(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】膜エレメントと集水管との接続構造
(51)【国際特許分類】
B01D 63/00 20060101AFI20220301BHJP
B01D 61/20 20060101ALI20220301BHJP
B01D 61/10 20060101ALI20220301BHJP
B01D 65/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
B01D63/00 500
B01D61/20
B01D61/10
B01D65/00
(21)【出願番号】P 2018027500
(22)【出願日】2018-02-20
【審査請求日】2020-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー イン チアン
(72)【発明者】
【氏名】野口 寛
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 輝武
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 長武
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-259378(JP,A)
【文献】特開2005-205369(JP,A)
【文献】特開平10-180050(JP,A)
【文献】国際公開第2012/033084(WO,A1)
【文献】特開2007-107585(JP,A)
【文献】国際公開第03/066201(WO,A1)
【文献】実開昭62-141029(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0236295(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 29/99-94、61/00-58、63/00-16、65/00
C02F 1/44、3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜分離に供される濾過本体部とこの濾過本体部の端部から濾過水を集水する集水部とこの集水部から処理水を取出す処理水取出部とを備えた膜エレメントと、
この膜エレメントと接続されて前記濾過水を集水する接続部を備えた集水管
と、
を有し、
前記処理水取出部は、
前記接続部に液密に挿入される液密部と、
前記接続部に嵌め込まれる嵌め込み部と
を備え、
前記接続部は、
前記液密部が液密に嵌挿される液密部受けと、
前記嵌め込み部と当接して嵌り合うガイド部と
を備え、
前記液密部には、この液密部と前記液密部受けとを液密に封止する止水部材が備えられたことを特徴とする膜エレメントと集水管との接続構造。
【請求項2】
膜分離に供される濾過本体部とこの濾過本体部の端部から濾過水を集水する集水部とこの集水部から処理水を取出す処理水取出部とを備えた膜エレメントと、
この膜エレメントと接続されて前記濾過水を集水する接続部を備えた集水管
と、
を有し、
前記処理水取出部には、前記接続部に嵌挿される接続部材が装着され、
前記接続部材は、
前記接続部に液密に挿入される液密部と、
前記接続部に嵌め込まれる嵌め込み部と
を備え、
前記接続部は、
前記液密部が液密に嵌挿される液密部受けと、
前記嵌め込み部と当接して嵌り合うガイド部と
を備え、
前記液密部には、この液密部と前記液密部受けとを液密に封止する止水部材が備えられたこと
を特徴とする膜エレメントと集水管との接続構造。
【請求項3】
前記処理水取出部は、直接、前記接続部に装着されることを特徴とする請求項
1に記載の膜エレメントと集水管との接続構造。
【請求項4】
前記液密部には、複数の前記止水部材が備えられたことを特徴とする請求項
1から3のいずれか1項に記載の膜エレメントと集水管との接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜エレメントと集水管との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理や産業排水処理において固液分離手段として適用されている膜分離装置は、排水に含まれる汚濁物質を生物処理若しくは凝集処理した後に固形物質と水成分とに固液分離する装置であって、生物処理槽内若しくは凝集処理槽内の液相に浸漬される。
【0003】
膜分離装置は、運転継続とともに、膜の表面や流路に付着物質が蓄積していくので、定期的に付着物質を取り除く洗浄が行われる。前記洗浄は、物理洗浄と薬品洗浄に分類されており、これらを単独または併用して行われる。そして、膜洗浄の方法については各種工夫がされている。
【0004】
また、膜分離装置の運転は、膜の表面への付着物質の蓄積を抑制して膜透過水量を維持することが重要であり、濾過実施中でも、空気洗浄は連続的または断続的に実施される。この空気洗浄は、濾過膜の下方から供給した気泡によって膜表面に強力なせん断力を発生させることにより膜面の付着物質を除去および堆積を抑制する。さらに、膜処理装置の製作や運転においては、組立作業性やメンテナンス性も重要となる。
【0005】
以下に組立作業性やメンテナンス性を考慮された従来の膜分離装置について説明する。
【0006】
