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特許7031843蝶結びリボン型装飾具、ランドセル、及び蝶結びリボン型装飾具の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】蝶結びリボン型装飾具、ランドセル、及び蝶結びリボン型装飾具の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
A45F3/04 400N
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017178803
(22)【出願日】2017-09-19
(65)【公開番号】P2019051225
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-07-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発明が公開されたウェッブサイトの掲載日及び掲載アドレスは以下の通りです。平成29年4月9日 http://www.rakuten.ne.jp/gold/kokuho/ 平成29年4月9日 http://item.rakuten.co.jp/kokuho/c/0000000128/ 平成29年4月9日 http://item.rakuten.co.jp/kokuho/c/0000000115/ 平成29年4月9日 http://item.rakuten.co.jp/kokuho/10000051/ 平成29年4月9日 http://item.rakuten.co.jp/kokuho/c/0000000132/ 平成29年4月9日 http://item.rakuten.co.jp/kokuho/c/0000000133/
(73)【特許権者】
【識別番号】507187444
【氏名又は名称】コクホー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】庄山 理恵
(72)【発明者】
【氏名】澤 新一郎
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-316715(JP,A)
【文献】DIY/レザーリボン,LIVING NOTES,日本,2015年06月21日,第1-9ページ,https://ameblo.jp/franksister/entry-12004149341.html,[2021年7月9日検索],インターネット
【文献】超簡単!リボンのヘアゴムの作り方 ハンドメイド アクセサリー | 帯の仕立て屋(株)みつやま,日本,2015年04月21日,第1-13ページ,https://shitate.org/hair-rubber/,[2021年7月9日検索],インターネット
【文献】合皮 手芯入り持ち手の作り方 【前編】 - ちくちくふれんど How to make,日本,2012年09月29日,第1-10ページ,http://tiku2009.blog23.fc2.com/blog-entry-374.html?sp,[2021年7月9日検索],インターネット
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/00-3/04
A44C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝶結びリボン型装飾具と、
上記蝶結びリボン型装飾具が結合される被せ蓋と、
開口が上記被せ蓋で覆われる収納部と、
上記収納部に設けられる肩ひもと、
上記被せ蓋と結合されており、上記収納部とに着脱可能なベルトと、を備えるランドセルであって、
表裏面を有する帯状の人造皮革の長手方向に延びる一対の長手端が裏面側へそれぞれ折り曲げられ、さらに上記長手方向の両側に位置する短手端が上記長手端が位置する側へループ状に曲げられた第1部材と、
上記長手方向に延びる平板形状の第2部材と、
上記第1部材の上記短手端が位置する側に上記第2部材が重ねられた重複状態において、上記第1部材及び上記第2部材の外側を上記長手方向と直交する短手方向にリング状に延びて、上記第1部材及び上記第2部材を一体に保持する第3部材と、を具備しており、
上記被せ蓋と上記ベルトとは、それぞれを貫通する第1締結具により結合されており、
上記リボン型装飾具は、上記第1締結具を覆っており、
上記リボン型装飾具の上記第2部材と、上記被せ蓋とは、それぞれを貫通する第2締結具によって結合されており、
上記リボン型装飾具の上記第1部材は、上記第2締結具を覆っており、
上記第1部材の上記一対の長手端の一方である第1長手端は直線形状であり、
上記一対の長手端の他方である第2長手端は、上記短手方向の外側へ延びる山形状であって、当該山形状の頂部が上記短手方向の内側へ切り欠かれた凸部を2箇所に有しており、
上記第1長手端と上記第2長手端の上記凸部の少なくとも一部とが当接されているランドセル。
【請求項2】
上記第2部材は、上記第3部材の両側において上記長手方向に並ぶそれぞれ2つの上記第2締結具によって上記被せ蓋と結合されている請求項1に記載のランドセル。
【請求項3】
上記第2長手端は、2つの上記凸部の間に位置して上記第1長手端と平行に延びる第1直線部と、上記各凸部と上記各短手端との間に位置して上記第1長手端と平行に延びる第2直線部及び第3直線部と、を有しており、
上記各凸部と上記第1直線部との間、上記各凸部と上記第2直線部及び上記第3直線部との間に、上記短手方向へ延びる切り込みを有する請求項1または2に記載のランドセル
【請求項4】
上記第1部材は、上記凸部の上記頂部が上記長手方向の両側に位置するようにループ状に曲げられている請求項3に記載のランドセル
