(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】ランドセル
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20220301BHJP
A45C 3/02 20060101ALI20220301BHJP
A45C 3/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A45F3/04 400P
A45C3/02 Z
A45C3/00 S
(21)【出願番号】P 2018075605
(22)【出願日】2018-04-10
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】507187444
【氏名又は名称】コクホー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】澤 新一郎
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-006233(JP,A)
【文献】特開2015-047437(JP,A)
【文献】実開昭50-032312(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0008030(US,A1)
【文献】登録実用新案第3217756(JP,U)
【文献】特開2002-034628(JP,A)
【文献】登録実用新案第3166249(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/04
A45C 3/02
A45C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面、側面、及び収容空間に通ずる開口を有する本体と、
上記本体に設けられた肩ベルトと、
上記本体に設けられており、上記開口及び上記前面を覆う第1姿勢、及び上記開口及び上記前面を露出する第2姿勢に姿勢変化可能な被せ蓋と、
上記本体に設けられており、上記本体の上記側面から上記前面に渡って延び
、上記本体の上記側面と上記前面とにそれぞれ固定された前締めベルトと、
上記前締めベルトにおいて上記前面に位置す
る端部に着脱可能な着脱ベルトと、
上記着脱ベルトに設けられており、文字を表す装飾部材と、を備え
、
上記前締めベルトの上記端部は、リングを有しており、
上記着脱ベルトは、上記リングに着脱可能であり、
上記側面は、上記前面の両側に一対が位置しており、
上記前締めベルトは、上記一対の側面のそれぞれから上記前面に渡って延びる一対であり、
上記着脱ベルトは、一対の上記前締めベルトの上記端部それぞれに着脱可能であるランドセル。
【請求項2】
上記着脱ベルトは、上記リング内に挿通されて折り返されており、折り返されている
先端部が、当該
先端部より長手方向の中央側の中央部と、着脱可能な留め具により留められている請求項
1に記載のランドセル。
【請求項3】
上記本体は、上記前面に上向きに開口するポケット部を有しており、
上記着脱ベルトは、上記ポケット部の上記開口の下方に位置する請求項1
または2に記載のランドセル。
【請求項4】
上記本体、上記前締めベルト、及び上記着脱ベルトは、少なくとも同色の人工皮革を素材とするものである請求項1から
3のいずれかに記載のランドセル。
【請求項5】
上記着脱ベルトに替えて、上記前締めベルトの上
記端部に着脱可能な付替装飾部材を更に備えた請求項1から
4のいずれかに
記載のランドセル。
【請求項6】
上記付替装飾部材は、上記本体、上記前締めベルト、または上記着脱ベルトと同色の人工皮革を素材として有していないものである請求項
5に記載のランドセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字を表す装飾部材を備えたランドセルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されるように、ランドセルの前段ポケットに、名札入れが設けられることがある。名札には、ランドセルの持ち主である子供の名前や住所などが記載されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ランドセルに子供の名前や住所が詳細に記載されることは、子供の個人情報が漏洩するおそれあることから避けられる傾向にある。また、ランドセルの前面に名札があることは、ランドセルの意匠性を損なうこともある。他方、同様の意匠のランドセルを持つ子供が同じ学校に在籍することもあるので、子供が自分のランドセルを認識できる文字がランドセルに付されていることが望ましい。
【0005】
子供の名前やイニシャルを文字で表す装飾部材は、ランドセルの購入前に予め付しておくことができないので、購入後に特定の文字の装飾部材を加工等して、購入されたランドセルに付することとなる。そうすると、購入後に子供が直ちにランドセルを持ち帰ることができず、購入時の満足感に欠けるという問題がある。他方、売り場において装飾部材の加工が施せるようにしておくことは、在庫管理や設備の観点から難しい。
