(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】オフショア設備、接続デバイス、および電気的オフショア接続部を提供するための方法
(51)【国際特許分類】
F03D 13/25 20160101AFI20220228BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20220228BHJP
F03D 80/00 20160101ALI20220228BHJP
H02G 9/02 20060101ALI20220228BHJP
H02G 1/10 20060101ALI20220228BHJP
H02G 15/10 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
F03D13/25
B63B35/00 T
F03D80/00
H02G9/02
H02G1/10
H02G15/10
(21)【出願番号】P 2020543495
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2019053035
(87)【国際公開番号】W WO2019158431
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-08-14
(32)【優先日】2018-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519081710
【氏名又は名称】シーメンス ガメサ リニューアブル エナジー エー/エス
【氏名又は名称原語表記】Siemens Gamesa Renewable Energy A/S
【住所又は居所原語表記】Borupvej 16, 7330 Brande, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】イェスパー メラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョニー サアアンスン
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02518310(EP,A1)
【文献】特表2016-514225(JP,A)
【文献】国際公開第2009/013766(WO,A1)
【文献】特表2019-536691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 13/25
B63B 35/00
F03D 80/00
H02G 9/02
H02G 1/10
H02G 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフショア設備(7
)であって、第1のサブステーション(8)と、第2のサブステーション(9)と、前記第1のサブステーション(8)に電気的に接続された第1の接続ケーブル(13)と、前記第2のサブステーション(9)に電気的に接続された第2の接続ケーブル(14)と、前記第1の
接続ケーブルと前記第2の
接続ケーブル(13,14)とを電気的に接続する中間ケーブル(15)と、を備え、前記第1および/または前記第2の接続ケーブル(13,14)が、前記中間ケーブル(15)よりも可撓性であり、
前記第1または前記第2の接続ケーブル(13,14)を前記中間ケーブル(15)に接続する電気的接続部(17)と、前記電気的接続部(17)を取り囲むガスの容積(18)と、を有する接続デバイス(16,19)をさらに備え、
前記接続デバイス(16,19)がハウジング(28)を有し、前記ハウジング(28)が、前記電気的接続部(17)および前記ガスの容積(18)を取り囲み、前記ハウジング(28)が、第1の開口部(31)および第2の開口部(32)を備え、前記第1または前記第2の接続ケーブル(13,14)が、前記第1の開口部(31)を通過し、前記中間ケーブル(15)が、前記第2の開口部(32)を通過し、前記第1の開口部(31)および前記第2の開口部(32)が、海底(12)を向いている、
オフショア設備(7)。
【請求項2】
前記接続デバイス(16,19)が沈水している、請求項1記載のオフショア設備。
【請求項3】
前記ハウジング(28)が、ベル状の部分(29)、および/または前記第1および前記第2の開口部(31,32)を有する底板(30)を備える、請求項2記載のオフショア設備。
【請求項4】
前記接続デバイス(16,19)が、前記第1または前記第2の
