(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】遠隔監視システムおよびそれに利用される中継装置
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20220301BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220301BHJP
F24H 15/40 20220101ALI20220301BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
H04M11/00 301
F24H1/00 H
H04Q9/00 301D
(21)【出願番号】P 2017226611
(22)【出願日】2017-11-27
【審査請求日】2020-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前川 善彦
(72)【発明者】
【氏名】津川 明彦
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-067336(JP,A)
【文献】特開2003-296135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
F24H 15/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水利用設備と、
前記温水利用設備と通信を行う中継装置と、
通信網を介して前記中継装置と通信を行う管理装置と、を備え、
前記管理装置は、設定された送信期間にわたって設定された送信間隔で、前記温水利用設備に関する情報を取得するための指令を前記中継装置に送信するように構成され、
前記中継装置は、前記管理装置から送信される前記指令に従って、前記温水利用設備に関する複数種類の情報の中から少なくとも1つの情報を取得し、前記管理装置に送信する情報取得部を備え、
前記送信期間
および前記送信間隔は、設定変更可能に構成されて
おり、
前記送信期間に応じて設定可能な前記送信間隔の範囲が設定される、または、前記送信間隔に応じて設定可能な前記送信期間の範囲が設定される、遠隔監視システム。
【請求項2】
前記管理装置は、前記送信期間が終了したことをユーザに報知する報知部を備えている、請求項
1に記載の遠隔監視システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記管理装置に接続された表示装置に、前記温水利用設備に関する複数種類の項目を選択入力可能に表示する項目表示部を備え、
前記管理装置は、前記項目表示部に選択入力された少なくとも1つの項目に対応する情報を取得するための前記指令を前記中継装置に送信する、請求項1
または2に記載の遠隔監視システム。
【請求項4】
請求項1から
3の何れかに記載の遠隔監視システムに利用される、中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器等の温水利用設備の遠隔監視等を行うための遠隔監視システムおよびそれに利用される中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、給湯器等の温水利用設備には、温水利用設備に付属するリモコン等の操作端末から当該温水利用設備に関する情報を取得する機能(例えばメンテナンスモニタ機能等と称される)が存在する。温水利用設備のサービスマンは、当該メンテナンスモニタ機能を用いて、操作端末から所望する情報に対応する所定の項目を選択することにより予め定められた期間において予め定められた時間間隔で対応する情報(例えば、入水温度、出湯温度、負荷電圧等)を取得することができる。
【0003】
また、従来から、携帯電話等の通信端末を用いて設備機器を遠隔から監視および操作する遠隔監視システムが知られている。そして、上記メンテナンスモニタ機能における操作端末として温水利用設備に付属するリモコンに代えて、タブレットPC等の通信端末や遠隔の管理装置等から操作する構成がいくつか提案されている(例えば特許文献1~2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-204845号公報
