(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20220301BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G03G15/00 303
G03G15/04
(21)【出願番号】P 2017220579
(22)【出願日】2017-11-16
【審査請求日】2020-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川中子 隆
(72)【発明者】
【氏名】西田 聡
(72)【発明者】
【氏名】前山 健志
(72)【発明者】
【氏名】速水 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】北田 朋
(72)【発明者】
【氏名】村上 大輔
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-089701(JP,A)
【文献】特開2006-142660(JP,A)
【文献】特開2016-114718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0148175(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成用データに基づいて像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を表面に凹凸を有する用紙に転写して画像を形成する画像形成装置において、
トナー像を形成するトナーの帯電量に関するパラメーター値を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたパラメーター値に応じて、トナー像のドットの大きさを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを生成する生成手段と、
を備え
、
前記パラメーター値は、トナー帯電量であって、
前記設定手段は、前記検出手段により検出されたトナー帯電量の絶対値が大きい程、トナー像のドットを大きくすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ドットの大きさが段階的に異なる複数のスクリーンパターンを記憶する第1記憶部を備え、
前記設定手段は、前記検出手段により検出されたパラメーター値に応じて、前記複数のスクリーンパターンの中からいずれか一つを選択することで、トナー像のドットの大きさを設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
同一種類の用紙に対して連続して画像形成する連続画像形成処理を実行する場合、前記生成手段は、前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを連続して生成することを特徴とする請求項1
又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段により検出されたパラメーター値を記憶する第2記憶部と、
前記連続画像形成処理の実行中に所定タイミングに達すると、パラメーター値を再度検出する再検出手段と、
前記第2記憶部に記憶されたパラメーター値と、前記再検出手段により検出されたパラメーター値とを比較して、前記再検出手段により検出されたパラメーター値が、前記第2記憶部に記憶されたパラメーター値に対して設定された所定値内に入るように調整する調整手段と、
を備えること
を特徴とする請求項
3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成用データに基づいて像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を表面に凹凸を有する用紙に転写して画像を形成する画像形成装置において、
トナー像を形成するトナーの帯電量に関するパラメーター値を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたパラメーター値に応じて、トナー像のドットの大きさを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを生成する生成手段と、
を備え、
同一種類の用紙に対して連続して画像形成する連続画像形成処理を実行する場合、前記生成手段は、前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを連続して生成し、
前記検出手段により検出されたパラメーター値を記憶する第2記憶部と、
前記連続画像形成処理の実行中に所定タイミングに達すると、パラメーター値を再度検出する再検出手段と、
前記第2記憶部に記憶されたパラメーター値と、前記再検出手段により検出されたパラメーター値とを比較して、前記再検出手段により検出されたパラメーター値が、前記第2記憶部に記憶されたパラメーター値に対して設定された所定値内に入るように調整する調整手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
ユーザーが用紙種類を選択操作する操作部と、
前記操作部に対する選択操作に応じた指示信号により、画像を形成する用紙が、表面に凹凸を有する用紙であると判断する用紙種類判断手段と、
を備えること
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