接続ケーブル(13,14)を前記中間ケーブル(15)に接続するT字型コネクタ(42,43,44)を備える、請求項1から3までのいずれか1項記載のオフショア設備。
【請求項5】
前記接続デバイス(16,19)に接続され、前記接続デバイス(16,19)を沈水状態に保つように構成されたアンカー(22,23)をさらに備える、請求項1から4までのいずれか1項記載のオフショア設備。
【請求項6】
前記接続デバイス(16,19)が、ガスを供給するための圧縮機(55)に接続可能な圧力維持ライン(54)のためのインターフェース(62)を備える、請求項1から5までのいずれか1項記載のオフショア設備。
【請求項7】
前記接続デバイス(16,19)が、前記ガスの圧力を調整するための圧力調整ユニット(49)を備える、請求項1から6までのいずれか1項記載のオフショア設備。
【請求項8】
前記海底(12)上に配置されたパイプ(27)をさらに備え、前記中間ケーブル(15)が、少なくとも部分的に前記パイプ(27)を通って延びる、請求項1から7までのいずれか1項記載のオフショア設備。
【請求項9】
前記第1または前記第2の接続ケーブル(13,14)が、前記中間ケーブル(15)よりも多くのケーブルストランド(61)を備える、請求項1から8までのいずれか1項記載のオフショア設備。
【請求項10】
電気
的接続部(17,53)を提供するための方法であって、オフショアで
中間ケーブル(15)を第1の
接続ケーブル(
13)
および/または第2の
接続ケーブル
(14)に電気的に接続して
、接続デバイス(16,19)内で前記電気的接続部(17,53)を提供すること(S4)を含み、
前記第1の接続ケーブル(13)はオフショア設備(7)の第1のサブステーション(8)に電気的に接続され、前記第2の接続ケーブル(14)は前記オフショア設備(7)の第2のサブステーション(9)に電気的に接続され、
前記第1および/または前記第2の
接続ケーブル(13,14)が、
前記中間ケーブル(15)よりも可撓性であり、
前記電気的接続部(17,53)を、沈水したときにガスの容積(18)により取り囲み、
前記接続デバイス(16,19)がハウジング(28)を有し、前記ハウジング(28)が、前記電気的接続部(17)および前記ガスの容積(18)を取り囲み、前記ハウジング(28)が、第1の開口部(31)および第2の開口部(32)を備え、前記第1または前記第2の接続ケーブル(13,14)が、前記第1の開口部(31)を通過し、前記中間ケーブル(15)が、前記第2の開口部(32)を通過し、前記第1の開口部(31)および前記第2の開口部(32)が、海底(12)を向いている、
方法。
【請求項11】
前記電気的接続部(17)の浸漬深さを増加させるにつれて、ガス圧を増加させる、請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフショア設備(offshore arrangement)、特に風力発電所(wind farm)、オフショアケーブルを接続するための接続デバイス、および電気的オフショア接続部を提供するための方法に関する。
【0002】
風力発電所はオフショアに設置することができ、複数の風力タービンを備えることができる。しかし、水深が約40mを超えると、海底に係留される浮体式基礎の使用が必要となる場合があり、浮体式基礎は、完全に沈水または一部沈水(半沈水)している場合がある。数百トンの重量がある重い浮体式基礎は、比較的安定であり得る。しかし、浮体式基礎は非常にダイナミックな海洋環境の中に設置される場合があり、浮体式基礎のタイプによっては、風、うねり、および大きな波の影響を受けて動くことがある。特に、異なる深さでの海流の動きは、例えば、プラットフォームから展開される深さが波の影響を受けない深さであっても、構造物に接続された電力ケーブルなどに大きな負荷をかける可能性がある。ケーブルは、海からのあらゆる動きおよび荷重、ならびに自重に適合できなければならない。
【0003】
特に、(例えば風力タービン用の)浮体式基礎へのまたは浮体式基礎間のケーブル接続は、浮体式基礎およびケーブル自体の自然な動きの結果として、堅牢で可撓性のケーブル(非剛性ケーブル)が必要となるため、非常に高額になる場合がある。
【0004】
本発明の1つの目的は、改良されたオフショア設備、および/または改良された接続デバイス、および/または電気的オフショア接続部を提供するための改良された方法を提供することである。
【0005】