【文献】特開2017- 67336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような構成は、あくまで機器に付属しているリモコンの代わりとして通信端末等を用いるという観点で構成されているため、サービスマンが温水利用設備の設置されている場所に出向いて検証することが前提とされている。したがって、メンテナンスモニタの期間は、リモコンから行うか通信端末等を用いるかに拘わらず所定の短い期間(例えば10分~30分程度)に予め設定されていた。このように、従来の構成では、サービスマンが温水利用設備の設置されている場所に行かずに通信端末等を用いてより長期の検証を行う構成にはなっていなかった。また、取得したい情報(選択する項目)または検証したい内容によっては、情報の取得期間がそれぞれ異なる場合もある。このような場合には従来の構成では所望の情報を適切に取得することができなかった。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、遠隔にいながら温水利用設備に関する様々な情報を適切な期間取得することができる遠隔監視システムおよびそれに利用される中継装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る遠隔監視システムは、温水利用設備と、前記温水利用設備と通信を行う中継装置と、通信網を介して前記中継装置と通信を行う管理装置と、を備え、前記管理装置は、設定された送信期間にわたって設定された送信間隔で、前記温水利用設備に関する情報を取得するための指令を前記中継装置に送信するように構成され、前記中継装置は、前記管理装置から送信される前記指令に従って、前記温水利用設備に関する複数種類の情報の中から少なくとも1つの情報を取得し、前記管理装置に送信する情報取得部を備え、前記送信期間は、設定変更可能に構成されている。
【0008】
上記構成によれば、管理装置から温水利用設備に関する情報を取得するための指令が所定の送信期間に所定送信間隔で中継装置に送られ、それに応じて中継装置が対応する情報を温水利用設備から取得する。この際、指令を送信する送信期間が設定変更可能に構成されている。すなわち、サービスマン等のユーザは、所望する情報に合わせて指令を送信する送信期間を設定することにより、所望する情報の取得期間を任意に設定することができる。したがって、上記構成により、遠隔にいながら温水利用設備に関する様々な情報を適切な期間取得することができる。
【0009】
前記送信間隔は、設定変更可能に構成されていてもよい。これにより、所望する情報の取得期間に合わせて所望する情報の取得間隔も任意に設定することができる。
【0010】
前記送信期間に応じて設定可能な前記送信間隔の範囲が設定される、または、前記送信間隔に応じて設定可能な前記送信期間の範囲が設定されてもよい。これにより、例えば、送信期間が長い場合に送信間隔がそれに合わせて長くなったり、送信期間が短い場合に送信間隔がそれに合わせて短くなったりする。このため、例えば設定される送信期間が長い場合には、送信間隔もそれに合わせて長くすることにより、通信量が過大になるのを防止することができる。また、局所的な値の変化を見たい場合等は送信期間および送信間隔がともに短く設定されることにより、局所的な値の変化をピンポイントで取得することができ、取得した情報が冗長になるのを防止することができる。
【0011】
前記管理装置は、前記送信期間が終了したことをユーザに報知する報知部を備えていてもよい。これにより、送信期間の終了を以て情報の取得をユーザに報知することができ、送信期間が設定変更されてもユーザの利便性が悪化するのを防止することができる。
【0012】
前記管理装置は、前記管理装置に接続された表示装置に、前記温水利用設備に関する複数種類の項目を選択入力可能に表示する項目表示部を備え、前記管理装置は、前記項目表示部に選択入力された少なくとも1つの項目に対応する情報を取得するための前記指令を前記中継装置に送信してもよい。これにより、項目表示部により表示される複数種類の項目を選択入力することにより、所望の情報を簡単に指定することができる。
【0013】
