(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019034427
(22)【出願日】2019-02-27
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(72)【発明者】
【氏名】平口 敏彦
【審査官】南川 泰裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-064893(JP,A)
【文献】特開2007-307173(JP,A)
【文献】特開2017-189418(JP,A)
【文献】「CRフィーバー宝船」,パチンコ必勝ガイド2005年度7.2号,株式会社白夜書房,2005年07月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄の変動表示をおこなって大当たり図柄を表示可能な図柄表示手段と、
大当たり図柄の表示に起因して大当たり遊技をおこなう大当たり遊技実行手段と、
前記大当たり遊技後の遊技状態を時短遊技に変更する時短遊技変更手段と、
複数の演出表示を実行可能な演出表示手段を備えた遊技機であって、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第1演出表示を実行可能であり、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第2演出表示を実行可能であり、
前記第1演出表示は、特定表示を獲得する演出表示であり、
前記第2演出表示は、前記獲得した特定表示を使用し、遊技者に有利な所定遊技に係わる情報を示唆し得る演出表示であ
り、
前記第1演出表示は、前記大当たり遊技中または前記時短遊技中におこなわれ、
前記第2演出表示は、前記時短遊技中の前記図柄の変動表
示に係わっておこなわれ
、
前記図柄の変動表示は、特定リーチを含み、
前記第2演出表示は、前記特定表示が有る場合に前記特定リーチの発生に係わっておこなわれ、
前記時短遊技中における前記図柄の変動表示の残りの変動回数が所定回数以下になったときは、該所定回数以下になったときの当該図柄の変動表示は、毎変動前記特定リーチになる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
図柄の変動表示をおこなって大当たり図柄を表示可能な図柄表示手段と、
大当たり図柄の表示に起因して大当たり遊技をおこなう大当たり遊技実行手段と、
前記大当たり遊技後の遊技状態を時短遊技に変更する時短遊技変更手段と、
複数の演出表示を実行可能な演出表示手段を備えた遊技機であって、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第1演出表示を実行可能であり、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第2演出表示を実行可能であり、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第3演出表示を実行可能であり、
前記第1演出表示は、特定表示を獲得する演出表示であり、
前記第2演出表示は、前記獲得した特定表示を使用し、遊技者に有利な所定遊技に係わる情報を示唆し得る演出表示であり、
前記第1演出表示は、前記大当たり遊技中または前記時短遊技中におこなわれ、
前記第2演出表示は、前記時短遊技中の前記図柄の変動表示に係わっておこなわれ、
前記第1演出表示は、前記特定表示を複数
種類獲得可能な演出表示であ
って、該複数種類の特定表示は、前記遊技者に有利な所定遊技となる期待度がそれぞれ異なるように設けられ、
前記第2演出表示
で前記特定表示を
前記時短遊技中に使用した場合には、該使用された前記特定表示は消化さ
れ、
前記第3演出表示は、前記時短遊技中に前記特定表示が全て消化される前に前記大当たりになったとき、当該大当たり遊技中におこなわれる、当該大当たりが確変大当たりに昇格するか否かの確変昇格演出表示であり、
前記確変昇格演出表示は、前記特定表示が消化されずに残った数または種別に応じて、当該大当たりが確変大当たりに昇格する確率が変化する態様でおこなわれる、
ことを特徴とす
る遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、始動口への遊技球の入賞を契機に表示装置を用いた表示演出を実行可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような遊技機では、キャラクタ画像や図柄などを用いた表示演出をおこなうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-202930号公報
【文献】特開2016-198339号公報
【文献】特開2016-182376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の遊技機によっても、遊技の興趣を向上させるための技術については、なお改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技の興趣の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0008】
[適用例1]
図柄の変動表示をおこなって大当たり図柄を表示可能な図柄表示手段と、
大当たり図柄の表示に起因して大当たり遊技をおこなう大当たり遊技実行手段と、
前記大当たり遊技後の遊技状態を時短遊技に変更する時短遊技変更手段と、
複数の演出表示を実行可能な演出表示手段を備えた遊技機であって、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第1演出表示を実行可能であり、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第2演出表示を実行可能であり、
前記第1演出表示は、特定表示を獲得する演出表示であり、
前記第2演出表示は、前記獲得した特定表示を使用し、遊技者に有利な所定遊技に係わる情報を示唆し得る演出表示であり、
前記第1演出表示は、前記大当たり遊技中または前記時短遊技中におこなわれ、
前記第2演出表示は、前記時短遊技中の前記図柄の変動表示に係わっておこなわれ、
前記図柄の変動表示は、特定リーチを含み、
前記第2演出表示は、前記特定表示が有る場合に前記特定リーチの発生に係わっておこなわれ、
前記時短遊技中における前記図柄の変動表示の残りの変動回数が所定回数以下になったときは、該所定回数以下になったときの当該図柄の変動表示は、毎変動前記特定リーチになる、
ことを特徴とする遊技機。
【0009】
[適用例2]
図柄の変動表示をおこなって大当たり図柄を表示可能な図柄表示手段と、
大当たり図柄の表示に起因して大当たり遊技をおこなう大当たり遊技実行手段と、
前記大当たり遊技後の遊技状態を時短遊技に変更する時短遊技変更手段と、
複数の演出表示を実行可能な演出表示手段を備えた遊技機であって、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第1演出表示を実行可能であり、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第2演出表示を実行可能であり、
前記演出表示手段は、前記複数の演出表示のうちの一つの演出表示として第3演出表示を実行可能であり、
前記第1演出表示は、特定表示を獲得する演出表示であり、
前記第2演出表示は、前記獲得した特定表示を使用し、遊技者に有利な所定遊技に係わる情報を示唆し得る演出表示であり、
前記第1演出表示は、前記大当たり遊技中または前記時短遊技中におこなわれ、
前記第2演出表示は、前記時短遊技中の前記図柄の変動表示に係わっておこなわれ、
前記第1演出表示は、前記特定表示を複数種類獲得可能な演出表示であって、該複数種類の特定表示は、前記遊技者に有利な所定遊技となる期待度がそれぞれ異なるように設けられ、
前記第2演出表示で前記特定表示を前記時短遊技中に使用した場合には、該使用された前記特定表示は消化され、
前記第3演出表示は、前記時短遊技中に前記特定表示が全て消化される前に前記大当たりになったとき、当該大当たり遊技中におこなわれる、当該大当たりが確変大当たりに昇格するか否かの確変昇格演出表示であり、
前記確変昇格演出表示は、前記特定表示が消化されずに残った数または種別に応じて、当該大当たりが確変大当たりに昇格する確率が変化する態様でおこなわれる、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図4】遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】メインROMおよびメインRAMを説明するための図である。
【
図6】サブROMおよびサブRAMを説明するための図である。
【
図7】遊技機において使用される各種の乱数を説明するための図である。
【
図8】判定テーブルT1~T4を説明するための図である。
【
図9】大当たり種別判定テーブルT5の説明図である。
【
図10】非時短状態時の変動パターン判定テーブルT6の説明図である。
【
図11】時短状態時の変動パターン判定テーブルT6の説明図である。
【
図12】電チュー開放パターン判定テーブルT7の説明図である。
【
図13】大入賞口開放パターン判定テーブルT8の説明図である。
【
図14】V開閉部材開放パターン判定テーブルT9の説明図である。
【
図15】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図16】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図17】始動口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図18】特
図2事前判定処理のフローチャートである。
【
図19】特
図1事前判定処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図24】変動パターン選択処理の第1のフローチャートである。
【
図25】変動パターン選択処理の第2のフローチャートである。
【
図26】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図27】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図28】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図29】遊技状態リセット処理のフローチャートである。
【
図30】特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図31】V開閉部材動作処理のフローチャートである。
【
図32】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図33】V領域センサ検出処理のフローチャートである。
【
図35】サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。
【
図36】サブ側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図37】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図38】先読み演出決定処理のフローチャートである。
【
図39】事前判定情報記憶領域の構成を説明するための図である。
【
図40】先読み演出パターン決定テーブルT51の説明図である。
【
図41】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図42】基幹演出パターン決定テーブルT52の説明図である。
【
図43】チャンスアップ演出パターン決定テーブルT53の説明図である。
【
図46】勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60の説明図である。
【
図47】勝負玉消化演出パターン決定処理の説明図である。
【
図56】勝負玉消化昇格演出を説明の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.遊技機の構造
図1は、本発明の一実施形態としての遊技機1の正面図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
【0020】
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている。遊技機枠50は、前枠(前枠部)53のほか、遊技機の外郭部を形成する外枠(基枠部)と、外枠の内側において遊技盤2が取り付けられる内枠と、を備えている。前枠(前枠部)53は、外枠および内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、ハンドル60と、打球供給皿(上皿)61と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、剣部材64と、剣ボタン65と、枠ランプ66と、スピーカ67と、枠可動体600とを備えている。前枠53の中央には開口部が形成されており、開口部を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。
【0021】
ハンドル60は、前枠53の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。打球供給皿(上皿)61は、前枠53の下方に設けられ、遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿)62は、打球供給皿(上皿)61の下方に配置され、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。演出ボタン63は、打球供給皿(上皿)61の近傍に配置された操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。剣部材64は、剣の形を模した操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が下方向に押し込むことができる。剣ボタン65は、剣部材64の上端部分、すなわち、剣の柄の端部に設けられた操作部であり、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作(押圧)される。剣部材64は、剣部材64全体を下方に押し込む第1の操作と、先端の剣ボタン65を押圧する第2の操作の異なる2つの操作を実行可能に構成されている。枠ランプ66は、前枠53の開口部周辺に配置され、遊技中などに発光演出をおこなう。スピーカ67は、前枠53の左上方と右上方に配置され、遊技中などに音演出をおこなう。枠可動体600は、前枠53の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。枠可動体600は、前枠53の内部に格納されている格納状態から、前枠53の上方に突出する露出状態に変位可能に構成されている。
【0022】
遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、センター装飾体10と、固定入賞装置(ヘソ)19と、普通可変入賞装置(電チュー)22と、ゲート(スルーチャッカー)28と、第1大入賞装置(第1アタッカー)31と、第2大入賞装置(第2アタッカー)36と、一般入賞口27(普通入賞口27)と、一般入賞口29(普通入賞口29)、アウト口16と、表示器類40と、を備えている。
【0023】
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。
【0024】
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rが可変表示(変動表示ともいう)される第1演出図柄表示領域と、演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rとは異なる他の装飾図柄が変動表示される第2演出図柄表示領域と、保留画像9A、9Bが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9Cが表示される保留消化画像表示領域と、を有している。保留画像9A、9Bは、保留を表す画像であり、保留アイコン9A,9Bとも呼ぶ。保留消化画像9Cは、当該保留を表す画像であり、当該保留画像9C、または、当該保留アイコン9Cとも呼ぶ。第1保留アイコンと第2保留アイコンとを総称して、単に保留アイコンとも呼ぶ。
【0025】
第1演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄(左装飾図柄)8Lが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄(中装飾図柄)8Cが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄(右装飾図柄)8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rは、例えば「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄によって構成されている。演出図柄8L、8C、8Rの変動表示は、後述する第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bによって表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。
【0026】
例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり抽選結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bのほか、画像表示装置7によって把握することができる。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様であってもよいしそれ以外の態様であってもよい。各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは上記に限定されず任意に設定することができる。以後、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を「演出図柄の変動演出」、「装飾図柄の変動演出」または、単に「変動演出」とも呼ぶ。なお、この装飾図柄の変動演出は、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間(特別図柄変動期間とも呼ぶ)における演出を1回の変動演出(1サイクルの変動演出)としてカウントする。従って、特別図柄が変動開始してから停止するまでの期間に、装飾図柄を仮停止させる場合があったとしても、当該仮停止の演出は、装飾図柄の変動演出に含まれる。
【0027】
また、第2演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには図示しない左演出図柄(左装飾図柄)が表示される。中の図柄表示エリアには図示しない中演出図柄(中装飾図柄)が表示される。右の図柄表示エリアには図示しない右演出図柄(右装飾図柄)が表示される。第2演出図柄表示領域に表示される演出図柄は、第1演出図柄表示領域に表示される演出図柄8L、8C、8Rと同様の図柄となっており、装飾図柄8L、8C、8Rよりも小さく表示される。
【0028】
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7a,7bに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示してもよい。なお、識別表示(第四図柄)は、遊技領域3に設けられたLEDなどの発光器によって表示させてもよい。
【0029】
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像9Aを表示する第1保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて保留画像9Bを表示する第2保留表示エリアとを含んでいる。保留画像9A、9Bの表示によって、後述の第1特図保留表示器43aに表示される第1特図保留の記憶数と、第2特図保留表示器43bに表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像表示領域は、保留消化画像9Cを表示する保留消化表示エリアを含んでいる。保留消化画像9Cは、表示画面7a現在変動中の演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)に対応しており、保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留または第2特図保留が消化(後述の「特図保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
【0030】
画像表示装置7の下方には、可動式のいわゆるギミックである第1盤可動体14(第1可動役物14とも呼ぶ)が設けられている。第1可動役物14は、板状の部材が上下に移動可能に構成されている。第1可動役物14は、通常時は画像表示装置7の下方の退避位置(
図1)で静止しており、退避位置から上方向に移動(進出)して進出位置(
図16)で静止することができる。第1可動役物14は、進出位置で停止したとき画像表示装置7の一部を覆う。
【0031】
センター装飾体10は、遊技領域3の中央付近であって、画像表示装置7の前方に配置されている。センター装飾体10には、可動式のいわゆるギミックである第2盤可動体15(第2可動役物15とも呼ぶ)が取り付けられている。センター装飾体10の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述の第1始動口20へと誘導可能な形状を有している。センター装飾体10の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。
【0032】
固定入賞装置(ヘソ)19は、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置され、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備えている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。言い換えれば、第1始動口20への遊技球の入賞は、大当たり乱数等の取得および大当たり判定等の契機となっている。
【0033】
普通可変入賞装置(電チュー)22は、遊技領域3における第1始動口20の下方に配置され、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備えている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、第2始動口21の前方に可動部材23を備えており、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉する。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図3)によって駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態のとき遊技球が入球可能である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態のときの方が閉状態のときよりも第2始動口21への入球が容易であればよく、閉状態のときに第2始動口21への入球が可能であってもよい。
【0034】
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における第1大入賞装置(第1アタッカー)31の上方に配置されており、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28への遊技球の通過は、普通図柄乱数(当たり乱数)の取得および当たり判定等の契機となっている。
【0035】
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1始動口20または第2始動口21に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否かを判定する処理をいう。この「大当たり」の抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、後述の第1特別図柄表示器41aまたは第2特別図柄表示器41bにおいて特別図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する特別図柄が停止表示(確定表示)され、遊技者に抽選結果が報知される。画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームによって、より効果的に大当りの抽選結果が遊技者に報知される。
【0036】
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、後述の普通図柄表示器42において普通図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する普通図柄が確定表示(点灯または消灯)され、遊技者に抽選結果が報知される。
【0037】
第1大入賞装置(第1アタッカー、第1特別可変入賞装置)31は、遊技領域3における第1始動口20の右上方に配置され、第1大入賞口(第1特別入賞口)30と、V領域39と、非V領域70と、V開閉部材71とを備えている。第1大入賞口30は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを許容または阻害する開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備えている。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図3)によって駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態のとき遊技球が入球可能となる。
【0038】
第1大入賞装置31は内部に、V領域(特定領域)39と、V領域センサ39a(
図3)と、非V領域(非特定領域)70と、非V領域センサ70a(
