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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20220301BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20220301BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20220301BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/16 119
G03G21/16 123
G03G21/14
G03G21/00 510
B41J29/38
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017152840
(22)【出願日】2017-08-08
(65)【公開番号】P2019032416
(43)【公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】大畑 勤
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-065828(JP,A)
【文献】特開2011-053298(JP,A)
【文献】特開2015-132714(JP,A)
【文献】特開平08-339107(JP,A)
【文献】特開2011-207039(JP,A)
【文献】特開2017-134102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0014580(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 21/14
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読み取り手段と画像形成手段との間に排紙空間を設けた胴内排紙型の画像形成装置であって、
前記排紙空間を仕切る壁面に設けられた照明手段と、
前記排紙空間内で出退方向に移動することができる作業対象物の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出位置に応じて、前記照明手段を点消灯制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記作業対象物が人的作業を行うための作業位置にあると検出された場合に、前記作業対象物の前記排紙空間内部に面し、前記人的作業の対象となる箇所を照明するように前記照明手段を点消灯制御し、
前記照明手段は、互いに独立して点消灯制御される複数のランプであって、かつ前記作業対象物の互いに異なる作業対象箇所を照明する複数のランプを有し、
前記制御手段は、作業対象箇所となった箇所のみが照明されるように前記照明手段を点消灯制御する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数のランプを作業対象箇所に応じた照度で照明させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記複数のランプは、作業対象箇所に応じた光色で照明する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記作業対象物が人的作業を行うための作業位置にないと検出された場合には、前記照明手段を消灯する
ことを特徴とする請求項1からの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記作業対象箇所の照明を開始してから所定時間経過後に照明を終了する
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記作業対象物に対して行うべき人的作業の内容を取得する内容取得手段を備え、
前記制御手段は、前記内容取得手段が取得した作業内容に応じて前記照明手段を点消灯制御する
ことを特徴とする請求項1からの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像読み取り手段と画像形成手段との間に排紙空間を設けた胴内排紙型の画像形成装置であって、
前記排紙空間を仕切る壁面に設けられた照明手段と、
前記排紙空間内で出退方向に移動することができる作業対象物の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出位置に応じて、前記照明手段を点消灯制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記作業対象物が人的作業を行うための作業位置にあると検出された場合に、前記作業対象物の前記排紙空間内部に面し、前記人的作業の対象となる箇所を照明するように前記照明手段を点消灯制御し、
前記作業対象物は、排出された用紙に後処理を施す後処理装置であり、
前記人的作業は、前記後処理装置のメンテナンス作業である
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記後処理装置にメンテナンス作業を行う必要の有無を判定する必要性判定手段を備え、
前記制御手段は、前記必要性判定手段の判定が肯定的である場合に、前記後処理装置が前記後処理を施す収納位置から、前記メンテナンス作業を受ける引き出し位置まで移動する間、前記照明手段が点滅するように点消灯制御する
ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記排紙空間内に後処理装置が搭載されているか否かを判定する搭載判定手段を備え、