本発明の他の態様に係る中継装置は、上記構成の遠隔管理システムに利用されるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上に説明した構成を有し、遠隔にいながら温水利用設備に関する様々な情報を適切な期間取得することができる遠隔監視システムおよびそれに利用される中継装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態における遠隔監視システムの一例を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態における管理装置の表示装置に表示されるメンテナンスモニタ画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態における終了時間設定画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態における取得間隔設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態における遠隔監視システムの一例を示す概略構成図である。この遠隔監視システムは、温水利用設備の一例である給湯器1(例えば、燃焼加熱式の給湯器)と、給湯器1に内蔵されているコントローラ1aと通信可能に接続された給湯器専用の中継装置2と、インターネット等の通信網4に接続されたコンピュータからなる管理装置5とを備えている。管理装置5は、通信網4およびこの通信網4に接続された無線LANルータ3(アクセスポイント)を介して中継装置2と通信を行う。
【0018】
また、タブレットPC等からなる通信端末6は、通信網4等を介して管理装置5と通信を行う。この遠隔監視システムは、通信網4、無線LANルータ3および通信端末6を利用するものである。無線LANルータ3は、給湯器1が設置されている住宅の入居者(使用者)が所有しているものである。また、通信端末6は、給湯器1が設置されている住宅の入居者が所有しているものでもよいし、給湯器1の管理者(サービスマン等)が所有しているものでもよい。
【0019】
なお、給湯器1が設置されている住宅は1つでもよいが通常多数存在し、遠隔監視システムを構成する給湯器1も1つでもよいが通常多数存在する。ここでは、代表して、1台の給湯器1のみを図示し、また、その給湯器1のみに対応する中継装置2、無線LANルータ3および通信端末6を図示している。以下では、図示されたものについて説明する。
【0020】
また、
図1においては、1つの中継装置2に対して1つの給湯器1(コントローラ1a)が接続された構成について例示するが、1つの中継装置2に対して複数の給湯器1が接続されていてもよい。この場合、複数の給湯器1を一元管理する1または複数のコントローラ(システムコントローラ)が各給湯器1のコントローラ1aに接続され、当該システムコントローラが中継装置2に接続されていてもよい。これに代えて、複数の給湯器1に備えられる各コントローラ1aが相互に接続され、そのうちの1つのコントローラ1aが1つの中継装置2に接続されていてもよい。
【0021】
給湯器1は、住宅の屋外または屋内の所定の場所に設置され、台所や浴槽等に湯水を供給する給湯機能を備えている。給湯器1は、外部交流電源(商用電源)から供給される交流電圧を変換して所定の直流電圧を生成する電源部(図示せず)を有し、この電源部で生成した直流電圧を内部で使用するとともに、2心ケーブルC1を介して中継装置2へその動作用電源電圧として供給する。
【0022】
中継装置2は、住宅の屋外または屋内の所定の場所に設置され、2心ケーブルC1によって給湯器1のコントローラ1aと接続されている。これにより、2心ケーブルC1を介して中継装置2と給湯器1のコントローラ1aとの間で相互に通信(双方向通信)が行われる。ここで、2心ケーブルC1には、前述の電源部から中継装置2へ供給される動作用電源電圧に通信の情報が重畳される。
【0023】
また、中継装置2は、無線LANルータ3と無線LANの接続設定が行われると、無線LANルータ3との間で無線LANによる無線通信が可能である。この中継装置2は、給湯器1のコントローラ1aとの間の通信処理を実行するとともに、無線LANルータ3および通信網4を介して行う管理装置5との間の通信処理を実行する。中継装置2は、例えば、給湯器1のコントローラ1aから送信されてきた機器情報を、通信形式を変換して無線LANルータ3および通信網4を介して管理装置5へ送信する。また、管理装置5から通信網4および無線LANルータ3を介して送信されてきた情報を、通信形式を変換して給湯器1のコントローラ1aへ送信する。
【0024】