図3)と、第1大入賞口センサ30a(
図3)と、V開閉部材71と、V開閉部材ソレノイド73(
図3)と、を備えている。V領域(特定領域)39および非V領域(非特定領域)70は、第1大入賞装置31の内部において、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。第1大入賞口センサ30aは、V領域39および非V領域70の上流に配置され、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知する。V領域センサ39aは、V領域39に配置され、V領域39への遊技球の通過を検知する。非V領域センサ70aは、非V領域70に配置され、非V領域70への遊技球の通過を検知する。V開閉部材71は、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。V開閉部材71は、回転移動(遊技盤2に対して時計回りおよび反時計回り)するように構成され、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、原点位置から反時計回りに回転して遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、原点に位置して遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態)となる。なお、V開閉部材71は、回転移動に限らず、第1大入賞口30を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける機能を有しておればよく、例えば、遊技盤2に対して左右方向に移動するように構成してもよい。すなわち、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、遊技球をV領域39に振り分ける退避状態(第1の状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非V領域70に振り分ける進出状態(第2の状態)となるように構成してもよい。なお、遊技機1では、V領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり、V領域39は、確変作動口となっている。一方、非V領域70は、確変作動口となっていない。本実施形態の第1大入賞装置31は、さらに、第1大入賞装置31から排出される遊技球数を計数する第1大入賞装置排出センサ(図示しない)を備えている。第1大入賞装置排出センサは、V領域39と非V領域70が下流で合流した地点に設けられており、V領域センサ39aまたは非V領域センサ70aを通過した遊技球数を計数する。
【0039】
第2大入賞装置(第2アタッカー、第2特別可変入賞装置)36は、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方に配置され、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えている。第2大入賞口35は、スイング式の開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、可動部材)37を備えている。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図3)によって駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態のとき遊技球が入球可能となる。
【0040】
一般入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。アウト口16は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器類40は、遊技盤2の右側中央付近に配置されている。表示器類40の詳細については後述する。
一般入賞口29は、遊技領域3の右下部であって、第1大入賞口30の右側に隣接して配置されている。
【0041】
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および、第2大入賞口35への入賞が狙うことができるように構成されている。
【0042】
図2は、表示器類40の拡大図である。表示器類40は、第1特別図柄表示器41aと、第2特別図柄表示器41bと、普通図柄表示器42と、第1特図保留表示器43aと、第2特図保留表示器43bと、普図保留表示器44と、を含んでいる。第1特別図柄表示器41aは、第1特別図柄を可変表示する。第2特別図柄表示器41bは、第2特別図柄を可変表示する。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示する。第1特図保留表示器43aは、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する。第2特図保留表示器43bは、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する。普図保留表示器44は、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する。第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。以下では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」とも呼ぶ。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示器41」とも呼ぶ。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示器43」とも呼ぶ。
【0043】
特別図柄表示器41は、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによって第1始動口20または第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄当たり抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)がおこなわれる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0044】
特別図柄表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって特別図柄当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。特別図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされる。変動表示の態様は、例えば、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
【0045】
遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶領域85(
図5)に一旦記憶される。具体的には、第1始動口20への入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域85a(
図5)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば、第2特図保留として第2特図保留記憶領域85b(
図5)に記憶される。各々の特図保留記憶領域85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本実施形態における上限値は、第1特図保留記憶領域85a、第2特図保留記憶領域85bともにそれぞれ4個となっている。特図保留記憶領域85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができる。特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。第1特図保留表示器43aと第2特図保留表示器43bは、例えばそれぞれ4個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることによって特図保留の数を表示する。
【0046】
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機としておこなわれる。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによってゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。普図停止図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンに第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0047】
普通図柄表示器42は、2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされる。変動表示の態様は、例えば、両LEDが交互に点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
【0048】
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶領域86(
図5)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶領域86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。普図保留記憶領域86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。普図保留表示器44は、例えば、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることによって普図保留の数を表示する。
【0049】
2.遊技機の電気的構成
図3、
図4に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。
図3は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
図4は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80(
図3)と、サブ制御基板90(
図4)と、画像制御基板100(
図4)と、ランプ制御基板107(
図4)と、音声制御基板106(
図4)と、払出制御基板110(
図3)と、を備えている。主制御基板80は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
【0050】
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、を備えている。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、遊技の進行を制御するためのプログラムなどを記憶するメインROM83と、ワークメモリとして使用されるメインRAM84と、メインROM83に記憶されているプログラムを実行するメインCPU82と、を含んでいる。メインROM83に記憶されているデータの詳細、および、メインRAM84に設けられている記憶領域の詳細については後述する。メインROM83は外付けROMとして構成されていてもよい。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
【0051】
主制御基板80には、入出力回路87および中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。主制御基板80は、各センサから出力された信号が入力するとともに、各ソレノイドに対して信号を出力する。中継基板88を介して接続されるセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、および、普通入賞口センサ27a、29aが例示される。中継基板88を介して接続されるソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および、V開閉部材ソレノイド73が例示される。第1始動口センサ20aは、第1始動口20の内部に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21の内部に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30の内部に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35の内部に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、第1大入賞口30の内部のV領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、第1大入賞口30の内部の非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。普通入賞口センサ29aは、普通入賞口29の内部に通過した遊技球を検出する。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31のV開閉部材71を駆動する。
【0052】
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器類40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44についての表示制御おこなう。
【0053】
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、が接続され、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。賞球払出装置120は、賞球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しをおこなう。払い出される賞球は、計数のために賞球センサ122によって検知される。貸球払出装置130は、貸球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しをおこなう。払い出される貸球は、計数のために貸球センサ132によって検知される。カードユニット135は、遊技機1に隣接して配置され、挿入されたプリペイドカードなどの情報に基づいて球貸に関する情報を出力する。発射装置112は、ハンドル60(
図1)と、発射モータ113と、タッチスイッチ114と、発射ボリューム115と、を備えている。発射装置112は、遊技者によるハンドル60の操作があった場合に、タッチスイッチ114によってハンドル60の接触を検知し、発射ボリューム115によってハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように発射モータ113を駆動する。
【0054】
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90(
図4)が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0055】
サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶するサブROM93と、ワークメモリとして使用されるサブRAM94と、サブROM93に記憶されているプログラムを実行するサブCPU92と、を含んでいる。サブROM93に記憶されているデータの詳細、および、サブRAM94に設けられている記憶領域の詳細については後述する。サブROM93は外付けROMとして構成されていてもよい。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、中継基板108と、が接続されている。
【0056】
画像制御基板100は、画像制御用マイコン101と、入力回路105aと、出力回路105bとを備えている。画像制御用マイコン101は、画像制御基板100に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って画像表示装置7の表示制御をおこなう。画像制御用マイコン101は、CPU102と、ROM103と、RAM104とを含んでいる。ROM103には、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。RAM104は、画像データを展開するためのメモリとして使用される。CPU102は、ROM103に記憶されているプログラムを実行する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御用マイコン101に画像表示装置7の表示制御をおこなわせる。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて表示制御をおこなう。
【0057】
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のサブROM93に格納されている。なお、音声制御基板106は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づく音声制御を実行させてもよい。さらに、音声制御基板106は、ROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらに、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0058】
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5と、第1可動役物14と、第2可動役物15と、が接続されており、これらを制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御をおこなう。つまり、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のサブROM93に格納されているデータが用いられる。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、第1可動役物14および第2可動役物15を動作させる。第1可動役物14は、画像表示装置7の下方に設けられた可動式のいわゆるギミックである。第2可動役物15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックである。演出制御用マイコン91は、第1可動役物14および第2可動役物15のそれぞれの動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って第1可動役物14および第2可動役物15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づくランプの点灯制御や可動役物14、15の動作制御を実行させてもよい。この場合、ランプ制御基板107はROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0059】
中継基板108には、演出ボタン検出スイッチ63aと、枠可動体600と、が接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(
図1)が押下操作されたことを検出する。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aから、中継基板108を介してサブ制御基板90にスイッチ信号が出力される。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠可動体600を動作させる。枠可動体600は、前枠53(
図1)の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックである。演出制御用マイコン91は、枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って枠可動体600の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、中継基板108には、セレクトボタン68(
図1)が押下操作されたことを検出するセレクトボタン検出スイッチや、前枠53に設けられ、人体が接触すると検出信号を出力するタッチセンサなどが接続されていてもよい。
【0060】
3.遊技機のデータ構成
図5、
図6に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。
図5(A)は、メインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図5(B)は、メインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。
図6(A)は、サブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。
図6(B)は、サブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
【0061】
メインROM83(
図5(A))には、大当たり判定テーブルT1と、リーチ判定テーブルT2と、普通図柄当たり判定テーブルT3と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4と、大当たり種別判定テーブルT5と、変動パターン判定テーブルT6と、電チュー開放パターン判定テーブルT7と、大入賞口開放パターン判定テーブルT8と、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9と、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。各判定テーブルの具体的な内容については後述する。
【0062】
メインRAM84(
図5(B))には、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、特別動作ステータスセット領域84dと、特図保留記憶領域85と、普図保留記憶領域86とが設けられている。コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンドなどがセットされる。フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、第1入賞フラグ、第2入賞フラグ、Vフラグ、確変フラグ、時短フラグなどがセットされる。カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、ラウンドカウンタ、確変カウンタ、時短カウンタなどがセットされる。特別動作ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理におけるステータスがセットされる領域である。特図保留記憶領域85は、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域85aと、第2特図保留が記憶される第2特図保留記憶領域85bとを含んでいる。第1特図保留記憶領域85aには、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する特別図柄当たり乱数等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。第2特図保留記憶領域85bには、第2特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。普図保留記憶領域86は、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄乱数(当たり乱数)等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。なお、メインRAM84には、上記の領域の他に、特図停止図柄データがセットされる当たり種別セットバッファや、可動役物14、15や枠可動体600を駆動させるための駆動データがセットされる駆動データバッファ等が設けられている。
【0063】
サブROM93(
図6(A))には、先読み演出パターン決定テーブルT51と、基幹演出パターン決定テーブルT52と、チャンスアップ演出パターン決定テーブルT53と、停止図柄パターン決定テーブルT54と、勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60が格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。各決定テーブルの具体的な内容については後述する。
【0064】
サブRAM94(
図6(B))には、コマンド記憶領域94aと、演出コマンドセット領域94bと、事前判定情報記憶領域94cと、カウンタセット領域94dと、が設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、事前判定コマンド、保留球数コマンド、変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンドなどが格納される。演出コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、変動演出開始コマンド、変動終了前コマンド、変動演出終了コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンドなどがセットされる。事前判定情報記憶領域94cは、サブ制御メイン処理(後述)において、事前判定情報が記憶される。カウンタセット領域94dは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、普図保留演出カウンタ、確変演出カウンタ、時短演出カウンタなどがセットされる。
【0065】
図7は、遊技機1において使用される各種の乱数を説明するための図である。
図7(A)は、メイン制御部側の遊技制御用マイコン81が取得する乱数を示しており、