前記制御手段は、前記搭載判定手段の判定が否定的である場合に、前記排紙空間内に排出された用紙を照明するように、前記照明手段を点消灯制御する
ことを特徴とする請求項又はに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記作業対象物が人的作業を行うための作業位置にないと検出された場合には、前記照明手段を消灯する
ことを特徴とする請求項からの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記作業対象物に対して行うべき人的作業の内容を取得する内容取得手段を備え、
前記制御手段は、前記内容取得手段が取得した作業内容に応じて前記照明手段を点消灯制御する
ことを特徴とする請求項から10の何れかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、排紙空間内に搭載した後処理装置のメンテナンス性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広く普及しているデジタル複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)は、電子写真方式の画像形成部と、画像形成部の上方に配設された画像読み取り部との間の排紙空間を設けて、コピーやプリントした用紙を排紙空間内に排出するのが一般的である。このようにすれば、複合機の側方に排紙トレイを設ける場合と比較して、複合機の設置面積を小さくすることができる。同じく、複合機の設置面積を抑えるために、ステープルやパンチ、ソート等を行うための後処理装置もまた排紙空間内に搭載される場合がある。
【0003】
このような排紙空間は、上下を画像形成部と画像読み取り部とに挟まれる上に、画像読み取り部を支持する支持壁にも囲まれているため、外光が入射し難い。
また、昨今では、操作性や視認性の良さから大画面のタッチパネルLCD(Liquid Crystal Display)を用いた操作パネルをMFPのデザイン性を損なわないように搭載したいという要望が高まっている。MFPのLCDパネルは、従来、7インチから10インチ程度であるが、13インチなどの大画面のLCDパネルを従来通りの画像読み取り部の手前に配置すると、原稿のセット時に邪魔になる。また、別途、ワーキングテーブルを設けて配置することも考えられるが、設置スペースが増大したりデザイン性が損なわれたりする。
【0004】
このため、MFP前面の従来よりも低い位置に操作パネルを配置すれば、デザイン性、省設置スペース性を両立させることができる。しかしながら、かかる配置においては、操作パネルが排紙空間の前面の一部を覆い隠すようになって、外光が遮られてしまうので、排紙空間が更に暗くなる。
従って、排紙空間内に後処理装置を搭載すると、ステープルカートリッジの交換などのメンテナンス時においても外光が入り難いため、視認性が著しく低く作業性が劣悪になる、という問題がある。
【0005】
このような問題に対して、例えば、図13に示すように、光源1301並びに遮光部材1302を搭載した後処理装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このようにすれば、排紙空間内においてステープルカートリッジ1303を照明すると共に照明光がメンテナンス作業者の目に入射するのを防止することができるので、メンテナンス時における作業性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011-053298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、複合機に対する小型化の要請は高まり続けており、この要請に応えるべく排紙空間の狭小化が進んでおり、排紙空間内に搭載される後処理装置の小型化も不可避である。後処理装置13に光源1301や遮光部材1302を搭載するのは小型化の要請に反しており望ましくない。また、仮に光源1301や遮光部材1302を搭載できたとしても、取り付け位置が制約されるので、必ずしも作業性を向上させるために好ましい位置に取り付けることができるとは限らず、必要な明るさを得ることができない可能性がある。
【0008】
また、ステープルカートリッジ1303を照明するために光源1301を後処理装置13から突出させると、後処理装置13のシート受け入れ口をMFP本体のシート排出口に近付ける妨げになったり、後処理装置13自体の大型化を招いたりする可能性があり好ましくない。一方、光源1301を後処理装置13から突出させない場合には、照明光をステープルカートリッジへ向けて出射するのが難しくなったり、十分な照明光量を得ることができなくなったりして、メンテナンス時の作業性を向上させることが難しくなる。
【0009】
このような問題は、後処理装置13のみならず、汎く排紙空間内に搭載された状態で何らかの作業の対象となる物すべてに当て嵌まる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、後処理装置などの作業対象物を小型化しても十分な作業性を達成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、画像読み取り手段と画像形成手段との間に排紙空間を設けた胴内排紙型の画像形成装置であって、前記排紙空間を仕切る壁面に設けられた照明手段と、前記排紙空間内で出退方向に移動することができる作業対象物の位置を検出する検出手段と、前記検出手段の検出位置に応じて、前記照明手段を点消灯制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記作業対象物が人的作業を行うための作業位置にあると検出された場合に、前記作業対象物の前記排紙空間内部に面し、前記人的作業の対象となる箇所を照明するように前記照明手段を点消灯制御し、前記照明手段は、互いに独立して点消灯制御される複数のランプであって、かつ前記作業対象物の互いに異なる作業対象箇所を照明する複数のランプを有し、前記制御手段は、作業対象箇所となった箇所のみが照明されるように前記照明手段を点消灯制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
