(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】半導体デバイスの時間領域光計測および検査
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20220228BHJP
【FI】
H01L21/66 J
(21)【出願番号】P 2020572892
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 IB2019056171
(87)【国際公開番号】W WO2020021411
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-02-25
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515037896
【氏名又は名称】ノヴァ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVA LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】東京UIT国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】バラク・ギラド
(72)【発明者】
【氏名】ヘママ・ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】フェルベル・スマダル
(72)【発明者】
【氏名】ハイニック・ヤイル
(72)【発明者】
【氏名】レヴァント・ボリス
(72)【発明者】
【氏名】リンデンフェルド・ゼエヴ
(72)【発明者】
【氏名】シャフィール・ドロール
(72)【発明者】
【氏名】シルマン・ユリ
(72)【発明者】
【氏名】シュライファー・エラッド
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0016835(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0091317(US,A1)
【文献】特開2011-221027(JP,A)
【文献】特表2016-529551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/027
H01L 21/84
G01B 9/00
G01B 11/00
G01B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,
上記時間領域表現の時間の早い部分を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分を除外し,
上記時間領域表現の時間の早い部分を使用してモデルベース処理を実行することによって,上記パターン化構造の関心対象の一または複数のパラメータの一または複数の測定値決定する,
半導体デバイスの計測方法。
【請求項2】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データの時間領域表現を決定するように構成されている,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが,上記時間領域表現の時間の早い部分に対応する上記パターン
化構造の一または複数の上層をモデル化したものである,請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが上記パターン
化構造の一または複数の上層をモデル化したものであって上記パターン化構造の他のすべての層が除かれたものである,請求項3に記載の方法。
【請求項5】
上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記作成がスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して上記時間領域表現を作成することを含む,請求項1に記載の方法。
【請求項6】
半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,
上記時間領域表現の時間の早い部分を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分を除外し,
上記時間領域表現の上記選択された時間の早い部分を時間フィルタリング波長領域測定データに変換し,
上記時間フィルタリング波長領域測定データを用いてモデルベース処理を実行することによって,上記パターン化構造の関心対象の一または複数のパラメータの一または複数の測定値を決定する,
半導体デバイスの計測方法。
【請求項7】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データを決定するように構成されている,請求項6に記載の方法。
【請求項8】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが上記時間フィルタリング波長領域測定データに対応する上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものである,請求項6に記載の方法。
【請求項9】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものであり,上記パターン化構造の他のすべての層を除外するものである,請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記作成が上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記時間領域表現を作成することを含む,請求項6に記載の方法。
【請求項11】
半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,かつ
上記時間領域表現の時間の早い部分を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分を除外するスペクトル処理ユニットと,
上記時間領域表現の上記時間の早い部分を使用してモデルベース処理を実行することによって,上記パターン化構造の関心対象の一または複数のパラメータの一または複数の測定値を決定する計測ユニットと,を含み,
