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特許7031145画像形成システムおよび画像形成装置の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】画像形成システムおよび画像形成装置の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/70 20180101AFI20220301BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220301BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G06F8/70
G06F3/12 303
G06F3/12 357
G06F3/12 373
H04N1/00 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017122119
(22)【出願日】2017-06-22
(65)【公開番号】P2019008450
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-06-15
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 浩一
【審査官】多胡 滋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-062592(JP,A)
【文献】特開2012-058786(JP,A)
【文献】特開2017-049716(JP,A)
【文献】特開2014-006783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/70
G06F 3/12
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置および画像形成装置の管理装置を備える画像形成システムであって、
前記管理装置は、
画像形成装置の複数の設定データを格納するように構成されたメモリーと、
画像形成装置と通信するように構成された通信インターフェースと、
前記画像形成装置に前記設定データを書き込むように構成されたプロセッサーとを備え、
前記プロセッサーは、前記画像形成装置の特性に従った前記複数の設定データにおける優先順位に応じた態様で、前記設定データを前記画像形成装置に書き込むように構成されており、
前記メモリーは、画像形成装置の機能と1つ以上の設定データとを関連付ける情報を格納するように構成され、
前記プロセッサーは、
前記特性として前記画像形成装置が備える機能に関する情報をさらに取得し、
前記特性に従って、前記画像形成装置の機能ごとに設定データに優先順位を付与し、
前記画像形成装置は、
設定データの書き込みの対象となる機能を非アクティブにし、
書き込みが完了した機能をアクティブにするように構成されている、画像形成システム
【請求項2】
前記機能は、当該機能の設定データの書き込みに前記画像形成装置が外部装置にアクセスすることを必要とする機能を含む、請求項に記載の画像形成システム
【請求項3】
前記画像形成装置が備える機能に関する情報は、当該画像形成装置における各機能の利用履歴を含み、
前記プロセッサーは、前記画像形成装置に、各機能の設定データを、当該画像形成装置における各機能の利用頻度の高い順に書き込むように構成されている、請求項または請求項に記載の画像形成システム
【請求項4】
前記通信インターフェースは、ネットワークを介して、または、ピアツーピア接続で、前記画像形成装置と通信するように構成されている、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の画像形成システム
【請求項5】
前記管理装置は、前記画像形成装置と一体的に構成されている、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の画像形成システム
【請求項6】
画像形成装置および前記画像形成装置に設定データを書き込む管理装置を備える形成システムにおける、前記画像形成装置の管理方法であって、
前記管理装置のコンピューターが、
複数の設定データに、画像形成装置の特性に従った優先順位を付するステップと、
前記優先順位に応じた態様で、前記設定データを前記画像形成装置に書き込むステップとを備え、
1つ以上の前記設定データは、画像形成装置の機能と関連付けられて格納されており、
前記特性として前記画像形成装置が備える機能に関する情報をさらに取得するステップを備え、
前記優先順位を付するステップは、前記特性に従って、前記画像形成装置の機能ごとに設定データに優先順位を付与することを含み、
前記画像形成装置が、
設定データの書き込みの対象となる機能を非アクティブにするステップと、
書き込みが完了した機能をアクティブにするステップと、をさらに備える、画像形成装置の管理方法。
【請求項7】
前記機能は、当該機能の設定データの書き込みに前記画像形成装置が外部装置にアクセスすることを必要とする機能を含む、請求項に記載の画像形成装置の管理方法。
