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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】空調衣服の電源装置及び空調衣服
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/50 20180101AFI20220301BHJP
   A41D 13/002 20060101ALI20220301BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20220301BHJP
【FI】
F24F11/50
A41D13/002 105
F24F11/74
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017095264
(22)【出願日】2017-05-12
(65)【公開番号】P2018194175
(43)【公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-04-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】沖 洋平
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/063065(WO,A1)
【文献】特開2009-155773(JP,A)
【文献】特開2012-246591(JP,A)
【文献】特開2012-140737(JP,A)
【文献】実開平06-042928(JP,U)
【文献】特開2005-054299(JP,A)
【文献】特開2017-002455(JP,A)
【文献】特開2019-007103(JP,A)
【文献】特開平11-182487(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154961(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/50
A41D 13/002
F24F 11/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調衣服の電源装置であって、
前記空調衣服のファンに供給される電源電圧を調整する電源電圧制御手段を備え、
前記電源電圧制御手段は、
前記電源電圧を第1の値に設定する第1の期間と、
前記電源電圧を当該第1の値よりも低い第2の値に設定する第2の期間と、が前記第1の期間から前記第2の期間に所定時間かけて移行する第1移行期間と、前記第2の期間から前記第1の期間に所定時間かけて移行する第2移行期間とを介して交互に現れるように前記電源電圧を調整し、
前記第1の期間と前記第1移行期間と前記第2移行期間が等しく、
前記第2の値は0より大きいことを特徴とする空調衣服の電源装置。
【請求項2】
前記電源電圧制御手段は、前記第1の期間と前記第2の期間とが等間隔で現れるように前記電源電圧を調整することを特徴とする請求項1に記載の空調衣服の電源装置。
【請求項3】
空調衣服の電源装置であって、
前記空調衣服のファンに供給される電源電圧を調整する電源電圧制御手段を備え、
前記電源電圧制御手段は、
前記電源電圧を第1の値に設定する第1の期間と、
前記電源電圧を当該第1の値よりも低い第2の値に設定する第2の期間と、
が交互に現れるように前記電源電圧を調整し、
前記電源電圧制御手段は、前記第1の期間、前記第1の期間から前記第2の期間に移行する第1移行期間、前記第2の期間、前記第2の期間から前記第1の期間に移行する第2移行期間が等間隔で現れるように前記電源電圧を調整し、
前記第2の値は0より大きいことを特徴とする空調衣服の電源装置。
【請求項4】
前記第1の期間と前記第2の期間とが交互に現れるように前記電源電圧を調整する第1のモード、及び、ユーザ操作に基づき前記電源電圧を調整する第2のモードのいずれかのモードを選択するモード選択手段を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の空調衣服の電源装置。
【請求項5】
前記空調衣服の内側の湿度を計測する湿度計測手段を備え、
前記第1の期間を前記湿度計測手段により計測される湿度の値が所定値を超えている期
間とし、前記第2の期間を前記湿度計測手段により計測される湿度の値が前記所定値以下
となる期間とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調衣服の電源装置。
【請求項6】
前記空調衣服の内側の温度を計測する温度計測手段を備え、
前記第1の期間を前記温度計測手段により計測される温度の値が所定値を超えている期
間とし、前記第2の期間を前記温度計測手段により計測される温度の値が前記所定値以下
となる期間とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調衣服の電源装置。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の空調衣服の電源装置と、
服本体と、
前記服本体内に空気を取り込むファンと、
を備えることを特徴とする空調衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調衣服の電源装置及び空調衣服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、身体を冷却する空調衣服が実用化され急激に普及しつつある。空調衣服は、例えば、通気性の低い素材で縫製された服本体と、服本体の後側の下方に取り付けられた2つのファンと、2つのファンに電力を供給するための電源装置と、電源装置と2つのファンとを電気的に接続するための電源ケーブルと、を備える。
