(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】光源駆動装置及びヘッドアップディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/155 20200101AFI20220301BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20220301BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20220301BHJP
H05B 45/12 20200101ALI20220301BHJP
H05B 45/30 20200101ALI20220301BHJP
H05B 45/3725 20200101ALI20220301BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20220301BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220301BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B47/165
H05B47/11
H05B45/12
H05B45/30
H05B45/3725
G09G3/34 J
G09G3/34 D
G09G3/20 680B
G09G3/20 631V
G09G3/20 642P
G09G3/20 642C
G09G3/20 642L
G02B27/01
(21)【出願番号】P 2018553796
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(86)【国際出願番号】 JP2017041781
(87)【国際公開番号】W WO2018101121
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】P 2016231649
(32)【優先日】2016-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017144221
(32)【優先日】2017-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】倉石 友也
(72)【発明者】
【氏名】秦 誠
(72)【発明者】
【氏名】川手 貴生人
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-165400(JP,A)
【文献】特開2007-189004(JP,A)
【文献】特開2005-267999(JP,A)
【文献】特開2014-041315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
G09G 3/34
G09G 3/20
G02B 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光を発する第1の光源と、前記第1の光と異なる色の第2の光を発する第2の光源と、を駆動させる光源駆動装置であって、
電源からの電源電圧に基づき前記第1の光源に印加する第1電圧を調整する第1電圧調整部と、
前記電源電圧又は前記第1電圧を電力源として、前記第2の光源に印加する第2電圧を生成する第2電圧調整部と、
前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が所望の光強度比となるように前記第1電圧及び前記第2電圧を設定し、前記第1電圧調整部及び前記第2電圧調整部を通じて、設定された前記第1電圧及び前記第2電圧をそれぞれ前記第1の光源及び前記第2の光源に印加する電圧可変調光処理を行う制御部と、
前記第1の光源に供給する第1電流を調整する第1電流調整部と、
前記第2の光源に供給する第2電流を調整する第2電流調整部と、
要求輝度に応じた前記第1の光源に印加する前記第1電圧の値を示す第1電圧データテーブルと、前記要求輝度に応じた前記第2の光源に印加する前記第2電圧の値を示す第2電圧データテーブルとが記憶されるメモリと、を備え、
前記制御部は、
前記要求輝度が第1閾値未満の場合には、前記電圧可変調光処理において、前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が前記所望の光強度比となりつつ前記要求輝度に応じた前記第1電圧及び前記第2電圧を設定し、
前記要求輝度が前記第1閾値以上の場合には、前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が前記所望の光強度比となりつつ前記要求輝度に応じた前記第1電流及び前記第2電流を設定し、前記第1電流調整部及び前記第2電流調整部を通じて、設定された前記第1電流及び前記第2電流をそれぞれ前記第1の光源及び前記第2の光源に供給する電流可変調光処理を行い、
前記第1電圧データテーブル及び前記第2電圧データテーブルは、
前記要求輝度が前記第1閾値より小さい値に設定される第2閾値以上であるときそれぞれ同一の値をとり、
前記要求輝度が前記第2閾値未満であるとき前記要求輝度に応じた表示輝度を実現する前記第1電圧及び前記第2電圧となるようにそれぞれ異なる値をとり、
前記制御部は、
前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が前記所望の光強度比となるように、前記第1電圧データテーブル及び前記第2電圧データテーブルを参照して前記要求輝度に応じた前記第1電圧及び前記第2電圧を設定する、
光源駆動装置。
【請求項2】
前記第1の光の光強度及び前記第2の光の光強度を検出する光強度検出部を備え、
前記メモリには、前記要求輝度に応じた前記第1の光源に供給する前記第1電流の値を示す電流データテーブルが記憶され、
前記制御部は、前記電流可変調光処理においては、前記電流データテーブルを参照して前記要求輝度に応じた前記第1電流を設定するとともに、前記光強度検出部の検出結果に基づき前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が前記所望の光強度比となるように、当該設定された前記第1電流を基準として前記第2電流を設定する、
請求項1に記載の光源駆動装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記電流可変調光処理においては、前記第1電圧調整部を通じて前記第1電圧を一定に保持し、
前記電圧可変調光処理においては、前記要求輝度が低くなるにつれて前記第1電圧調整部を通じて徐々に前記第1電圧を低下させる、
請求項1又は2に記載の光源駆動装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記電圧可変調光処理においては、前記第1電流調整部を通じて前記第1電流を一定に保持し、
前記電流可変調光処理においては、前記第1電流調整部を通じて前記要求輝度に応じた前記第1電流を設定する、
請求項1から3の何れか1項に記載の光源駆動装置。
【請求項5】
前記光源駆動装置は、前記第1の光源及び前記第2の光源に加えて、前記第1の光及び前記第2の光と異なる色の第3の光を発する第3の光源を駆動させ、
さらに、前記光源駆動装置は、
前記電源電圧又は前記第1電圧を電力源として、前記第3の光源に印加する第3電圧を生成する第3電圧調整部と、
前記第3の光源に供給する第3電流を調整する第3電流調整部と、を備え、
前記制御部は、
前記電圧可変調光処理においては、前記第1の光、前記第2の光及び前記第3の光の光強度比が所望の光強度比となるように、前記第1電圧、前記第2電圧及び前記第3電圧を設定し、
前記電流可変調光処理においては、前記第1の光、前記第2の光及び前記第3の光の光強度比が前記所望の光強度比となるように、前記第1電流、前記第2電流及び前記第3電流を設定する、
請求項1から4の何れか1項に記載の光源駆動装置。
【請求項6】
前記第1電圧調整部は、前記電源電圧を降圧することで前記第1電圧を生成し、
前記第2電圧調整部は、前記第1電圧調整部を通じて生成された前記第1電圧を受けて前記第2電圧を生成する、
請求項1から5の何れか1項に記載の光源駆動装置。
【請求項7】
第1の光を発する第1の光源と、前記第1の光と異なる色の第2の光を発する第2の光源と、を駆動させる光源駆動装置であって、
電源からの電源電圧に基づき前記第1の光源に印加する第1電圧を調整する第1電圧調整部と、
前記電源電圧又は前記第1電圧を電力源として、前記第2の光源に印加する第2電圧を生成する第2電圧調整部と、
前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が所望の光強度比となるように前記第1電圧及び前記第2電圧を設定し、前記第1電圧調整部及び前記第2電圧調整部を通じて、設定された前記第1電圧及び前記第2電圧をそれぞれ前記第1の光源及び前記第2の光源に印加する電圧可変調光処理を行う制御部と、
前記第1電圧調整部により調整された前記第1電圧を平滑化する第1平滑用コンデンサと、
前記第2電圧調整部により調整された前記第2電圧を平滑化する第2平滑用コンデンサと、
前記第1平滑用コンデンサからグランドへの第1放電流路を導通するオン状態と前記第1放電流路を遮断するオフ状態との間で切り替わる第1スイッチ部と、
前記第2平滑用コンデンサからグランドへの第2放電流路を導通するオン状態と前記第2放電流路を遮断するオフ状態との間で切り替わる第2スイッチ部と、を備え、
前記制御部は、前記第1電圧及び前記第2電圧をそれぞれ要求輝度に応じた要求電圧に低下させる際、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部を前記オフ状態から前記オン状態に切り替える、
光源駆動装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1電圧及び前記第2電圧をそれぞれ前記要求電圧に低下させる際、前記第1電圧及び前記第2電圧が前記要求電圧に到達するタイミングを近づける又は一致させるように、前記第1スイッチ部及び前記第2スイッチ部それぞれを異なるタイミングで前記オフ状態から前記オン状態に切り替える、
請求項7に記載の光源駆動装置。
【請求項9】
前記第1放電流路に設けられる第1抵抗と、
前記第2放電流路に設けられる第2抵抗と、を備え、
前記第1抵抗の抵抗値及び前記第2抵抗の抵抗値は、前記第1電圧及び前記第2電圧をそれぞれ前記要求電圧に低下させる際、前記第1電圧及び前記第2電圧が前記要求電圧に到達するタイミングを近づける又は一致させるように、互いに異なる値に設定される、
請求項7又は8に記載の光源駆動装置。
【請求項10】
請求項1から9の何れか1項に記載の光源駆動装置と、
前記光源駆動装置により駆動された前記各光源からの前記各光を合成する光合成部と、
前記光合成部により合成された合成光に基づきスクリーンに画像を生成する表示素子と、
前記表示素子からの前記画像を表す表示光を投射部材に向けて投射することで虚像を表示させる光学系と、を備える、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源駆動装置及びヘッドアップディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から表示装置として、例えば、表示素子であるDMD(Digital Micro-mirror Device)が設けられた構成が知られている。例えば、特許文献1に記載の表示装置は、DMDが有する複数のマイクロミラーにて照明光を反射させることで画像光を生成する。この表示装置は光源を駆動する制御部を含む光源駆動装置を備え、この制御部は、それぞれ赤色、緑色及び青色の光を発する3つの光源のうち何れか一つを選択的に発光させ、発光する光源をサブフレーム毎に高速で切り替えることで所望の色の照明光を生成する、いわゆるフィールドシーケンシャル方式により動作する。
【0003】