図7(B)は、サブ制御部側の演出制御用マイコン91が取得する乱数を示している。遊技制御用マイコン81は、「大当たり乱数」と、「大当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄乱数(当たり乱数)」とを後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「大当たり乱数」は、大当たりか否かの抽選(大当たり判定)に用いられる乱数であり、0~65535までの範囲の値をとる。「大当たり種別乱数」は、当選した大当たりの種別の抽選(大当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「リーチ乱数」は、大当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、電チュー22を開放させる補助遊技をおこなうか否かの抽選(普通図柄抽選)に用いられる。普通図柄乱数は、0~255までの範囲の値をとる。「大当たり乱数」、「大当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20または第2始動口21)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域85aに記憶され、第2始動口21への入球に基づいて取得された乱数値群は第2特図保留記憶領域85bに記憶される。「普通図柄乱数(当たり乱数)」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄乱数値は、普図保留記憶領域86に記憶される。
【0066】
演出制御用マイコン91は、「先読み演出乱数」と、「チャンスアップ乱数」と、「勝負玉獲得演出乱数」と、を後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「先読み演出乱数」は、変動演出時の先読み演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「チャンスアップ乱数」は、変動演出時のチャンスアップ演出を決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「勝負玉獲得演出乱数」は、勝負玉獲得演出を決定するために用いられる乱数であり、0~255までの範囲の値をとる。「先読み演出乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に事前判定コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値群はサブRAM94に記憶される。「チャンスアップ乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に変動開始コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値はサブRAM94に記憶される。「勝負玉獲得演出乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側にオープニングコマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値はサブRAM94に記憶される。
【0067】
図8は、判定テーブルT1~T4を説明するための図である。
図8(A)には、大当たり判定テーブルT1を説明するための図が示され、
図8(B)には、リーチ判定テーブルT2を説明するための図が示され、
図8(C)には、普通図柄当たり判定テーブルT3を説明するための図が示され、
図8(D)には、普通図柄変動パターン判定テーブルT4を説明するための図が示されている。
【0068】
大当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり乱数値(0~65535のいずれか)が「大当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
図8(A)では、「通常確率状態」において、大当たり乱数値が「0~164」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0~164以外の数値(165~65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「高確率状態」において、大当たり乱数値が「0~649」の場合には、「大当たり」と判定され、大当たり乱数値が「0~649以外の数値(650~65535)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。「通常確率状態」および「高確率状態」の内容については後述する。
【0069】
リーチ判定テーブルT2は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0~127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
図8(B)では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0~13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~13以外の数値(14~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0~5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~5以外の数値(6~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。「時短状態」および「非時短状態」の内容については後述する。リーチ判定テーブルT2では、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されることで、特図保留の消化スピードを速めるためである。
【0070】
普通図柄当たり判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄乱数値(0~255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。
図8(C)では、「非時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~2以外の数値(3~255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、普通図柄乱数値が「0~254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値が「0~254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
【0071】
普通図柄変動パターン判定テーブルT4は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、普通図柄の変動時間が何秒かを判定するために参照されるテーブルである。
図8(D)では、「非時短状態」のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、「時短状態」のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定されることが示されている。
【0072】
図9は、大当たり種別判定テーブルT5を説明するための図である。大当たり種別判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した大当たり種別乱数値(0~127のいずれか)に応じて、「大当たりの種別」と「特別図柄の種類」を判定するために参照されるテーブルである。
図9では、第1特別図柄(特
図1)の抽選において当選したとき、大当たり種別乱数値が「0~24」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特
図1の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定される。大当たり種別乱数値が「25~49」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄2」と判定される。大当たり種別乱数値が「50~55」の場合には、大当たり種別が「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄3」と判定される。大当たり種別乱数値が「56~67」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄4」と判定される。大当たり種別乱数値が「68~127」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄5」と判定される。一方、第2特別図柄(特
図2)の抽選において当選した場合、大当たり種別乱数値が「0~82」の場合には、大当たり種別が「16RV通過予定大当たり」と判定され、特
図2の停止図柄(特図停止図柄)が「大当たり図柄1」と判定される。大当たり種別乱数値が「83~127」の場合には、大当たり種別が「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と判定され、特図停止図柄が「大当たり図柄5」と判定される。なお、大当たり種別判定テーブルT5を参照することによって、特図停止図柄に対応する「特図停止図柄データ」、特別遊技の「オープニング(OP)コマンド」、「ラウンド指定コマンド」、「エンディング(ED)コマンド」も特定することができる。「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」および「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の具体的な内容については後述する。
【0073】
図10は、非時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。
図11は、時短状態時の変動パターン判定テーブルT6を説明するための図である。変動パターン判定テーブルT6は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0~127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図10では、例えば、非時短状態において第1始動口20に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルT2において「リーチ有り」と判定され、保留球数が「1~2」であり、変動パターン乱数値が「0~60」の場合には、変動パターンが「P7」と判定されることが示されている。
図11では、例えば、時短状態において第2始動口21に入賞し、大当たり判定テーブルT1において「大当たり」と判定され、大当たり種別判定テーブルT5において「16RV通過予定大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「0~10」の場合には、変動パターンが「P61」と判定されることが示されている。
図10,11に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチ演出である。ここでは、変動時間の異なる5種類のスーパーリーチ(SP1、SP2、SP3,SP4,SP5)が設定されている。SP1~3では、ノーマルリーチを経て発展的に実行される。SP1~5の違いは、例えば、疑似連の有無であってもよい。また、SP4,SP5は、時短状態のときのみ発生するスーパーリーチであり、特にSP5は、後述する勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチの変動パターンとなっている。そして、時短回数が残り10回以下のときは、強制敵に変動パターンが「P74」が設定され、勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチSP5がおこなわれる。
【0074】
図12は、電チュー開放パターン判定テーブルT7を説明するための図である。電チュー開放パターン判定テーブルT7は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、遊技状態(非時短状態か時短状態か)に応じて、電チュー22の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図12(A)では、「非時短状態」のとき、電チュー22の開放パターンは「開放パターン11」と判定され、「時短状態」のとき、開放パターンは「開放パターン12」と判定されることが示されている。
図12(B)には、開放パターン11と開放パターン12の内容が示されている。開放パターン11では、開放回数1回、開放時間0.2秒の電チュー22の開放をおこなう。開放パターン12では、開放回数が3回、1回あたりの開放時間2.0秒、インターバル(開放間隔)1.0秒の電チュー22の開放をおこなう。ただし、この電チュー22の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大10個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
【0075】
図13は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8を説明するための図である。大入賞口開放パターン判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(
図9)に応じて、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図13(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、または、「21H」のとき、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放パターンは「開放パターン21」と判定され、特図停止図柄データが「14H」、「15H」、「22H」のとき、開放パターンは「開放パターン22」と判定され、特図停止図柄データが「13H」のとき、開放パターンは「開放パターン23」と判定されることが示されている。
図13(B)には、開放パターン21、開放パターン22および開放パターン23の内容が示されている。開放パターン21では1~13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。開放パターン22では1~13R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14、16R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、15R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第1大入賞口30の開放(ショート開放)をおこなう。開放パターン23では1~13、15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第1大入賞口30の開放(ロング開放)をおこない、14R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の第2大入賞口35の開放(ショート開放)をおこない、16R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の第2大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。ただし、第1大入賞口30および第2大入賞口35の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
【0076】
図14は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9を説明するための図である。V開閉部材開放パターン判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄データ(
図9)に応じて、V開閉部材71の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。
図14(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「12H」、または、「21H」のとき、V開閉部材71の開放パターンは「開放パターン31」と判定され、特図停止図柄データが「13H」のとき、開放パターンは「開放パターン32」と判定され、特図停止図柄データが「14H」のとき、開放パターンは「開放パターン33」と判定され、特図停止図柄データが「15H」または「22H」のとき、開放パターンは「開放パターン34」と判定されることが示されている。
図14(B)には、開放パターン31、開放パターン32、開放パターン33、および、開放パターン34の内容が示されている。開放パターン31では2、4、6、8R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放をおこなう。開放パターン32では2、4、6、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。8、10R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放をおこなう。開放パターン33では2、6R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこない、2個目の入賞があったとき開放時間最大31.5秒のV開閉部材71のロング開放をおこなう。4、8、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。開放パターン34では2、4、6、8、10、12R目において、第1大入賞口30に1個目の入賞があったとき開放時間0.1秒のV開閉部材71のショート開放をおこなう。
【0077】
4.大当たり等の説明
遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果としての「大当たり」と「ハズレ」がある。「大当たり」の場合には、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。大当たり遊技は、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。
【0078】
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については、
図9に示すとおりである。ここでは、大当たりの種別としては、大きく分けて「V通過予定大当たり」と「V非通過予定大当たり」の2つある。「V通過予定大当たり」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能な開放パターン(V通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが11H~14H,21Hの大当たりが「V通過予定大当たり(確変大当たり)」に該当する。
図13に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、
図14に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが、(開放パターン21:開放パターン31)、(開放パターン22:開放パターン33)、または(開放パターン23:開放パターン32)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が可能となる。「V非通過予定大当たり(通常大当たり)」は、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能な開放パターン(V非通過予定開放パターン)で開閉部材32、開閉部材37およびV開閉部材71を作動させる大当たりである。ここでは、特図停止図柄データが15H、22Hの大当たりが「V非通過予定大当たり」に該当する。
図13に示す開閉部材32および開閉部材37の開放パターンと、
図14に示すV開閉部材71の開放パターンとの組み合わせが(開放パターン22:開放パターン34)のとき、その大当たり遊技中にV領域39への遊技球の通過が不可能となる。上記のように、開閉部材32および開閉部材37の開放パターン22は、V通過予定開放パターンとV非通過予定開放パターンとを兼ねている。
【0079】
「V通過予定大当たり」は、「16RV通過予定大当たり」と、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」と、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」と、を含んでいる。「16RV通過予定大当たり」は、実質的な総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する(
図13:開放パターン21)。10Rおよび12Rでは、V開閉部材71がロング開放され(
図14:開放パターン31)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
【0080】
「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(
図13:開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、実質13Rの大当たりとなっている。2Rおよび6Rでは、V開閉部材71がロング開放され(
図14:開放パターン33)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
【0081】
「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は15Rである。つまり、1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16Rでは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、14Rでは第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(
図13:開放パターン23)。従って、この「16R(実質15R)V通過予定大当たり」では14Rは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、実質15Rの大当たりとなっている。8Rおよび10Rでは、V開閉部材71がロング開放され(
図14:開放パターン32)、第1大入賞口30内のV領域39への通過が容易に可能である。
【0082】
「V非通過予定大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13となる開放パターン22の「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」である。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない(
図13:開放パターン22)。従って、この「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」では14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は実質13Rの大当たりとなっている。2R,4R,6R,8R,10Rおよび12Rでは、V開閉部材71は開放されるもののその開放はショート開放であり(
図14:開放パターン34)、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
【0083】
上記の説明から明らかなように、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とは、第1大入賞口30と第2大入賞口35(開閉部材32と開閉部材37)との開放パターンが同一(開放パターン22)であり、V開閉部材71の開放パターンのみが異なっている(開放パターン34と開放パターン33)。なお、後述するが、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、大当たり遊技終了後に時短遊技(本例では50回)がおこなわれるようになっている。すなわち、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は低確時短状態(低確高ベース状態)となる。一方、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、第1大入賞口30内のV領域39への遊技球の通過が容易に可能になっており、当該大当たり後の遊技状態は高確時短状態(高確高ベース状態)となる。このことから、遊技者は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」とを見分けることが困難になり、当該大当たり後の遊技状態が低確時短状態(低確高ベース状態)になるか高確時短状態(高確高ベース状態)になるかが判別し難くなる。また、時短遊技終了後は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」では遊技状態が低確低ベース状態(通常状態)になり、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では遊技状態が見かけ上は通常状態の高確低ベース状態になる。すなわち、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」では、第1大入賞口30内のV領域39に遊技球が通過した場合には、大当たり遊技後の時短状態が終了すると、遊技状態は、高確低ベース状態でありながら高確率になっていることが潜伏した状態(潜伏確変状態)となり、この潜伏確変状態は、遊技者が判別し難くなっている。すなわち「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の大当たり遊技後の低確時短状態(低確高ベース状態)と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の大当たり遊技後の高確時短状態(高確高ベース状態)、および、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」の時短終了後の低確低ベース状態と「16R(実質13R)V通過予定大当たり」の時短終了後の高確低ベース状態は、遊技者が判別し難い態様でおこなわれる。