【0003】
空調衣服は、ファンを作動させると、大量の空気がファンから服本体内に取り込まれる。取り込まれた空気の圧力により服本体と身体又は下着との間に空気流通路が自動的に形成され、取り込まれた空気は、形成された空気流通路を身体又は下着の表面に沿って上方に流通し、例えば、襟部の周囲や袖口部から外部に排出される。そして、空気は、服本体と身体又は下着との間の空気流通路を流通する間に身体から出た汗を蒸発させ、蒸発する時の気化熱により身体が冷却される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2005/063065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の空調衣服ではファンの風量を調整可能となっているが、例えば、夏場の屋外等で空調衣服を使用する場合、ファンの風量を最も強いレベルに調整するケースが殆どである。かかる場合、空調衣服により快適性を得ることができるが、ファンの消費電力が増えてしまうため、空調衣服を使用可能な時間が短くなってしまうといった問題がある。
【0006】
本発明の課題は、空調衣服の快適性を損なうことなく当該空調衣服を使用可能な時間を長くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、
空調衣服の電源装置であって、
前記空調衣服のファンに供給される電源電圧を調整する電源電圧制御手段を備え、
前記電源電圧制御手段は、前記電源電圧を第1の値に設定する第1の期間と、前記電源電圧を当該第1の値よりも低い第2の値に設定する第2の期間と、が前記第1の期間から前記第2の期間に所定時間かけて移行する第1移行期間と、前記第2の期間から前記第1の期間に所定時間かけて移行する第2移行期間とを介して交互に現れるように前記電源電圧を調整し、
前記第1の期間と前記第1移行期間と前記第2移行期間が等しく、
前記第2の値は0より大きいことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空調衣服の電源装置において、
前記電源電圧制御手段は、前記第1の期間と前記第2の期間とが等間隔で現れるように前記電源電圧を調整することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
空調衣服の電源装置であって、
前記空調衣服のファンに供給される電源電圧を調整する電源電圧制御手段を備え、
前記電源電圧制御手段は、前記電源電圧を第1の値に設定する第1の期間と、前記電源電圧を当該第1の値よりも低い第2の値に設定する第2の期間と、が交互に現れるように前記電源電圧を調整し、
前記電源電圧制御手段は、前記第1の期間、前記第1の期間から前記第2の期間に移行する第1移行期間、前記第2の期間、前記第2の期間から前記第1の期間に移行する第2移行期間が等間隔で現れるように前記電源電圧を調整し、
前記第2の値は0より大きいことを特徴とする
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項1~のいずれか一項に記載の空調衣服の電源装置において、
前記第1の期間と前記第2の期間とが交互に現れるように前記電源電圧を調整する第1のモード、及び、ユーザ操作に基づき前記電源電圧を調整する第2のモードのいずれかのモードを選択するモード選択手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の空調衣服の電源装置において、
前記空調衣服の内側の湿度を計測する湿度計測手段を備え、
前記第1の期間を前記湿度計測手段により計測される湿度の値が所定値を超えている期間とし、前記第2の期間を前記湿度計測手段により計測される湿度の値が前記所定値以下となる期間とすることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の空調衣服の電源装置において、
前記空調衣服の内側の温度を計測する温度計測手段を備え、
前記第1の期間を前記温度計測手段により計測される温度の値が所定値を超えている期間とし、前記第2の期間を前記温度計測手段により計測される温度の値が前記所定値以下となる期間とすることを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明の空調衣服は、
請求項1~のいずれか一項に記載の空調衣服の電源装置と、
服本体と、
前記服本体内に空気を取り込むファンと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、空調衣服の快適性を損なうことなく当該空調衣服を使用可能な時間を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は空調衣服の概略正面図であり、(b)は空調衣服の概略背面図である。
図2】電源装置の主制御構成を示すブロック図である。
図3】高効率モードにおける電源電圧の設定の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて順に詳細に説明する。但し、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0016】
(実施形態)
図1図3を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、本実施の形態の空調衣服100の全体構成を説明する。図1(a)は、空調衣服100の概略正面図であり、図1(b)は、空調衣服100の概略背面図である。