上記スペクトル処理ユニットおよび上記計測ユニットが,
a)コンピュータ・ハードウェア,および
b)非一時的な,コンピュータ読取可能媒体内に具現化されるコンピュータ・ソフトウェア
のいずれかに実装される,
半導体デバイス計測用システム。
【請求項12】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データの時間領域表現を決定するように構成されている,請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが,上記時間領域表現の時間の早い部分に対応する上記パターン
化構造の一または複数の上層をモデル化したものである,請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが,上記パターン
化構造の一または複数の上層をモデル化したものであって他のすべての層が除かれたものである,請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記スペクトル処理ユニットがスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して上記時間領域表現を作成するように構成されている,請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,
上記時間領域表現の時間の早い部分を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分を除外し,
上記時間領域表現の上記選択された時間の早い部分を時間フィルタリング波長領域測定データに変換する,
スペクトル処理ユニットと,
上記時間フィルタリング波長領域測定データを用いてモデルベース処理を実行することによって,上記パターン化構造の関心対象の一または複数のパラメータの一または複数の測定値を決定する,
計測ユニットと,を備え,
上記スペクトル処理ユニットおよび上記計測ユニットが,
a)コンピュータ・ハードウェア,および
b)非一時的な,コンピュータ読取可能媒体内に具現化されるコンピュータ・ソフトウェア
のいずれかに実装される,
半導体デバイス計測用システム。
【請求項17】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データを決定するように構成されている,請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが上記時間フィルタリング波長領域測定データに対応する上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものである,
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
上記
モデルベース処理に用いられるモデルが上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものであり,上記パターン化構造の他のすべての層を除外するものである,請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記スペクトル処理ユニットが上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記時間領域表現を作成するように構成されている,請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,半導体デバイスの時間領域光計測および検査に関する。
【背景技術】
【0002】
論理(ロジック)デバイスやメモリデバイスなどの半導体デバイスは,典型的には半導体ウェーハ上に一連の層(レイヤ)を堆積することによって製造され,層の一部またはすべてにパターン化構造を含む。光散乱測定(optical scatterometry)は,半導体デバイスのさまざまな層によって反射された光を測定し,所定の(事前定義された)モデルまたは他の参照データに関して測定された光スペクトルを解釈することによって半導体デバイスの特性を特徴付けるために頻繁に使用されている。光散乱測定は,メモリデバイスで一般的に見られるような周期的なパターン化構造のみを有する半導体デバイスでの使用に特に適している。しかしながら,一部のタイプの半導体デバイスは,メモリ回路などの周期的なパターン構造を持つ上層と,論理回路などの非周期的な構造を持つ下層とを備えているので,既存の光散乱技術を用いてそのようなデバイスの特性を特徴付けることは困難または不可能である。
【発明の概要】
【0003】
この発明の一態様は,半導体デバイス計測(semiconductor device metrology)のための方法を提供するもので,この方法は,半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現(time-domain representation)を作成し,上記時間領域表現の時間の早い部分(earlier-in-time portion)を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分(later-in-time portion)を除外し,上記時間領域表現の時間の早い部分を使用してモデルベース処理を実行することによって上記パターン化構造の関心対象(interest)の一または複数のパラメータの一または複数の測定値を決定することを含む。
【0004】
この発明の他の観点では,上記所定モデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために(for corresponding theoretical measurements of the patterned structure)上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データの時間領域表現を決定するように構成されている。
【0005】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが上記時間領域表現の時間の早い部分に対応する上記パターン構造の一または複数の上層(upper layers)をモデル化したものである。