【0084】
また、
図9に示すように、第1特別図柄(特
図1)の抽選における大当たりの振分率は、V通過予定大当たりが68/128(約53%)、V非通過予定大当たりが60/128(約47%)となっている。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の抽選における大当たりの振り分け率は、V通過予定大当たりが83/128(約64.8%)、V非通過予定大当たりが45/128(約35.2%)となっている。このように遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
【0085】
5.遊技状態の説明
遊技機1の遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41に表示する特別図柄および普通図柄表示器42に表示する普通図柄に対して、それぞれ、「確率変動制御」と「変動時間短縮制御」とを実行可能である。ここでは、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御している状態を「高確率状態(高確状態、確率変動状態、確変状態)」と呼び、確率変動制御していない状態を単に「通常確率状態(非高確率状態、低確率状態、通常状態)」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、特別図柄の確率変動制御として、大当たりと判定される大当たり乱数値の数が通常確率状態よりも高確率状態の方が多い大当たり判定テーブル(
図8(A))を用いた大当たり判定をおこなうことにより、高確率状態を実現する。従って、高確率状態は、通常確率状態よりも大当たりの確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
【0086】
また、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を単に「非時短状態」という。時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルT6(
図10、
図11)を用いた変動パターンの判定をおこなう。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。これにより、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。なお、遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41の特別図柄に対して、確率変動制御と変動時間短縮制御とを同時に実行することもあるし、片方のみ実行することもある。
【0087】
遊技制御用マイコン81は、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、特別図柄表示器41の特別図柄に対する変動時間短縮制御に同期して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に対する確率変動制御および変動時間短縮制御を、時短状態の場合は実行し、非時短状態の場合には実行しない。遊技制御用マイコン81は、普通図柄の確率変動制御として、当たりと判定される普通図柄乱数値(当たり乱数値)の数が非時短状態よりも時短状態の方が多い普通図柄当たり判定テーブルT3(
図8(C))を用いて、当たり判定(普通図柄の判定)をおこなう。従って、時短状態では、普通図柄通常確率状態よりも当たり確率が高くなる。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄表示器42の普通図柄に対して確率変動制御を実行している場合には、確率変動制御を実行していない場合と比べて、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当たり図柄となる確率が高くなる。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。ここでは、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(D))。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(
図12)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放時間延長制御を実行している。加えて、時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(
図12)。すなわち、遊技制御用マイコン81は、電チュー22に対して開放回数増加制御を実行している。遊技制御用マイコン81が、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御と変動時間短縮制御、および、電チュー22に対する開放時間延長制御と開放回数増加制御とを実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」といい、実行されていない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の普通図柄に対する確率変動制御、普通図柄表示器42の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー22に対する開放時間延長制御、および、電チュー22に対する開放回数増加制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
【0088】
遊技機1では、V通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」、または、「高確時短状態」という。具体的に、大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になる大当たりは、
図9に示す大当たり種別のうち、「16RV通過予定大当たり」、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」である。「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」は、高確高ベース状態は、大当たり遊技後、次の大当たり(次回大当たり)に当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は、高確高ベース状態は、大当たり遊技後、所定回数(ここでは50回)の特別図柄の可変表示が実行されて高確低ベース状態(潜伏確変状態)になるか、あるいは、次の大当たり(次回大当たり)に当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、V非通過予定大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中にV領域39の通過がなされていなければ(なされることはほぼない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」、「低確時短状態」という。具体的に、大当たり遊技後の遊技状態が低確高ベース状態になる大当たりは、
図9に示す大当たり種別のうち、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」である。この大当たりでは、低確高ベース状態は、大当たり遊技後、所定回数(ここでは50回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、または、次の大当たり(次回大当たり)に当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」、または、「低確非時短状態(単に、非時短状態とも呼ぶ)」、と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することもある。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」と称することもある。
【0089】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちによって右遊技領域3B(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御によって、低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。一方、低ベース状態では、左打ちによって左遊技領域3A(
図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているためである。このことから、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちをおこなう。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
【0090】
6.遊技制御用マイコン81の動作
図15~
図34に基づいて主制御基板80(
図3)に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。遊技制御用マイコン81は、当否判定手段(
図23)、当否事前判定手段(
図18、
図19)に該当する。
【0091】
[主制御メイン処理]
図15は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、初期設定をおこなう(ステップS001)。初期設定では、例えば、メインCPU82の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期設定は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0092】
初期設定の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、
図7(A)で示した種々の乱数カウンタ値(大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普通図柄乱数値)を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0093】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定の周期(例えば、4msec周期)でメインCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4msec周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに、メインCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
【0094】
[メイン側タイマ割り込み処理]
図16は、メイン側タイマ割り込み処理(
図15:ステップS005)のフローチャートである。メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、
図7(A)で示した種々の乱数カウンタ値を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(
図15)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
【0095】
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a、普通入賞口センサ29a(
図3)である。
【0096】
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(ステップS103)、普通動作処理(ステップS104)、特別動作処理(ステップS105)、V領域センサ検出処理(ステップS106)、保留球数処理(ステップS107)を順に実行する。これらの処理の詳細については後述する。保留球数処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理をおこなう(ステップS108)。出力処理では、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。出力処理の後、遊技制御用マイコン81は、その他の処理をおこなう(ステップS109)。その他の処理では、例えば、後述の特
図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御し、特
図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御する。
【0097】
[始動口センサ検出処理]
図17は、始動口センサ検出処理(
図16:ステップS103)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、ゲート28に遊技球が通過したか否かの判定をおこなう(ステップS201)。この判定は、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。ゲート28に遊技球が通過していない場合(ステップS201:NO)、処理はステップS205にスキップする。ゲート28に遊技球が通過した場合(ステップS201:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS202)。普通図柄保留球数とは、普図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた普図保留の数をカウントするカウンタの値である。普通図柄保留球数が「4」であれば(ステップS202:YES)、処理はステップS205にスキップする。普通図柄保留球数が「3」以下の場合(ステップS202:NO)、普通図柄保留球数に「1」を加算した後(ステップS203)、普通図柄乱数取得処理をおこなう(ステップS204)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、普通図柄乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-Hの値)を取得し、取得した乱数値をメインRAM84の普図保留記憶領域86の第1~第4記憶領域うち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
【0098】
ステップS205では、遊技制御用マイコン81は、第2始動口21に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(ステップS205:NO)、処理はステップS210にスキップする。遊技球が入賞した場合(ステップS205:YES)、遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS206)。特
図2保留球数とは、第2特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特
図2保留球数が「4」であれば(ステップS206:YES)、処理はステップS210にスキップする。特
図2保留球数が「3」以下の場合(ステップS206:NO)、特
図2保留球数に「1」を加算した後(ステップS207)、特
図2関係乱数取得処理をおこなう(ステップS208)。ここでは、大当たり乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-Aの値)、大当たり種別乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-RCの値)、変動パターン乱数カウンタの値(
図7:ラベル-TRND-T1の値)を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bの第1~第4記憶領域うち、現在の特
図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特
図2事前判定処理(
図18)のために、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特
図2関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特
図2事前判定処理をおこなう(ステップS209)。特
図2事前判定処理の詳細については後述する。
【0099】
ステップS210では、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(ステップS210:NO)、本処理を終了する。第1始動口20に遊技球が入賞した場合(ステップS210:YES)、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS211)。特
図1保留球数とは、第1特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特
図1保留球数が「4」であれば(ステップS211:YES)、本処理を終了する。特
図1保留球数が「3」以下の場合(ステップS211:NO)、特
図1保留球数に「1」を加算した後(ステップS212)、特
図1関係乱数取得処理をおこなう(ステップS213)。ここでは、上述の特
図2関係乱数取得処理(ステップS208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値、大当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aの第1~第4記憶領域うち、現在の特
図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特
図1事前判定処理(
図19)のために、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特
図1関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特
図1事前判定処理をおこなう(ステップS214)。特
図1事前判定処理の詳細については後述する。
【0100】
[特
図2事前判定処理]
図18は、特
図2事前判定処理(
図17:ステップS209)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS301)。確変フラグがOFFの場合(ステップS301:NO)、本処理を終える。すなわち、確変フラグがOFFの場合には、事前判定はおこなわれない。一方、確変フラグがONの場合、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの高確率状態用テーブルを参照して大当たり事前判定をおこなう(ステップS302)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2関係乱数取得処理(
図17:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する大当たり判定テーブルT1(
図8)と大当たり乱数値とを用いて大当たりか否かの事前判定をおこなう。ここでは、高確率状態(確変フラグがON)であるため、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1のうち、高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「649」)を参照して大当たりか否かを事前判定する。すなわち、大当たり乱数値が「0」~「649」のとき「大当たり」と事前判定し、それ以外の値のとき「ハズレ」と事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理(
図23)で用いられる大当たり判定テーブルT1を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、大当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の大当たり判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
【0101】
大当たり事前判定の結果が「ハズレ」の場合(ステップS304:NO)、処理はステップS306にスキップする。一方、大当たり事前判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS304:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別事前判定をおこなう(ステップS305)。大当たり種別事前判定では、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2関係乱数取得処理(
図17:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり種別乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、取得した大当たり種別乱数値と大当たり種別判定テーブルT5(
図9)に基づいて、大当たり種別の事前判定をおこなう。ここでは、大当たり種別乱数値が「0」~「127」のいずれであっても「16RV通過予定大当たり」と事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理(
図23)で用いられる大当たり種別判定テーブルT5を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、大当たり種別判定テーブルT5とは異なる事前判定用の大当たり種別判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
【0102】
ステップS306では、遊技制御用マイコン81は、変動パターン事前判定をおこなう。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2関係乱数取得処理(
図17:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての変動パターン乱数値、および、リーチ乱数値を取得する。次に、ここでは、時短状態(時短フラグがON)であるため、遊技制御用マイコン81は、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(
図11)を参照し、ステップS304の大当たり事前判定結果、リーチ乱数値から得られるリーチの有無事前判定結果、および、変動パターン乱数値から変動パターンを特定する。なお、
図11の変動パターン判定テーブルT6では、保留球数の違いによって選択される変動パターンが異なる場合がある。ここでは、保留球数の違いによって選択される可能性のあるすべての変動パターンが選択されるものとする。例えば、大当たり事前判定結果、および、リーチ有無事前判定結果から、リーチ有りハズレが事前判定され、変動パターン乱数値が「60」の場合、遊技制御用マイコン81は、保留球数が「1~2」であれば選択される変動パターン「P64」と、保留球数が「3~4」であれば選択される変動パターン「P68」の2つを選択する。なお、本実施形態では、後述する変動パターン選択処理(
図24、
図25)で用いられる変動パターン判定テーブルT6を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、変動パターン判定テーブルT6とは異なる事前判定用の変動パターン判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
【0103】
ステップS307では、遊技制御用マイコン81は、事前判定コマンドの作成をおこなう。事前判定コマンドには、大当たり事前判定結果、(当たりの場合には大当たり種別事前判定結果)、および、変動パターン事前判定結果が含まれる。遊技制御用マイコン81は、作成した事前判定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして(ステップS308)、本処理を終える。
【0104】
[特
図1事前判定処理]
図19は、特
図1事前判定処理(
図17:ステップS214)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS401)。上述の特
図2事前判定処理とは反対に、確変フラグがONの場合(ステップS401:YES)、本処理を終える。すなわち、確変フラグがONの場合には、事前判定はおこなわれない。一方、確変フラグがOFFの場合(ステップS401:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの通常確率状態用のテーブルを参照して大当たり事前判定をおこなう(ステップS402)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図1関係乱数取得処理(
図17:ステップS213)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての大当たり乱数値を取得する。次に、ここでは、通常確率状態(確変フラグがOFF)であるため、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1のうち、通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「164」)に基づいて大当たりか否かを事前判定する。すなわち、大当たり乱数値が「0」~「164」のとき「大当たり」と事前判定し、それ以外の値のとき「ハズレ」と事前判定する。なお、大当たり事前判定は、大当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の大当たり判定テーブルを用いてもよい。以降、ステップS404~S408の処理は、上述の特
図2事前判定処理(
図18)のステップS304~S308と同様であるため説明を省略する。
【0105】
[普通動作処理]
図20は、普通動作処理(
