(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】看介護記録システムの中央処理装置、プログラムおよび看介護記録システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/60 20180101AFI20220301BHJP
【FI】
G16H10/60
(21)【出願番号】P 2018525015
(86)(22)【出願日】2017-06-12
(86)【国際出願番号】 JP2017021566
(87)【国際公開番号】W WO2018003463
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2016128580
(32)【優先日】2016-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】西角 雅史
(72)【発明者】
【氏名】古後 将司
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-140532(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037542(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための携帯端末と、前記携帯端末から入力された前記看介護記録を管理する中央処理装置とを備える看介護記録システムにおける前記携帯端末のコンピュータに、
前記看介護記録を入力する複数の対象者を一括して選択可能に表示する対象者選択表示工程と、
前記複数の対象者の選択を受け付ける対象者選択受付工程と、
選択された前記対象者に対する前記看介護記録の入力画面を表示する入力画面表示工程と、
前記選択された対象者毎に、前記看介護記録の入力を受け付ける入力受付工程と、
前記入力された前記看介護記録を前記中央処理装置に送信する送信工程と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
入力する前記看介護記録の種類を選択する選択画面を表示する記録種類表示工程を前記コンピュータにさらに実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
入力された前記看介護記録を前記対象者と対応付けて一時記憶する一時記憶工程と、
前記介護記録の送信指示を受け付ける送信指示受付工程と、を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記送信工程では、前記送信指示を受け付けたことに応じて、複数の対象者に対する前記看介護記録を一括して前記中央処理装置に送信する、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための携帯端末と、前記携帯端末から入力された前記看介護記録を管理する中央処理装置とを備える看介護記録システムにおける前記中央処理装置であって、
前記看介護記録の対象者を複数一括して選択可能な対象者選択画面を収容する選択可能対象者通知通信信号を前記携帯端末に送信し、前記携帯端末からの、選択された複数の前記対象者名を収容する第2選択対象者通知信号を受信した場合に、前記選択された複数の対象者名と前記第2選択対象者通知信号の送信元である前記携帯端末とを対応付けて記憶部に記憶させる制御処理部と、
前記看介護の種類に対応して作成され、前記看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶する書式情報記憶部と、
前記
携帯端末から、複数の対象者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、前記書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、前記
携帯端末で前記選択された複数の対象者を変更しながら前記複数の対象者毎に看介護の内容を入力できるように、前記取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記
携帯端末へ返信する看介護記録処理部とを備える、
中央処理装置。
【請求項5】
前記記録書式は、対象者名を表示する対象者名表示領域と、前記看介護の内容を前記看介護記録として入力するための看介護記録入力領域とを備える記録書式画面のデータであり、
前記対象者名表示領域は、さらに、その表示された対象者名と前記看介護記録入力領域とを互いに対応付けるための対象者対応付け領域であり、
前記看介護記録処理部は、前記
携帯端末で前記看介護記録入力領域を固定で表示しつつ前記複数の対象者それぞれに対応する複数の対象者名表示領域を変更可能に表示できるように、前記取り出した記録書式を前記書式通知通信信号に収容する、
請求項4に記載の中央処理装置。
【請求項6】
前記看介護記録処理部は、前記複数の対象者全ての各看介護記録を受信した場合に、選択可能な記録書式の種類を表示して記録書式の種類を選択するための書式選択画面のデータを収容する選択可能種類通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記
携帯端末へ送信する、
請求項4または請求項5に記載の中央処理装置。
【請求項7】
看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための携帯端末と、前記携帯端末から入力された前記看介護記録を管理する中央処理装置とを備える看介護記録システムの前記中央処理装置であって、
前記看介護の種類に対応して作成され、前記看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶する書式情報記憶部と、
前記
携帯端末から、複数の対象者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、前記書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、前記
携帯端末で前記対象者を変更しながら前記複数の対象者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記
携帯端末へ返信する看介護記録処理部とを備え、
前記看介護記録処理部は、前記複数の対象者全ての各看介護記録を受信した場合に、前記看介護の種類に応じて予め用意され選択可能な記録書式の種類を表示して記録書式の種類を選択するための書式選択画面のデータを収容する選択可能種類通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記
携帯端末へ送信する、
中央処理装置。
【請求項8】
看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための携帯端末と、携帯端末から入力された前記看介護記録を管理する中央処理装置とを備える看介護記録システムにおける前記中央処理装置のコンピュータに、
看介護記録の対象者を複数一括して選択可能な対象者選択画面を収容する選択可能対象者通知通信信号を前記携帯端末に送信し、前記携帯端末からの、選択された複数の前記対象者名を収容する第2選択対象者通知信号を受信した場合に、前記選択された複数の対象者名と前記第2選択対象者通知信号の送信元である前記携帯端末とを対応付けて記憶部に記憶させる制御処理工程と、
前記
携帯端末から、複数の対象者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、前記看介護の種類に対応して作成され前記看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶する書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出す取出工程と、
前記
携帯端末で前記対象者を変更しながら前記複数の対象者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取出工程で取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記
携帯端末へ返信する返信工程とを実行させる、
プログラム。
【請求項9】
看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための携帯端末と、携帯端末から入力された前記看介護記録を管理する中央処理装置とを備える看介護記録システムの前記中央処理装置のコンピュータに、
前記
携帯端末から、複数の対象者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、前記看介護の種類に対応して作成され前記看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶する書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出す取出工程と、
前記
携帯端末で前記対象者を変更しながら前記複数の対象者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取出工程で取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記
携帯端末へ返信する返信工程とを実行させるプログラムであって、
前記取出工程は、前記複数の対象者全ての各看介護記録を受信した場合に、前記看介護の種類に応じて予め用意され選択可能な記録書式の種類を表示して記録書式の種類を選択するための書式選択画面のデータを収容する選択可能種類通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記
携帯端末へ送信する、
プログラム。
【請求項10】
看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための携帯端末と、携帯端末から入力された前記看介護記録を管理する中央処理装置とを備える看介護記録システムであって、
前記中央処理装置は、請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の中央処理装置である、
看介護記録システム。
【請求項11】
前記
携帯端末は、入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部と、制御を行う制御部とを備え、
前記入力部は、前記表示部に表示している対象者名表示領域に表示された対象者名と、前記表示部に表示している看介護記録入力領域に入力された看介護の内容とを、互いに対応付けて前記中央処理装置へ送信する指示を受け付け、
前記制御部は、前記入力部で前記指示を受け付けた場合に、前記表示部に表示している対象者名表示領域に表示された対象者名と、前記表示部に表示している看介護記録入力領域に入力された看介護の内容とを収容する看介護記録通知通信信号を前記中央処理装置へ送信し、前記複数の対象者から前記看介護記録通知通信信号に収容された対象者名の対象者を除いた残余の対象者の中のいずれか1人の対象者名を表示する前記対象者名表示領域と前記看介護記録入力領域とを備える記録書式画面を前記表示部に新たに表示し、前記残余の対象者を新たに前記複数の対象者とする、
請求項10に記載の看介護記録システム。
【請求項12】
監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置と、
請求項10または請求項11に記載の前記中央処理装置および前記携帯端末と、を備え、
前記被監視者は、前記対象者とされ、
前記中央処理装置は、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理し、
前記携帯端末は、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける、看介護記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を記録する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国(日本)は、戦後の高度経済成長に伴う生活水準の向上、衛生環境の改善および医療水準の向上等によって、高齢化社会、より詳しくは、総人口に対する65歳以上の人口の割合である高齢化率が21%を超える超高齢化社会になっている。2013年9月の統計では、高齢者人口は、約3186万人であり、その高齢化率は、25.0%であり、4人に1人が高齢者になっている。2035年には、高齢者人口が約3741万人となり、3人に1人が高齢者になるという予測もある(日本国総務省統計局)。このような高齢化社会では、病気や怪我や高齢等による看護や介護を必要とする要看護者や要介護者(要看介護者)は、高齢化社会ではない通常の社会で生じる要看介護者よりもその増加が見込まれる。そして、我が国は、例えば2013年の合計特殊出生率が1.43という少子化社会でもある。そのため、高齢な要看介護者を高齢の家族(配偶者、子、兄弟)が介護する老老介護も起きて来ている。
【0003】
要看介護者は、病院や、老人福祉施設(日本の法令では老人短期入所施設、養護老人ホームおよび特別養護老人ホーム等)等の施設に入所し、その看護や介護を受ける。このような施設では、要看介護者が、例えばベッドからの転落や歩行中の転倒等によって怪我を負ったり、ベッドから抜け出して徘徊したりするなどの事態が生じ得る。このような事態に対し、可及的速やかに対応する必要がある。また、このような事態を放置しておくとさらに重大な事態に発展してしまう可能性もある。このため、前記施設では、看護師や介護士(看介護者)は、定期的に巡視することによってその安否や様子を確認している。そして、これらの結果を、看護師や介護士等は、看護記録や介護記録(看介護記録)として記録する。
【0004】
しかしながら、要看介護者の増加数に対し看介護者の増加数が追い付かずに、看護業界や介護業界では、慢性的に人手不足になっている。さらに、日勤の時間帯に較べ、準夜勤や夜勤の時間帯では、看介護者の人数が減るため、一人当たりの業務負荷が増大するので、前記業務負荷の軽減が要請される。また、前記老老介護の事態は、前記施設でも例外ではなく、高齢の要看介護者を高齢の看介護者がケアすることもしばしば見られる。一般に高齢になると体力が衰えるため、健康であっても若いケア者に比しケアの負担が重くなり、また、その動きや判断も遅くなる。
【0005】
このような人手不足や看介護者の負担を軽減するため、看護業務や介護業務を補完する技術が求められている。このため、近年では、要看介護者の、監視すべき監視対象である被監視者を監視(モニタ)する被監視者監視技術が研究、開発されている。
【0006】
このような技術の一つとして、例えば特許文献1にナースコールシステムが提案されている。この特許文献1に開示されたナースコールシステムでは、被看護人は、被看護人識別IDを記憶した無線タグを備えるリストバンドを装着しており、電子カルテに記録を行う場合、医療・看護従事者は、まず、その携帯する携帯情報端末を前記被看護人の前記リストバンドに近づけることによって前記リストバンドから被看護人識別IDを読み出し、次に、前記携帯情報端末に表示された処置内容の候補のリストから処置内容を選択する。これによって医療・看護従事者識別ID、処置内容および被看護人識別IDが、前記携帯情報端末から制御機へ送信され、制御機の制御機記憶部に内蔵されている電子カルテに、前記医療・看護従事者識別IDの医療・看護従事者が前記被看護人識別IDを有する被看護人に前記処置内容に記された処置を行なったことが、データ受信時刻とともに記録される(例えば特許文献1の[0157]段落ないし[0166]段落参照)。
【0007】
ところで、前記特許文献1に開示されたナースコールシステムでは、看介護記録に必要な看護や介護の対象者を特定するために、医療・看護従事者が、携帯情報端末を被看護人のリストバンドに近づけることによって前記リストバンドから被看護人識別IDを読み出し、その後、携帯情報端末に表示された処置内容の候補のリストから処置内容を選択する。このため、同じ処置内容を対象者を変えて看介護記録を実行する場合でも、医療・看護従事者は、これら被看護人識別IDの読み出しおよび処置内容の選択を再度実行する必要があり、手間や時間を要してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【0009】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、看介護記録の手間や時間をより低減できる看介護記録システムの中央処理装置、プログラムおよび看介護記録システムを提供することである。
【0010】
本発明の中央処理装置および該方法は、看介護の種類に対応して作成され、看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶し、前記端末装置から、看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、これに収容された看介護の種類に対応する記録書式を、前記端末装置で被監視者を変更しながら複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、収容する書式通知通信信号を、返信する。そして、本発明の被監視者監視システムは、この中央処理装置を含む。
【0011】
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における被監視者監視システムの構成を示す図である。
【
図2】前記被監視者監視システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。
【
図3】前記管理サーバ装置に記憶される監視情報テーブルの構成を示す図である。
【
図4】前記管理サーバ装置に記憶される装置間情報テーブルの構成を示す図である。
【
図5】前記管理サーバ装置に記憶されるセンサ情報テーブルの構成を示す図である。
【
図6】前記被監視者監視システムにおける携帯端末装置の外観を示す正面図である。
【
図7】前記被監視者監視システムにおける携帯端末装置の構成を示す図である。
【
図8】前記携帯端末装置に表示される待受け画面の一例を示す図である。
【
図9】前記携帯端末装置に表示される監視情報画面の一例を示す図である。
【
図10】前記携帯端末装置に表示されるナースコール受付画面の一例を示す図である。
【
図11】前記被監視者監視システムにおける第1モードでの看介護記録の動作を示すシーケンス図である。
【
図12】前記被監視者監視システムにおける第2モードでの看介護記録の動作を示すシーケンス図である。
【
図13】前記携帯端末装置に表示される対象者選択画面の一例を示す図である。
【
図14】前記携帯端末装置に表示されるサブメニュー画面の一例を示す図である。
【
図15】前記携帯端末装置に表示される第1書式選択画面の一例を示す図である。
【
図16】前記携帯端末装置に表示される食事ケア用記録書式画面の一例を示す図である。
【
図17】前記携帯端末装置に表示されるモーニングケア用記録書式画面(イブニングケア用記録書式画面)の一例を示す図である。
【
図18】前記携帯端末装置に表示される排泄ケア用記録書式画面の一例を示す図である。
【
図19】前記携帯端末装置に表示された対象者選択画面において、複数の被監視者を選択した後の対象者選択画面を示す図である。
【
図20】前記携帯端末装置に表示される第2書式選択画面の一例を示す図である。
【
図21】前記第2モードでの看介護記録の入力手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0014】
