が増すに連れて、さらに追加的に大きくなる。そして引出しガイドの過度の側方遊びは、どちらかというと低価値の印象を人に与える。
【0003】
容器の側方安定性を改善するための処置は、例えば欧州特許出願公開第1321094号明細書、欧州特許出願公開第1323372号明細書、米国特許第4315661号明細書、および米国特許第4119377号明細書に開示されている。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の引出しガイドを改良して、上において議論された欠点を排除することができる、引出しガイドを提供することである。
【0005】
この課題は、本発明によれば請求項1記載の特徴によって解決される。本発明のさらなる好適な構成は、従属請求項において定義されている。
【0006】
本発明によれば、ガイドレールのうちの少なくとも1つのガイドレールが、少なくとも1つの突出部を有しており、該突出部は、ガイドレールの開放位置において少なくとも1つのガイド体に接触しており、これによって少なくとも、少なくとも1つのガイド体と少なくとも1つの突出部とが互いに接触している領域において、ガイドレールは、側方向において互いに遊びなしに配置されていることが提案されている。
【0007】
言い換えれば、引出しガイドの完全に引き出された位置において、ガイドレールの間において支持されている少なくとも1つのガイド体が、ガイドレールの突出部に接触しており、これによって少なくともこの領域において、ガイドレールの間における側方遊びが、突出部におけるガイド体の遊びのない接触によって回避されている。
【0008】
少なくとも1つのガイド体は、ガイドレールのうちの1つのガイドレールに、または択一的にガイドレールの間に配置された走行キャリッジに支持されていてよい。しかしながらまた2つまたはそれ以上のガイド体が設けられてよく、このとき少なくとも1つの第1のガイド体は、ガイドレールのうちの1つのガイドレールに、かつ少なくとも1つの第2のガイド体は、ガイドレールの間に移動可能に支持された走行キャリッジに支持されており、このとき第1のガイド体および第2のガイド体は、引出しガイドの引き出された状態において、それぞれ1つのガイドレールの突出部に側方において支持されている。
【0009】
好ましくは、少なくとも1つのガイド体は、回転対称に形成されていて、かつ取付け位置において鉛直に延びている軸を中心にして回転可能に支持されていることが提案されている。基本的にガイド体は、回転不能な支持部分として形成されていてもよく、この支持部分は、引出しガイドの完全に引き出された状態において1つのガイドレールの突出部に遊びなしに支持可能である。
【0010】
構造的に単純な構成では、少なくとも1つの突出部は、エンボス加工部の形態でガイドレールのうちの1つのガイドレールに形成されていてよく、このとき突出部は、1つのガイドレールの平らな表面における、エンボス加工工具による押込みによって、ガイドレールに一体に形成された部材として製造可能である。択一的に、突出部を1つのガイドレールに(例えばねじ結合または接着によって)固定することが可能である。
【0011】
本発明の1実施例によれば、ガイドレールの間に、少なくとも2つまたはそれ以上のガイド体が支持されており、該ガイド体は、ガイドレールの長手方向において互いに間隔をおいて配置されており、このときガイドレールの開放位置において第1のガイド体は、ガイドレールの第1の突出部に遊びなしに接触しており、かつ少なくとも1つの第2のガイド体は、ガイドレールの第2の突出部に遊びなしに接触していることが提案されていてよい。長手方向において互いに間隔をおいて配置された少なくとも2つのガイド体であって、引出しガイドの開放位置においてガイドレールの、互いに間隔をおいて配置された2つの突出部に接触しているガイド体によって、ガイドレールの長手方向に延びている方向に沿って側方遊びを、著しく減じることができる。
【0012】
1実施例によれば、第1のガイド体は、閉鎖位置を起点とした開放位置へのガイドレールの運動時に、好ましくは間隙を維持しながら、第2の突出部のところを通過可能であり、かつ第1のガイド体は、開放位置の方向におけるガイドレールの継続された運動時に、第1の突出部とクランプするように係合可能である。
【0013】
このように構成されていると、引出しガイドの発生する摩擦は、安定化にもかかわらず高まることがない。なぜならば、第1のガイド体は引出しガイドの開放時にまずは接触なしに第2の突出部のところを通過し、かつ引出しガイドの完全な開放位置において初めて、第1の突出部と遊びなしに係合しているからである。この機能を可能にするために、第1の突出部と第2の突出部とは互いに異なった高さを有していてよい。択一的に、第1の突出部と第2の突出部とが同一の高さを有していることが可能であり、このとき第2の突出部のところにおける第1のガイド体の通過運動は、ガイド体の異なった厚さによって、またはガイド体の異なった直径によって可能になる。別の択一的な構成では、第1の突出部と第2の突出部とは同一の高さを有していて、かつ第1のガイド体と第2のガイド体とは同一の厚さもしくは同一の直径を有していてよく、このとき第1のガイド体と第2のガイド体とは、ガイドレールの長手方向に対して横方向に延びている方向において、互いに側方にずらされて配置されている。
【0014】