【請求項8】
前記画像形成装置が備える機能に関する情報は、当該画像形成装置における各機能の利用履歴を含み、
前記設定データを前記画像形成装置に書き込むステップは、前記画像形成装置に、各機能の設定データを、当該画像形成装置における各機能の利用頻度の高い順に書き込むことを含む、請求項または請求項に記載の画像形成装置の管理方法。
【請求項9】
前記設定データを前記画像形成装置に書き込むステップは、ネットワークを介して、または、ピアツーピア接続で、前記画像形成装置と通信することを含む、請求項~請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置の管理方法。
【請求項10】
前記管理装置は、前記画像形成装置と一体的に構成されている、請求項~請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置の管理装置による、2以上の画像形成装置への設定データの書き込みに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置には、印刷色等の設定用のデータを工場出荷後に書き込むものがあった。たとえば、特開2015-180991号公報(特許文献1)は、アプリケーションをインストールされる画像形成装置において、当該アプリケーションの設定値ごとにエクスポートの可否を管理する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-180991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、オフィスに複数の画像形成装置が設置されること等の事情から、複数の画像形成装置に一斉に設定データを書き込む状況が発生している。オフィスには、多様な機種の画像形成装置が設置され、また、各画像形成装置の利用状況はそれぞれ異なる場合がある。このような場合であっても、各画像形成装置に応じた態様で各画像形成装置に設定データを書き込むための技術が求められている。
【0005】
本開示は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数の画像形成装置に各画像形成装置の実情に沿った態様で設定データを書き込むための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、画像形成装置の複数の設定データを格納するように構成されたメモリーと、画像形成装置と通信するように構成された通信インターフェースと、画像形成装置に設定データを書き込むように構成されたプロセッサーとを備え、プロセッサーは、画像形成装置の特性に従った優先順位に応じた態様で、設定データを画像形成装置に書き込むように構成されている、画像形成装置の管理装置が提供される。
【0007】
複数の設定データは、2以上の設定データのセットを含んでいる。メモリーは、画像形成装置の機種と2以上の設定データのセットの中の1つ以上のセットとを関連付ける第1の情報を格納するように構成されていている。プロセッサーは、特性として画像形成装置の機種を取得する。プロセッサーは、第1の情報において2以上の設定データのセットの中の機種に関連付けられたセットの設定データを、画像形成装置に書き込むように構成されてい
【0008】
メモリーは、画像形成装置の機能と1つ以上の設定データとを関連付ける第2の情報を格納するように構成されていてもよい。プロセッサーは、特性として画像形成装置が備える機能に関する情報をさらに取得するように構成されていてもよい。プロセッサーは、特性に従って、画像形成装置の機能ごとに設定データに優先順位を付与するように構成されていてもよい。
【0009】
機能は、当該機能の設定データの書き込みに画像形成装置が外部装置にアクセスすることを必要とする機能を含んでもよい。
【0010】
画像形成装置が備える機能に関する情報は、当該画像形成装置における各機能の利用履歴を含んでもよい。プロセッサーは、画像形成装置に、各機能の設定データを、当該画像形成装置における各機能の利用頻度の高い順に書き込むように構成されていてもよい。
【0011】
通信インターフェースは、ネットワークを介して、または、ピアツーピア接続で、複数の画像形成装置のそれぞれと通信するように構成されていてもよい。
【0012】
管理装置は、複数の画像形成装置の中の1台の画像形成装置と一体的に構成されていてもよい。
【0013】
本開示の他の局面に従うと、画像形成装置に設定データを書き込む管理装置のコンピューターによって実現される、画像形成装置の管理方法が提供される。当該管理方法は、複数の設定データに、画像形成装置の特性に従った優先順位を付するステップと、優先順位に応じた態様で、設定データを画像形成装置に書き込むステップとを備える。
【0014】
複数の設定データは、2以上の設定データのセットを含。2以上の設定データは、管理装置において、画像形成装置の機種と2以上の設定データのセットの中の1つ以上のセットとが関連付けられるように格納されてい。管理方法は、特性として画像形成装置の機種を取得するステップをさらに備えてい。設定データを画像形成装置に書き込むステップは、2以上の設定データのセットの中の機種に関連付けられたセットの設定データを、画像形成装置に書き込むことを含んでい