【請求項5】
上記第2部材は、上記長手方向の中央から上記長手方向の両側へ向かって上記短手方向の長さが次第に大きくなる幅広部を有しており、
上記第2部材は、上記重複状態において、上記第1部材の上記第1長手端が折り曲げられた側から、上記幅広部が上記短手方向の外側へ突出する請求項4に記載のランドセル
【請求項6】
上記第2部材は、芯材と、当該芯材に重ね合わされた人造皮革であって、その縁が当該芯材に沿って折り返された表材と、を有しており、
上記表材が上記第1部材の上記短手端が位置する側にある請求項1から4のいずれかに記載のランドセル
【請求項7】
上記第3部材は、表裏面を有する人造皮革の一対の両端が裏面側へ折り曲げられた帯状に形成されたものである請求項1から6のいずれかに記載のランドセル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蝶結びリボン型装飾具、ランドセル、及び蝶結びリボン型装飾具の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示される連結構造では、装飾性を有する鋲が、ランドセルの被せ蓋とY字状の連結用ベルトとを連結している。装飾性を有する鋲が交換されることにより、ランドセルの外観を好みの態様に変えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-43603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ランドセルの被せ蓋に蝶結びリボン型装飾具(以下、単に「装飾具」とも称する。)を付すとする。ランドセルの被せ蓋の外面は人造皮革により作られているので、装飾具も同色の人造皮革により作られることによって、装飾具と被せ蓋との一体感が得られる。一般に、人造皮革は、表面が着色されていても、裏面や木端などは着色されておらず、概ね白色であることが多い。したがって、人造皮革を用いて作成された装飾具において、裏面や木端が外側から看取しやすい位置にあると、装飾具の美観を損なう。特に薄手の人造皮革を用いて柔らかな印象の装飾具を作るときにおいて、薄手の人造皮革の木端を塗装するなどの処理は施し難く、木端により美観が損なわれやすい。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、表裏面を有する人造皮革が用いられた蝶結びリボン型装飾具において、美観を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る蝶結びリボン型装飾具は、表裏面を有する帯状の人造皮革の長手方向に延びる一対の長手端が裏面側へそれぞれ折り曲げられ、さらに長手方向の両側に位置する短手端が上記長手端が位置する側へループ状に曲げられた第1部材と、長手方向に延びる平板形状の第2部材と、上記第1部材の上記短手端が位置する側に上記第2部材が重ねられた重複状態において、上記第1部材及び上記第2部材の外側を上記長手方向と直交する短手方向にリング状に延びて、上記第1部材及び上記第2部材を一体に保持する第3部材と、を具備する。
【0007】
上記構成によれば、第1部材において、人造皮革の長手端が裏面側へそれぞれ折り曲げられているので、長手端が外側から看取され難い。また、第1部材の短手端が第3部材に覆われているので、短手端が外側から看取され難い。
【0008】
(2) 好ましくは、上記第1部材の上記一対の長手端の一方である第1長手端は直線形状であり、上記一対の長手端の他方である第2長手端は、上記短手方向の外側へ延びる山形状であって、当該山形状の頂部が短手方向の内側へ切り欠かれた凸部を2箇所に有しており、上記第1長手端と上記第2長手端の凸部の少なくとも一部とが当接されている。
【0009】
上記構成によれば、第1部材において、長手端が折り曲げられてなる一方の端がループ形状において直線的に延び、他方の端がループ形状の外側へ向かってそれぞれ広がる形状が実現される。また、裏面側へ折り曲げられた第1長手端を基準として、第2長手端を裏面側へ折り曲げることができる。
【0010】
(3) 好ましくは、上記第2長手端は、2つの上記凸部の間に位置して上記第1長手端と並行に延びる第1直線部と、上記各凸部と各短手端との間に位置して上記第1長手端と並行に延びる第2直線部及び第3直線部と、を有しており、上記各凸部と上記第1直線部との間、上記各凸部と上記第2直線部及び上記第3直線部との間に、上記短手方向へ延びる切り込みを有する。
【0011】
上記構成によれば、第2長手端を裏面側へ折り曲げやすい。
【0012】
(4) 好ましくは、上記第1部材は、上記凸部の上記頂部が上記長手方向の両側に位置するようにループ状に曲げられている。
【0013】
上記構成によれば、第1部材の長手方向の中央において短手方向の幅が狭く、かつ長手方向の両側へ向かって短手方向の幅が次第に拡がる形状が実現される。
【0014】
(5) 好ましくは、上記第2部材は、上記長手方向の中央から上記長手方向の両側へ向かって上記短手方向の長さが次第に大きくなる幅広部を有しており、上記第2部材は、上記重複状態において、上記第1部材の上記第1長手端が折り曲げられた側から、上記幅広部が上記短手方向の外側へ突出する。
【0015】
上記構成によれば、ループ形状において直線的に延びる第1部材の端の奥側に、蝶結び形状の両端が下方へ垂れている印象を与える第2部材が実現できる。
【0016】
(6) 好ましくは、上記第2部材は、芯材と、当該芯材に重ね合わされた人造皮革であって、その縁が当該芯材に沿って折り返された表材と、を有しており、上記表材が上記第1部材の上記短手端が位置する側にある。
【0017】