中継装置2は、図示しないが、マイクロコントローラ等の演算器、データの一時記憶等を行う記憶器、給湯器1のコントローラ1aと2心ケーブルC1を介して接続される入出力インターフェイス、および無線LANルータ3と無線LANによってデータ通信を行うための通信モジュール等から構成される。これらの構成により、中継装置2は、情報取得部21等といった機能を発揮する。
【0025】
情報取得部21は、管理装置5から送信される指令に従って、給湯器1に関する複数種類の情報(機器状態情報)の中から少なくとも1つの情報を取得し、管理装置5に送信する。
【0026】
管理装置5は、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ等により構成される記憶部5aを備えている。記憶部5aには、中継装置2のシリアル番号(中継装置2の識別情報)に、通信端末6から送信されたユーザアカウント(使用者識別情報)が関連付けされてなる関連付け情報が記憶される。さらに、本実施の形態では、無線LANルータ3の識別情報(BSSID)が関連付け情報に含まれている。
【0027】
また、記憶部5aには、中継装置2から送信された種々の機器情報も記憶される。これらの機器情報は、中継装置2から中継装置2のシリアル番号とともに管理装置5へ送信される。そして管理装置5では、受信した機器情報を、中継装置2のシリアル番号と関連付けて記憶部5aに記憶している。
【0028】
さらに、管理装置5は、上記記憶部5aに加えて、図示しないが、マイクロコントローラ等の演算器、RAM、通信網4を介してデータの送受信を行うための通信モジュール等から構成される。これらの構成により、管理装置5は、指令送信部51、項目表示部52、および報知部53等といった機能を発揮する。
【0029】
指令送信部51は、設定された送信期間にわたって設定された送信間隔で、給湯器1の機器状態情報を取得するための指令を中継装置2に送信する。項目表示部52は、管理装置5に接続された表示装置に、給湯器1の状態に関する複数種類の項目を選択入力可能に表示する。本実施の形態において、表示装置は、管理装置5に通信網4を介して通信接続される通信端末6の表示部(図示せず)である。
【0030】
通信端末6は、タブレットPCまたはスマートフォン等の携帯端末であり、3G(第3世代)あるいは4G(第4世代)携帯電話網の基地局等を介して通信網4に接続可能である。また、通信端末6は、無線LAN接続が可能である。
【0031】
この通信端末6は、遠隔監視システム専用のアプリケーションプログラム(以下、「システム専用アプリ」という)がインストールされて、管理装置5の記憶部5aに関連付け情報が記憶されていれば、中継装置2のシリアル番号と関連付けられているユーザアカウントを用いて、管理装置5等を介して給湯器1の遠隔操作および状態確認を行うことができる。
【0032】
例えば、給湯器1の遠隔操作を行う場合、入居者またはサービスマンは、通信端末6を操作して、管理装置5が提供しているユーザ管理サイトにログインし、給湯器1を遠隔操作するための遠隔操作情報(指令)を管理装置5へ送信する。すると、管理装置5は、ログイン時に取得したユーザアカウントが含まれる関連付け情報を参照し、この関連付け情報に含まれるシリアル番号を有する中継装置2へ遠隔操作情報を送信する。中継装置2では、受信した遠隔操作情報をコントローラ1aへ送信する。コントローラ1aは、受信した遠隔操作情報に基づいて給湯器1を制御する。遠隔操作情報としては、給湯器1のリモコンの運転スイッチのオン指令、運転スイッチのオフ指令、給湯温度の設定情報等がある。
【0033】
また、給湯器1の状態確認を行う場合、入居者またはサービスマンは通信端末6を操作して、管理装置5が提供しているユーザ管理サイトにログインし、給湯器1の状態の情報を要求するための機器状態要求情報を管理装置5へ送信する。すると、管理装置5は、ログイン時に取得したユーザアカウントが含まれる関連付け情報を参照し、この関連付け情報に含まれるシリアル番号を有する中継装置2から受信して記憶部5aに記憶している機器状態情報を通信端末6へ送信する。
【0034】
機器状態情報は、例えば、入水温度、出湯温度、負荷電圧、単位時間当たりの燃料(ガス)または水の消費量、燃焼運転回数、燃焼運転時間、燃焼運転で消費された燃料(ガス)または水の消費量、および、給湯設定温度等を含む情報である。機器状態情報には、予め設定されたエラーコード等により示されるエラー情報が含まれていてもよい。
【0035】