用紙の表面形状を検知する検知センサーと、
前記検知センサーの検知結果に基づき、画像を形成する用紙が、表面に凹凸を有する用紙であると判断する用紙種類判断手段と、
を備えること
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成用データに基づいて像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を表面に凹凸を有する用紙に転写して画像を形成する画像形成装置のコンピューターを、
トナー像を形成するトナーの帯電量に関するパラメーター値を検出する検出手段、
前記検出手段により検出されたパラメーター値に応じて、トナー像のドットの大きさを設定する設定手段、
前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを生成する生成手段、
として機能させ
、
前記パラメーター値は、トナー帯電量であって、
前記設定手段は、前記検出手段により検出されたトナー帯電量の絶対値が大きい程、トナー像のドットを大きくするプログラム。
【請求項9】
画像形成用データに基づいて像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を表面に凹凸を有する用紙に転写して画像を形成する画像形成装置のコンピューターを、
トナー像を形成するトナーの帯電量に関するパラメーター値を検出する検出手段、
前記検出手段により検出されたパラメーター値に応じて、トナー像のドットの大きさを設定する設定手段、
前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを生成する生成手段、
として機能させ、
同一種類の用紙に対して連続して画像形成する連続画像形成処理を実行する場合、前記生成手段は、前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを連続して生成し、
前記コンピューターは、前記検出手段により検出されたパラメーター値を記憶する第2記憶部を備え、
前記コンピューターを、
前記連続画像形成処理の実行中に所定タイミングに達すると、パラメーター値を再度検出する再検出手段、
前記第2記憶部に記憶されたパラメーター値と、前記再検出手段により検出されたパラメーター値とを比較して、前記再検出手段により検出されたパラメーター値が、前記第2記憶部に記憶されたパラメーター値に対して設定された所定値内に入るように調整する調整手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体上に形成されたトナー像を用紙に転写した後、用紙を加熱・加圧することで、用紙に画像を定着させている。
このような画像形成装置において、画像形成対象として凹凸加工が施された用紙(エンボス紙など)を使用する場合、用紙の凹部は、像担持体上のトナーから距離が遠いので転写時にトナーが到達しにくく、転写性が悪いことが知られている。
【0003】
そこで、用紙の凹部への転写性を改善するために、原稿画像の濃度と、用紙表面の凹凸状態とに応じて、表面が平らな用紙の場合における階調パターンの平均濃度と同一または略同一となる階調パターンが形成可能な画素データを生成する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、用紙の凹部へのトナーの転写性に寄与する因子として、トナー自体の状態について考慮されていない。
このため、使用環境や使用履歴に応じて、トナー帯電量などのトナーの状態が変動した場合、用紙の凹部への転写性を良好に維持することが困難であった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、表面に凹凸を有する用紙に対して、常時良好な転写性を実現させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、
画像形成用データに基づいて像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を表面に凹凸を有する用紙に転写して画像を形成する画像形成装置において、
トナー像を形成するトナーの帯電量に関するパラメーター値を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたパラメーター値に応じて、トナー像のドットの大きさを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを生成する生成手段と、
を備え、
前記パラメーター値は、トナー帯電量であって、
前記設定手段は、前記検出手段により検出されたトナー帯電量の絶対値が大きい程、トナー像のドットを大きくすることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプログラムは、
画像形成用データに基づいて像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を表面に凹凸を有する用紙に転写して画像を形成する画像形成装置のコンピューターを、
トナー像を形成するトナーの帯電量に関するパラメーター値を検出する検出手段、
前記検出手段により検出されたパラメーター値に応じて、トナー像のドットの大きさを設定する設定手段、
前記設定手段により設定された大きさのドットの前記画像形成用データを生成する生成手段、
として機能させ、
前記パラメーター値は、トナー帯電量であって、