上記構成によれば、芯材により第2部材の剛性が向上する。また、芯材の木端を表材が覆っているので外観が優れる。
【0018】
(7) 好ましくは、上記第3部材は、表裏面を有する人造皮革の一対の両端が裏面側へ折り曲げられた帯状に形成されたものである。
【0019】
上記構成によれば、第3部材において両端が外側から看取され難い。
【0020】
(8) 本発明に係るランドセルは、蝶結びリボン型装飾具と、上記蝶結びリボン型装飾具が結合される被せ蓋と、開口が上記被せ蓋で覆われる収納部と、収納部に設けられる肩ひもと、上記被せ蓋と結合されており、上記収納部とに着脱可能なベルトと、を備える。上記蝶結びリボン型装飾具は、表裏面を有する帯状の人造皮革の長手方向に延びる一対の長手端が裏面側へそれぞれ折り曲げられ、さらに長手方向の両側に位置する短手端が上記長手端が位置する側へループ状に曲げられた第1部材と、長手方向に延びる平板形状の第2部材と、上記第1部材の上記短手端が位置する側に上記第2部材が重ねられた重複状態において、上記第1部材及び上記第2部材の外側を上記長手方向と直交する短手方向にリング状に延びて、上記第1部材及び上記第2部材を一体に保持する第3部材と、を具備する。
【0021】
(9) 好ましくは、上記被せ蓋と上記ベルトとは、それぞれを貫通する第1締結具により結合されており、上記リボン型装飾具は、上記第1締結具を覆っている。
【0022】
上記構成によれば、収納部の開口を覆った状態の被せ蓋の外観に第1締結具が現れず、外観が優れる。
【0023】
(10) 好ましくは、上記リボン型装飾具の上記第2部材と、上記被せ蓋とは、それぞれを貫通する第2締結具によって結合されており、上記リボン型装飾具の上記第1部材は、上記第2締結具を覆っている。
【0024】
上記構成によれば、収納部の開口を覆った状態の被せ蓋の外観に第2締結具が現れず、外観が優れる。
【0025】
(11) 好ましくは、上記第2部材は、上記第3部材の両側において上記長手方向に並ぶそれぞれ2つの上記第2締結具によって上記被せ蓋と結合されている。
【0026】
上記構成によれば、リボン型装飾具と被せ蓋とが強固に結合される。
【0027】
(12) 本発明に係る蝶結びリボン型装飾具の製造方法は、表裏面を有する人造皮革から帯状の第1部材を切り出す第1工程と、切り出された上記第1部材は、長手方向に延びる一対の長手端が裏面側へそれぞれ折り曲げられ、さらに長手方向の両側に位置する短手端が上記長手端が位置する側へループ状に曲げられる第2工程と、長手方向に延びる平板形状の第2部材は、上記第1部材の上記短手端が位置する側に上記第2部材が重ねられた重複状態にされる第3工程と、上記第1部材及び上記第2部材の外側を上記長手方向と直交する短手方向にリング状に延びる第3部材が上記第1部材及び上記第2部材を一体に保持する第4工程と、を有する。
【0028】
上記製造方法によれば、第1部材において、長手端及び短手端が外側から看取され難い蝶結びリボン型装飾具を簡易に製造することができる。
【0029】
(13) 好ましくは、上記第1工程では、上記第1部材の上記一対の長手端の一方である第1長手端を直線形状とし、上記一対の長手端の他方である第2長手端を、上記短手方向の外側へ延びる山形状であって、当該山形状の頂部が短手方向の内側へ切り欠かれた凸部を2箇所に有することとし、上記第2工程では、上記第1長手端と上記第2長手端の凸部の少なくとも一部とを当接することとする。
【0030】
上記製造方法によれば、第1部材において、長手端が折り曲げられてなる一方の端がループ形状において直線的に延び、他方の端がループ形状の外側へ向かってそれぞれ広がる形状が実現される。また、裏面側へ折り曲げられた第1長手端を基準として、第2長手端を裏面側へ折り曲げることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、美観のよいリボン型装飾具が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、ランドセル10の外観斜視図である。
図2図2は、第1部材21の斜視図である。
図3図3は、第2部材22の正面図である。
図4図4は、第3部材23の正面図である。
図5図5は、第1部材21の裏面27側の展開図である。
図6図6は、第1部材21の第2長手端42の一部が折り曲げられた図である。
図7図7は、第1部材21の第1短手端43が折り曲げられた図である。
図8図8(A)は、第2部材22のA-A断面図であり、図8(B)は、第3部材23のB-B断面図である。
図9図9は、実施形態に係る蝶結びリボン型装飾具製造方法00の工程表である。
図10図10は、第1部材21及び第3部材23を想像線で表し第2部材22が被せ蓋12と結合している様子を表した、ランドセル10の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、ランドセル10の底16が水平面上にありランドセル10の背17が底16から垂直に延びる図1の状態にあるときを基準として、上下方向7が定義され、装飾具11が設けられている側を前側として前後方向8が定義され、ランドセル10が前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、図1の状態において、上下方向7が垂直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
【0034】
[ランドセル10の全体構成]
図1に示されるように、ランドセル10は概ね直方体形状の箱にひもが取り付けられた態様である。ランドセル10は、蝶結びされたリボンの形状をモチーフとした装飾具11と、装飾具11が結合される被せ蓋12と、被せ蓋12で覆われる収納部13と、収納部13の後側上端から底16までに渡って設けられている肩ひも14と、被せ蓋12に結合されており、収納部13とに着脱可能なベルト15と、を備えている。