【0015】
1つ以上の設定データは、画像形成装置の機能と関連付けられて格納されていてもよい。管理方法は、特性として画像形成装置が備える機能に関する情報をさらに取得するステップを備えていてもよい。優先順位を付するステップは、特性に従って、画像形成装置の機能ごとに設定データに優先順位を付与することを含んでいてもよい。
【0016】
機能は、当該機能の設定データの書き込みに画像形成装置が外部装置にアクセスすることを必要とする機能を含んでいてもよい。
【0017】
画像形成装置が備える機能に関する情報は、当該画像形成装置における各機能の利用履歴を含んでいてもよい。設定データを画像形成装置に書き込むステップは、画像形成装置に、各機能の設定データを、当該画像形成装置における各機能の利用頻度の高い順に書き込むことを含んでいてもよい。
【0018】
設定データを画像形成装置に書き込むステップは、ネットワークを介して、または、ピアツーピア接続で、画像形成装置と通信することを含んでいてもよい。
【0019】
管理装置は、画像形成装置と一体的に構成されていてもよい。
本開示のさらに他の局面に従うと、複数の画像形成装置を管理する管理装置のコンピューターに、上記の管理方法に記載の各ステップを実行させるための、画像形成装置管理用のプログラムが提供される。
【0020】
本開示のさらに他の局面に従うと、上記の画像形成装置の管理装置および複数の画像形成装置を含む、画像形成システムが提供される。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、管理装置は、複数の設定データにおける画像形成装置の特性に従った優先順位に応じた態様で、設定データを画像形成装置に書き込む。これにより、複数の画像形成装置に各画像形成装置の実情に沿った態様で設定データを書き込むための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の画像形成システムの一例の構成を示す図である。
図2】リモート設定用ツール400のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】メモリー403に格納される機種-データセット変換テーブル300の構造の一例を表わす図である。
図4】画像形成装置100のハードウェア構成を概略的に示す図である。
図5】各画像形成装置100に設定データを書き込むためにリモート設定用ツール400のCPU401が実行する処理のフローチャートである。
図6】画像形成システムの変形例の構成を示す図である。
図7】設定データデータベース700の変形例の構造を表わす図である。
図8】機能-グループ変換テーブル500の構造の一例を示す図である。
図9図5の処理の変形例のフローチャートである。
図10】画像形成装置100における各機能の利用履歴の一例を模式的に示す図である。
図11図9のステップS122におけるデータの書き込みの処理を詳細に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しつつ、画像形成システムの実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0024】
[1.画像形成システムの概要]
図1は、本開示の画像形成システムの一例の構成を示す図である。画像形成システム1000は、N台の画像形成装置100(図1では、画像形成装置100-1,100-2,…,100-N)と、リモート設定用ツール400とを含む。画像形成装置100は、たとえばMFP(Multi-Functional Peripheral)によって実現される。リモート設定用ツール400は、画像形成システムにおける管理装置の一例であり、たとえば汎用のコンピューターによって実現される。
【0025】
リモート設定用ツール400は、たとえばLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してN台の画像形成装置100のそれぞれと通信し、各画像形成装置100に対して、画像形成装置100のそれぞれに設定データを書き込む。設定データは、たとえば、印刷の色に関する設定値(たとえば、color)、用紙のサイズに関する設定値(たとえば、A3)、スキャンにおける解像度に関する設定値(たとえば、300dpi)である。
【0026】
リモート設定用ツール400のメモリー403には、画像形成装置100に書き込まれる設定データを含む設定データデータベース700が格納される。設定データデータベース700は、3つのデータセット(第1データセット710,第2データセット720,第3データセット730)を含む。メモリー403には、さらに、画像形成装置100の機種と設定データデータベース700内のデータセットとを関連付ける機種-データセット変換テーブル300が格納されている。
【0027】
リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100に当該画像形成装置100の機種を問い合わせる(図1中のステップ(1))。これに応じて、各画像形成装置100は、当該画像形成装置100の機種を回答する(図1中のステップ(2))。
【0028】
リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100の機種に対応するデータセットを特定するために、各画像形成装置100の機種に従い、設定データデータベース700内の複数のデータセットに対して、各画像形成装置100に書き込むデータセットとして優先順位を付する(図1中のステップ(3))。より具体的には、リモート設定用ツール400は、機種に対応するデータセットに最も高い優先順位を付する。
【0029】
そして、リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100に、当該画像形成装置100について最も高い優先順位を付されたデータセットに含まれる設定データを当該画像形成装置100に書き込む(図1中のステップ(4))。図1の例では、第1画像形成装置100-1の機種は「機種B」であり、機種Bに対して第3データセット730が最も高い優先順位を付される。したがって、リモート設定用ツール400は、第1画像形成装置100-1に第3データセット730の設定データを書き込む。
【0030】
第2画像形成装置100-2の機種は「機種A」であり、機種Aに対して第2データセット720が最も高い優先順位を付される。したがって、リモート設定用ツール400は、第2画像形成装置100-2に第2データセット720の設定データを書き込む。
【0031】
第3画像形成装置100-3の機種は「機種C」であり、機種Cに対して第1データセット710が最も高い優先順位を付される。したがって、リモート設定用ツール400は、第3画像形成装置100-3に第1データセット710の設定データを書き込む。
【0032】
[2.管理装置のハードウェア構成]
図2は、リモート設定用ツール400のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、リモート設定用ツール400は、主な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)401と、RAM(Random Access Memory)402と、メモリー403と、通信インターフェース404とを含む。CPU401と、RAM402と、メモリー403と、通信インターフェース404とは、互いに内部バスで接続されている。
【0033】
CPU401は、たとえばプログラムを実行することによりリモート設定用ツール400を制御するための処理を実行する演算装置の一例である。RAM402は、CPU401における処理実行時のワークエリアとして機能する。メモリー403は、たとえばハードウェアディスクによって実現され、CPU401が実行するプログラム、および、当該プログラムの実行に利用されるデータを格納する。通信インターフェース404は、各種の装置(MFP100等)と通信するための機器であって、たとえば無線通信回路によって実現される。
【0034】
[3.機種-データセット変換テーブル]
図3は、メモリー403に格納される機種-データセット変換テーブル300の構造の一例を表わす図である。図3に示されるように、機種-データセット変換テーブル300は、画像形成装置100の2以上の機種のそれぞれを、対応するデータセットと関連付ける。図3において、「○」は機種がデータセットと対応することを表わす。「-」は機種がデータセットと対応しないことを表わす。
【0035】
図3の例では、機種Aは第2データセットと対応し、機種Bは第3データセットと対応し、機種Cおよび機種Xは第1データセットと対応する。
【0036】
[4.画像形成装置のハードウェア構成]
図4は、画像形成装置100のハードウェア構成を概略的に示す図である。図4を参照して、画像形成装置100は、画像形成装置100を制御するためのCPU150と、プログラムおよびデータを格納するためのメモリー160と、操作パネル170とを含む。
【0037】
メモリー160は、CPU150により実行されるプログラムおよび各種データを記憶し、不揮発性メモリーを含む。メモリー160は、画像形成装置100における各機能の設定値を格納する。画像形成システム1000において、リモート設定用ツール400は、メモリー160における各機能の設定値を格納する領域に、設定データを書き込む。
【0038】
操作パネル170は、ディスプレイ171と、ユーザーインターフェース172とを含む。ディスプレイ171は、たとえば、液晶表示装置および/またはプラズマディスプレイである。ユーザーインターフェース172は、画像形成装置100に対する操作の入力を受け付け、たとえば、タッチセンサーおよび/またはハードウェアボタンである。
【0039】