図2は、本実施の形態における管理装置の表示装置に表示されるメンテナンスモニタ画面の一例を示す図である。項目表示部52は、管理装置5に接続された表示装置(例えば通信端末6の表示部)にメンテナンスモニタ画面60を表示する。メンテナンスモニタ画面60は、主に給湯器1のサービスマンが利用する画面であり、例えば、通信端末6にインストールされたWebブラウザから管理装置5のURLにアクセスする、または、専用のアプリケーションを実行し、サービスマン毎に登録されたユーザIDを入力し、認証が行われることにより、遠隔監視システムにログインした後に、表示される。項目表示部52は、メンテナンスモニタ画面60において、上述したように、給湯器1の状態に関する複数種類の項目を選択入力可能に表示する。
【0036】
メンテナンスモニタ画面60は、機器選択画面61と、項目選択画面62と、データ表示画面63と、システム選択画面64とを含む。機器選択画面61は、複数の給湯器WH1~WH24および複数のシステムコントローラSC1~SC3の中から項目の情報を表示する表示対象機器を選択するための第1サブ画面である。
図1の構成のように、中継装置2が1つの給湯器1のコントローラ1aにシステムコントローラを介さずに接続される場合には、当該機器選択画面61は表示されなくてもよいし、空欄として表示されてもよい。
【0037】
項目選択画面62は、複数(例えば100)の項目の中から、1または複数の項目を選択するための第2サブ画面である。ここでは100の項目のそれぞれに対応する識別子として識別番号00~99が表示され、ユーザは1または複数の識別番号を選択入力可能である。すなわち、項目選択画面62には、機器選択画面61に選択された機器に関する複数種類の項目が選択入力可能に表示される。
【0038】
データ表示画面63は、機器選択画面61で選択されたすべての表示対象機器について、項目選択画面62で選択されたすべての項目に関する情報を表示するための第3サブ画面である。
【0039】
システム選択画面64は、ユーザ情報、機器状態情報の取得期間および取得間隔の入力または選択を行う、あるいはデータ取得情報を表示するための第4サブ画面である。
【0040】
サービスマン等のユーザが、システム選択画面64の顧客ID入力ボックス64aに顧客ID(給湯器1の使用者等のID。
図2の例ではmonitor03)を入力し、決定ボタン64bを選択すると、機器選択画面61に顧客IDに対応して設定されているシステムの構成(例えば、給湯器およびシステムコントローラ)が選択可能に表示される。機器選択画面61において未接続である機器は選択できない状態となる。
【0041】
なお、複数のユーザ(サービスマン)が同じ顧客IDを重複する期間において入力し、決定ボタン64bが選択された場合には、最先に決定ボタン64bを選択したユーザが操作しているメンテナンスモニタ画面60を有効な操作とし、他のユーザの操作を受け付けないようにしてもよい。この際、管理装置5は、当該他のユーザの通信端末6の表示部において、別のユーザが同じ顧客IDによるメンテナンスモニタ機能を使用中であることを、表示してもよい。この際、予測される待ち時間を併せて表示してもよい。また、メンテナンスモニタ画面60の有効な操作が可能なユーザの通信端末6に表示されているメンテナンスモニタ画面60を他のユーザの通信端末6に表示(共有)してもよい。
【0042】
ユーザが機器選択画面61において所望の機器を選択し、項目選択画面62において所望する機器状態情報に対応する少なくとも1つの項目を選択した状態で、システム選択画面64における情報取得開始ボタン64cを操作すると、管理装置5の指令送信部51は、ユーザがメンテナンスモニタ画面60において選択入力した少なくとも1つの項目に対応する情報を取得するための指令を生成し、中継装置2に送信する。
【0043】
中継装置2の情報取得部21は、管理装置5から送られてきた指令に従って(指令を受信したタイミングで)、対応する機器に関する複数種類の情報の中から少なくとも1つの情報(機器状態情報)を取得し、取得した機器状態情報を管理装置5に送信する。管理装置5の項目表示部52は、取得した機器状態情報をデータ表示画面63に表示する。
【0044】