【0035】
[装飾具11]
図1に示されるように、装飾具11は、左右方向に延びる第1部材21と、第1部材21の後側に位置し左右方向9に延びる第2部材22と、前後に位置する第1部材21と第2部材22の左右方向中央で上下方向7に沿って両者の外側をリング状に延びる第3部材23と、を具備している。
【0036】
[第1部材21]
図1図2及び図10に示されるように、第1部材21は、正面視において左右方向9に長い外形である。第1部材21の上下方向7の寸法は、左右方向中央において短く、左右方向両端へ向かって徐々に長くなる。第1部材21は、左右両端にループ部30を有する。ループ部30は、それぞれ上下に開口32~35を有する。第1部材21は、1枚の人造皮革から切り抜かれた切抜体が、適宜折り曲げられて作成されている。第1部材21の展開形状については後述される。
【0037】
第1部材21は、下方に第1端28を有しており、上方に第2端29を有している。第1端28は、左右方向9に沿ってほぼ直線状に延びている。第2端29は、左右方向9の中央においては、左右方向9に沿って直線状に延びており、その中央から左右方向9の両端へ向けては第1部材21の上下方向7の寸法が徐々に長くなるように傾斜している。第1部材21の左右方向9の両端は、正面視において上下方向7に沿って延びており、第1端28と第2端29とを結ぶ。
【0038】
[第2部材22]
図3及び図8(A)に示されるように、第2部材22は、左右方向9に長い平板形状である。第2部材22は、左右方向9に沿って延びる上端61と、中央が左右方向9に沿って延びる下端62と、右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜している左端63と、左方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜している右端64と、を有する。上端61は、左端63及び右端64の上端と連結し、下端62は、左端63及び右端64の下端と連結している。また、第2部材22の4隅は、すべて丸みを帯びた形状である。
【0039】
第2部材22は、左右方向9における中央の上下方向7の寸法が短い幅狭部65と、そこから左右方向9における両側へ向かって上下方向7の寸法がしだいに長くなる幅広部66と、を有する。幅広部66の一部は、第2部材22が第1部材21の後側に位置する状態にあって、正面視において、第1端28(図2参照)の下側に看取される。
【0040】
第2部材22は、芯材67と、表材68と、台材69と、を有する。芯材67は、表材68によって上下端、前面及び裏面の縁が覆われている状態にある。表材68は、人造皮革からなる。台材69は、芯材67の後側に位置し、芯材67との間に表材の縁68aを有する。芯材67、表材68及び台材69は、接着剤で固定されている。また、台材69は、正面視において芯材67と表材68の組み合わせと上下方向7及び左右方向9の寸法が同じ長さであり、同じ形状である。
【0041】
第2部材22は、左右方向9に一列に並ぶ4つの孔71を有する。孔71は、幅狭部65における上下方向中央に位置し、左右方向9に沿って横並びに間を空けて位置する。図10に示されるように、孔71は、リベット72及び73が貫通する孔である。孔71のうち2つは、第2部材22の左右方向9の両側に位置し、残り2つは、第2部材22の左右方向9の内側かつ第3部材23が巻かれる幅狭部65の外側に位置する。リベット72は、左右方向9の両側の孔71を貫通し、リベット73は、残りの孔71を貫通する。リベット72及び73は、孔71を貫通した状態において第1部材21に覆われる位置となる。
【0042】
[第3部材23]
図4及び図8(B)に示されるように、第3部材23は、上下方向7に沿って延びるリング状である。第3部材23は、左右方向9を向く開口78を左右方向9の両側にそれぞれ有する。第3部材23は、細長な帯形状に折り曲げられた人造皮革の両端77が留め具79で留められることによってリング状に形成されている。
【0043】
[被せ蓋12]
図1及び図10に示されるように、被せ蓋12は、リベット72及び73により装飾具11が結合される。より詳細には、被せ蓋12は、リベット72及び73により第2部材22と結合される。被せ蓋12は、ランドセルにおいて一般的に使用される形状が採用され得る。
【0044】
[収納部13]
図1に示されるように、収納部13は、上側に開口82を有する箱形状である。収納部13は、ランドセルにおいて一般的に使用される形状が採用され得る。したがって、収納部13の外側には適宜ポケットなどが設けられていてもよい。収納部13の後面において被せ蓋12が連結されている。被せ蓋12は、収納部13の後面から前方へ垂れ下がることによって、収納部13の開口82を覆う。
【0045】
[ベルト15]
図1及び図10に示されるように、ベルト15は、被せ蓋12の先端部分に連結されている。ベルト15は、Y字形状である。Y字形状において左右方向9に分かれた一対の上端部分が、リベット72及び81によって被せ蓋12とそれぞれ連結されている。リベット72及び81は、上下方向7に一列に並んでいる。リベット72は、ベルト15、被せ蓋12及び第2部材22を結合している。リベット81は、ベルト15及び被せ蓋12を結合している。リベット72,81が被せ蓋12の表面(図1における前面)に露出する部分は、第2部材22によって覆われている。
【0046】
ベルト15は、収納部13の底16に設けられた留め具(不図示)と着脱可能な環状の連結部83を備えている。連結部83は、ベルト15の下端に連結された金属製の部材である。
