(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】車両用媒体読み取り装置
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20220301BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20220301BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
B60R11/02 W
H05K5/02 L
G06K7/00 056
(21)【出願番号】P 2021020316
(22)【出願日】2021-02-11
(62)【分割の表示】P 2017088747の分割
【原出願日】2017-04-27
【審査請求日】2021-02-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(72)【発明者】
【氏名】前田 和則
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 弘晃
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 嘉宏
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-001093(JP,A)
【文献】特開平08-292997(JP,A)
【文献】特開2012-228904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
H05K 5/02
G06K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用媒体読み取り装置において、
ケース(1)の内部の液体を前記ケースの外部へと排出する液体排出部(121)と、
前記ケースの前壁(13)から操作可能な操作部(6)とを備え、
前記操作部は、
記憶媒体(10)を前記ケースの内部へと挿入させる挿入口と回路基板(2)の前記前壁側の縁(26)との間に配置された縦壁部(24)と、
前記前壁に設けられた開口から露出する入力部(62)と、
前記回路基板と前記ケースの天井壁との間に設けられ、前記入力部に対応して稼働する操作稼働部(63)とを有し、
前記縦壁部が、前記入力部から前後方向へ延ばした延長線と交差する位置まで延びている車両用媒体読み取り装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記入力部と前記縦壁部との間に位置する空洞(27a、27b)を有する
請求項1に記載の車両用媒体読み取り装置。
【請求項3】
前記液体排出部は、
前記ケースの底壁(18)に設けられ、前記内部に侵入した前記液体を前記外部へと排水する前方排出部(121a)と、
前記前方排出部よりも後方、かつ、前記底壁に設けられ、前記内部に侵入した前記液体を前記外部へと排水する後方排出部(121b)とを有する
請求項1または請求項2に記載の車両用媒体読み取り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、車両用媒体読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2は、ETC(登録商標)車載器を開示している。従来技術として列挙された先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-228904号公報
【文献】特開2011-170549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、ETC車載器の前壁側から水が侵入することで回路基板が被水するおそれがあった。
【0005】
また、特許文献2は、ETC車載器の前壁をカバーで覆うから、操作しにくくなるという問題があった。
【0006】
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、車両用媒体読み取り装置にはさらなる改良が求められている。
【0007】
開示されるひとつの目的は、操作のし易さを確保した上で、回路基板の被水を抑制する車両用媒体読み取り装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ここに開示された車両用媒体読み取り装置は、車両用媒体読み取り装置において、ケース(1)の内部の液体をケースの外部へと排出する液体排出部(121)と、ケースの前壁(13)から操作可能な操作部(6)とを備え、操作部は、記憶媒体(10)をケースの内部へと挿入させる挿入口と回路基板(2)の前壁側の縁(26)との間に配置された縦壁部(24)と、前壁に設けられた開口から露出する入力部(62)と、回路基板とケースの天井壁との間に設けられ、入力部に対応して稼働する操作稼働部(63)とを有し、縦壁部が、入力部から前後方向へ延ばした延長線と交差する位置まで延びている。
【0015】