したがって、オフショア設備、特にオフショア風力発電所(offshore wind farm)が提供される。オフショア設備は、第1のサブステーション(substation)と、第2のサブステーションと、第1のサブステーションに電気的に接続された第1の接続ケーブルと、第2のサブステーションに電気的に接続された第2の接続ケーブルと、第1のケーブルと第2のケーブルとを電気的に接続する中間ケーブルと、を備え、第1および/または第2の接続ケーブルは、中間ケーブルよりも可撓性である。
【0006】
サブステーションが動くため、ケーブルの可撓性が要求される。通常、より可撓性でないケーブルは、より可撓性であるケーブルよりも安価である。したがって、より可撓性でないケーブルを部分的に使用することにより、サブステーション間のケーブル接続のためのコストを低減することができるとともに、必要な場合に、ケーブルの可撓性を提供することができる。
【0007】
例えば、オフショア設備は、少なくとも10,20,50,100,150個以上のサブステーションを備えることができる。好ましくは、サブステーションは、浮体式基礎、および浮体式基礎上に設けられる風力タービンを備える。「より(も)可撓性である」とは、別のケーブル部分と比較して、等しい長さを有するケーブル部分を同じ程度、特に同じ曲率に曲げるのに必要な力がより少ないことを意味する。第1の接続ケーブル、第2の接続ケーブル、および中間ケーブルは、1本ワイヤ(単心)、3本ワイヤ(3心ケーブル)またはそれ以上を備えてもよい。特に、第1の接続ケーブル、第2の接続ケーブルおよび中間ケーブルは、風力タービンで発電された電力を伝導するように構成される。
【0008】
一実施形態によれば、オフショア設備は、第1または第2の接続ケーブルを中間ケーブルに接続する電気的接続部と、電気的接続部を取り囲むガスの容積とを、有する接続デバイスをさらに備える。
【0009】
したがって、電気的接続部には乾燥した環境が提供される場合がある。特に、電気的接続部は、第1の接続ケーブルまたは第2の接続ケーブル、および中間ケーブルを取り付けることができる手段を備える。好ましくは、オフショア設備は、少なくとも4,8,12,20,40,70,100,150または200個の接続デバイス、および電気的に接続されたそれぞれのケーブルを備える。
【0010】
更なる実施形態によれば、接続デバイスは沈水している。
【0011】
これには、ガスが電気的接続部を取り囲んでいるため、電気的接続部を過酷な海水の状況から保護できるという利点がある。したがって、接続されたケーブルのライフサイクルを向上させることができる。特に、接続デバイスは、海面下少なくとも10,20,30,40,50mに沈水する。
【0012】
好ましくは、接続デバイスは、接続デバイスが沈水したときにハウジング内への水の浸入を許容するように設計される。それでも、ハウジング内の水のレベルは、ガスの(加圧された)容積によって、下に留まるように(すなわち、電気的接続部から離れて留まるように)制御される。
【0013】
更なる実施形態によれば、接続デバイスは、電気的接続部およびガスの容積を取り囲むハウジングを有し、ハウジングは、好ましくは、第1の開口部および第2の開口部を備え、第1または第2の接続ケーブルは、第1の開口部を通過し、中間ケーブルは、第2の開口部を通過し、第1の開口部および/または第2の開口部は、海底を向いている。
【0014】
したがって、接続デバイスが沈水したとき、ガス圧が水に対抗する。好ましくは、ハウジング、特にハウジング部分は、ガスの容積の内部空間および電気的接続部を取り囲む。特に、開口部は、内部空間に流体的に接続される。
【0015】
好ましくは、ハウジングは、剛性の構造であり、(コーティングされた)鋼および/または複合材料、例えば繊維ガラスなどの、周囲の環境に対して耐性のある耐久性材料から作製することができる。好ましくは、ハウジングは、海面下に沈水したときに作業者(ダイバー)が入ることができるように寸法決めされてもよい。特に、接続デバイスの浮力は、海流による過度の動きを回避するのに十分な大きさであるべきである。好ましくは、ハウジングは、電気的接続が完了したときに電気的接続部を取り付けることができるモジュールである。
【0016】
更なる実施形態によれば、ハウジングは、ベル状(bell-shaped)の部分、および/または第1の開口部および第2の開口部を有する底板を備える。
【0017】
好ましくは、底板は、接続手段、特にねじによって、ベル状の部分に接続される。これは、接続デバイスをオフショアで組み立てることができるという利点を有する。
【0018】
更なる実施形態によれば、接続デバイスは、第1または第2のケーブルを中間ケーブルに接続するT字型コネクタを備える。