実施形態における被監視者監視システムは、監視すべき(見守るべき)監視対象(見守り対象)である被監視者(見守り対象者)Obを監視するものであり、被監視者Obに対応して設けられ、被監視者Obに関わる、予め設定された所定のイベント(事象)を検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備える。前記中央処理装置は、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の種類に対応して作成され、前記看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶する書式情報記憶部と、前記端末装置から、複数の被監視者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、前記書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、前記端末装置で前記被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置へ返信する看介護記録処理部とを備える。前記端末装置は、1種類の装置であって良いが、本実施形態態では、前記端末装置は、固定端末装置と携帯端末装置との2種類の装置である。これら固定端末装置と携帯端末装置との主な相違は、固定端末装置が固定的に運用される一方、携帯端末装置が例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)に携行されて運用される点であり、これら固定端末装置と携帯端末装置とは、略同様である。このような被監視者監視システムについて、以下、より具体的に説明する。
【0015】
まず、本実施形態における被監視者監視システムの構成について説明する。
【0016】
(構成)
図1は、実施形態における被監視者監視システムの構成を示す図である。
図2は、実施形態の被監視者監視システムにおける管理サーバ装置の構成を示す図である。
図3は、前記管理サーバ装置に記憶される監視情報テーブルの構成を示す図である。
図4は、前記管理サーバ装置に記憶される装置間情報テーブルの構成を示す図である。
図5は、前記管理サーバ装置に記憶されるセンサ情報テーブルの構成を示す図である。
図6は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置の外観を示す正面図である。
図7は、実施形態の被監視者監視システムにおける携帯端末装置の構成を示す図である。
【0017】
より具体的には、被監視者監視システムMSは、例えば、
図1に示すように、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機(PBX、Private branch exchange)CXとを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジおよびルーター等の中継機が備えられても良い。
図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SP、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2および構内交換機CXは、L2スイッチの集線装置(ハブ、HUB)LSおよびアクセスポイントAPを含む有線および無線の混在したLAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。より詳しくは、複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび構内交換機CXは、集線装置LSに接続され、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2は、アクセスポイントAPを介して集線装置LSに接続されている。ネットワークNWは、TCP(Transmission control protocol)およびIP(Internet protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。
【0018】
構内交換機(回線切換機)CXは、ネットワークNWに接続され、携帯端末装置TA同士における発信、着信および通話等の内線電話の制御を行って前記携帯端末装置TA同士の内線電話を実施し、そして、例えば固定電話網や携帯電話網等の公衆電話網PNを介して例えば固定電話機や携帯電話機等の外線電話機TLに接続され、外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における発信、着信および通話等の外線電話の制御を行って外線電話機TLと携帯端末装置TAとの間における外線電話を実施するものである。構内交換機CXは、例えば、デジタル交換機や、IP-PBX(Internet Protocol Private Branch eXchange)等である。
【0019】
被監視者監視システムMSは、被監視者Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者(見守り対象者)Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見と早期対処とを可能にする観点から、被監視者Obは、例えば異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合にその発見を必要としている者であることが好ましい。このため、被監視者監視システムMSは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。
図1に示す例では、被監視者監視システムMSは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の部屋を備える介護施設の建物に配設されている。
【0020】
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信する通信機能等を備え、被監視者Obに関わる所定のイベント(事象)を検知して管理サーバ装置SVへ通知する装置である。前記所定のイベントは、好適には対処が必要な所定のイベントであり、例えば、本実施形態では、被監視者Obにおける予め設定された所定の行動およびナースコール(NC)である。より具体的には、センサ装置SUは、例えば、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信するための通信インターフェース回路(例えばLANカード等)、被監視者Obを上方(好ましくは直上(例えば天井))から撮像して画像を生成する画像センサ(例えば可視カメラや近赤外カメラ等)、前記画像センサの出力(画像)に基づいて被監視者Obにおける予め設定された所定の行動を前記所定のイベントの一例として検知して管理サーバ装置SVへ通知する行動検知処理回路、ナースコールを前記所定のイベントの他の一例として受け付けて管理サーバ装置SVへ通知するナースコール処理回路、端末装置SP、TA等との間で音声通話を行う通話処理回路、前記画像センサの出力(画像(静止画および動画を含む))を所定の他の装置SV、SP、TAへ送信する画像送信処理回路、これらを制御する制御回路、および、例えば記憶素子等の、その周辺回路を備えて構成される。
【0021】
前記所定の行動は、例えば、被監視者Obが寝具に入った入床、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝具から離れた離床、および、被監視者Obが倒れた転倒の4つの行動である。なお、前記転倒には、被監視者Obが寝具から落ちた転落が含まれて良く、あるいは、前記転倒とは別途に、前記所定の行動には、前記転落が含まれて良い。前記行動検知処理回路は、例えば、前記画像センサで撮像した画像(対象画像)に基づいて被監視者Obの頭部を検出し、この検出した被監視者Obの頭部における大きさの時間変化に基づいて被監視者Obの起床および転倒を検知し、前記画像センサで撮像した対象画像に基づいて被監視者Obを検出し、この検出した被監視者Obと寝具との重なり具合(重なり領域の大きさ)に基づいて被監視者Obの離床および入床を検知する。より詳しくは、まず、寝具BDの所在領域、第1閾値Th1および第2閾値Th2が記憶される。前記第1閾値Th1は、寝具BDの所在領域内における横臥姿勢の頭部の大きさと座位姿勢の頭部の大きさとを識別するための値である。前記第2閾値Th1は、寝具BDの所在領域を除く居室RM内における横臥姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための値である。前記行動検知処理回路は、対象画像から例えば背景差分法やフレーム差分法によって被監視者Obの人物の領域として動体領域を抽出する。次に、前記行動検知処理回路は、この抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって、被監視者Obの頭部領域を抽出する。そして、前記行動検知処理回路は、この抽出した頭部の位置および大きさから起床および転倒を検知する。例えば、前記行動検知処理回路は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、起床と判定し、前記起床を検知する。例えば、前記行動検知処理回路は、この抽出した頭部の位置が寝具BDの所在領域を除く居室RM内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第2閾値Th2を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転倒と判定し、前記転倒を検知する。そして、前記行動検知処理回路は、対象画像から上述のように抽出した動体領域と寝具BDの所在領域とが重なった重なり領域を検出し、この重なり領域の時間変化から離床および入床を検知する。例えば、前記行動検知処理回路は、この検出した重なり領域が存在する状態から、前記重なり領域が存在しなくなった状態へ時間変化した場合には、離床と判定し、前記離床を検知する。例えば、前記行動検知処理回路は、この検出した重なり領域が存在しない状態から、前記重なり領域の存在の検出を介して、前記重なり領域全体が寝具BDの所在領域内で重なった状態(すなわち、前記動体領域が前記寝具BDの所在領域内に完全に包含された状態)へ時間変化した場合には、入床と判定し、前記入床を検知する。
【0022】
前記所定のイベントは、第1イベント通知通信信号によってセンサ装置SUから管理サーバ装置SVへ通知される。この第1イベント通知通信信号には、自機のセンサIDおよび前記イベントの内容を表すイベント情報が収容される。前記センサID(センサ識別子)は、センサ装置SUを特定し識別するための識別子である。前記イベント情報は、本実施形態では、入床、起床、離床、転倒およびナースコールのうちの1または複数である。第1イベント通知通信信号には、前記画像センサで撮像した画像が収容されても良い。特に、前記イベント情報が入床、起床、離床および転倒のうちのいずれかである場合には、前記所定の行動の検知に用いられた画像(前記検知が複数の画像によって実施された場合には例えば最後の画像)が収容されることが好ましい。前記画像は、静止画および動画のうちの少なくとも一方であって良く、本実施形態では、後述するように、まず、静止画が通知され、ユーザの要求に応じて動画が配信される。なお、まず、動画が配信されても良く、また、静止画および動画が送信され、画面分割で静止画および動画が端末装置SP、TAに表示されても良い。
【0023】
図1には、一例として、4個の第1ないし第4センサ装置SU-1~SU-4が示されており、第1センサ装置SU-1は、被監視者Obの一人であるAさんOb-1の居室RM-1(不図示)に配設され、第2センサ装置SU-2は、被監視者Obの一人であるBさんOb-2の居室RM-2(不図示)に配設され、第3センサ装置SU-3は、被監視者Obの一人であるCさんOb-3の居室RM-3(不図示)に配設され、そして、第4センサ装置SU-4は、被監視者Obの一人であるDさんOb-4の居室RM-4(不図示)に配設されている。
【0024】
管理サーバ装置SVは、ネットワークNWを介して他の装置SU、TA、SPと通信する通信機能を備え、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する情報(監視情報(本実施形態では例えば前記所定のイベント(センサ装置SUで検知した所定の行動の種類やセンサ装置SUで受け付けたナースコール)、被監視者Obの画像(静止画および動画)、および、前記通知を受けた時刻等))を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知(再通知、再報知、送信)し、クライアント(本実施形態では端末装置SP、TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視システムMS全体を管理する装置(中央処理装置の一例)である。本実施形態では、管理サーバ装置SVは、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容の記録である看介護記録に関する所定の情報処理を実行する。このような管理サーバ装置SVは、例えば、
図2に示すように、サーバ側通信インターフェース部(SV通信IF部)21と、サーバ側制御処理部(SV制御処理部)22と、サーバ側記憶部(SV記憶部)23とを備える。
【0025】
SV通信IF部21は、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って通信を行うための通信回路である。SV通信IF部21は、SV制御処理部22から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAへ送信する。SV通信IF部21は、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSV制御処理部22が処理可能な形式のデータに変換してSV制御処理部22へ出力する。SV通信IF部21は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0026】
SV記憶部23は、SV制御処理部22に接続され、SV制御処理部22の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するSV制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するSV監視処理プログラムや、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容の記録である看介護記録に関する所定の情報処理を実行するSV看介護記録処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータには、自機の、管理サーバ装置SVを特定し管理サーバ装置SVを識別するための識別子であるサーバ識別子(サーバID)や、被監視者Obの前記監視情報や、前記所定のイベントの通知先等の装置SU、SP、TA間の情報を表す装置間情報や、センサ装置SUに関するセンサ情報や、前記記録書式に関する書式情報や、看介護記録に関する看介護記録情報等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。SV記憶部23は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。SV記憶部23は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるSV制御処理部22のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。これら監視情報、装置間情報、センサ情報、書式情報および看介護記録情報それぞれを記憶するために、SV記憶部23は、サーバ側監視情報記憶部(SV監視情報記憶部)231、装置間情報記憶部232、サーバ側センサ情報記憶部(SVセンサ情報記憶部)233、書式情報記憶部234および看介護記録情報記憶部235を機能的に備える。
【0027】
SV監視情報記憶部231は、各装置SU、SP、TAそれぞれとの間で送受信した被監視者Obの監視情報を記憶するものである。より具体的には、SV監視情報記憶部231には、本実施形態では、前記監視情報として、第1イベント通知通信信号等の通信信号に収容された各情報に基づいて、センサID、イベント情報(事象情報、本実施形態では入床、起床、離床、転倒およびナースコール)、受信時刻、対象画像(静止画および動画)および対処の有無が互いに対応付けて記憶される。
【0028】
この監視情報は、本実施形態では、テーブル形式でSV監視情報記憶部231に記憶されている。この監視情報を登録するサーバ側監視情報テーブル(SV監視情報テーブル)MT-SVは、例えば、
図3に示すように、各装置SU、SP、TAから受信した通信信号に収容されたセンサIDを登録するセンサIDフィールド2311と、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報を登録するイベントフィールド(事象フィールド)2312と、前記受信した通信信号の受信時刻を登録する受信時刻フィールド2313と、前記受信した通信信号に収容された前記静止画を登録する静止画フィールド2314と、ライブ動画の取得先として、前記受信した通信信号に収容されたセンサIDに対応するセンサ装置SUの通信アドレス(例えばIPアドレス等)を登録する動画フィールド2315と、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対する対応の受付の有無を登録する対応フィールド2316とを備え、前記受信した通信信号ごと(各イベントごと)にレコードを備える。静止画フィールド2314には、例えば、静止画の画像データが登録されて良く、また例えば、静止画の画像データのファイル名が登録されて良い。対応フィールド2316には、後述するように、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対する対処(対応、処置、措置)する意思がある旨(“対応する”)を端末装置SP、TAで受け付けたか否かを表すフラグ(対応フラグ)が登録される。例えば、本実施形態では、対応フィールド2316には、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報(イベントフィールド2312に登録されたイベント情報)に対処する意思がある旨(“対応する”)を端末装置SP、TAで受け付けたことを意味する対応フラグ「1」、あるいは、前記受信した通信信号に収容されたイベント情報に対処する意思がある旨(“対応する”)を端末装置SP、TAで受け付けていないことを意味する対応フラグ「0」が登録される。なお、デフォルトでは、対応フィールド2316には、未受付を意味する対応フラグ「0」が登録される。なお、第1イベント通知通信信号に、前記所定の行動を検知した検知時刻または前記ナースコールを受け付けたナースコール受付時刻が収容されている場合には、受信時刻に代え、前記検知時刻または前記ナースコール受付時刻が登録されても良い。
【0029】
装置間情報記憶部232は、前記装置間情報として、本実施形態では、通知先対応関係および通信アドレス対応関係等を記憶するものである。前記通知先対応関係は、センサ装置SUから送信された第1イベント通知通信信号等の通知先(再通知先、再報知先、送信先)を示す、送信元であるセンサIDと通知先(再通知先)である端末IDとの対応関係である。前記通信アドレス対応関係は、各装置SU、SP、TAのID(センサID、端末ID)とその通信アドレスとの対応関係である。前記端末ID(端末識別子)は、端末装置SP、TAを特定し端末装置SP、TAを識別するための識別子である。