ここに開示された車両用媒体読み取り装置によると、縦壁部は、入力部から前後方向へ延ばした延長線と交差する位置まで延びている。前面に設けられた開口と入力部との隙間からケースの内部に水が侵入してきた場合、回路基板側への水の侵入を減らすことができる。入力部から侵入した液体は、液体排出部によってケースの外部へと排出される。
【0016】
ケースの前壁に挿入口が露出するよう設けられていることで、記憶媒体を抜き差しする際、操作しにくくなることは少ない。
【0017】
これにより、本発明は、操作のし易さを確保した上で、回路基板の被水を抑制する。
【0018】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るETC車載器の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0021】
(第1実施形態)
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態に係る車両用媒体読み取り装置として車両用ETC車載器100(以下、単にETC車載器という)を示している。
【0022】
ETC車載器100を例えばインパネ付近にネジ締結で固定されたブラケット4に装着することで、ETC車載器100を任意の部位に固定することができる。この場合、ETCカード10の挿入性を考慮して、後述するカードの挿入口20がいくらか上向きになるように固定するのが一般的である。ETC車載器100は、前上がり形態で固定される。いくらか上向きとは、例えば、傾斜角5°~23°である。
【0023】
記憶媒体としてETCカード10を用いているが、車両用媒体読み取り装置が読み取り可能な記憶媒体であればよい。例えば、ETCカード10を含むICカードやCDなどの記憶媒体を用いてもよい。このETCカード10は、記憶媒体に相当する。
【0024】
車両のインパネの内部にETC車載器100を配置するビルトインETC車載器100も存在する。インパネの内部に配置する場合もETCカード10の挿入性を考慮して、後述するカードの挿入口20がいくらか上向きになるよう配置するのが一般的である。
【0025】
以降の記載において、前後、上下、左右の方向を用いてETC車載器100の構成を説明する。これらの方向は説明の便宜上用いているに過ぎず、ETC車載器100の使用や取り付けの方向などを限定するものではない。
【0026】
ETC車載器100は、ケース1と、ケース1の内部に配置される本体部とを備えている。
【0027】
(ケース)
ケース1について説明する。ケース1は上ケース11と下ケース12とを有する。ケース1は、扁平な六面体である。多くの場合、ケース1は、最も小さい側面を車室に臨むように配置される。
【0028】
図1に示すように、下ケース12は、主として前後左右方向に拡がる底壁18と、底壁18の左右両側に設けられた右側壁16および左側壁17とを有する。下ケース12の上側は開口となっている。本体部は、本体部の下側から下ケース12によって覆われる。
【0029】
底壁18は、後述する一対のブラケット位置決め穴41を有する。ブラケット位置決め穴41は、ETC車載器100をブラケット4に取付けるためのものである。ブラケット4は、ブラケットネジ穴43を有する。ブラケット4は、ブラケットネジ穴43とブラケット位置決め穴41とがネジ42で固定されることにより、底壁18に取り付けられる。
【0030】
図2に示すように、上ケース11は、主として天井壁15と、前壁13と、後壁14とを有する。天井壁15は、前後左右方向に拡がる壁である。前壁13は、操作キー6およびイジェクトボタン8が配置される開口と、ETCカード10が挿入される挿入口20とを有する。挿入口20は、前壁13に露出している。後壁14は、回路基板2に設けられた各種コネクタの接続口を外部と連通するための複数の隙間を有する。上ケース11の下側は開口となっている。本体部は、本体部の上側から上ケース11によって覆われる。
【0031】
上ケース11は、上ケース11に設けられた係止爪を下ケース12に係止させる。上ケース11は、下ケース12と上下方向に重ねられることで下ケース12に連結される。本体部は、上ケース11と下ケース12とが連結されたケース1の内部に収容される。
【0032】
(本体部)
図1に戻り、本体部について説明する。本体部は、回路基板2、カードコネクタ3、レンズ5、操作キー6、イジェクトボタン8、シート9を含む部品を有する。部品は、組み付けた状態においては上下方向に関しては比較的薄く、前後左右方向に関しては大きく拡がる形状となっている。
【0033】
回路基板2は、プリント配線基板と、プリント配線によって電気的に接続されてなる複数の電子部品とを有する。回路基板2は、ETCカード10のチップの接点部と電気的に接続される接続端子を有する。回路基板2は、接続端子とチップの接点部とを接続させることでETCカード10の情報を読み出す。回路基板2は、後部に設けられたコネクタを介して図示しないアンテナに接続される。回路基板2は、アンテナを介して図示しないETC路上装置と通信する。
【0034】
カードコネクタ3は、ETCカード10より僅かに大きい略矩形の筒形状のカードホルダである。ETCカード10は、カードコネクタ3に挿入される。カードコネクタ3は、回路基板2と後述する下ケース12との間に配置される。