【0006】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが上記パターン構造の一または複数の上層をモデル化したものであって上記パターン化構造の他のすべての層が除かれたものである。
【0007】
この発明の別の観点では,上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記作成がスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して上記時間領域表現を作成することを含む。
【0008】
この発明に別の観点では,半導体デバイス計測方法が提供され,この方法は,半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,上記時間領域表現の時間の早い部分を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分を除外し,上記時間領域表現の上記選択された時間の早い部分を時間フィルタリング波長領域測定データ(time-filtered wavelength-domain measurement data)に変換し,上記時間フィルタリング波長領域測定データを用いてモデルベース処理を実行することによって,上記パターン化構造の関心対象の一または複数のパラメータの一または複数の測定値を決定することを含む。
【0009】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データを決定するように構成されている。
【0010】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが上記時間フィルタリング波長領域測定データに対応する上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものである。
【0011】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものであり,上記パターン化構造の他のすべての層を除外するものである。
【0012】
この発明の別の観点では,上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記作成が上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記時間領域表現を作成することを含む。
【0013】
この発明の別の観点では,半導体計測方法が提供され,この方法は,半導体デバイスのパターン化構造上の第1のターゲット位置によって反射される光の第1の波長領域測定データの第1の時間領域表現を作成し,上記半導体デバイスの上記パターン化構造上の第2のターゲット位置によって反射される光の第2の波長領域測定データの第2の時間領域表現を作成し,上記第1のターゲット位置の高さに対応する上記第1の時間領域表現中の第1のポイントを特定(識別)し,上記第2のターゲット位置の高さに対応する上記第2の時間領域表現中の第2のポイントを特定し,上記第1のターゲット位置の高さと上記第2のターゲット位置の高さの高低差(height differential)を決定する。
【0014】
この発明の別の観点では,上記第1の波長領域測定データが上記第1のターゲット位置に関連するスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記第2の波長領域測定データが上記第2のターゲット位置に関連するスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記第1の時間領域表現の作成が上記第1の波長領域測定データの上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記第1の時間領域表現を作成するものであり,上記第2の時間領域表現の作成が上記第2の波長領域測定データの上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記第2の時間領域表現を作成するものである。
【0015】
この発明の別の観点では,半導体デバイス検査方法が提供され,この方法は,半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,上記時間領域表現を基準パターン化構造(a reference patterned structure)によって反射される光の基準時間領域表現(a reference time-domain representation)に対して比較し,上記時間領域表現(複数)に違いが存在する場合に上記半導体デバイスの構造異常を特定(識別)するものである。
【0016】
この発明の別の観点では,上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記作成がスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して上記時間領域表現を作成することを含む。
【0017】
この発明の別の観点では,半導体デバイス計測用システムが提供され,このシステムは,半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,かつ上記時間領域表現の時間の早い部分を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分を除外するスペクトル処理ユニットと,上記時間領域表現の上記時間の早い部分を使用してモデルベース処理を実行することによって,上記パターン化構造の関心対象の一または複数のパラメータの一または複数の測定値を決定する計測ユニットと,を含み,上記スペクトル処理ユニットおよび上記計測ユニットが,a)コンピュータ・ハードウェア,およびb)非一時的な,コンピュータ読取可能媒体内に具現化されるコンピュータ・ソフトウェア(computer software embodied a non-transitory, computer-readable medium)のいずれかに実装される。