図16:ステップS104)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、電チュー22が作動中か否かの判定をおこなう(ステップS501)。電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、処理はステップS520に移行する。電チュー22が作動中ではない場合(ステップS501:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動中か否かの判定をおこなう(ステップS502)。普通図柄の変動中の場合(ステップS502:YES)、処理はステップS508にスキップする。普通図柄の変動中ではない場合(ステップS502:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」か否かの判定をおこなう(ステップS503)。保留球数が「0」の場合(ステップS503:YES)、本処理を終了する。保留球数が1以上ある場合(ステップS503:NO)、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(ステップS504)。従って、普通図柄の保留球数が「0」の状態でゲート28を遊技球が通過した場合、始動口センサ検出処理(
図17)のステップS203において、一旦、普通図柄の保留球数が「1」になり、その後、本ステップS504において保留が消化され即座に普通図柄の保留球数が「0」になる。これは、特別図柄の保留球数についても同様である。すなわち、始動口センサ検出処理(
図17)のステップS207およびステップS212において、一旦、特別図柄の保留数が「1」になり、その後、後述の特別図柄待機処理(
図22)におけるステップS1404およびステップS1410において保留が消化され特別図柄の保留球数が「0」になる。次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄当たり判定テーブルT3(
図8(C))を参照して当たり判定をおこなう(ステップS505)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、普図保留記憶領域86の第1記憶領域(普図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての普通図柄乱数値(当たり乱数値)を読み出す。そして、普通図柄乱数値と、遊技状態(時短状態か否か)と、普通図柄当たり判定テーブルT3とを用いて当たりか否かを判定する。例えば、非時短状態において、普通図柄乱数値が「0」~「2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄乱数値がそれ以外の場合には、「ハズレ」と判定される(
図8(C)参照)。
【0106】
次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン判定テーブルT4(
図8(D))を参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS506)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態(時短状態か否か)の判定をおこない、遊技状態の判定結果と、普通図柄変動パターン判定テーブルT4とを用いて、普通図柄変動パターンとしての普通図柄の変動時間を選択する。ここでは、非時短状態のとき、普通図柄の変動時間は「30秒」と判定され、時短状態のとき、普通図柄の変動時間が「1秒」と判定される(
図8(D)参照)。遊技制御用マイコン81は、選択した普通図柄変動パターンをセットすることで、普通図柄の変動表示を開始させる(ステップS507)。
【0107】
ステップS508では、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう。普通図柄の変動時間とは、ステップS506で選択された変動時間である(
図8(D)参照)。変動時間が終了していない場合(ステップS508:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。すなわち、普通図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS508:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動表示を停止させ(ステップS509)、上述の当たり判定(ステップS505)において「ハズレ」の場合には(ステップS510:NO)、本処理を終える。一方、上述の当たり判定で「当たり」の場合には(ステップS510:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー開放パターンのセットをおこなう(ステップS511)。電チュー22の開放パターンは、電チュー開放パターン判定テーブルT7(
図12(A))を参照して選択される。具体的には、遊技制御用マイコン81は、遊技状態(時短状態か否か)の判定をおこない、遊技状態の判定結果と、電チュー開放パターン判定テーブルT7とを用いて電チュー22の開放パターンを選択する。ここでは、非時短状態のとき、「開放パターン11」が選択され、時短状態のとき、「開放パターン12」が選択される。開放パターンの選択後、遊技制御用マイコン81は、選択した開放パターンに従うように電チュー作動を開始させ(ステップS512)、本処理を終える。
【0108】
上述のステップS501において、電チュー22が作動中の場合(ステップS501:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS520)。ここでの閉鎖条件は、電チュー22への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば6個)に達したこと、または、電チュー22の作動時間が経過して電チュー22を閉鎖させる時間に至ったことのいずれかが満たされていることである。電チュー22の作動時間とは、ステップS511で選択された開放パターンに対応する作動時間である。電チュー22の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS520:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、電チュー22の閉鎖条件が成立している場合(ステップS520:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22を閉鎖(閉塞)してその作動を停止し(ステップS521)、本処理を終える。
【0109】
[特別動作処理]
図21は、特別動作処理(
図16:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特別動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」と呼ぶ。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1301:YES)、特別図柄待機処理をおこなう(ステップS1302)。特別図柄待機処理では、大当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特別動作ステータス」が「2」のときには(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別図柄変動中処理をおこなう(ステップS1304)。特別図柄変動中処理では、変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「3」のときには(ステップS1301、S1303:NO、ステップS1305:YES)、特別図柄確定処理をおこなう(ステップS1306)。特別図柄確定処理では、大当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。「特別動作ステータス」が「4」のときには(ステップS1301、S1303、S1305:NO)、特別電動役物処理をおこなう(ステップS1308)。特別電動役物処理では、大当たり遊技が実行される。上記の各処理の詳細については後述する。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0110】
[特別図柄待機処理]
図22は、特別図柄待機処理(
図21:ステップS1302)のフローチャートである。特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特
図2保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1401)。特
図2保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第2特図保留記憶領域85bに、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1407に移行する。特
図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1402)、および、変動パターン選択処理(ステップS1403)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特
図2保留球数を1つディクリメントする(ステップS1404)。次に、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留記憶領域85bの第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第2特図保留記憶領域85bにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1405)。例えば、第1~第3記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第3記憶領域に格納されている保留情報をクリアし、第1~第4記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第4記憶領域に格納されている保留情報をクリアする。上記ステップによって、第2特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、一番左端の保留画像9B)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第2特図保留記憶領域85bの第2~第4記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、左から2、3、4番目の保留画像9B)がそれぞれ左側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特
図2変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「2」にセットする。なお、特
図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1402)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1403)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0111】
ステップS1401において、特
図2保留球数が「0」の場合(ステップS1401:YES)、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1407)。特
図1保留球数が「0」である場合(ステップS1407:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域85aに、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。特
図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1407:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定処理(ステップS1408)、および、変動パターン選択処理(ステップS1409)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。変動パターン選択処理の後、特
図1保留球数を1つディクリメントする(ステップS1410)。次に、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留記憶領域85aの第1~第4記憶領域に格納されている各種乱数値の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第1特図保留記憶領域85aにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1411)。上記ステップによって、第1特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、一番右端の保留画像9A)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第1特図保留記憶領域85aの第2~第4記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、左から2、3、4番目の保留画像9A)がそれぞれ右側に1つシフトする(
図1)。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理をおこなう(ステップS1412)。特
図1変動開始処理では、変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに、変動時間タイマのセットをおこなう。変動時間タイマには、変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「2」にセットする(ステップS1406)。なお、特
図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド)には、大当たり判定処理(ステップS1408)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や変動パターン選択処理(ステップS1409)でセットされた変動パターンに関する情報(変動時間に関する情報を含む)が含まれている。
【0112】
ステップS1407において、特
図1保留球数が「0」の場合(ステップS1407:YES)、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。遊技制御用マイコン81は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって判定してもよい。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1414)、本処理を終える。上記のように、本実施形態の特別図柄待機処理によれば、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合に限って実行される。すなわち、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。また、本実施形態の大当たり種別判定テーブルT5によれば、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過予定大当たり)に当選しやすくなっている。
【0113】
[大当たり判定処理]
図23は、大当たり判定処理(
図22:ステップS1402、S1408)のフローチャートである。特
図2の大当たり判定処理(ステップS1402)と特
図1の大当たり判定処理(ステップS1408)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。大当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、確変フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1501)。確変フラグがONの場合(ステップS1501:YES)、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの高確率状態用テーブルを参照して大当たり判定をおこなう(ステップS1502)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての大当たり乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特
図2の大当たり判定処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されている大当たり乱数値を読み出す。特
図1の大当たり判定処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている大当たり乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する大当たり判定テーブルT1と大当たり乱数値とを用いて大当たりか否かを判定する。ここでは、高確率状態(確変フラグがON)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「649」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
【0114】
ステップS1501において、確変フラグがOFFの場合(ステップS1501:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルT1(
図8)のうちの通常確率状態用のテーブルを参照して大当たり判定をおこなう(ステップS1504)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、ステップS1502と同様の方法によって大当たり乱数値の読み出しをおこなう。次に、ここでは、通常確率状態(確変フラグがOFF)であるため、大当たり判定テーブルT1のうち、通常確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」~「164」)に基づいて大当たりか否かを判定する。
【0115】
大当たり判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS1503、S1505:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグをONにするとともに(ステップS1506)、大当たり種別の判定をおこなう(ステップS1507)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての大当たり種別乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特
図2の大当たり判定処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数値を読み出す。特
図1の大当たり判定処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、読み出した大当たり種別乱数値と大当たり種別判定テーブルT5(
図9)に基づいて、大当たり種別の判定をおこなう。大当たり種別の判定後、特定された大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(
図9)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。一方、ステップS1503またはステップS1505において、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1520)、本処理を終了する。
【0116】
[変動パターン選択処理]
図24および
図25は、変動パターン選択処理(
図22:ステップS1403、S1409)のフローチャートである。特
図2の変動パターン選択処理(ステップS1403)と特
図1の変動パターン選択処理(ステップS1409)は処理の流れが同様であるため、まとめて説明する。変動パターン選択処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、遊技状態が時短状態であるか否かの判定をおこなう(ステップS1600)。時短状態であるか否かの判定は、時短フラグがONか否かによっておこなわれる。時短状態である場合(ステップS1600:YES)、処理はステップS1612に移行する。時短状態でない場合(ステップS1600:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1602)。大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、処理はステップS1607に移行する。大当たりフラグがONの場合(ステップS1602:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりが特
図2か否かの判定をおこなう(ステップS1603)。大当たりが特
図2の場合(ステップS1603:YES)、大当たり種別が必ずV通過予定大当たりとなるため、処理はステップS1605にスキップする。大当たりが特
図1の場合(ステップS1603:NO)、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別がV通過予定大当たりか否かの判定をおこなう(ステップS1604)、大当たり種別の判定は、メインRAM84にセットされている特図停止図柄データに基づいておこなわれる。
【0117】
大当たり種別がV通過予定大当たりの場合(ステップS1604:YES)、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1605)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としての変動パターン乱数値の読み出しをおこなう。例えば、特
図2の変動パターン選択処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されている変動パターン乱数値を読み出す。特
図1の変動パターン選択処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている変動パターン乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6と変動パターン乱数値とを用いて変動パターンを選択する。ここでは、非時短状態V通過予定大当たり用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P1」~「P3」の部分、特
図2では変動パターンが「P21」~「P23」の部分)が参照される(アドレスがセットされる)。読み出した変動パターン乱数値から、特
図1では変動パターンとして「P1」~「P3」のいずれか、特
図2では「P21」~「P23」のいずれかが選択される。
【0118】
大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合(ステップS1604:NO)、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1606)。ここでは、非時短状態V非通過予定大当たり用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P4」~「P6」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P4」~「P6」のいずれかが選択される。
【0119】
ステップS1602において、大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、遊技制御用マイコン81は、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値か否かの判定をおこなう(ステップS1607)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、判定値としてのリーチ乱数値の読み出しをおこなう。特
図2の変動パターン選択処理では、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されているリーチ乱数値を読み出す。特
図1の変動パターン選択処理では、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されているリーチ乱数値を読み出す。次に、遊技制御用マイコン81は、リーチ判定テーブルT2(
図8(B))と、リーチ乱数値とを用いてリーチの有無を判定する。ここでは、非時短状態であるため、リーチ判定テーブルT2のうち、非時短状態用のテーブル(リーチ有り判定値(リーチ成立乱数値)が「0」~「13」の部分)に基づいてリーチの有無を判定する。
【0120】
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値である場合(ステップS1607:YES)、すなわち、リーチ有りハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1608)。ここでは、非時短状態リーチ有りハズレ用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ有りハズレに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P7」~「P14」の部分、特
図2では変動パターンが「P24」~「P31」の部分)が参照される。特
図1では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図1保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P7」~「P14」のいずれかが選択される。特
図2では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図2保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P24」~「P31」のいずれかが選択される。保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特
図1および特
図2のいずれにおいても、保留球数が「3」~「4」であるときは、保留球数が「1」~「2」であるときに比べて変動時間の短い変動パターンがより多く選択されるようになっている。これにより、保留球数が多いときに特図保留の消化スピードを速めることができる。
