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<図1>
  • 特許-制御盤及び給水装置 図1
  • 特許-制御盤及び給水装置 図2
  • 特許-制御盤及び給水装置 図3
  • 特許-制御盤及び給水装置 図4
  • 特許-制御盤及び給水装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】制御盤及び給水装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20220301BHJP
   F04B 49/02 20060101ALI20220301BHJP
   F04B 49/06 20060101ALI20220301BHJP
   F04B 23/04 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H05K7/20 J
F04B49/02 331B
F04B49/06 341L
F04B23/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017129634
(22)【出願日】2017-06-30
(65)【公開番号】P2019012794
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】502002407
【氏名又は名称】川本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】板倉 毅
(72)【発明者】
【氏名】伊與田 正徳
(72)【発明者】
【氏名】松葉 初美
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 邦宜
【審査官】柴垣 俊男
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0130891(US,A1)
【文献】特開平10-303583(JP,A)
【文献】特開2012-059741(JP,A)
【文献】実開昭61-012246(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0164427(US,A1)
【文献】特開昭52-109301(JP,A)
【文献】特開2008-234428(JP,A)
【文献】特開2004-022654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
F04B 49/02
F04B 49/06
F04B 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して設けられた一対の通気口を有するボックスと、
前記ボックス内に、前記一対の通気口の対向方向に直列に配置される複数の発熱体と、 前記発熱体にそれぞれ設けられ、前記一対の通気口間に直列に配置される複数のフィンと、
前記一対の通気口間であって、且つ、前記フィンの下方にそれぞれ配置され、重力方向で上方に送風する複数のファンと、
前記複数の発熱体の少なくとも1つが発熱するときに、前記複数のファンを同時に駆動する制御部と、
を備える制御盤。
【請求項2】
前記ボックスは、前記一対の通気口が重力方向に配置される、請求項1に記載の制御盤。
【請求項3】
前記発熱体はインバータであり、
前記制御部は、前記インバータをそれぞれ駆動するとともに、前記インバータの少なくとも1つを駆動したときに、前記複数のファンを同時に駆動する、請求項2に記載の制御盤。
【請求項4】
前記複数のインバータ、前記複数のフィン及び前記複数のファンは、2つである、請求項3に記載の制御盤。
【請求項5】
前記ボックスは、前記一対の通気口を複数有し、
前記複数の一対の通気口間に、それぞれ、前記発熱体、前記複数のフィン、及び、前記複数のファンを備える、請求項1に記載の制御盤。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の制御盤と、
モータ及びポンプを有する複数のポンプ装置と、備える給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプの制御を行う制御盤及び給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、発熱する発熱体を有する制御盤が知られている。このような制御盤は、例えば、給水装置等に用いられ、複数のポンプを制御するために、ボックス内にポンプと同数のインバータを複数有する(例えば、特許文献1参照)。インバータは、駆動すると発熱することから、このような制御盤は、ボックス内にインバータを冷却するフィン及びファンを設け、ファンを駆動してフィンに通風することで、インバータを冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-160792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、給水装置や制御盤の小型化が求められていることから、インバータを通風方向に並べて配置することが行われている。しかしながら、風の流れ方向にファンが配置され、一方のファンが停止しているときに他方のファンが駆動すると、停止しているファンが風の流れの抵抗となり、冷却性能が低下する、という問題がある。また、このような問題は、発熱体にフィン及びファンをそれぞれ設ける構成で共通しており、冷却性能の向上が求められている。