【0018】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データの時間領域表現を決定するように構成されている。
【0019】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが,上記時間領域表現の時間の早い部分に対応する上記パターン構造の一または複数の上層をモデル化したものである。
【0020】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが,上記パターン構造の一または複数の上層をモデル化したものであって他のすべての層が除かれたものである。
【0021】
この発明の他の観点では,上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記スペクトル処理ユニットがスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して上記時間領域表現を作成するように構成されている。
【0022】
この発明の別の観点では,半導体デバイス計測用システムが提供され,このシステムは,半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成し,上記時間領域表現の時間の早い部分を選択して上記時間領域表現の時間の遅い部分を除外し,上記時間領域表現の上記選択された時間の早い部分を時間フィルタリング波長領域測定データに変換するように構成されるスペクトル処理ユニットと,上記時間フィルタリング波長領域測定データを用いてモデルベース処理を実行することによって,上記パターン化構造の関心対象の一または複数のパラメータの一または複数の測定値を決定するように構成される計測ユニットと,を備え,上記スペクトル処理ユニットおよび上記計測ユニットが,a)コンピュータ・ハードウェア,およびb)非一時的な,コンピュータ読取可能媒体内に具現化されるコンピュータ・ソフトウェアのいずれかに実装される。
【0023】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが,上記パターン化構造の対応する理論上の測定値のために上記パターン化構造によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データを決定するように構成されている。
【0024】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが上記時間フィルタリング波長領域測定データに対応する上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものである。
【0025】
この発明の別の観点では,上記所定モデルが上記パターン化構造の一または複数の上層をモデル化したものであり,上記パターン化構造の他のすべての層を除外するものである。
【0026】
この発明の別の観点では,上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記スペクトル処理ユニットが上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記時間領域表現を作成するように構成されている。
【0027】
この発明の別の観点では,半導体デバイス計測用システムが提供され,このシステムは,半導体デバイスのパターン化構造上の第1のターゲット位置によって反射される光の第1の波長領域測定データの第1の時間領域表現を作成し,上記半導体デバイスの上記パターン化構造上の第2のターゲット位置によって反射される光の第2の波長領域測定データの第2の時間領域表現を作成するように構成されるスペクトル処理ユニットと,上記第1のターゲット位置の高さに対応する上記第1の時間領域表現中の第1のポイントを特定し,上記第2のターゲット位置の高さに対応する上記第2の時間領域表現中の第2のポイントを特定し,上記第1のターゲット位置の高さと上記第2のターゲット位置の高さの高低差を決定するように構成される計測ユニットと,を含み,上記スペクトル処理ユニットおよび上記計測ユニットが,a)コンピュータ・ハードウェア,およびb)非一時的な,コンピュータ読取可能媒体内に具現化されるコンピュータ・ソフトウェアのいずれかに実装される。
【0028】
この発明の別の観点では,上記第1の波長領域測定データが上記第1のターゲット位置に関連するスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記第2の波長領域測定データが上記第2のターゲット位置に関連するスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記スペクトル処理ユニットが上記第1のターゲット位置に関連する上記波長領域測定データの上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記第1の時間領域表現を作成するように構成されており,上記スペクトル処理ユニットが上記第2のターゲット位置に関連する上記波長領域測定データの上記スペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を用いて上記第2の時間領域表現を作成するように構成されている。
【0029】
この発明の別の観点では,半導体デバイス検査用システムが提供され,このシステムは,半導体デバイスのパターン化構造によって反射される光の波長領域測定データの時間領域表現を作成するように構成されるスペクトル処理ユニットと,上記時間領域表現を基準パターン化構造によって反射される光の基準時間領域表現に対して比較し,上記時間領域表現(複数)に違いが存在する場合に上記半導体デバイスの構造異常を特定するように構成される構造異常検出器と,を備え,上記スペクトル処理ユニットおよび上記構造異常検出器が,a)コンピュータ・ハードウェア,およびb)非一時的な,コンピュータ読取可能媒体内に具現化されるコンピュータ・ソフトウェアのいずれかに実装される。
【0030】
この発明の別の観点では,上記波長領域測定データがスペクトル振幅およびスペクトル位相を含み,上記スペクトル処理ユニットがスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して上記時間領域表現を作成するように構成されている。