このようにすれば、画像形成装置が照明手段を備えるので、後処理装置などの作業対象物が小型化されたり排紙空間が狭小化されたりしても作業対象物を照明することができ、かつ作業対象物へ向かって照明光を照射し易くなる
【0013】
また、前記制御手段は、前記複数のランプを作業対象箇所に応じた照度で照明させてもよい。
また、前記複数のランプは、作業対象箇所に応じた光色で照明してもよい
【0014】
また、本発明に係る画像形成装置は、画像読み取り手段と画像形成手段との間に排紙空間を設けた胴内排紙型の画像形成装置であって、前記排紙空間を仕切る壁面に設けられた照明手段と、前記排紙空間内で出退方向に移動することができる作業対象物の位置を検出する検出手段と、前記検出手段の検出位置に応じて、前記照明手段を点消灯制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記作業対象物が人的作業を行うための作業位置にあると検出された場合に、前記作業対象物の前記排紙空間内部に面し、前記人的作業の対象となる箇所を照明するように前記照明手段を点消灯制御し、前記作業対象物は、排出された用紙に後処理を施す後処理装置であり、前記人的作業は、前記後処理装置のメンテナンス作業であってもよい。
この場合において、前記後処理装置にメンテナンス作業を行う必要の有無を判定する必要性判定手段を備え、前記制御手段は、前記必要性判定手段の判定が肯定的である場合に、前記後処理装置が前記後処理を施す収納位置から、前記メンテナンス作業を受ける引き出し位置まで移動する間、前記照明手段が点滅するように点消灯制御してもよい。
【0015】
また、前記排紙空間内に後処理装置が搭載されているか否かを判定する搭載判定手段を備え、前記制御手段は、前記搭載判定手段の判定が否定的である場合に、前記排紙空間内に排出された用紙を照明するように、前記照明手段を点消灯制御してもよい
また、前記制御手段は、前記作業対象物が人的作業を行うための作業位置にないと検出された場合には、前記照明手段を消灯するのが望ましい。
また、前記制御手段は、前記作業対象箇所の照明を開始してから所定時間経過後に照明を終了してもよい。
また、前記作業対象物に対して行うべき人的作業の内容を取得する内容取得手段を備え、前記制御手段は、前記内容取得手段が取得した作業内容に応じて前記照明手段を点消灯制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。
図2】(a)は排紙空間100内における後処理装置110の収納位置を示し、(b)は引き出し位置を示す。
図3】排紙空間100内における照明装置300の配置を示す図であって、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
図4】制御部134の主要な構成を示すブロック図である。
図5】後処理装置110の主要な構成を示す図である。
図6】制御部134による照明装置300の制御動作を説明するフローチャートである。
図7】(a)は、後処理装置110のシート受け入れ側端面112の構成を示す側メンズであり、(b)は照明装置300の主要な構成を示す平面図である。
図8】(a)は、開閉センサー410を構成するサブセンサー410a、410bの配置を示し、(b)は、オフ時におけるサブセンサー410a、410bの状態を示し、(c)は、オン時におけるサブセンサー410a、410bの状態を示す。
図9】本発明の変形例に係る制御部134のタイマー処理を説明するフローチャートである。
図10】本発明の変形例に係る制御部134の点滅制御を説明するフローチャートである。
図11】後処理装置110を排紙空間100内に搭載していない場合において、(a)は、シート排出口135の上方のLEDを排出されたシートの照明に兼用する場合を示し、(b)は、画像形成装置1の正面側上方のLEDを排出されたシートの照明に兼用する場合を示し、(c)は、排出されたシートを照明するために専用のLEDを設ける場合を示す。
図12】後処理装置110が排紙空間100内に搭載されておらず、シート排出口135の上方のLEDを排出されたシートの照明に兼用する場合における、制御部134の制御動作を説明するフローチャートである。
図13】従来技術に係る後処理装置の構成を説明する外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1]画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、所謂胴内排紙型のデジタル複合機であって、画像読み取り部120と画像形成部130との間の胴内部分に排紙空間100を有している。排紙空間100の内部には後処理装置110が収容されている。画像形成装置1の正面側(以下、単に「正面側」という。)から見て右側には排紙空間100の一部101を覆い隠すように操作パネル131が配設されている。
【0018】
排紙空間100は、正面側から見て右側にはシート排出口があり、背面側には壁面133があり、更に正面側には操作パネル131があるので、外光が入射し難くなっている。