【0005】
そこで本発明は、風の流れ方向にファンを並べても冷却性能を向上できる制御盤及び給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、制御盤は、対向して設けられた一対の通気口を有するボックスと、前記ボックス内に、前記一対の通気口の対向方向に直列に配置される複数の発熱体と、前記発熱体にそれぞれ設けられ、前記一対の通気口間に直列に配置される複数のフィンと、前記一対の通気口間であって、且つ、前記フィンの下方にそれぞれ配置され、重力方向で上方に送風する複数のファンと、前記複数の発熱体の少なくとも1つが発熱するときに、前記複数のファンを同時に駆動する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様によれば、上記に記載の制御盤と、モータ及びポンプを有する複数のポンプ装置と、備える給水装置
【発明の効果】
【0008】
本発明は、風の流れ方向にファンを並べても冷却性能を向上できる制御盤及び給水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る制御盤を用いた給水装置の構成を示す説明図。
図2】同制御盤の構成を示す側面図。
図3】同制御盤の構成を示す背面図。
図4】本発明の本実施形態の他の例に係る制御盤の構成を示す背面図。
図5】本発明の本実施形態の他の例に係る制御盤の構成を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る制御盤10を用いた給水装置1を、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る制御盤10を用いた給水装置1の構成を示す説明図、図2は制御盤10の構成を示す側面図、図3は制御盤10の構成を示す背面図である。
【0011】
図1乃至図3に示すように、給水装置1は、キャビネット2と、複数のポンプ装置3と、圧力センサ4と、流量センサ5と、制御盤10と、を備えている。
【0012】
キャビネット2は、複数のポンプ装置3、圧力センサ4、流量センサ5及び制御盤10を収納し、給水装置1の設置場所に固定される。
【0013】
複数のポンプ装置3は、一次側に接続される分流管及び二次側に接続される合流管によって並列に接続される。ポンプ装置3は、ポンプ3a及びモータ3bを備える。
【0014】
圧力センサ4は、例えば、複数のポンプ装置3の二次側の圧力を検出する。圧力センサ4は、制御盤10の後述する制御部25に電気的に接続され、検出した圧力値を制御部25に送信する。流量センサ5は、複数のポンプ装置3の二次側の流量を検出する。流量センサ5は、制御部25に電気的に接続され、検出した流量値を制御部25に送信する。
【0015】
制御盤10は、ボックス21と、複数のインバータ22と、複数のインバータ22にそれぞれ設けられた放熱用のフィン23と、フィン23に送風するファン24と、制御部25と、を備えている。
【0016】
ボックス21は、底壁21a及び天壁21bの対向する位置にそれぞれ設けられた一対の通気口21cを有する。一対の通気口21cは、ボックス21内に収容するインバータ22の数又は列によって一組又は複数組設けられる。
【0017】
また、ボックス21は、複数のインバータ22を取り付ける取付板21dを有する。ボックス21は、複数のインバータ22を取付板21dに取り付けて収容する。ボックス21は、制御部25を収容する。ボックス21は、フィン23及びファン24を収容する構成であってもよく、また、外部にフィン23及びファン24を露出させる構成であってもよい。
【0018】
インバータ22は、モータ3b及び制御部25に電気的に接続される。複数のインバータ22は、一部又は全部が取付板21dに重力方向に並んで配置される。本実施形態におけるインバータ22は、一例として、図3に示すように、2つ設けられ、そして、重力方向に並んで配置される。複数のインバータ22は、取付板21dの、一対の通気口21cの対向位置に隣接する位置に設けられる。
【0019】
なお、例えば、図4に示す他の例のように、インバータ22を3つ設けるときは、例えば、インバータ22は、重力方向に3つ配置される。また、例えば、図5に示すさらなる他の例のように、インバータ22を4つ設けるときは、例えば、重力方向に2つ配置された列を2列設け、それぞれの列をそれぞれ2つの一対の通気口21cの対向位置に配置する。この他の例として、複数のインバータ22は、3つが重力方向に配置された列を2列配置する構成であってもよい。