【0019】
したがって、標準的な部品を使用することができ、それによりコストを低減し、可用性を高めることができる。好ましくは、T字型コネクタは、電気的に接続される各ワイヤ対のために提供される。
【0020】
更なる実施形態によれば、オフショア設備は、接続デバイスに接続され、接続デバイスを沈水状態に保つように構成されたアンカー(anchor)をさらに備える。
【0021】
特に、アンカーは、海底に固定されてもよい。好ましくは、接続デバイスは、可撓性の接続手段、例えばロープ、チェーンなどによってアンカーに接続される。
【0022】
更なる実施形態によれば、接続デバイスは、ガス圧を解放するためのバルブを備える。
【0023】
このことは、過圧を回避することができるという利点を有する。特に、バルブは、内部空間に流体的に接続される。
【0024】
更なる実施形態によれば、接続デバイスは、ガスを供給するための圧縮機に接続可能な圧力維持ラインのためのインターフェースを備える。
【0025】
特に、圧縮機は、船舶上に配置することができる。したがって、内部空間内の圧力は、船舶から適応させることができる。好ましくは、インターフェースは、バルブに含まれてもよい。
【0026】
更なる実施形態によれば、接続デバイスは、特に、接続デバイスを取り囲む水の圧力変化(例えば、海面が上昇するかまたは低くなった場合)に応答して、ガスの圧力を調整するための圧力調整ユニットを備える。
【0027】
したがって、圧力低下または圧力損失を回避することができる。圧力調整ユニットは、ガスで満たされ、ガスを内部空間に放出するように構成された容器を備えることができる。特に、バルブおよび圧力調整ユニットは、1つの部品に含まれてもよい。好ましくは、インターフェースは、圧力調整ユニットに含まれてもよい。
【0028】
更なる実施形態によれば、オフショア設備は、海底上に配置されたパイプをさらに備え、中間ケーブルは、少なくとも部分的にパイプを通って延びる。
【0029】
好ましくは、パイプは、中間ケーブルのケーブル部分を収容するために提供される。特に、ケーブル部分は、ケーブルの最も長い部分であってもよい。
【0030】
更なる実施形態によれば、第1または第2の接続ケーブルは、中間ケーブルよりも多くのケーブルストランド(cable strand)を備える。
【0031】
好ましくは、増加した量のケーブルストランドのため、それぞれのケーブルのより大きな可撓性が達成され得る。好ましくは、各ワイヤは、複数のケーブルストランドを備える。特に、第1の接続ケーブルまたは第2の接続ケーブルは、中間ケーブルよりも少なくとも2,5,10,20または100倍多いケーブルストランドを備えてもよい。
【0032】
さらに、オフショアケーブルを接続するための接続デバイスが提供される。接続デバイスは、第1の沈水オフショアケーブルを第2の沈水オフショアケーブルに電気的に接続する電気的接続部を提供するように構成され、かつ接続デバイスが沈水したときに電気的接続部を取り囲むガスの容積を提供するように構成される。
【0033】
オフショア設備の任意の実施形態および特徴は、接続デバイスの任意の実施形態および特徴に準用され、その逆も同様である。
【0034】
これは、沈水した異なるケーブル間の電気的接続部が、悪条件から保護され得るという利点を有する。好ましくは、長寿命の沈水接続を提供するための労力が低減される。接続デバイスは、そのようなケーブルの製造および輸送がケーブルセクションの長さに制限を設ける、長距離にわたって配置される同じタイプのケーブルにも使用することができる。ケーブルの交換は、より高価な海底接合の使用を避けることにより、よりコスト効率的に行うこともできる。
【0035】
したがって、この概念は、電気的中間補償のためのコスト効率の良い補償システムを、アンカーブロックから吊り下げられたリアクタまたはコンデンサに接続するためにも使用することができる。これにより、非常に長いHVAC(高圧交流)エクスポートケーブルの使用が可能になり得る。このソリューションは、36kV(キロボルト)の今日の通常のレベルから、最近の66kV、および将来の145kVのアレイ電圧レベルにも、任意の電圧レベルで適用することができる。特に、接続デバイスは、400kVレベルの高いエクスポート電圧レベルに使用することができる。
【0036】
接続デバイスを沈水させて使用することにより、例えば2本のケーブル間の接続点を周囲の水から保護することができる。外側の水の圧力が、ガスを接続デバイス内に閉じ込めたままにするとともに、ガスは、接続デバイス内に水が入るのを防止する。