【0035】
カードコネクタ3は、ETCカード10を収容するための空間を内部に有する。カードコネクタ3は、前方にETCカード10を挿入するための開口部31を有する。カードコネクタ3は、ETCカード10を保護するため金属とエンジニアリングプラスチックとから形成される。カードコネクタ3の上面は、開口を有する。カードコネクタ3は、回路基板2に固定された場合、回路基板2の裏面に開口面積分の回路部品を実装可能とする。カードコネクタ3の側方にはイジェクトボタン8が取り付けられる。
【0036】
イジェクトボタン8は、カードコネクタ3に収容されたETCカード10をユーザが取り出すための操作部品である。イジェクトボタン8は、前壁13に設けられた開口に挿入されている。イジェクトボタン8の頭部は、開口から露出されている。イジェクトボタン8は、記憶媒体排出ボタンに相当する。
【0037】
操作キー6は、本体部の機能をユーザが操作するための操作部品である。操作キー6は、回路基板2と上ケース11との間に配置されている。操作キー6は、前壁13に設けられた開口に挿入されている。操作キー6の一部は、開口から露出されている。操作キー6は、操作部に相当する。
【0038】
イジェクトボタン8は、カードコネクタ3によって所定の範囲で変位可能に保持されている。操作キー6は、ケース1によって所定の範囲で変位可能に保持されている。
【0039】
レンズ5は、ETC車載器100の動作状態やETCカード10が挿入されているか否か等を示す発光部品である。レンズ5は、回路基板2上に搭載された光源からの光を前壁13へと透過させるために回路基板2から前壁13にわたって配置されている。
【0040】
(上ケース)
図2に示すように、前壁13は、ETCカード10の一部を露出させるための凹部21を有する。
【0041】
図3は、
図5のA‐A断面図である。凹部21は、前壁13から後壁14へと向かう方向に凹んでいる。凹部21により、ETCカード10のチップの接点部と回路基板2の接続端子とが接触する位置にまでETCカード10をカードコネクタ3へと押し込むことができる。
【0042】
図4は、
図5のA‐A断面図である。挿入口20から挿入されたETCカード10は、凹部21においてのみ挿入口20から露出される。
【0043】
図5に示すように、凹部21は、挿入口20の幅方向の中央部20cに設けられている。凹部21は、挿入口20の一部であれば任意の位置に設けることができる。例えば、右側壁16側の挿入口20の端部20aや左側壁17側の挿入口20の端部20bに設けてもよい。中央部20cに凹部21を設けることで、ETCカード10の挿入の際、ETCカード10に加わる力を左右均等に分布させることができる。これにより、ETCカード10が曲がることでETCカード10が傷つくことを抑えることができる。
【0044】
図6に示すように、上ケース11は、侵入口22を有する。侵入口22は、挿入口20の上部に設けられている。侵入口22は、インパネ表面に伝わる水をケース1の内部へと侵入させる。侵入口22は、凹部21に向けて流れてきた水が挿入口20に届く前に、凹部21に向けて流れてきた水をケース1の内部へと侵入させる。侵入口22は、上ケース11の上下方向にケース1の内部へと連通する連通穴22aを有する。
【0045】
連通穴22aの上面は、略矩形を成している。連通穴22aの左右方向の側面は、連通穴22aの上面から下面へと向かうにつれて、中央部20cへと向かう傾斜が形成されている。連通穴22aは、後述する庇部24aよりも底壁18側に延びて形成されている。
【0046】
連通穴22aは、左右方向に所定の間隔で連通穴22aを仕切る仕切り部22bを有する。仕切り部22bは、連通穴22aに複数設けられている。仕切り部22bは、連通穴22aの上面を基点に下面へと向かうにつれて、左右両側に向かい傾斜が形成される三角形状を成している。仕切り部22bを設けることで、前壁13に前後方向の力が加えられたとしても侵入口22が破損する可能性を低くできる。
【0047】
図7に示すように、侵入口22は、前壁13側の天井壁15の一端に設けられている。
【0048】
図5に戻り、侵入口22は、上ケース11の左右方向に延びて形成されている。侵入口22は、侵入口の左右方向の長さが、凹部21の左右方向の長さよりも長くなるように形成されている。
【0049】
インパネ表面に伝わる水および前壁13へと飛散した水をケース1の内部へと侵入させるために、侵入口22は、前壁13と天井壁15との角部に設けられている。
【0050】
侵入口22は、天井壁15と平行な開口である。侵入口22は、上方向を指向している。侵入口22は、前壁13に沿って延びている。侵入口22は、天井壁15から、前壁13へ突出するように位置づけられている。侵入口22は、やや受け口となっている。
【0051】
(内部構造)
図8は、
図5のB‐B断面図である。本体部は、案内部23を有する。案内部23は、侵入口22の下部に配置されている。案内部23は、縦壁部24と傾斜部25とを有する。縦壁部24は、侵入口22と回路基板2の前壁13側の縁26との間に設けられている。傾斜部25は、ケース1の側壁に向かって水を流すように形成されている。
【0052】