前記設定手段は、前記検出手段により検出されたトナー帯電量の絶対値が大きい程、トナー像のドットを大きくするプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表面に凹凸を有する用紙に対して、常時良好な転写性を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】画像形成部における書込みユニットの周辺を示す図である。
【
図6】画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】Y,M,Cのトナーの帯電量検出処理を示すフローチャートである。
【
図8】
図6の帯電量検出処理について説明するための図である。
【
図9】Kのトナーの帯電量検出処理を示すフローチャートである。
【
図10】帯電量維持処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0012】
[画像形成装置の構成]
まず、本実施の形態における画像形成装置の構成について説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置Gの機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成装置Gは、例えば、画像形成部10、給紙部20、操作部31、表示部32、通信部33、画像生成部34、メモリー制御部35、画像メモリー36、画像処理部37、制御部38及び記憶部39を備えている。
【0014】
図2は、画像形成部10の概略構成図である。
図2に示すように、画像形成部10は、Y(イエロー)、M(マジェンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色に対応する4つの書込みユニット10Y,10M,10C,10Kと、中間転写ベルト(像担持体)17と、二次転写ローラー18と、定着部19と、濃度センサーS1と、を備える。
【0015】
図3は、画像形成部10における書込みユニット10Kの周辺を示す図である。
各書込みユニット10Y,10M,10C,10Kの構成は同じであるため、ここでは代表して書込みユニット10Kについて説明し、書込みユニット10Y,10M,10Cの説明は省略することとする。
図3に示すように、書込みユニット10Kは、感光体ドラム(像担持体)11K、帯電部12K、露光部13K、現像部14K、一次転写ローラー15K及びクリーニング部16Kを備える。
【0016】
帯電部12Kは、帯電高圧電源H1により所定の電圧が印加され、感光体ドラム11Kを一様に帯電させる。
露光部13Kは、レーザー光源、ポリゴンミラー、レンズ等から構成され、各色(ここではK)の画像データに基づいて感光体ドラム11Kの表面をレーザービームにより走査露光して静電潜像を形成する。
【0017】
現像部14Kは、感光体ドラム11K上の静電潜像に各色(ここではK)のトナーを付着させ、現像を行う。
現像部14Kにおいて用いられるトナーは、トナー粒子と、当該トナー粒子を帯電するためのキャリアとを含む。トナー粒子は、各種公知のものを使用することができ、バインダー樹脂中に着色剤や、必要に応じて荷電制御剤、離型剤等を含有させ、トナー粒子の帯電性や流動性などを調整するための外添剤を処理させたものを用いることができる。外添剤は、例えば、シリカやチタニアといった微粒子の金属酸化物が用いられる。キャリアは、各種公知のものを使用することができ、バインダー型キャリアやコート型キャリアなどを用いることができる。
【0018】
現像部14Kは、回転可能な現像スリーブと固定された磁界を発生するマグネットローラとから構成された現像ローラー141を備える。現像スリーブには、現像バイアス電源H2から交流電圧に直流電圧を重畳した電圧が印加される。
また、現像時における現像ローラー141と感光体ドラム11Kとの間を流れる現像電流は、現像電流検知手段H21により測定される。現像電流は、現像時のトナーの現像ローラー141の表面から感光体ドラム11Kへの移動の際に生じる。現像電流は移動したトナーの単位時間当たりの総電荷量に比例するので、現像電流を測定することにより現像したトナーの総電荷量を測定することができる。
【0019】
一次転写ローラー15Kは、中間転写ベルト17を裏面(トナー像の形成面と反対側の面)から感光体ドラム11Kに向けて付勢している。一次転写ローラー15Kは、転写高圧電源H3により所定の定電圧あるいは定電流が印加される。感光体ドラム11K上に形成されたトナー像は、定電圧あるいは定電流が印加された一次転写ローラー15Kの静電作用により、中間転写ベルト17上に転写される(一次転写)。
【0020】
クリーニング部16Kは、転写後の感光体ドラム11Kの周面上に残ったトナーを除去する。
【0021】
上述のようにして、中間転写ベルト17上には、書込みユニット10Y,10M,10C,10Kにより各色のトナー像が重ね合わされるように形成され、カラートナー像が形成されることとなる。
中間転写ベルト17は、無端状ベルトであり、複数のローラー(駆動ローラー、テンションローラー、従動ローラー)により張架され、
図1の矢印Aで示す方向に周回駆動される。
この中間転写ベルト17は、例えば、ポリイミド(PI)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂で構成された基材層の上に、アクリルニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR)やクロロプレンゴム(CR)等のゴムからなる弾性層を形成した弾性ベルトなどを用いることができる。