例えば、この制御部は、光源へ電流を供給する際、サブフレームに占める電流供給期間を示すオンデューティ比を変化させるPWM(Pulse Width Modulation)制御と、電流値を変化させるPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御と、を同時に実行する。具体的には、制御部は、要求される光源の輝度、すなわち要求輝度が低下するにつれてオンデューティ比を階段状に小さくするようにPWM制御を行うとともに、オンデューティ比が所定の値にあるときに要求輝度が低下するにつれて光源に供給する電流値を低下させるPAM制御を行う。これにより、要求輝度に応じた表示輝度が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の表示装置においては、制御部は、上記PAM制御を行う際、電流値を制御することで、要求輝度に応じた表示輝度を実現していた。しかし、電流値の安定した制御が困難な状況では、光の安定性を確保することが困難となる。一例としては、要求輝度が低い場合には、要求輝度に応じて光源に供給される電流値も小さくなる。このため、電流値はノイズの影響を受けやすく、光の安定性を確保することが困難となり、ひいては所望の輝度や色度を実現することが困難となる。
【0006】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、光の安定性をより確保することができる光源駆動装置及びヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る光源駆動装置は、第1の光を発する第1の光源と、前記第1の光と異なる色の第2の光を発する第2の光源と、を駆動させる光源駆動装置であって、電源からの電源電圧に基づき前記第1の光源に印加する第1電圧を調整する第1電圧調整部と、前記電源電圧又は前記第1電圧を電力源として、前記第2の光源に印加する第2電圧を生成する第2電圧調整部と、前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が所望の光強度比となるように前記第1電圧及び前記第2電圧を設定し、前記第1電圧調整部及び前記第2電圧調整部を通じて、設定された前記第1電圧及び前記第2電圧をそれぞれ前記第1の光源及び前記第2の光源に印加する電圧可変調光処理を行う制御部と、前記第1の光源に供給する第1電流を調整する第1電流調整部と、前記第2の光源に供給する第2電流を調整する第2電流調整部と、要求輝度に応じた前記第1の光源に印加する前記第1電圧の値を示す第1電圧データテーブルと、前記要求輝度に応じた前記第2の光源に印加する前記第2電圧の値を示す第2電圧データテーブルとが記憶されるメモリと、を備える。前記制御部は、前記要求輝度が第1閾値未満の場合には、前記電圧可変調光処理において、前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が前記所望の光強度比となりつつ前記要求輝度に応じた前記第1電圧及び前記第2電圧を設定し、前記要求輝度が前記第1閾値以上の場合には、前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が前記所望の光強度比となりつつ前記要求輝度に応じた前記第1電流及び前記第2電流を設定し、前記第1電流調整部及び前記第2電流調整部を通じて、設定された前記第1電流及び前記第2電流をそれぞれ前記第1の光源及び前記第2の光源に供給する電流可変調光処理を行う。前記第1電圧データテーブル及び前記第2電圧データテーブルは、前記要求輝度が前記第1閾値より小さい値に設定される第2閾値以上であるときそれぞれ同一の値をとり、前記要求輝度が前記第2閾値未満であるとき前記要求輝度に応じた表示輝度を実現する前記第1電圧及び前記第2電圧となるようにそれぞれ異なる値をとる。前記制御部は、前記第1の光及び前記第2の光の光強度比が前記所望の光強度比となるように、前記第1電圧データテーブル及び前記第2電圧データテーブルを参照して前記要求輝度に応じた前記第1電圧及び前記第2電圧を設定する。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るヘッドアップディスプレイ装置は、上記光源駆動装置と、前記光源駆動装置により駆動された前記各光源からの前記各光を合成する光合成部と、前記光合成部により合成された合成光に基づきスクリーンに画像を生成する表示素子と、前記表示素子からの前記画像を表す表示光を投射部材に向けて投射することで虚像を表示させる光学系と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光の安定性をより確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置が搭載された車両の模式図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す概略図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を示す概略図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る光源駆動装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る論理回路の電気的構成を示す回路図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る光源駆動回路の一部及び電源制御ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る電源制御ユニットの具体的な電気的構成を示す回路図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る表示素子の状態と各光源に供給される電流を示すタイミングチャートである。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る(a)~(f)はサブフレームにおける各種信号と駆動電流を示すタイミングチャートである。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る(a)~(f)はサブフレームにおける各種信号と駆動電流を示すタイミングチャートである。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係る調光処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第1の実施形態に係る(a)は要求輝度とHUD輝度との関係を示す図であり、(b)は表示期間割合データテーブルを示す図であり、(c)は電流データテーブルを示す図であり、(d)は制限データテーブルを示す図であり、(e)は電圧データテーブルを示す図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る各光源に対応する電圧データテーブルを示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る(a)は要求輝度が第1閾値にあるときの光源に供給される電流の波形を示す図であり、(b)は要求輝度が第2閾値にあるときの光源に供給される電流の波形を示す図であり、(c)は要求輝度が第2閾値未満にあるときの光源に供給される電流の波形を示す図である。
【
図15】本発明の第3の実施形態に係る電源制御ユニットの具体的な電気的構成を示す回路図である。
【
図16】本発明の第3の実施形態に係る調光処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の第3の実施形態に係る遅延時間設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の第3の実施形態に係る電圧変動処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の第3の実施形態に係る遅延時間データテーブルを示す図である。
【
図20】(a)は比較例に係る時間の経過に伴う光源の電圧変動を示すグラフであり、(b)は本発明の第3の実施形態に係る時間の経過に伴う光源の電圧変動を示すグラフである。
【
図21】本発明の変形例に係る時間の経過に伴う光源の電圧変動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
本発明に係る光源駆動装置をヘッドアップディスプレイ(HUD:Head-Up Display)装置に具体化した第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、HUD装置1は、車両2のダッシュボードに設置され、画像M(
図2参照)を表す表示光Lを生成し、生成した表示光Lを投射部材の一例であるウインドシールド3に向けて出射する。この表示光Lは、ウインドシールド3で反射したうえで視認者4(主に、車両2の運転者)に到達する。これにより、視認者4は、ウインドシールド3の前方に形成された画像Mを表す虚像Vを視認可能となる。画像Mには、車両2に関する情報(例えば、エンジン回転数、ナビゲーション情報等)が表示される。
【0013】
(HUD装置1の構成)
図2に示すように、HUD装置1は、照明装置10と、光強度検出部500と、照明光学系20と、表示素子30と、光源駆動装置5と、投射光学系40と、スクリーン50と、光学系に相当する平面鏡61及び凹面鏡62と、筐体70と、透光部71と、備える。
【0014】
筐体70は、例えば、遮光性の材質により箱状に形成されている。筐体70内には、照明装置10、照明光学系20等のHUD装置1の各構成が収納される。筐体70には、表示光Lが通過する開口部70aが形成されている。
透光部71は、アクリル等の透光性樹脂からなり、筐体70の開口部70aを塞ぐように設けられている。透光部71は、到達した外光が視認者4に向かって反射することを抑制するため、例えば湾曲形状に形成されている。
【0015】
照明装置10は、合成光Cを生成し、その生成した合成光Cを照明光学系20に向けて出射する。具体的には、照明装置10は、
図3に示すように、光源ユニット11と、回路基板12と、光合成部13と、輝度ムラ低減部14と、透過膜15と、を備える。
【0016】
光源ユニット11は、例えば、それぞれLED(Light Emitting Diode)からなる3つの光源11r,11g,11bから構成されている。光源11rは赤色光Rを発し、光源11gは緑色光Gを発し、光源11bは青色光Bを発する。光源11r,11g,11bの各々は、後述するように光源駆動装置5によって駆動され、所定の光強度及びタイミングで発光する。
なお、例えば、光源11gは第1の光源に相当し、緑色光Gは第1の光に相当する。また、光源11rは第2の光源に相当し、赤色光Rは第2の光に相当する。また、光源11bは第3の光源に相当し、青色光Bは第3の光に相当する。
【0017】
回路基板12は、プリント回路板からなる。回路基板12には、光源11r,11g,11bが実装されている。
【0018】
光合成部13は、光源11r,11g,11bから順次出射される赤色光R、緑色光G又は青色光Bの光軸を合わせることで合成光Cを生成し、その合成光Cを輝度ムラ低減部14に向けて出射する。
具体的には、光合成部13は、反射ミラー13aと、特定の波長の光を反射し、かつ、当該特定の波長以外のその他の波長の光を透過するダイクロイックミラー13b,13cと、から構成されている。反射ミラー13aは、光源11bの出射側に位置する。反射ミラー13aは、入射した青色光Bを、ダイクロイックミラー13bに向けて反射させる。ダイクロイックミラー13bは、光源11gの出射側に位置する。ダイクロイックミラー13bは、入射した緑色光Gをダイクロイックミラー13cに向けて反射させつつ、反射ミラー13aからの青色光Bをそのまま透過させる。ダイクロイックミラー13cは、光源11rの出射側に位置する。ダイクロイックミラー13cは、入射した赤色光Rを輝度ムラ低減部14に向けて反射させつつ、ダイクロイックミラー13bからの光B,Gをそのまま透過させる。
【0019】
輝度ムラ低減部14は、ミラーボックス、アレイレンズ等からなり、光合成部13からの合成光Cを乱反射、散乱、屈折させることで光のムラを低減する。
【0020】
透過膜15は、例えば5%程度の反射率を有する透過性部材からなり、輝度ムラ低減部14を介して到達した合成光Cの大部分をそのまま透過させるが、一部の光を光強度検出部500に向けて反射させる。
【0021】
光強度検出部500は、例えばフォトダイオードを有する受光素子からなり、透過膜15で反射した合成光Cを受ける位置に設けられている。光強度検出部500は、合成光Cの一部を受光し、合成光Cを構成する光R、G、Bそれぞれの光強度を時分割で検出する。
【0022】
照明光学系20は、
図2に示すように、凹状のレンズ等からなり、照明装置10から出射された合成光Cを表示素子30に対応した大きさに調整する。
【0023】
表示素子30は、