操作パネル131はタッチパネル132を有しており、画像形成装置1のユーザーへ情報を提示したり、ユーザーから指示入力を受け付けたりする。画像形成装置1は、操作パネル131にてユーザーから指示入力を受け付けて、例えば、シートスルー方式で複写処理を実行する際には、自動原稿読み取り装置(ADF: Automatic Document Feeder)121の原稿トレイ122に載置されている原稿束から原稿を1枚ずつ繰り出して、画像読み取り部120の読み取り位置へ搬送する。画像読み取り部120は読み取り位置で原稿から画像を読み取って、デジタル画像データを生成して画像形成部130の制御部134に記憶させる。読み取り位置を通過した原稿は排紙トレイ123上に排出される。
【0019】
画像形成部130は、制御部134が記憶しているデジタル画像データに基づいてトナー像を形成し、当該トナー像を給紙カセット140から供給された記録シート上に転写し、熱定着して、排出する。後処理装置110は、画像形成部130が排出した記録シートを受け入れて、ステープルやパンチ、ソート等の後処理を施した後、排紙トレイ111上へ排出する。
【0020】
画像形成部130の上面のうち、排紙空間100に面する箇所にはガイドレール(図示省略)が設けられており、当該ガイドレールに沿って、後処理装置110は収納位置と引き出し位置とを間でスライド移動することができる。
収納位置においては、図2(a)に示すように、後処理装置110は画像形成部130のシート排出口に近接しており、画像形成部130が排出したシートを受け入れることができる。一方、破線で示す操作パネル130の背後に後処理装置110の一部が覆い隠されているので、後処理装置110が収納位置にある状態ではメンテナンス作業を実施することができない。
【0021】
ガイドレールに沿って後処理装置110を収納位置から引き出し位置へスライド移動させると、図2(b)に示すように、正面側から見て後処理装置110のシート受け入れ側端112が操作パネル130よりも左側になるので、メンテナンス作業員は、後処理装置110と操作パネル130との隙間200から後処理装置110のシート受け入れ側端112にアクセスできるようになる。
【0022】
しかしながら、排紙空間100の奥行きは深く、正面側から見て隙間200の左側には後処理装置110があるので、メンテナンス作業員が画像形成装置1の正面側に覆い被さるようにして後処理装置110のシート受け入れ側端110にアクセスしようとすると、シート受け入れ側端110にはほとんど外光が入射できなくなるので、シート受け入れ側端110の視認性が著しく悪化して作業性が低下する。
【0023】
このため、図3(a)、(b)に示すように、画像読み取り部120の下面には照明装置300が設置されている。照明装置300は、後処理装置110が引き出し位置にあるときの、画像形成部130のシート排出口135から後処理装置110のシート受け入れ側端110に至る間の正面側と、操作パネル130の裏面から壁面133に至るまでのシート排出口135の上部に設けられたLED(Light Emitting Diode)である。
【0024】
正面側に設けられた照明装置300は正面側から奥側に向かって照明光を照射し、シート排出口135の上部に設けられた照明装置300はシート排出口135側からシート受け入れ側端110に向かって照明光を照射する。従って、メンテナンス作業時に照明装置300の照明光が作業員の方へ向かって照射されないので、作業員は眩しさに妨げられることなくメンテナンスを実施することができる。
[2]制御部134の構成
次に、制御部134の構成について説明する。
【0025】
制御部134は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)401やROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403等を備えている。画像形成装置1に電源が投入されると、CPU401はROM402からブートプログラムを読み出してブートプログラムを実行する。CPU401は更にRAM403を作業用記憶領域として、HDD(Hard Disk Drive)404から読み出したOS(Operating System)や制御プログラム等を実行する。また、CPU401は、NIC(Network Interface Card)405を用いてLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークにアクセスして、印刷ジョブを受け付ける等の通信処理を実行する。
【0026】
画像処理部406は、画像読み取り部120にて読み取った画像データや、NIC405を用いて他の装置から受け付けた画像データを補正したり、加工したりする。画像出力部407は、画像形成部130にて画像形成を行うために使用する画像データを、印刷ジョブにて指定された画像データから生成する。
照明制御部408は、CPU401からの指示信号に従って照明装置300の点消灯や光量を制御する。後述のように、照明装置300は複数のLEDを備えており、照明制御部408は、個々のLEDを個別に点消灯させたり、光量を制御したりすることができる。この点消灯には所定の期間ずつ点消灯を繰り返すLEDの点滅も含まれる。
【0027】
通信制御部409は、印刷ジョブにて指定された後処理の内容を後処理装置110に指示したり、後処理装置110を画像形成部130に連動して動作されるためのタイミングを管理したりするために、後処理装置110との間のシリアル通信処理を行う。また、CPU401は、通信制御部409を経由して、後処理装置110内の通紙部での搬送不良(ジャム)の発生や、ステープル機能を有する場合にはステープルカートリッジ内のステープル針が無くなったか否か、ステープル針の詰まりが生じたか否かといった状態情報を取得する。
【0028】