なお、中間転写ベルト17は、所望の転写性を有するものであれば良く、材質や厚みは上記したものに限定されない。
【0022】
図2に戻って、二次転写ローラー18は、中間転写ベルト17上に形成されたカラートナー像を、給紙部20から供給された用紙の一方の面上に一括して転写させる(二次転写)。
【0023】
定着部19は、用紙上に転写されたトナーを、加熱・加圧により用紙上に定着させる。
【0024】
濃度センサーS1は、例えば、反射型のフォトセンサーである。
濃度センサーS1は、中間転写ベルト17の回転方向において、最も下流側の感光体ドラム11Kよりも下流側で、二次転写ローラー18のニップ位置よりも上流側となる位置に配置されている。
濃度センサーS1は、例えば、中間転写ベルト17上にY、M、C、Kの各色のトナーのパッチ画像が形成された際に、このパッチ画像の光学反射濃度を測定する。
【0025】
給紙部20は、画像形成装置Gの下部に備えられ、着脱可能な給紙カセット21を備えている。給紙カセット21に収容された用紙は、その最上部のものより1枚ずつ給紙ローラー22によって搬送経路に送り出されるようになっている。
本実施の形態においては、用紙として、表面が平らな普通紙のみならず、表面に凹凸を有する用紙(以下、「エンボス紙P1」という)に対しても画像形成を行うことができる。
給紙カセット21は、用紙の表面形状(凹凸など)と凹凸がある場合にはその深さを検知する検知センサーS2を有し、給紙カセット21にエンボス紙P1が収容されると、これを検知することができる。
【0026】
図1に戻って、操作部31は、操作キー、表示部32と一体に構成されたタッチパネル等を備え、これらの操作に応じた操作信号を制御部38に出力する。
ユーザーは、操作部31により、ジョブの設定、処理内容の変更等の入力操作を行うことができる。
また、ユーザーは、操作部31により、ジョブにおいて画像を形成する用紙の種類等を選択操作することができる。具体的に、予め登録された用紙の種類の一覧表が記憶部39に記憶されており、表示部32にその一覧表を表示させて、その中から選択することができる。
【0027】
表示部32は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等を備え、制御部38の指示に従って各種画面等を表示する。
【0028】
通信部33は、制御部38の指示に従い、ネットワーク上のコンピューター、例えばユーザー端末、サーバー、他の画像形成装置等と通信する。通信部33は、例えばユーザー端末からPDL(Page Description Language)で記述されたデータを受信する。
【0029】
画像生成部34は、通信部33が受信したPDLで記述されたデータをラスタライズ処理して、画素ごとに階調値を有するビットマップ形式の画像データを、Y、M、C及びKの色ごとに生成する。階調値は、画像の濃淡のレベルを0~100%の範囲内で表す信号値である。
また、画像生成部34は、スキャナーを備え、ユーザーによりセットされた原稿を当該スキャナーにより読み取って、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色の画像データを生成することもできる。画像生成部34は、各色R、G及びBの画像データを色変換処理して、各色C、M、Y及びKの画像データを生成する。
【0030】
メモリー制御部35は、画像生成部34により生成された画像データを画像メモリー36に書き込み、保存する。また、メモリー制御部35は、画像メモリー36から画像データを読み出して画像処理部37に出力する。
【0031】
画像メモリー36としては、例えばDRAM(Dynamic RAM)等を用いることができる。
【0032】
画像処理部37は、画像メモリー36から読み出されたC、M、Y及びKの画像データに対し、画像形成において必要な各種の画像処理を施し、画像形成用の画像データを生成する。生成された画像データは、画像形成用データとして、画像形成部10に出力される。
具体的に、画像処理部37は、スクリーン処理部37a、スクリーンパターン記憶部(第1記憶部)37bを有し、画像の画素値を変換するスクリーン処理を実行する。なお、
図1では、スクリーン処理時に主に機能する画像処理部37の構成部分を示している。
【0033】
スクリーン処理部37aは、制御部38の制御下で、スクリーンパターン記憶部37bに記憶されている複数のスクリーンパターンSP・・・のうちの、選択されたスクリーンパターンSPにて、画像データにスクリーン処理を施す。
【0034】
スクリーンパターン記憶部37bは、異なる複数のスクリーンパターンSP・・・を記憶している。
スクリーンパターンSPは、所定数の画点を有するマトリックスであり、複数のスクリーンパターンSP・・・は、互いに異なる大きさのドットを有するものである。
【0035】
図4(a)(b)は、スクリーンパターン記憶部37bに記憶されたスクリーンパターンSPの一例を示す図である。
図4(a)は、通常の画像形成時に用いられるように設定されている標準のスクリーンパターンSP1であり、
図4(b)は、スクリーンパターンSP1の次にドットの大きなスクリーンパターンSP2である。
この例では、スクリーンパターンSPは、4×4の升目(16画点)で構成されている。
【0036】
ここで、スクリーンパターンSPのドットは、作成されるトナー像の最小ドットである。即ち、使用するスクリーンパターンSPにより、作成されるトナー像の最小ドットの大きさが変わることとなる。