図9に示すように、案内部23は、操作キー6と、レンズ5とを有する。操作キー6とレンズ5とにより、傾斜部25と縦壁部24とが形成されている。操作キー6とレンズ5とが結合した案内部23は、ケース1に組み付けることで、ケース1の前後左右方向から締め付けられる。ケース1により案内部23が締め付けられることで、操作キー6とレンズ5との隙間を生じさせにくくできる。
【0053】
レンズ5は、光源からの光を前壁13へと透過させるために、前壁13に縦方向に露出する露出部51を有する。レンズ5は、露出部51を2つ有している。
【0054】
図8に戻り、縦壁部24は、侵入口22から侵入させた水が、上ケース11の内部で跳ね返ることで、回路基板2側に飛散することを防止するために、庇部24aを有する。庇部24aは、縦壁部24の上部に設けられている。庇部24aは、縦壁部24の上部から連通穴22aを区画する壁へと延びている。前述したように、連通穴22aは、庇部24aよりも底壁18側に延びて形成されている。
【0055】
図10に示すように、縦壁部24は、庇部24aの左右方向の両端に、ケース1の側壁と平行な左右縦壁部24bを有する。庇部24aおよび左右縦壁部24bは、2つの露出部51との間に設けられる。
【0056】
図9に戻り、縦壁部24の左右方向の長さは、傾斜部25の左右方向の長さよりも長い。縦壁部24の左右方向の端部は、回路基板2の左右方向の端部付近まで延びている。回路基板2の左右方向の端部付近とは、回路基板2が有しているETC車載器100の機能を果たす複数の電子部品が存在する中央の領域よりも側壁側の領域を示している。
【0057】
傾斜部25は、侵入口22から侵入させた水が、ケース1の側壁へと流れていくように傾斜している。
【0058】
案内部23と底壁18との間にカードコネクタ3が配置されている。傾斜部25によって流される水は、カードコネクタ3の上面を通り、ケース1の側壁へと流される。
【0059】
縦壁部24と、庇部24aと、左右縦壁部24bと、前壁13との間に空間が設けられている。侵入口22から侵入する水の量が多い場合、空間に水が溜まる場合がある。空間に水が溜まることで、水を一定量ずつケース1の側壁に流しやすくなる。水を一定量ずつケース1の側壁に流すことで、水の勢いを抑えることができる。水の勢いを抑えることで、後述する液体排出部121から水が排出されやすくなる。
【0060】
案内部23により、ケース1の側壁へと流れた水を下ケース12へと流すため、案内部23の両端部の延長上に空洞が設けられている。空洞は、右側壁16側の案内部23の端部23aの延長上に存在する右空洞27aと、左側壁17側の案内部23の端部23bの延長上に存在する左空洞27bとを有する。
【0061】
右空洞27aは、右側壁16側のカードコネクタ3の側面33と、前壁13と、縦壁部24と、右側壁16とにより区画されている。これにより、右側壁16側へと流れた水が回路基板2にかかることを抑えつつ、水を下ケース12へと流すこととなる。
【0062】
左空洞27bは、左側壁17側のカードコネクタ3の側面34と、前壁13と、縦壁部24と、左側壁17とにより区画されている。
【0063】
端部23bの延長上にイジェクトボタン8が配置されている。つまり左空洞27bには、イジェクトボタン8が配置されている。このため、左空洞27bを区画する縦壁部24は、右空洞27aを区画する縦壁部24と比べ、イジェクトボタン8を配置する領域だけ回路基板2を覆う領域が小さく構成される。
【0064】
図11に示すように、イジェクトボタン8は、ユーザの操作をカードコネクタ3へと伝達する操作伝達部81と、イジェクトボタン8の操作面を発光させる発光部82とを有している。イジェクトボタン8は、前壁13から前後方向へと延びるボタンである。イジェクトボタン8の後部は、回路基板2の下部に設けられている。イジェクトボタン8は、イジェクトボタン8の後部から縁26よりも前壁13側に延びて構成されている。発光部82は、操作伝達部81の後部からユーザが操作する操作伝達部81の操作面へ突出するように位置づけられている。操作伝達部81は、ボタン操作部に相当する。
【0065】
図12に示すように、イジェクトボタン8は、端面23cから左右方向へ延ばした延長線と交差する交差部83を有する。交差部83は、上部から下部へと貫通している。端面23cは、傾斜部25の端部23bに設けられた端面である。
【0066】
図13に示すように、交差部83は、排出用縦壁部84aと排出用縦壁部84bと排出用縦壁部84cとにより区画されている。排出用縦壁部84aは、縁26側に設けられた縦壁である。排出用縦壁部84bは、イジェクトボタン8の操作面の裏側に設けられた縦壁である。排出用縦壁部84cは、端面23c側に設けられた縦壁である。
【0067】
交差部83は、左側壁17側に排出用縦壁部が設けられてない。左側壁17へと流れた水が、左側壁17側に設けられた排出用縦壁部に被水する。排出用縦壁部に被水した水が、排出用縦壁部を伝うことで回路基板2側へ侵入するおそれがある。交差部83は、左側壁17側に排出用縦壁部を設けないことで、回路基板2側への水の侵入を少なくしている。左側壁17側へと流れた水は、回路基板2にかかることを回避しながら、下ケース12へと流れる。
【0068】