【0030】
これら通知先対応関係および通信アドレス対応関係は、それぞれ、本実施形態では、テーブル形式で装置間情報記憶部232に記憶されている。この通知先対応関係を登録する通知先対応関係情報テーブルATは、例えば、
図4Aに示すように、送信元のセンサ装置SUのセンサIDを登録する送信元フィールド2321と、送信元フィールド2321に登録されたセンサIDに対応するセンサ装置SUから通知された通信信号を送信する送信先の端末装置SP、TAの端末IDを登録する通知先フィールド2322とを備え、センサID(センサ装置SU)ごとにレコードを備える。前記通信アドレス対応関係を登録する通信アドレス対応関係情報テーブルDTは、例えば、
図4Bに示すように、端末装置SP、TAの端末IDを登録する端末IDフィールド2323と、端末IDフィールド2323に登録された端末IDに対応する端末装置SP、TAの通信アドレスを登録する通信アドレスフィールド2324とを備え、端末ID(端末装置SP、TA)ごとにレコードを備える。
【0031】
なお、センサID、サーバIDおよび端末IDそれぞれは、例えば所定の記号列から成るシリアル番号等であって良く、また例えば通信アドレスであって良い(この場合通信アドレス対応関係は省略できる)。また、通知先対応関係は、1個の端末装置SP、TAに対して複数のセンサ装置SUが対応付けられても良い(マルチキャストやブロードキャスト等の同報通信を含む)。
【0032】
SVセンサ情報記憶部233は、前記センサ情報を記憶するものである。本実施形態では、前記センサ情報は、センサ装置SUに関する情報であり、センサ装置SUのセンサIDと被監視者Obの被監視者名とを互いに対応付けた情報である。
【0033】
このようなセンサ情報は、本実施形態では、テーブル形式でSVセンサ情報記憶部233に記憶される。より具体的には、センサ情報を登録するサーバ側センサ情報テーブル(SVセンサ情報テーブル)ST-SVは、例えば、
図5に示すように、センサIDを登録するセンサIDフィールド2331と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所を登録する配設場所フィールド2332と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUによって監視される被監視者Ob(すなわち、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所に居る被監視者Ob)の被監視者名を登録する被監視者名フィールド2333と、前記センサIDフィールド2331に登録されているセンサIDを持つセンサ装置SU、その配設場所およびその被監視者Obに関する備考を登録する備考フィールド2334とを備え、センサID(すなわち、センサ装置SU)ごとにレコードを持つ。
【0034】
書式情報記憶部234は、前記書式情報を記憶するものである。前記書式情報は、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式に関する情報であり、前記記録書式は、予め規定された所定の様式(フォーマット、入力フォーム)として、前記看介護の種類に応じて複数、予め用意されている。
【0035】
前記看介護の種類は、看護の実務や介護の実務等に応じて種々ある。例えば、前記看介護の種類として、定期性を有するケア、および、場所に依存するケア等が挙げられる。より具体的には、定期性を有するケアとして、日々実施される、モーニングケア(着替え、洗面および義歯装着等)、食事ケア(朝食ケア、昼食ケア、夕食ケア)、間食ケア、投薬ケア(服薬ケア)、歯磨きケア、水分補給ケア、バイタルチェック、イブニングケア(着替え、歯磨き、義歯外し、ベッド移乗等)、巡回、および、体位交換等、ならびに、曜日ごとや日にちごとに実施される、入浴ケア、リハビリ、レクリエーション、往診、身体清拭および体重測定等が挙げられる。場所に依存するケアとして、排泄ケア等が挙げられる。これら看介護は、例えばリビング、居室RM、トイレ、浴場およびナースステーション等の場所に依存したり、また例えば、看護師や介護士等、あるいは、当該看介護の担当者等の監視者に依存したりする。記録書式は、このような看介護の内容に応じて予め用意されており、例えば、モーニングケア用の記録書式、食事ケア用の記録書式、間食ケア用の記録書式、投薬ケア用の記録書式(服薬ケア用の記録書式)、歯磨きケア用の記録書式、および、水分補給ケア用の記録書式等がある。その一例が後述の
図16ないし
図18に示されている。
図16には、食事ケア用の記録書式の一例が携帯端末装置TAに表示される画面で示されている。
図17には、モーニングケア用の記録書式の一例が携帯端末装置TAに表示される画面で示されている。
図18には、排泄ケア用の記録書式の一例が携帯端末装置TAに表示される画面で示されている。本実施形態では、前記書式情報は、このような端末装置SP、TAに表示される記録書式画面を形成する記録書式の電子ファイルであり、前記記録書式の電子ファイルは、予め規定された所定の様式(フォーマット、入力フォーム)に従った記録書式を所定の記録書式画面で端末装置SP、TAに表示できるように、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語で記述され、書式情報記憶部234に記憶される。
【0036】
看介護記録情報記憶部235は、前記看介護記録情報を記憶するものである。看介護の対象者である被監視者名と、前記看介護記録の内容とが互いに対応付けられて前記看介護記録情報として看介護記録情報記憶部235に記憶される。
【0037】
SV制御処理部22は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受けると、被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知し、クライアントの要求に応じたデータを前記クライアントに提供し、被監視者監視システムMS全体を管理するための回路である。本実施形態では、SV制御処理部22は、例えば所定の記録書式の送信や前記所定の記録書式を用いて記入された看介護記録の記憶等の、前記看介護記録に関する所定の情報処理を実行する。SV制御処理部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。SV制御処理部22は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、サーバ側制御部(SV制御部)221、サーバ側監視処理部(SV監視処理部)222およびサーバ側看介護記録処理部(SV看介護記録処理部)223を機能的に備える。
【0038】
SV制御部221は、管理サーバ装置SVの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、管理サーバ装置SVの全体制御を司るものである。
【0039】
SV監視処理部222は、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するものである。より具体的には、SV監視処理部222は、センサ装置SUから前記所定のイベントの通知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する監視情報を管理し、前記所定のイベントを所定の端末装置SP、TAへ通知する。より詳しくは、SV監視処理部222は、センサ装置SUから前記第1イベント通知通信信号を受信すると、この受信した第1イベント通知通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をSV監視情報記憶部231に記憶(記録)する。SV監視処理部222は、この受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応する通知先(再通知先、報知先、転送先、送信先)を装置間情報記憶部232に記憶された前記通知先対応関係から選定(検索)し、この選定した端末装置SP、TAへ第2イベント通知通信信号を送信する。この選定(検索処理)は、前記受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応するセンサIDに基づいて実施される。前記第2イベント通知通信信号には、前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が前記所定の行動(入床、起床、離床および転倒のうちの1または複数)である場合には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および対象画像、ならびに、動画のダウンロード先として、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUに対応する通信アドレスが収容される。この通信アドレスは、前記受信した第1イベント通知通信信号を送信したセンサ装置SUに対応するセンサIDに基づいて通信アドレス対応関係から選定(検索)される。前記第1イベント通知通信信号に収容されたイベント情報が前記ナースコールである場合には、前記第2イベント通知通信信号には、第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報(ナースコール)が収容される。
【0040】
SV看介護記録処理部223は、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容の記録である看介護記録に関する所定の情報処理を実行するものである。本実施形態では、SV看介護記録処理部223は、2個の第1および第2モードで、所定の記録書式を用いた看介護記録の情報処理を実行する。
【0041】
前記第1モードは、看介護記録の対象者を1人だけ特定し、この特定した1人の対象者のために、看介護の種類に対応した1種類の記録書式を選定し、この選定した1種類の記録書式を用いて前記特定した1人の対象者に対して実施した看介護の内容を入力することによって、看介護記録を実施するためのモードである。この第1モードでは、SV看介護記録処理部223は、端末装置SP、TAから、1人の被監視者Obに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための通信信号(第1種類通知通信信号)をSV通信IF部21で受信した場合に、SV記憶部23の書式情報記憶部234から、前記第1種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、この取り出した記録書式を収容する通信信号(第1書式通知通信信号)を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置SP、TAへSV通信IF部21で返信する。より具体的には、SV看介護記録処理部223は、後述のように端末装置SP、TAとの間で各通信信号を送受信することによって、看介護記録の対象者(被監視者Ob)を1人だけ選択する対象者選択処理、前記1人の対象者のために、所定の記録書式を1種類だけ選択する書式選択処理、および、記録書式を用いた看介護記録の記録処理の各処理を順次に実行する。
【0042】
前記第2モードは、看介護記録の対象者を複数、特定し、これら特定した複数の対象者のために、看介護の種類に対応した1種類の記録書式を選定し、この選定した1種類の記録書式を用いて前記特定した複数の対象者それぞれに対して実施した看介護の各内容を入力することによって、看介護記録を実施するためのモードである。この第2モードでは、SV看介護記録処理部223は、端末装置SP、TAから、複数の被監視者Obそれぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための通信信号(第2種類通知通信信号)をSV通信IF部21で受信した場合に、VS記憶部23の書式情報記憶部234から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、前記端末装置SP、TAで被監視者Obを変更しながら前記複数の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取り出した記録書式を収容する通信信号(第2書式通知通信信号)を、前記第1種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置SP、TAへSV通信IF部21で返信する。より具体的には、SV看介護記録処理部223は、後述のように端末装置SP、TAとの間で各通信信号を送受信することによって、看介護記録の対象者(被監視者Ob)を複数、選択する対象者選択処理、前記複数の対象者のために、所定の記録書式を1種類だけ選択する書式選択処理、および、前記複数の対象者それぞれについて、記録書式を用いた看介護記録の記録処理の各処理を順次に実行する。
【0043】
後述するように、第1および第2書式通知通信信号それぞれには、前記記録書式として、被監視者名を表示する対象者名表示領域と、看介護の内容を看介護記録として入力するための看介護記録入力領域とを備える記録書式画面のデータ(記録書式画面の電子ファイル)が収容される。この第2モードでは、前記対象者名表示領域は、さらに、その表示された被監視者名と前記看介護記録入力領域とを互いに対応付けるための対象者対応付け領域であり、SV看介護記録処理部223は、前記端末装置SP、TAで前記看介護記録入力領域を固定で表示しつつ前記複数の被監視者それぞれに対応する複数の対象者名表示領域を変更可能に表示できるように、前記取り出した記録書式を前記第2書式通知通信信号に収容する。
【0044】
そして、この第2モードでは、SV看介護記録処理部223は、前記複数の被監視者Ob全ての各看介護記録を受信した場合に、選択可能な記録書式の種類を表示して記録書式の種類を選択するための書式選択画面のデータ(書式選択画面の電子ファイル)を収容する通信信号(選択可能種類通知通信信号)を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置SP、TAへ送信する。
【0045】
なお、管理サーバ装置SVは、
図2に破線で示すように、必要に応じて、さらに、SV制御処理部22に接続され例えば各種コマンドや各種データ等を入力するサーバ側入力部(SV入力部)24、SV入力部24で入力された各種コマンドや各種データおよび被監視者Obに対する監視に関する監視情報等を出力するサーバ側出力部(SV出力部)25、および、外部機器との間でデータの入出力を行うサーバ側インターフェース部(SVIF部)26等を備えても良い。
【0046】
このような管理サーバ装置SVは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
【0047】
固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示やデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVや携帯端末装置TAに与える所定の指示やデータを入力したり、センサ装置SUで得られた監視情報を表示したり等することによって、被監視者監視システムMSのユーザインターフェース(UI)として機能する機器である。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。なお、前記端末装置の一例としての固定端末装置SPは、携帯端末装置TAと同様に動作するが、本明細書では、前記端末装置の他の一例である携帯端末装置TAについて説明される。
【0048】
携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVやセンサ装置SUに与える所定の指示やデータ(看介護記録のデータを含む)を入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた前記監視情報を表示したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり等するための機器である。このような携帯端末装置TAは、本実施形態では、例えば、
図6および
図7に示すように、端末側通信インターフェース部(TA通信IF部)31と、端末側制御処理部(TA制御処理部)32と、端末側記憶部(TA記憶部)33と、端末側音入出力部(TA音入出力部)34と、端末側入力部(TA入力部)35(35a、35b)と、端末側表示部(TA表示部)36と、端末側インターフェース部(TAIF部)37とを備える。
【0049】
TA音入出力部34は、TA制御処理部32に接続され、外部の音を取得して携帯端末装置TAに入力するための回路であって、TA制御処理部32の制御に従って音を表す電気信号に応じた音を生成して出力するための回路である。TA音入出力部34は、例えば、音の電気信号(音データ)を音の機械振動信号(音響信号)に変換するスピーカ等と、可聴領域の音の機械振動信号を電気信号に変換するマイクロフォン等とを備えて構成される。TA音入出力部34は、外部の音を表す電気信号をTA制御処理部32へ出力し、また、TA制御処理部32から入力された電気信号を音の機械振動信号に変換して出力する。
【0050】
TA入力部35は、TA制御処理部32に接続され、例えば、所定の操作を受け付け、携帯端末装置TAに入力する回路であり、例えば、所定の機能を割り付けられた複数の入力スイッチ等である。前記所定の操作には、例えば、ログインするためのIDの入力操作や、音声通話の要求操作およびその終了操作や、ライブでの動画の要求操作およびその終了操作や、前記通知されたイベントに関わる被監視者Obに対する例えば救命、看護、介護および介助等の対応(対処、処置、措置)を実行する意思が当該携帯端末装置TAを扱う監視者(ユーザ)にある旨(“対応する”)の入力操作や、所定の記録書式を用いた看介護記録の入力操作等の、監視する上で必要な各種操作等が含まれる。TA表示部36は、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って、TA入力部35から入力された所定の操作内容や、被監視者監視システムMSによって監視されている被監視者Obに対する監視に関する前記監視情報(例えば前記所定のイベント(センサ装置SUで検知した所定の行動の種類やセンサ装置SUで受け付けたナースコール)、被監視者Obの画像(静止画および動画)、および、前記通知を受けた時刻等)や、看介護記録を入力するための記録書式等を表示する回路であり、例えばLCD(液晶ディスプレイ)および有機ELディスプレイ等の表示装置である。そして、本実施形態では、TA入力部35は、
図6に示すように、TA表示部36とでタッチパネルを構成する、例えば抵抗膜方式や静電容量方式等の操作位置を検出して入力する位置入力デバイス35aと、TA表示部36に表示されている画面(第1画面)の種類に応じて他の所定の画面(第2画面)へ戻る指示の入力を受け付ける、携帯端末装置TAの筐体に設けられた入力スイッチ35bとを備える。前記タッチパネルでは、TA表示部36の表示面上に位置入力デバイス35aが設けられ、TA表示部36に入力可能な1または複数の入力内容の候補が表示され、例えば看護師や介護士等のユーザ(監視者)が、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力デバイス35aによってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として携帯端末装置TAに入力される。