指令送信部51は、上記指令を所定の送信期間、所定の送信間隔で送信する。したがって、情報取得部21は、上記指令を受信する毎に対応する機器状態情報を取得し、管理装置5に送信する。システム選択画面64のデータ取得状況表示部64gには、設定された送信期間におけるデータ取得開始日時(指令送信開始日時)と更新日時(最新のデータ取得日時)とが表示される。また、データ取得状況表示部64gには、指令送信からデータ受信までの応答時間も表示される。さらに、データ取得状況表示部64gに、終了時間が表示されてもよい。
【0045】
機器状態情報の取得開始後、システム選択画面64の情報取得停止ボタン64jを選択すると、指令送信部51は、上記指令の送信を停止する。この場合、データ表示画面63には、機器状態情報の取得開始から情報取得停止ボタン64jを選択するまでの間に取得した所望の機器状態情報が表示される。
【0046】
また、指令送信部51は、所定の送信期間終了後(終了時間の経過後)、上記指令の送信を停止する。これにより、最終的に、データ表示画面63には、所定の期間において所定の時間間隔毎に取得した所望の機器状態情報が表示される。なお、
図2の例では、データ表示画面63は、取得した機器状態情報の数値が一覧表示されるように構成されているが、これに加えてまたはこれに代えて、グラフ表示可能に構成されてもよい。
【0047】
報知部53は、送信期間の終了後、当該送信期間が終了したことをユーザに報知する。報知の態様は、特に限定されないが、例えば、報知部53は、システム選択画面64のデータ取得状況表示部64gに、「データ取得完了」等のテキスト表示を行う。これに加えてまたはこれに代えて、報知部53は、例えばユーザID(サービスマンのID)に対応して予め登録されているメールアドレス等の所定のメールアドレスに対してデータ取得完了メールを送信する等によりユーザに報知してもよい。報知を行うことにより、送信期間の終了を以て情報の取得をユーザに報知することができ、送信期間が設定変更されてもユーザの利便性が悪化するのを防止することができる。
【0048】
管理装置5に送信された機器状態情報は、設定された情報取得期間(指令の送信開始時間から送信終了時間までの間)に取得された一連のデータ群毎に、顧客IDに対応付けて記憶部5aにデータ取得履歴として記憶される。また、ユーザがシステム選択画面64のデータ出力ボタン64fを選択することにより、取得した機器状態情報を所定のデータ形式(例えばcsv形式)で出力することも可能である。これにより、例えばユーザの通信端末6に取得した機器状態情報を保存し、利用することが可能である。なお、本実施の形態では、出力可能な機器状態情報は、最新の情報取得期間における一連のデータ群であるが、過去の情報取得期間における一連のデータ群についてデータ取得履歴から読み出して出力可能に構成されてもよい。
【0049】
ここで、上記指令の送信期間は、設定変更可能に構成されている。このために、システム選択画面64は、上記指令の送信期間(情報取得の終了時間)を設定変更するための終了時間設定ボタン64dを有している。ユーザが終了時間設定ボタン64dを選択すると、情報取得期間の終了時間を設定する終了時間設定画面(第5サブ画面)が表示される。
【0050】
図3は、本実施の形態における終了時間設定画面の一例を示す図である。終了時間設定画面65は、メンテナンスモニタ画面60とは別の画面(タブまたはウィンドウ)として構成されてもよいし、終了時間設定ボタン64dのプルダウンメニュー画面として構成されてもよい。
図3の例では、終了時間設定画面65は、日付設定部65a、時間設定部65b、日付リセット部65c、および決定ボタン65dを含んでいる。
【0051】
日付設定部65aでは、所望の終了日が選択可能に構成される。
図3において、日付設定部65aはカレンダー表示部を含み、所望の終了日をカレンダー表示部から選択可能に構成されている。日付リセット部65cを選択すると、日付設定部65aにおける選択日にかかわらず、所定の日付(例えば操作日)にリセットされる。
【0052】
時間設定部65bでは、所望の終了時刻が選択可能に構成される。
図3の例では、時間、分、秒がそれぞれ選択可能に構成される。ユーザが、終了時間の選択入力の終了後、決定ボタン65dを選択すると、指令送信部51は、指令を送信する送信期間の終了時間を当該選択入力された時間に設定する。設定された終了時間は、記憶部5aに記憶される。また、決定ボタン65dの選択後は、終了時間設定画面65は閉じられ、メンテナンスモニタ画面60が再度表示される。終了時間設定ボタン64dには、設定された終了時間(終了時刻)が表示される。