【0006】
また、家庭事情から子供の姓が変わった場合には、ランドセルに付された文字を変更する必要が生じる。したがって、文字の装飾部材は、ランドセルに対して着脱可能であることが望ましい。他方、簡単に着脱可能であれば、子供がランドセルを使っているときに、不用意に装飾部材がランドセルから外れて紛失するおそれがある。
【0007】
また、特に、外国人のように、ランドセルを購入した後、再び売り場へ出向くことが難しい購入者は、文字の装飾部材を後日に入手することを望まないこともある。そうすると、装飾部材の留め具のみがランドセルにおいて露出され、意匠性が損なわれるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、子供が自分のランドセルを識別可能な文字が表された装飾部材が着脱可能なランドセルを提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、仮に着脱ベルトが装着されずにランドセルが使用されたとしても、ランドセルの意匠性が損なわれない手段を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、上記装飾部材がランドセルから容易に外れない手段を提供することにある。
【0011】
また、本発明の更に他の目的は、仮に上記装飾部材を設けないとしても、意匠性に優れたランドセルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1) 本発明に係るランドセルは、前面、側面、及び収容空間に通ずる開口を有する本体と、上記本体に設けられた肩ベルトと、上記本体に設けられており、上記開口及び上記前面を覆う第1姿勢、及び上記開口及び上記前面を露出する第2姿勢に姿勢変化可能な被せ蓋と、上記本体に設けられており、上記本体の上記側面から上記前面に渡って延びる前締めベルトと、上記前締めベルトにおいて上記前面に位置する連結端部に着脱可能な着脱ベルトと、上記着脱ベルトに設けられており、文字を表す装飾部材と、を備える。
【0013】
上記構成によれば、前締めベルトと連続する着脱ベルトに装飾部材が設けられるので、意匠性に優れる。また、着脱ベルトは、前締めベルトに対して着脱可能なので、ランドセルが購入されれば直ちに、着脱ベルト及び装飾部材以外を持ち帰ってもらうことができる。
【0014】
(2) 好ましくは、上記前締めベルトの上記連結端部は、リングを有しており、上記着脱ベルトは、上記リングに着脱可能である。
【0015】
上記構成によれば、前締めベルトの連結端部の意匠性に優れるので、仮に着脱ベルトが設けられていなくても、意匠性が損なわれるおそれがない。
【0016】
(3) 好ましくは、上記着脱ベルトは、上記リング内に挿通されて折り返されており、折り返されている端部が、当該端部より長手方向の中央側の中央部と、着脱可能な留め具により留められている。
【0017】
上記構成によれば、着脱ベルトが引っ張られたとしても、留め具が外れ難い。
【0018】
(4) 好ましくは、上記本体は、上記前面に上向きに開口するポケット部を有しており、上記着脱ベルトは、上記ポケット部の上記開口の下方に位置する。
【0019】
上記構成によれば、着脱ベルトの上方にポケット部の開口があるので、着脱ベルトが、ポケット部への開口を通じての物の出し入れの障害になり難く、使い勝手が良い。
【0020】
(5) 好ましくは、上記本体、上記前締めベルト、及び上記着脱ベルトは、少なくとも同色の人工皮革を素材とするものである。
【0021】
上記構成によれば、本体、前締めベルト、及び着脱ベルトに統一性が生じて、意匠性に優れる。
【0022】
(6) 好ましくは、上記側面は、上記前面の両側に一対が位置しており、上記前締めベルトは、上記一対の側面のそれぞれから上記前面に渡って延びる一対であり、上記着脱ベルトは、一対の上記前締めベルトの上記連結端部それぞれに着脱可能である。
【0023】
上記構成によれば、前締めベルト及び着脱ベルトが、左右方向に対してシンメトリーに配置されるので、意匠性に優れる。
【0024】
(7) 好ましくは、本ランドセルは、上記着脱ベルトに替えて、上記前締めベルトの上記連結端部に着脱可能な付替装飾部材を更に備える。
【0025】
上記構成によれば、着脱ベルトが不要な購入者に対しては、前締めベルトに付替装飾部材を付けることによって、着脱ベルトが無くても意匠性に優れる。
【0026】
(8) 好ましくは、上記付替装飾部材は、上記本体、上記前締めベルト、または上記着脱ベルトと同色の人工皮革を素材として有していないものである。
【0027】