【0051】
TAIF部37は、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って、外部機器との間でデータの入出力を行う回路であり、例えば、Bluetooth(登録商標)規格を用いたインターフェース回路、IrDA規格等の赤外線通信を行うインターフェース回路、および、USB規格を用いたインターフェース回路等である。
【0052】
TA通信IF部31は、SV通信IF部21と同様に、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って通信を行うための通信回路である。TA通信IF部31は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
【0053】
TA記憶部33は、TA制御処理部32に接続され、TA制御処理部32の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、携帯端末装置TAの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するTA制御プログラムや、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するTA監視処理プログラムや、TA音入出力部34等を用いることでセンサ装置SUとの間で音声通話を行う通話処理プログラムや、センサ装置SUから動画の配信を受け、前記配信を受けた動画をストリーミング再生でTA表示部36に表示するストリーミング処理プログラムや、看介護記録に関する所定の情報処理を実行するTA看介護記録処理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記各種の所定のデータでは、自機の端末ID、被監視者Obの前記監視情報、センサ装置SUに関するセンサ情報、および、TA表示部36に表示される画面情報等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。TA記憶部33は、例えばROMやEEPROM等を備える。TA記憶部33は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆるTA制御処理部32のワーキングメモリとなるRAM等を含む。
【0054】
これら監視情報、センサ情報および画面情報それぞれを記憶するために、TA記憶部33は、端末側監視情報記憶部(TA監視情報記憶部)331、端末側センサ情報記憶部(TAセンサ情報記憶部)332および画面情報記憶部333を機能的に備え、さらに、データ仮記憶部334を機能的に備える。
【0055】
TA監視情報記憶部331は、前記監視情報を記憶するものである。本実施形態では、TA監視情報記憶部331は、前記監視情報として、管理サーバ装置SVから受信した第2イベント通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報(事象情報、本実施形態では入床、起床、離床、転倒およびナースコール)、画像および動画のダウンロード先のセンサ装置SUの通信アドレス、ならびに、当該第2イベント通知通信信号の受信時刻および対処の有無等を互いに対応付けて記憶する。より具体的には、TA監視情報記憶部331は、
図3に示すように、SV監視情報テーブルMT-SVと同様な端末側監視情報テーブル(TA監視情報テーブル)MT-TAに前記監視情報を記憶する。
【0056】
TAセンサ情報記憶部332は、前記センサ情報を記憶するものである。TAセンサ情報記憶部332は、センサID、配設場所、被監視者名および備考を互いに対応付けて記憶する。より具体的には、TAセンサ情報記憶部332は、
図5に示すように、SVセンサ情報テーブルST-SVと同様な端末側センサ情報テーブル(TAセンサ情報テーブル)ST-TAに前記センサ情報を記憶する。
【0057】
画面情報記憶部333は、比較的多用する、例えば後述の待受け画面51等の電子ファイルを予め記憶したり、管理サーバ装置SVから受信した所定の記録書式画面64等の電子ファイルを記憶したりするものである。
【0058】
データ仮記憶部334は、TA入力部35で入力されたデータをその処理に必要な間だけ一時的に記憶するものである。
【0059】
TA制御処理部32は、携帯端末装置TAの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、被監視者Obの前記監視情報を受けて表示し、ナースコールの応答や声かけするための回路である。そして、本実施形態では、TA制御処理部32は、所定の記録書式を用いた看介護記録の入力処理を実行する。TA制御処理部32は、例えば、CPUおよびその周辺回路を備えて構成される。TA制御処理部32は、制御処理プログラムが実行されることによって、端末側制御部(TA制御部)321、端末側監視処理部(TA監視処理部)322、通話処理部323、ストリーミング処理部324および端末側看介護記録処理部(TA看介護記録処理部)325を機能的に備える。
【0060】
TA制御部321は、携帯端末装置TAの各部を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、携帯端末装置TAの全体制御を司るものである。
【0061】
TA監視処理部322は、被監視者Obに対する監視に関する所定の情報処理を実行するものである。より具体的には、TA監視処理部322は、センサ装置SUによって送信された第1イベント通知通信信号、に起因して管理サーバ装置SVによって送信された第2イベント通知通信信号を受信した場合に、この受信した第2イベント通知通信信号に収容された各情報(各データ)に基づき、被監視者Obの監視情報をTA監視情報記憶部331に記憶(記録)する。TA監視処理部322は、この受信した第2イベント通知通信信号に収容された各情報に応じた画面をTA表示部36に表示する。そして、TA監視処理部322は、TA入力部35から所定の入力操作を受け付けると、その入力操作に応じた所定の処理を実行する。
【0062】
通話処理部323は、TA音入出力部34等を用いることでセンサ装置SUとの間で音声通話を行うものである。より具体的には、例えば、通話処理部323は、TA音入出力部34等を用い、第2イベント通知通信信号の送信の原因となった第1イベント通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信した送信元のセンサ装置SUとの間で例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)によって音声通話を行う。
【0063】
ストリーミング処理部324は、センサ装置SUから動画(例えばライブの動画)の配信を受け、前記配信を受けた動画をストリーミング再生でTA表示部36に表示するものである。
【0064】
TA看介護記録処理部325は、看介護記録に関する所定の情報処理を実行するものである。より具体的には、TA看介護記録処理部325は、前記第1および第2モード(前記第1および第2モード)で、所定の記録書式を用いた看介護記録の入力処理を実行する。そして、この第2モードにおいて、TA表示部36に表示された記録書式画面64において、TA表示部36に表示している前記対象者名表示領域に表示された被監視者名と、TA表示部36に表示している前記看介護記録入力領域に入力された看介護の内容とを、互いに対応付けて管理サーバ装置SVへ送信する指示をTA入力部35で受け付けると、TA看介護記録処理部325は、TA表示部36に表示している前記対象者名表示領域に表示された被監視者名と、TA表示部36に表示している前記看介護記録入力領域に入力された看介護の内容とを収容する通信信号(看介護記録通知通信信号)を管理サーバ装置SVへTA通信IF部31で送信し、前記複数の被監視者Obから前記看介護記録通知通信信号に収容された被監視者名の被監視者Obを除いた残余の被監視者Obの中のいずれか1人の被監視者名を表示する前記対象者名表示領域と前記看介護記録入力領域とを備える記録書式画面をTA表示部36に新たに表示し、前記残余の被監視者Obを新たに前記複数の被監視者Obとする。
【0065】
このような携帯端末装置TAは、例えば、いわゆるタブレット型コンピュータやスマートフォンや携帯電話機等の、持ち運び可能な通信端末装置によって構成可能である。
【0066】
次に、本実施形態における被監視者監視システムの動作について説明する。
図8は、前記携帯端末装置に表示される待受け画面の一例を示す図である。
図9は、前記携帯端末装置に表示される監視情報画面の一例を示す図である。
図10は、前記携帯端末装置に表示されるナースコール受付画面の一例を示す図である。
図11は、実施形態の被監視者監視システムにおける第1モードでの看介護記録の動作を示すシーケンス図である。
図12は、実施形態の被監視者監視システムにおける第2モードでの看介護記録の動作を示すシーケンス図である。
図13は、前記携帯端末装置に表示される対象者選択画面の一例を示す図である。
図14は、前記携帯端末装置に表示されるサブメニュー画面の一例を示す図である。
図15は、前記携帯端末装置に表示される第1書式選択画面の一例を示す図である。
図16は、前記携帯端末装置に表示される食事ケア用記録書式画面の一例を示す図である。
図17は、前記携帯端末装置に表示されるモーニングケア用記録書式画面(イブニングケア用記録書式画面)の一例を示す図である。
図18は、前記携帯端末装置に表示される排泄ケア用記録書式画面の一例を示す図である。
図19は、前記携帯端末装置に表示された対象者選択画面において、複数の被監視者を選択した後の対象者選択画面を示す図である。
図20は、前記携帯端末装置に表示される第2書式選択画面の一例を示す図である。
図21は、第2モードでの看介護記録の入力手順を説明するための図である。看介護記録の対象者として3人が選択された場合において、
図21Aは、第1番目の対象者のための食事ケア用記録書式画面を示し、
図21Bは、第2番目の対象者のための食事ケア用記録書式画面を示し、
図21Cは、第3番目の対象者のための食事ケア用記録書式画面を示す。そして、
図21では、携帯端末装置TAのTA表示部36には、
図21Bに示す第2番目の対象者のための食事ケア用記録書式画面が表示されている。
【0067】
以下では、まず、第1に、
図8ないし
図10を用いて、被監視者を監視する監視動作について説明し、次に、第2に、
図11、および、
図13ないし
図18を用いて、前記第1モードでの看介護記録の処理について説明し、次に、第3に、
図12、
図13、および、
図15ないし
図21を用いて、前記第2モードでの看介護記録の処理について説明する。
【0068】
上記構成の被監視者監視システムMSでは、各装置SU、SV、SP、TAは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。管理サーバ装置SVでは、その制御処理プログラムの実行によって、SV制御処理部21には、SV制御部221、SV監視処理部222およびSV看介護記録処理部223が機能的に構成される。携帯端末装置TAでは、その制御処理プログラムの実行によって、TA制御処理部32には、TA制御部321、TA監視処理部322、通話処理部323、ストリーミング処理部324およびTA看介護記録処理部325が機能的に構成される。
【0069】
(監視動作)
監視動作では、センサ装置SUは、各フレームごとに、あるいは、数フレームおきに、次のように動作することで、被監視者Obにおける所定の動作を検知し、また、ナースコールの受付の有無を判定している。まず、センサ装置SUは、前記画像センサから1フレーム分の画像(画像データ)を対象画像として取得し、この取得した対象画像に基づいて被監視者Obにおける所定の行動を検知し、前記所定の行動を検知すると、その検知結果を所定の端末装置SP、TAへ通知するために、前記イベント情報として検知した前記所定の行動を収容した、前記所定の行動の検知にかかる第1イベント通知通信信号を、管理サーバ装置SVへ送信する。このように動作している間に、センサ装置SUは、ナースコールを受け付けているか否かを判定し、ナースコールを受け付けると、そのナースコールの受付を所定の端末装置SP、TAへ通知するために、センサ装置SUは、前記イベント情報として前記受け付けたナースコールを収容した、前記ナースコールの受付にかかる第1イベント通知通信信号を、管理サーバ装置SVへ送信する。
【0070】
管理サーバ装置SVは、第1イベント通知通信信号をネットワークNWを介してセンサ装置SUから受信すると、SV監視処理部222によって、この第1イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報等の各情報を、このセンサIDを持つセンサ装置SUで監視されている被監視者Obの監視情報として記憶(記録)する。そして、管理サーバ装置SVは、SV監視処理部222によって、前記通知先対応関係から、前記受信した第1イベント通知通信信号における送信元(通知元)のセンサ装置SUに対応する通知先の端末装置SP、TAを特定し、この通知先の端末装置SP、TAへ第2イベント通知通信信号を送信する。
【0071】
固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAは、前記第2イベント通知通信信号をネットワークNWを介して管理サーバ装置SVから受信すると、TA監視処理部322によって、この第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDおよびイベント情報等の各情報を、このセンサIDを持つセンサ装置SUで監視されている被監視者Obの監視情報として記憶(記録)し、前記監視情報を表示する。
【0072】
より具体的には、代表的に、携帯端末装置TAの動作について説明すると、上述したように、電源が投入され、その稼働を始めると、携帯端末装置TAでは、例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)によるログイン操作が受け付けられ、TA監視処理部322によって、自機宛の通信信号を待ち受ける待受け画面がTA表示部36に表示される。この待受け画面51は、例えば、
図8に示すように、メニューバーを表示するメニューバー領域511と、待ち受け中であることを表すメッセージ(例えば「通知はありません」)およびアイコンを表示する待受けメイン領域512と、現在時刻を表示する時刻領域513と、今日の年月日曜日を表示する年月日曜日領域514と、今、当該携帯端末装置TAにログインしているユーザ名を表示するユーザ名領域515とを備える。ログイン操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA監視処理部322によって、自機の端末IDおよび自機にログインした監視者(ユーザ)の氏名を収容した通信信号(ログイン通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する。管理サーバ装置SVは、このログイン通知通信信号を受信すると、SV監視処理部222によって、この受信したログイン通知通信信号に収容された端末IDと監視者の氏名(監視者情報)とを互いに対応付けてSV記憶部23に記憶する。
【0073】
自機宛の通信信号を待ち受け中では、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32のTA制御部321によって、通信信号を受信するまで繰り返し、TA通信IF部31で通信信号を受信したか否かを判定し、通信信号を受信すると、この受信した通信信号の種類を判定する。この判定の結果、携帯端末装置TAは、この受信した通信信号が第2イベント通知通信信号ではない場合には、前記受信した通信信号に応じた適宜な処理を行って本処理を終了し、次の自機宛の通信信号を待ち受ける。一方、前記受信した通信信号が第2イベント通知通信信号である場合(第2イベント通知)には、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32のTA監視処理部322によって、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された、被監視者Obに対する監視に関する監視情報をTA監視情報記憶部331に記憶(記録)し、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された各情報に応じた画面をTA表示部36に表示する。
【0074】
より詳しくは、TA監視処理部322は、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された前記イベント情報が前記所定の行動である場合には、例えば
図9に示す監視情報画面52をTA表示部36に表示し、一方、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された前記イベント情報が前記ナースコールである場合には、例えば
図10に示すナースコール受付画面53をTA表示部36に表示する。
【0075】
この監視情報画面52は、被監視者Obの監視に関する前記監視情報を表示するための画面である。前記監視情報画面52は、例えば、
図9に示すように、メニューバー領域511と、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを持つセンサ装置SUの配設場所および前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって監視される被監視者Obの名前を表示する被監視者名領域521と、前記受信した第2イベント通知通信信号の受信時刻(または前記所定の行動の検知時刻)からの経過時間、および、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された前記イベント情報(前記所定の行動の検知結果)を表示する検知情報表示領域522と、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された画像(すなわち、前記センサIDを持つ前記センサ装置SUによって撮像された対象画像)(ここでは静止画)を表示する画像領域523と、「対応する」ボタン524と、「話す」ボタン525と、「LIVEを見る」ボタン526とを備える。
【0076】
被監視者名領域521にセンサ装置SUの配設場所および被監視者Obの名前を表示するために、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容されたセンサIDを検索キーに、センサ装置SUの配設場所および被監視者Obの名前がTAセンサ情報記憶部332から検索され、表示される。検知情報表示領域522には、前記受信した第2イベント通知通信信号に収容された前記検知結果(本実施形態では、入床、起床、離床および転倒の各名称)がそのまま表示されても良いが、本実施形態では、前記検知結果を象徴的に表すアイコンで表示されている。このアイコンで表示するために、TA記憶部33には、各行動およびその行動を象徴的に表すアイコンが互いに対応付けられて予め記憶される。
図9に示す例では、検知情報表示領域522には、起床を象徴的に表す起床アイコンが表示されている。「対応する」ボタン524は、監視情報画面52では、この監視情報画面52に表示された検知結果に対し例えば救命、看護、介護および介助等の所定の対応(対処、処置、措置)を実施する意思が当該携帯端末装置TAのユーザにある旨を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。「話す」ボタン525は、音声通話を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUと当該携帯端末装置TAとをネットワークNWを介して通話可能に接続する指示を入力するためのボタンである。「LIVEを見る」ボタン526は、ライブでの動画を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUによって撮像される動画を表示させる指示を入力するためのボタンである。