【0017】
図1(a),(b)に示すように、空調衣服100は、服本体10と、開閉手段20と、空気排出部30,…と、二つのファン40,40と、電源装置50と、を備える。
【0018】
服本体10は、身体の少なくとも上半身及び腕部を覆うものである。本実施形態では、服本体10を用いて、長袖の衣服、具体的にはジャンパー型の衣服を製作している。また、服本体10は、服本体10と身体又は下着との間の空間において、ファン40,40により取り込まれた空気を身体又は下着の表面に沿って案内するという役割をも果たす。なお、本実施形態では、「下着」とは、空調衣服100の下に着用される衣類を意味する。
【0019】
服本体10の前部には、図1(a)に示すように、開閉手段20が設けられている。この開閉手段20は、空調衣服100を着用する際にその前部を開閉するためのものである。例えば、開閉手段20として、ファスナーが用いられる。
【0020】
空気排出部30,…は、服本体10と身体又は下着との間の空間内を流れる空気を外部に排出するものである。具体的には、服本体10の襟周り部分や、服本体10の左右の袖口部に形成される開口部が空気排出部30,…である。
【0021】
ファン40,40は、服本体10と身体又は下着との間の空間に空気の流れを強制的に生じさせるものである。二つのファン40,40は、外部の空気を服本体10内に取り込む方向に回転する。外部の空気がファン40,40を介して服本体10内に取り込まれると、その取り込まれた空気の圧力によって、服本体10と身体又は下着との間に、空気の流通空間が自動的に形成される。これにより、服本体10と身体又は下着との間の空間において、上半身及び腕部を包み込むような空気の流れが生じる。
【0022】
電源装置50は、ファン40,40に電力を供給するための装置である。電源装置50は、例えば、図1(a)に示すように、服本体10の右内側ポケットに収納される。電源装置50と二つのファン40,40とは電源ケーブル(図示省略)により接続される。
【0023】
次に、図2を参照して、電源装置50の構成を説明する。図2は、電源装置50の主制御構成を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、電源装置50は、制御部(電源電圧制御手段)51と、操作部(モード選択手段)52と、表示部53と、タイマ54と、電源電圧制御回路(電源電圧制御手段)55と、蓄電池56と、を備える。
【0025】
制御部51は、例えば、CPU、ROM、RAM(いずれも図示省略)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行するものである。
【0026】
操作部52は、電源装置50の電源のON/OFFを切り替える電源ボタン(図示省略)、モード(例えば、後述する高効率モードやマニュアルモード)の選択指示やマニュアルモードにおける電源電圧の設定値の選択指示に係るカーソルボタンや決定ボタン等を備えており、この操作部53からの指示に基づいて制御部51は各部を制御するようになっている。
【0027】
表示部53は、取得したデータを制御部51による制御に基づいて表示するものであり、例えば、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成されている。
【0028】
タイマ54は、所定時間毎に制御部51に信号を出力するインターバルタイマである。
【0029】
電源電圧制御回路55は、制御部51による制御に基づいて蓄電池51からファン40,40に供給される電源電圧を調整する回路である。
具体的には、マニュアルモード(第2のモード)が選択されている場合、電源電圧制御回路55は、制御部51による制御に基づいて、操作部52により選択指示された設定値に電源電圧を調整する。例えば、操作部52により、選択可能な電源電圧(例えば、7.2V、6.0V、5.0V、3.3Vの4段階)から7.2Vが選択されている場合、電源電圧制御回路55は、制御部51による制御に基づいて、電源電圧を7.2Vに調整する。
一方、高効率モード(第1のモード)が選択されている場合、図3に示すように、電源電圧制御回路55は、制御部51による制御に基づいて、所定時間(例えば3秒)(第1の期間)の間、電源電圧を7.2V(第1の値)とし、当該期間の後に、所定時間(例えば3秒)かけて電源電圧を7.2Vから6.0Vに下降させ、当該期間の後に、所定時間(例えば3秒)(第2の期間)の間、電源電圧を6.0V(第2の値)とし、当該期間の後に、所定時間(例えば3秒)かけて電源電圧を6.0Vから7.2Vに上昇させる一連の動作を1サイクルとして、順次電源電圧を調整する。
【0030】
蓄電池56は、充電と放電を繰り返すことによって使用される二次電池であり、例えば、リチウムイオンバッテリー等である。
【実施例
【0031】
次に、高効率モードにより電源電圧を出力し続けた場合の空調衣服100(実施例)とマニュアルモードにより電源電圧(7.2V)を出力し続けた場合の空調衣服100(比較例)との各々について、空調衣服100を連続して使用できる時間(連続使用時間)を計測した結果(増減比)を、表1を用いて説明する。
【0032】
また、上記の実施例と比較例との各々について、空調衣服100を着用した際の快適性に関する評価を、表2を用いて説明する。評価の方法としては、実施例と比較例の各々の空調衣服100を10名のユーザに着用してもらい、快適性を、「快適」、「やや快適」、「どちらでもない」、「やや不快」、「不快」の5段階評価で回答してもらう方法を採用した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