特許文献1に開示の膜ユニットは、平板状のフィルタから成る膜エレメントが複数所定間隔に配置された構成となっている。前記膜エレメントは枠体から引き出し可能に当該枠体の案内溝に装着されている。
【0007】
また、膜ユニットと集水管とを接続するフレキシブル管を不要とした態様の膜ユニットとして特許文献2に開示の膜ユニットが挙げられる。この膜ユニットは、弾性チューブとワンタッチ継ぎ手を併用することで、ろ過膜のろ過水排出口と、集水管のろ過器接続口とを容易に接続でき、組立が容易になる。
【0008】
さらに、特許文献3に開示の膜分離装置は、膜エレメント端部のホルダに差込コネクタを備え、この差込コネクタを利用して集水管(文献では濾液集合通路と称する)に直接挿入させている。そして、この膜分離装置は、以下の(1)(2)の構成により、膜エレメントの安定した装着が可能となる。
(1)差込みコネクタにシールリングを備えて液密性を確保すること。
(2)膜エレメントの差込コネクタを集水管(同文献では「集合通路」)の収容部に差し込み、さらに、膜エレメントのホルダの突起部(同文献では「位置決め手段」)をラック(膜エレメントが集水管に接続された状態で収納されるラック)の切欠部に引っ掛かって止めること。
【0009】
以上のように、特許文献3の膜分離装置は、膜エレメントと集水管とを接続するフレキシブル管やこれに付属する部材などの脱着作業は不要となることから、特許文献2の膜ユニットに比べて組立作業性やメンテナンス性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2009-148743号公報
【文献】特開2007-083229号公報
【文献】WO/2007/128565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の膜エレメントは、膜ユニットの集水管、フレキシブル管、コネクタのいずれかまたは組合せを介して接続されているため膜エレメントを着脱する際、脱着作業に多くの時間を要する。
【0012】
一方、特許文献2の膜ユニットは、メンテナンスなどで膜の脱着を行う際には、集水管と膜エレメントに接続されたチューブの双方の固定を解除しなければならない。したがって、特許文献2の膜ユニットは、特許文献1の膜ユニットに比べて作業性は向上しているが、大幅な作業の効率化は期待できない。
【0013】
また、特許文献3の膜処理装置は、運転効率向上のために強力な空気洗浄を行う場合、膜エレメントの膜面や周囲などで激しい流動が生じることで膜エレメントの振動は避けられない。そして、この振動は直接、膜エレメントの差込みコネクタのシールリングへも伝わり、シールリングの僅かなずれの発生や差込みコネクタ外周部と集水管と間でのシールリングを押しつぶす力が不均等となることによって液密性が低下し、膜分離装置としての信頼性が低下する懸念がある。そして、シールリングの液密性を向上させるために押しつぶす力を過大とするシールリングを選定してもよいが、膜エレメントの脱着作業性が低下するため現実的ではない。
【0014】
以上のように、膜エレメントと集水管とを直接接続して組立作業性やメンテナンス性を向上させる膜処理装置の信頼性の観点から、膜エレメントと集水管の接続部の液密性を確保することが重要となる。特に、運転効率向上のために強力な空気洗浄を行う場合には重要な課題となる。
【0015】
本発明は、上記の事情に鑑み、膜分離装置の組立作業性やメンテナンス性を向上させると共に運転効率向上のために強力な空気洗浄を行う場合でも膜エレメントと集水管の接続部の液密性を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで、本発明の一態様は、膜エレメントと集水管との接続構造であって、膜分離に供される濾過本体部とこの濾過本体部の端部から濾過水を集水する集水部とこの集水部から処理水を取出す処理水取出部とを備えた膜エレメントと、この膜エレメントと接続されて前記濾過水を集水する接続部を備えた集水管とを有し、前記処理水取出部は、前記集水管の接続部に液密に挿入される液密部と、前記接続部に嵌め込まれる嵌め込み部とを備える。
【0017】
本発明の一態様は、前記液密部には、この液密部と前記接続部とを液密に封止する止水部材が備えられる。
【0018】
本発明の一態様は、前記液密部には、複数の前記止水部材が備えられる。
【0019】
本発明の一態様は、前記接続部は、前記液密部が液密に嵌挿される液密部受けと、前記嵌め込み部と嵌り合うガイド部とを備える。
【0020】
本発明の一態様は、前記処理水取出部は、直接、前記接続部に装着される。
【0021】
本発明の一態様は、前記処理水取出部には、前記接続部に嵌挿される接続部材が装着される。
【0022】
本発明の一態様は、前記接続部材は、前記集水管の接続部に液密に挿入される液密部と、前記接続部に嵌め込まれる嵌め込み部とを有する。
【0023】
本発明の一態様は、前記接続部材には、この接続部材と前記接続部との間を液密に封止する止水部材がさらに備えられる。
【発明の効果】
【0024】
以上の本発明によれば、膜分離装置の組立作業性やメンテナンス性が向上すると共に運転効率向上のために強力な空気洗浄を行う場合でも膜エレメントと集水管の接続部の液密性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態1の膜エレメントと集水管との接続構造の概要図。
【
図3】実施形態1の膜エレメントと集水管との接続状態の説明図。
【