【0077】
前記ナースコール受付画面53は、ナースコールの受付を表示するための画面である。このナースコール受付画面53は、例えば、
図10に示すように、メニューバー領域511と、被監視者名領域521と、検知情報表示領域522と、ナースコールを受け付けた旨を表すメッセージ(例えば「ナースコールです」)を表示するナースコール受付通知表示領域531と、「対応する」ボタン524と、「話す」ボタン525とを備える。このナースコール受付画面53では、検知情報表示領域522には、前記受信した第2イベント通知通信信号の受信時刻(または前記ナースコールを受け付けた受付時刻)からの経過時間のみが表示される。なお、ナースコール受付画面53は、「LIVEを見る」ボタン526をさらに備えても良い。
【0078】
そして、このような監視情報画面52やナースコール受付画面53の表示中に、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、入力操作を受け付けるまで繰り返し、TA入力部35およびTA表示部36を備えて成るタッチパネルで入力操作を受け付けたか否かを、判定する。入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、入力操作の内容に応じた適宜な処理を実行し、本処理を終了し、そして、次の自機宛の通信信号を待ち受ける。
【0079】
例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、前記タッチパネルを構成するTA入力部35から「対応する」ボタン524の入力操作を受け付けると、まず、現在、TA表示部36に表示している被監視者Obの監視情報に、「対応する」を受け付けた旨を付してTA監視情報記憶部331に記憶する。より具体的には、TA制御処理部32は、TA監視情報記憶部331に記憶されているTA監視情報テーブルMT-TAにおいて、現在、TA表示部36に表示している被監視者Obの監視情報を登録しているレコード(ここでは前記受信した第2イベント通知通信信号に収容されていた監視情報を登録したレコード)の対応フィールド3316に、対応の受付を表す対応フラグ「1」を登録する。そして、TA制御処理部32は、TA表示部36に表示している被監視者Obの監視情報に対応するセンサID、イベント情報および「対応する」を受け付けた旨を表す情報(対応有意思情報)を収容した通信信号(対応有意思通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する。この対応有意思通知通信信号を受信した管理サーバ装置SVは、まず、SV制御処理部22によって、SV監視情報記憶部231に記憶されているSV監視情報テーブルMT-SVにおいて、前記受信した対応有意思通知通信信号に収容されているセンサIDおよびイベント情報それぞれをセンサIDフィールド2311およびイベントフィールド2312それぞれに登録し、かつ、対応フィールド2316に対応フラグ「0」を登録しているレコードの対応フィールド2316に、対応の受付を表す対応フラグ「1」を登録し、次に、前記受信した対応有意思通知通信信号に収容されたセンサID、イベント情報および対応有意思情報を収容した通信信号(対応有意思周知通信信号)を同報通信で端末装置SP、TAへ送信する。これによって、TA表示部36に表示している被監視者Obの監視情報に対応するセンサIDに関し、「対応する」を受け付けた旨が各端末装置SP、TA間で同期される。
【0080】
また例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「話す」ボタン525の入力操作を受け付けると、通話処理部323によって、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、音声通話を要求する旨等の情報を収容した通信信号(通話要求通信信号)を送信し、これに応じたセンサ装置SUとネットワークNWを介して音声通話可能に接続する。これによって携帯端末装置TAとセンサ装置SUとの間で音声通話が可能となる。なお、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、音声通話の終了の指示を入力するためのボタンである図略の「終了」ボタンの入力操作を受け付けると、通話処理部323によって、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、音声通話の終了を要求する旨等の情報を収容した通信信号(通話終了通信信号)を送信する。これによって携帯端末装置TAとセンサ装置SUとの間での音声通話が終了される。
【0081】
また例えば、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「LIVEを見る」ボタン526の入力操作を受け付けると、TAストリーミング処理部324によって、現在、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、ライブでの動画の配信を要求する旨等の情報を収容した通信信号(動画配信要求通信信号)を送信し、これに応じたセンサ装置SUとネットワークNWを介して動画のダウンロード可能に接続し、前記センサ装置SUからライブでの動画の配信を受け、この配信を受けた動画をストリーミング再生でTA表示部36に表示する。このライブでの動画を表示する監視情報画面52では、画像領域523に動画が表示され、そして、「LIVEを見る」ボタン526に代え図略の「LIVE終了」ボタンが表示される。これによって携帯端末装置TAには、ライブでの動画が表示される。前記図略の「LIVE終了」ボタンは、動画の終了を要求するためのボタンであって、前記センサIDの前記センサ装置SUによって撮像される動画の配信を終了(停止)させ表示を終了(停止)させる指示を入力するためのボタンである。携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、「LIVE終了」ボタンの入力操作を受け付けると、TAストリーミング処理部324によって、現在、TA表示部36に表示している被監視者Obを監視するセンサ装置SUへ、動画配信の終了を要求する旨等の情報を収容した通信信号(動画配信終了通信信号)を送信し、静止画をTA表示部36に表示する。これによって携帯端末装置TAは、ライブでの動画の表示を終了する。
【0082】
このような動作によって、被監視者監視システムMSは、各センサ装置SU、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび携帯端末装置TAによって、大略、各被監視者Obにおける所定の行動を検知し、ナースコールを受け付けて、各被監視者Obを監視している。
【0083】
(第1モードの看介護記録の動作)
第1モードでの看介護記録の処理では、
図11において、携帯端末装置TAは、前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、待受け画面51、監視情報画面52およびナースコール受付画面53等におけるメニューバー領域511の対象者選択ボタン5111の入力操作を受け付けると、TA看介護記録処理部325によって、対象者の選択を要求するための通信信号(対象者選択要求通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する(C11)。前記対象者選択要求通信信号には、対象者の選択を要求する命令(指示、コマンド、対象者選択要求命令)および自機の端末IDが収容される。前記対象者選択ボタン5111は、対象者選択画面61を表示する指示を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。
【0084】
携帯端末装置TAから対象者選択要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、看介護記録の対象者として選択可能な被監視者Obを表示し、看介護記録の対象者(被監視者Ob)を選択するための画面(対象者選択画面)のデータ(電子ファイル)を収容した通信信号(選択可能対象者通知通信信号)を前記携帯端末装置TAへ返信する(C12)。
【0085】
前記対象者選択画面61は、例えば、
図13に示すように、メニューバー領域511と、選択可能な1または複数の対象者を一覧で表示する対象者表示領域611(611-1~611-5)と、「確定」ボタン612とを備える。対象者表示領域611は、選択チェックボタン611a(611a-1~611a-5)と、選択チェックボタン611aと対応付けて前記選択チェックボタン611aと並置するように設けられた対象者サブ表示領域611b(611b-1~611b-5)とを備える。対象者表示領域611に、選択可能な対象者を一覧で表示するために、SV制御処理部22は、SVセンサ情報記憶部233に記憶されたSVセンサ情報テーブルST-SVにおける被監視者名フィールド3333および配設場所フィールド3332それぞれに登録されている被監視者名および配設場所それぞれを各レコードから取り出し、配設場所および被監視者名をセット(組)で、対象者サブ表示領域611bに、当該対象者選択画面61を表示する携帯端末装置TAのTA表示部36を正面視した場合に上から下へ順に所定の基準でソートされて一覧で表示されるように、配置する。ソートの基準は、任意であり、例えば、被監視者名の50音順(アルファベット順)や、配設場所の部屋番号順等である。
図13に示す例では、配設場所および被監視者名の各セットは、配設場所の部屋番号順でソートされている。そして、この対象者選択画面61が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示された場合に、対象者サブ表示領域611b(611b-1~611b-5)は、1人の対象者(被監視者Ob)を入力するために用いられ、監視者(携帯端末装置TAのユーザ)によって選択された対象者を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタン(1人用対象者選択ボタン)でもある。選択チェックボタン611a(611a-1~611a-5)は、対象者選択画面61が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示された場合に、複数の対象者(被監視者Ob)を入力するために用いられ、監視者(携帯端末装置TAのユーザ)によって選択された対象者を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタン(複数人用対象者選択ボタン)である。「確定」ボタン612は、対象者表示領域611から入力された対象者を管理サーバ装置SVへ通知するための通信信号(選択対象者通知通信信号(第1および第2選択対象者通知通信信号))を管理サーバ装置SVへ送信する指示を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。
【0086】
管理サーバ装置SVから選択可能対象者通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、対象者選択画面61をTA表示部36に表示する。なお、TA表示部36の表示領域より、対象者表示領域611が広く、全ての選択チェックボタン611aおよび対象者サブ表示領域611bがTA表示部36の表示領域に表示できない場合には、例えばフリック(flick input)によってTA表示部36の表示領域に表示される対象者表示領域611の領域部分が変更(例えばスクロール等)され、TA表示部36の表示領域に表示されていない選択チェックボタン611aおよび対象者サブ表示領域611bが表示できるようになっている。
【0087】
このような対象者選択画面61がTA表示部36に表示されている場合に、第1モードでは、携帯端末装置TAのユーザ(監視者)は、1人の対象者を選択するために、いずれか1つの対象者サブ表示領域611bを入力操作し、「確定」ボタン612を入力操作する。
【0088】
前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、対象者サブ表示領域611bの入力操作を受け付けた後に、「確定」ボタン612の入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、対象者サブ表示領域611bから入力された1人の対象者(被監視者Ob)を管理サーバ装置SVへ通知するための通信信号(第1選択対象者通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する(C13)。この第1選択対象者通知通信信号には、対象者サブ表示領域611b-1~611b-5の入力操作によって入力された1人の対象者の被監視者名および自機の端末IDが収容される。
【0089】
携帯端末装置TAから第1選択対象者通知通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、前記第1選択対象者通知通信信号に収容された被監視者名を、前記第1選択対象者通知通信信号の送信元である携帯端末装置TAの端末IDと対応付けてSV記憶部23に記憶する。そして、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、選択可能なサブメニューを表示し、サブメニューを選択するための画面(サブメニュー画面)のデータ(電子ファイル)を収容した通信信号(サブメニュー通知通信信号)を前記携帯端末装置TAへ返信する(C14)。前記サブメニュー画面62は、例えば
図14に示すように、メニューバー領域511と、対象者選択画面61で選択された対象者名を表示する対象者名表示領域621と、選択可能な1または複数のサブメニューをその名称で一覧で表示するサブメニュー表示領域622(622-1~622-3)とを備える。
図14に示す例では、
図13に示す対象者選択画面61で「101号室K田M雄」を表示する領域(対象者サブ表示領域、1人用対象者選択ボタン)611b-1が携帯端末装置TAで監視者によって入力操作され、対象者名表示領域621には、「101号室A様」が表示されている。サブメニュー表示領域622は、
図14に示す例では、サブメニューとして、「ケア実施入力」ボタン622-1と、「話す」ボタン622-2と、「一時オフする」ボタン622-3とを備える。「ケア実施入力」ボタン613は、端末装置SP、TAから監視者によって1人の対象者(被監視者Ob)に対する看介護記録を管理サーバ装置SVに記録する指示を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。「話す」ボタン622-2は、上述の「話す」ボタン525と同様に、音声通話を要求するためのボタンであって、対象者名表示領域621に表示されている被監視者Obを監視するセンサ装置SUと当該携帯端末装置TAとをネットワークNWを介して通話可能に接続する指示を入力するためのボタンである。「一時オフする」ボタン622-3は、対象者名表示領域621に表示されている被監視者Obに対するセンサ装置SUによる監視を一時的に止める指示を入力するためのボタンである。なお、前記対象者名表示領域621は、サブメニュー画面62が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示された場合に、対象者選択画面61を表示する指示を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンでもあっても良い。したがって、この場合では、監視者は、対象者名表示領域621を入力操作することで、対象者選択画面61から対象者を変更できる。
【0090】
管理サーバ装置SVからサブメニュー通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、サブメニュー画面62をTA表示部36に表示する。
【0091】
このようなサブメニュー画面62がTA表示部36に表示されている場合に、第1モードでは、携帯端末装置TAのユーザ(監視者)は、1人の対象者に対する看介護記録を実施するために、「ケア実施入力」ボタン622-1を入力操作する。
【0092】
「ケア実施入力」ボタン622-1の入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、看介護の種類(看介護記録の種類、記録書式の種類)の選択を要求するための通信信号(種類選択要求通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する(C15)。前記種類選択要求通信信号には、看介護の種類(看介護記録の種類、記録書式の種類)の選択を要求する命令(指示、コマンド、種類選択要求命令)および自機の端末IDが収容される。
【0093】
携帯端末装置TAから種類選択要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV看介護記録処理部223によって、看介護の種類に応じて予め用意され選択可能な記録書式の種類を表示し、1人の対象者のために1つの記録書式の種類を選択するための画面(第1書式選択画面)のデータ(電子ファイル)を収容した通信信号(第1選択可能種類通知通信信号)を前記携帯端末装置TAへ返信する(C16)。
【0094】
前記第1書式選択画面63は、例えば、
図15に示すように、メニューバー領域511と、対象者選択画面61で選択された対象者名を表示する対象者名表示領域621と、1人の対象者のために、選択可能な1または複数の記録書式の種類をその名称で一覧で表示する書式表示領域631(631-1~631-4)とを備える。そして、この記録書式名を表示する個々の領域632-1~631-4は、第1書式選択画面63が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示された場合に、監視者によって選択された記録書式の種類(
図15に示す例では記録書式名)を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタン(第1種類選択ボタン)でもある。
図15に示す例では、書式表示領域631は、食事ケア用の記録書式名として「食事ケア」を表示する「食事ケア」領域631-1と、水分ケア用の記録書式名として「水分ケア」を表示する「水分ケア」領域631-2と、モーニングケア用の記録書式名として「モーニングケア」を表示する「モーニングケア」領域631-3と、排泄ケア用の記録書式名として「排泄ケア」を表示する「排泄ケア」領域631-4とを備える。そして、第1書式選択画面63が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示された場合に、前記「食事ケア」領域631-1は、食事ケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、前記「水分ケア」領域631-2は、水分ケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、前記「モーニングケア」領域631-3は、モーニングケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、そして。前記「排泄ケア」領域631-4は、排泄ケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。さらに、