画像形成装置100は、さらに、画像処理部151と、画像形成部152と、画像読取部153と、ファクシミリ通信部154と、ネットワークインターフェース155とを含む。画像処理部151は、入力された画像に対して拡大・縮小を含む各種の処理を施す。画像形成部152は、感光体等の、記録用紙に画像を形成するための要素を含む。画像読取部153は、スキャナー等の原稿の画像データを生成するための要素を含み、原稿のスキャンによりスキャンデータを生成する。ファクシミリ通信部154は、モデム等のファクシミリ通信により画像データの送受信するための要素を含む。ネットワークインターフェース155は、ネットワークカード等の、ネットワークを介してデータ通信をするための要素を含む。画像処理部151、画像形成部152、画像読取部153、ファクシミリ通信部154、および、ネットワークインターフェース155のそれぞれの機能は、画像形成装置においてよく知られたものであるから、ここでは詳細な説明は繰返さない。
【0040】
[5.処理の流れ]
図5は、各画像形成装置100に設定データを書き込むためにリモート設定用ツール400のCPU401が実行する処理のフローチャートである。図5の処理は、たとえばCPU401が所与のプログラムを実行することによって実現される。
【0041】
図5を参照して、ステップS100にて、CPU401は、画像形成システム1000におけるX番目の画像形成装置100に当該画像形成装置100の機種を問合せる。値「X」は、図5の処理において使用される変数であり、初期値は「1」である。1番目の画像形成装置100は、たとえば第1画像形成装置100-1を意味する。
【0042】
ステップS100の問合せに応じて、X番目の画像形成装置100は、リモート設定用ツール400に当該画像形成装置100の機種を回答する。たとえば、画像形成装置100のメモリー160には、当該画像形成装置100の機種を特定する情報が格納されている。画像形成装置100のCPU101は、上記問い合わせに応じて、当該情報をリモート設定用ツール400に送信する。ステップS101にて、CPU401は、ステップS100に対する回答として、画像形成装置100から機種を特定する情報を取得する。
【0043】
ステップS110にて、CPU401は、機種-データセット変換テーブル300を参照することにより、ステップS100の問合せに応じて取得した画像形成装置100の機種に対応したデータセットを設定データデータベース700から読み出す。
【0044】
ステップS120にて、CPU401は、ステップS110にて読み出されたデータセットに含まれる設定データを画像形成装置100に書き込む。
【0045】
ステップS130にて、CPU401は、変数Xを1加算更新する。ステップS140にて、CPU401は、値「X」が値「N」を超えたか否かを判断する。値「N」は画像形成システム1000内の画像形成装置100の台数を表わす。CPU401は、値「X」がまだ値「N」を超えていないと判断すると(ステップS140にてNO)、ステップS100へ制御を戻し、そうでなければ(ステップS140にてYES)、図5の処理を終了する。
【0046】
以上説明された処理によれば、リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100の機種に従って、設定データデータベース内の複数のデータセットにおいて当該画像形成装置100についての優先順位を付し、最も高い優先順位が付されたデータセットに含まれる設定データを当該画像形成装置100に書き込む。なお、図1図5を参照して説明された実施の形態は単なる一例である。たとえば、設定データデータベース内のデータセットの数は図1に示されたものに限定されない。
【0047】
[6.画像形成システムの変形例]
図6は、画像形成システムの変形例の構成を示す図である。図6に示された画像形成システム1000では、リモート設定用ツール400のメモリー403は、さらに機能-グループ変換テーブル500を格納する。
【0048】
図7を参照して説明されるように、第1データセット710,第2データセット720,および,第3データセット730のそれぞれでは、画像形成装置100の機能に対応する部分ごとにグループが定義されている。機能-グループ変換テーブル500は、図8を参照して後述されるように、第1データセット710,第2データセット720,および,第3データセット730のそれぞれにおいて、各グループが対応する機能を規定する。
【0049】
図6の画像形成システム1000において、リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100の特性(たとえば、各機能の利用履歴)に従って、各画像形成装置100への設定データの書み込みにおいて書き込むグループの順序を設定する。このために、リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100に、画像形成装置100の機種とともに各機能の利用履歴を問い合わせる(ステップ(1))。これに応じて、画像形成装置100は機種とともに各機能の利用履歴を回答する(ステップ(2))。リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100について、書き込みに利用するデータセットを特定するとともに、当該データセットに含まれる複数のグループにおいて書き込みの順序を設定する(ステップ(3))。そして、リモート設定用ツール400は、各画像形成装置100に、特定されたデータセットに含まれる設定データを、設定された順序で、書き込む(ステップ(4))。