【0047】
[第1部材21の展開図]
以下、図5に基づいて展開状態の第1部材21の形状が説明される。図5に示される第1部材21は、裏面27側である。したがって、左右方向9における左右が逆に示されている。展開状態の第1部材21は、左右方向9に沿って延びる第1長手端41、第2長手端42及び上下方向7に沿って延びる第1短手端43、第2短手端44によって概ね縁取られる。
【0048】
第1長手端41は、左右方向9に沿って延びる。第1長手端41の左右方向9の寸法は第2長手端42の左右方向9の寸法と同じである。
【0049】
第1短手端43及び第2短手端は上下方向7に沿って延びる。すなわち、第1短手端と第2短手端とは、平行である。また、第1短手端の上下方向7の長さは第2短手端の上下方向7の長さと同じである。また、第1短手端は、第1長手端の右端と第2長手端の右端とを結び、第2短手端は、第1長手端の左端と第2長手端の左端とを結ぶ。すなわち、第1部材21は、正面視において、第1長手端41、第1短手端43、第2長手端42及び第2短手端44で縁取られる。
【0050】
第2長手端42は、第1端42a、第2端42b、第3端42c、第4端42d、第5端42e、第6端42f、第7端42g、第1切り欠き45及び第2切り欠き46を有する。第1端42a、第4端42d、及び第7端42gは第1長手端41と平行に左右方向9に延びる。すなわち、第1端42a、第4端42d、及び第7端42gは左右方向9に沿って延びる。第1端42aは第2長手端42の右端に位置する。第4端42dは第2長手端42の左右方向9の中央に位置する。第7端42gは第2長手端42の左端に位置する。また、第1端42a、第4端42d、及び第7端42gは、第1長手端41までの上下方向7の寸法がすべて同じである。すなわち、各第1端42a、第4端42d、及び第7端42gは、上下方向7における位置が同じである。
【0051】
第2端42bは、第1端42aの直ぐ左に位置し、第1端42aの一段上から左方へ向かうにしたがって上方へ向かうように傾斜している。第3端42cは、第4端42dの右隣りに位置し、第4端42dの一段上から右方へ向かうにしたがって上方へ向かうように傾斜している。第5端42eは、第4端42dの直ぐ左に位置し、第4端42dの一段上から右方へ向かうにしたがって上方へ向かうように傾斜している。第6端42fは、第7端42gの直ぐ右に位置し、第7端42gの一段上から右方へ向かうにしたがって上方へ向かうように傾斜している。
【0052】
第1切り欠き45は、平面視がV字状であり、第2端42bと第3端42cとの間に位置する。第2切り欠き46は、平面視がV字状であり、第5端42eと第6端42fとの間に位置する。第1端42aと第7端42gとは、第1部材21の左右方向9の中央線である補助線47を対称軸として線対称である。同様に、第2端42bと第6端42fとは、補助線47を対称軸として線対称である。第3端42cと第5端42eとは、補助線47を対称軸として線対称である。第2長手端42の詳細な形状は後述される。
【0053】
仮想線48は、第1長手端41と平行である。仮想線48の上下方向7の位置は、後述の第2端29より下であって、第1長手端41より上の範囲内において任意に設定される。仮想線48は、例えば、展開状態の第1部材21において、描かれたり、認識可能に癖付けされたりしてもよい。
【0054】
第2端29は、右端部29a、第1山部29b、中央部29c、第2山部29d、及び左端部29eを有する。右端部29aは、第1端42aと平行である。すなわち、右端部29aは、左右方向9に沿って延びる。第1端42aから右端部29aまでの上下方向7の距離は、右端部29aから仮想線48までの上下方向7の距離と同じである。すなわち、右端部29aは第1端42aと仮想線48の上下方向7の中央に位置する。第1端42aと第2端42bの間には、第1切り込み49が第2端29まで上下方向7に沿って設けられている。
【0055】
中央部29cは、第4端42dと平行である。すなわち、中央部29cは、左右方向9に沿って延びる。中央部29cと右端部29aとは、上下方向7の位置が同じである。第4端42dから中央部29cまでの上下方向7の距離は、中央部29cから仮想線48までの上下方向7の距離と同じである。すなわち、中央部29cは、第4端42dと仮想線48との間における上下方向7の中央に位置する。第4端42dと第3端42cとの間、及び第4端42dと第5端42eとの間には、それぞれ第2切り込み50及び第3切り込み51が、第2端へ向かって上下方向7に沿って形成されている。
【0056】
左端部29eは、第7端42gと平行である。すなわち、左端部29eは、左右方向9に沿って延びる。左端部29eと、右端部29a及び中央部29cとは、上下方向7の位置が同じである。第7端42gから左端部29eまでの上下方向7の距離は、左端部29eから仮想線48までの上下方向7の距離と同じである。すなわち、左端部29eは、第7端gと仮想線48との間における上下方向7の中央に位置する。第7端42gと第6端42fとの間には、第4切り込み52が第2端へ向かって上下方向7に沿って形成されている。
【0057】
2つの第1山部29bは、右端部29aから左右方向9に沿って左へ延びる仮想線53を底辺とする二等辺三角形を構成する。2つの第1山部29bは、頂点54を通る上下方向7に沿った補助線85を対称軸として線対称である。
【0058】
第1部材21は、第2端42b、第1切り込み49、第1山部29b及び第1切り欠き45で区画された片56と、第3端42c、第2切り込み50、第1山部29b及び第1切り欠き45で区画された片57と、を有する。片56及び片57は四角形である。片56は、第1山部29bの上であって切り欠き45の右に位置する。片57は、第1山部29bの上側であって第1切り欠き45の左側に位置する。片56と片57とは、補助線85を対称軸として線対称である。