【0037】
特に、接続デバイスは、ケーブルを安定させ、かつわずかな動きを可能にする浮力部材として機能するように構成される。
【0038】
さらに、電気的オフショア接続部を提供するための方法が提供される。方法は、オフショアで第1の電気ケーブルを第2の電気ケーブルに電気的に接続して電気的接続部を提供するステップを含み、第2の電気ケーブルは、第1の電気ケーブルよりも可撓性である。
【0039】
オフショア設備の任意の実施形態および特徴は、方法に準用され、その逆も同様である。さらに、接続デバイスの任意の実施形態および特徴は、方法に準用され、その逆も同様である。
【0040】
更なる実施形態によれば、電気的接続部は、沈水したときにガスの容積により取り囲まれる。
【0041】
更なる実施形態によれば、電気的接続部の浸漬深さが増加させられるにつれて、ガス圧が増加させられる。
【0042】
特に、圧力維持ラインは、接続デバイス、特に内部空間、および船舶に設けられた圧縮機に接続される。圧縮機および圧力維持ラインは、接続デバイスの沈水中にガス、特に空気を接続デバイスに吹き込むように構成される。好ましくは、接続デバイスおよび好ましくはアンカーは、特にクレーンによって沈水させられる。
【0043】
好ましくは、接続デバイスを下降させる際に、接続デバイス内の、特に内部空間内の圧力が調整され、それにより、本質的に水が接続デバイス、特に内部空間に入らないようになっている。したがって、電気的接続部は、沈水した状態でも、ガスの容積によって取り囲まれる。
【0044】
好ましくは、アンカーは、接続デバイスよりも前に下降させられる。特に、接続デバイスは、アンカーに接続するための接続手段に到達するまで、アンカーに向かって下降させられてもよい。特に、接続デバイスは、維持すべき接続デバイス内の圧力よりも大きな試験圧力で加圧される。
【0045】
本発明の更なる可能な実施または代替的なソリューションは、実施形態に関して上記にまたは以下に記載した特徴の組み合わせ-本明細書では明示的に言及されていない-も包含する。当業者であれば、本発明の最も基本的な形態に、個々のまたは分離した態様および特徴を追加することも可能である。
【0046】
本発明の更なる実施形態、特徴および利点は、添付の図面と併せて記載される後続の説明および従属請求項から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図4】電気的オフショア接続部を設ける方法の方法ステップの概略図である。
【
図5】電気的オフショア接続部を設ける方法の更なる方法ステップの概略図である。
【
図6】電気的オフショア接続部を設ける方法の更なる方法ステップの概略図である。
【0048】
図において、同様の参照番号は、別途示さない限り、同様のまたは機能的に同等の要素を示す。
【0049】
図1は、風力タービン1を示す。風力タービン1は、ナセル3内に配置された発電機(図示せず)に接続されたロータ2を備える。ナセル3は、風力タービン1のタワー4の上端部に配置されている。ナセル3は、タワー4に回転可能に連結されている。
【0050】
ロータ2は、3つのブレード5を備える。ブレード5は、風力タービン1のハブ6に直接または間接的に接続されている。このタイプのロータ2は、例えば30m~160mの範囲またはそれ以上の直径を有してもよい。ブレード5は、強風荷重を受ける。同時に、ブレード5は軽量である必要がある。これらの理由から、現代の風力タービン1のブレード5は、繊維強化複合材料から製造される。その場合、一般に、コストの理由で、炭素繊維よりもガラス繊維が好ましい。多くの場合、一方向性繊維マットの形態のガラス繊維が使用される。
【0051】
図2は、オフショア設備7を示す。オフショア設備7は、オフショア風力発電所であってもよい。オフショア設備は、サブステーション8(第1のサブステーションともいう)とサブステーション9(第2のサブステーションともいう)とからなる。サブステーション8は、例えば、一部が沈水している浮体式基礎10および浮体式基礎10に接続された風力タービン1を備える。好ましくは、浮体式基礎10は、海底12に係留される。サブステーション9は、例えば、海底12に係留され、例えば完全に沈水した浮体式基礎11および浮体式基礎11に接続された風力タービン1を備える。サブステーション8,9は、海底12またはアンカー(図示せず)に固定されたロープ50によって海底12に接続することができる。
【0052】