【0121】
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値ではない場合(ステップS1607:NO)、すなわち、リーチ無しハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、変動パターン判定テーブルT6(
図10)のうち、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1609)。ここでは、非時短状態リーチ無しハズレ用のテーブルとして、
図10に示す非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、リーチ無しハズレに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P15」~「P16」の部分、特
図2では変動パターンが「P32」~「P33」の部分)が参照される。特
図1では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図1保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P15」、「P16」のいずれかが選択される。特
図2では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特
図2保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P32」、「P33」のいずれかが選択される。ここでも、保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。
【0122】
ステップS1600において、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、遊技制御用マイコン81は、時短回数が残り10回以下か否かの判定をおこなう(
図25:ステップS1611)。時短回数が残り10回以下でない場合(ステップS1611:NO)、大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(
図25:ステップS1612)。以後、ステップS1613~S1619の処理は、以下の点を除いては上述のステップS1603~S1609の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS1613~S1619の処理とステップS1603~S1609の処理との違いは、ステップS1615、S1616、S1618、S1619において、参照される変動パターン判定テーブルT6の部分が既述のステップS1605、S1606、S1608、S1609と異なる。具体的には、S1605、S1606、S1608、S1609では、非時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(
図10)が参照されるのに対して、ステップS1615、S1616、S1618、S1619では、時短状態用の変動パターン判定テーブルT6(
図11)が参照される。例えば、ステップS1615の場合、すなわち、大当たり種別がV通過予定大当たりの場合、
図11に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V通過予定大当たりに該当する部分(特
図1では変動パターンが「P41」~「P43」の部分、特
図2では変動パターンが「P61」~「P63」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、特
図1では変動パターンとして「P41」~「P43」のいずれか、特
図2では「P61」~「P63」のいずれかが選択される。また、例えば、ステップS1616の場合、すなわち、大当たり種別がV非通過予定大当たりの場合、
図11に示す時短状態用の変動パターン判定テーブルT6のうち、V非通過予定大当たりに該当する部分(「P44」~「P46」の部分)が参照される。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P44」~「P46」のいずれかが選択される。
一方、ステップS1611でYESの場合、すなわち時短回数が残り10回以下である場合、遊技制御用マイコン81は、強制敵に変動パターンを「P74」に設定する(ステップS1620)。変動パターン「P74」が設定された場合には、表示画面7aでは、後述する勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチSP5が表示される(
図11参照)。
【0123】
上記のように変動パターンの選択をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、選択した変動パターンをセットして(ステップS1630)本処理を終える。セットされた変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(
図16:ステップS108)においてサブ制御基板90に送信される。これにより特別図柄の変動表示が開始される。
【0124】
[特別図柄変動中処理]
図26は、特別図柄変動中処理(
図21:ステップS1304)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、特別図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう(ステップS1701)。特別図柄の変動時間とは、上述の変動パターン選択処理(
図24、
図25)で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間である。変動時間が終了していない場合(ステップS1701:NO)、本処理を終える。すなわち、特別図柄待機処理(
図22)のステップS1406またはS1412において開始された特別図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS1701:YES)、変動停止コマンドをセットし(ステップS1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(ステップS1703)。また、遊技制御用マイコン81は、変動停止にともなうその他の処理をおこなう(ステップS1704)。例えば、遊技制御用マイコン81は、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる処理等をおこなう。その後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。
【0125】
[特別図柄確定処理]
図27は、特別図柄確定処理(
図21:ステップS1306)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、遊技状態管理処理をおこなう(ステップS1801)。遊技状態管理処理とは、ST回数や時短回数を管理するための処理であり内容について後述する。遊技状態管理処理の後、大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1802)。大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1802:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「1」にセットして(ステップS1808)、本処理を終了する。これにより、大当たり遊技は開始されず、再度、特別図柄待機処理(
図22)に移行し、次の保留に対する大当たり判定等が実行される。
【0126】
大当たりフラグがONの場合(ステップS1802:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1803)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルT8(
図13)を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、大入賞口の開放パターンとして「開放パターン21」がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材開放パターン判定テーブルT9(
図14)を参照して、特図停止図柄データからV開閉部材71の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。例えば、特図停止図柄データが「11H」の場合には、V開閉部材71の開放パターンとして「開放パターン31」がセットされる。大入賞口およびV開閉部材の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ラウンドカウンタとは、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするものである。ここでは、ラウンドカウンタには「16」がセットされる(
図13(B))。
【0127】
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、遊技状態リセット処理をおこなう(ステップS1804)。遊技状態リセット処理とは、確変フラグや時短フラグをリセットする(OFFに戻す)ための処理であり内容について後述する。遊技状態リセット処理の後、大当たり遊技を開始するために、大当たりのオープニングコマンドをセットし(ステップS1805)、オープニングを開始する(ステップS1806)。その後、特別動作ステータスを「4」にセットして(ステップS1807)、本処理を終える。
【0128】
[遊技状態管理処理]
図28は、遊技状態管理処理(
図27:ステップS1801)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2001)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2001:NO)、処理はステップS2005にスキップする。確変フラグがONの場合(ステップS2001:YES)、確変カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2002)。確変カウンタとは、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものである。ここでは、高確率状態への移行時に確変カウンタに「10000」がセットされる(実質、次回大当たりまで高確率状態が継続)。遊技制御用マイコン81は、確変カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2003)。確変カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2003:NO)、処理はステップS2005にスキップする。確変カウンタの値が「0」の場合(ステップS2003:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2004)。
【0129】
ステップS2005では、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2005:NO)、処理はステップS2009にスキップする。時短フラグがONの場合(ステップS2005:YES)、時短カウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2006)。時短カウンタとは、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントするものである。ここでは、時短状態への移行時に、低確高ベース状態であれば時短カウンタに「50」がセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタに「50」または「10000」がセットされる(「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜伏確変大当たり)のときは「50」、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」のときは「10000」がセットされる)。
遊技制御用マイコン81は、時短カウンタを1ディクリメントした結果、カウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2007)。時短カウンタの値が「0」ではない場合(ステップS2007:NO)、処理はステップS2009にスキップする。時短カウンタの値が「0」の場合(ステップS2007:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2008)。
【0130】
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した現在の遊技状態に関する情報(確変状態か否か、確変カウンタ値、時短状態か否か、時短カウンタ値など)が含まれている。
【0131】
[遊技状態リセット処理]
図29は、遊技状態リセット処理(
図27:ステップS1804)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、確変フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2101)。確変フラグがOFFの場合(ステップS2101:NO)、処理はステップS2103にスキップする。確変フラグがONの場合(ステップS2101:YES)、確変フラグをOFFに切り替える(ステップS2102)。ステップS2103において、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこなう。時短フラグがOFFの場合(ステップS2103:NO)、本処理を終える。時短フラグがONの場合(ステップS2103:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態かつ非時短状態となる。
【0132】
[特別電動役物処理]
図30は、特別電動役物処理(
図21:ステップS1308)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、大当たり終了フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2200)。「大当たり終了フラグ」とは、実行中の大当たり遊技において、開放パターンに基づく大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放がすべて終了したことを示すフラグである。大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、処理はステップS2230に移行する。大当たり終了フラグがOFFの場合(ステップS2200:NO)、V開閉部材71を作動させるためのV開閉部材動作処理をおこなう(ステップS2201)。本実施形態のV開閉部材71は、第1大入賞口30に所定個数の遊技球が入賞した時に作動するように構成されており、V開閉部材動作処理では、V開閉部材開放パターンT9に応じて所定番目の遊技球の入賞時にV開閉部材71を所定期間開放させる。V開閉部材動作処理の詳細については後述する。V開閉部材動作処理の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)が開放中か否かの判定をおこなう(ステップS2202)。開放中の場合(ステップS2202:YES)、処理はステップS2210に移行する。
【0133】
大入賞口が開放中ではない場合(ステップS2202:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を開放する時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2203)。大入賞口を開放する時間には、例えば、大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時期に至ったときや、開放後に一時的に閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して、再度の開放開始の時期に至ったときが含まれる。大入賞口を開放する時間ではない場合(ステップS2203:NO)、処理はステップS2220に移行する。
【0134】
大入賞口を開放する時間(タイミング)である場合(ステップS2203:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理をおこなう(ステップS2207)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たりの種類に応じた開放パターン(
図13)に従って大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放させる。大入賞口開放処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドのセットをおこなう(ステップS2208)。ラウンド指定コマンドには、実行中の大当たり遊技のラウンド数に関する情報が含まれており、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをメインRAM84の出力バッファにセットする。なお、本実施形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることがない。しかし、他の実施形態として、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされる場合には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の開放が1回のラウンド中での初めての開放か否かを判定し、初めての開放の場合のみ、ラウンド指定コマンドをセットするようにしてもよい。ラウンド指定コマンドをセットした後、本処理を終える。
【0135】
上述のステップS2202において、大入賞口の開放中の場合(ステップS2202:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2210)。ここでの閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば、1ラウンドあたり9個)に達したこと、または、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち、大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図13)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(ステップS2210:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合には(ステップS2210:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(ステップS2211)。
【0136】
上述のステップS2203において、大入賞口を開放する時間(タイミング)ではない場合、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2220)。ここでは1回のラウンドは、大入賞口が閉鎖してから所定の時間(ここでは2秒)経過後に終了する。上述のように、ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれるためである。遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2220:NO)、遊技制御用マイコン81は本処理を終了する。
【0137】
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2220:YES)、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値を1ディクリメンとし(ステップS2221)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS2226)。ラウンドカウンタの値が「0」でなはい場合(ステップS2226:NO)、すなわち、規定のラウンド遊技回数をまだ消化していない場合、次のラウンド遊技を開始するために本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」の場合、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(ステップS2227)、大当たりのエンディングを開始する(ステップS2228)。本実施形態では、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合のエンディング時間(例えば18秒)は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間と同じ長さになっている。これにより、遊技者に対して、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過があった場合であっても、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かったと認識させることができる。なお、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」でV領域39への遊技球の通過が無かった場合のエンディング時間もこれらと同じ長さになっている。大当たりのエンディングの開始後、大当たり終了フラグをONにセットして(ステップS2229)、本処理を終える。
【0138】
上述のステップS2200において、大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、最終ラウンドが終了しているので、遊技制御用マイコン81は、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定する(ステップS2230)。エンディング時間が経過していない場合(ステップS2230:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過している場合(ステップS2230:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグをOFFにするとともに(ステップS2231)、大当たりフラグをOFFにし(ステップS2232)、特別動作ステータスを「1」にセットする(ステップS2233)。これにより、次回の特別動作処理において、再び特別図柄待機処理(ステップS1302)が実行される。その後、後述の遊技状態設定処理(ステップS2234)を実行し本処理を終える。
【0139】
[V開閉部材動作処理]
図31は、V開閉部材動作処理(
図30:ステップS2201)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、現在のラウンド遊技(当該ラウンド)がV開閉部材71の開放ラウンドであるか否かの判定をおこなう(ステップS2501)。ここでは、第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,第8ラウンド,第10ラウンド,第12ラウンドがV開閉部材71の開放ラウンドに該当する。遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値が「15」,「13」,「11」,「9」,「7」,「5」のとき、開放ラウンドであると判定することができる。V開閉部材71の開放ラウンドではない場合(ステップS2501:NO)、本処理を終える。当該ラウンドにおいてV開閉部材71を作動させる必要がないためである。
【0140】
V開閉部材71の開放ラウンドである場合(ステップS2501:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2502)。「第1入賞フラグ」とは、当該ラウンドにおいて、第1大入賞口30に1球目の入賞があったことを示すフラグである。第1入賞フラグがONの場合(ステップS2502:YES)、処理はステップS2520に移行する。第1入賞フラグがOFFの場合(ステップS2502:NO)、1球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2503)。1球目の入賞を検出していない場合(ステップS2503:NO)、本処理を終える。当該ラウンドにおいて第1大入賞口30への入賞がまだなく、V開閉部材71を作動させる必要がないためである。
【0141】
1球目の入賞を検出した場合(ステップS2503:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71をショート開放させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2504)。V開閉部材71をショート開放させるのは、V開閉部材71の開放パターン(
図14(B))では、「ショート開放」、「ロング開放」のいずれの場合であっても、1球目の入賞時にショート開放(ここでは0.1秒)を実行させるためである。なお、V開閉部材71のショート開放では、V開閉部材71の開放時間が非常に短いため、第1大入賞口30に入賞した1球目の遊技球は、V領域39を通過せずに非V領域70を通過するように構成されている。V有効期間設定処理では、V開閉部材71の開放中、および、V開閉部材71の閉鎖後の数秒間を、V領域センサ39aによる遊技球の検知を有効とするV有効期間に設定する。ここでは、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放パターン(
図14(B))に従って、V開閉部材71をショート開放(ここでは0.1秒)させ、V開閉部材71の開放中および閉鎖後1秒間をV有効期間に設定する。遊技制御用マイコン81は、V有効期間以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、V領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで「V領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する」とは、V領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONにすることを意味する(後述のV領域センサ検出処理(