図11に戻り、排出用縦壁部84aは、回路基板2の下部、かつ、縁26よりも後方に配置されている。排出用縦壁部84aにより、回路基板2の下面側への水の侵入を少なくすることができる。
【0069】
図14に示すように、イジェクトボタン8は、前壁13に設けられた開口に配置されている。イジェクトボタン8と開口との間にはボタン隙間85が存在する。よって、インパネ表面に伝わる水および前壁13へと飛散した水がボタン隙間85からケース1の内部へと侵入するおそれがある。
【0070】
図15に示すように、ボタン隙間85からケース1の内部に侵入してきた水は、交差部83を通り、下ケース12へと流れる。下ケース12へと流れる際、排出用縦壁部84aにより、回路基板2の下部へと水が侵入することを抑えることができる。よって、ボタン隙間85からの水の侵入に対しても、回路基板2への水の侵入を抑えることができる。
【0071】
(シート)
図16は、
図5のC‐C断面図である。シート9は、挿入口20を覆うように上ケース11の内側面に固定されている。シート9は可撓性を有しており、例えばフェルトなどの化学繊維またはビニールなどの樹脂が用いられている。上ケース11の内部に固定するために、シート9の一端には接着部材91が設けられている。接着部材とは、例えば両面テープやボンドである。挿入口20が上向きになるようにETC車載器100が固定される可能性がある。シート9は、ETC車載器100の設置角度が変化したとしてもシート9が重力では撓むことのない可撓性を有していることが好ましい。また、ETCカード10を挿抜する際、挿抜性が悪化しないように、シート9の抵抗を感じさせにくい可撓性を有していることが好ましい。
【0072】
シート9は、接着部分を基点として撓む。ETCカード10が挿入されていない場合、挿入口20がシート9で覆われる。シート9により、インパネ表面から流れてきた水および前壁13へと飛散した水が挿入口20からケース1の内部へと侵入することを減らすことができる。
【0073】
前壁13は、挿入口20の下端20dから底壁18側、かつ、後壁14と反対側に向かって傾斜を成している。シート9に接触した水は、前壁13の傾斜を伝わり、ケース1の外部へと流れる。
【0074】
シート9を設けることで、カードコネクタ3の開口部31に光が入ることを防ぐことができる。これにより、カードコネクタ3の金属とエンジニアリングプラスチックとに光が反射することで、ETC車載器100の見栄えが悪化することを防ぐことができる。
【0075】
シート9を設けることで、挿入口20から塵や埃がケース1の内部へ侵入することを抑制できる。
【0076】
図17に示すように、シート9は、凹部21に沿うように内側面に固定される。シート9は、曲線部9aと直線部9bとを有している。曲線部9aは、凹部21に沿うように湾曲形状を成している。曲線部9aは、中央部20cを覆う。直線部9bは、端部20aと端部20bとを覆う。
【0077】
図16に戻り、上ケース11は、水を下ケース12へと侵入させるシート下侵入口95を有す。シート下侵入口95は、シート9が固定されている一端である固定端93と反対の他端である自由端94の対向位置、かつ、直線部9bが存在する位置に設けられている。シート下侵入口95の前壁13側の縁は、自由端94よりも前壁13側に設けられている。シート下侵入口95を設けることで、自由端94と上ケース11との隙間からケース1の内部へと侵入した水は、下ケース12へと流される。
【0078】
挿入口20へと侵入する水は、シート9により水の流れ方向が整流される。挿入口20へと侵入する水は、シート9により水の勢いが弱められる。シート下侵入口95へと侵入した水は、上ケース11の内側面を伝い下ケース12へと流れやすくなる。
【0079】
図17に示すように、シート9は、凹部21に対応して形成されたスリット92を有する。スリット92は、曲線部9aと直線部9bとの境目の2箇所に設けられる。
【0080】
図18に示すように、直線部9bは、ETCカード10を挿入口20へと挿入した際、ETCカード10の前壁13側の端面10aよりも前壁13側に位置する。これにより、端部20aと端部20bとからケース1の内部への水の侵入を減らすことができる。
【0081】
図19は、
図18のH‐H断面図である。曲線部9aは、ETCカード10を挿入口20へと挿入した際、端面10aよりも後壁14側に位置する。曲線部9aは、ETCカード10を挿入口20へと挿入した際、ETCカード10の上面で上ケース11の後壁14方向に曲がった状態となる。曲線部9aは、ETCカード10の上面で曲がった状態からETCカード10を挿入していない状態へと戻ろうとする力が働くことで、ETCカード10の上面に接触した状態で曲げられる。
【0082】
スリット92を設けない場合、ETCカード10を挿入口20へと挿入した際、シート9の曲線部9aが曲がった状態となる。曲線部9aが曲げられることで曲線部9aと繋がった直線部9bも曲がった状態となる。直線部9bは、ETCカード10の上面で上ケース11の後壁14方向に曲がった状態となる。
【0083】
スリット92を設けることで、直線部9bは、ETCカード10の挿入の有無に関わらず、端面10aよりも前壁13側に存在する。直線部9bにより、挿入口20からケース1の内部への水の侵入を減らすことができる。