後処理装置110がパンチ処理を行った際に生じるパンチ屑(用紙を穿孔した際にできる紙屑)の詰まりが生じたか否かについても、CPU401は通信制御部409を経由して状態情報を取得する。後処理装置110はパンチ屑を収容するためのパンチ屑容器を備えており、パンチ屑容器に収容されたパンチ屑はメンテナンス作業の際に廃棄される。また、ステープルカートリッジの交換や針詰まりの解消もメンテナンス作業である。
【0029】
開閉センサー410は、後処理装置110が引き出し位置にあるか否かを検出する。後述のように、CPU401は、開閉センサー410の検出信号を参照して、後処理装置110が引き出し位置になければ、照明装置300を点灯させない。以下、後処理装置110が引き出し位置にあることを以下において「カバー開」というものとする。また、パンチ機能に関連してメンテナンス作業が必要となる事象を以下において「パンチエラー」といい、ステープル機能に関連してメンテナンス作業が必要となる事象を以下において「ステープルエラー」というものとする。
【0030】
この他、CPU401は、HDD404から画像データを読み出して、操作パネル131に表示させる画像データを生成したり、操作パネル131からユーザーの指示入力信号を受け付けたりすることによって、ユーザーへの情報提示やユーザーからの指示受け付けを行う。また、CPU401は、操作パネル131にて受け付けたユーザーからの指示に従って原稿から画像を読み取ることができるように、画像読み取り部120を制御する。ユーザーからの指示には、原稿画質や解像度などを指定する読み込み設定や、原稿の種類や方向を指定する原稿設定などが含まれる。
[3]後処理装置110の構成
次に、後処理装置110の構成について説明する。
【0031】
後処理装置110は、図5に示すように、CPU501やROM502、RAM503等を備えている。画像形成装置1に電源が投入されることによって、後処理装置110が通電されると、CPU501はROM502からブートプログラムを読み出して起動し、RAM503を作業用記憶領域として、ROM502から読み出した制御プログラムを実行する。
【0032】
CPU501は、通信制御部409を経由して、制御部134から後処理内容の指定と後処理タイミングとを受け付けると、指定された後処理内容に応じて、ソート処理部504、パンチ処理部505及びステープル処理部506を制御し、後処理を実行する。ソート処理部504はシートを並べ替えるソート処理を実行し、パンチ理処理部505はシート束の所定位置を穿孔する。ステープル処理部506はシート束の所定位置をステープル針で綴じる。
【0033】
また、後処理の実行中には、CPU501は、紙詰まりセンサー507を用いて紙詰まりの発生の有無を監視したり、パンチエラーセンサー508を用いて穿孔刃内にパンチ屑が詰まったか否かを監視したりする。更に、CPU501は、ステープルエラーセンサーを用いてステープル針の詰まりやステープルカートリッジのエンプティを監視する。
CPU501は、紙詰まりセンサー507、パンチエラーセンサー508及びステープルエラーセンサー509を用いてエラーの発生を検知したら、後処理を停止する。また、CPU501は、通信制御部409を経由して制御部134からエラーの発生の有無について問い合わせを受けた場合には現状を通知する。
[4]照明装置300の制御
次に、制御部134による照明装置300の制御動作について説明する。
【0034】
図6に示すように、制御部134は、後処理装置110が搭載されているか確認する。後処理装置110が搭載されているか否かは、例えば、通信制御部409を経由して後処理装置110にアクセスすることによって確認することができる。画像形成装置1に後処理装置110が搭載されている場合には(S601:YES)、後処理装置110からのエラーの発生通知を待つ。
【0035】
後処理装置110からエラーの発生を通知されたら(S602:YES)、制御部134は、後処理装置110から発生したエラーの内容を取得するとともに(S603)、操作パネル131にて画像形成装置1のユーザーに後処理装置110でエラーが発生した旨を報知して(S604)、開閉センサー410の検出信号を監視する。
開閉センサー410の検出信号によって、後処理装置110のカバー開が確認されたら(S605:YES)、後処理装置110のメンテナンス作業を開始できる状態になったと判断されるので、制御部134は、後処理装置110においてジャム発生を検知した場合には(S606:YES)、ジャム用LEDを点灯する(S607)。
【0036】
図7(b)に示すように、照明装置300は6つのLEDからなっており、画像形成装置1の正面側には、ジャム用LED301、302及び303が配設されている。ジャム用LED301は、後処理装置110のシート受け入れ側端112に設けられたシート受け入れ口701の正面側を含む範囲711を照明する(図7(a))。同様に、ジャム用LED302、303は、それぞれシート受け入れ口701の中央及び背面側を含む範囲712、713を照明する。このように、ジャム用LED301、302及び303によってシート受け入れ口701全体が照明される。
【0037】
また、パンチエラーの発生を検出した場合には(S608:YES)、パンチエラー用LEDを点灯する(S609)。図7(b)に示すように、シート排出口135の上方で、かつ画像形成装置1の正面側及び中央にはパンチエラー用LED311、312が配設されている。図7(a)に示すように、パンチ屑容器703は、シート受け入れ側端112から引き出すことができるようになっており、パンチエラー用LED311はパンチ屑容器703の正面側の部分を照明し、パンチエラー用LED312はパンチ屑容器703の背面側の部分を照明する。このようにして、パンチ屑容器703全体が照明される。
【0038】