【0031】
この発明の態様は,以下の添付の図面と併せて記述される以下の詳細な説明からより完全に理解および理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1A】この発明の実施形態にしたがって構築されかつ動作する,時間領域光計測および半導体デバイスの検査用システムの簡略化された概念図である。
【
図1B】この発明の実施形態にしたがって構築されかつ動作する,時間領域光計測および半導体デバイスの検査用システムの簡略化された概念図である。
【
図1C】この発明の実施形態にしたがって構築されかつ動作する,時間領域光計測および半導体デバイスの検査用システムの簡略化された概念図である。
【
図1D】この発明の実施形態にしたがって構築されかつ動作する,時間領域光計測および半導体デバイスの検査用システムの簡略化された概念図である。
【
図2A】この発明の実施形態を理解するために有用な簡略化されたグラフである。
【
図2B】この発明の実施形態を理解するために有用な簡略化されたグラフである。
【
図2C】この発明の実施形態を理解するために有用な簡略化されたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1A~
図1Dを参照して,これらはいずれもこの発明の実施形態にしたがって構築されかつ動作する,時間領域光計測および半導体デバイスの検査用システムの簡略化された概念図である。
図1Aのシステムにおいて,イスラエル国レホヴォトのノヴァ メジャリング インスツルメント リミテッドから市販されているPRIZM(商標)のような,または米国特許第10,161,885に記載されているような光計測ツール100が用いられて,従来技術にしたがって,半導体デバイス104たとえば半導体ウェーハ106のパターン化構造102によって反射される光が測定され,反射光のスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を好ましくは含む対応する波長領域測定データ(wavelength-domain measurement data)108が生成される。光計測ツール100は,パターン化構造102の製造中または製造後に,任意に選択されるポイントにおいてパターン化構造102によって反射された光を計測する。
【0034】
図2Aはスペクトル反射(率)グラフ(spectra reflectance graph)200を示すもので,たとえばパターン化構造102の波長領域計測データ108の一例が示されている。パターン化構造102が比較される基準として機能する比較パターン化構造のスペクトル反射グラフ202も示されている。比較パターン化構造は同じく半導体デバイス104上に配置される「テスト」パターン化構造110とすることができ,スペクトル反射グラフ202はスペクトル反射グラフ200と同じ方法で生成される。両グラフは約430nmまでは実質的に同一であるが,それ以降は非常に異なっている。
【0035】
図1Aにはまた,スペクトル処理ユニット112が示されており,これは好ましくは光計測ツール100に統合される。スペクトル処理ユニット112は従来技術にしたがって,たとえば波長領域測定データ108のスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用することによって波長領域測定データ108の時間領域表現114を作成するように好ましくは構成される。
【0036】
図2Bはスペクトル反射グラフ200の時間領域表現200’を示すもので,パターン化構造102を照明した後,反射光が光計測ツール100によって受光される時間を表している。比較のために,スペクトル反射グラフ202の時間領域表現202’も示されている。ここで両グラフはX軸に沿う約10フェトム秒まで実質的に同一であり(Y軸は時間領域における任意の既知のタイプのユニット(単位)における信号振幅を表す),同様に実質的に同一に,パターン化構造102およびテストパターン化構造110の上層が下層よりも早く光を反射することを示している。
【0037】
図1Aのスペクトル処理ユニット112は,好ましくは,時間領域表現114の時間の遅い部分(later-in-time portion)を除外して,時間領域表現114の時間の早い部分(earlier-in-time portion)116を選択するように構成される。上記選択は,人(オペレータ)がスペクトル処理ユニット112に指示するようにしてもよいし,または所定の基準にしたがって,たとえば反射光の最初のnフェトム秒(nは任意の所定値とすることができる)のみを含む時間領域表現114の部分を時間の早い部分116として選択することによって,スペクトル処理ユニット112が自動的に実行するようにしてもよい。このように,たとえば,スペクトル処理ユニット112は
図2Bおける時間領域表現200’の時間の早い部分204を選択することができ,時間領域表現200’の時間の遅い部分206が除かれる。
【0038】
図1Aはまた計測ユニット(metrology unit)118も示しており,これは好ましくは光計測ツール100に統合される。一実施態様において,計測ユニット118は,波長領域測定データ108の時間領域表現114の選択された時間の早い部分116を使用してモデルベース処理を実行することによって,パターン化構造102の関心対象のパラメータ(たとえばOCD,SWA,高さなど)の一または複数の測定値を決定するように構成される。この実施態様において,パターン化構造102の対応する理論上の測定のために,パターン化構造102によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データの時間領域表現を決定するための所定モデル120が構成される。所定モデル120は好ましくは時間領域表現114の選択された時間の早い部分116に対応するパターン化構造102の一または複数の上層をモデル化し,かつ上記所定モデル120は好ましくはパターン化構造102の他のすべての層を除外する。上記モデルベースの処理は,好ましくは,所定モデル120を使用して半導体計測において一般的に使用されるようなモデルフィッティング技術を実行してパターン化構造102の理論測定セット(a set of theoretical measurements of patterned structure 102)を決定する。これは,理論的測定のセットが与えられた場合にパターン化構造102によって反射されると予想される光の理論上の波長領域測定データのモデルベースの時間領域表現をもたらし,それによってモデルベースの時間領域表現が事前定義された許容範囲内で時間領域表現114の選択された時間の早い部分116と実質的に同一であるパターン化構造102の測定値を実際に決定する。