上記構成によれば、付替装飾部材を、異なる色の本体や前締めベルトを有するランドセルに対して共通のものとすることができるので、ランドセルの購入者に直ちに付替装飾部材を提供することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、装飾部材によって子供が自分のランドセルを識別できる。
【0029】
また、本発明によれば、仮に着脱ベルトが装着されずにランドセルが使用されたとしても、ランドセルの意匠性が損なわれない。
【0030】
また、本発明によれば、上記着脱ベルトがランドセルから容易に外れることがない。
【0031】
また、本発明によれば、仮に上記着脱ベルトを設けないとしても、ランドセルの意匠性が優れる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、被せ蓋13が第1姿勢であるランドセル10の外観斜視図である。
【
図2】
図2は、被せ蓋13が第2姿勢であるランドセル10の外観斜視図である。
【
図3】
図3は、着脱ベルト16及び装飾部材17であって、オス型スナップボタン31とメス型スナップボタン32とが係合された状態の斜視図である。
【
図4】
図4は、着脱ベルト16及び装飾部材17であって、オス型スナップボタン31とメス型スナップボタン32とが係合されていない状態の正面図である。
【
図5】
図5は、
図1における着脱ベルト16付近の部分拡大図である。
【
図6】
図6は、付替装飾部材18が装着されたランドセル10の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、ランドセル10の底面25が水平面上にありランドセル10の後面24がほぼ垂直方向に延びる
図1の状態にあるときを基準として、上下方向7が定義され、装飾部材17が設けられている側を前側として前後方向8が定義され、ランドセル10が前面から見て左右方向9が定義される。本実施形態では、
図1の状態において、上下方向7が垂直方向に相当し、前後方向8及び左右方向9が水平方向に相当する。前後方向8及び左右方向9は、直交している。
【0034】
[ランドセル10の全体構成]
図1に示されるように、ランドセル10は、概ね直方体形状の本体11と、肩ベルト12と、被せ蓋13と、に大別される。ランドセル10は、主要な素材として人工皮革が用いられている。また、リベット29やオス型スナップボタン31、メス型スナップボタン32、金属製等の装飾具なども使用されている。ランドセル10の意匠は多様であり、例えば、人工皮革の色や、装飾具の素材、色、及び形状は、多様に変更可能である。外観の統一感を図るために、本体11及び被せ蓋13に用いられる人工皮革は、同色であることが好ましい。
【0035】
[本体11及び肩ベルト12]
図2に示されるように、本体11は、上向きの開口20を有する概ね直方体形状である。本体11の内部空間は、教科書や筆箱などの学習用具などを収納可能な収容空間である。学習用具などは、開口20を通じて、本体11の内部空間に出し入れされる。
【0036】
本体11は、前面21、右側面22、左側面23、後面24、及び底面25を有する。前面21と後面24とは、本体11の内部空間を挟んで対向する位置にある。右側面22と左側面23とは、本体11の内部空間を挟んで対向する位置にある。右側面22は、前面21の右側に位置し、左側面23は、前面21の左側に位置する。
【0037】
本体11の前面21には、第1ポケット部14が設けられている。第1ポケット部14は、前面21から前方へ突出した箱形状である。第1ポケット部14は、前面21の一部を覆っている。第1ポケット部14は、上向きの開口26を有する。開口26は、周縁に芯などの補強部材が設けられているので、容易に変形しない。第1ポケット部14は、前面21との間に収容空間を形成する。第1ポケット部14の収容空間には、開口26を通じて、物が出し入れ可能である。
【0038】
第1ポケット部14の前面の下側部分には、第2ポケット部19が設けられている。第2ポケット部19は、第1ポケット部14の前面から前方へ突出した箱形状である。第2ポケット部19の上面及び両側面には、ファスナー37が設けられている。ファスナー37によって、第2ポケット部19の上面及び両側面が開口されたり閉塞されたりする。第2ポケット部19は、ファスナー37によって側面まで開口されるので、開口が大きく前方へ拡がる。第2ポケット部19の収容空間には、小物などが収容可能である。
【0039】
本体11の後面24側には、肩ベルト12が接続されている。肩ベルト12は、左右方向9に分かれた一対が設けられている。本体11の上端部分において、肩ベルト12の一端が接続されている。本体11の下端部分において、肩ベルト12の他端が接続されている。本体11の下端部分と、肩ベルト12の他端とは、長さ調整が可能に接続されている。このような接続構成としては、公知の構成が採用される。
【0040】
[被せ蓋13]