図15に示す例では、前記記録書式名を表示する個々の領域631-1~631-4には、看介護記録の内容も表示される。例えば、本日、前日および前回における看介護記録の各内容が表示される。この看介護記録の各内容を前記領域631に表示するために、SV看介護記録処理部223は、対象者(被監視者名)に対応する本日、前日および前回における看介護記録の各内容を看介護記録情報記憶部235から取り出し、この取り出した本日、前日および前回における看介護記録の各内容を用いて第1書式選択画面63の電子ファイルを生成する。
【0095】
管理サーバ装置SVから第1選択可能種類通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、第1書式選択画面63をTA表示部36に表示する。なお、TA表示部36の表示領域より、書式表示領域631が広く、記録書式名が全てTA表示部36の表示領域に表示できない場合には、例えばフリック(flick input)によってTA表示部36の表示領域に表示される書式表示領域631の領域部分が変更(例えばスクロール等)され、TA表示部36の表示領域に表示されていない記録書式名が表示できるようになっている。
【0096】
前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、記録書式名を表示する領域(第1種類選択ボタン)631(631-1~631-4)の入力操作を受け付けて記録書式名の選択を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、1人の被監視者に対して入力する看介護記録における記録書類名を通知するための通信信号(第1選択種類通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する(C17)。前記第1選択種類通知通信信号には、前記選択された記録書式名が、1人の被監視者に対して入力する看介護記録における看介護の種類として収容され、さらに、自機の端末IDが収容される。前記第1選択種類通知通信信号は、1人の被監視者に対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための第1種類通知通信信号の一例に相当する。
【0097】
携帯端末装置TAから第1選択種類通知通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV看介護記録処理部223によって、この受信した第1選択種類通知通信信号に収容された記録書式名に対応する記録書式の電子ファイルを書式情報記憶部234から取り出し、この取り出した記録書式の電子ファイルを収容した、記録書式を通知するための通信信号(第1書式通知信通信信号)を、前記携帯端末装置TAへ返信する(C18)。管理サーバ装置SVから第1書式通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、記録書式画面64をTA表示部36に表示する。
【0098】
例えば、処理C17で「食事ケア」を表示する領域(第1種類選択ボタン)631-1が入力操作されると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、記録書式名として「食事ケア」を収容した第1選択種類通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し、その返信として、食事ケア用の記録書式の電子ファイルを収容した第1書式通知信通信信号を受信し、例えば、
図16に示す食事ケア用記録書式画面64aをTA表示部36に表示する。
【0099】
この食事ケア用記録書式画面64aは、食事ケア用の記録書式を表示する画面であって、実施した食事ケアの内容を看介護記録として入力するための画面である。前記食事ケア用記録書式画面64aは、例えば、
図16に示すように、メニューバー領域511と、対象者名を表示する対象者名表示領域621と、看介護の内容として入力すべき入力項目を表示して前記入力項目に応じた看介護の内容を看介護記録として入力する看介護記録入力領域641aと、この看介護記録を他の端末装置SP、TAから参照可能とするか否かの設定を入力する共有化チェックボックス(□)642と、「送信する」ボタン643とを備える。
【0100】
食事ケア用の記録書式では、例えば、本実施形態では、前記入力項目として主食の摂取量、副食の摂取量、メモおよびケア実施時間であり、これらを入力するために、看介護記録入力領域641aは、主食量を入力するための主食量入力領域641a-1と、副食量を入力するための副食量入力領域641a-2と、メモを入力するための自由記述入力領域641a-3と、看介護を実施した時刻を入力するためのケア実施時間入力領域641a-4とを備える。看介護記録入力領域641a(641a-1~641a-4)には、前記タッチパネルを構成するTA入力部35の入力操作によって、看介護の内容(
図16に示す例では食事ケアの内容)が入力される。共有化チェックボックス642では、前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、チェックの入力操作を受け付けると、共有化チェックボックス642内に「レ」が表示され、記録書式画面64(
図16に示す例では当該食事ケア用記録書式画面64a)に入力された内容を他の端末装置SP、TAから参照できるように設定する指示が入力される。一方、前記チェックの入力操作を受け付けないと、共有化チェックボックス642内は、空欄で表示され、記録書式画面64(
図16に示す例では当該食事ケア用記録書式画面64a)に入力された内容を他の端末装置SP、TAから参照できないように設定する指示が入力される。「送信する」ボタン643は、記録書式画面64(
図16に示す例では当該食事ケア用記録書式画面64a)に入力された内容(
図16に示す例では食事ケアの内容)を管理サーバ装置SVへ送信する指示を入力するためのボタンである。
【0101】
また例えば、処理C17で「モーニングケア」を表示する領域(第1種類選択ボタン)631-3が入力操作されると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、記録書式名として「モーニングケア」を収容した第1選択種類通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し、その返信として、モーニングケア用の記録書式の電子ファイルを収容した第1書式通知信通信信号を受信し、例えば、
図17に示すモーニングケア用記録書式画面64bをTA表示部36に表示する。
【0102】
このモーニングケア用記録書式画面64bは、モーニングケア用の記録書式を表示する画面であって、実施したモーニングケアの内容を看介護記録として入力するための画面である。前記モーニングケア用記録書式画面64bは、例えば、
図17に示すように、メニューバー領域511と、対象者名表示領域621と、看介護の内容として入力すべき入力項目を表示して前記入力項目に応じた看介護の内容を看介護記録として入力する看介護記録入力領域641bと、共有化チェックボックス(□)642と、「送信する」ボタン643とを備える。
【0103】
モーニングケア用の記録書式では、例えば、本実施形態では、前記入力項目として更衣、整容、整髪、口腔ケア、洗面、離床、清拭およびその他の各項目、メモならびにケア実施時間であり、これらを入力するために、看介護記録入力領域641bは、更衣の有無を入力するための更衣入力チェックボックス(□)、整容の有無を入力するための整容入力チェックボックス(□)、整髪の有無を入力するための整髪入力チェックボックス(□)、口腔ケアの有無を入力するための口腔ケア入力チェックボックス(□)、洗面の有無を入力するための洗面入力チェックボックス(□)、離床の有無を入力するための離床入力チェックボックス(□)、清拭の有無を入力するための清拭入力チェックボックス(□)およびその他の有無を入力するためのその他入力チェックボックス(□)を備える項目領域641b-1と、メモを入力するための自由記述入力領域641b-2と、看介護を実施した時刻を入力するためのケア実施時間入力領域641b-3とを備える。前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、チェックの入力操作を受け付けると、チェックボックス内に「レ」が表示され、チェックボックスに対応する入力項目の看介護の実施が入力される。
【0104】
なお、このモーニングケア用記録書式画面64bは、イブニングケア用の記録書式を表示する画面であって、実施したイブニングケアの内容を看介護記録として入力するための画面としても用いられる。
【0105】
また例えば、処理C17で「排泄ケア」を表示する領域(第1種類選択ボタン)631-4が入力操作されると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、記録書式名として「排泄ケア」を収容した第1選択種類通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し、その返信として、排泄ケア用の記録書式の電子ファイルを収容した第1書式通知信通信信号を受信し、例えば、
図18に示す排泄ケア用記録書式画面64cをTA表示部36に表示する。
【0106】
この排泄ケア用記録書式画面64cは、排泄用の記録書式を表示する画面であって、実施した排泄ケアの内容を看介護記録として入力するための画面である。前記排泄ケア用記録書式画面64cは、例えば、
図18に示すように、メニューバー領域511と、対象者名表示領域621と、看介護の内容として入力すべき入力項目を表示して前記入力項目に応じた看介護の内容を看介護記録として入力する看介護記録入力領域641cと、共有化チェックボックス(□)642と、「送信する」ボタン643とを備える。
【0107】
排泄ケア用の記録書式では、例えば、本実施形態では、前記入力項目として排尿、便量、便質、メモならびにケア実施時間であり、これらを入力するために、看介護記録入力領域641cは、排尿の有無を入力するための排尿入力領域641c-1と、排便量を入力するための排便量入力領域641c-2と、便質を入力するための便質入力領域641c-3と、メモを入力するための自由記述入力領域641c-4と、看介護を実施した時刻を入力するためのケア実施時間入力領域641c-5とを備える。看介護記録入力領域641c(641c-1~641c-5)には、前記タッチパネルを構成するTA入力部35の入力操作によって、看介護の内容(
図18に示す例では排泄ケアの内容)が入力される。
【0108】
図11に戻って、次に、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、TA表示部36に表示された記録書式を用いて入力された看介護の内容を看介護記録として管理サーバ装置SVへ送信するための通信信号(看介護記録通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信し(C19)、その後に、前記処理C11で受け付けた対象者選択ボタン5111を表示していた画面(待受け画面51、監視情報画面52およびナースコール受付画面53等)をTA表示部36に表示して本処理を終了する。
【0109】
なお、図示を省略するが、水分ケア用記録書式画面、バイタルケア用記録書式画面および服薬ケア用記録書式画面(投薬ケア用記録書式画面)等が、予め用意され、書式情報記憶部234に記憶される。
【0110】
より具体的には、監視者(ユーザ)は、まず、TA表示部36に表示された記録書式を参照し、この記録書式の入力項目に応じた看介護の内容を入力する。この入力された看介護の内容は、TA看介護記録処理部325によって、看介護記録として、対象者名表示領域621に表示されている被監視者名と対応付けてデータ仮記憶部334に一時的に記憶される。例えば、食事ケアの看介護記録では、監視者(ユーザ)は、TA表示部36に表示された食事ケア用記録書式画面64aを参照し、この食事ケア用記録書式画面64aの看介護記録入力領域641aにおける各領域641a-1~641a-4に、食事ケアの内容を入力し、必要に応じて、共有化チェックボックス(□)642を入力操作する。そして、監視者(ユーザ)は、「送信する」ボタン643を入力操作する。
【0111】
「送信する」ボタン643の入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、自機の端末ID、対象者名(被監視者名)、ならびに、記録書式画面64を用いて入力されデータ仮記憶部334に記憶された看介護記録の内容(上述の例では食事ケア用記録書式画面64aを用いて入力された主食の摂取量、副食の摂取量、メモ、ケア実施時間および共有化の許否)を収容する看介護記録通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。送信すると、TA看介護記録処理部325は、データ仮記憶部334に記憶された前記看介護記録の内容を消去(削除)する。
【0112】
管理サーバ装置SVは、この看介護記録通知通信信号を受信すると、SV看介護記録処理部223によって、この受信した看介護記録通知通信信号に収容された、対象者名(被監視者名)と看介護記録の内容(上述の例では主食の摂取量、副食の摂取量、メモ、ケア実施時間および共有化の許否)とを互いに対応付けて看介護記録情報記憶部235に記憶する。
【0113】
第1モードでの看介護記録の動作では、このような各処理が実行され、記録書式を用いて看介護記録が携帯端末装置TAから入力され、管理サーバ装置SVに記憶(記録)される。
【0114】
(第2モードの看介護記録の動作)
第2モードでの看介護記録の処理では、
図12において、携帯端末装置TAは、上述の処理C11と同様に、前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、待受け画面51、監視情報画面52およびナースコール受付画面53等におけるメニューバー領域511の対象者選択ボタン5111の入力操作を受け付けると、TA看介護記録処理部325によって、対象者選択要求通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する(C21)。
【0115】
携帯端末装置TAから対象者選択要求通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、上述の処理C12と同様に、SV制御処理部22によって、選択可能対象者通知通信信号を前記携帯端末装置TAへ返信する(C22)。
【0116】
管理サーバ装置SVから選択可能対象者通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、例えば
図13に示す対象者選択画面61をTA表示部36に表示する。
【0117】
このような対象者選択画面61がTA表示部36に表示されている場合に、第2モードでは、携帯端末装置TAのユーザ(監視者)は、複数の対象者を選択するために、複数の選択チェックボタン611aを順次に入力操作する。この選択チェックボタン611aの入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、入力操作を受け付けたことを表示するチェックボックスを、選択チェックボタン611aに表示する。例えば、
図13に示す対象者選択画面61において、携帯端末装置TAのユーザ(監視者)は、前記複数の対象者のうちの1人として「101号室A様」を選択する場合には、「101号室A様」を表示している対象者サブ表示領域611b-1に並置された第1番目の選択チェックボタン611a-1を入力操作し、前記複数の対象者のうちの他の1人として「201号室C様」を選択する場合には、「201号室C様」を表示している対象者サブ表示領域611b-3に並置された第3番目の選択チェックボタン611a-3を入力操作し、そして、前記複数の対象者のうちのさらに他の1人として「203号室E様」を選択する場合には、「203号室E様」を表示している対象者サブ表示領域611b-5に並置された第5番目の選択チェックボタン611a-5を入力操作する。これら3個の選択チェックボタン611a-1、611a-3、611a-5の入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、
図19に示すように、これら入力操作を受け付けたことを表示するチェックボックスを、これら3個の選択チェックボタン611a-1、611a-3、611a-5それぞれに表示する。そして、これら選択した複数の対象者を管理サーバ装置SVへ通知するために、携帯端末装置TAのユーザ(監視者)は、対象者選択画面61における「確定」ボタン612を入力操作する。
【0118】
前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、選択チェックボタン611aの入力操作を受け付けた後に、「確定」ボタン612の入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA制御処理部32によって、選択チェックボタン611aから入力された複数人の対象者(被監視者Ob)を管理サーバ装置SVへ通知するための通信信号(第2選択対象者通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する(C23)。この第2選択対象者通知通信信号には、選択チェックボタン611a-1~611a-5の入力操作によって入力された複数の対象者における各被監視者名および自機の端末IDが収容される。
【0119】
携帯端末装置TAから第2選択対象者通知通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV制御処理部22によって、前記第2選択対象者通知通信信号に収容された複数の被監視者名を、看介護記録のサーバ側対象者リスト(SV対象者リスト)として、前記第2選択対象者通知通信信号の送信元である携帯端末装置TAの端末IDと対応付けてSV記憶部23に記憶する。前記看介護記録のSV対象者リストは、携帯端末装置TAで看介護記録の対象者として選定された複数の被監視者Obの中の、看介護記録を受信していない複数の被監視者Obのリストである。上述の例では、前記看介護記録のSV対象者リストは、初期では、「101号室A様」と、「201号室C様」と、「203号室E様」とから成る。そして、管理サーバ装置SVは、SV看介護記録処理部223によって、看介護の種類に応じて予め用意され選択可能な記録書式の種類を表示し、複数人の対象者のために1つの記録書式の種類を選択するための画面(第2書式選択画面)のデータ(電子ファイル)を収容した通信信号(第2選択可能種類通知通信信号)を前記携帯端末装置TAへ返信する(C24)。
【0120】
前記第2書式選択画面65は、例えば、
図20に示すように、メニューバー領域511と、複数人の対象者のために、選択可能な1または複数の記録書式の種類をその名称で一覧で表示する書式表示領域651(651-1~651-6)とを備える。ここで、第2書式選択画面65の書式表示領域651には、記録書式名が表示されるだけでなく、複数人用であることを明示するために、
図20に示す例では「一括入力」も表示されている。そして、この「一括入力」が付加された記録書式名を表示する個々の領域651-1~651-6は、第2書式選択画面65が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示された場合に、監視者によって選択された記録書式の種類(