【0053】
さらに、上記指令を送信する送信間隔は、設定変更可能に構成されている。このために、システム選択画面64は、上記指令の送信間隔(機器状態情報の取得間隔)を設定変更するための取得間隔設定ボタン64eを有している。ユーザが取得間隔設定ボタン64eを選択すると、機器状態情報の取得間隔を設定する取得間隔設定画面(第6サブ画面)が表示される。
【0054】
図4は、本実施の形態における取得間隔設定画面の一例を示す図である。取得間隔設定画面66は、メンテナンスモニタ画面60とは別の画面(タブまたはウィンドウ)として構成されてもよいし、取得間隔設定ボタン64eのプルダウンメニュー画面として構成されてもよい。
図4の例では、取得間隔設定画面66は、時間設定部66a、自動設定部66b、および決定ボタン66cを含んでいる。
図4の例では、時間設定部66aにおいて、時間、分、秒単位で所定の取得間隔を選択入力可能である。ユーザが、取得間隔の選択入力の終了後、決定ボタン66cを選択すると、指令送信部51は、指令を送信する送信間隔を当該選択入力された時間間隔に設定する。取得間隔の選択入力終了後は、取得間隔設定画面66は閉じられ、メンテナンスモニタ画面60が再度表示される。取得間隔設定ボタン64eには、設定された取得間隔が表示される。
【0055】
上記構成によれば、管理装置5から温水利用設備である給湯器1に関する情報を取得するための指令が所定の送信期間に所定の送信間隔で中継装置2に送られ、それに応じて中継装置2が対応する情報を給湯器1から取得する。この際、指令を送信する送信期間が設定変更可能に構成されている。すなわち、サービスマン等のユーザは、所望する情報に合わせて指令を送信する送信期間を設定することにより、所望する情報の取得期間を任意に設定することができる。したがって、上記構成により、遠隔にいながら温水利用設備に関する様々な情報を適切な期間取得することができる。
【0056】
また、本実施の形態においては、所望する情報の取得期間に合わせて所望する情報の取得間隔も任意に設定することができる。さらに、本実施の形態においては、項目表示部52によりメンテナンスモニタ画面60に表示される複数種類の項目を選択入力することにより、所望の情報を簡単に指定することができる。また、上記構成は、既存の遠隔監視システムにおいても、管理装置5に機能を付加する(例えば、管理装置5の動作プログラムを変更する)ことにより実現可能である。したがって、既存の遠隔監視システムにおいても、中継装置2の動作プログラム等のソフトウェアを変更することなく、遠隔にいながら温水利用設備に関する様々な情報を適切な期間取得することができる構成を容易に実現することができる。
【0057】
なお、上記実施の形態では、指令の送信期間を設定するために暦に基づいて終了時間を設定する終了時間設定画面65が表示される態様について例示したが、これに加えてまたはこれに代えて、取得開始時から起算される終了時間(タイマー時間)を設定可能としてもよい。
【0058】
また、本実施の形態においては、指令送信部51は、指令の送信期間(機器状態情報の取得期間)および指令の送信間隔(機器状態情報の取得間隔)について、上記のようにユーザが設定変更する場合と、予め定められた値を使用する場合とを切り替え可能に構成されている。より具体的には、ユーザがシステム選択画面64の終了時間変更チェックボックス64hを選択して終了時間変更チェックボックス64hにチェックマークを表示させることにより、終了時間設定ボタン64dに表示された(終了時間設定画面65で設定された)終了時間が有効となる。一方、終了時間変更チェックボックス64hにおいてチェックマークを非表示とすることにより、終了時間設定ボタン64dに表示された終了時間は無効となり、予め定められ、記憶部5aに記憶されている送信期間(例えば情報取得開始から30分間)が有効となる。
【0059】
同様に、ユーザがシステム選択画面64の取得間隔変更チェックボックス64iを選択して取得間隔変更チェックボックス64iにチェックマークを表示させることにより、取得間隔設定ボタン64eに表示された(取得間隔設定画面66で設定された)取得間隔が有効となる。一方、取得間隔変更チェックボックス64iにおいてチェックマークを非表示とすることにより、取得間隔設定ボタン64eに表示された取得間隔(送信間隔)は無効となり、予め定められ、記憶部5aに記憶されている送信間隔(例えば0.5秒)が有効となる。