【0050】
[7.設定データデータベースの変形例の構造]
図7は、設定データデータベース700の変形例の構造を表わす。図7に示されるように、設定データデータベース700は、第1データセット710,第2データセット720,および,第3データセット730を格納する。
【0051】
第1データセット710は、第1グループ711および第2グループ712を含む。第1グループ711は、スキャン機能に対応する。第1グループ711に含まれるデータは、スキャンによって生成するファイル種別に関する項目の設定値(File Type:PDF)と、スキャンにおける解像度に関する項目の設定値(Resolution:300dpi)とを含む。第2グループ712は、印刷機能に対応する。第2グループ712に含まれるデータは、印刷の色に関する項目の設定値(Color=Mono(単色印刷))と、用紙のサイズに関する項目の設定値(Paper=A3(A3用紙))と、片面/両面印刷に関する項目の設定値(Duplex=On(両面印刷オン))と、トナーセーブに関する項目の設定値(Toner Save=On(トナーセーブオン))とを含む。
【0052】
第2データセット720は、第1グループ721および第2グループ722を含む。第3データセット730は、第1グループ731および第2グループ732を含む。第1グループ711,721,731および第2グループ712,722,732のそれぞれは画像形成装置100の1つの機能に対応する。ある実施の形態では、メモリー403は、各データセットにおいて、各グループのデータの範囲を特定する情報を格納する。
【0053】
[8.機能-グループ変換テーブル]
図8は、機能-グループ変換テーブル500の構造の一例を示す図である。機能-グループ変換テーブル500は、データセット内のグループを画像形成装置100の機能と関連付ける。
【0054】
図8の例では、第1データセットにおいて、第1グループ,第2グループ,第3グループのそれぞれは、画像形成装置100の機能「印刷」「スキャン」「セキュリティ通信」のそれぞれと関連付けられる。つまり、第1データセットの第1グループは、画像形成装置100の印刷機能に関する設定データを含む。ある実施の形態では、印刷機能とは、記録用紙上に画像を形成する機能である。スキャン機能とは、原稿の画像を読み取り、当該画像のデータを生成する機能である。セキュリティ通信機能とは、電子証明書を使用してデータを暗号化して他の機器と通信する機能(たとえば、SSL(Secure Sockets Layer)通信機能)である。
【0055】
第2データセットにおいて、第1グループ,第2グループのそれぞれは、画像形成装置100の機能「印刷」「スキャン」のそれぞれと関連付けられる。第3データセットにおいて、第1グループ,第2グループ,第3グループのそれぞれは、画像形成装置100の機能「印刷」「スキャン」「セキュリティ通信」のそれぞれと関連付けられる。
【0056】
本実施の形態では、リモート設定用ツール400がセキュリティ通信機能に関する設定データを画像形成装置100に書き込むとき、画像形成装置100による外部装置へのアクセスが必要とされてもよい。セキュリティ通信は電子証明書を使用してもよい。リモート設定用ツール400は、画像形成装置100にセキュリティ通信機能に関する設定データを書き込むときに当該画像形成装置100に電子証明書がインストールされていない場合には当該画像形成装置100に電子証明書の取得を要求してもよい。当該要求に応じて、画像形成装置100は、電子証明書を取得するために認証局にアクセスする。
【0057】
[9.処理の流れ]
図9は、図5の処理の変形例のフローチャートである。図9の処理は、たとえばCPU401が所与のプログラムを実行することによって実現される。
【0058】
図9を参照して、ステップS102にて、CPU401は、X番目の画像形成装置100に、当該画像形成装置100の機種および各機能の利用履歴を問い合わせる。これに応じて、画像形成装置100は、当該画像形成装置100の機種と共に、当該画像形成装置100における各機能の利用履歴を回答する。ステップS103にて、CPU401は、ステップS102に対する回答として、画像形成装置100から機種および各機能の利用履歴を取得する。
【0059】
図10は、画像形成装置100における各機能の利用履歴の一例を模式的に示す図である。図10に示されるように、画像形成装置100は、当該画像形成装置100における各機能の利用回数を回答する。図10の例では、印刷機能の利用回数は2056回であり、スキャン機能の利用回数は45回であり、セキュリティ通信機能の利用回数600回である。
【0060】
図9に戻って、ステップS110にて、CPU401は、設定データデータベース700から、ステップS102にて取得した機種に対応したデータセットを読み出す。
【0061】