本発明のさらなる詳細および利点については、以下における図面の説明を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】家具本体と家具本体に対して相対的に走行可能に支持された引出しとを備えた家具を示す斜視図である。
図2】引出し側壁に結合すべき第2のガイドレールを備えた引出しガイドを示す図である。
図3a】引出しガイドを示す分解図である。
図3b図3aに示された領域Bを拡大して示す図である。
図3c図3aに示された領域Aを拡大して示す図である。
図4a】引出しガイドを横になっている位置において示す図である。
図4b図4aに示された領域Aを拡大して示す図である。
図4c図4aに示された領域Bを拡大して示す図である。
【0016】
図1には、棚形状の家具本体2を備えた家具1が示されており、このとき引出し3は、引出しガイド4を介して家具本体2に対して相対的に走行可能に支持されている。引出し3は、それぞれ前板5、引出し底部6、引出し側壁7、および背壁8を有している。引出しガイド4は、それぞれ、固定部分12a,12bを介して家具本体2に固定すべき第3のガイドレール9(本体レール)、第3のガイドレール9に対して相対的に移動可能に支持されていて、引出し側壁7に結合されているかまたは結合すべき第2のガイドレール10(引出しレール)、および引出し3の完全引出しを実現するために第3のガイドレール9と第2のガイドレール10との間において走行可能に支持されている第1のガイドレール11(中間レール)を含んでいる。
【0017】
図2には、引出しガイド4と引出し側壁7とを備えたアセンブリが斜視図で示されている。第3のガイドレール9に結合された固定部分12a,12bは、家具本体2における固定のために、1つまたは複数の固定箇所13,14を有している。第3のガイドレール9と第2のガイドレール10との間には、走行可能な第1のガイドレール11が配置されている。第2のガイドレール10には連結要素21が配置されており、この連結要素21は、引込み装置18の連行体20に解離可能に連結可能であり、これによって第2のガイドレール10は、閉鎖運動の終わり近くで連行体20によって捕捉され、かつ引込み装置18の蓄力器によって閉鎖された終端位置に引込み可能である。好ましくは液圧式のピストンシリンダユニットを備えた緩衝装置19によって、第2のガイドレール10の、ばねによって促進若しくは付勢されたこの引込み運動は、閉鎖された終端位置に至るまで制動可能である。
【0018】
引出し側壁7は、内側の形材壁7aと、内側の形材壁から間隔をおいて配置された外側の形材壁7bとを備えた中空形材として形成されており、このとき引出し側壁7は、下方に向かって開放していてかつ引出し側壁7の長手方向において延びている通路17を形成しており、この通路17内には、引出しガイド4の第2のガイドレール10が配置可能である。引出し側壁7はさらに、背壁8に結合するための第1の固定装置15a、前板5に結合するための第2の固定装置15b、および引出し底部6を支持するための載置部分16を有している。
【0019】
図3aには、引出しガイド4が分解図で示されている。第3のガイドレール9は、固定部分12a,12bを介して家具本体2に固定することができ、かつほぼU字形またはC字形の部分を有しており、この部分には、引出しガイド4の運動を制御するための第1の走行キャリッジ25aおよび第2の走行キャリッジ25bが支持されている。第2のガイドレール10は、後端部にフック22を有しており、このフック22は、取付け位置において背壁8の孔内に収容されていて、かつこのとき長手方向(L)および長手方向(L)に対して横方向に延びる方向における、引出し3の移動を阻止する。第3のガイドレール9と第2のガイドレール10との間には、移動可能な第1のガイドレール11が設けられており、このとき第1のガイドレール11と第2のガイドレール10との間において、第3の走行キャリッジ25cが走行可能であり、この第3の走行キャリッジ25cは、第1の走行キャリッジ25aに、例えば第1のガイドレール11に回転可能に支持された歯車を介して、運動連結されている。走行キャリッジ25a,25b,25cはそれぞれ、長手方向(L)において互いに間隔をおいて配置されていて水平の回転軸線を備えた複数の転動体26を有している。
【0020】
図示の実施例では第2のガイドレール10は、少なくとも1つのガイド体23aを有しており、このガイド体23aは、ガイドレール10の長手方向(L)に関して、ガイドレール10の後側半部に支持されている。少なくとも1つのガイド体23aは、回転対称に形成されていて、かつ取付け位置において鉛直に延びる軸30を中心にして回転可能に支持されている。第1のガイドレール11は、好ましくは鉛直に延びているサイドウェブ11aを有しており、このサイドウェブ11aには少なくとも1つの突出部24a(例えばエンボス加工部の形態の)が配置されている。開放位置の方向27への第2のガイドレール10の運動時に、少なくとも1つのガイド体23aは突出部24aに達し、かつ開放位置においては遊びなしに第1の突出部24aに接触している。このようにしてガイドレール10,11は、少なくとも、少なくとも1つのガイド体23aと少なくとも1つの突出部24aとが互いに接触している領域において、長手方向(L)に対して横方向の側方向において、互いに遊びなしに固定されている。示された図では、第2のガイドレール10に、長手方向(L)において互いに間隔をおいて配置された、ローラの形態の2つのガイド体23a,23bが設けられており、両ガイド体23a,23bは、取付け位置においてそれぞれ、鉛直に延びる軸線を中心にして回転可能に支持されている。引出しガイド4の完全な開放位置において第1のガイド体23aは第1の突出部24aに、かつ第2のガイド体23bは第2の突出部24bに遊びなしに接触しており、これによってガイドレール10,11の間の側方遊びは、ガイドレールの長手方向(L)に延びる方向に沿って低減されることになる。