表1に示す結果のとおり、実施例の連続使用時間は比較例の連続使用時間の1.16倍であり、比較例に比べて実施例の方が連続使用時間は長くなることがわかった。
また、表2に示す結果のとおり、快適性に関して、実施例は比較例に比べて遜色がないことがわかった。
【0036】
以上、本実施の形態によれば、電源装置50は、空調衣服100のファン40,40に供給される電源電圧を調整する電源電圧制御手段(制御部51、電源電圧制御回路55)を備え、電源電圧制御手段は、電源電圧を7.2V(第1の値)に設定する第1の期間と、電源電圧を6.0V(第2の値)に設定する第2の期間と、が交互に現れるように電源電圧を調整したこととなる。
このため、電源電圧を可変させることによって、消費電力を削減することができる。また、空調衣服100を膨らむ前の状態と膨らんだ状態とに順次変換することができるので、ファン40,40を介して服本体10内に取り込んだ空気が身体表面から離れた箇所を流れてしまうことを抑制し、当該空気を効率良く身体表面へ流すことができる。これにより、空調衣服の快適性を損なうことなく当該空調衣服を使用可能な時間を長くすることができる。
【0037】
また、本実施の形態によれば、電源電圧制御手段(制御部51、電源電圧制御回路55)は、電源電圧を7.2V(第1の値)に設定する第1の期間と、電源電圧を6.0V(第2の値)に設定する第2の期間と、が等間隔で現れるように電源電圧を調整したこととなる。
このため、空調衣服100を膨らむ前の状態と膨らんだ状態とに滞りなく変換することができるので、ファン40,40を介して服本体10内に取り込んだ空気をより効率良く身体表面へ流すことができる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、高効率モード(第1のモード)及びマニュアルモード(第2のモード)のいずれかのモードを選択する操作部52を備える。
このため、空調衣服100の使用環境に応じてモードを選択することができるので、空調衣服100の使い勝手を向上させることができる。
【0039】
以上、本実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0040】
例えば、上記実施の形態では、電源電圧制御回路55は、高効率モードにおいて、最高値(第1の値)が7.2V、最低値(第2の値)が6.0Vとなるように、電源電圧を調整するようにしたが、最高値と最低値は適宜設定変更可能である。また、最低値は0Vとしてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態では、電源装置50が服本体10の内側の湿度を計測可能な湿度計を備え、電源電圧制御回路55は、制御部51による制御に基づいて、上記湿度計の計測値が所定値を超えている間は、電源電圧を7.2Vとし、上記湿度計の計測値が所定値以下となる間は、電源電圧を6.0Vとするようにしてもよい。
上記のように電源電圧を調整した場合、例えば、空調衣服100を着用したユーザが汗をかいている間、すなわち空調衣服100による冷却効果が見込まれる間は、電源電圧を7.2Vとすることにより、ファン40,40の風量を上げる一方で、当該ユーザが汗をかいていない間、すなわち空調衣服100による冷却効果が見込まれない間は、電源電圧を6.0Vとすることにより、ファン40,40の風量を下げるといった制御を行うことができるので、空調衣服100による冷却効果を効率よく発揮させることができるようになる。
【0042】
また、電源電圧制御回路55は、上記湿度計の計測値が所定値を超えている間は、例えば、3秒(第1の期間)の間、電源電圧を7.2V(第1の値)とし、当該期間の後に、3秒かけて電源電圧を7.2Vから6.0Vに下降させ、当該期間の後に、3秒(第2の期間)の間、電源電圧を6.0V(第2の値)とし、当該期間の後に、3秒かけて電源電圧を6.0Vから7.2Vに上昇させる第1のパターンに基づき、順次電源電圧を調整し、上記湿度計の計測値が所定値以下となる間は、例えば、3秒(第1の期間)の間、電源電圧を7.2V(第1の値)とし、当該期間の後に、3秒かけて電源電圧を7.2Vから6.0Vに下降させ、当該期間の後に、10秒(第2の期間)の間、電源電圧を6.0V(第2の値)とし、当該期間の後に、3秒かけて電源電圧を6.0Vから7.2Vに上昇させる第2のパターンに基づき、順次電源電圧を調整するようにしてもよい。なお、上記の第1のパターン及び第2のパターンは、パターンテーブルとして、予め制御部51のROMに格納されているものとする。
【0043】
また、上記実施の形態では、電源装置50が服本体10の内側の温度を計測可能な温度計を備え、電源電圧制御回路55は、制御部51による制御に基づいて、上記温度計の計測値が所定値を超えている間は、電源電圧を7.2Vとし、上記温度計の計測値が所定値以下となる間は、電源電圧を6.0Vとするようにしてもよい。
上記のように電源電圧を調整した場合、空調衣服100の服本体内の温度を自動調節することができるので、空調衣服100を着用した際の快適性を容易に得ることができる。
【0044】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0045】
100 空調衣服
10 服本体
20 開閉手段
30 空気排出部
40 ファン
50 電源装置
51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 タイマ
55 電源電圧制御回路
56 蓄電池
図1
図2
図3