図4】本発明の実施形態2の膜エレメントの処理水取出部への接続部材の着脱の説明図。
【
図5】(a)本発明の実施形態3の膜エレメントのヘッダー及びフッターに接続される集水管の適用例、(b)当該膜エレメントが一対に接続される集水管の適用例。
【
図6】本発明の実施形態4の膜エレメントと集水管との接続状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0027】
[実施形態1]
以下、本実施形態の膜エレメント1と集水管2及びその接続構造について説明する。
【0028】
(膜エレメント1)
図2に示された膜エレメント1は、濾過本体部11とヘッダー12とフッター13とを備える。濾過本体部11は固液分離に供される平板状の濾過部材から成る。ヘッダー12はこの濾過本体部11の一端部から当該固液分離の処理水を集水する集水部である。フッター13は濾過本体部11の他端部を液密に封止する封止部である。
【0029】
ヘッダー12の一端部には、集水管2に嵌装されて膜エレメント1のヘッダー12から濾過水を取り出す配管状の部材からなる処理水取出部14が具備されている。
【0030】
図1に示すように処理水取出部14は、集水管2の接続部22に挿入される液密部141と、接続部22に嵌め込まれる嵌め込み部としてのテーパー部142と、膜エレメント1のヘッダー12の一端部に接続される本体部143とを有する。
【0031】
図1、
図3に示すように、液密部141には止水部材144,145が配置され、液密部141と接続部22とが液密に封止される。尚、液密部141の外周面には止水部材144,145を配置するための溝が形成されており、膜エレメント1の着脱時の止水部材144,145の位置ずれを防止している。止水部材144,145としてはOリングが例示され、材質はEPDM(エチレンプロピレンゴム)など公知のものが利用できる。
【0032】
本体部143は、液密部141よりも大径に形成され、この本体部143と液密部141との間の段差にテーパー部142が形成された状態で、液密部141及びテーパー部142と一体化している。
【0033】
濾過本体部11,ヘッダー12,フッター13及び処理水取出部14の構成材料としては、固液分離技術に適用されている金属,セラミック等に例示される周知の無機材料または高分子樹脂等に例示される周知の有機材料から適宜選択される。
【0034】
尚、図示の膜エレメント1はヘッダー12とフッター13を備えるが、膜エレメントの他の態様としては、濾過本体部11の周囲にヘッダー12やフッター13と同仕様の構成材料の枠を設け、この枠の内部に濾過水の集水構造及び取出構造を備えてもよい。
【0035】
また、上述の処理水取出部14は、止水部材145として二つのOリングを備えた構造となっているが、要求される液密効果によっては、単数または複数であっても良い。また、液密効果を有する部材であれば、Oリング以外の止水部材の利用が可能である。
【0036】
(集水管2)
集水管2は、膜エレメント1から導入した濾過水を流通させるための配管であり、例えば、図示省略の膜分離装置の枠体内に配置される。
【0037】
集水管2は、
図1に示したように、前記濾過水を流通させる配管部21と、当該濾過水を配管部21に供する接続部22とを備える。
【0038】
接続部22は、配管部21の外周部に突設される配管状の部材からなる。また、接続部22は、配管部21の全長方向に沿って所定の間隔で前記外周部に複数配置される。
【0039】
接続部22の内面部には、処理水取出部14の液密部141が液密に嵌挿される液密部受け221と、処理水取出部14のテーパー部142と密着して嵌り合うガイド部としてのテーパー部受け222とが形成されている。
【0040】
集水管2の全長及び径、並びに、集水管2における接続部22の配置個数は、膜エレメント1が具備される膜分離装置の処理水量に応じて適宜設定される。
【0041】
また、集水管2の構成材料は、ステンレスなどの金属材料や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂材料や、ポリ塩化ビニルと繊維強化プラスチックとの複合材料、ポリエチレンと繊維強化プラスチックとの複合材料等から適宜選択される。
【0042】
(本実施形態の作用効果)
膜分離装置の枠体に配置された集水管2に膜エレメント1が接続される際、止水部材145、146を備えた液密部141を集水管2の接続部22へ挿入することで液密状態が形成される。さらに、処理水取出部14のテーパー部142が接続部22のテーパー部受け222と当接すると、集水管2に対する膜エレメント1の振動が規制を受けることになる。その結果、止水部材144,145の液密性を低下させる変形力が減少することになり液密効果の向上と信頼性が図れる。そして、集水管2に接続された所定数の膜エレメント1は前記枠体において完全固定される。
【0043】
以上の本実施形態の接続構造によれば、膜エレメント1と集水管2とが直接接続する態様となっているので、従来の接続用のチューブを要することなく集水管2に対して膜エレメント1を着脱自在に液密に接続できる。
【0044】
特に、集水管2の接続部22は処理水取出部14のテーパー部142と嵌り合うテーパー部受け222を有するので、膜エレメント1の処理水取出部14の挿入が容易となる。
【0045】