また、複数のスクリーンパターンSP・・・は全て、その内部のトナー量が同一である。即ち、スクリーンパターンSPごとに内部にある全てのドットに対応するトナー量を合算した場合、その値が同一となる。
このため、例えば、ドットの小さなスクリーンパターンSP1と、ドットの大きなスクリーンパターンSP2とを比較した場合、スクリーンパターンSP2では、スクリーンパターンSP1よりドット間の距離が広がるものの、各ドットの縦、横、高さのサイズ(A、B、C)が、スクリーンパターンSP1のドットの縦、横、高さのサイズ(a、b、c)と比べて大きくなっている。
【0037】
制御部38は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。制御部38は、記憶部39に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置Gの各部を制御する。
例えば、制御部38は、画像生成部34によりビットマップ形式の画像データを生成させ、画像処理部37により当該画像データに画像処理を施させる。制御部38は、画像処理された画像データに基づいて、画像形成部10により用紙上に画像を形成させる。
【0038】
記憶部39は、制御部38が読み取り可能なプログラム、ファイル等を記憶している。
記憶部39としては、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)等の記憶媒体を用いることができる。
【0039】
例えば、記憶部39には、後述するトナー帯電量検出処理を実行する際に用いる換算テーブルT1が記憶されている。換算テーブルT1は、光学反射濃度と、トナー付着量との対応関係を予め記述したテーブルであり、当該テーブルを参照することにより、濃度センサーS1により測定した光学反射濃度値を、トナー付着量に換算することができる。
【0040】
また、記憶部44には、後述するスクリーンパターン設定処理を実行する際に用いる設定情報T2が記憶されている。
図5は、設定情報T2の一例を示す図である。
図5に示すように、設定情報T2は、トナー帯電量と、スクリーンパターンSPとの対応関係を予め記述した情報である。設定情報T2においては、トナー帯電量の値(絶対値)が大きくなるにつれて、ドットの大きさが段階的に大きくなるようにスクリーンパターンSPが対応づけられている。
スクリーンパターン設定処理では、この設定情報T2を参照することにより、トナー帯電量検出処理により検出されたトナー帯電量に対応するスクリーンパターンSPを選択することができる。
【0041】
[画像形成装置の動作]
次に、本実施の形態における画像形成装置Gの動作について説明する。
【0042】
本実施の形態の画像形成装置Gにおいては、エンボス紙P1に対する画像形成処理が実行され、この際、画像形成に用いるトナー(現像部14Y等に収容されているトナー)の帯電量に基づいて、形成するトナー像のドットの大きさを制御することで、転写性を良好に維持している。
【0043】
図6は、画像形成装置Gによるエンボス紙P1に対する画像形成処理を示すフローチャートである。
この画像形成処理は、ユーザーからのジョブの実行指令に応じて、制御部38と記憶部39に記憶されているプログラムとの協働によって実行される。
【0044】
まず、ジョブの実行指令を受信すると、制御部38は、そのジョブに関するジョブ情報を取得する(ステップS11)。
ジョブ情報には、当該ジョブにおいて画像を形成する用紙の枚数を示す枚数情報などが含まれている。
【0045】
次いで、制御部38は、画像形成を行う用紙がエンボス紙P1であるか否かを判断する(ステップS12)。
具体的には、ジョブの実行指令に先立って、ユーザーが、操作部31により、ジョブにおいて画像を形成する用紙の種類としてエンボス紙P1を選択操作した場合、制御部38は、操作部31に対する選択操作に応じた指示信号により、画像を形成する用紙が、エンボス紙P1であると判断する。
【0046】
そして、エンボス紙P1でない場合(ステップS12:NO)、制御部38は、後述のステップS15に移行する。
【0047】
一方、エンボス紙P1であった場合(ステップS12:YES)、制御部38は、Y、M、C及びKの各トナーの帯電量を検出するトナー帯電量検出処理を実行する(ステップS13)。
【0048】
ここで、
図7、
図8を参照して、Y、M及びCのトナーに対するトナー帯電量検出処理について説明する。なお、Y、M及びCのトナーに対するトナー帯電量検出処理は同一であるため、以下の説明においては、Cのトナーの処理について説明し、Y及びMのトナーの処理については説明を省略する。
【0049】
図7に示すように、まず、制御部38は、画像形成部10の書込みユニット10Cにより、感光体ドラム11CにCのトナーのパッチ画像を形成する(ステップS131)。
なお、パッチ画像の画像データは、予め記憶部39に記憶されている。
当該パッチ画像の現像時においては、現像電流検知手段H21により、感光体ドラム11Cと現像ローラー141との間における現像電流の測定が行われている。現像電流は移動したトナーの単位時間当たりの総電荷量に比例するので、現像電流を測定することにより、現像したトナーの総電荷量が測定することができる。
【0050】
次に、制御部38は、感光体ドラム11Cに形成されたパッチ画像の中間転写ベルト17への一次転写を行う(ステップS132)。
このとき、トナー帯電量を測定するトナーが収容されている現像部14Cに対応する一次転写ローラー15Cへの転写高圧電源H3からの出力値は、通常の画像形成時に比べて高くされる。例えば、転写高圧電源H3の出力が定電流出力であれば、通常の画像形成時の出力値45μAに対して、その出力値は58μAにされる。その理由を以下に説明する。