【0060】
なお、予め定められる送信期間および送信間隔は、複数の項目においてよく使われる時間に予め設定される。これにより、送信期間および送信間隔を毎回設定しなければならない手間を省き、利便性の低下を防止することができる。
【0061】
また、システム選択画面64において、送信期間に応じて設定可能な送信間隔の範囲を自動的に設定可能である。より具体的には、ユーザが取得間隔設定画面66の自動設定部66bを選択すると、指令送信部51は、現在設定されている終了時間(送信期間)を読み出し、読み出した送信期間に応じた送信間隔(取得間隔)を設定する。例えば、指令送信部51は、送信期間が1週間以上1ヶ月以下の場合、送信間隔を1分以上数分以下の範囲から選択可能に設定する。これに代えて、指令送信部51は、送信期間が1週間以上1ヶ月以下の場合、当該送信期間に応じて、送信間隔を1分以上数分以下の範囲から所定の値に自動設定してもよい。
【0062】
これにより、例えば、送信期間が長い場合に送信間隔がそれに合わせて長くなったり、送信期間が短い場合に送信間隔がそれに合わせて短くなったりする。このため、例えば設定される送信期間が長い場合には、送信間隔もそれに合わせて長くすることにより、通信量が過大になり、また、管理装置5の記憶部5aに記憶されるデータ量が過大になるのを防止することができる。また、局所的な値の変化を見たい場合等は送信期間および送信間隔がともに短く設定されることにより、局所的な値の変化をピンポイントで取得することができ、取得した情報が冗長になるのを防止することができる。
【0063】
なお、取得間隔設定画面66に自動設定部66bが設けられるのに加えて、またはこれに代えて、終了時間設定画面65に同様の自動設定部が設けられてもよい。この場合、指令送信部51は、送信間隔に応じて設定可能な送信期間の範囲が設定される。
【0064】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【0065】
例えば、上記実施の形態において、機器状態情報に対応する一または複数の項目に対する指令の送信期間および送信間隔を一括して設定可能な構成の例(メンテナンスモニタ画面60)を示したが、指令送信部51を、項目毎に指令送信のための送信期間および/または送信間隔を設定可能に構成してもよい。また、メンテナンスモニタ画面60において、項目に応じて好適な送信期間および/または送信間隔の候補を表示可能に構成してもよい。
【0066】
また、管理装置5は、複数の装置に分割され、これら複数の装置が連携して管理装置5として機能するように構成されていてもよい。例えば、管理装置5の記憶部5aは、各種演算を行うコンピュータとは別の装置として構成されてもよい。また、遠隔監視システムは、複数のコンピュータにより、管理装置5の各種演算を行うように構成されてもよい。
【0067】
また、温水利用設備として、燃焼加熱式の給湯器を例示したが、ヒートポンプ加熱式、電気加熱式等の他の加熱方式の給湯器であってもよい。また、温水利用設備は、給湯器1に限られず、温水濾過装置等、中継装置2を介して管理装置5と通信可能に構成された機器であればよい。また、給湯器1は、給湯機能、風呂の追い焚き機能、温水暖房機能等の機能を少なくとも1つ以上備えた給湯装置であってもよい。
【0068】
また、本発明の上記構成は、給湯器1(温水利用設備)のリモコンが中継装置2に接続される、または、一体化されている構成においても適用可能である。また、遠隔監視システムに、中継装置2と無線通信を行う無線LANルータ3が設けられる構成を例示したが、管理装置5と通信を行うルータが中継装置2に接続される、または、一体化されている構成としてもよい。すなわち、中継装置2が直接通信網4を介して管理装置5と通信(3G接続または4G接続)可能に構成されていてもよい。また、無線LANルータ3に代えて、中継装置2と有線接続されるルータが用いられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、遠隔にいながら温水利用設備に関する様々な情報を適切な期間取得することができる遠隔監視システムおよびそれに利用される中継装置として有用である。
【符号の説明】
【0070】
1 給湯器(温水利用設備)
2 中継装置
4 通信網
5 管理装置
6 通信端末
21 情報取得部
51 指令送信部
52 項目表示部
53 報知部