図2に示すように、反射部の一例である複数の可動式のマイクロミラー30aを備えたDMDからなる。このマイクロミラー30aは、図示しない電極を備え、この電極に印加される電圧値を切り替えることでオン/オフの何れかの状態となる。マイクロミラー30aがオンのとき、マイクロミラー30aは、ヒンジを支点に例えば+12度傾斜した姿勢を取って、このとき照明光学系20から出射された合成光Cを、投射光学系40を経てスクリーン50に向けて反射する。マイクロミラー30aがオフのときは、マイクロミラー30aは、ヒンジを支点に例えば-12度傾斜した姿勢を取って、このとき合成光Cを投射光学系40とは異なる方向に反射する。従って、表示素子30は、光源駆動装置5(具体的には後述する第2の制御部200)による制御のもと、各マイクロミラー30aを個別に駆動することにより、合成光Cのうち画像Mに対応する光のみを投射光学系40に向けて投射する。
【0024】
投射光学系40は、凹レンズ又は凸レンズ等で構成され、表示素子30からの表示光Lをスクリーン50に効率良く投射する。
【0025】
スクリーン50は、ホログラフィックディフューザ、マイクロレンズアレイ、拡散板等の透光性スクリーンから構成され、投射光学系40からの表示光Lを背面(
図2中下側の面)で受光し、前面(
図2中上側の面)に画像Mを表示する。
【0026】
平面鏡61は、スクリーン50に表示された画像Mを表す表示光Lを、凹面鏡62に向けて反射させる。
凹面鏡62は、平面鏡61からの表示光Lをウインドシールド3に向けて反射する。この表示光Lは、筐体70の透光部71を透過したうえでウインドシールド3に到達する。これにより、結像される虚像Vは、スクリーン50に表示された画像Mよりも拡大される。
【0027】
(光源駆動装置5の構成)
図4に示すように、光源駆動装置5は、光源11r,11g,11bに電圧Vr,Vg,Vbを印加する電源制御ユニット300と、光源11r,11g,11bを駆動させる光源駆動部400と、表示素子30を制御する第2の制御部200と、光源駆動部400及び第2の制御部200を制御する第1の制御部100と、を備える。これら光源駆動装置5の各構成は、例えば、筐体70内に配設された回路基板12以外のプリント回路基板(図示せず)に実装されている。なお、回路基板12上に光源駆動装置5の一部又は全部の構成が実装されていてもよい。第1及び第2の制御部100,200は制御部の一例である。
【0028】
光源駆動装置5は、
図8に示すように、画像Mを表示する制御周期であるフレームF毎に制御を行う。フレームFは、表示期間Fa及び非表示期間Fbからなる。光源駆動装置5は、表示期間Faにおいては、画像Mを生成するように、表示素子30の各マイクロミラー30a及び光源11r,11g,11bを駆動させる。光源駆動装置5は、表示期間Faにおいては、サブフレームFs毎に異なる光源11r,11g,11bに電流I(Ir,Ig,Ib)が供給されることで光源11r,11g,11bを順次点灯させるフィールドシーケンシャル方式により光源ユニット11を駆動する。また、光源駆動装置5は、非表示期間Fbにおいては、光源11r,11g,11bを全て消灯し、フレームFにおけるマイクロミラー30aのオン期間とオフ期間とが略同一となるように表示素子30のマイクロミラー30aを駆動させる。非表示期間Fbが設定されることで、表示素子30の各マイクロミラー30aが故障することが抑制される。
【0029】
光源駆動装置5は、フレームF全体に表示期間Faが占める表示期間割合を調整する。すなわち、この表示期間割合は、「(表示期間Fa/フレームF)×100%」により算出される。具体的には、
図12(b)に示すように、光源駆動装置5は、この表示期間割合を要求輝度が低下するにつれて階段状に減少するように設定する。また、この表示期間割合は、上記のようにオン期間とオフ期間とを略同一とするため、下限が50%に設定されている。
【0030】
図4に示すように、第1の制御部100は、動作プログラムが記憶されるROM(Read
Only Memory)等のメモリ100aと、時間を計測するタイマ100bと、記憶された動作プログラムを実行することで後述する調光処理等を実行するCPU(Central Processing Unit)等の処理部100cと、を備える。第1の制御部100には、車両2の車両ECU(Electronic Control Unit)6から、LVDS(Low Voltage Differential Signal)通信等によって、画像Mを表示するための映像信号が入力される。
第1の制御部100は、入力された映像信号を図示しない画像処理IC(Integrated Circuit)などを経由させて第2の制御部200に出力する。なお、車両ECU6からの映像信号は、第1の制御部100を経由せずに、第2の制御部200に、図示しない画像処理ICなどを経由して、直接入力されてもよい。
また、第1の制御部100は、この映像信号の要求する画像Mを表示素子30に表示させるための表示制御データと、この表示制御データに基づく表示素子30の駆動に合わせて光源11r,11g,11bを駆動させる照明制御データと、を第2の制御部200に出力する。
また、第1の制御部100には、車両ECU6から、外光強度センサ7を通じて検出された車両2の周辺の外光強度信号(調光信号)SLが入力される。この外光強度信号SLは要求輝度に応じた値となる。
【0031】
メモリ100aには、上述した表示制御データ及び照明制御データに加えて、各種データテーブルが記憶されている。この各種データテーブルは、
図12(b)に示す要求輝度に対する表示期間割合を示す表示期間割合データテーブルと、
図12(c)に示す要求輝度に対する光源11gへ供給される電流Igを示す電流データテーブルと、
図12(d)に示す要求輝度に対する光源11gへ電流Igを供給する期間を制限する制限データテーブルと、
図12(e)に示す要求輝度に対する光源11gに印加される電圧Vgを示す電圧データテーブルと、を含む。
【0032】
第1の制御部100は、外光強度信号SLに応じて光源駆動部400を介して光源11r,11g,11bの発光強度、ひいてはHUD輝度(表示輝度)を調整する。
第1の制御部100は、外光強度信号SLに基づき要求輝度を認識し、
図12(b)に示す表示期間割合データテーブルを参照しつつその要求輝度に応じた表示期間割合にて表示素子30及び光源11r,11g,11bを駆動させる。
第1の制御部100は、
図4に示すように、車両ECU6からの外光強度信号SLに基づき閾値となる基準信号SAを生成し、その基準信号SAを光源駆動部400に出力する。具体的には、第1の制御部100は、外光強度信号SLに基づき基準信号SAのデューティー比を設定する。第1の制御部100は、設定したデューティー比のデジタル信号である基準信号SAを出力し、この基準信号SAを積分回路からなるデジタル-アナログ変換器(図示略)によりアナログ信号に変換し、このアナログ信号の基準信号SAを光源駆動部400(正確には後述する比較回路410)に出力する。詳しくは後述するが、この基準信号SAのデューティー比により、光源11r,11g,11bに供給される電流Ir,Ig,Ibの値が設定される。
【0033】
第1の制御部100は、光源11r,11g,11bのうち選択された一つを発光させる期間であるサブフレームFs毎に大きさの異なる基準信号SAを出力することができる。第1の制御部100は、
図8に示すように、発光色の異なるサブフレームFs毎に基準信号SAを異ならせてもよい。
【0034】
図6に示すように、第1の制御部100は、PWM信号Sp1~Sp3を生成し、その生成したPWM信号Sp1~Sp3を電源制御ユニット300に出力する。
第1の制御部100は、PWM信号Sp1のオンデューティ比を設定し、設定したオンデューティ比のPWM信号Sp1を電源制御ユニット300の第1電圧調整部310に出力する。後述するように、このPWM信号Sp1のオンデューティ比に応じて光源11gに印加される電圧Vgが設定される。
第1の制御部100は、PWM信号Sp2のオンデューティ比を設定し、設定したオンデューティ比のPWM信号Sp2を電源制御ユニット300の第2電圧調整部320に出力する。後述するように、このPWM信号Sp2のオンデューティ比に応じて光源11rに印加される電圧Vrが設定される。
第1の制御部100は、PWM信号Sp3のオンデューティ比を設定し、設定したオンデューティ比のPWM信号Sp3を電源制御ユニット300の第3電圧調整部330に出力する。後述するように、このPWM信号Sp3のオンデューティ比に応じて光源11bに印加される電圧Vbが設定される。
例えば、電圧Vgは第1電圧に相当し、電圧Vrは第2電圧に相当し、電圧Vbは第3の電圧に相当する。
【0035】
第2の制御部200は、所望の機能をハードウェアで実現するLSI(Large Scale Integration)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されている。
【0036】
第2の制御部200は、
図4に示すように、第1の制御部100による制御のもと、光源駆動部400(正確には、後述する論理回路420)に制限信号SCを出力する。制限信号SCは、
図9(d)又は
図10(d)に示すように、光源11r,11g,11bの点灯を許可する旨を示すオン、及び光源11r,11g,11bの点灯を禁止する旨を示すオフの何れかの状態にある。
第1の制御部100は、第2の制御部200を介して、外光強度信号SLに応じて決まる要求輝度に基づきサブフレームFsにおける制限信号SCのオンデューティ比を設定し、その設定したオンデューティ比の制限信号SCを出力する。
図9(d)の例における制限信号SC2は、
図10(d)の例における制限信号SC1よりも外光強度信号SLが大きいため、オンデューティ比が高い。本例では、
図12(b),(d)に示すように、第1の制御部100は、表示期間割合が60%~100%の範囲にあるとき、制限信号SCのオンデューティ比を100%に設定する。また、表示期間割合が50%であり、かつ、要求輝度が第1閾値Th1以上にあるとき、要求輝度に応じて、本例では階段状に制限信号SCのオンデューティ比を変化させる。また、要求輝度が第1閾値Th1未満にあるとき、制限信号SCのオンデューティ比は下限値に保たれる。
【0037】
図4に示すように、第2の制御部200は、第1の制御部100からの表示制御データに基づき、表示素子30における各マイクロミラー30aをPWM(Pulse Width Modulation)方式によりオン/オフ制御する。
第2の制御部200は、第1の制御部100からの照明制御データに応じて光源11r,11g,11bの発光タイミングを制御するイネーブル信号EN(R-EN,G-EN,B-EN)を生成し、その生成したイネーブル信号ENを光源駆動部400(正確には、後述する論理回路420)に出力する。第2の制御部200は、イネーブル信号ENとして、光源11rに対応する赤色イネーブル信号R-ENと、光源11gに対応する緑色イネーブル信号G-ENと、光源11bに対応する青色イネーブル信号B-ENと、をそれぞれ異なるタイミングで出力する。イネーブル信号ENは、対応する光源11r,11g,11bの点灯を許可する旨を示すオン、及び対応する光源11r,11g,11bの点灯を禁止する旨を示すオフの何れかの状態にある。第2の制御部200は、イネーブル信号ENの出力を通じて、光源11r,11g,11bの発光タイミングを表示素子30の画面制御に同期させる。
なお、第1の制御部100がイネーブル信号EN(R-EN,G-EN,B-EN)を生成し、その生成したイネーブル信号ENを第2の制御部200を介さずに光源駆動部400に出力してもよい。
【0038】
光源駆動部400は、
図4に示すように、所望の機能をハードウェアで実現するLSIであり、例えば、第2の制御部200とは独立したASICやFPGA、またはアナログ回路から構成されている。
光源駆動部400は、基準信号SAと光強度検出信号SFBとの比較を行う比較回路410と、光源11r,11g,11bを点灯又は消灯させるスイッチ部431,432,433からなる光源駆動回路430と、スイッチ部431,432,433を制御する駆動信号SDを出力する論理回路420と、を備える。
簡単に説明すると、光源駆動部400は、光強度検出部500からの光強度検出信号SFBと、第1の制御部100からの基準信号SAと、第2の制御部200からのイネーブル信号EN及び制限信号SCと、を受けて、これら各信号SFB,SA,EN,SCに基づき光源11r,11g,11bを駆動するための駆動信号SDを生成し、この駆動信号SDに基づきスイッチ部431,432,433をオン又はオフさせることで光源11r,11g,11bを点灯又は消灯させる。