図20に示す例では記録書式名)を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタン(第2種類選択ボタン)でもある。
図20に示す例では、書式表示領域651は、食事ケア用の記録書式名として「食事ケア一括入力」を表示する「食事ケア一括入力」領域651-1と、排泄ケア用の記録書式名として「排泄ケア一括入力」を表示する「排泄ケア一括入力」領域651-2と、水分ケア用の記録書式名として「水分ケア一括入力」を表示する「水分ケア一括入力」領域651-3と、バイタルチェック用の記録書式名として「バイタルケア一括入力」を表示する「バイタルケア一括入力」領域651-4と、服薬ケア(投薬ケア)用の記録書式名として「服薬ケア一括入力」を表示する「服薬ケア一括入力」領域651-5と、MC/EC(Morning Care/Evening Care)用の記録書式名として「MC/EC一括入力」を表示する「MC/EC一括入力」領域651-6とを備える。そして、第2書式選択画面65が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示された場合に、前記「食事ケア一括入力」領域651-1は、食事ケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、前記「排泄ケア一括入力」領域651-2は、排泄ケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、前記「水分ケア一括入力」領域651-3は、水分ケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、前記「バイタルケア一括入力」領域651-4は、バイタルチェック用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、前記「服薬ケア一括入力」領域651-5は、服薬ケア用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンであり、前記「MC/EC一括入力」領域651-6は、MC/EC用の記録書式の選択を、当該携帯端末装置TAに入力するためのボタンである。
【0121】
管理サーバ装置SVから第2選択可能種類通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、第2書式選択画面65をTA表示部36に表示する。なお、TA表示部36の表示領域より、書式表示領域651が広く、「一括入力」が付加された記録書式名が全てTA表示部36の表示領域に表示できない場合には、例えばフリック(flick input)によってTA表示部36の表示領域に表示される書式表示領域651の領域部分が変更(例えばスクロール等)され、TA表示部36の表示領域に表示されていない、「一括入力」が付加された記録書式名が表示できるようになっている。
【0122】
前記タッチパネルを構成するTA入力部35から、「一括入力」が付加された記録書式名を表示する領域(第2種類選択ボタン)651の入力操作を受け付けて記録書式名の選択を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、複数の被監視者に対して入力する看介護記録における記録書類名を通知するための通信信号(第2選択種類通知通信信号)を管理サーバ装置SVへ送信する(C25)。前記第2選択種類通知通信信号には、前記選択された記録書式名が、複数の被監視者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類として収容され、さらに、自機の端末IDが収容される。前記第2選択種類通知通信信号は、1人の被監視者に対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号(第2種類通知通信信号)の一例に相当する。
【0123】
携帯端末装置TAから第2選択種類通知通信信号を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV看介護記録処理部223によって、この受信した第2選択種類通知通信信号に収容された記録書式名に対応する記録書式の電子ファイルを書式情報記憶部234から取り出し、携帯端末装置TAで被監視者Obを変更しながら前記複数の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取り出した記録書式の電子ファイルを収容した、記録書式を通知するための通信信号(第2書式通知信通信信号)を、前記携帯端末装置TAへ返信する(C26)。より具体的には、SV看介護記録処理部223は、携帯端末装置TAで前記看介護記録入力領域641を固定で表示しつつ前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の対象者名表示領域621を変更可能に表示できるように、前記取り出した記録書式を前記第2書式通知通信信号に収容する。この場合では、前記対象者名表示領域621は、その表示された被監視者名と前記看介護記録入力領域641とを互いに対応付けるための対象者対応付け領域でもある。管理サーバ装置SVから第2書式通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、記録書式画面64をTA表示部36に表示し、この受信した第2書式通知通信信号に収容された複数の被監視者名を看介護記録の端末側対象者リスト(TA対象者リスト)としてデータ仮記憶部334に記憶する。前記看介護記録のTA対象者リストは、対象者名表示領域621に変更可能に表示される複数の被監視者Obのリストである。したがって、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、前記看介護記録のTA対象者リストに載っている(リストアップされている)被監視者Obの範囲で対象者名表示領域621を変更する。
【0124】
例えば、処理C23で前記複数の対象者として3人の被監視者Obが選定された上述の例において、処理C25で「食事ケア一括入力」を表示する領域(第2種類選択ボタン)651-1が入力操作されると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、「一括入力」が付加された記録書式名として「食事ケア一括入力」を収容した第2選択種類通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信し、その返信として、携帯端末装置TAで被監視者Obを変更しながら前記3人の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できるように、食事ケア用の記録書式の電子ファイルを収容した第2書式通知信通信信号を受信し、例えば、
図21に示す食事ケア用記録書式画面64a(64a-1、64a-2、64a-3)をTA表示部36に表示する。
【0125】
この
図21に示す食事ケア用記録書式画面64a(64a-1、64a-2、64a-3)では、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、前記看介護記録入力領域641aを固定でTA表示部36に表示しつつ前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の対象者名表示領域621(621-1~621-3)を変更可能にTA表示部36に表示する。
図21に示す例では、
図21Bに示すように、「201号室C様」を対象者名表示領域621-2に表示する食事ケア用記録書式画面64a-2が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示されている。なお、この初期表示の場合において、
図21Aに示す「101号室A様」を対象者名表示領域621-1に表示する食事ケア用記録書式画面64a-1が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示されて良く、また、
図21Cに示す「203号室E様」を対象者名表示領域621-3に表示する食事ケア用記録書式画面64a-3が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示されて良い。
【0126】
監視者(ユーザ)は、TA表示部36に表示された記録書式を参照し、「201号室C様」を対象者として看介護の内容を入力する場合には、
図21Bに示す「201号室C様」を対象者名表示領域621-2に表示する食事ケア用記録書式画面64a-2が携帯端末装置TAのTA表示部36に表示されている、このままの状態で、この記録書式の入力項目に応じた看介護の内容を入力する。この入力された看介護の内容は、TA看介護記録処理部325によって、看介護記録として、対象者名表示領域621に表示されている被監視者名(この場合では「201号室C様」)と対応付けてデータ仮記憶部334に一時的に記憶される。そして、対象者名表示領域621に他の被監視者名(この場合では「101号室A様」または「203号室E様」)を表示する食事ケア用記録書式画面64aから、対象者名表示領域621に当該被監視者名(この場合では「201号室C様」)を表示する食事ケア用記録書式画面64aへ変更された場合には、TA看介護記録処理部325によって、データ仮記憶部334に一時的に記憶される看介護の内容が看介護記録入力領域641aに表示される。
【0127】
一方、監視者(ユーザ)は、TA表示部36に表示された記録書式を参照し、「101号室A様」を対象者として看介護の内容を入力する場合には、この
図21Bに示す食事ケア用記録書式画面64a-2において、「201号室C様」を表示する対象者名表示領域621を入力操作、例えば、左から右へフリックする。「201号室C様」を表示する対象者名表示領域621が入力操作(ここでは左から右へフリック)されると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、
図21Aに示す、「101号室A様」を対象者名表示領域621に表示する食事ケア用記録書式画面64a-1をTA表示部36に表示する。この表示状態で、監視者(ユーザ)は、記録書式の入力項目に応じた看介護の内容を入力する。この入力された看介護の内容は、TA看介護記録処理部325によって、看介護記録として、対象者名表示領域621に表示されている被監視者名(この場合では「101号室A様」)と対応付けてデータ仮記憶部334に一時的に記憶される。そして、対象者名表示領域621に他の被監視者名(この場合では「201号室C様」または「203号室E様」)を表示する食事ケア用記録書式画面64aから、対象者名表示領域621に当該被監視者名(この場合では「101号室A様」)を表示する食事ケア用記録書式画面64aへ変更された場合には、TA看介護記録処理部325によって、データ仮記憶部334に一時的に記憶される看介護の内容が看介護記録入力領域641aに表示される。
【0128】
あるいは、
図21Bの表示状態において、監視者(ユーザ)は、TA表示部36に表示された記録書式を参照し、「203号室E様」を対象者として看介護の内容を入力する場合には、この
図21Bに示す食事ケア用記録書式画面64a-2において、「201号室C様」を表示する対象者名表示領域621を入力操作、例えば、右から左へフリックする。「201号室C様」を表示する対象者名表示領域621が入力操作(ここでは右から左へフリック)されると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、
図21Cに示す、「203号室E様」を対象者名表示領域621に表示する食事ケア用記録書式画面64a-3をTA表示部36に表示する。この表示状態で、監視者(ユーザ)は、記録書式の入力項目に応じた看介護の内容を入力する。この入力された看介護の内容は、TA看介護記録処理部325によって、看介護記録として、対象者名表示領域621に表示されている被監視者名(この場合では「203号室E様」)と対応付けてデータ仮記憶部334に一時的に記憶される。そして、対象者名表示領域621に他の被監視者名(この場合では「201号室C様」または「101号室A様」)を表示する食事ケア用記録書式画面64aから、対象者名表示領域621に当該被監視者名(この場合では「203号室E様」)を表示する食事ケア用記録書式画面64aへ変更された場合には、TA看介護記録処理部325によって、データ仮記憶部334に一時的に記憶される看介護の内容が看介護記録入力領域641aに表示される。
【0129】
上述のように動作するので、監視者(ユーザ)は、或る1人の対象者について、記録書式における各入力項目全てに応じた看介護の各内容を入力し、その後、他の1人の対象者について、記録書式における各入力項目全てに応じた看介護の各内容を入力し、以下同様に、1人の対象者ずつ、順次に、記録書式における各入力項目全てに応じた看介護の各内容を入力して行くことができる。あるいは、監視者(ユーザ)は、記録書式における或る1つの入力項目について、順次に対象者を変更しながら対象者全ての看介護の内容を入力し、その後、他の1つの入力項目について、順次に対象者を変更しながら対象者全ての看介護の内容を入力し、以下同様に、1つの入力項目ずつ、順次に、対象者を変更しながら対象者全ての看介護の内容を入力して行くこともできる。あるいは、監視者(ユーザ)は、対象者を変更しつつ、入力項目も変更しつつ、看介護の内容を入力できる。
【0130】
そして、対象者名表示領域621に表示されている被監視者名の対象者について、入力しようと思う看介護の内容(必ずしも全入力項目の入力が必要ではない)を入力した場合には、監視者(ユーザ)は、「送信する」ボタン643を入力操作する。「送信する」ボタン643の入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、自機の端末ID、TA表示部36における対象者名表示領域621に表示されている対象者名(被監視者名)、および、TA表示部36における対象者名表示領域621に表示されている対象者名(被監視者名)に対応付けられている、データ仮記憶部334に記憶された看介護記録の内容を収容する看介護記録通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する(C27(C27-1~C27-3))。送信すると、TA看介護記録処理部325は、この送信した看介護記録通知通信信号に収容した被監視者名に対応する、データ仮記憶部334に記憶された前記看介護記録の内容を消去(削除)し、前記送信した看介護記録通知通信信号に収容した被監視者名を看介護記録のTA対象者リストから削除し、この削除した看介護記録のTA対象者リストに載っている残余の被監視者Obの中のいずれか1人の被監視者名を表示する前記対象者名表示領域621と前記看介護記録入力領域641とを備える記録書式画面64をTA表示部36に新たに表示する。したがって、前記送信した看介護記録通知通信信号に収容した被監視者名を対象者名表示領域621に表示する記録書式画面64は、表示されない。
【0131】
管理サーバ装置SVは、この看介護記録通知通信信号を受信すると、SV看介護記録処理部223によって、この受信した看介護記録通知通信信号に収容された、対象者名(被監視者名)と看介護記録の内容とを互いに対応付けて看介護記録情報記憶部235に記憶し、前記受信した看介護記録通知通信信号に収容された、対象者名(被監視者名)を、前記受信した看介護記録通知通信信号に収容された端末IDに対応付けられてSV記憶部23に記憶されている看介護記録のSV対象者リストから削除する。
【0132】
例えば、上述の
図21Bに示す「201号室C様」を対象者名表示領域621-2に表示する食事ケア用記録書式画面64a-2をTA表示部36に表示している場合において、「送信する」ボタン643の入力操作を受け付けると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、自機の端末ID、「201号室C様」、および、「201号室C様」に対応付けられている、データ仮記憶部334に記憶された看介護記録の内容(上述の例では食事ケア用記録書式画面64a-2を用いて入力された主食の摂取量、副食の摂取量、メモ、ケア実施時間および共有化の許否)を収容する看介護記録通知通信信号を管理サーバ装置SVへ送信する。送信すると、TA看介護記録処理部325は、この送信した看介護記録通知通信信号に収容した「201号室C様」に対応する、データ仮記憶部334に記憶された前記看介護記録の内容を消去(削除)し、前記送信した看介護記録通知通信信号に収容した「201号室C様」を看介護記録のTA対象者リストから削除し、この削除した看介護記録のTA対象者リストに載っている残余の被監視者Ob、この例では「101号室A様」および「203号室E様」の中のいずれか1人の被監視者名、例えば「101号室A様」を表示する対象者名表示領域621-1と看介護記録入力領域641aとを備える記録書式画面64a-1をTA表示部36に新たに表示する。なお、この場合において、「203号室E様」を表示する対象者名表示領域621-3と看介護記録入力領域641aとを備える記録書式画面64a-3がTA表示部36に新たに表示されても良い。前記送信した看介護記録通知通信信号に収容した「201号室C様」が看介護記録のTA対象者リストから削除されることによって、この削除した看介護記録のTA対象者リストに載っている残余の「101号室A様」および「203号室E様」の範囲で、食事ケア用記録書式画面64a-1、64a-3が変更可能とされる。
【0133】
管理サーバ装置SVは、この看介護記録通知通信信号を受信すると、SV看介護記録処理部223によって、この受信した看介護記録通知通信信号に収容された「201号室C様」と看介護記録の内容(上述の例では主食の摂取量、副食の摂取量、メモ、ケア実施時間および共有化の許否)とを互いに対応付けて看介護記録情報記憶部235に記憶し、前記受信した看介護記録通知通信信号に収容された「201号室C様」を、前記受信した看介護記録通知通信信号に収容された端末IDに対応付けられてSV記憶部23に記憶されている看介護記録のSV対象者リストから削除する。
【0134】
そして、同様に、「101号室A様」について、看介護記録通知通信信号が送信され(C27-2)、その被監視者名が看介護記録のTA対象者リストから削除され、管理サーバ装置SVでは、その被監視者名と対応付けて看介護記録が記憶され、その被監視者名が看介護記録のSV対象者リストから削除される。「203号室E様」について、看介護記録通知通信信号が送信され(C27-3)、その被監視者名が看介護記録のTA対象者リストから削除され、管理サーバ装置SVでは、その被監視者名と対応付けて看介護記録が記憶され、その被監視者名が看介護記録のSV対象者リストから削除される。
【0135】
端末IDに対応付けられた看介護記録のSV対象者リストに被監視者名が無くなると、すなわち、前記複数の被監視者Ob全ての各看介護記録を受信すると、管理サーバ装置SVは、SV看介護記録処理部223によって、第1選択可能種類通知通信信号を携帯端末装置TAへ送信する(C28)。管理サーバ装置SVから第1選択可能種類通知通信信号を受信すると、携帯端末装置TAは、TA看介護記録処理部325によって、例えば
図15に示す第1書式選択画面63をTA表示部36に表示する。
【0136】
第2モードでの看介護記録の動作では、このような各処理が実行され、記録書式を用いて看介護記録が携帯端末装置TAから入力され、管理サーバ装置SVに記憶(記録)される。
【0137】