【0059】
片56の内角の1つは、第1切り欠き45と第1山部29bの間の内角θ1である。内角θ1の大きさは、片56の底辺と補助線85がなす第1山部29b側の角θ2の大きさと同じである。第1山部29bの左側斜辺は、片56と切り欠き45が共有する辺と補助線85がなす角を2等分するものとなる。なお、θ2=90°-θ3となり、θ1=90°-θ3となる。
【0060】
片56と第1切り欠き45が共有する辺45aの長さは、第1山部29bの頂角の頂点54から上下方向7に沿って仮想線48まで下した線分の長さと等しい。また、第2端42bと第1切り欠き45がなす片56の内角θ4は直角である。
【0061】
第1切り込み49と第1山部29bがなす片56の内角θ5の大きさは、90°-θ3となる。すなわち、θ5=θ1=θ2である。
【0062】
片57と片56とは、頂点54を通る上下方向7に沿った補助線85を対称軸として線対称である。片57の形状についての説明は、片56の形状と補助線85を対称軸とする線対称なものとして説明されることから、省略される。
【0063】
第2長手端42は、第1端42aと第2端42bとの間に段59を有する。第2端42bが第1山部29bを谷として折り返されることにより、切り込み49で生じる第1端42a側の辺は上下方向7に沿った状態となる。また、第2端42bが第1山部29bを谷として折り返されることにより、第1切り込み49で生じる第2端42b側の辺は、頂点55aから仮想線48へ向かうにつれてしだいに右方へ向かうように傾斜する。
【0064】
右端部29aは、中央部29cの右半分と左右方向9の長さが同じである。第1山部29bは、二等辺三角形の斜辺として説明されることから、両斜辺の左右方向9の長さが同じである。
【0065】
左端部29eは、中央部29cの左半分と左右方向9の長さが同じである。第2山部29dは、二等辺三角形の斜辺として説明されることから、両斜辺の左右方向9の長さが同じである。
【0066】
[装飾具11の製造方法90]
以下、装飾具11の製造方法90が説明される。図9に示されるように、装飾具11の製造方法90は、第1工程乃至第8工程を有する。
【0067】
[第1工程]
第1工程は、表裏面を有する人造皮革から第1部材21を切り出す工程である。すなわち、第1部材21は、より大きな1枚の人造皮革から切り出されたものである。よって、本実施形態における各長手端41、42及び短手端43、44の端面は、切断面である。
【0068】
[第2工程92]
第2工程92は、切り出された第1部材21が、裏面27側へ折り曲げられる工程である。図5及び図6に示されるように、第1部材21は、第1長手端41が裏面27側の仮想線48に沿うように裏面側へ折り曲げられる。折り曲げられた状態において、第1長手端41は、仮想線48に沿って左右方向9に延びる。第1端28は、第1長手端41が折り曲げられることにより形成される。
【0069】
[第3工程93]
第3工程93は、第2長手端42が第1長手端41に沿うようにして、第1部材21が裏面27側へ折り曲げられる工程である。
【0070】
以下、図5図6及び図7に基づいて第1部材21の具体的な折り曲げの態様が説明される。第1端42a、第2端42b、第3端42c、第4端42d、第5端42e、第6端42f及び第7端42gは、先に折り曲げられている第1長手端41に沿うようにして、それぞれ裏面27側へ折り曲げられる。
【0071】
図6に示されるように、第1端42aが第1長手端41と左右方向9に渡って当接するように、第1部材21が裏面27側へ折り曲げられることによって、右端部29aが形成される。第4端42dが第1長手端41と左右方向9に渡って当接するように、第1部材21が裏面27側へ折り曲げられることによって、中央部29cが形成される。第7端42gが第1長手端41と左右方向9に渡って当接するように、第1部材21が裏面27側へ折り曲げられることによって、左端部29eが形成される。
【0072】
片56は、第2端42bが第1長手端41と左右方向9に渡って当接するように裏面側へ折り曲げられる。これにより、第1山部29bが形成される。同様に、片57は、第3端42cが第1長手端41と左右方向9に渡って当接するように裏面27側へ折り曲げられる。これにより、もう一つの第1山部29bが形成される。同様に、第5端42e及び第6端42fが、第1長手端41と左右方向9に渡って当接するように、第1部材21が裏面27側へ折り曲げられることにより、2つの第2山部29dがそれぞれ形成される。第2端29は、第2長手端42の折り曲げにより形成される。
【0073】
内角θ1は角θ2と同じ大きさであるため、図6に示されるように、第2端42bを有する片56が裏面27側へ折り曲げられることにより、辺45aは、第1山部29bの頂角の頂点54から上下方向7に沿って仮想線48まで延びる。
【0074】
第2端42bを有する片56が裏面27側へ第1山部29bを谷として折り曲げられると、第1端42aと第2端42bとの間に隙間58が生じる。裏面27の一部は、隙間58を通じて外部へ露出する。
【0075】
第2端42bを有する片56及び第3端42cを有する片57がそれぞれ裏面27側へ第1山部29bを谷として折り曲げられると、第1切り欠き45を形成する辺45aと辺45bとが当接する。
【0076】
第5端42e及び第6端42fの折り曲げの態様は、第3端42c及び第2端42bの折り返しの態様と同一に説明されるため、その詳述は省略される。
【0077】
[第4工程94]