【0039】
詳しくは、比較回路410は、コンパレータからなり、光強度検出部500からの光強度検出信号SFBと第1の制御部100からの基準信号SAとの比較を行い、比較結果として比較信号SBを論理回路420及び第2の制御部200に出力する。
具体的には、比較回路410は、
図9(b),(c)に示すように、光強度検出信号SFBが基準信号SAを超えたとき比較信号SBをオフとする。このように比較信号SBをオフとした場合、
図9(f)に示すように、光源11r,11g,11bに流れる電流I(図中の電流Ir)が低下するため、これにより、光源11r,11g,11bの発光強度のフィードバックデータである光強度検出信号SFBが基準信号SA未満となるまで減少する。
また、比較回路410は、
図9(b),(c)に示すように、光強度検出信号SFBが基準信号SA以下であるとき比較信号SBをオンとする。このように比較信号SBをオンとした場合、
図9(f)に示すように、光源11r,11g,11bに流れる電流I(図中の電流Ir)が増加するため、これにより、光源11r,11g,11bの発光強度のフィードバックデータである光強度検出信号SFBが基準信号SAを超えるまで増加する。
このように、光強度検出信号SFBが基準信号SA以下となったり、光強度検出信号SFBが基準信号SAを超えたりを繰り返すことで、比較回路410は、オンとオフを繰り返すパルス信号である比較信号SBを生成し、基準信号SAに応じた電流Iの値を生成する。
なお、光強度検出部500と比較回路410との間には、図示しない増幅回路が設けられており、光強度検出信号SFBは、この増幅回路により増幅された上で比較回路410に入力されてもよい。
【0040】
論理回路420は、制限信号SC、イネーブル信号EN及び比較信号SBを受けて、それら信号SC,EN,SBに基づき、光源11r,11g,11bに対応するスイッチ部431,432,433をオン又はオフする。
具体的には、論理回路420は、
図5に示すように、第1AND回路421と、赤色AND回路422と、緑色AND回路423と、青色AND回路424と、を備える。
【0041】
第1AND回路421は、第2の制御部200からの制限信号SCと比較回路410からの比較信号SBとを入力し、制限信号SC及び比較信号SBのAND信号である駆動信号SDを各AND回路422,423,424に出力する。
すなわち、第1AND回路421は、
図10(c)~(e)に示すように、制限信号SCがオンとなるオン時間Tonにおいては、比較信号SBと略同一の波形の駆動信号SDを出力する。よって、制限信号SCのオン時間Tonにおいては、比較信号SBがオンのときには駆動信号SDがオンとなり、比較信号SBがオフのときには駆動信号SDがオフとなる。また、第1AND回路421は、制限信号SCがオフとなるオフ時間Tofにおいては、比較信号SBのオン/オフに関わらず駆動信号SDをオフとする。
【0042】
赤色AND回路422は、
図5に示すように、第2の制御部200からの赤色イネーブル信号R-ENと第1AND回路421からの駆動信号SDとを入力し、赤色イネーブル信号R-EN及び駆動信号SDのAND信号である赤色駆動信号SDRを赤色スイッチ部431に出力する。また、緑色AND回路423は、第2の制御部200からの緑色イネーブル信号G-ENと第1AND回路421からの駆動信号SDとを入力し、緑色イネーブル信号G-EN及び駆動信号SDのAND信号である緑色駆動信号SDGを緑色スイッチ部432に出力する。青色AND回路424は、第2の制御部200からの青色イネーブル信号B-ENと第1AND回路421からの駆動信号SDとを入力し、青色イネーブル信号B-EN及び駆動信号SDのAND信号である青色駆動信号SDBを青色スイッチ部433に出力する。
【0043】
図9(a)及び
図10(a)に示す所定のサブフレームFsにおいては、イネーブル信号ENのうち赤色イネーブル信号R-ENのみがオンとなっている。この場合、
図9(e)及び
図10(e)に示すように、赤色AND回路422は、第1AND回路421からの駆動信号SDと同一波形の赤色駆動信号SDRを出力する。このサブフレームFsにおいて、緑色AND回路423及び青色AND回路424は、それぞれオフ状態の緑色イネーブル信号G-EN及び青色イネーブル信号B-ENを入力するため、オフ状態にある緑色駆動信号SDG及び青色駆動信号SDBを出力する。
【0044】
スイッチ部431,432,433は、例えば、n型チャネルのFET(Field Effect
Transistor)を用いたスイッチング素子からなる。スイッチ部431,432,433は、論理回路420からの駆動信号SDR,SDG,SDBに応じてオン状態又はオフ状態に切り替わる。
図6に示すように、赤色スイッチ部431は光源11rのカソード側に接続され、緑色スイッチ部432は光源11gのカソード側に接続され、青色スイッチ部433は光源11bのカソード側に接続される。赤色スイッチ部431は、赤色AND回路422からの赤色駆動信号SDRがオンのときにオン状態となる。赤色スイッチ部431がオン状態にあるとき、電源制御ユニット300から光源11rに電流Irが供給され、これにより光源11rは赤色光Rを発する。また、赤色スイッチ部431は、赤色AND回路422からの赤色駆動信号SDRがオフのときにオフ状態となる。赤色スイッチ部431がオフ状態にあるとき光源11rは消灯状態となる。これと同様に、緑色スイッチ部432及び青色スイッチ部433についても、緑色駆動信号SDG及び青色駆動信号SDBのオン又はオフに応じて光源11g及び光源11bを点灯又は消灯する。
第1の制御部100及び光源駆動部400は、光源11gに供給する電流Igを調整する第1電流調整部と、光源11rに供給する電流Irを調整する第2電流調整部と、光源11bに供給する電流Ibを調整する第3電流調整部と、に相当する。
【0045】
図4に示すように、電源制御ユニット300は、各光源11r,11g,11bのアノード側に接続されている。電源制御ユニット300は、車両2の電源であるバッテリ700からの電源電圧を受けて、第1の制御部100による制御のもとで光源11r,11g,11bにそれぞれ電圧Vr,Vg,Vbを印加する。
【0046】
図6に示すように、電源制御ユニット300は、第1の制御部100による制御のもと、光源11r,11g,11bに印加される電圧Vr,Vg,Vbを制御する第1~第3電圧調整部310~330を備える。
【0047】
第1電圧調整部310は、第1の制御部100からのPWM信号Sp1を受けると、そのPWM信号Sp1のオンデューティ比に応じた電圧Vgを光源11gに印加する。
第2電圧調整部320は、第1の制御部100からのPWM信号Sp2を受けると、そのPWM信号Sp2のオンデューティ比に応じた電圧Vrを光源11rに印加する。本例では、第2電圧調整部320は、第1電圧調整部310からの電圧Vgを電力源として電圧Vrを生成する。この電圧Vrは、電圧Vg以下の電圧値に設定される。
第3電圧調整部330は、第1の制御部100からのPWM信号Sp3を受けると、そのPWM信号Sp3のオンデューティ比に応じた電圧Vbを光源11bに印加する。本例では、第3電圧調整部330は、第1電圧調整部310からの電圧Vgを電力源として電圧Vbを生成する。この電圧Vbは、電圧Vg以下の電圧値に設定される。
【0048】
図7に示すように、第1電圧調整部310は、電源IC(Integrated Circuit)316と、抵抗R4及びコンデンサ315からなるD/A変換回路311と、抵抗R1~R3と、平滑用コンデンサ318と、を備える。D/A変換回路311は、デジタル信号であるPWM信号Sp1を受けて、PWM信号Sp1のオンデューティ比に応じた電流値のアナログ信号Sa1を生成する。
電源IC316は、例えば、降圧型DC/DCコンバータである。電源IC316は、バッテリ700からの電源電圧を受けて、アナログ信号Sa1に応じた電圧Vgを生成し、その生成した電圧Vgを光源11gに印加する。電源IC316は、抵抗R1,R2により分圧された電圧を受けてフィードバック制御を行う。平滑用コンデンサ318は、その一端が電源IC316と光源11gとの間を接続する接続線Lgに接続され、その他端がグランドに接続される。平滑用コンデンサ318は電圧Vgの変動を平滑化する。
なお、平滑用コンデンサ318は省略してもよい。
【0049】
第2電圧調整部320は、抵抗R8及びコンデンサ325からなるD/A変換回路321と、非反転増幅回路326と、抵抗R7と、スイッチ部329と、平滑用コンデンサ328と、を備える。
D/A変換回路321は、PWM信号Sp2を受けて、PWM信号Sp2に応じたアナログ信号Sa2を生成し、その生成したアナログ信号Sa2を非反転増幅回路326に出力する。
非反転増幅回路326は、入力したアナログ信号Sa2に基づき増幅したPWM信号Sp2を生成し、その増幅したPWM信号Sp2をスイッチ部329に出力する。非反転増幅回路326は、オペアンプ327と、抵抗R5,R6と、を備える。非反転増幅回路326は、公知であるため、その詳細な説明を省略する。
スイッチ部329は、例えば、FETを用いたスイッチング素子からなる。スイッチ部329は、増幅されたPWM信号Sp2に応じてオン状態又はオフ状態に切り替わる。これにより、スイッチ部329は、オン状態にあるとき電源IC316からの電圧Vgを光源11r側に出力し、オフ状態にあるとき光源11b側への電圧Vgの出力を停止する。これにより、矩形波が生成される。平滑用コンデンサ328は、その一端が非反転増幅回路326と光源11rとの間を接続する接続線Lrに接続され、その他端がグランドに接続される。平滑用コンデンサ328は、上記矩形波を平滑化することで電圧Vrを生成し、この電圧Vrを光源11rに印加する。
抵抗R7は、例えば、スイッチ部329を保護するために設けられている。
【0050】
第3電圧調整部330は、抵抗R12及びコンデンサ335からなるD/A変換回路331と、非反転増幅回路336と、抵抗R11と、スイッチ部339と、平滑用コンデンサ338と、を備える。
D/A変換回路331は、PWM信号Sp3を受けて、PWM信号Sp3に応じた電流値のアナログ信号Sa3を生成し、その生成したアナログ信号Sa3を非反転増幅回路336に出力する。
非反転増幅回路336は、入力したアナログ信号Sa3に基づき増幅したPWM信号Sp3を生成し、その増幅したPWM信号Sp3をスイッチ部339に出力する。非反転増幅回路336は、オペアンプ337と、抵抗R9,R10と、を備える。非反転増幅回路336は、公知であるため、その詳細な説明を省略する。
スイッチ部339は、例えば、FETを用いたスイッチング素子からなる。スイッチ部339は、増幅されたPWM信号Sp3に応じてオン状態又はオフ状態に切り替わる。これにより、スイッチ部339は、オン状態にあるとき電源IC316からの電圧Vgを光源11b側に出力し、オフ状態にあるとき光源11b側への電圧Vgの出力を停止する。これにより、矩形波が生成される。平滑用コンデンサ338は、その一端が非反転増幅回路336と光源11bとの間を接続する接続線Lbに接続され、その他端がグランドに接続される。平滑用コンデンサ338は、上記矩形波を平滑化することで電圧Vgを生成し、この電圧Vgを光源11bに印加する。
抵抗R11は、例えば、スイッチ部339を保護するために設けられている。
【0051】
(第1の制御部100の制御内容)
次に、
図11のフローチャートに沿って、第1の制御部100による調光処理手順について説明する。
まず、第1の制御部100は、外光強度センサ7を通じて外光強度信号SLを取得する(ステップS101)。この外光強度信号SLは要求輝度に応じた値となり、すなわち、外光強度信号SLが大きくなるにつれて要求輝度も大きくなる。第1の制御部100は、外光強度信号SLに応じた要求輝度が第1閾値Th1以上であるか否かを判断する(ステップS102)。第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1以上である旨判断すると(ステップS102:YES)、高輝度モードに移行する(ステップS103)。第1の制御部100は、高輝度モードに移行した後、光源11r,11g,11bに印加する電圧Vr,Vg,Vbを一定電圧Vnに設定する(ステップS104)。上述したようにPWM信号Sp1~Sp3のオンデューティ比が固定されることにより、この一定電圧Vnが維持される。これにより、高輝度モードにおいては、常に各光源11r,11g,11bに一定電圧Vnが印加される。そして、第1の制御部100は、