ステップS122にて、CPU401は、ステップS110において読み出されたデータセットにおいて、データのグループの順序を利用履歴に従った順序に変更した後、当該順序で、各グループの設定データを画像形成装置100に書き込む。利用履歴に従った順序の一例では、利用回数の多い機能に対応するグループの設定データほど先に位置する。図10の例では、印刷機能の利用回数が最も多く、その次にセキュリティ通信機能の利用回数が多く、その次にスキャン機能の利用回数が多い。この場合、データセットでは、印刷機能に対応するグループの設定データが最も最初に位置し、その次にセキュリティ通信機能に対応するグループの設定データが位置し、その次にスキャン機能に対応するグループの設定データが位置する、ように設定データの順序が設定される。
【0062】
図11は、図9のステップS122におけるデータの書き込みの処理を詳細に説明するための図である。図11の左側には、リモート設定用ツール400のCPU401による処理(サブルーチン)のフローチャートが示されている。当該処理は、たとえば、CPU401が所与のプログラムを実行することによって実現される。図11の右側には、画像形成装置100のCPU101による処理のフローチャートが示されている。当該処理は、たとえば、CPU101が所与のプログラムを実行することによって実現される。
【0063】
ステップS1220にて、リモート設定用ツール400のCPU401は、画像形成装置100に設定データの書き込みの開始を通知する。これに応じて、ステップS1000にて、画像形成装置100のCPU101は、当該画像形成装置100において、設定データの書き込みの対象となる機能を非アクティブにする。
【0064】
ステップS1222にて、リモート設定用ツール400のCPU401は、機能(F)の設定データを画像形成装置100(のメモリー160)に書き込む。値Fは図11の処理に使用される変数であり、初期値は「1」であり、何番目の機能の設定データの書き込みの対象となっているかを表わす。
【0065】
ステップS1222における機能(F)の設定データの書き込みが完了すると、ステップS1224にて、リモート設定用ツール400のCPU401は、画像形成装置100に、当該完了を通知する。
【0066】
ステップS1002にて、画像形成装置100のCPU101は、リモート設定用ツール400から設定データの書き込みの通知を受けたか否かを判断する。CPU101は、当該通知を受けたと判断すると(ステップS1002にてYES)、ステップS1004へ制御を進め、そうでなければ(ステップS1002にてNO)、ステップS1002に制御を留める。ステップS1224における通知に応じて、CPU101は、ステップS1004へ制御を進める。
【0067】
ステップS1004にて、CPU101は、ステップS1000にて非アクティブにした機能のうち、設定データの書き込みが完了した機能をアクティブにする。たとえば、印刷機能の設定データが書き込みの対象に含まれる場合、CPU101は、ステップS1000にて画像形成装置100の印刷機能を非アクティブにする。印刷機能の設定データの書き込みが完了すると、CPU101は、ステップS1004にて画像形成装置100の印刷機能をアクティブにする。
【0068】
ステップS1006にて、CPU101は、ステップS1000にて非アクティブにした全ての機能をアクティブにしたか否かを判断する。CPU101は、非アクティブにした機能のすべてをアクティブにしたと判断すると(ステップS1006にてYES)、図11の処理の画像形成装置100側の処理を終了する。そうでなければ(ステップS1006にてNO)、CPU101は、ステップS1002へ制御を戻す。
【0069】
ステップS1226にて、リモート設定用ツール400のCPU401は、値Fを1加算更新する。ステップS1228にて、CPU401は、値Fが値Pを超えたか否かを判断する。値Pは、図11の左側の処理において画像形成装置100に設定データを書き込む機能の数を表わす。CPU401は、値Fが値Pを超えたと判断すると(ステップS1228にてYES)、図9に制御をリターンさせ、そうでなければ(ステップS1228にてNO)、ステップS1222に制御を戻す。
【0070】
図9に戻って、ステップS130にて、CPU401は、値Xを1加算更新する。ステップS140にて、CPU401は、値Xが値Nを超えたか否かを判断する。値Nは、画像形成システム1000に含まれる画像形成装置100の台数である。CPU401は、値Xが値Nを超えたと判断すると(ステップS140にてYES)、図9の処理を終了し、そうでなければ(ステップS140にてNO)、ステップS102へ制御を戻す。
【0071】
以上説明された図9図11を参照して説明された処理によれば、リモート設定用ツール400は、画像形成装置100に設定データを書き込む場合、当該画像形成装置100における各機能の利用履歴に従って、データセット内のグループにおいて書き込みの優先順位を付し、当該優先順位に従った順序で設定データを書き込む。
【0072】