【0021】
突出部24a,24bは、第1のガイドレール11のサイドウェブ11aから側方向に突出していて、かつガイドレール9,10,11の長手方向(L)において互いに間隔をおいて、例えば第1のガイドレール11の前側半部に配置されている。突出部24a,24bはそれぞれ、長手方向(L)において互いに間隔をおいて配置された2つの斜面31a,31b(図4b、図4c)を含んでおり、これによって第2のガイドレール10のガイド体23a,23bは、不都合な当接縁部なしに突出部24a,24bに乗り上げ、かつ突出部24a,24bから再び下降することができる。
【0022】
1実施例によれば、第1の突出部24aは、第2の突出部24bよりも大きな高さを有していてよい。このように構成されていると、第1のガイド体23aは、閉鎖位置を起点とした第2のガイドレール10の運動時に、好ましくは間隙を維持しながら、比較的低く形成された第2の突出部24bのところを妨げられずに通過することができ、次いで第1のガイド体23aは開放位置において、第1の突出部24aと遊びなしに係合することができ、かつ第2のガイド体23bも第2のガイドレール10の開放位置において、(例えば第2のガイド体23bの大きな直径に基づいて、かつ/または第2のガイド体23bの、第1のガイド体23aに対して相対的に長手方向(L)に対して横方向にずらされた配置形態によって)第2の突出部24bに遊びなしに接触する。
【0023】
さらに第1のガイドレール11には、第3の突出部24cおよび第4の突出部24dが設けられており、両突出部24c,24dは、長手方向(L)に沿って互いに間隔をおいて、かつ長手方向(L)において第1および第2の突出部24a,24bに対してずらされて配置されている。この第3および第4の突出部24c,24dは、それぞれ、引出しガイド4の完全な開放位置において、走行キャリッジ25a,25bに支持されたガイド体23c,23dと遊びなしに接触し、ひいては第3のガイドレール9と第1のガイドレール11との間の側方遊びを減じるように設けられている。
【0024】
図3bには、図3aにおいて丸で囲まれた領域「B」が拡大されて示されている。走行キャリッジ25aに支持されたガイド体23cは、取付け位置において鉛直に延びる軸30を中心にして回転可能に支持されていて、かつ引出しガイド4の完全な開放位置において、第1のガイドレール11の第3の突出部24cに遊びなしに接触している。走行キャリッジ25aは、第1のガイドレール11のサイドウェブ11aを収容するためのスリット29を有している。
【0025】
図3cには、図3aにおいて丸で囲まれた領域「A」が拡大されて示されている。走行キャリッジ25bに支持されたガイド体23dは、同様に、取付け位置において鉛直に延びる軸30を中心にして回転可能に支持されていて、かつ引出しガイド4の完全な開放位置において、第1のガイドレール11の第4の突出部24dに遊びなしに接触している。
【0026】
図4aには、引出しガイド4が横になっている位置において示されており、このとき引出しガイド4は、完全な開放位置にあり、かつ第1および第2のガイド体23a,23bはそれぞれ、該第1および第2のガイド体23a,23bに対応配置された突出部24a,24bに遊びなしに接触しており、これによって第1のガイドレール11と第2のガイドレール10との間における側方遊びは回避されている。開放位置において第3のガイドレール9と第2のガイドレール10とは1つの領域において互いにオーバラップしており、このとき第1のガイド体23aおよび第2のガイド体23bは、この領域の内側に位置している。
【0027】
図4bには、図4aにおいて丸で囲まれた領域「A」が拡大されて示されている。第1のガイド体23aは、第2のガイドレール10の開放位置において第1の突出部24aに遊びなしに接触している。突出部24aは、少なくとも1つの斜面31a,31bを有しており、この斜面31a,31bは、突出部24aへのガイド体23aの乗上げ、もしく突出部24aからのガイド体23aの下降を円滑にする。図4cには、図4aにおいて丸で囲まれた領域「B」が拡大されて示されており、このとき第2のガイド体23bは、引出しガイド4の開放位置において第2の突出部24bに遊びなしに接触している。
【0028】
つまり引出しガイド4は、図面において示されているように、互いに相対的に移動可能に支持された少なくとも3つのガイドレール9,10,11を有していてよく、このとき第3のガイドレール9は家具本体2に、かつ第2のガイドレール10は引出し3に固定すべきものであり、このとき第1のガイドレール11は、第3のガイドレール9と第2のガイドレール10との間において移動可能に支持されている。このとき少なくとも1つのガイド体23a,23b,23c,23dは、第3のガイドレール9と第1のガイドレール11との間において、かつ少なくとも1つの別のガイド体23a,23b,23c,23dは、第1のガイドレール11と第2のガイドレール10との間において支持されていてよい。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c