【0051】
図8は、異なる転写電流に対する一次転写率及びリトランスファー率を示したグラフである。
一次転写率とは、現像部14Cから感光体ドラム11Cに現像されたトナーの付着量に対する、一次転写ローラー15Cにより中間転写ベルト17に転写されたトナーの付着量の比である。
リトランスファー率とは、中間転写ベルト17の回転方向上流側(例えば感光体ドラム11Mの位置)で形成された中間転写ベルト17上のトナーの付着量に対する、当該一次転写ローラー15Cの転写位置を通過させた際に感光体ドラム11Cに戻ったトナー付着量の比である。
図8において、w1は一次転写のみを考慮した適正領域であり、w2は、更にリトランスファー率も考慮した適正領域である。
【0052】
図8に示すように、通常の画像形成処理において、一次転写ローラー15Cに出力する転写電流は、一次転写率とリトランスファー率を考慮して設定される必要があるが、本実施の形態におけるトナー帯電量検出処理においては、これらバランスを考慮せずに各々設定できることから、ステップS132における一次転写ローラー15Cへの出力値は、一次転写率のみを考慮して適正化することができるので通常の画像形成時に比べて高くしている。
【0053】
図7に戻って、次に、制御部38は、パッチ画像が一次転写ローラー15Kの転写位置を通過する際に、感光体ドラム11Kへの戻りが少なくなるように、一次転写ローラー15Kへの出力値を適正化する(ステップS133)。
これも、上記ステップS132と同様な考え方である。当該適正化はリトランスファー率のみを考慮して行うことができるので、通常の画像形成時に比べて転写の出力値は低くされる。例えば、通常の画像形成時の出力値45μAに対して、その出力値は10μAにされる。
【0054】
次に、制御部38は、中間転写ベルト17上のパッチ画像の光学反射濃度を、濃度センサーS1により測定する(ステップS134)。
ここで測定された光学反射濃度は、換算テーブルT1により、トナー付着量に換算される。
【0055】
次に、制御部38は、ステップS131で測定した現像電流値に基づくトナーの総電荷量と、ステップS134で測定したパッチ画像の光学反射濃度値から算出したトナー付着量とから、トナーの単位付着量あたりの帯電量を算出する(ステップS135)。
【0056】
上述したが、Y、M及びCのトナーに対するトナー帯電量検出処理は同一であり、Y,Mのトナーについても同様のトナー帯電量検出処理を実行して、帯電量が算出される。
【0057】
次に、
図9を参照して、Kのトナーに対するトナー帯電量検出処理について説明する。
図9に示すように、Kのトナーのトナー帯電量検出処理においては、下流側の一次転写がないので、
図6のステップS133に相当する制御がない以外は、
図7のステップS131、S132、S134、S135と同様の制御を実行する。
【0058】
図6に戻って、制御部38は、上記トナー帯電量検出処理により検出したトナー帯電量に基づいて、スクリーンパターンSPを設定するスクリーンパターン設定処理を実行する(ステップS14)。
具体的には、制御部38は、設定情報T2を参照し、上記トナー帯電量検出処理により検出した各色のトナー帯電量に対応するスクリーンパターンSPを選択し、各色において使用するスクリーンパターンSPとして設定する。
【0059】
より具体的には、本実施の形態においては、通常の画像形成処理において用いられるスクリーンパターンSPは予め設定されている(
図4(a)の標準のスクリーンパターンSP1)。
そして、予め定められた通常トナー帯電量の範囲であれば、制御部38は、標準のスクリーンパターンSP1を選択する。
一方、トナー帯電量に変動があった場合、即ち、予め定められた通常トナー帯電量の範囲から外れた場合、制御部38は、設定情報T2に基づいて、そのトナー帯電量に対応したスクリーンパターンSPを選択し、設定変更を行う。
このようにして各色に設定されたスクリーンパターンSPは、各色のトナー帯電量(ステップS13で検出した値)に対応づけられて、記憶部39に記憶される。そして、同一の用紙が連続通紙される間は、設定されたスクリーンパターンSPが使用されるようになっている。
【0060】
次いで、制御部38は、画像形成処理を実行する(ステップS15)。
具体的に、制御部38は、各色の上記スクリーンパターン設定処理により設定されたスクリーンパターンSPをスクリーンパターン記憶部37bから取得し、スクリーンパターン処理部37aにより、各色の画像データにスクリーン処理を施して、画像形成用の画像データを生成する。そして、生成された画像形成用データに基づき、トナー像を形成し、用紙に画像を形成する。
ここで、本実施の形態によれば、上述したように、トナー帯電量によりスクリーンパターンSPが設定されている。トナー帯電量はトナーにかかる電界に対する応答性を示しており、帯電量の値(絶対値)が高いほどトナーは飛びやすい傾向である。一方で、帯電量が高い場合には、中間転写ベルト17とトナー間の静電付着力が大きくなり、トナーが用紙へ転写されるのを妨げる方向の力が働くことになる。したがって、特にエンボス紙P1の凹部では、当該凹部とトナーとの間に空隙が生じ、その距離が大きくなればなるほど、トナーに働く電界は小さくなる。トナーを飛ばすために、電界を大きくしようと印加電圧を大きくしてしまうと、今度は、エンボス紙P1と中間転写ベルト17の間で放電が発生し、結果として、トナーが中間転写ベルト17へ転写できなくなる状況となる。