図33)参照)。また、「V領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する」とは、V領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONにしないことを意味する。なお、V有効期間にV開閉部材71の閉鎖後の数秒間(球ハケ期間)を含めているのは、V開閉部材71とV領域センサ39aとの間には物理的な距離があるため、V開閉部材71の閉鎖直前にV領域39側に入球した遊技球がV領域センサ39aによって検知されるまでの期間を考慮したものである。すなわち、ここでは、V有効期間中のV通過(V領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(
図32)参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされ、高確率状態に設定されることのないようにしている。V開閉部材71のショート開放およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグをONに切り替え(ステップS2505)、ステップS2540に移行する。
【0142】
ステップS2502において、第1入賞フラグがONの場合、すなわち、既に1球目の入賞があった場合(ステップS2502:YES)、遊技制御用マイコン81は、第2入賞フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2520)。「第2入賞フラグ」とは、当該ラウンドのV開閉部材71の開放パターンがロング開放の場合には、第1大入賞口30に2球目の入賞があったことを示すフラグである。第2入賞フラグがONの場合(ステップS2520:YES)、処理はステップS2540に移行する。第2入賞フラグがOFFの場合(ステップS2520:NO)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンドにおけるV開閉部材71の開放パターンがロング開放か否かの判定をおこなう(ステップS2521)。ロング開放ではない場合(ステップS2521:NO)、すなわち、ショート開放である場合、処理はステップS2540に移行する。一方、ロング開放である場合(ステップS2521:YES)、遊技制御用マイコン81は、2球目の入賞を検出したか否かの判定をおこなう(ステップS2522)。2球目の入賞を検出していない場合(ステップS2522:NO)、処理はステップS2540に移行する。
【0143】
2球目の入賞を検出した場合(ステップS2522:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71をロング開放させるとともに、V有効期間設定処理をおこなう(ステップS2523)。V開閉部材71をロング開放させるのは、V開閉部材71の開放パターン(
図14(B))では、「ロング開放」の場合、2球目の入賞時にロング開放(ここでは最大31.5秒)を実行させるためである。なお、ここでは、1回のラウンド遊技時間は最長で31.5秒(大入賞口最大開放時間29.5秒+インターバル閉鎖時間2秒)となるため、一般的には、2球目の入賞時からラウンドの終了時までの時間は31.5秒よりも短くなる。後述のように、V開閉部材71は、当該ラウンドの終了時に強制的に閉鎖されるため、V開閉部材71のロング開放の開放時間は、31.5秒よりも短くなる。しかし、V開閉部材71のロング開放は、V開閉部材71の開放時間が比較的長いため、第1大入賞口30に入賞した2球目以降の遊技球の少なくとも一部は、V領域39を通過するように構成されている。V有効期間設定処理では、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の開放中をV有効期間に設定し、当該ラウンドの終了時にV開閉部材71の閉鎖とともにV無効期間を設定する。V開閉部材71のロング開放およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、第2入賞フラグをONに切り替え(ステップS2524)、ステップS2540に移行する。
【0144】
ステップS2540では、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が開放中か否かの判定をおこなう。V開閉部材71が開放中の場合(ステップS2540:YES)、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2550)。既述のように、遊技制御用マイコン81は、大入賞口を閉鎖してから所定のインターバル時間(ここでは2秒)が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。
【0145】
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2550:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグおよび第2入賞フラグをOFFに切り替え(ステップS2551)、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこなう(ステップS2552)。ここでは、当該ラウンド遊技の終了時に遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71を強制的に閉鎖させ、V開閉部材71の閉鎖後数秒間(ここでは1秒間)経過後から、V無効期間に設定し、本処理を終える。
【0146】
当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2550:NO)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2560)。V開閉部材71の閉鎖条件とは、例えば、ショート開放であれば、V開閉部材71の開放後に所定期間(例えば0.1秒)が経過していること等が例示できる。閉鎖条件が成立している場合(ステップS2560:YES)、V開閉部材閉鎖処理およびV無効期間設定処理をおこない(ステップS2552)、本処理を終える。閉鎖条件が成立していない場合(ステップS2560:NO)、V開閉部材71を開放状態、V有効期間を継続したまま本処理を終える。
【0147】
ステップS2540において、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71が閉鎖中と判定した場合(ステップS2540:NO)、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2571)。当該ラウンドが終了している場合(ステップS2571:YES)、遊技制御用マイコン81は、第1入賞フラグおよび第2入賞フラグをOFFに切り替えて(ステップS2572)、本処理を終える。ラウンドが終了していない場合には(ステップS2571:NO)、そのまま本処理を終える。
【0148】
[遊技状態設定処理]
図32は、遊技状態設定処理(
図30:ステップS2234)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、VフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2301)。VフラグがOFFの場合(ステップS2301:NO)、時短フラグをONにし(ステップS2302)、時短カウンタに「50」をセットする(ステップS2303)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「非高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、低確高ベース)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が50回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。
【0149】
一方、ステップS2301において、VフラグがONの場合(ステップS2301:YES)、遊技制御用マイコン81は、確変フラグをONにし(ステップS2304)、確変カウンタに「10000」をセットし(ステップS2305)、VフラグをOFFにする(ステップS2306)。また、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにし(ステップS2307)、時短カウンタに「50」または「10000」をセットする(ステップS2308)。より詳しくは、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜伏確変大当たり)のときは「50」、「16RV通過予定大当たり」と「16R(実質15R)V通過予定大当たり」のときは「10000」がセットされる。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「高確率状態」かつ「時短状態」かつ「高ベース状態」(すなわち、高確高ベース)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が50回または10000回おこなわれること、または、次の大当たりに当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。特別図柄の可変表示が50回になると、それ以降の遊技状態は高確低ベース状態になり、高確状態が潜伏する。
なお、高確率状態では、大当たり確率が約1/101であり、現実的には、高確高ベース状態で10000回の大当たり抽選を行う前に、ほぼ大当たりとなる。従って、本実施形態の遊技機1では、時短状態における特別図柄2(第2始動口経由)での大当たりであってV通過予定の大当たり(特図停止図柄データ21H)は、その大当たり遊技中にV通過すれば、その大当たり後の遊技状態が、次回の大当たりまで高確高ベース状態となることがほぼ確約される。
【0150】
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した遊技状態に関する情報が含まれている。
【0151】
[V領域センサ検出処理]
図33は、V領域センサ検出処理(
図16:ステップS106)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこなう(ステップS2601)。V領域センサ39aによる遊技球の検知がない場合には(ステップS2601:NO)、本処理を終える。一方、検知がある場合には(ステップS2601:YES)、遊技制御用マイコン81は、V有効期間中か否かの判定をおこなう(ステップS2602)。V有効期間は、V開閉部材動作処理(
図31)のV有効期間設定処理(ステップS2504,S2523)によって設定される期間である。V有効期間は、第2ラウンド,第4ラウンド,第6ラウンド,第8ラウンド,第10ラウンド,第12ラウンド中のV開閉部材71の開放時や閉鎖後の数秒間(球ハケ期間)に設定される。V有効期間中ではない場合には(ステップS2602:NO)、本処理を終える。一方、V有効期間中である場合(ステップS2602:YES)、遊技制御用マイコン81は、VフラグをONするとともに(ステップS2603)、V通過コマンドをセットして(ステップS2604)、本処理を終える。
【0152】
[保留球数処理]
図34は、保留球数処理(
図16:ステップS107)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数の読み出しをおこなう(ステップS2701)。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする(ステップS2702)。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。保留球数コマンドのセット後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終了する。
【0153】
7.演出制御用マイコン91の動作
図35~
図45に基づいてサブ制御基板90(
図4)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
【0154】
[サブ制御メイン処理]
図35は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイコン91は、遊技機1の電源がオンされると、サブROM93からサブ制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。サブ制御メイン処理では、演出制御用マイコン91は、まず、CPU初期化処理をおこなう(ステップS4000)。CPU初期化処理では、例えば、サブCPU92の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、CPU初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0155】
CPU初期化処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS4015)、乱数更新処理(ステップS4020)をおこなう。この乱数更新処理では、演出制御用マイコン91は、
図7(B)で示した乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。各乱数はいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0156】
乱数更新処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS4025)。割り込み許可中は、サブ側タイマ割り込み処理(ステップS4035)の実行が可能となる。サブ側タイマ割り込み処理は、所定の周期でサブCPU92に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側タイマ割り込み処理は、所定周期ごとに実行される。そして、サブ側タイマ割り込み処理が終了してから、次にサブ側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、乱数更新処理が繰り返し実行される。
【0157】
[サブ側タイマ割り込み処理]
図36は、サブ側タイマ割り込み処理(
図35:ステップS4035)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、受信コマンド解析処理をおこなう(ステップS4300)。受信コマンド解析処理の詳細については後述する。受信コマンド解析処理の後、演出制御用マイコン91は、変動演出中処理をおこなう(ステップS4305)。変動演出中処理は、変動演出中に特定のタイミングで変動終了前コマンドをセットして、表示画面7aに特定の表示演出を実行させるための処理であり、詳細については後述する。変動演出中処理の後、演出制御用マイコン91は、スイッチ処理をおこなう(ステップS4310)。スイッチ処理では、演出制御用マイコン91は、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいて出力されたスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)に基づいて、表示画面7aの表示内容の設定等をおこなう。スイッチ処理の後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理をおこなう(ステップS4315)。コマンド送信処理では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理等でサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカ67から音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5や枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。コマンド送信処理の後、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこない(ステップS4320)、本処理を終える。その他の処理では、例えば、乱数更新処理等がおこなわれる。
【0158】
[受信コマンド解析処理]
図37は、受信コマンド解析処理(
図36:ステップS4300)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、主制御基板80から事前判定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4415)。受信している場合(ステップS4415:YES)、先読み演出決定処理をおこなう(ステップS4420)。「先読み演出決定処理」は、先読み演出を実行するか否か、および実行する場合の先読み演出パターンを決定する処理である。先読み演出決定処理の詳細については後述する。一方、受信していない場合(ステップS4415:NO)、上述の先読み演出決定処理をスキップする。先読み演出とは、特図保留記憶領域85に新たに記憶された保留情報に大当たりが含まれている可能性が高いことを示唆する演出であり、変動演出中に実行される。
【0159】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4445)。受信している場合(ステップS4445:YES)、保留表示処理をおこなう(ステップS4450)。保留表示処理では、保留球数コマンドに含まれている特
図1保留球数、特
図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報に基づいて、サブRAM94のカウンタセット領域94dに設けられた、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値に基づいて、表示画面7aに表示されている保留画像9A、9Bの更新をおこなう。一方、保留球数コマンドを受信していない場合(ステップS4445:NO)、上述の保留表示処理をスキップする。
【0160】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4455)。受信している場合(ステップS4455:YES)、変動演出開始処理をおこなう(ステップS4460)。「変動演出開始処理」は、特別図柄変動中に実行する変動演出パターン(内容)を選択する処理である。変動演出開始処理の詳細については後述する。一方、受信していない場合(ステップS4455:NO)、上述の変動演出開始処理をスキップする。
【0161】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4465)。受信している場合(ステップS4465:YES)、変動演出終了処理をおこなう(ステップS4470)。「変動演出終了処理」は、特別図柄変動中に実行される変動演出を停止させるための処理である。変動演出終了処理では、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドの解析結果に基づいてカウンタのセット等をおこなうとともに、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。これにより変動中の特
図1または特
図2に対応する装飾図柄が停止表示される。また、演出制御用マイコン91は、後述する事前判定情報シフト処理(
図39)をおこなう。なお、変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS4465:NO)、上述の変動演出終了処理をスキップする。
【0162】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4475)。受信している場合(ステップS4475:YES)、オープニング演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4480)。「オープニング演出パターン決定処理」は、特別遊技(大当たり遊技)開始時に実行するオープニング演出パターン(内容)を選択する処理である。オープニング演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、オープニングコマンドの解析をおこない、オープニングコマンドに含まれる、大当たり当選判定時にセットされた特図停止図柄データに関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別に対応して予め設定されているオープニング演出の演出パターンを選択し、選択したオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。オープニング演出パターン決定処理をおこなうと、続いて、演出制御用マイコン91は、勝負玉獲得演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4481)。この勝負玉獲得演出パターン決定処理は、大当たり遊技(ラウンド遊技)中に勝負玉の獲得玉数や種別に関する勝負玉データが示す情報に対応して予め設定されている勝負玉獲得の演出パターンを決定する処理であり、詳細は後述する。演出コマンドセット領域94bにセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(
図36:ステップS4315)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させ、また、所定の勝負玉獲得演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。なお、勝負玉獲得演出画像は、大当たり遊技のオープニング中、ラウンド中、エンディング中(大当たり遊技中)の適宜タイミングでおこなわれる。また、ステップS4475において、オープニングコマンドを受信していない場合(ステップS4475:NO)、上述のオープニング演出パターン決定処理および勝負玉獲得演出パターン決定処理をスキップする。
【0163】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4485)。受信している場合(ステップS4485:YES)、ラウンド演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4490)。「ラウンド演出パターン決定処理」は、特別遊技(大当たり遊技)において、大入賞口の開放中や開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出パターン(内容)を選択する処理である。ラウンド演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、ラウンド指定コマンドの解析をおこない、ラウンド指定コマンドに含まれる、特図停止図柄データに関する情報、および、ラウンド数に関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別およびラウンド数に対応して予め設定されているラウンド演出の演出パターンを選択し、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定のラウンド演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。なお、ステップS4485において、ラウンド指定コマンドを受信していない場合(ステップS4485:NO)、上述のラウンド演出パターン決定処理をスキップする。
【0164】
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4495)。受信している場合(ステップS4495:YES)、エンディング演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4500)。「エンディング演出パターン決定処理」は、特別遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)のエンディング中に実行するエンディング演出パターン(内容)を選択する処理である。エンディング演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、エンディングコマンドの解析をおこない、エンディングコマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別に応じたエンディング演出パターンを選択し、選択したエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたエンディング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。なお、エンディングコマンドを受信していない場合(ステップS4495:NO)、上述のエンディング演出パターン決定処理をスキップする。
【0165】
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこなう(ステップS4545)。その他の処理では、例えば、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したときに、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態に関する情報(高確率状態か否か、時短状態か否か、確変カウンタ、時短カウンタの値など)をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、V通過コマンドを受信したときに、V通過した情報をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、上記以外のコマンド(客待ち待機コマンド、RAMクリア報知コマンドなど)に基づく処理をおこなって、本処理を終了する。
【0166】
[先読み演出決定処理]
図38は、先読み演出決定処理(