【0039】
図1Bに示す他の実施態様では,スペクトル処理ユニット112は,時間領域表現114の選択された時間の早い部分116を,時間フィルタリング波長領域測定データ(time-filtered wavelength-domain measurement data)122に変換する。その後計測ユニット118は,上記時間フィルタリング波長領域測定データ122を用いてモデルベース処理を実行することによってパターン化構造102の一または複数の測定値を決定する。この実施態様において,パターン化構造102の対応する理論上の測定のために,パターン化構造102によって反射されることが予想される光の理論上の波長領域測定データを決定するように所定モデル120が構成される。所定モデル120は好ましくは時間フィルタリング波長領域測定データ112に対応するパターン化構造102の一または複数の上層をモデル化し,所定モデル120は好ましくはパターン化構造102の他のすべての層を除く。
【0040】
図1Cに示す他の実施態様では,光計測ツール100がパターン化構造102上の第1のターゲット位置124によって反射された光を測定するように動作し,上述したように対応する波長領域測定データ126を生成する。光測定ツール100は次に,パターン化構造102上の第2のターゲット位置128によって反射された光を計測し,上述したように対応する波長領域測定データ130を生成するように動作する。第1のターゲット位置124および第2のターゲット位置128の例が
図2Cに示されており,これはVNAND階段アプリケーションを示すもので,Si0
2210によって満たされたONO(Si0
2/SiN/Si0
2)階段208を示している。化学機械研磨(chemical-mechanical polishing)(CMP)は符号212の階段の最上部に実行されるべきであり,第1のターゲット位置124と第2のターゲット位置128の上記測定は,第1のターゲット位置214と第2のターゲット位置216でそれぞれ行われる。ここで第2のターゲット位置216は好ましくは階段212の最上部の直上にある。
【0041】
スペクトル処理ユニット112は,第1のターゲット位置124によって反射された光の第1の波長領域測定データ126の第1の時間領域表現132,および第2のターゲット位置128によって反射された光の第2の波長領域測定データ130の第2の時間領域表現134を作成する。第1のターゲット位置124および第2のターゲット位置128の高さが異なる場合,それらの反射光は,ターゲット位置124と128の両方を測定するときに参照ミラーの位置が同じであればそれらの時間領域表現において異なる時点に現れる。計測ユニット118は,第1のターゲット位置124の高さに対応する第1の時間領域表現132の第1の点,および第2のターゲット位置128の高さに対応する第2の時間領域表現134の第2の点を識別(特定)するように構成される。次に計測ユニット118は,第1のターゲット位置の高さと第2のターゲット位置の高さとの間の高低差(height differential)を決定し,この情報をONO階段208のCMPの制御に使用することができる。
【0042】
図1Dに示す別の実施態様では,光計測ツール100が上述のようにして使用されて,半導体デバイス104のパターン化構造102によって反射された光が測定されて対応する波長領域測定データ108が生成され,そこからスペクトル処理ユニット112が時間領域表現114を作成する。好ましくは光計測ツール100に統合される構造異常検出器136が,時間領域表現114を基準(参照)パターン化構造によって反射された光などの基準時間領域表現138と比較し,時間領域表現114と138との間に差が存在する場合に半導体デバイス104におけるボイドまたは他の構造的欠陥などの構造異常を特定(識別)するように構成される。
【0043】
次に
図3Aを参照して,
図3Aは,この発明の一実施態様にしたがって動作する,
図1Aのシステムの例示的な動作方法のフローチャートである。
図3Aの方法において,光計測ツールを使用して,半導体デバイスのパターン化構造によって反射された光を測定し,反射光のスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を含む,対応する波長領域測定データを生成する(ステップ300)。波長領域測定データの時間領域表現が,波長領域測定データのスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して作成される(ステップ302)。時間領域表現の時間の早い部分が選択され,時間領域表現の時間の遅い部分が除外される(ステップ304)。パターン化構造の測定値が,時間領域表現の選択された早い時間部分を使用してモデルベースの処理を実行することによって決定される(ステップ306)。
【0044】
次に
図3Bを参照して,
図3Bはこの発明の一実施態様にしたがって動作する,
図1Bのシステムの例示的な動作方法を示す簡略化されたフローチャートである。
図3Bのシステムにおいて,光計測ツールを使用して,半導体デバイスのパターン化構造によって反射された光を測定し,反射光のスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を含む,対応する波長領域測定データを生成する(ステップ310)。波長領域測定データの時間領域表現は,波長領域測定データのスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して作成される(ステップ312)。時間領域表現の時間の早い部分が選択されることで,時間領域表現の時間の遅い部分が除外される(ステップ314)。時間領域表現の選択された時間の早い部分は,時間フィルタリング波長領域測定データ(time-filtered wavelength-domain measurement data)に変換される(ステップ316)。時間フィルタリング波長領域測定データを使用してモデルベース処理を実行することによって,パターン化構造の測定値が決定される(ステップ318)。