代替的には、サブステーション8,9の少なくとも1つは、特に風力タービン1の代わりに、展望タワー、変圧器および/または変換器ステーション(図示せず)などを備えてもよい。さらに、サブステーション8,9は同一であってもよい。
【0053】
オフショア設備7は、サブステーション8に電気的に接続されたケーブル13(第1の接続ケーブルともいう)、サブステーション9に電気的に接続されたケーブル14(第2の接続ケーブルともいう)、およびケーブル13,14を電気的に接続するケーブル15(中間ケーブルともいう)を備える。ケーブル13および/またはケーブル14は、ケーブル15よりも可撓性であってよい。これは、可撓性のあるケーブル13,14が、特に時にはケーブル13,14の疲弊のために、損傷を受けることなく、サブステーション8,9の動きに追従することができるという利点を有する。ケーブル13,14,15は、リードシースを有する外装ケーブルとして提供されてもよい。特に、ケーブル13,14,15は、少なくとも10,40,100,300,または500kV,例えば45kV~275kV用に提供されてもよい。例えば、ケーブル13,14は、可撓性の増加を達成するために、ケーブル15よりも多くのケーブルストランドを備えてもよい。特に、ケーブル13および/またはケーブル14は、ケーブル15の少なくとも2,5,10,20,または100倍のケーブルストランドを備えてもよい。
【0054】
サブステーション8,9の間に可撓性の低いケーブル15を設けることは、ケーブル配線のコストを低減する可能性がある。したがって、サブステーション8とサブステーション9との間の距離Dの少なくとも50,60,70,80,90,95,98,99%にケーブル15を使用することは有利であり得る。例えば、オフショア設備7は、少なくとも10,20,50,100,150以上のサブステーション8,9を備えることができる。
【0055】
さらに、ケーブル13をケーブル15に接続する電気的接続部17および電気的接続部17を取り囲むガスの容積18を備える接続デバイス16が提供される。任意選択で、ケーブル14をケーブル15に接続する接続デバイス19が設けられてもよい。接続デバイス16,19は同一であってもよい。例えば、ケーブル15の一方の端部20が接続部17に接続され、ケーブル15の他方の端部21が接続デバイス19に接続される。代替的には、他方の端部21は、他のオフショアプラットフォーム(図示せず)またはオンショア設備に直接接続されてもよい。
【0056】
接続デバイス16,19は沈水している。アンカー22,23(例えば、コンクリートまたは鋼製)は、特にロープ24,25によって、接続デバイス16,19に接続される。アンカー22,23は、接続デバイス16,19を沈水状態に保つように構成される。アンカー22,23は、海底12上に置かれる。海底12と海面Lとの間の距離はH2である。海底12と接続デバイス16との間の距離はH1、接続デバイス16と海面Lとの間の距離はH3である。特に、距離H3は、少なくとも10,20,30,40,50mである。
【0057】
例えば、ケーブル15のケーブル部分26(破線参照)は、海底12上に置かれている。任意選択で、海底12上に配置されたパイプ27は、ケーブル部分26を収容するために設けられている。したがって、ケーブル部分26は、パイプ27を通して突出している。そのため、パイプ27は、ケーブル部分26を外部の影響から保護するように構成されている。ケーブル部分26は、ケーブル15の最も長い部分であってもよい。
【0058】
図3は、特に
図2から、接続デバイス16を示す。接続デバイス16は、電気的接続部17およびガスの容積18を取り囲むハウジング28を有する。ハウジング28は、特にベル状の部分29、ならびにケーブル13のための開口部31(第1の開口部ともいう)およびケーブル15のための開口部32(第2の開口部ともいう)を有する底板30を備える。開口部31および開口部32は、接続デバイス16が沈水したとき、海底12を向く。
【0059】
部分29は、接続デバイス16の内部空間33を収容する。内部空間33の内部には、ガスが配置されている。例えば、水34が内部空間33に侵入してもよい。しかし、接続デバイス16は、水34を低レベル(例えば40cm)に保つように構成されている。
【0060】
内部空間33に一方の端部35が突出している。端部35は、電気的接続部17によって端部20に電気的に接続されている。例えば、端部35は、3本のワイヤ36,37,38を備える。また、端部20は、3本のワイヤ39,40,41を備えることができる。特に、接続デバイス16は、ワイヤ36とワイヤ39とを接続するT字型コネクタ42および/またはワイヤ37とワイヤ40とを接続するT字型コネクタ43および/またはワイヤ38とワイヤ41とを接続するT字型コネクタ44を備える。