第4工程94は、第1短手端43及び第2短手端44が、長手端41及び42が位置する側へループ状に曲げられる工程である。
【0078】
以下、図6及び図7に基づいて各短手端43及び44の具体的な曲げの態様が説明される。第1部材21のループ部31は、長手端41,42がそれぞれ折り曲げられた後、第1短手端43が、長手端41,42が位置する側へ曲げられることによって形成される。図7に示されるように、第1短手端43は、第1部材21の左右方向9の中央に位置して上下方向7に沿って延びる補助線47まで曲げられる。この曲げた状態を保持するために、第1部材21における第1短手端43付近と、補助線47付近とが両面テープなどで接着される。ループ部31が形成されることによって、第1山部29bは、開口33の縁となり、また、第1端28の一部は、開口35の縁となる。
【0079】
ループ部31の上端である第1山部29bは、正面視において、前側と後側が重なるように形作られることによって、すなわち2つの第1山部29bが重なることによって、頂点54が左端に位置し、頂点54から右方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜する。
【0080】
ループ部30は、第2短手端44が、長手端41及び42の位置する側へ曲げられることによって形成される。第2短手端44は、補助線47まで曲げられる。これにより、第2短手端44は、第1短手端43と当接または近接する位置となる。なお、第1短手端43と第2短手端44とは、どちらが先に曲げられてもよい。第1部材21における第2短手端44付近と、補助線47付近とが、両面テープなどで接着される。ループ部30が形成されることによって、第2山部29dは、開口32の縁となり、また、第1端28の一部は、開口34の縁となる。
【0081】
ループ部30の上端である第2山部29dは、正面視において、前側と後側が重なるように形作られることによって、すなわち2つの第2山部29dが重なることによって、頂点84が右端に位置し、頂点84から左方へ向かうにしたがって下方へ向かうように傾斜する。
【0082】
[第5工程95]
第5工程95は、第2部材22が芯材67、表材68及び台材69により作成される工程である。図8(A)に示されるように、表材68は、前側から芯材67に重ね合わされる。表材の縁68aは、前側から後側へ芯材67に沿って折り返される。台材69は、折り返された表材の縁68aを覆うようにして後側から芯材67及び表材68に重ね合わされる。
【0083】
[第6工程96]
第6工程96は、第3部材23が折り曲げられて形成される工程である。図8(B)に示されるように、第3部材23は、表裏面を有する人造皮革の左右方向9の両端76が裏面側へ折り曲げられて帯状に形成され、上下方向7の両端77が折り曲げられた両端76側へ曲げられてリング状に形成される。
【0084】
[第7工程97]
第7工程97は、第2部材22が第1部材21の短手端43及び44の位置する側に重ねられた重複状態にされる工程である。図10に示されるように、第1部材21は、第2部材22と左右方向9の中央が相互に合わせられてかつ、第1端28が幅狭部65の下端62に沿うようにして第2部材22と重ねられて重複状態にされる。
【0085】
[第8工程98]
第8工程98は、第3部材23が重複状態の第1部材21及び第2部材22に巻き付けられる工程である。第3部材23は、状福状態の第1部材21と第2部材22の左右方向9の中央において上下方向7に沿って外側から第1部材21及び第2部材22に巻き付けられる。巻き付けた状態において第3部材23は、上下方向7の両端77が留め具79で留められることによって固定される。
【0086】
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、第1部材21において、人造皮革の長手端41及び42が裏面27側へそれぞれ折り曲げられているので、長手端41,42が外部から看取され難い。また、第1部材21の短手端43及び44が第3部材23に覆われているので、短手端43,44が外部から看取され難い。
【0087】
また、第1長手端41は直線であり、第2長手端は、第1端42a、第2端42b、第3端42c、第4端42d、第5端42e、第6端42f、第7端42g、第1切り欠き45及び第2切り欠き46を有するので、第1部材21において、第1長手端41が折り曲げられてなる第1端28がループ形状において直線的に延び、第2長手端42が折り曲げてなる第2端29がループ形状の外側へ向かってそれぞれ広がる形状が実現される。また、裏面27側へ折り曲げられた第1長手端41を基準として、第2長手端42を裏面27側へ折り曲げることができる。また、第2長手端42は、さらに切り込み49~52を有するので、第2長手端42を裏面27側へ折り曲げやすい。
【0088】
また、第1部材21は、第1山部29bの頂角の頂点54が左側の端に、第2山部29dの頂角の頂点84が右側の端に位置するように曲げられるため、第1部材21の左右方向9の中央において上下方向7の幅が狭く、かつ左右方向9の両側へ向かって上下方向7の幅が次第に拡がる形状が実現される。
【0089】
また、第2部材22は、幅広部66を有しており、第2部材22は、第1部材21と重ね合わされた状態において、第1部材21の第1端28側から、幅広部66が上下方向7の外側へ突出するので、ループ形状において直線的に延びる第1部材21の端の奥側に、蝶結び形状の両端が下方へ垂れている印象を与える第2部材22が実現できる。
【0090】
また、第2部材22は、芯材67を有しているので、芯材67により第2部材22の剛性が向上する。また、芯材67の木端を表材68が覆っているので外観が優れる。
【0091】