【0084】
曲線部9aは、ETCカード10が挿入されていない場合、中央部20cを覆う。曲線部9aにより、挿入口20からケース1の内部への水の侵入減らすことができる。
【0085】
ETCカード10が挿入されている場合、水がETCカード10の上面を伝い、ケース1の内部へと侵入するおそれがある。曲線部9aと直線部9bとの境目には、スリット92が設けられることでスリット隙間が生じる。スリット隙間からケース1の内部へと水が侵入するおそれがある。
【0086】
曲線部9aに関しては、ETCカード10が挿入されている場合、水の侵入のおそれがある。スリット隙間に関しては、ETCカード10の挿入の有無に関わらず、水の侵入のおそれがある。
【0087】
上記侵入口22を曲線部9aの上部に設けることで、曲線部9aから水が侵入する前に、侵入口22から水をケース1の内部に入れてしまう。これにより、曲線部9aからの水の侵入を減らすことができる。
【0088】
(操作キー)
図20は、
図18のD‐D断面の斜視図である。操作キー6は、前壁13に設けられた開口に配置されている。操作キー6と開口との間には操作キー隙間61が存在する。よって、インパネ表面に伝わる水および前壁13へと飛散した水が操作キー隙間61からケース1の内部へと侵入するおそれがある。
【0089】
操作キー6は、入力部62と、操作稼働部63と、操作キー空洞64とを有する。ユーザが操作する入力部62の操作面は、前壁13から露出されている。操作稼働部63は、回路基板2と上ケース11の天井壁15との間に設けられている。操作稼働部63は、入力部62に対応して稼働する。操作キー空洞64は、案内部23の端部の延長上に位置している。縦壁部24は、入力部62から前後方向へ延ばした延長線と交差する位置まで延びている。
【0090】
入力部62と、操作稼働部63と、縦壁部24とは一体成形されている。
【0091】
操作キー隙間61からケース1の内部へと侵入した水は、操作キー空洞64を通り、下ケース12へと流れる。縦壁部24により、回路基板2側への水の侵入を減らすことができる。
【0092】
図21は、
図18のE‐E断面図である。操作稼働部63は、バネ部63aと、押し部63bと、伝達部63cとを有する。
【0093】
バネ部63aは、樹脂で構成されている。バネ部63aは、入力部62からの入力により弾性変形する。バネ部63aは、入力部62と縦壁部24との間に配置されている。バネ部63aは、縦壁部24に近い部分ほど太くなるようテーパ形状を成している。バネ部63aは、入力部62と、入力部62の操作面よりも下方側の縦壁部24の表面とが接続するように傾斜を成している。操作キー隙間61からケース1の内部へと侵入した水は、バネ部63aに伝わり、下ケース12へと流れる。
【0094】
伝達部63cは、入力部62から前後方向に延びて構成される。伝達部63cは、入力部62の操作面と直交する方向への押圧力を押し部63bへと伝える。
【0095】
押し部63bは、回路基板2の上面に設けられたタクトスイッチ65と、タクトスイッチ65の上部に存在する伝達部63cとの間に配置されている。押し部63bは、伝達部63cと接続されている。
【0096】
バネ部63aは、ユーザ操作に応じて入力部62が入力部62の操作面と直交する方向への押圧力を受けると弾性変形する。押し部63bは、縦壁部24と回路基板2の端面28との接点を基点として、伝達部63cにより押圧力が伝えられる。押し部63bは、回路基板2の上面と直交する方向に変位する。タクトスイッチ65の可動部は、押し部63bが回路基板2の上面と直交する方向に変位することで、押し部63bによって押される。
【0097】
バネ部63aは、入力部62が押圧力を受けなくなると、弾性変形した状態から復元する。押し部63bは元の位置に戻り、タクトスイッチ65の可動部から離れる。
【0098】
図22に示すように、伝達部63cは、縦壁部24の左右方向の端部より外側を通り、押し部63bへと繋がっている。入力部62の操作面と直交する方向への押圧力が押し部63bに伝わりやすくするために、伝達部63cは、左側伝達部63caと、右側伝達部63cbとを有する。左側伝達部63caは、入力部62と押し部63bとを縦壁部24の左側壁17側から接続している。右側伝達部63cbは、入力部62と押し部63bとを縦壁部24の右側壁16側から接続している。
【0099】
右側伝達部63cbは、左側伝達部63caと比べ、入力部62と押し部63bとの接続距離が短い。入力部62から押し部63bまでの距離が短いことで、押圧力が押し部63bに伝わりやすくする。右側伝達部63cbと左側伝達部63caとのように、押圧力を伝える部材を複数設けることで、押圧力が押し部63bに伝わりやすくする。これにより、ユーザによる操作キー6の操作を容易にすることができる。
【0100】
(下ケース)
図23に示すように、下ケース12は、液体排出部121を有する。液体排出部121は、底壁18に設けられている。液体排出部121は、ケース1の内部に侵入した水をケース1の外部へと排出する。液体排出部121は、下ケース12の前後方向に離れて設けられた前方排出部121aと、後方排出部121bとを有する。