【0061】
例えば、ワイヤ36,37,38,39,40,41は、交流電力ケーブル、3相電力ケーブルおよび/または信号ケーブルおよび/または通信ケーブルを備える。さらに、端部20,35は、互いに接続されたワイヤ(図示せず)をさらに備えてもよい。各ワイヤ36,37,38,39,40,41は、複数のケーブルストランドを備えることができる。特に、ワイヤ36,37,38,39,40,41またはその各々は、少なくとも10,40,100,300または500kV、例えば45kV~275kV用の寸法を有してもよい。
【0062】
ケーブル13,15は、開口部31,32に設けられたケーブル固定具45,46によって底板30に固定されてもよい。代替的には、底板30は、少なくともまたは正確には2,3,4,5,6つ以上の、配線されるそれぞれのケーブル用の開口部(図示せず)を備えることができる。底板30は、接続手段47、例えばねじなどによって、部分29に固定されてもよい。
【0063】
好ましくは、接続デバイス16は、ガス圧を解放するためのバルブ48を備える。これにより、過圧が回避され得るという利点がある。特に、接続デバイス16は、ガス圧を調整するための圧力調整ユニット49を備える。したがって、圧力低下または圧力損失を回避することができる。外側の水34の圧力は、ガスがハウジング28内に閉じ込められた状態を維持し、これに対して、ガスは、水34がハウジング28内に入り込み、したがって、電気的接続部17と接触することを実質的に防止する。同時に、接続デバイス16は、システムを安定化させ、かつわずかな動きを可能にする浮力部材としても機能する。
【0064】
接続デバイス16は、オフショアにて船舶上で組み立てられるように構成される(
図4~
図6参照)。さらに、ケーブル13,15および/またはワイヤ36,37,38,39,40,41は、オフショアにて船舶上で接続されるように構成される(
図4~
図8参照)。ガスは、空気または別のガスであってもよい。接続デバイス16は、内部空間33内の圧力またはガスの容積18内の圧力を特定するように構成された圧力センサ56を備えることができる。好ましくは、接続デバイス16は、内部空間33内の水位を特定するように構成されたセンサ(図示せず)をさらに備えることができる。
【0065】
例えば、可能な限り単純でメンテナンスフリーの監視システムを有するために、光ワイヤを使用して水位を監視することができよう。特に、単純な非電気的水位監視のための光ファイバワイヤを使用することができる。これは、接続デバイス16から浮体式基礎10への追加の電気信号ケーブルを省略し得るという利点を有する。光ファイバシステムは、半透明の光学ロッド内の光波を非電気的レベル測定として使用することができるという概念に基づくことができよう。
【0066】
好ましくは、内部空間33内の水位を制御するために、特定の大きさの圧力を維持しなければならない。圧力は周囲の水圧ひいては距離H3に依存する。距離H3の量は、船舶が接続デバイス16の上を自由に通過することができるように提供することができる。
【0067】
特に、接続デバイス16は、接続デバイス16を(例えば、
図4を参照して設置船舶51から)持ち上げるための1つ以上のフック取り付け部59、および接続デバイス16を固定位置に保持するために使用されるアンカー22のための1つ以上の接続部60も備える。
【0068】
接続デバイス16は、接続デバイスが沈水したときにガスを供給するための圧縮機55(
図6参照)に接続可能な圧力維持ライン54(
図6参照)に接続するためのインターフェース62を備えることができる。
【0069】
この目的のために、好ましくは、海底12に配置された1つ以上のアンカー22が使用される。好ましくは、接続デバイス16は、ハウジング28に接続された永久的な回収ライン(図示せず)を備える。そのような回収ラインは、好ましくは、重量が重く、船舶の推進ギアに絡まるのを避けるために十分な長さであるべきである。
【0070】
水34または空気が時間の経過とともに内部空間33に出入りする可能性があるので、接続デバイス16は、好ましくは、入口58も備えて、追加のガスが、例えば作業船(図示せず)から内部空間33に圧送されることを可能にする。有利には、この設計は、ダイバーとの対話を伴わない種類のものとすることができ、かつ接続デバイスの上方の作業船から下降させられ、接続/解除されるホースを介して行うことができよう(例えば、航空機の空中給油に利用される原理に類似している)。