図12(b)の表示期間割合データテーブルを参照することで要求輝度に応じて表示期間割合を設定し、
図12(d)の制限データテーブルを参照することで制限信号SCのオンデューティ比を設定するとともに(ステップS105)、
図12(c)の電流データテーブルを参照することで要求輝度に応じて光源11gに供給する電流Igを設定する(ステップS106)。
なお、ステップS104~S106の処理の順番は適宜変更してもよいし、同時に行われてもよい。
【0052】
次に、第1の制御部100は、設定された電流Igを基準として、予めメモリ100aに記憶される所望の光強度比を実現するように電流Ir,Ibを設定する(ステップS107)。例えば、この光強度比は、光源11gの光強度と光源11rの光強度比である第1の光強度比、及び光源11gの光強度と光源11bの光強度比である第2の光強度比からなる。所望の光強度比は、一例として、ホワイトバランスが保たれる光強度比である。そして、第1の制御部100は、設定した電流Ir,Ig,Ibを対応する光源11r,11g,11bに供給する(ステップS108)。このステップS108の処理は、例えば、
図8に示す非表示期間Fbにおいて行われる。
【0053】
次に、第1の制御部100は、光強度検出部500を介して実際の光強度比を認識する(ステップS109)。そして、第1の制御部100は、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致しているか否かを判断する(ステップS110)。
第1の制御部100は、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致しない場合(ステップS110:NO)、上記ステップS107の処理に戻って、所望の光強度比を実現するように再び電流Ir,Ibを設定する。これ以降、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致するまで、上記ステップS107~S110の処理が繰り返される。
【0054】
第1の制御部100は、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致する場合(ステップS110:YES)、設定された電流Ir,Ig,Ibを光源11r,11g,11bに供給することで、
図12(a)に示すように、要求輝度に応じたHUD輝度を実現しつつ、所望の色度を実現することができる。
【0055】
第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1未満である旨判断すると(ステップS102:NO)、低輝度モードに移行する(ステップS111)。第1の制御部100は、低輝度モードに移行した後、電流Ir,Ig,Ibを一定電流Inに設定する(ステップS112)。この一定電流Inは、ノイズに埋もれない値に設定されている。そして、第1の制御部100は、
図12(b)の表示期間割合データテーブルを参照することで要求輝度に応じて表示期間割合を設定し、
図12(d)の制限データテーブルを参照することで制限信号SCのオンデューティ比を設定するとともに(ステップS113)、
図12(d)の電圧データテーブルを参照することで、要求輝度に応じた電圧Vgを設定する(ステップS114)。
図12(d)の電圧データテーブルに示すように、要求輝度が第1閾値Th1未満にある領域においては、要求輝度が小さくなるほど電圧Vgがリニアに小さくなるように設定されている。
【0056】
第1の制御部100は、設定した電圧Vgを基準として、上述した所望の光強度比を実現するように電圧Vr,Vbを設定する(ステップS115)。そして、第1の制御部100は、設定した電圧Vr,Vg,Vbを実際に対応する光源11r,11g,11bに印加する(ステップS116)。このステップS116の処理は、例えば、
図8に示す非表示期間Fbにおいて行われる。次に、第1の制御部100は、光強度検出部500を介して実際の光強度比を認識する(ステップS117)。そして、第1の制御部100は、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致しているか否かを判断する(ステップS118)。
【0057】
第1の制御部100は、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致しない場合(ステップS118:NO)、上記ステップS115の処理に戻って、所望の光強度比を実現するように再び電圧Vr,Vbを設定する。これ以降、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致するまで、上記ステップS115~S118の処理が繰り返される。
【0058】
第1の制御部100は、実際の光強度比と所望の光強度比とが一致する場合(ステップS118:YES)、設定された電圧Vr,Vg,Vbを光源11r,11g,11bに印加することで、
図12(a)に示すように、要求輝度に応じたHUD輝度を実現しつつ、所望の色度を実現することができる。以上で、当該フローチャートに係る調光処理を終了する。
なお、上記ステップS112~S118の処理は電圧調整処理に相当し、上記ステップS104~S110の処理は電流可変調光処理に相当する。
【0059】
なお、ステップS118でNOの後のステップS115、又はステップS110でNOの後のステップS107においては、第1の制御部100は、所望の光強度比のうち上記第1の光強度比(光源11gの光強度と光源11rの光強度比)が実際の光強度比と一致し、上記第2の光強度比(光源11gの光強度と光源11bの光強度比)が実際の光強度比と一致しない場合、光源11bに対応する電圧Vbのみを調整してもよい。同様に、第1の制御部100は、所望の光強度比のうち上記第2の光強度比が実際の光強度比と一致し、上記第1の光強度比が実際の光強度比と一致しない場合、光源11rに対応する電圧Vrのみを調整してもよい。
【0060】
上記によれば、
図12(a)~(e)に示すように、低輝度モードにあるとき、表示期間割合、電流Ig及び制限信号SCのオンデューティ比を一定に保ちつつ、電圧Vgを変化させることで、要求輝度に応じたHUD輝度が実現される。また、高輝度モードの高輝度範囲にあるとき、制限信号SCのオンデューティ比及び電圧Vgを一定に保ちつつ、表示期間割合及び電流Igを変化させることで、要求輝度に応じたHUD輝度が実現される。また、高輝度モードの低輝度範囲にあるとき、表示期間割合及び電圧Vgを一定に保ちつつ、制限信号SCのオンデューティ比及び電流Igを変化させることで、要求輝度に応じたHUD輝度が実現される。
【0061】
(効果)
以上、説明した第1の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0062】
(1)光源駆動装置5は、緑色光Gを発する光源11gと、赤色光Rを発する光源11rと、を駆動させる。光源駆動装置5は、バッテリ700からの電源電圧に基づき光源11gに印加する電圧Vgを調整する第1電圧調整部310と、電圧Vgを電力源として、光源11rに印加する電圧Vrを生成する第2電圧調整部320と、電圧可変調光処理を行う第1の制御部100と、を備える。電圧可変調光処理は、緑色光G及び赤色光Rの光強度比が所望の光強度比となるように電圧Vg及び電圧Vrを設定し、第1電圧調整部310及び第2電圧調整部320を通じて、設定された電圧Vg及び電圧Vrをそれぞれ光源11g及び光源11rに印加する処理である。
上記構成によれば、光源11g及び光源11rに印加する電圧Vg及び電圧Vrを制御する電圧値制御を行うことで、ノイズに埋もれない程度の電流値を維持することができる。これにより、光の安定性をより確保することができ、ひいては所望の輝度や色度を実現することができる。
【0063】
(2)第1の制御部100は、光源11gに供給する電流Igを調整し、光源11rに供給する電流Irを調整する。第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1未満の場合には電圧可変調光処理において、緑色光G及び赤色光Rの光強度比が所望の光強度比となりつつ要求輝度に応じた電圧Vg及び電圧Vrを設定する。第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1以上の場合には電流可変調光処理を行う。この電流可変調光処理は、緑色光G及び赤色光Rの光強度比が所望の光強度比となりつつ要求輝度に応じた電流Ig及び電流Irを設定し、設定された電流Ig及び電流Irをそれぞれ光源11g及び光源11rに供給する処理である。
この構成によれば、低輝度時には、電圧可変調光処理が行われるため、電流Ig及び電流Irをノイズに埋もれるほどに低下させる必要がない。よって、より光の安定性を確保することができ、ひいては所望の輝度や色度を実現することができる。
【0064】
(3)光源駆動装置5は、要求輝度に応じた光源11gに印加する電圧Vgの値を示す電圧データテーブルが記憶されるメモリ100aと、緑色光Gの光強度及び赤色光Rの光強度を検出する光強度検出部500と、を備える。第1の制御部100は、電圧可変調光処理においては、記憶される電圧データテーブルを参照して要求輝度に応じた電圧Vgを設定するとともに、光強度検出部500の検出結果に基づき緑色光G及び赤色光Rの光強度比が所望の光強度比となるように、当該設定された電圧Vgを基準として電圧Vrを設定する。
この構成によれば、電圧Vgを基準として他の電圧Vrが設定される。ここで、光源11gからの緑色光Gは、人間の視覚に与える影響が最も大きい。よって、電圧Vgを基準とすることで、所望の輝度及び色度を実現しやすくなる。
【0065】
(4)メモリ100aには、要求輝度に応じた光源11gに供給する電流Igの値を示す電流データテーブルが記憶される。第1の制御部100は、電流可変調光処理においては、電流データテーブルを参照して要求輝度に応じた電流Igを設定するとともに、光強度検出部500の検出結果に基づき緑色光G及び赤色光Rの光強度比が所望の光強度比となるように、当該設定された電流Igを基準として電流Irを設定する。
この構成によれば、電流Igを基準として他の電流Irが設定される。ここで、光源11gからの緑色光Gは、人間の視覚に与える影響が最も大きい。よって、電流Igを基準とすることで、所望の輝度及び色度を実現しやすくなる。
【0066】
(5)第1の制御部100は、電流可変調光処理、すなわち要求輝度が第1閾値Th1以上の場合においては、第1電圧調整部310を通じて電圧Vgを一定電圧Vnに保持し、電圧可変調光処理、すなわち要求輝度が第1閾値Th1未満の場合においては、要求輝度が低くなるにつれて第1電圧調整部310を通じて徐々に電圧Vgを低下させる。
この構成によれば、電圧Vgの変化を必要最小限に留めることができ、光の安定性を確保することができる。
【0067】
(6)第1の制御部100は、電圧可変調光処理、すなわち要求輝度が第1閾値Th1未満の場合においては電流Igを一定電流Inに保持し、電流可変調光処理、すなわち要求輝度が第1閾値Th1以上の場合においては要求輝度に応じた電流Igを設定する。一定電流Inは、例えば、ノイズに埋もれない程度の値に設定される。
この構成によれば、電流Igが一定電流In以下となることが抑制されるため、光の安定性を確保することができる。
【0068】
(7)光源駆動装置5は、光源11g及び光源11rに加えて、青色光Bを発する光源11bを駆動させる。さらに、光源駆動装置5は、電圧Vgを電力源として、光源11bに印加する電圧Vbを生成する第3電圧調整部330を備えるとともに、光源11bに供給する電流Ibを調整する。第1の制御部100は、電圧可変調光処理においては、緑色光G、赤色光R及び青色光Bの光強度比が所望の光強度比となるように、電圧Vg、電圧Vr及び電圧Vbを設定し、電流可変調光処理においては、緑色光G、赤色光R及び青色光Bの光強度比が所望の光強度比となるように、電流Ig、電流Ir及び電流Ibを設定する。
この構成によれば、電圧可変調光処理及び電流可変調光処理の何れの場合も、緑色光G、赤色光R及び青色光Bの光強度比が所望の光強度比となるように設定される。
【0069】
(8)第1電圧調整部310はバッテリ700からの電源電圧を降圧することで電圧Vgを調整し、第2電圧調整部320は第1電圧調整部310を通じて調整された電圧Vgを受けて電圧Vrを生成し、第3電圧調整部330は第1電圧調整部310を通じて調整された電圧Vgを受けて電圧Vbを生成する。