【0101】
後方排出部121bは、左右方向の中央に拡がっている。前方排出部121aは、後方排出部121bよりも左右方向に延びて形成されている。
【0102】
下ケース12は、前方排出部121aと後方排出部121bとの間、かつ、下ケース12の左右の両側壁に設けられたブラケット位置決め穴41を有する。
【0103】
下ケース12は、左右仕切り壁部122と中央仕切り壁部123とを有する。
【0104】
左右仕切り壁部122は、底壁18、かつ、ブラケット位置決め穴41と後方排出部121bとの間に設けられている。左右仕切り壁部122は、左右の側壁から後方排出部121bへと向かう方向に延びる仕切りである。左右仕切り壁部122は、右側壁16と左側壁17とに設けられている。
【0105】
中央仕切り壁部123は、左右仕切り壁部122と後方排出部121bとの間、かつ、左右の側壁に存在する左右仕切り壁部122の間に設けられている。中央仕切り壁部123は、右側壁16側の端部123aと、左側壁17側の端部123bとを有する。
【0106】
端部123aは、右側壁16側に配置される左右仕切り壁部122の中央仕切り壁部123側へ延びる端部122aよりも右側壁16側に位置している。端部123bは、左側壁17側に配置される左右仕切り壁部122の中央仕切り壁部123側へ延びる端部122bよりも左側壁17側に位置している。左右仕切り壁部122と中央仕切り壁部123とは、迷路構造を成すように設けられている。迷路構造とすることで、後方排出部121bから塵や埃がケース1の内部へと侵入したとしても、塵や埃が下ケースの中央へと移動することを抑制する。
【0107】
端部123aと端部123bとは、後方排出部121bの前方側の縁121cよりも後方に位置している。中央仕切り壁部123の後面123dは、縁121cよりも前方に位置している。
【0108】
図24に示すように、中央仕切り壁部123は、前面123cの中央部分から端部123aおよび端部123bに向かって傾斜を成している。
【0109】
図25は、
図23のF‐F断面図である。左右仕切り壁部122は、左右仕切り庇部124を有する。左右仕切り庇部124は、左右仕切り壁部122の上端設けられている。左右仕切り庇部124は、左右仕切り壁部122の上端から前壁13側に向かって延びている。左右仕切り庇部124により、前壁13から後壁14へと流れる水が、左右仕切り壁部122を乗り超えることを抑制する。前壁13から後壁14へと流れる水は、左右仕切り庇部124により、左右仕切り壁部122を乗り超えることを回避しながら、後壁14へと流れる。
【0110】
図26は、
図23のG‐G断面図である。中央仕切り壁部123は、中央仕切り庇部125を有する。中央仕切り庇部125は、中央仕切り壁部123の上端設けられている。中央仕切り庇部125は、中央仕切り壁部123の上端ぁら前壁13側に向かって延びている。中央仕切り庇部125により、前壁13から後壁14へと流れる水が、中央仕切り壁部123を乗り超えることを抑制する。前壁13から後壁14へと流れる水は、中央仕切り庇部125により、中央仕切り壁部123を乗り超えることを回避しながら、後壁14へと流れる。
【0111】
図27は、
図23のJ‐J断面図である。前方排出部121aは、下ケース12の前方から後方に向かう方向に斜めの貫通穴126を有する。貫通穴126は、前方から後方に向かうにつれて上から下に下がり、傾斜を成している。貫通穴126の入り口と出口との位置が前後方向にずれて設けられている。これにより、外部から侵入する塵や埃を減らすことができる。
【0112】
貫通穴126が傾斜を成すことで、貫通穴126の傾斜に沿って水がケース1の外部へと排出される。これにより、水の排出を効率よく行うことができる。
【0113】
図28に示すように、後方排出部121bは、外部へと水を排出する排出穴127と、排出穴127の貫通方向を偏向させる偏向部材128とを有する。排出穴127は、底壁18を上下方向に貫通するように形成されている。
【0114】
偏向部材128は、偏向壁128aと偏向縦壁部128bとを有する。偏向壁128aは、排出穴127より上部に位置する。偏向壁128aは、排出穴127の貫通方向に対して対向するように位置づけられている。偏向壁128aは、排出穴127の前後左右の大きさとほぼ等しい大きさの壁である。
【0115】
偏向縦壁部128bは、ケース1の後壁14と平行に設けられる。偏向縦壁部128bは、偏向壁128aと下ケース12の底壁18とを接続させる。排出穴127は、偏向壁128aと偏向縦壁部128bとにより、左右方向から流れてきた水をケース1の外部へと排出させる。
【0116】
偏向壁128aは、排出穴127の前後左右の大きさよりも小さい場合、排出穴127から下ケース12内へと侵入する塵や埃の侵入方向が偏向されないおそれがある。塵や埃の侵入方向が偏向されることなく、下ケース12へ侵入してしまうおそれがある。そのため、偏向壁128aは、侵入方向を偏向させることができるように、排出穴127の前後左右の大きさとほぼ等しい大きさまたは排出穴127の前後左右の大きさよりも大きいことが望ましい。
【0117】