また、膜エレメント1は、テーパー部受け222と止水部材144,145とにより集水管2との間の液密効果に加えて強力な気液流動による振動を防止する効果が得られる。したがって、運転効率向上のために強力な空気洗浄を行う場合でも、膜エレメント1と集水管2との液密性が確保されるので、膜エレメント1を有する膜分離装置の信頼性が高まる。
【0046】
以上のように、本実施形態の接続構造によれば、膜エレメント1に空気洗浄によって強力な気液流動でも液密性が確保されるので、膜分離装置の信頼性を高め且つ組立作業性やメンテナンス性に優れる膜分離装置を提供できる。
【0047】
[実施形態2]
図4に示された実施形態2の膜エレメント1は、実施形態1の膜エレメント1において、処理水取出部14の代わりに、ストレート配管からなる処理水取出部15を備える。
【0048】
膜エレメント1の処理水取出部15には、集水管2の接続部22に嵌挿される接続部材16が装着される。
【0049】
接続部材16の外周部は、実施形態1の処理水取出部14と同様の構造となっている。
【0050】
すなわち、接続部材16は、集水管2の接続部22に挿入される液密部161と、接続部22に嵌め込まれる嵌め込み部としてのテーパー部162と、膜エレメント1のヘッダー12の一端部に当接する本体部163とを有する配管部材からなる。
【0051】
図4に示すように、液密部161には止水部材164,165が配置され、液密部161と接続部22とが液密に封止される。尚、液密部161の外周面には止水部材164,165を配置するための溝が形成されており、膜エレメント1の着脱時の止水部材164,165の位置ずれを防止している。止水部材164,165としてはOリングが例示され、材質はEPDM(エチレンプロピレンゴム)など公知のものが利用できる。そして、処理水取出部15への接続部材16の装着は、液密とすればよく、例えば、接着剤により液密に接着される。
【0052】
処理水取出部15を有する本実施形態の膜エレメント1と集水管2の接続構造によれば、実施形態1と同様な効果が得られることは明らかである。特に、本実施形態においては、既設の膜分離装置の膜エレメントにおいても適用が可能となり、既存の膜エレメントと集水管の接続構造の液密性が向上する。
【0053】
尚、上述の接続部材16は、止水部材164,165として二つのOリングを備えた構造となっているが、要求される液密効果によっては、単数または複数であっても良い。また、液密効果を有する部材であれば、Oリング以外の止水部材の利用が可能である。
【0054】
[実施形態3]
また、
図5(a)に例示された接続構造は、膜エレメント1のヘッダー12、フッター13の双方に備え付けられた処理水取出部14が実施形態1の集水管2に接続される態様となっている。本態様によれば、実施形態1の効果に加えて、濾過水の系外への排出流量の増加とその安定度の向上が図られる。
【0055】
さらに、
図5(b)に例示された接続構造は、膜エレメント1のヘッダー12、フッター13の双方に備え付けられた処理水取出部14が、集水管2の対向する側面部に突設された接続部22に接続される態様となっている。本態様によれば、
図5(a)の実施形態の効果に加えて、濾過水の系外の排出流量の増加とその安定度の向上が図られる。
【0056】
[実施形態4]
また、
図6に例示した実施形態4の膜エレメント1のようにヘッダー12の端部付近の側面部に処理水取出部14を備えてもよい。そして、この膜エレメント1と集水管2との接続構造も実施形態1と同様の効果が得られることが明らかである。
【0057】
尚、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲内で様々な態様で実施が可能である。実施形態1~4の集水管2の接続部22は、膜エレメント1を液密に接続するために挿入長さを確保するため、集水管2の外周部に突設された状態となっている。膜エレメント1の処理水取出部14は集水管2にて液密に接続できればよいので、処理水取出部14の挿入長さが適切に確保できるのであれば、実施形態1の態様に限定されない。したがって、例えば、集水管2の内面部にて接続部22を突設させた態様としてもよい。または、集水管2の配壁部を肉厚にした態様としてもよい。
【0058】
さらに、処理水取出部14のテーパー部142および接続部材16のテーパー部162は、接続部22のテーパー部受け222と嵌り合う形状とするためにテーパー状としたが、集水管2に対する膜エレメント1の振動を規制できる形状とすればよい。例えば、テーパー部142,テーパー部162の形状は、テーパー状も含めて複数の小突起や段差などを備える嵌め込み部とすることができる。また、テーパー部受け222の形状は、処理水取出部14のテーパー部142、接続部材16の挿入が容易となり、さらに、集水管2に対する膜エレメント1の振動を規制できれば良く、例えば、テーパー状も含めて段差などを備えるガイド部とすることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…膜エレメント
11…濾過本体部
12…ヘッダー(集水部)
13…フッター(封止部)
14,15…処理水取出部、141…液密部、142…テーパー部(嵌め込み部)、143…本体部、
144,145…止水部材
2…集水管、21…配管部
22…接続部、221…液密部受け、222…テーパー部受け(ガイド部)
16…接続部材、161…液密部、162…テーパー部(嵌め込み部)、163…本体部、164、165…止水部材