更に、ステープルエラーの発生を検出した場合には(S610:YES)、ステープルエラー用LEDを点灯する(S611)。図7(b)に示すように、シート排出口135の上方で、かつ画像形成装置1の背面側にパンチエラー用LED313が配設されている。図7(a)に示すように、ステープルカートリッジ702は、シート受け入れ側端112から引き出すことができるようになっており、ステープルエラー用LED313はステープルカートリッジ702全体を照明する。
【0039】
その後、後処理装置110がカバー開状態である間は(S612:YES)、LEDの点灯状態を維持する。一方、後処理装置110がカバー開でなくなったら(S612:NO)、メンテナンス作業が完了し、後処理装置110が引き出し位置から収納位置へ戻されたと判断される。従って、LEDを点灯し続ける必要がないので、LEDをすべて消灯して(S613)、ステップS602へ進み、上記の処理を繰り返す。
[5]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(5-1)上記実施の形態においては、照明装置300にLEDを適用する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、LEDに代えて白熱電球を用いてもよい。また、これら以外の照明装置を用いてもよいが、画像形成装置1や後処理装置110に対する小型化の要請を考慮すれば、小型の照明装置であるのが望ましい。また、メンテナンス作業の内容に応じた箇所を選択的に照明するためには、指向性の高い照明光を出射することができる照明装置が好適である。
(5-2)上記実施の形態においては、照明装置300を画像形成装置1の正面側、並びにシート排出口135の上方に配設する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて他の位置に照明装置を配設してもよい。排紙空間100内のメンテナンス作業対象位置を照明することができれば、照明装置を配設する位置は上記に限定されない。
(5-3)上記実施の形態においては、後処理装置110のカバー開を検出する開閉センサー410が、後処理装置110が引き出し位置にあるか否かを検出する場合を例にとって説明した。これに対して、画像形成装置1の前扉などの開閉センサーは、通常、完全に閉じているか、少しでも開いているかを検出する。これを後処理装置110のメンテナンス作業に適用した場合、後処理装置110が収納位置から少しでも変位すると照明装置300が点灯してしまう。
【0040】
すると、後処理装置110が完全には開いておらず、メンテナンス作業を実施し難い状態で、作業員が無理にメンテナンス作業を行おうとしてしまう恐れがある。このため、上記実施の形態のようにすれば、後処理装置110が完全に開いてから照明装置300が点灯し、後処理装置110が完全に開いていない状態ではメンテナンス作業の対象位置が照明されないので、無理なメンテナンス作業を抑制することができる。
【0041】
開閉センサー410は、例えば、図8(a)に示すように、サブセンサー410a、410bから構成されていてもよい。サブセンサー410aは、後処理装置110が引き出し位置にあるときのシート受け入れ側端面112のシート排出方向における下流側に配設されており、サブセンサー410bは、後処理装置110が引き出し位置にあるときのシート受け入れ側端面112のすぐ上流側に配設されている。なお、後処理装置110が引き出し位置にある場合、後処理装置110のシート搬送方向における下流側の端部800は排紙空間100の外部に突出する。
【0042】
サブセンサー410aは、後処理装置110が収納位置(実線)にある場合にはオフし、後処理装置110が収納位置(実線)から離れて、後処理装置110のシート排出方向における下流側端800がサブセンサー410aに到達するとサブセンサー410aはオンし、後処理装置110が引き出し位置(破線)に到達するまでオンし続ける。また、後処理装置110が引き出し位置(破線)に到達した後もサブセンサー410aはオンし続ける。
【0043】
一方、サブセンサー410bもまた、後処理装置110が収納位置(実線)にある場合にはオフし、後処理装置110が収納位置(実線)から離れて、後処理装置110のシート排出方向における下流側端800がサブセンサー410bに到達するとサブセンサー410bはオンするが、その後、後処理装置110が引き出し位置(破線)に到達すると再びオフする。
【0044】
すなわち、サブセンサー410aがオンし、かつサブセンサー410bがオフしているか否かによって後処理装置110が引き出し位置にあるか否かを検出することができる。
サブセンサー410a、410bは共通の構成を備えている。図8(a)、(b)に示すように、検出部801と遮光部802とが一体形成されてなる。サブセンサー410a、410bは、重心よりも検出部801寄りの位置において揺動軸803に軸支されているため、後処理装置110が検出部801に当接していないオフ時には、遮光部802が垂下し、検出部801が上方になる。この状態で、検出部801の先端が後処理装置110の載置面820(排紙空間100の底部)よりも上方に突出する。
【0045】
サブセンサー410a、410bは更に不図示の発光部と受光部とを備えており、発光部が出射する検出光が受光部に入射するか否かによって後処理装置110が検出部801に当接しているか否かを検出する。
シート搬送方向におけるサブセンサー410a、410bの配設位置に後処理装置110がない場合には、図8(b)に示すように、発光部から受光部へ向かう検出光の光路を位置810において遮るので、検出光が受光部に入射せず、受光部はその旨の検出信号を出力する。すなわち、サブセンサー410a、410bがオフする。これによって、制御部134は、サブセンサー410a、410bによる検出位置に後処理装置110がないと判定する。