【0045】
次に
図3Cを参照して,
図3Cは,この発明の実施形態にしたがって動作する,
図1Cのシステムの例示的な動作方法の簡略化されたフローチャートである。
図3の方法において,光計測ツールを使用して,半導体デバイスのパターン化構造上の第1および第2のターゲット位置によって反射された光を測定し,反射光のスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を含む対応する第1および第2の波長領域測定データを生成する(ステップ320)。第1および第2の時間領域表現は,波長領域測定データのスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して第1および第2の波長領域測定データから作成される(ステップ322)。第1および第2のターゲット位置の高さに対応する第1および第2の時間領域表現の第1の点および第2の時間領域表現の第2の点が識別(特定)される(ステップ324)。次に,第1のターゲット位置の高さと第2のターゲット位置の高さとの間の高低差が決定される(ステップ326)。
【0046】
次に
図3Dを参照して,
図3Dはこの発明の実施態様にしたがって動作する,
図1Dのシステムの例示的な動作方法を示すフローチャートである。
図3Dの方法において,光計測ツールを用いて,半導体デバイスのパターン化構造によって反射された光を測定し,反射光のスペクトル振幅とスペクトル位相の両方を含む対応する波長領域測定データを生成する(ステップ330)。波長領域測定データの時間領域表現は,波長領域測定データのスペクトル振幅およびスペクトル位相の両方を使用して作成される(ステップ332)。時間領域表現は基準時間領域表現と比較される(ステップ334)。時間領域表現の間に差異が存在する場合(ステップ336),半導体デバイスの構造異常(a structural anomaly)が特定(識別)される(ステップ338)。
【0047】
この明細書に記載のこの発明の任意の態様は,従来の技術にしたがって,コンピュータ・ハードウェアおよび/または非一時的なコンピュータ読取可能な媒体に具現化されるコンピュータ・ソフトウェアに実装することができ,コンピュータ・ハードウェアは一または複数のコンピュータ・プロセッサ,コンピュータ・メモリ,I/Oデバイス,および従来の手法にしたがって相互運用するネットワーク・インターフェースを含む。
【0048】
この明細書において使用される「プロセッサ」または「デバイス」という用語は,たとえばCPU(中央処理装置)および/または他の処理回路を含むものなどの任意の処理デバイスを含むことを意図していることを理解されたい。「プロセッサ」または「デバイス」という用語は,複数の処理デバイスを指す場合があり,処理デバイスに関連する様々な要素が他の処理デバイスによって共有される場合があることも理解されたい。
【0049】
この明細書において使用される「メモリ」という用語は,処理装置またはCPUと協調するメモリ,たとえば,RAM,ROM,固定メモリ装置(たとえばハードドライブ),リムーバブル・メモリ装置(たとえばディスク),フラッシュ・メモリ等を含むことを意図する。このようなメモリをコンピュータ読取可能な記憶媒体と考えてもよい。
【0050】
さらには,この明細書において使用される「入力/出力装置」または「I/O装置」という用語は,たとえば処理ユニットにデータを入力するための一または複数の入力装置(たとえばキーボード,マウス,スキャナ等),および/または処理ユニットと協調して結果を提示する一または複数の出力装置(たとえばスピーカ,ディスプレイ,プリンタ等)を含むことを意図する。
【0051】
この発明の実施形態は,システム,方法,および/またはコンピュータプログラム製品を含む。コンピュータプログラム製品は,プロセッサにこの発明の態様を実行させるためのコンピュータ読取可能なプログラム命令を有するコンピュータ読取可能な記憶媒体(または複数の媒体)を含む。
【0052】
コンピュータ読取可能な記憶媒体は,命令実行デバイスによって使用される命令を保持および記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ読取可能な記憶媒体は,たとえば,これらに限定されないが,電子記憶装置,磁気記憶装置,光記憶装置,電磁記憶装置,半導体記憶装置,またはこれらの任意の適切な組み合わせとすることができる。コンピュータ読取可能な記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには,可搬のコンピュータディスケット,ハードディスク,ランダムアクセスメモリ(RAM),読み取り専用メモリ(ROM),消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ),静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、可搬のコンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM),デジタル多用途ディスク(DVD),メモリスティック,フロッピーディスク,パンチカードまたは指示が記録された溝内隆起構造のような機械的符号化装置,およびこれらの任意の適切な組み合わせを含む。この明細書で使用されるコンピュータ読取可能な記憶媒体は,電波または他の自由に伝播する電磁波,導波管または他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(たとえば光ファイバケーブルを通過する光パルス)またはワイヤを介して送信される電気信号などの一時的信号自体と解釈されるべきではない。
【0053】