つまり、トナーの劣化などにより帯電量の値が高くなる場合に、トナーはエンボス紙P1の凹部へ飛びにくくなるケースがある。
本実施の形態では、トナー帯電量に応じてスクリーンパターンSPが設定されることで、トナーが劣化している場合(帯電量が高くなっている場合)には、ドットの大きなスクリーンパターンSPが設定される。大きなドットは、その高さも高く、用紙に転写される際に用紙の表面との距離が短くなり、トナーが受ける電界力が大きくなるので、トナーが飛翔しやすくなる。よって、転写性が向上することとなる。
このため、使用環境や使用履歴に応じてトナー帯電量が変動した場合、スクリーンパターンSPを設定変更することで、エンボス紙P1の凹部への転写性を良好に維持することができる。
【0061】
次いで、制御部38が、今回のジョブで設定された枚数分の全ての画像形成が終了したか否かを判断し(ステップS16)、終了した場合(ステップS16:YES)、本処理を終了する。
【0062】
一方、終了していない場合(ステップS16:NO)、制御部38は、エンボス紙P1に対する画像形成処理における調整タイミングであるか否かを判断し(ステップS17)、調整タイミングでない場合(ステップS17:NO)、上記ステップS15に戻って以降の処理を繰り返す。
【0063】
一方、調整タイミングである場合(ステップS17:YES)、制御部38は、帯電量維持処理を実行する(ステップS18)。
ここで、調整タイミングとは、例えば、今回のジョブの画像形成を開始してから、累積画像形成枚数が所定枚数に達したタイミング、或いは、累積画像形成時間が所定時間経過したタイミングなどである。
同一の用紙に対して連続して画像形成する場合、設定されたスクリーンパターンSPを用いて連続して画像形成が行われるが、その途中で上記調整タイミングに達すると、設定されたスクリーンパターンSPに対応するトナー帯電量が維持されるように、当該帯電量維持処理が実行されることとなる。
【0064】
具体的には、例えば、
図10に示すように、制御部38は、上記ステップS13と同様のトナー帯電量検出処理を実行し、上記ステップS13で検出した値より上がっていた場合、上記ステップS13で検出したトナー帯電量に対して設定された許容範囲(所定値)内に入るように、トナー帯電量を下げる制御を実行する。トナー帯電量を下げる制御とは、例えば、現像部にフレッシュなトナー(帯電量が低いトナー)を供給する制御である。また、フレッシュなトナーの供給量を増やす、供給タイミングを増やすなどの制御を行っても良い。また、フレッシュなトナーを供給するのに加えて、古くなったトナーを吐き出すことも同時に行っても良い。
上記の例は、いずれもトナーをリフレッシュすることでトナー帯電量を下げているが、それ以外の方法でトナー帯電量を下げても良い。
【0065】
また、制御部38は、上記ステップS13と同様のトナー帯電量検出処理を実行し、上記ステップS13で検出した値より下がっていた場合、上記ステップS13で検出したトナー帯電量に対して設定された許容範囲(所定値)内に入るように、トナー帯電量を上げる制御を実行する。トナー帯電量を上げる制御とは、例えば、現像部内の撹拌スピードをあげる、撹拌回数を増やすなどして、トナーとキャリアとの接触を増やす制御である。また、フレッシュなトナーの供給量を減らす、供給タイミングを減らすなどの制御を行っても良い。また、それ以外の方法でトナー帯電量を上げても良い。
【0066】
[本実施の形態の技術的効果]
以上のように、本実施の形態によれば、画像形成用データに基づいて中間転写ベルト17上にトナー像を形成し、当該トナー像をエンボス紙P1に転写して画像を形成する画像形成装置Gにおいて、制御部38は、トナー像を形成するトナーの帯電量を検出し、検出されたトナー帯電量値に応じて、トナー像のドットの大きさを設定し、画像処理部37により、設定された大きさのドットの画像形成用データを生成する。
このため、トナー帯電量に応じてドットの大きさを設定することで、トナー帯電量に応じてトナーの飛びやすさが変更されることとなる。
よって、エンボス紙P1に対して、常時、良好な転写性を実現させることができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、ドットの大きさが段階的に異なる複数のスクリーンパターンSP・・・を記憶するスクリーンパターン記憶部37bを備え、制御部38は、検出されたトナー帯電量値に応じて、複数のスクリーンパターンSP・・・の中からいずれか一つを選択することで、トナー像のドットの大きさを設定する。
このため、スクリーンパターンSPの選択により、トナー帯電量に応じた大きさのドットに設定変更する制御を行うことができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、制御部38は、検出されたトナー帯電量が高い(絶対値が大きい)程、トナー像のドットの大きさを大きくする。
このため、トナー帯電量が高い程、トナー像のドットが大きくなり、トナーを飛びやすくさせることができ、常時、安定した転写性を維持することができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、同一種類のエンボス紙P1に対して連続して画像形成する連続画像形成処理を実行する場合、制御部38は、設定された大きさのドットの画像形成用データを連続して生成する。
このため、続画像形成処理において、一度設定したドットの大きさが維持されるため、例えばスクリーンパターンを変更するたびに発生する画像安定化制御を省略できるので、生産性が落ちるのを抑制することができる。