この構成によれば、第2及び第3電圧調整部320,330はバッテリ700からの電源電圧を降圧する必要がないことから、第2及び第3電圧調整部320,330をより簡易に構成することができる。
【0070】
(9)所望の光強度比は、要求輝度に応じて予め設定される。この構成によれば、第1の制御部100は所望の光強度比を迅速に特定することができる。
【0071】
(第2の実施形態)
本発明に係る光源駆動装置をHUD装置に具体化した第2の実施形態について
図13及び
図14を参照して説明する。本実施形態では、光源11r,11g,11b毎に異なる電流データテーブル及び電圧データテーブルが設定されている点が主に第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0072】
メモリ100aには、第1の実施形態における
図12(c)に示した光源11gに対応する電流データテーブルのみならず、光源11rに対応する電流データテーブル及び光源11bに対応する電流データテーブルも記憶されている。各電流データテーブルは、光源11r,11g,11bの個体差を考慮して製造時にキャリブレーションすることで生成される。
【0073】
また、メモリ100aには、光源11gに対応した第1電圧データテーブルTgと、光源11rに対応した第2電圧データテーブルTrと、光源11bに対応した第3電圧データテーブルTbと、が記憶されている。
図13に示すように、各電圧データテーブルTr,Tg,Tbは、要求輝度が第2閾値Th2以上の領域において(言い換えると、光源11r,11g,11bに印加する電圧がVlからVnである領域において)は、それぞれ同一の電圧値をとり、要求輝度の低下に応じて、一様に低下する。そして、要求輝度が第2閾値Th2未満の領域においては、各電圧データテーブルTr,Tg,Tbは、要求輝度が低下するにつれて電圧値が低下するように、本例ではリニアに変化する。各電圧データテーブルTr,Tg,Tbは、要求輝度が第2閾値Th2未満の領域においては、それぞれ異なる傾きを持って変化する。本例では、第2電圧データテーブルTrは第3電圧データテーブルTbより傾きが大きく、第3電圧データテーブルTbは第1電圧データテーブルTgより傾きが大きい。この第2閾値Th2は、高輝度モード及び低輝度モードの判断基準となる第1閾値Th1より小さい値をとる。この第2閾値Th2は、
図14(a),(b)に示す立ち上がり時間Tr1,Tr2が概ね一定となる電圧Vr,Vg,Vbの範囲内、例えばその範囲の下限値に設定されている。この立ち上がり時間Tr1,Tr2,Tr3は、各光源11r,11g,11bに電圧Vr,Vg,Vbを印加してからピーク電流値Ip1,Ip2,Ip3をとるまでの時間をいう。
【0074】
例えば、
図14(a)に示す要求輝度が第1閾値Th1にあるときの立ち上がり時間Tr1は、
図14(b)に示す要求輝度が第2閾値Th2にあるときの立ち上がり時間Tr2と略同一である。また、
図14(a)に示す要求輝度が第1閾値Th1にあるときのピーク電流値Ip1は、
図14(b)に示す要求輝度が第2閾値Th2にあるときのピーク電流値Ip2よりも大きい。
よって、第2閾値Th2以上の領域においては、電圧Vr,Vg,Vbの調整により、ピーク電流値Ip1,Ip2、ひいては光源11r,11g,11bの輝度を調整することができる。
【0075】
一方、
図14(c)に示す要求輝度が第2閾値Th2未満にあるときの立ち上がり時間Tr3は、上記立ち上がり時間Tr1,Tr2に比べて長くなる。この立ち上がり時間Tr3は、光源11r,11g,11b毎に異なり、例えば、光源11rの立ち上がり時間Tr3は、
図14(c)の破線で示す波形における光源11g,11bの立ち上がり時間Tr3’よりも長くなる。上述した各電圧データテーブルTr,Tg,Tbは、この点を加味して、要求輝度が第2閾値Th2未満の領域においては、各電圧データテーブルTr,Tg,Tb毎に異なる電圧値に設定されている。
よって、例えば、光源11rと光源11gとを同一の輝度で発光させる場合、第1の制御部100は、第1電圧データテーブルTg及び第2電圧データテーブルTrを参照して、光源11gの電圧Vgを光源11rの電圧Vrよりも大きい電圧値に設定する。
【0076】
本実施形態では、第1の制御部100は、第1の実施形態の
図11のステップS114において、各電圧データテーブルTr,Tg,Tbを参照することで電圧Vr,Vg,Vbを設定する。本実施形態では、第1の実施形態のステップS115に係る処理を省略してもよい。さらに、本実施形態では、第1の実施形態のステップS115~S118に係る処理を省略してもよい。
同様に、本実施形態では、第1の制御部100は、第1の実施形態の
図11のステップS106において、各電圧データテーブルTr,Tg,Tbを参照することで電流Ir,Ig,Ibを設定する。本実施形態では、第1の実施形態のステップS107に係る処理を省略してもよい。さらに、本実施形態では、第1の実施形態のステップS107~S110に係る処理を省略してもよい。
【0077】
(効果)
以上、説明した第2の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)光源駆動装置5は、要求輝度に応じた光源11gに印加する電圧Vgの値を示す第1電圧データテーブルTgと、要求輝度に応じた光源11rに印加する電圧Vrの値を示す第2電圧データテーブルTrとが記憶されるメモリ100aを備える。第1電圧データテーブルTg及び第2電圧データテーブルTrは、要求輝度が第1閾値Th1より小さい値に設定される第2閾値Th2以上であるときそれぞれ同一の値をとり、要求輝度が第2閾値Th2未満であるとき要求輝度に応じた表示輝度を実現する電圧Vg及び電圧Vrとなるようにそれぞれ異なる値をとる。第1の制御部100は、緑色光G及び赤色光Rの光強度比が所望の光強度比となるように、第1電圧データテーブルTg及び第2電圧データテーブルTrを参照して要求輝度に応じた電圧Vg及び電圧Vrを設定する。
この構成によれば、要求輝度が第2閾値Th2未満となる低輝度領域においても所望の光強度比が保たれる。また、電圧Vg及び電圧Vrを設定する際、要求輝度に基づき第1電圧データテーブルTg及び第2電圧データテーブルTrを参照するだけでよいため調光を迅速に行うことができる。
【0078】
(第3の実施形態)
本発明に係る光源駆動装置をHUD装置に具体化した第3の実施形態について
図15~
図20を参照して説明する。本実施形態では、平滑用コンデンサにチャージされた電荷を異なるタイミングで放電する点が主に第1及び第2の実施形態と異なる。以下、第1及び第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0079】
図15に示すように、第1電圧調整部310は、さらに、放電線L1と、抵抗Rgと、スイッチ部Swgと、を備える。
抵抗Rg及びスイッチ部Swgは放電線L1に直列に設けられる。放電線L1の一端は接続線Lgに接続され、放電線L1の他端はグランドに接続される。抵抗Rg及びスイッチ部Swgは、平滑用コンデンサ318に並列に接続される。
スイッチ部Swgは、例えば、FETを用いたスイッチング素子からなる。スイッチ部Swgは、第1の制御部100による制御のもと、オン状態及びオフ状態の間で切り替わる。スイッチ部Swgがオフ状態からオン状態に切り替えられたとき、平滑用コンデンサ318にチャージされた電荷は放電線L1を介してグランドに流れる。
抵抗Rgは、電流制限用であって、スイッチ部Swgと接続線Lgの間に設けられる。
【0080】
第2電圧調整部320は、さらに、放電線L2と、抵抗Rrと、スイッチ部Swrと、を備える。
抵抗Rr及びスイッチ部Swrは放電線L2に直列に設けられる。放電線L2の一端は接続線Lrに接続され、放電線L2の他端はグランドに接続される。抵抗Rr及びスイッチ部Swrは、平滑用コンデンサ328に並列に接続される。
スイッチ部Swrは、例えば、FETを用いたスイッチング素子からなる。スイッチ部Swrは、第1の制御部100による制御のもと、オン状態及びオフ状態の間で切り替わる。スイッチ部Swrがオフ状態からオン状態に切り替えられたとき、平滑用コンデンサ328にチャージされた電荷は放電線L2を介してグランドに流れる。
抵抗Rrは、電流制限用であって、スイッチ部Swrと接続線Lrの間に設けられる。
【0081】
第3電圧調整部330は、さらに、放電線L3と、抵抗Rbと、スイッチ部Swbと、を備える。
抵抗Rb及びスイッチ部Swbは放電線L3に直列に設けられる。放電線L3の一端は接続線Lbに接続され、放電線L3の他端はグランドに接続される。抵抗Rb及びスイッチ部Swbは、平滑用コンデンサ338に並列に接続される。
スイッチ部Swbは、例えば、FETを用いたスイッチング素子からなる。スイッチ部Swbは、第1の制御部100による制御のもと、オン状態及びオフ状態の間で切り替わる。スイッチ部Swbがオフ状態からオン状態に切り替えられたとき、平滑用コンデンサ338にチャージされた電荷は放電線L3を介してグランドに流れる。
抵抗Rbは、電流制限用であって、スイッチ部Swbと接続線Lbの間に設けられる。
【0082】
抵抗Rr,Rg,Rbは、それぞれ異なる抵抗値を有する。例えば、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値は、以下のような大小関係に設定されている。
抵抗Rgの抵抗値>抵抗Rbの抵抗値>抵抗Rrの抵抗値
各抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値が小さいほど、スイッチ部Swr,Swg,Swbがオン状態にあるときの平滑用コンデンサ318,328,338にチャージされた電荷が抜ける速度が速くなる。電荷が抜ける速度が速くなるにつれて、
図20(a)に示すように、電圧Vr,Vg,Vbが低下する際の電圧Vr,Vg,Vbの低下速度が速くなり、電圧Vr,Vg,Vbの傾きの絶対値が大きくなる。
ここで、光源11rは、他の光源11g,11bに比べて、規定の順電流を流したときの順電圧が低い。このため、光源11rに供給する電流を小さくするためには、他の光源11g,11bの電圧Vg,Vbに比べて低い電圧Vrを印加する必要がある。従って、低輝度(例えば、第2閾値Th未満の輝度)へ調光する際、光源11rの要求電圧Vr1は、他の光源11g,11bの要求電圧Vg1,Vb1よりも低くなる。よって、光源11rの抵抗Rrの抵抗値が、光源11g,11bの抵抗Rg,Rbの抵抗値よりも小さく設定されることで、光源11rの電圧Vrの低下速度を速くすることができ、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するタイミングを近づけることができる。
【0083】
第1の制御部100のメモリ100aには、
図19に示すように、調光変化量Δ1~Δn及び現在の輝度D1~Dnと遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnが関連づけられた遅延時間データテーブルが記憶されている。「n」は任意の自然数である。
調光変化量Δ1~Δnは、現在の輝度と要求輝度との差分であり、各調光変化量Δ1~Δnの数値範囲は適宜設定可能である。現在の輝度D1~Dnは所定間隔毎に設定される。
遅延時間Tb1~Tbnは、
図20(b)に示すように、光源11rの電圧Vrが低下を開始する時刻taから光源11bの電圧Vbが低下を開始する時刻tbまでの時間であり、光源11rの電圧Vrが要求電圧Vr1に到達する時刻tdと光源11bの電圧Vbが要求電圧Vb1に到達する時刻tdとを合わせるために設定される。
同様に、遅延時間Tg1~Tgnは、光源11rの電圧Vrが低下を開始する時刻taから光源11gの電圧Vgが低下を開始する時刻tcまでの時間であり、光源11rの電圧Vrが要求電圧Vr1に到達する時刻tdと光源11gの電圧Vgが要求電圧Vg1に到達する時刻tdとを合わせるために設定される。
遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnは、平滑用コンデンサ318,328,338の性質上、現在の輝度が固定された状態では調光変化量Δ1~Δnが多くなるほど長くなり、要求輝度に対して現在の輝度D1~Dnが高いほど長くなる。遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tb1は、計算、シミュレーション、実験等により予め設定される。
【0084】
(第1の制御部100の制御内容)
次に、