被せ蓋13は、本体11の後面24側の上端に接続されている。被せ蓋13は、本体11の開口20及び前面21を覆うことができる帯形状である。本体11から延びる被せ蓋13の延出端には、Y字ベルト28が連結されている。Y字ベルト28は、被せ蓋13よりも左右方向9の寸法が小さいY字の帯形状であり、被せ蓋13にY字の2箇所(Y字の上側)が連結されており、延出方向の先端が1本に延びている。
【0041】
Y字ベルト28の延出端には留め具27が設けられている。留め具27は、本体11の底面25に設けられた留め具(不図示)と係合する。留め具27が底面25側において係合することによって、
図1に示されるように、被せ蓋13が、本体11の開口20及び前面21を覆う第1姿勢に保持される。留め具27の係合が解除されると、
図2に示されるように、被せ蓋13が、本体11の開口20及び前面21を露出する第2姿勢に姿勢変化可能となる。なお、被せ蓋13は、例えば、本体11の後面24を構成する部材と一体に構成されてもよい。
【0042】
[前締めベルト15]
本体11には、前締めベルト15が設けられている。前締めベルト15は、細長な帯形状であり、一対が本体11にリベット29によって適宜固定されている。一対の前締めベルト15は、本体11と同色の人工皮革を主な素材としている。
【0043】
一方の前締めベルト15は、本体11の右側面22から前方へ延びて前面21に至り、前面21において左向きへ延びている。つまり、一方の前締めベルト15は、本体11の右側面22から前面21に渡って延びている。他方の前締めベルト15は、本体11の左側面23から前方へ延びて前面21に至り、前面21において右向きへ延びている。つまり、他方の前締めベルト15は、本体11の左側面23から前面21に渡って延びている。
【0044】
一対の前締めベルト15は、本体11の前面21において連結端部30をそれぞれ有している。各連結端部30は、本体11の前面21において、第1ポケット部14の開口26の下方であって、第1ポケット部14の前面に位置する。各連結端部30は、左右方向9に離れている。連結端部30は、一対の前締めベルト15のそれぞれにおいて、本体11における位置が異なる他は同様の構成なので、一方の前締めベルト15の連結端部30の構成が説明される。
【0045】
前締めベルト15の連結端部30は、細長な帯形状の人工皮革を折り返してリベット29により留められた環状部分の内側に、リング35が挿通されてなる。リング35は金属製であり、その外径は、前締めベルト15の上下方向7に沿った幅より大きい。
【0046】
[着脱ベルト16及び装飾部材17]
一対の前締めベルト15の各連結端部30には、着脱ベルト16が装着されている。着脱ベルト16は、前締めベルト15と同様の細長な帯形状である。着脱ベルト16は、本体11と同色の人工皮革を主な素材としている。
【0047】
図3,4に示されるように、着脱ベルト16の両側の各端部33には、オス型スナップボタン31及びメス型スナップボタン32(留め具の一例)が間隔を空けて固定されている。各メス型スナップボタン32は、各オス型スナップボタン31より、着脱ベルト16の端に近い。
【0048】
図5に示されるように、着脱ベルト16は、各端部33が、各連結端部30のリング35にそれぞれ挿通され、オス型スナップボタン31とメス型スナップボタン32との間で後側へ折り返され、オス型スナップボタン31とメス型スナップボタン32とが係合されることによって、リング35に連結されている。リング35に連結された着脱ベルト16は、本体11の第1ポケット部14の上方において、左右方向9に沿って延びている。
【0049】
着脱ベルト16の各端部33より長手方向の中央側の中央部34には、装飾部材17が固定されている。装飾部材17は、金属製のプレートであり、着脱ベルト16に固定された状態で前方を向いている。各図には示されていないが、装飾部材17には、例えばアルファベット文字が刻印されている。装飾部材17に刻印されるアルファベット文字は、例えば、ランドセル10の持ち主のイニシャルや、姓、名、愛称などを表す。
【0050】
[付替装飾部材18]
図6に示されるように、付替装飾部材18は、着脱ベルト16に替えて、前締めベルト15の連結端部30に連結されてもよい。付替装飾部材18は、例えば、金属製またはプラスチック製のチェーン形状であって、両端にリングに連結可能なヒキワやカニカンなどの留め具が設けられている。また、チェーン形状の部分には、星形状やハート形状の更なる装飾部品が設けられてもよい。付替装飾部材18の両端の留め具がリング35に連結されることによって、付替装飾部材18は、本体11の第1ポケット部14の上方において、概ね左右方向9に沿って延びている。
【0051】
なお、付替装飾部材18の形状や素材、個数は特に限定されず、例えば、本体11と同色の人工皮革が使用されてもよいが、本体11や、前締めベルト15、着脱ベルト16と同色の人工皮革が素材として用いられないことによって、様々な色や意匠のランドセル10に共通して、同じ意匠の付替装飾部材18を装着しても、違和感が少なくなるので好ましい。