【0070】
また、本実施の形態によれば、検出したトナー帯電量を記憶する記憶部39を備え、制御部38は、連続画像形成処理の実行中に所定タイミングに達すると、トナー帯電量を再度検出し、記憶されたトナー帯電量と、再検出されたトナー帯電量とを比較して、再検出されたトナー帯電量が、記憶されたトナー帯電量に対して設定された所定範囲内に入るように調整する。
このため、連続画像形成処理において、スクリーンパターンSPを変更することなく、安定した転写性を維持することができる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、ユーザーが用紙種類を選択操作する操作部31を備え、制御部38は、操作部31に対する選択操作に応じた指示信号により、画像形成する用紙が、エンボス紙P1であると判断する。
このため、ユーザーの選択操作に応じて、用紙の種類を設定することができる。
【0072】
なお、本発明を適用可能な実施の形態は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0073】
例えば、上記実施の形態においては、トナー帯電量を検出してドットの大きさ(スクリーンパターン)を選択する構成を例示して説明しているが、トナー帯電量に関するパラメーターであれば、トナー帯電量の代わりとして用いることができる。
トナー帯電量に関するパラメーターとは、例えば、使用状態に関する値(画像のカバレッジ、画像パターン、画像形成枚数、画像形成時間など)、環境条件に関する値(温度、湿度など)等が挙げられる。一例として、エンボス紙P1に画像形成する場合、これまでの各色の平均カバレッジ及び画像形成枚数と使用環境の温度・湿度を基に換算された値に対して、スクリーンパターンを設定するなどの制御を実行することができる。もしくは、テーブルを設けておき、換算された値に適当な制御を実行することができる。
つまり、換算された値に応じて、トナー帯電量を想定し、その値が高い場合には、ドットが大きくなるように制御を行っている。
【0074】
また、上記実施の形態においては、予め記憶された異なる複数のスクリーンパターンSP・・・から、トナー帯電量に応じて一のスクリーンパターンSPを選択する構成を例示して説明したが、トナー帯電量を検出した際に、そのトナー帯電量の値に応じてトナー像のドットの大きさを演算して求め、その演算したドットの大きさに設定することとしても良い。
【0075】
また、上記実施の形態においては、トナー帯電量とスクリーンパターンSPを対応づけた設定情報T2を用いてスクリーンパターンSPを設定しているが、
図11に示すように、トナー帯電量とエンボス紙P1の凹部の深さの組み合わせに、スクリーンパターンSPを対応づけた設定情報T3を用いてスクリーンパターンを設定しても良い。このようにすることで、より良好な転写性を実現することができる。
【0076】
この場合、制御部38は、例えば、ステップS12においてエンボス紙P1であるか否かを判断した後、エンボス紙P1であったら、検知センサーS2によって、エンボス紙P1の凹部の深さを取得すれば良い。そして、ステップS13のトナー帯電量検知処理後、検出したトナー帯電量と、エンボス紙P1の凹部の深さに応じて、トナー像のドットの大きさを設定する。
或いは、エンボス紙P1の凹部の深さは、ユーザーが操作部31により用紙の種類を登録する際に、用紙の種類と紐づけられて登録されていても良い。
この場合、制御部38は、例えば、ステップS12においてエンボス紙P1であるか否かを判断する際に、ユーザーが、操作部31により、ジョブにおいて画像を形成する用紙の種類として選択操作した用紙の種類に紐づけられた凹部の深さの値を取得すれば良い。
【0077】
また、上記実施の形態においては、ユーザーの選択操作に応じた指示信号によりエンボス紙P1であるか否かの判断を行っているが、検知センサーS2の検知結果に基づき、エンボス紙P1であると判断することとしても良い。
また、トナー帯電量の検出方法は、上記したものに限定されない。
【0078】
また、ユーザーの操作に応じて、エンボス紙P1に画像形成する場合にも、上記のようなスクリーンパターン設定処理を行わない設定とすることもできる。また、ユーザーの操作に応じて、スクリーンパターンを指定することもできる。
【符号の説明】
【0079】
G 画像形成装置
10 画像形成部
10Y,10M,10C,10K 書込みユニット
11Y,11M,11C,11K 感光体ドラム(像担持体)
12K,12M,12C,12K 帯電部
13K,13M,13C,13K 露光部
14C,14M,14C,14K 現像部
141 現像ローラー
15C,15M,15C,15K 一次転写ローラー
16K,16M,16C,16K クリーニング部
17 中間転写ベルト(像担持体)
18 二次転写ローラー
S1 濃度センサー
19 定着部
20 給紙部
21 給紙カセット
22 給紙ローラー
S2 検知センサー
31 操作部
32 表示部
33 通信部
34 画像生成部
35 メモリー制御部
36 画像メモリー
37 画像処理部
37a スクリーン処理部(生成手段)
37b スクリーンパターン記憶部(第1記憶部)
SP、SP1、SP2 スクリーンパターン
38 制御部(検出手段、設定手段、生成手段、再検出手段、調整手段、用紙種類判断手段)
39 記憶部(第2記憶部)
T1 換算テーブル
T2 設定情報
H1 帯電高圧電源
H2 現像バイアス電源
H21 現像電流検知手段
H3 転写高圧電源
P1 エンボス紙