図16のフローチャートに沿って、第1の制御部100による調光処理手順について説明する。本実施形態では、上記第1の実施形態と同様のステップS115の後に、ステップS20に係る遅延時間設定処理及びステップS30に係る電圧変動処理が続けて行われる。
【0085】
まず、
図17に沿って遅延時間設定処理の処理手順について説明する。
第1の制御部100は、調光変化量と現在の輝度を取得する(ステップS201)。この現在の輝度は、光強度検出部500の検出結果を通じて取得される。また、この調光変化量は、現在の輝度と要求輝度との差分演算により導出される。そして、第1の制御部100は、要求輝度が現在の輝度よりも低いか否か、すなわち各光源11r,11g,11bの発光輝度が低下するか否かを判断する(ステップS202)。要求輝度が現在の輝度よりも低い、すなわち、各光源11r,11g,11bの発光輝度が低下する旨判断すると(ステップS202:YES)、上記ステップS201により取得された調光変化量と現在の輝度に基づき、遅延時間データテーブルを参照して遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnを読み出す(ステップS203)。
詳しくは、
図19に示すように、遅延時間データテーブルに記憶された調光変化量Δ1~Δnのうち、上記ステップS201により取得された調光変化量に最も近いものを選択する。ここで、例えば、調光変化量Δ1を選択した場合、次に、調光変化量Δ1に対応する現在の輝度D1~Dnのうち、上記ステップS201により取得された現在の輝度に最も近いものを選択する。ここで、例えば、調光変化量Δ1及び現在の輝度D1を選択した場合、遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnのうち調光変化量Δ1及び現在の輝度D1に対応する遅延時間Tg1,Tb1を読み出す。以下では、遅延時間Tg1,Tb1が読み出された例について説明する。
第1の制御部100は、その読み出した遅延時間Tg1,Tb1を遅延時間として設定し(ステップS204)、当該遅延時間設定処理を終了して、ステップS30に係る電圧変動処理に移行する。
【0086】
一方、第1の制御部100は、要求輝度が現在の輝度よりも低くない、すなわち、各光源11r,11g,11bの発光輝度が増加する旨判断すると(ステップS202:NO)、遅延時間を設定せずに(ステップS205)、当該遅延時間設定処理を終了して、ステップS30に係る電圧変動処理に移行する。
【0087】
次に、
図18に沿って電圧変動処理の処理手順について説明する。この電圧変動処理の開始時には、スイッチ部Swr,Swg,Swbがオフ状態にある。
まず、第1の制御部100は、遅延時間が設定されているか否かを判断する(ステップS301)。遅延時間が設定されていない旨判断した場合(ステップS301:NO)、光源11r,11g,11bの電圧Vr,Vg,Vbの変化を同時に開始し(ステップS313)、後述するステップS312の処理に移行する。一方、遅延時間が設定されている旨判断した場合(ステップS301:YES)、タイマ100bを通じて時間の計測を開始する(ステップS302)。以下では、遅延時間として遅延時間Tg1,Tb1が設定されている場合について説明する。
【0088】
そして、第1の制御部100は、時間の計測開始とともに、スイッチ部Swrをオフ状態からオン状態に切り替え(ステップS303)、要求輝度に対応する要求電圧Vr1に向けて光源11rの電圧Vrの変化を開始する(ステップS304)。これにより、
図20(b)に示すように、時刻taにおいて、光源11rの電圧Vrが要求電圧Vr1に向けてリニアに低下を開始する。
なお、第1の制御部100は、PWM信号Sp2のオンデューティ比を小さくすることで、光源11rの電圧Vrを低下させる。
【0089】
次に、第1の制御部100は、計測される時間(計測時間)が設定された光源11bの遅延時間Tb1を経過したか否かを判断する(ステップS305)。計測時間が遅延時間Tb1を経過した旨判断したとき(ステップS305:YES)、スイッチ部Swbをオフ状態からオン状態に切り替え(ステップS306)、要求輝度に対応する要求電圧Vb1に向けて光源11bの電圧Vbの変化を開始させる(ステップS307)。これにより、
図20(b)に示すように、時刻tbにおいて、光源11bの電圧Vbが要求電圧Vb1に向けてリニアに低下を開始する。
なお、第1の制御部100は、PWM信号Sp3のオンデューティ比を小さくすることで、光源11bの電圧Vbを低下させる。
【0090】
次に、第1の制御部100は、計測時間が設定された光源11gの遅延時間Tg1を経過したか否かを判断する(ステップS308)。計測時間が遅延時間Tg1を経過した旨判断したとき(ステップS308:YES)、スイッチ部Swgをオフ状態からオン状態に切り替え(ステップS309)、要求輝度に対応する要求電圧Vg1に向けて光源11gの電圧Vgの変化を開始させる(ステップS310)。これにより、
図20(b)に示すように、時刻tcにおいて、光源11gの電圧Vgが要求電圧Vg1に向けてリニアに低下を開始する。
なお、第1の制御部100は、PWM信号Sp1のオンデューティ比を小さくすることで、光源11gの電圧Vgを低下させる。
【0091】
第1の制御部100は、計測時間が遅延時間Tb1を経過していない旨判断したとき(ステップS305:NO)、ステップS306,S307を経ることなく、上記ステップS308の処理に移行する。また、第1の制御部100は、計測時間が遅延時間Tg1を経過していない旨判断したとき(ステップS308:NO)、ステップS309,S310を経ることなく、後述するステップS311の処理に移行する。
【0092】
次に、第1の制御部100は、計測時間が2つの遅延時間Tg1,Tb1の両方を経過したか否かを判断し(ステップS311)、計測時間が遅延時間Tg1,Tb1のうち少なくとも何れかを経過していない旨判断したとき(ステップS311:NO)、上記ステップS305の処理に戻る。すなわち、計測時間が2つの遅延時間Tg1,Tb1の両方を経過するまで、上記ステップS305~311の処理が繰り返される。
【0093】
第1の制御部100は、計測時間が2つの遅延時間Tg1,Tb1の両方を経過した旨判断したとき(ステップS311:YES)、又は電圧Vr,Vg,Vbの変化を同時に開始した後(ステップS313)、光源11r,11g,11bの電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するのを待つ(ステップS312:NO)。第1の制御部100は、光源11r,11g,11bの電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達した旨判断したとき(ステップS312:YES)、当該電圧変動処理を終了して、調光処理における
図16のステップS117の処理に移行する。このステップS117以降の処理は、上記第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
なお、第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1又は第2閾値Th2以上となったときに、スイッチ部Swr,Swg,Swbをオン状態からオフ状態に戻す。
【0094】
次に、平滑用コンデンサ318,328,338を設けた場合には以下のような点が懸念される。
光源11r,11g,11bの輝度を低下させる際、平滑用コンデンサ318,328,338にチャージされた電荷が光源11r,11g,11bの電圧Vr,Vg,Vbの低下を阻害する。このため、平滑用コンデンサ318,328,338の電荷を放電させる必要がある。この電荷の放出に要する時間は、平滑用コンデンサの性質上、現在の輝度及び要求輝度に応じて異なる。このため、光源11r,11g,11b毎に電荷放電時間の長さが異なる場合もあり、この場合には、光源11r,11g,11b毎に電圧Vr,Vg,Vbを低下させるのに要する時間が異なる。この場合に、
図20(a)に示すように、電圧Vr,Vg,Vbが時刻t1において同時に低下を開始すると、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達する直前において、ホワイトバランスが崩れるおそれがある。例えば、光源11gの電圧Vgが要求電圧Vg1に到達した時刻t2において、他の光源11r,11bの電圧Vr,Vbは要求電圧Vr1,Vb1に到達していない。よって、時刻t2においては、緑色光Gに対する赤色光R及び青色光Bの光強度が強く、ホワイトバランスが崩れる。特に、低輝度においては、ホワイトバランスの崩れによる合成光Cの色調の変化が視認者により視認され易い。
この点、本実施形態では、
図20(b)に示すように、電圧Vr,Vg,Vbが同一の時刻tdにおいて要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するように遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnが設定されている。よって、本実施形態では、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達する直前においてホワイトバランスが崩れることが抑制される。また、時刻tcにおいては、光源11r,11bの電圧Vr,Vbの低下が開始しているものの、光源11gの電圧Vgの低下が開始していない。このため、この時刻tcにおいてホワイトバランスが崩れるものの、時刻tcの輝度は時刻tdにおける輝度に比べて高い輝度であるため、ホワイトバランスの崩れによる合成光Cの色調の変化は視認者により視認されづらい。
【0095】
(効果)
以上、説明した第3の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0096】
(1)光源駆動装置5は、第1電圧調整部310により調整された電圧Vg(第1電圧)を平滑化する平滑用コンデンサ318(第1平滑用コンデンサ)と、第2電圧調整部320により調整された電圧Vr(第2電圧)を平滑化する平滑用コンデンサ328(第2平滑用コンデンサ)と、第3電圧調整部330により調整された電圧Vb(第3電圧)を平滑化する平滑用コンデンサ338(第3平滑用コンデンサ)と、平滑用コンデンサ318からグランドへの放電線L1(第1放電流路)を導通するオン状態と放電線L1を遮断するオフ状態との間で切り替わるスイッチ部Swg(第1スイッチ部)と、平滑用コンデンサ328からグランドへの放電線L2(第2放電流路)を導通するオン状態と放電線L2を遮断するオフ状態との間で切り替わるスイッチ部Swr(第2スイッチ部)と、平滑用コンデンサ338からグランドへの放電線L3(第3放電流路)を導通するオン状態と放電線L3を遮断するオフ状態との間で切り替わるスイッチ部Swb(第3スイッチ部)と、を備える。第1の制御部100は、電圧Vr,Vg,Vbをそれぞれ要求輝度に応じた要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に低下させる際、スイッチ部Swr,Swg,Swbをオフ状態からオン状態に切り替える。
この構成によれば、平滑用コンデンサ318,328,338にチャージされた電荷を放出することができ、迅速に電圧Vr,Vg,Vbを低下させること、ひいては迅速に調光を完了することができる。
【0097】
(2)第1の制御部100は、電圧Vr,Vg,Vbをそれぞれ要求輝度に応じた要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に低下させる際、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するタイミングを近づける又は一致させるように、スイッチ部Swr,Swg,Swbそれぞれを異なるタイミング(時刻ta,tb,tc)でオフ状態からオン状態に切り替える。詳しくは、第1の制御部100は、光源11rに対応するスイッチ部Swrを、他の光源11g,11bに対応するスイッチ部Swg,Swbよりも速いタイミング(時刻ta)でオフ状態からオン状態に切り替える。
この構成によれば、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達する直前におけるホワイトバランスが崩れることが抑制される。よって、輝度を低下させる際の合成光Cの色調の変化が抑制され、合成光Cの安定性を確保することができ、視認性を高めることができる。
【0098】