また、第3部材23は、表裏面を有する人造皮革の一対の両端が裏面側へ折り曲げられた帯状に形成されたものであるので、第3部材23において両端が外部から看取され難い。
【0092】
また、被せ蓋12とベルト15とは、それぞれを貫通するリベット81により結合されており、装飾具11は、リベット81を覆っているので、収納部13の開口82を覆った状態の被せ蓋12の外観にリベット81が現れず、外観が優れる。
【0093】
また、装飾具11の第2部材22と、被せ蓋12とは、それぞれを貫通するリベット72によって結合されており、装飾具11の第1部材21は、リベット72を覆っているので、収納部13の開口82を覆った状態の被せ蓋12の外観にリベット72が現れず、外観が優れる。また、第2部材22は、第3部材23の両側において左右方向9に並ぶそれぞれ2つのリベット72,73によって被せ蓋12と結合されているので、装飾具11と被せ蓋12とが強固に結合される。
【0094】
また、装飾具11の製造方法90は、第1工程91と、第2工程92と、第3工程93と、第4工程94と、第5工程95、第6工程96、第7工程97及び第8工程98と、を有するので、第1部材21において、長手端41、42及び短手端43、44が外部から看取され難い蝶結びリボン型の装飾具11を簡易に製造することができる。また、第1工程91では、第1部材21の第1長手端41を直線形状とし、第2長手端42に、上下方向7の外側へ延びる第2端42b、第3端42c、第5端42e、第6端42fと切り欠き45、46を有することとし、第3工程93では、第1長手端41と第2長手端42の少なくとも一部とを当接することとするので、第1部材21において、第1端28がループ形状において直線的に延び、第2端29がループ形状の外側へ向かってそれぞれ広がる形状が実現される。また、裏面27側へ折り曲げられた第1長手端41を基準として、第2長手端42を裏面27側へ折り曲げることができる。
【0095】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。実施形態に係る装飾具11、ランドセル10又は装飾具11の製造方法90の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。また、装飾具11又はランドセル10の各構成要素の形状及び大きさも、実施の形態に応じて、適宜、設定されてよい。例えば、以下の変更が可能である。
【0096】
実施形態に係る第1部材21の第2長手端42は、裏面27側へ折り曲げられたとき、第1長手端41と当接させられるが、第1長手端41との間に隙間が設けられてもよい。
【0097】
また、第1部材21の短手端43及び44は、長手端41及び42の位置する側へ曲げられたとき両面テープで接着されるが、縫合や接着剤によって固定されてもよい。
【0098】
また、第1山部29bの底角θ3は、図面に表された大きさに限られず、0°より大きく45°より小さい範囲内であればよい。
【0099】
また、第2部材22は、台材69を有しているが、台材69は省かれてもよい。
【0100】
また、第2部材22の孔71は、左右方向9に一列に並んでいなくてもよい。孔71は、リベット72及び73の位置に合せて設けられる。
【0101】
また、第3部材23の両端76は、図4に示されるように、互いに当接していてもよく、隙間が設けられていてもよい。
【0102】
また、第3部材23の両端77は、留め具79で固定されているが、縫合や接着剤によって固定されていてもよい。
【0103】
また、装飾具11は、左右方向9の中央において、前後方向8に延びて第3部材23、第1部材21及び第2部材22を貫通して固定する鋲を有していてもよい。
【0104】
また、被せ蓋12は、図1及び図10に示されるように、収納部13の前側を下側まで覆っているが、上側半分を覆うものであってもよい。
【0105】
また、ベルト15は、Y字状であるが、H字状や左右方向9の両側においてそれぞれ上下方向7に延びる一対のものであってもよい。
【0106】
また、リベット73は、幅狭部65の上下方向7の中央の位置にあるが、第2部材22の内側であれば上側であっても下側であってもよい。
【0107】
また、リベット72は、リベット73と左右方向9に一列に並べられているが、リベット73より上側であっても下側であってもよく、第2部材22およびベルト15の内側であって第1部材21に覆われる範囲内の位置であればよい。
【0108】
また、リベット81は、リベット72と上下方向7に一列に並べられているが、リベット81より左側であっても右側であってもよく、ベルト15の内側であって第2部材22に覆われる範囲内の位置であればよい。
【符号の説明】
【0109】
10・・・ランドセル
11・・・装飾具
12・・・被せ蓋
13・・・収納部
14・・・肩ひも
15・・・ベルト
21・・・第1部材
22・・・第2部材
23・・・第3部材
27・・・裏面
30・・・ループ部
31・・・ループ部
41・・・第1長手端
42・・・第2長手端
42a・・・第1端
42b・・・第2端
42c・・・第3端
42d・・・第4端
42e・・・第5端
42f・・・第6端
42g・・・第7端
43・・・第1短手端
44・・・第2短手端
45・・・第1切り欠き
46・・・第2切り欠き
49・・・第1切り込み
50・・・第2切り込み
51・・・第3切り込み
52・・・第4切り込み
54・・・頂角の頂点
66・・・幅広部
67・・・芯材
68・・・表材
72・・・リベット
73・・・リベット
76・・・両端
81・・・リベット
82・・・開口
84・・・頂角の頂点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10