【0020】
フィン23は、外気とインバータ22の熱を熱交換する。フィン23は、インバータ22の背面側に設けられる。即ち、ファン24は、取付板21dのインバータ22が固定される主面とは反対側の主面側から突出して配置される。フィン23は、風を一方向に通過させることが可能な形状を有する。フィン23は、取付板21dに取り付けられたインバータ22に固定された姿勢で、重力方向に風を通過可能に配置される。また、フィン23は、一対の通気口21cの間に配置される。
【0021】
ファン24は、例えば、インバータ22の背面に固定される。ファン24は、フィン23の下方に配置され、フィン23に向かって送風可能に構成される。ファン24は、制御部25に電気的に接続される。即ち、ファン24は、重力方向で下方から上方に向かって通風可能に配置される。
【0022】
制御部25は、制御基板である。制御部25は、圧力センサ4及び流量センサ5で検出した圧力値及び流量値に基づいて、インバータ22をそれぞれ駆動制御する。また、制御部25は、駆動するインバータ22のファン24を駆動する。さらに、制御部25は、インバータ22のいずれかを駆動するときに、駆動するインバータ22及び当該駆動するインバータ22と同じ列の他のインバータ22、換言すると当該駆動するインバータ22の重力方向に配置された他のインバータ22に設けられたファン24を駆動する。
【0023】
このように構成された給水装置1及び制御盤10によれば、複数のポンプ3aのうち、一部のみを駆動する場合、即ち、発熱体であるインバータ22を一部駆動する場合に、駆動するインバータ22に取付けられたファン24に加えて、当該駆動するインバータ22と重力方向に並んで配置されるインバータ22に取り付けられたファン24を駆動する。
【0024】
このため、一対の通気口21c間のファン24が全て駆動されることから、制御盤10は、重力方向で下方の通気口21cから上方の通気口21cまで、ファン24によって風の流れが生じ、効率良くフィン23を冷却することができる。換言すると、一対の通気口21cの間のファン24のいずれかが停止することで、停止しているファン24が風の流れの抵抗となることを防止できるため、効率良くフィン23を冷却することができる。
【0025】
加えて、一対の通気口21c間のいずれかのインバータ22を駆動したときに、当該一対の通気口21c間のファン24の全てを駆動する構成である。このため、当該一対の通気口21c間のファン24のいずれかが故障した場合であっても、他のファン24は駆動することから、ファン24が停止した状態でインバータ22が駆動されることを防止できる。
【0026】
上述したように、本発明の一実施形態に係る制御盤10を用いた給水装置1によれば、一対の通気口21c間の風の流れ方向に配置された発熱体であるインバータ22のいずれかが発熱するときに、当該風の流れ方向に配置されたファン24を全て駆動する。これにより、給水装置1は、ファン24を風の流れ方向に複数並べても発熱体の冷却性能を向上できる。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。上述した例では、発熱体としてインバータ22を用いる構成を説明したがこれに限定されない。例えば、制御基板に設けられた発熱する電装品であってもよい。なお、インバータ22に予めフィン23及びファン24が付属していることが多く、このように、設計的に自由度が低いインバータ22を用いても上記構成を用いることで、冷却効率が向上する。このため、複数のインバータ22を用いる制御盤10に適用すると、冷却効率の向上だけで無く、製造コストの抑制の観点からも好ましい。
【0028】
また、上述した例では、複数のインバータ22の例として、6台のインバータ22を用いる構成までを記載したがこれに限定されず、一対の通気口21c間に配置される構成であれば、一対の通気口21c間に配置される発熱体の数は限定されず、また、複数の発熱体からなる列を複数列有する構成であってもよい。特に複数列に、複数の発熱体が配置される構成においては、発熱する発熱体が配置される列のファン24を全て駆動するが、他の列において発熱する発熱体がない場合には、他の列のファン24を駆動する必要がない。このため、複数列に複数の発熱体及びファン24を有する構成においては、ファン24を複数駆動した場合であっても、最低限の列のみの駆動となり、消費電力の増大を防止できる。
【0029】
即ち、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0030】
1…給水装置、2…キャビネット、3…ポンプ装置、3a…ポンプ、3b…モータ、4…圧力センサ、5…流量センサ、10…制御盤、21…ボックス、21a…底壁、21b…天壁、21c…通気口、21d…取付板、22…発熱体、22…インバータ、23…フィン、24…ファン、25…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5