【0046】
一方、シート搬送方向におけるサブセンサー410a、410bの配設位置に後処理装置110がある場合には、図8(c)に示すように、後処理装置110が当接することによって、検出部801が後処理装置110の載置面820以下になるようにサブセンサー410a、410bが揺動する。これによって、遮光部802が、発光部から受光部へ向かう検出光の光路が通過する位置810から外れて、検出光を遮らないので、検出光が受光部に入射し、受光部がその旨の検出信号を出力する。
【0047】
すなわち、サブセンサー410a、410bがオンする。これによって、制御部134は、サブセンサー410a、410bによる検出位置に後処理装置110があると判定する。
なお、開閉センサー410の構成が上記に限定されないのは言うまでもなく、他の構成であっても、後処理装置110が引き出し位置にあるか否かを検出することができれば、本発明の効果を得ることができる。
(5-4)上記実施の形態においては、照明装置300が6つのLEDランプによって構成される場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて6つ以外の個数のランプを用いてもよい。例えば、1つのランプで後処理装置110のシート受け入れ側端112全体を照明することができる場合には、ランプの個数は1つでもよい。
【0048】
ランプの個数が1つである場合、後処理装置110の構造によってはメンテナンス作業に必要な照明光量を得ることができないことも考えられる。このような場合には、複数のランプを搭載すれば、メンテナンス作業に必要な光量を得ることができる。
更に、照明すべき領域や光量がJAM処理とステープルカートリッジの交換作業とで異なる場合も考えられる。このような場合は、上記実施の形態のように、それぞれ必要な領域を照らすランプを個別に搭載すれば、照射領域ごとに必要な光量を得ることができる。
(5-5)上記実施の形態においては、後処理装置のカバー開が検出されなくなるまで(S612:NO)、LEDを点灯し続ける場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。例えば、制御部134にタイマーを設けておき、図9に示すように、LEDを点灯した後、タイマーに所定の時間をセットしておく(S901)、その後、後処理装置110が引き出し位置に留まったままであっても(S610:NO)、タイムアウトが発生した場合には(S902:YES)、LEDを消灯してもよい(S613)。
【0049】
例えば、後処理装置110でジャム等が発生した後、メンテナンス作業者が後処理装置110をカバー開状態にしたまま、メンテナンス手順をサービスセンターに確認するため等、何らかの事情でその場を離れる場合がある。このような場合、所定時間の経過後にランプを消灯すれば、無駄な消費電力を削減することができる。また、ランプが点灯したままだと、メンテナンス作業者以外の者が不要に装置内部に触れて更なる不具合を生じる恐れもあるが、所定時間経過後にランプを消灯すればこのような問題の発生を抑制することができる。
(5-6)上記実施の形態においては特に言及しなかったが、照明装置300を構成する複数のLEDランプは光色が互いに異なっていてもよい。例えば、後処理装置のメンテナンス作業にはジャム処理やステープルカートリッジ交換、パンチ屑除去、通紙部の掃除などがあるが、例えば、ジャム処理は青、ステープルカートリッジ交換は白などのように、メンテナンス内容に対応してランプの光色を異ならせてもよい。このようにすれば、メンテナンス作業者はランプの光で、実施すべきメンテナンス作業が判り易くなる。
【0050】
なお、互いに光色が異なる2つ以上のLEDをランプ毎に配設しておき、2つ以上のLEDの何れを点灯させるかによってランプの光色を制御してもよい。
更に、光色に代えて、或いは光色とともにランプの照度を異ならせてもよい。例えば、ジャム処理は、用紙を取り除くだけであるため照度は低くても良く、ステープルカートリッジ交換や通紙部の掃除などは比較的こまかい作業が必要であるため照度を上げれば、作業性を向上させることができる。
【0051】
また、後処理装置110が引き出し位置にも収納位置にもない場合にはランプを点滅させてもよい。具体的には、後処理装置110が収納位置にある「カバー閉」を検出するセンサーを配設しておき、図10に示すように、操作パネル131にてエラー発生を報知した後(S604)、カバー閉でなくなったことを検出したら(S1001:NO)、ジャムが発生していたら(S1002:YES)、ジャム用LED301、302及び303の点滅を開始させ(S1003)、パンチエラーが発生していたら(S1004:YES)、パンチエラー用LED311、312の点滅を開始させ(S1005)、ステープルエラーが発生していたら(S1006:YES)、ステープルエラー用LED313の点滅を開始させた後(S1007)、ステップS602へ進む。
【0052】
このように、カバーを開いているが全開ではない状態、すなわち、後処理装置110を収納位置から引き出し位置へ移動させている途中ではランプを点滅させ、引き出し位置に到達した後にはランプを点灯し続ければ、後処理装置110が引き出し位置に到達するのを待って、メンテナンス作業を実施するようにメンテナンス作業者に促すことができる。
(5-7)上記実施の形態においては、後処理装置110が搭載されている場合における照明装置300の点灯制御を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて次のようにしてもよい。
【0053】