【0071】
特に、バルブ48および/または入口58および/またはインターフェース62は、1つの部品として設けることができる。
【0072】
特に、接続デバイス16は、「ダイビングベル」と表示することができる。例えば、接続デバイス16は、オフショア施設間および/またはオフショア施設からオンショア施設へのオフショアケーブル(例えば、電力ケーブルおよび/または通信ケーブルなど)の任意の接続に使用することができる。接続デバイス16は、沈水させられるあらゆるタイプのケーブルを接続するように構成される。そのようなケーブルの沈水接続点は、それらが置かれる過酷な条件に耐えるために、広範囲の(かつ高価な)保護を必要とする。
【0073】
図4は、電気的オフショア接続部53(
図2参照)を提供するための方法の方法ステップS1,S2を概略的に示す。特に、ステップS1では、接続デバイス16を有する船舶51がサブステーション8,9の近くに提供される。ステップS2では、ケーブル15(第1の電気ケーブルともいう)の端部20が船舶51上に提供される。好ましくは、ケーブル13(第2の電気ケーブルともいう)の端部35は、サブステーション8,9上に配置される。
【0074】
ケーブル13の別の端部52は、サブステーション8,9に接続される。代替的には、端部52は、端部20に接続された後にサブステーションに接続されてもよい。これは、例えば、接続デバイス16が沈水する前または沈水した後に行うことができる(
図6参照)。端部20を海底12から回収する初期ステップが設けられてもよい。好ましくは、ケーブル13は、ケーブル15よりも可撓性である。
【0075】
図5は、電気的オフショア接続部53(
図2参照)を提供するための方法の方法ステップS3,S4を概略的に示す。好ましくは、ステップS3では、端部35が船舶51に移送される。特に、ステップS4では、ケーブル15がケーブル13に接続されて、電気的接続部17を提供する。特に、更なるステップでは、2つのケーブル13,15および接続デバイス16が、
図2または
図3に示すように、船舶51上で接続され、組み立てられる。
【0076】
代替的には、端部35が先に回収され、その後に端部20が海底12から回収される。
【0077】
図6は、接続デバイス16、電気的接続部17および端部20,35が沈水させられる更なる方法ステップS5~S11を概略的に示す。
【0078】
特に、ステップS5では、圧力維持ライン54が、接続デバイス16、特に内部空間33、および船舶51に設けられた圧縮機55に接続される。圧縮機55および圧力維持ライン54は、接続デバイス16の沈水中にガス、特に空気を接続デバイス16内に押し込むように構成される。好ましくは、ステップS6では、接続デバイス16または接続部53および好ましくはアンカー22が、特にクレーン57によって沈水させられる。
【0079】
好ましくは、ステップS7では、接続デバイス16を下降させる際に、接続デバイス16内の、特に内部空間33内の圧力が調整され、それにより、本質的に水が接続デバイス16、特に内部空間33に入らないようになっている。したがって、電気的接続部17は、沈水した状態でも、ガスの容積18によって取り囲まれる。好ましくは、接続デバイス16の浸漬深さが増加させられるにつれて、ガス圧が増加させられる。
【0080】
好ましくは、ステップS8では、アンカー22が、接続デバイス16よりも前に下降させられる。特に、接続デバイス16は、アンカー22に接続するためのロープ24に到達するまで、アンカー22に向かって下降させられてもよい。特に、ステップS9では、接続デバイス16が、維持すべき接続デバイス内の圧力よりも大きな初期圧力で加圧される。
【0081】
好ましくは、アンカー22が海底12上に静止し、接続デバイス16が所望の距離H1(
図2参照)に配置されたときに、ステップS10において、圧力維持ライン54および/またはクレーン57が接続デバイス16から切り離され、取り外されてもよい。ステップS11では、ケーブル13,15に通電することができる。
【0082】
代替的には、接続デバイス16は、最初に所望の距離H1(または所望の位置)に配置されてもよい。その後、圧縮機55への接続が提供されてもよい。
【0083】
図7は、方法のブロック図を概略的に示しており、方法ステップS1~S11が図示されている。
【0084】
本発明を好ましい実施形態に従って説明してきたが、すべての実施形態において修正が可能であることは、当業者には明らかである。