画像形成装置100への設定データの書き込みは、画像形成装置100側の承認の後に実行されてもよい。ある実施の形態では、リモート設定用ツール400のCPU401は、ステップS1220にて書き込みの開始を通知した後、画像形成装置100から書き込みを承認する情報を取得したことを条件として、書き込みを開始してもよい。画像形成装置100のCPU101は、上記通知に応じてディスプレイ171に設定データの書き込みを承認するか否かを問い合わせる画面を表示してもよい。ユーザーが当該画面に従ってユーザーインターフェース172を操作して書き込みを承認する情報を入力すると、CPU101は、画像形成装置100に書き込みを承認する情報を送信してもよい。
【0073】
ある実施の形態では、利用回数が多い(利用頻度が高い)機能に対応した設定データがより早く書き込まれる。設定データが書き込まれると、当該設定データに対応する機能が非アクティブからアクティへと変更される。これにより、機能の利用頻度が高ければ、当該機能が早くアクティブになる。画像形成装置100のCPU101は、どの機能が非アクティブでありどの機能がアクティブであるかを表わす画面を逐次的にディスプレイ171に表示してもよい。
【0074】
[10.開示の要約]
本開示は、次のように要約され得る。
【0075】
管理装置(リモート設定用ツール400)は、画像形成装置の複数の設定データを格納するように構成されたメモリー(メモリー403)と、画像形成装置と通信するように構成された通信インターフェース(通信インターフェース404)と、画像形成装置に設定データを書き込むように構成されたプロセッサー(CPU401)とを備える。プロセッサーは、画像形成装置の特性に従った複数の設定データにおける優先順位に応じた態様で、設定データを画像形成装置に書き込むように構成されている(図5図9図11)。
【0076】
なお、設定データにおける優先順位は、画像形成装置の他の特性に従って設定されてもよい。たとえば、設定データにおいて、機種ごとに、機能における優先順位が設定されてもよい。より具体的には、機種Aについては、印刷機能に対応する設定データが高い優先順位を付される。これにより、機種Aの画像形成装置100には、印刷機能に対応する設定データが優先的に(一番最初に)書き込まれる。ある実施の形態では、機種Aの画像形成装置100では、印刷機能が非アクティブになる時間が短縮され得る。
【0077】
複数の設定データは、2以上の設定データのセットを含んでもよい(第1データセット710,第2データセット720,第3データセット730)。メモリーは、画像形成装置の機種と2以上の設定データのセットの中の1つ以上のセットとを関連付ける第1の情報(機種-データセット変換テーブル300)を格納するように構成されていてもよい。プロセッサーは、特性として画像形成装置の機種を取得してもよい(ステップS101)。プロセッサーは、第1の情報において2以上の設定データのセットの中の機種に関連付けられたセットの設定データを、画像形成装置に書き込むように構成されていてもよい。
【0078】
メモリーは、画像形成装置の機能と1つ以上の設定データとを関連付ける第2の情報(機能-グループ変換テーブル500)を格納するように構成されていてもよい。プロセッサーは、特性として画像形成装置が備える機能に関する情報をさらに取得するように構成されていてもよい(ステップS103)。
【0079】
機能は、当該機能の設定データの書き込みに画像形成装置が外部装置にアクセスすることを必要とする機能(セキュリティ通信機能)を含んでもよい。
【0080】
画像形成装置が備える機能に関する情報は、当該画像形成装置における各機能の利用履歴(図10)を含んでもよい。プロセッサーは、画像形成装置に、各機能の設定データを、当該画像形成装置における各機能の利用頻度の高い順に書き込むように構成されていてもよい(ステップS122)。
【0081】
通信インターフェースは、ネットワークを介して、または、ピアツーピア接続で、複数の画像形成装置のそれぞれと通信するように構成されていてもよい。すなわち、通信インターフェース404は、無線通信用のネットワークカードであってもよいし、有線通信用のネットワークカードであってもよい。また、通信インターフェースは、USBメモリーのハブであってもよい。当該ハブは、1台以上の画像形成装置100とUSB接続されてもよい。
【0082】
管理装置は、画像形成装置100と一体的に構成されていてもよい。この場合、画像形成装置100のCPU150によって管理装置のプロセッサーが実現され得る。
【0083】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0084】
100 画像形成装置、100-1 第1画像形成装置、100-2 第2画像形成装置、100-3 第3画像形成装置、101,401 CPU401、160,403 メモリー、300 データセット変換テーブル、400 リモート設定用ツール、500 グループ変換テーブル、700 設定データデータベース、710 第1データセット、711,721,731 第1グループ、712,722,732 第2グループ、720 第2データセット、730 第3データセット、1000 画像形成システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11