(3)光源駆動装置5は、放電線L1に設けられる抵抗Rg(第1抵抗)と、放電線L2に設けられる抵抗Rr(第2抵抗)と、放電線L3に設けられる抵抗Rb(第3抵抗)と、を備える。抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値は、電圧Vr,Vg,Vbを要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に低下させる際、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するタイミングを近づける又は一致させるように、互いに異なる値に設定される。詳しくは、光源11rの抵抗Rrの抵抗値は、光源11g,11bの抵抗Rg,Rbの抵抗値よりも小さく設定される。
この構成によれば、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値により、電圧Vr,Vg,Vbの低下速度、すなわち電圧Vr,Vg,Vbの傾きを設定することができる。このため、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するタイミングを近づける又は一致させることができる。よって、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達する直前においてホワイトバランスが崩れることが抑制される。よって、輝度を低下させる際の合成光Cの色調の変化が抑制され、合成光Cの安定性を確保することができ、視認性を高めることができる。
【0099】
(変形例)
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
【0100】
上記第3の実施形態においては、遅延時間が設定されることと抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値が異なる値に設定されることにより、同時に電圧Vr,Vg,Vbを要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達させていた。しかし、これに限らず、遅延時間が設定されることなく、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値を異なる値に設定し、かつ、スイッチ部Swr,Swg,Swbが同時にオン状態に切り替えられることにより、
図21に示すように、時刻teにおいて同時に電圧Vr,Vg,Vbを要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達させてもよい。この場合、上記第3の実施形態に比べて、抵抗Rr,Rg,Rbの各抵抗値の差分を大きく設定することが望ましい。この構成では、スイッチ部Swr,Swg,Swbを同時に制御すればよいため、第1の制御部100による制御負担を低減することができる。
【0101】
上記第3の実施形態においては、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値はそれぞれ同一値に設定されてもよい。
【0102】
上記第3の実施形態においては、電圧Vr,Vg,Vbはそれぞれ異なるタイミング(時刻ta,tb,tc)で電圧低下が開始されていたが、例えば、電圧Vg,Vbが同一の速度で低下する場合には、電圧Vg,Vbの低下は互いに同じタイミングで開始されてもよい。この場合、電圧Vrと電圧Vg,Vbとが異なるタイミングで電圧低下が開始される。
【0103】
上記第3の実施形態においては、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値は固定値であったが、抵抗値を変更できる可変抵抗を用いることで、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値を変更させてもよい。例えば、第1の制御部100は、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値を変更させることで、低下する電圧Vr,Vg,Vbの傾きを変化させることができる。これにより、
図21に示すように、電圧Vr,Vg,Vbを時刻teにおいて同時に電圧Vr,Vg,Vbを要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達させるように、電圧Vr,Vg,Vbの傾きが調整される。
また、一例として、第1の制御部100は、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するタイミングのバラツキを計測し、その計測されたバラツキを補正するように、抵抗Rr,Rg,Rbの抵抗値を変更させてもよい。また、第1の制御部100は、電圧Vr,Vg,Vbの低下中に電圧Vr,Vg,Vbの傾きを変化させてもよい。
【0104】
上記第3の実施形態においては、第1の制御部100は、遅延時間データテーブルに記憶される遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnを自動で補正する機能を有していてもよい。例えば、第1の制御部100は、電圧Vr,Vg,Vbが要求電圧Vr1,Vg1,Vb1に到達するタイミングのバラツキを計測し、その計測されたバラツキを補正するように、遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnの長さを補正してもよい。
【0105】
上記第3の実施形態においては、遅延時間データテーブルには、調光変化量Δ1~Δn及び現在の輝度D1~Dnと遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnが関連づけられていたが、要求輝度及び現在の輝度D1~Dnと遅延時間Tg1~Tgn,Tb1~Tbnが関連づけられていてもよい。
【0106】
上記各実施形態においては、要求輝度は、外光強度信号SLに応じて決まっていたが、これに限らず、例えば、車両2のヘッドライトを点灯又は消灯させるための操作信号、表示画像の種類等に応じて決まってもよい。
【0107】
上記各実施形態においては、ステップS109,S117に係る処理は、非表示期間Fbにおいて行われていたが、表示期間Faにおける表示素子30がオフの期間に行われてもよい。
【0108】
上記各実施形態においては、第2及び第3電圧調整部320,330は、第1電圧調整部310の電源IC316からの電圧Vgに基づき電圧Vr,Vbを生成していたが、第2及び第3電圧調整部320,330は、それぞれ個別に電源ICを備えていてもよい。
【0109】
上記各実施形態において、光源11r,11g,11b毎に第1~第3電圧調整部310~330が設けられていたが、これに限らず、光源11r,11g,11bのうち何れか2つに共有の電圧調整部を設けてもよい。例えば、光源11g,11bに1つの電圧調整部を設けて、この電圧調整部は、光源11g,11bに同一の電圧を印加してもよい。
【0110】
上記各実施形態において、電圧Vgを基準として、所望の光強度比を実現するように、電圧Vr,Vbが設定されていたが、基準となる電圧は、電圧Vr,Vbの何れかであってもよい。
【0111】
また、光源11r,11g,11bの各サブフレームFsにおけるオン時間Tonを定める制限信号SCを、光源11r,11g,11bの発光タイミングを制御するイネーブル信号EN(R-EN,G-EN,B-EN)で代替えしてもよい。
【0112】
上記各実施形態において、HUD装置1は、
図12(b)、
図12(c)に示すように、表示期間割合を段階的に変化させつつ、該表示期間割合が一定の間に電流を連続的に変化させる要求輝度の領域と、
図12(d)、
図12(c)に示すように、制限データのオンデューティ比を段階的に変化させつつ、該制限データのオンデューティ比が一定の間に電流を連続的に変化させる要求輝度の領域と、を別々に設けていたが、表示期間割合、制限データのオンデューティ比、電流それぞれを変化させる要求輝度の領域を有していてもよい。具体的に例えば、HUD装置1は、表示期間割合を段階的に変化させつつ、該表示期間割合が一定の間に制限データのオンデューティ比を段階的に変化させつつ、該制限データのオンデューティ比が一定の間に電流を連続的に変化させてもよい。
【0113】
上記各実施形態においては、第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1未満の場合においては、要求輝度が低くなるにつれてリニアに電圧Vgを低下させていたが、要求輝度が低くなるにつれて階段状に電圧Vgを低下させてもよい。
【0114】
上記各実施形態においては、第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1未満の場合、電流Igを一定に保持していたが、要求輝度に応じて電流Igも変化させてもよい。
また、上記各実施形態においては、第1の制御部100は、要求輝度が第1閾値Th1以上の場合においては、第1電圧調整部310を通じて電圧Vgを一定電圧Vnに保持していたが、要求輝度に応じて電圧Vgを変化させてもよい。
【0115】
上記各実施形態においては、第1の制御部100は、低輝度モードのときにのみ、上記ステップS104~S110に係る電圧調整調光処理を行っていた。しかし、第1の制御部100は、要求輝度に関わらず、この電圧調整調光処理を行ってもよい。
【0116】
上記各実施形態において、第1の制御部100の制御内容の一部を、第2の制御部200が実行してもよいし、反対に、第2の制御部200の制御内容の一部を、第1の制御部100が実行してもよい。また、第1及び第2の制御部100,200は一つの制御部として構成されてもよい。
【0117】
上記各実施形態において、光源11r,11g,11bは、それぞれ独立した光源として構成されているが、共通の光源から複数の色の光を出射するものであってもよい。また、光源は、複数色の光を出射するものであればよく、2色のみで構成されてもよく、また、4色(白色も含む)以上で構成されていてもよい。
また、1つの光源から複数色の光を出射する場合、各光源11r、11g、11bの光軸を合わす光合成部13を省略してもよい。
【0118】
上記実施形態においては、光強度検出部500は、合成光Cの一部の光路に設置されていたが、光R、G、Bそれぞれの光強度を検出することができればよく、例えば、合波される前の光R、G、Bそれぞれの光強度を検出できる箇所に設けられていてもよい。また、光強度検出部500は、照明光学系20から出射された合成光Cの一部の光強度を検出できる箇所に適宜設けられていてもよい。
【0119】
上記実施形態におけるHUD装置1は車載用であったが、車載用に限らず、飛行機、船等の乗り物に搭載されるHUD装置1であってもよい。また、HUD装置1からの表示光Lは投射部材としてのウインドシールド3に投射されていたが、専用のコンバイナに投射されてもよい。また、光源駆動装置5をHUD装置1以外の各種表示装置、例えばプロジェクタ等に適用してもよい。
【0120】
上記各実施形態においては、所望の光強度比は、要求輝度に応じて予め設定されていたが、これに限らず、例えば予め計算式をメモリ100aに記憶させ、第1の制御部100は、この計算式を利用して、要求輝度に基づき所望の光強度比を算出してもよい。
【0121】
上記各実施形態においては、光源駆動装置5は、フィールドシーケンシャル方式により光源11r,11g,11bを駆動させていたが、これに限らず、例えば、並置加法混色、同時加法混色又は継続加法混色等のその他の方式により光源11r,11g,11bを駆動させてもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 HUD装置
2 車両
3 ウインドシールド
5 光源駆動装置
6 車両ECU
7 外光強度センサ
10 照明装置
11 光源ユニット
11b,11g,11r 光源
12 回路基板
13 光合成部
13a 反射ミラー
13b,13c ダイクロイックミラー
14 輝度ムラ低減部
15 透過膜
20 照明光学系
30 表示素子
30a マイクロミラー
40 投射光学系
50 スクリーン
61 平面鏡
62 凹面鏡
70 筐体
70a 開口部
71 透光部
100 第1の制御部
100a メモリ
100b タイマ
100c 処理部
200 第2の制御部
300 電源制御ユニット
310 第1電圧調整部
318,328,338 平滑用コンデンサ
316 電源IC
320 第2電圧調整部
330 第3電圧調整部
400 光源駆動部
410 比較回路
420 論理回路
430 光源駆動回路
500 光強度検出部
700 バッテリ