【0052】
[本実施形態の効果]
上記実施形態によれば、前締めベルト15と連続する着脱ベルト16に装飾部材17が設けられるので、ランドセル10の意匠性が優れる。また、着脱ベルト16は、前締めベルト15に対して着脱可能なので、ランドセル10が購入されれば直ちに、着脱ベルト16及び装飾部材17以外を持ち帰ってもらうことができる。そして、着脱ベルト16及び持ち主の名前などが刻印された装飾部材17が、後日に購入者に送付されて、購入者によって、着脱ベルト16及び装飾部材17が前締めベルト15に連結される。装飾部材17に表された文字によって、子供が自分のランドセル10を識別可能である。
【0053】
また、前締めベルト15の連結端部30は、リング35を有しており、着脱ベルト16は、リング35に着脱可能なので、仮に、着脱ベルト16が外された状態で使用されたとしても、スナップボタンなどの留め具が露出されることがないので、ランドセル10の意匠性が損なわれない。
【0054】
また、着脱ベルト16は、リング35内に挿通されて折り返された端部33が、オス型スナップボタン31及びメス型スナップボタン32によって留められているので、仮に着脱ベルト16が前向きに引っ張られたとしても、オス型スナップボタン31及びメス型スナップボタン32が外れ難い。
【0055】
また、本体11の前面21において、着脱ベルト16の上方に第1ポケット部14の開口が位置するので、着脱ベルト16が、第1ポケット部14への開口26を覆い隠さない。これにより、開口26を通じての第1ポケット部14へ物を出し入れにおいて、着脱ベルト16が障害になり難く、第1ポケット部14の使い勝手がよい。
【0056】
また、本体11、前締めベルト15、及び着脱ベルト16が、同色の人工皮革を素材としているので、本体11、前締めベルト15、及び着脱ベルト16に統一性が生じて、意匠性に優れる。
【0057】
また、前締めベルト15及び着脱ベルト16が、左右方向9に対してシンメトリーに配置されるので、意匠性に優れる。
【0058】
また、着脱ベルト16が不要な購入者に対しては、前締めベルト15に付替装飾部材18を付けることによって、着脱ベルト16が無くてもランドセル10の意匠性が優れる。
【0059】
また、付替装飾部材18を、異なる色の本体11や前締めベルト15を有するランドセル10に対して共通のものとしても意匠性が損なわれない。また、ランドセル10の購入者に直ちに付替装飾部材18を提供することができる。
【0060】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。実施形態に係るランドセル10の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。また、ランドセル10の各構成要素の形状及び大きさも、実施の形態に応じて、適宜、設定されてよい。例えば、以下の変更が可能である。
【0061】
上記実施形態では、前締めベルト15の連結端部30にリング35が設けられ、着脱ベルト16はリング35に連結されるが、前締めベルト15と着脱ベルト16との連結構造は、これに限定されない。例えば、前締めベルト15の連結端部30が、オス型スナップボタン31及びメス型スナップボタン32が設けられた折り返し可能な構造となっており、着脱ベルト16の両端にリング35が設けられてもよい。この場合、前締めベルト15の連結端部30が、着脱ベルト16のリング35に挿通されて折り返されて、オス型スナップボタン31及びメス型スナップボタン32により留められる。
【0062】
また、オス型スナップボタン31及びメス型スナップボタン32は留め具の一例であり、その他の公知の留め具が用いられてもよい。また、連結端部30に、ヒキワやカニカンなどの留め具が設けられて、着脱ベルト16のリング35が連結端部30に連結されてもよい。また、リング35の形状は、円環に限定されず、D型や角形であってもよい。
【0063】
また、装飾部材17に表される文字は、アルファベット文字に限定されず、平仮名や片仮名、漢字などでもよいことは勿論である。また、装飾部材17の形状は特に限定されず、金属製のプレートに代えて、例えば、アルファベット文字の外形のプラスチック製品が、イニシャルや姓、名などに合わせて複数が組み合わされて、着脱ベルト16に固定されたり挿通されたりしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10・・・ランドセル
11・・・本体
12・・・肩ベルト
13・・・被せ蓋
14・・・第一ポケット部
15・・・前締めベルト
16・・・着脱ベルト
17・・・装飾部材
18・・・付替装飾部材
20・・・開口
21・・・前面
22・・・右側面(側面)
23・・・左側面(側面)
26・・・開口
30・・・連結端部
31・・・オス型スナップボタン(留め具)
32・・・メス型スナップボタン(留め具)
33・・・端部
34・・・中央部
35・・・リング