本書に記載のコンピュータ読み取り可能命令はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体からコンピューティング/処理装置のそれぞれにダウンロードすることができ,またはネットワーク,たとえばインターネット,ローカルエリアネットワーク,ワイドエリアネットワーク,および/または無線ネットワークを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは銅線通信ケーブル。光通信ケーブル,無線通信,ルータ,ファイアウォール,スイッチ,ゲートウェイコンピュータ,および/またはエッジサーバを含むことができる。各コンピューティング/処理装置のネットワークアダプタカードまたはネットワーク・インターフェースはネットワークからコンピュータ読み取り可能命令を受信し,上記コンピュータ読み取り可能命令を,各コンピューティング/処理装置内のコンピュータ読み取り可能記憶媒体中のストレージに送る。
【0054】
この発明の動作を実行するためのコンピュータ読取可能なプログラム命令は,アセンブラ命令,命令セットアーキテクチャ(ISA)命令,機械命令,機械依存命令,マイクロコード,ファームウェア命令,状態設定データ,またはソースコード,もしくはJava,Smalltalk,C ++などのオブジェクト指向プログラミング言語,「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む,一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されるオブジェクトコードのいずれかとすることができる。コンピュータ読取可能なプログラム命令は,完全にユーザのコンピュータ上で,一部はユーザのコンピュータ上でスタンドアロンソフトウェアパッケージとして,一部はユーザのコンピュータ上で一部はリモートコンピュータ上で,または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で,実行される。後者のシナリオでは,リモートコンピュータは,ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続するか,外部コンピュータに接続することができる(たとえばインターネットサービスプロバイダを使用したインターネット経由)。いくつかの実施形態では,たとえばプログラマブルロジック回路,フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む電子回路が,この発明の態様を実行するために,コンピュータ読み取り可能なプログラム命令の状態情報を利用して電子回路をパーソナライズすることにより,コンピュータ読取可能プログラム命令を実行することができる。
【0055】
この発明の態様は,この発明の実施形態による方法,装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャートおよび/またはブロック図を参照してこの明細書に記載される。フローチャートおよび/またはブロック図の各ブロック,およびフローチャートおよび/またはブロック図のブロックの組み合わせはコンピュータ読取可能なプログラム命令によって実装できることが理解されよう。
【0056】
これらのコンピュータ読取可能なプログラム命令は,汎用コンピュータ,専用コンピュータ,またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され,コンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能なデータ処理装置を介して命令を実行する機械が製造され,フローチャートおよび/または一または複数のブロックにおいて特定される機能/作用を実施するための手段を作成することができる。これらのコンピュータ読取可能なプログラム命令はまた,コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶することができ,コンピュータ,プログラム可能なデータ処理装置および/または他のデバイスに特定の態様において機能するように指示することができる。コンピュータ読取可能な記憶媒体はそこに記憶されたフローチャートおよび/または一または複数のブロックにおいて特定される機能/作用の態様を実装する命令を含む製造品を含む。
【0057】
コンピュータ読取可能なプログラム命令はまた,コンピュータ,他のプログラム可能なデータ処理装置,または他のデバイスにロードされ,コンピュータ上,他のプログラム可能な装置上または他のデバイス上で一連の操作ステップを実行させ,コンピュータ実装処理を生成することができる。コンピュータ,他のプログラム可能な装置または他のデバイス上で実行される命令は,フローチャートおよび/または一または複数のブロック図において特定される機能/作用を実施する。
【0058】
図面中のフローチャートおよびブロック図は,この発明の様々な実施形態によるシステム,方法,およびコンピュータプログラム製品に実装可能なアーキテクチャ,機能および動作を示している。これに関して,フローチャートまたはブロック図の各ブロックは,コンピュータ命令のモジュール,セグメントまたは部分を表すことができ,これは特定の論理機能を実装するための一または複数の実行可能なコンピュータ命令を含む。いくつかの他の実装形態では,ブロックに示されている機能は,図面中に示されている順序から外れて動作することがある。たとえば,連続して示される2つのブロックは,実際には実質的に同時に実行されたり,または関連する機能に応じてブロックが逆の順序で実行されたりする場合もある。フローチャートおよびブロック図の各ブロックならびにブロックの組み合わせは,特定の機能または動作を実行する専用ハードウェアベースおよび/またはソフトウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0059】
この発明の様々な実施形態の説明は,例示目的で提示されており,網羅的であることを意図するものではなく,開示する実施形態に限定されることを意図するものではない。たとえば,本書に記載のシステムおよび方法は,半導体ウェーハ上の任意の構造に適用可能である。説明する実施形態の範囲および精神から逸脱することのない多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。