照明装置600は、画像形成装置1の本体側に配設されているため、後処理装置110が搭載されていない場合にもランプを点灯させることができる。後処理装置が搭載されていない状態では、画像形成を終えたシートが排紙空間100に排出される。上述のように、排紙空間100は、上下と平面視における3方向とを画像読み取り部120、画像形成部130及び操作パネル131に囲まれているため、外光が入射し難くなっており暗く、画像形成装置1のユーザーはシートが排出されていることに気づき難い。このような問題に対して、照明装置300を点灯させれば排出されたシートの視認性を向上させることができる。
【0054】
例えば、図11(a)に示すように、シート排出口135の上方において照明装置300にLEDを追加して、4つのLED1101、1102、1103及び1104としてもよい。この場合において、排出されるシートが小サイズシートならば、図11(a-1)に示すように、LED1101、1104を消灯する一方、LED1102、1103を点灯させて、小サイズシートの排出位置1131のみを照明することができる。
【0055】
このようにすれば、LED1101、1104を消灯させて消費電力の低減を図ることができるのみならず、小サイズシートの位置をユーザーに分かり易くすることができる。また、大サイズシートが排出される場合には、図11(a-2)に示すように、4つのLED1101、1102、1103及び1104すべてを点灯させる。このようにすれば、大サイズシート全体が照明される。
【0056】
本変形例に係る制御部134は、図12に示すように、画像形成装置1に後処理装置110が搭載されているか否かを確認して、後処理装置110が搭載されている場合には(S601:YES)、図6に示すような処理を実行する。この場合においては、LED1101、1102、1103及び1104の一部またはすべてが後処理装置110のメンテナンス位置を照明するために兼用される。
【0057】
後処理装置110が搭載されていない場合には(S601:NO)、シートを排出するタイミングになったら(S1201:YES)、タイマーに所定の時間をセットする(S1202)。そして、排出するシートが小サイズシートである場合には(S1203:YES)、LED1102、1103を点灯し(S1204)、小サイズシートでなければ(S1203:NO)、大サイズシート全体を照明できるようにすべてのLEDを点灯する(S1205)。
【0058】
その後、タイムアウトが発生したら(S1206:YES)、すべてのLEDを消灯して(S1207)、ステップS1201へ進み、上記の処理を繰り返す。なお、どのLEDでどの領域を照明するかについては上記に限定されず、適宜変更することができる。
また、図11(b)に示すように、照明装置300の正面側にLEDを追加して、排出シートの照明に兼用してもよい。この場合には、画像形成部130のシート排出口135に近いLED1113、1114を用いて小サイズシートを照明し(図11(b-1))、大サイズシートについては上記と同様に全LEDを用いて照明することができる(図11(b-2))。制御部134の動作は上記と概ね同様である。
【0059】
更に、照明装置300とは別に照明装置1120を配設して排出シートの照明に使用してもよい。図11(c)には、照明装置1120が4つのLED1121、1122、1123及び1124を備えており、小サイズシートを照明する際には2つのLED1121、1124のみを点灯させ(図11(c-1))、大サイズシートを照明する際にはすべてのLED1121、1122、1123及び1124を点灯させる場合が例示されている(図11(c-2))。
【0060】
しかしながら、照明装置1120が備えるLEDの個数は4つに限定されず、2つ以上のLEDを備え、シートサイズに合わせて点消灯の組み合わせを異ならせれば上記と同様の効果を得ることができる。また、LEDに代えて他のランプを用いてもよいことは言うまでもない。
(5-8)上記実施の形態においては、後処理装置110が、排紙空間内において移動することができ、メンテナンス作業の作業対象物として、画像形成装置1の排紙空間100内に配設される所謂インナーフィニッシャーである場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、後処理装置110が画像形成装置1の脇に配設されるサドルフィニッシャーである場合にも本発明を適用することができる。
【0061】
例えば、サドルフィニッシャーは画像形成装置1のシート排出口135から排出されるシートを受け入れるための搬送路を排紙空間100内に設ける必要があり、この搬送路において紙詰まり等の不具合が生じて、メンテナンス作業が必要になる場合がある。このような場合、搬送路が移動可能な作業対象物に該当し、照明装置300を用いてメンテナンス作業時に排紙空間内におけるメンテナンス作業者によるメンテナンス作業の対象となる搬送路内の紙詰まり箇所を照明すれば、メンテナンス作業を容易にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る画像形成装置は、排紙空間内に搭載した後処理装置のメンテナンス性を向上させた装置として有用である。
【符号の説明】
【0063】
1……………………………画像形成装置
100………………………排紙空間
110………………………後処理装置
131………………………操作パネル
134………………………制御部
300………………………照明装置
301、302、303…ジャム用LED
311、312……………パンチエラー用LED
313………………………ステープルエラー用LED
701………………………シート受け入れ口
702………………………ステープルカートリッジ
703………………………パンチ屑容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13