以上に述べた実施形態によると、挿入口20の上部に水をケース1の内部へと侵入させる侵入口22を設けることで、挿入口20から侵入する水を減らすことができる。挿入口20から侵入する水を減らすことで、挿入口20から侵入する水によって回路基板2が被水することを抑制する。
【0118】
侵入口22の下部に、案内部23が配置されている。案内部23は、縦壁部24と傾斜部25とを有する。縦壁部24は、侵入口22と縁26との間に設けられている。傾斜部25は、ケース1の側壁に向かって水を流すように形成されている。侵入口22から侵入した水が、縦壁部24により回路基板2側に侵入することを防ぐこととなる。
【0119】
傾斜部25はケース1の側壁に向かう方向に傾斜している。縦壁部24の左右方向の端部は、回路基板2の左右方向の端部付近まで延びている。縦壁部24と傾斜部25とにより、侵入口22から侵入した水は、回路基板2にかかることを回避しながら、ケース1の側壁に向かって流れる。ケース1の側壁に向かって流れる水は、案内部23の両端部の延長上に設けられた空洞を通り、下ケース12へと流れる。下ケース12へと流れる水は、液体排出部121によってケースの外部へと排出される。
【0120】
前壁13に挿入口20が露出するように設けられていることで、記憶媒体を抜き差しする際、操作しにくくなることは少ない。
【0121】
これにより、本発明は、操作のし易さを確保した上で、回路基板2が被水することを抑制する。
【0122】
また、本実施形態によると、侵入口22を曲線部9aの上部に設けることで、曲線部9aに水が侵入する前に、侵入口22から水をケース1の内部に入れてしまう。これにより、曲線部9aからの水の侵入を減らすことができる。
【0123】
また、本実施形態によると、挿入口20の内側にシート9を設ける。ETCカード10の挿入されていない場合、インパネ表面から流れてきた水および前壁13へと飛散した水が挿入口20からケース1の内部へと侵入することを減らすことができる。
【0124】
また、本実施形態によると、シート9にスリット92を設ける。直線部9bは、ETCカード10の挿入の有無に関わらず、挿入口20からケース1の内部への水の侵入を減らすことができる。
【0125】
また、本実施形態によると、縦壁部24は、入力部62から前後方向へ延ばした延長線と交差する位置まで延びている。操作キー隙間61からケース1の内部に水が侵入してきた場合、回路基板2側への水の侵入を減らすことができる。
【0126】
さらに、操作キー6は、縦壁部24と、入力部62と、操作稼働部63とを有する。バネ部63aは、入力部62と縦壁部24との間に配置されている。バネ部63aは、ユーザ操作に応じて入力部62が入力部62の操作面と直交する方向への押圧力を受けると弾性変形する。押し部63bは、縦壁部24と回路基板2の端面28との接点を基点として、伝達部63cにより押圧力が伝えられる。押し部63bは、回路基板2の上面と直交する方向に変位する。タクトスイッチ65の可動部は、押し部63bが回路基板2の上面と直交する方向に変位することで、押し部63bによって押される。これにより、操作キー6は縦壁部24を有することで、縦壁部24による回路基板2の被水対策を行いつつ、操作キー6の従来の挙動であるタクトスイッチ65の可動部を押す動作を得ることができる。
【0127】
(他の実施形態)
この明細書における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0128】
上記実施形態では、侵入口22は前壁13と天井壁15との角部に設けられている。これに代えて、侵入口22は、案内部23よりも前壁13側であればどこに設けてもよい。例えば、侵入口22は、角部から5mm後壁14側に設けてもよい。
【0129】
上記実施形態では、スリット92をシート9の曲線部9aと直線部9bとの境目の2箇所に設けている。これに代えて、ETCカード10を挿入口20へと挿入した際に、端面10aよりも前壁13側に位置するシート9であればどこに設けてもよい。端面10aに近い位置にスリット92を設けるほど、ETCカード10を挿入口20へと挿入した際に、シート9がETCカード10を覆うことのできる領域が増えるため、水を挿入口20へと侵入させにくくすることができる。
【0130】
上記実施形態では、スリット92を曲線部9aと、直線部9bとの境目の2箇所に設けている。これに代えて、どちらか1箇所のみでもよい。また、複数のスリット92を設けてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1:ケース、 10:記憶媒体、
121:液体排出部、 121a:前方排出部、 121b:後方排出部、
13:前壁、 14:後壁、 15:天井壁、 18:底壁、
2:回路基板、 20:挿入口、 21:凹部、 22:侵入口、 23:案内部、
23a、23b:端部、 23c:端面、 24:縦壁部、 25:傾斜部、
26:縁、 27a、27b:空洞、
5:レンズ、 6:操作部、 62:入力部、 63:操作稼働部、
8:記憶媒体排出ボタン、 81:ボタン操作部、 83:交差部、
84a、84b、84c:排出用縦壁部、
9:シート、 92:スリット、 93:固定端、
94:自由端、 95:シート下侵入口。