以上説明したように、本実施形態における被監視者監視システムMS、前記中央処理装置の一例である管理サーバ装置SVおよびこれに実装された中央処理方法は、端末装置SP、TAで被監視者Obを変更しながら前記複数の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できるように、書式情報記憶部234から取り出した記録書式を収容する第2書式通知通信信号を、前記端末装置SP、TAへ返信する。このため、前記第2書式通知通信信号を受信した端末装置SP、TAは、被監視者Obを変更しながら前記複数の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記第2書式通知通信信号に収容された記録書式を出力できる。前記端末装置SP、TAを取り扱うユーザ(監視者)は、同種の看介護について、その看介護の種類に対応した記録書式を用い、被監視者Obを変更しながら前記複数の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できる。例えばバイタルチェックや食事等は、複数の要看介護者に対して略同じ時間帯に実施されるケースが多く、前記バイタルチェックに対する看介護記録では、バイタル用の記録書式を用い、看介護記録の対象者のみを変更しつつ、複数の対象者それぞれについて看介護の内容を入力でき、前記食事に対する看介護記録では、食事ケア用の記録書式を用い、看介護記録の対象者(被監視者Ob)のみを変更しつつ、複数の対象者それぞれについて看介護の内容を入力できる。したがって、上記被監視者監視システムMS、管理サーバ装置SVおよび中央処理方法は、前記特許文献1に開示されたナースコールシステムのように、対象者ごとに、被看護人識別IDの読み出しおよび処置内容の選択を繰り返す必要が無く、あるいは、第1モードのように、対象者ごとに記録書式の種類の選択を繰り返す必要が無く、第2モードでは、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0138】
上記被監視者監視システムMS、管理サーバ装置SVおよび中央処理方法は、端末装置SP、TAで看介護記録入力領域641を固定で表示しつつ前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の対象者名表示領域621を変更可能に表示できるように、書式情報記憶部234から取り出した記録書式を収容する第2書式通知通信信号を、前記端末装置SP、TAへ返信する。このため、前記第2書式通知通信信号を受信した端末装置SP、TAは、端末装置SP、TAで看介護記録入力領域641を固定で表示しつつ前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の対象者名表示領域621を変更可能に表示できるように、前記第2書式通知通信信号に収容された記録書式を出力できる。前記端末装置SP、TAを取り扱うユーザ(監視者)は、対象者名表示領域621を変更するというワンアクションで、被監視者Obを変更しながら前記複数の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できる。したがって、上記被監視者監視システムMS、管理サーバ装置SVおよび中央処理方法は、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0139】
上記被監視者監視システムMS、管理サーバ装置SVおよび中央処理方法は、前記複数の被監視者Ob全ての各看介護記録を受信した場合に、第1書式選択画面63のデータを収容する第1選択可能種類通知通信信号を、前記端末装置SP、TAへ送信する。このため、前記端末装置SP、TAは、前記複数の被監視者Ob全ての各看介護記録を送信後、前記第1選択可能種類通知通信信号を受信して第1書式選択画面63を出力できる。前記端末装置SP、TAを取り扱うユーザ(監視者)は、前記複数の被監視者Ob全ての各看介護記録を前記端末装置SP、TAに入力して管理サーバ装置SVへ送信後、看介護の別の種類に対する看介護記録を行う場合に、第1書式選択画面63の出力を要求する指示を前記端末装置SP、TAに入力する必要が無く、自動的に出力された第1書式選択画面63から、前記別の種類を選択できる。したがって、上記被監視者監視システムMS、管理サーバ装置SVおよび中央処理方法は、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0140】
本実施形態における被監視者監視システムMSの端末装置SP、TAは、前記複数の被監視者Obから、看介護記録を管理サーバ装置SVへ送信済みの被監視者Obを除いた残余の被監視者Obの中のいずれか1人の被監視者名を表示する前記対象者名表示領域621と前記看介護記録入力領域641とを備える記録書式画面64をTA表示部36に新たに表示し、前記残余の被監視者Obを新たに前記複数の被監視者Obとするので、看介護記録の送信のたびに、次に選択する被監視者Obの範囲が狭まるため、次の被監視者Obを容易に選択でき、被監視者Obの二重選択を防止できる。
【0141】
なお、上述の実施形態では、端末装置SP、TAで被監視者Obを変更しながら前記複数の被監視者Obそれぞれについて看介護の内容を入力できるように、SV看介護記録処理部223は、端末装置SP、TAで看介護記録入力領域641を固定で表示しつつ前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の対象者名表示領域621を変更可能に表示できるように、書式情報記憶部234から取り出した記録書式を第2書式通知通信信号に収容したが、これに限定されるものではない。例えば、SV看介護記録処理部223は、書式情報記憶部234から取り出した記録書式から、前記複数の被監視者Obそれぞれについて前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の記録書式を生成し、これら生成した複数の記録書式を前記第2書式通知通信信号に収容しても良い。この場合では、端末装置SP、TAでは、例えばフリック等の入力操作に応じて、前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の記録書式画面64全体が対象者ごとに変更されてTA表示部36に表示される。また例えば、SV看介護記録処理部223は、書式情報記憶部234から取り出した1つの記録書式、および、この取り出した1つの記録書式から、前記複数の被監視者Obそれぞれについて前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の記録書式を生成する記録書式生成命令を前記第2書式通知通信信号に収容しても良い。この場合では、端末装置SP、TAでは、記録書式生成命令に従って前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の記録書式画面64がそれぞれ生成され、例えばフリック等の入力操作に応じて、前記複数の被監視者Obそれぞれに対応する複数の記録書式画面64全体が対象者ごとに変更されてTA表示部36に表示される。
【0142】
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0143】
一態様にかかる中央処理装置は、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの前記中央処理装置であって、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の種類に対応して作成され、前記看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶する書式情報記憶部と、前記端末装置から、複数の被監視者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、前記書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、前記端末装置で前記被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置へ返信する看介護記録処理部とを備える。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記看介護記録処理部は、前記取り出した記録書式から、前記複数の被監視者それぞれについて前記複数の被監視者それぞれに対応する複数の記録書式を生成し、前記生成した複数の記録書式を前記書式通知通信信号に収容する。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記看介護記録処理部は、前記取り出した1つの記録書式、および、前記取り出した1つの記録書式から、前記複数の被監視者それぞれについて前記複数の被監視者それぞれに対応する複数の記録書式を生成する記録書式生成命令を前記書式通知通信信号に収容する。好ましくは、上述の中央処理装置において、前記看介護記録処理部は、前記端末装置から、1人の被監視者に対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための第1種類通知通信信号を受信した場合に、前記書式情報記憶部から、前記第1種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、前記取り出した記録書式を収容する第1書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置へ返信し、前記端末装置から、複数の被監視者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための第2種類通知通信信号を受信した場合に、前記書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出し、前記端末装置で前記被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取り出した記録書式を収容する第2書式通知通信信号を、前記第1種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置へ返信する。
【0144】
このような中央処理装置は、端末装置で被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、書式情報記憶部から取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記端末装置へ返信する。このため、前記書式通知通信信号を受信した端末装置は、被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記書式通知通信信号に収容された記録書式を出力できる。前記端末装置を取り扱うユーザ(監視者)は、同種の看介護について、その看介護の種類に対応した記録書式を用い、被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できる。例えばバイタルチェックや食事等は、複数の要看介護者に対して略同じ時間帯に実施されるケースが多く、前記バイタルチェックに対する看介護記録では、バイタル用の記録書式を用い、看介護記録の対象者のみを変更しつつ、複数の対象者それぞれについて看介護の内容を入力でき、前記食事に対する看介護記録では、食事ケア用の記録書式を用い、看介護記録の対象者のみを変更しつつ、複数の対象者それぞれについて看介護の内容を入力できる。したがって、上記中央処理装置は、前記特許文献1に開示されたナースコールシステムのように、対象者ごとに、被看護人識別IDの読み出しおよび処置内容の選択を繰り返す必要が無く、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0145】
他の一態様では、上述の中央処理装置において、前記記録書式は、被監視者名を表示する対象者名表示領域と、前記看介護の内容を前記看介護記録として入力するための看介護記録入力領域とを備える記録書式画面のデータであり、前記対象者名表示領域は、さらに、その表示された被監視者名と前記看介護記録入力領域とを互いに対応付けるための対象者対応付け領域であり、前記看介護記録処理部は、前記端末装置で前記看介護記録入力領域を固定で表示しつつ前記複数の被監視者それぞれに対応する複数の対象者名表示領域を変更可能に表示できるように、前記取り出した記録書式を前記書式通知通信信号に収容する。
【0146】
このような中央処理装置は、端末装置で看介護記録入力領域を固定で表示しつつ前記複数の被監視者それぞれに対応する複数の対象者名表示領域を変更可能に表示できるように、書式情報記憶部から取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記端末装置へ返信する。このため、前記書式通知通信信号を受信した端末装置は、端末装置で看介護記録入力領域を固定で表示しつつ前記複数の被監視者それぞれに対応する複数の対象者名表示領域を変更可能に表示できるように、前記書式通知通信信号に収容された記録書式を出力できる。前記端末装置を取り扱うユーザ(監視者)は、対象者名表示領域を変更するというワンアクションで、被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できる。したがって、上記中央処理装置は、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0147】
他の一態様では、上述の中央処理装置において、前記看介護記録処理部は、前記複数の被監視者全ての各看介護記録を受信した場合に、選択可能な記録書式の種類を表示して記録書式の種類を選択するための書式選択画面のデータを収容する選択可能種類通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置へ送信する。
【0148】
このような中央処理装置は、前記複数の被監視者全ての各看介護記録を受信した場合に、書式選択画面のデータを収容する選択可能種類通知通信信号を、前記端末装置へ送信(返信)する。このため、前記端末装置は、前記複数の被監視者全ての各看介護記録を送信後、前記選択可能種類通知通信信号を受信して書式選択画面を出力できる。前記端末装置を取り扱うユーザ(監視者)は、前記複数の被監視者全ての各看介護記録を前記端末装置に入力して中央処理装置へ送信後、看介護の別の種類に対する看介護記録を行う場合に、書式選択画面の出力を要求する指示を前記端末装置に入力する必要が無く、自動的に出力された書式選択画面から、前記別の種類を選択できる。したがって、上記中央処理装置は、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0149】
他の一態様にかかる中央処理方法は、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムの中央処理方法であって、前記端末装置から、複数の被監視者それぞれに対して入力する看介護記録における看介護の種類を通知するための種類通知通信信号を受信した場合に、前記看介護の種類に対応して作成され前記看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を記憶する書式情報記憶部から、前記種類通知通信信号に収容された看介護の種類に対応する記録書式を取り出す取出工程と、前記端末装置で前記被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取出工程で取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記種類通知通信信号を送信した送信元の前記端末装置へ返信する返信工程とを備える。
【0150】
このような中央処理方法は、端末装置で被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記取出工程で取り出した記録書式を収容する書式通知通信信号を、前記端末装置へ返信する。このため、前記書式通知通信信号を受信した端末装置は、被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できるように、前記書式通知通信信号に収容された記録書式を出力できる。前記端末装置を取り扱うユーザ(監視者)は、同種の看介護について、その看介護の種類に対応した記録書式を用い、被監視者を変更しながら前記複数の被監視者それぞれについて看介護の内容を入力できる。したがって、上記中央処理方法は、前記特許文献1に開示されたナースコールシステムのように、対象者ごとに、被看護人識別IDの読み出しおよび処置内容の選択を繰り返す必要が無く、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0151】
他の一態様にかかる被監視者監視システムは、監視対象である被監視者に対応して設けられ、前記被監視者に関わる所定のイベントを検知するセンサ装置、前記センサ装置と通信可能に接続され、前記センサ装置で検知されて前記センサ装置から受信したイベントを管理する中央処理装置、および、前記中央処理装置と通信可能に接続され前記中央処理装置を介して前記センサ装置で検知されたイベントの通知を受ける端末装置を備え、前記被監視者を監視するための被監視者監視システムであって、前記中央処理装置は、これら上述のいずれかの中央処理装置である。
【0152】
このような被監視者監視システムは、これら上述のいずれかの中央処理装置を備えるので、看介護記録の手間や時間をより低減できる。
【0153】
他の一態様では、上述の被監視者監視システムにおいて、前記端末装置は、入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部と、制御を行う制御部とを備え、前記入力部は、前記表示部に表示している対象者名表示領域に表示された被監視者名と、前記表示部に表示している看介護記録入力領域に入力された看介護の内容とを、互いに対応付けて前記中央処理装置へ送信する指示を受け付け、前記制御部は、前記入力部で前記指示を受け付けた場合に、前記表示部に表示している対象者名表示領域に表示された被監視者名と、前記表示部に表示している看介護記録入力領域に入力された看介護の内容とを収容する看介護記録通知通信信号を前記中央処理装置へ送信し、前記複数の被監視者から前記看介護記録通知通信信号に収容された被監視者名の被監視者を除いた残余の被監視者の中のいずれか1人の被監視者名を表示する前記対象者名表示領域と前記看介護記録入力領域とを備える記録書式画面を前記表示部に新たに表示し、前記残余の被監視者を新たに前記複数の被監視者とする。
【0154】
このような被監視者監視システムの端末装置は、前記複数の被監視者から、看介護記録を中央処理装置へ送信済みの被監視者を除いた残余の被監視者の中のいずれか1人の被監視者名を表示する前記対象者名表示領域と前記看介護記録入力領域とを備える記録書式画面を前記表示部に新たに表示し、前記残余の被監視者を新たに前記複数の被監視者とするので、看介護記録の送信のたびに、次に選択する被監視者の範囲が狭まるため、次の被監視者を容易に選択でき、被監視者の二重選択を防止できる。
【0155】
この出願は、2016年6月29日に出願された日本国特許出願特願2016-128580を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0156】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明によれば、被監視者監視システムの中央処理装置および中央処理方法ならびに被監視者監視システムが提供できる。