図37:ステップS4420)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、事前判定情報書換処理をおこなう(ステップS4601)。具体的には、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信した事前判定コマンドに含まれる、大当たり事前判定結果(大当たり判定情報)、大当たり種別事前判定結果(大当たり種別情報)、および、変動パターン事前判定結果(変動パターン情報)を事前判定情報記憶領域94cに記憶させる。
【0167】
図39は、事前判定情報記憶領域94cの構成を説明するための図である。事前判定情報記憶領域94cには、上述した、大当たり判定情報、大当たり種別情報、および、変動パターン情報のほか、先読み演出パターン情報が記憶される。先読み演出パターン情報とは、変動演出中に実行される先読み演出の内容を示す情報であり、後述するステップS4604において選択される。
図39(A)は、特
図2保留の1個目~3個目にそれぞれ対応する事前判定結果として、大当たり判定情報「ハズレ」と、変動パターン情報「P72」「P73」が第1~3格納領域に記憶され、また、当該変動に対応する事前判定結果が当該領域に記憶された状態が示されている。
図39(B)は、
図39(A)の状態から特
図2の入賞があり、主制御基板80から受信した事前判定コマンドに含まれる事前判定情報を、特
図2保留の4個目に対応する第4格納領域に記憶させた状態が示されている。ここでは、事前判定情報として、大当たり判定情報「大当たり」と、大当たり種別情報「21H」と、変動パターン情報「P61」が記憶されている。また、あわせて、特
図2保留の1個目~4個目に対応する第1~4格納領域と、当該変動に対応する当該領域とのぞれぞれに先読み演出パターン情報として「パターンA」がセットされている。
図39(C)は、
図39(B)の状態から当該変動が終了して事前判定情報シフト処理が実行された状態が示されている。具体的には、第1格納領域に格納されていた事前判定情報が当該領域にシフトし、第2~4格納領域に格納されていた事前判定情報が第1~3格納領域にシフトし、第4記憶領域の事前判定情報がクリアされる。事前判定情報シフト処理は、変動演出終了処理(
図37:ステップS4470)において実行される。
【0168】
図38に戻り、続いて、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cに先読み演出パターン情報が記憶されているか否かの判定をおこなう(ステップS4602)。具体的には、演出制御用マイコン91は、事前判定情報記憶領域94cの当該領域、第1~4格納領域のいずれかに先読み演出パターン情報が記憶されていないか否かの判定をおこなう。先読み演出パターン情報が記憶されている場合(ステップS4602:YES)には、本処理を終了する。すなわち、事前判定情報記憶領域94cの当該領域、第1~4格納領域のいずれかに先読み演出パターン情報が記憶されている場合には、新たに先読み演出パターン情報を選択して記憶させない。一方、事前判定情報記憶領域94cに先読み演出パターン情報が記憶されていない場合(ステップS4602:NO)には、演出制御用マイコン91は、受信した事前判定コマンドに含まれる事前判定結果が「大当たり」または「リーチ有りハズレ」か否かの判定をおこなう(ステップS4603)。「大当たり」または「リーチ有りハズレ」か否かは、例えば、変動パターン事前判定結果(変動パターン情報)によって判別することができる。演出制御用マイコン91は、受信した事前判定コマンドに含まれる事前判定結果が「リーチ無しハズレ」の場合には(ステップS4603:NO)、本処理を終了する。先読み演出をおこなう必要が無いためである。一方、受信した事前判定コマンドに含まれる事前判定結果が「大当たり」または「リーチ有りハズレ」の場合(ステップS4603:YES)には、先読み演出を実行するか否かを判定する先読み演出実行判定、および、先読み演出パターン選択をおこなう(ステップS4604)。具体的には、演出制御用マイコン91は、先読み演出乱数のカウンタの値を取得し、取得した乱数値と、サブROM93に記憶されている先読み演出パターン決定テーブルT51を参照して先読み演出をおこなうか否か、および、先読み演出をおこなう場合の先読み演出パターンを決定する。
【0169】
図40は、先読み演出パターン決定テーブルT51を説明するための図である。
図40では、事前判定結果が「大当たり」で、先読み演出乱数値が「0~55」の場合、先読み演出は「無し」となり、先読み演出乱数値が「56~67」の場合、先読み演出として「パターンA」が選択され、先読み演出乱数値が「68~127」の場合、先読み演出として「パターンB」が選択される。また、事前判定結果が「リーチ有りハズレ」で、先読み演出乱数値が「0~107」の場合、先読み演出は「無し」となり、先読み演出乱数値が「108~114」の場合、先読み演出として「パターンA」が選択され、先読み演出乱数値が「115~127」の場合、先読み演出として「パターンB」が選択される。なお、先読み演出パターンの種類、内容、選択される乱数値の範囲は任意に設定することができる。
【0170】
図38に戻り、ステップS4604において、先読み演出が実行されることが決定した場合(ステップS4605:YES)、選択された先読み演出パターンを事前判定情報記憶領域94cに記憶する(ステップS4606)。ここでは、先読み演出パターンを事前判定情報記憶領域94cに記憶するとき、第1~4格納領域のうち、受信した事前判定コマンドに対応する格納領域のみでなく、対応する格納領域よりも前の格納領域および当該領域にも先読み演出パターンを格納する。具体的には、
図39(B)に示すように、受信した事前判定コマンドに対応する第4格納領域に「パターンA」をセットするだけでなく、第1~3格納領域、および、当該領域にも「パターンA」をセットする。これにより、第4格納領域に対応する変動演出が実行される前に実行される変動演出(当該領域および第1~3格納領域に対応する変動演出)においても、先読み演出パターンAが実行される。なお、当該領域に対応する変動演出で先読み演出が実行されるか否かは、当該変動演出の進捗状況による。すなわち、当該変動演出において、先読み演出を実行するタイミングをもう過ぎている場合には、先読み演出が実行されないが、先読み演出を実行するタイミング前であれば、そのタイミングにおいて実行される。これについては後述する。ステップS4604において、先読み演出が実行されないことが決定した場合(ステップS4605:NO)、処理を終了する。
【0171】
[変動演出開始処理]
図41は、変動演出開始処理(
図37:ステップS4460)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、変動開始コマンドの解析をおこなう(ステップS5000)。ここでは、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報をサブRAM94にセットする。セットされた情報には、現在の遊技状態を示す遊技状態情報や、特
図1または特
図2の当たり判定処理の判定結果としての図柄を示す図柄情報等が含まれている。ここで取得された遊技状態情報や図柄情報は、演出制御用マイコン91によって適宜参照され得る。
【0172】
続いて、演出制御用マイコン91は、基幹演出パターン決定処理をおこなう(ステップS5010)。基幹演出パターン決定処理は、変動演出の基本的な構成(例えば、画像表示装置7における背景画像の表示およびその切り換え、所定のキャラクタの表示およびその動作、スピーカ67を用いたメロディや効果音の出力、ランプ類の点灯制御など)を決定するための処理である。変動演出は、この基幹演出にチャンスアップ演出や先読み演出などの付加的な演出が重畳されて完成する。演出制御用マイコン91は、サブROM93に記憶されている基幹演出パターン決定テーブルT52を参照して基幹演出パターンを決定する。
【0173】
図42は、基幹演出パターン決定テーブルT52を説明するための図である。
図42では、ノーマルリーチ演出をおこなう複数種類の基幹演出パターンと、SP1演出をおこなう複数種類の基幹演出パターン、SP2演出をおこなう複数種類の基幹演出パターン、SP3演出をおこなう複数種類の基幹演出パターンと、SP4演出をおこなう複数種類の基幹演出パターンと、SP5演出をおこなう複数種類の基幹演出パターン(後述する勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチ演出パターン)と、リーチ無しハズレ演出をおこなう複数種類の基幹演出パターンが設定されている。基幹演出パターンの種類は任意に設定することができる。ここでは、例えば、変動開始コマンドに含まれていた変動パターンが「P1」の場合、SP1演出をおこなう基幹演出パターンが選択される。また、変動開始コマンドに含まれていた変動パターンが「P72」の場合、リーチ無しハズレ演出をおこなう基幹演出パターンが選択される。また、時短回数が残り10回以下のときは、変動開始コマンドに含まれる変動パターンは強制敵に「P74」となり、SP5演出をおこなう基幹演出パターンが選択される。
【0174】
図41に戻り、基幹演出パターンを決定した後、演出制御用マイコン91は、チャンスアップ演出パターン決定処理をおこなう(ステップS5015)。チャンスアップ演出パターン決定処理は、変動演出に重畳させる付加的な演出を決定するための処理である。演出制御用マイコン91は、チャンスアップ乱数のカウンタの値を取得し、取得した乱数値と、サブROM93に記憶されているチャンスアップ演出パターン決定テーブルT53を参照してチャンスアップ演出パターンを決定する。
【0175】
図43は、チャンスアップ演出パターン決定テーブルT53を説明するための図である。ここでは、チャンスアップ演出パターン決定テーブルT53のうち、非時短状態時における特
図1の変動演出パターンを決定する部分のみを示している。すなわち、
図43は、変動開始コマンドに含まれていた変動パターンが「P1」~「P16」の場合において実行されるチャンスアップ演出パターンを示している。なお、チャンスアップ演出パターン決定テーブルT53は、変動パターンが「P21」~「P33」「P41」~「P56」「P61」~「P74」の場合において実行されるチャンスアップ演出パターンを決定する部分を備えていてもよいし備えていなくてもよい。
【0176】
図43では、チャンスアップ演出パターンとして「2-NO」「2-SP1」「2-SP2」「2-SP3」「3-NO」「3-SP1」「3-SP2」「3-SP3」「4-NO」「4-SP1」「4-SP2」「4-SP3」「ANO」が設定されている。これらのチャンス演出パターンは、種々のチャンスアップ演出に対応する。
【0177】
図41に戻り、チャンスアップ演出パターンを決定した後、演出制御用マイコン91は、ステップS5000でおこなった変動開始コマンドの解析の結果、変動パターンの情報がP62、P63、P67、P71、P74か否か、すなわち、変動パターンの情報が、勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチSP5であるか否かを判定する処理をおこなう(ステップS5016)。ステップS5016において、変動パターンの情報がP62、P63、P67、P71、P74の何れかである場合(ステップS5016:YES)、勝負玉消化演出パターン決定処理をおこなう(ステップS5018)。この勝負玉消化演出パターン決定処理は、時短状態において演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rが専用リーチであるSP5にて変動表示中に、大当たり遊技で獲得した勝負玉の何れを使用(消化)して勝負玉演出をおこなうかを決定する処理であって、詳細は後述する。
【0178】
勝負玉消化演出パターンを決定した後、演出制御用マイコン91は、さらに、乱数値と停止図柄パターン決定テーブルT54を参照して、停止表示する演出図柄8L、8C、8Rの組み合わせなどを決定してもよい。これらにより、変動演出としてどのような演出をおこなうかが決定される。
【0179】
演出制御用マイコン91は、上記ステップS5010~S5018にて決定された変動演出パターンに基づく変動演出が実現されるよう変動演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットする(ステップS5020)。サブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(
図36:ステップS4315)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、変動演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
【0180】
続いて、演出制御用マイコン91は、変動演出タイマをセットして(ステップS5030)、本処理を終了する。変動演出タイマには、変動開始コマンドに含まれる変動パターン変動パターンに応じた変動時間(
図42)がセットされる。例えば、変動パターンが「P1」のとき、変動演出タイマには「40秒」がセットされる。
【0181】
[変動演出中処理]
図44は、変動演出中処理(
図36:ステップS4305)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、変動演出中か否かの判定をおこなう(ステップS4701)。変動演出中か否かは、例えば、変動演出タイマがゼロになっているか否かによって判定することができる。変動演出中ではない場合(ステップSS4701:NO)、本処理を終了する。一方、変動演出中の場合(ステップSS4701:YES)、演出制御用マイコン91は、変動終了前コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットするタイミングか否かの判定をおこなう(ステップS4702)。変動終了前コマンドは、演出制御用マイコン91が画像制御基板100などに対して、変動演出中の特定のタイミングであることを知らせるコマンドであり、画像制御基板100は、変動終了前コマンドを受信すると、変動終了前コマンドに含まれる情報にしたがって演出内容の切り替えや、特定の画像の表示等をおこなう。
【0182】
変動終了前コマンドをセットするタイミングではない場合(ステップS4702:NO)、本処理を終える。一方、変動終了前コマンドをセットするタイミングである場合(ステップS4702:YES)、事前判定情報記憶領域94cの当該領域に先読み演出パターン情報があるか否かの判定をおこなう(ステップS4703)。当該領域に先読み演出パターン情報がある場合(ステップS4703:YES)、先読み演出パターン情報を含んだ変動終了前コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする(ステップS4704)。一方、当該領域に先読み演出パターン情報が無い場合(ステップS4703:NO)には、先読み演出パターン情報を含まない変動終了前コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする(ステップS4705)。これにより、当該領域に先読み演出パターン情報がある場合には、当該変動演出の終了2秒前に先読み演出パターン情報を含んだ変動終了前コマンドが画像制御基板100に送信される。そして、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7aに先読み演出画像を表示させる先読み演出を開始させる。一方、当該領域に先読み演出パターン情報が無い場合にも当該変動の終了2秒前に変動終了前コマンドが画像制御基板100に送信される。ここでは、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7aに既に予告画像が表示されている場合、その予告画像をフェードさせる予告フェード演出を開始させる。
【0183】
8.画像制御用マイコン101の動作
図45に基づいて画像制御基板100(
図4)に設けられた画像制御用マイコン101の動作について説明する。画像制御用マイコン101の動作説明にて登場するバッファ等はRAM104に設けられている。
図45は、表示制御処理のフローチャートである。画像制御用マイコン101は、遊技機1の電源がオンされると、ROM103からプログラムを読み出し、CPU初期化処理の後、表示制御処理が繰り返し実行される。表示制御処理では、まず、画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から変動演出開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS5001)。受信している場合(ステップS5001:YES)、画像制御用マイコン101は、変動演出表示を開始させる(ステップS5002)。具体的には、画像制御用マイコン101は、受信した変動演出開始コマンドを解析し、変動演出開始コマンドにおいて指示された所定の変動演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。一方、受信していない場合(ステップS5001:NO)、上述の処理をスキップする。
【0184】
続いて、画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から変動終了前コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS5003)。受信している場合(ステップ5003:YES)、画像制御用マイコン101は、先読み演出表示を開始させる(ステップS5004)。具体的には、画像制御用マイコン101は、変動終了前コマンドを解析し、変動終了前コマンドに先読み演出パターン情報が含まれている場合、所定の先読み演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。また、変動終了前コマンドに先読み演出パターン情報が含まれていない場合であっても、画像表示装置7の表示画面7aに予告画像が表示されていれば、その予告画像をフェードさせる予告フェード演出をおこなう。一方、受信していない場合(ステップS5003:NO)、上述の処理をスキップする。
【0185】
続いて、画像制御用マイコン101は、サブ制御基板90から変動演出終了コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS5005)。受信している場合(ステップ5005:YES)、画像制御用マイコン101は、変動演出を停止表示させた画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる変動演出停止表示をおこなう(ステップS5006)。一方、受信していない場合(ステップS5005:NO)、上述の処理をスキップする。
【0186】
続いて、画像制御用マイコン101は、その他の処理をおこなう(ステップS5007)。その他の処理では、例えば、画像制御用マイコン101は、オープニング演出開始コマンドを受信したときに、オープニング演出開始コマンドにおいて指示された所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。また、ラウンド演出開始コマンドを受信したときに、ラウンド演出開始コマンドにおいて指示された所定のラウンド演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。また、エンディング演出開始コマンドを受信したときに、エンディング演出開始コマンドにおいて指示された所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させて、本処理を終了する。
【0187】
9.勝負玉演出の説明
次に、本発明の特徴的な演出である勝負玉演出について図を参照しながら説明する。
[勝負玉獲得演出パターン決定処理]
まず、
図46を用いて、上述した勝負玉獲得演出パターン決定処理(
図37:ステップS4481)について説明する。
図46は、勝負玉獲得演出パターン決定処理において参照される勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60を説明するための図である。演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したタイミングで勝負玉乱数を取得する。勝負玉乱数の乱数値は、0~255の範囲で構成され、演出制御用マイコン91が勝負玉獲得演出パターン決定処理において、取得した勝負玉乱数値(0~127)に応じて、大当たり遊技中に獲得する勝負玉の個数と種別が決定する。なお、勝負玉の種別は、本例では、「青玉」、「緑玉」、「赤玉」、「金玉」の4種類あり、これらの勝負玉の意味については後述する。
図46では、例えば、勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60において、勝負玉乱数値が「0~21」の場合には、青玉4個、緑玉1個、赤玉0個、金玉0個(勝負玉の合計個数5個、抽選確率22/256)の勝負玉が獲得されることが示されている。あるいは、例えば勝負玉乱数値が「244~248」の場合には、青玉4個、緑玉2個、赤玉2個、金玉2個(勝負玉の合計個数10個、抽選確率5/256)の勝負玉が獲得されることが示されている。
図46から明らかなように、獲得する勝負玉の合計個数は、5~10個の何れかであり、抽選確率は
図46の下段にいくほど低くなっている。
【0188】
[勝負玉消化演出パターン決定処理]
次に、
図47を用いて、上述した勝負玉消化演出パターン決定処理(
図41:ステップS5018)について説明する。
図47は、勝負玉消化演出パターン決定処理を説明するための図である。この勝負玉消化演出パターン決定処理は、上述したように、演出制御用マイコン91が受信した変動パターンの情報がP62、P63、P67、P71、P74の何れかである場合、すなわち勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチSP5である場合に実行され得る。演出制御用マイコン91は、受信した変動パターンの情報がP67またはP71、リーチ種別が通常大当たりリーチ(ハズレ、「3」、「7」以外のリーチ)のとき、現在持っている勝負玉のうち、「青玉」→「緑玉」→「赤玉」→「金玉」の優先順位で使用し、リーチ種別が確変大当たりリーチ(ハズレ、「3」、「7」のリーチ)のとき、現在持っている勝負玉のうち、「緑玉」→「青玉」→「赤玉」→「金玉」の優先順位で使用する。なお、ここで、通常大当たりリーチとは、大当たりになった場合に上述した大当たり種別のうち、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜伏確変大当たり(潜確大当たりとも呼ぶ))または「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」となるリーチとし、装飾図柄が「3↓3」、「7↓7」以外のリーチを示した場合とする。確変大当たりリーチとは、大当たりになった場合に上述した大当たり種別のうち、「16RV通過予定大当たり」または「16R(実質15R)V通過予定大当たり」となるリーチとし、装飾図柄が「3↓3」、「7↓7」のリーチを示した場合とする(「3」で大当たりの場合「16R(実質15R)V通過予定大当たり」、「7」で大当たりの場合「16RV通過予定大当たり」)。また、受信した変動パターンの情報がP62またはP63、リーチ種別が通常大当たりリーチ(大当たり、「3」、「7」以外のリーチ)のとき、現在持っている勝負玉のうち、「赤玉」→「金玉」→「緑玉」→「青玉」の優先順位で使用する。また、受信した変動パターンの情報がP62またはP63、リーチ種別が確変大当たりリーチ(大当たり、「3」、「7」のリーチ)のとき、現在持っている勝負玉のうち、金玉」→「赤玉」→「「緑玉」→「青玉」の優先順位で使用する。また、受信した変動パターンの情報がP74のとき、つまり時短回数(時短状態における図柄の変動回数)が残り10回以下になったとき、上述した大当たり乱数や大当たり種別乱数の値等に基づいて通常大当たりリーチ(ハズレまたは大当たり、「3」、「7」以外のリーチ)または確変大当たりリーチ(ハズレまたは大当たり、「3」、「7」のリーチ)がおこなわれ、現在勝負玉が残っている場合に、リーチ種別に応じて上記した4パターンの優先順位で勝負玉が使用(消化)される。なお、時短回数が残り10回になった時点で勝負玉が10個未満(例えば8個)のときは、残り10回の時短回数の何れか(残り10回の時短回数のうちの2回)は、勝負玉演出はおこなわれない。
【0189】
より具体的には、例えば、勝負玉獲得演出パターン決定処理(大当たり遊技中)で勝負玉乱数値が208~216の何れかを取得し、獲得した勝負玉が「青玉×5」、「緑玉×2」、「赤玉×1」、「金玉×1」の合計9個であったとする。次に、大当たり遊技が終了して時短(時短50回)移行後、例えば時短3回目で最初の専用リーチSP5としての変動パターン情報がP67またはP71で通常大当たりリーチ(ハズレ、「3」、「7」以外のリーチ)のときは、「青玉」を1個使用して勝負玉消化演出をおこなう。この時点で、勝負玉の残りは「青玉×4」、「緑玉×2」、「赤玉×1」、「金玉×1」の合計8個となる。次に、例えば時短25回目で2回目の専用リーチSP5としての変動パターン情報がP67またはP71で確変大当たりリーチ(ハズレ、「3」、「7」のリーチ)のときは、「緑玉」を1個使用して勝負玉消化演出をおこなう。この時点で、勝負玉の残りは「青玉×4」、「緑玉×1」、「赤玉×1」、「金玉×1」の合計7個となる。次に、例えば時短38回目で3回目の専用リーチSP5としての変動パターン情報がP62またはP63で通常大当たりリーチ(大当たり、「3」、「7」以外のリーチ)のときは、「赤玉」を1個使用して勝負玉消化演出をおこなう。この時点で、勝負玉の残りは「青玉×4」、「緑玉×1」、「赤玉×0」、「金玉×1」の合計6個となり、これら6個の勝負玉を持ったまま大当たり遊技に移行する。仮に、時短38回目で3回目の専用リーチSP5としての変動パターン情報がP62またはP63で確変大当たりリーチ(大当たり、「3」、「7」のリーチ)のときは、「金玉」を1個使用して勝負玉消化演出をおこなう。この時点で、勝負玉の残りは「青玉×4」、「緑玉×1」、「赤玉×1」、「金玉×0」の合計6個となり、これら6個の勝負玉を持ったまま大当たり遊技に移行する。
【0190】
一方、時短38回目では専用リーチSP5がおこなわれず、時短41回目(時短回数が残り10回)になったとき、以降の時短では全て専用リーチSP5がおこなわれる。この時点で、「青玉×4」、「緑玉×1」、「赤玉×1」、「金玉×1」の合計7個となっており、したがって、例えば残り10回の時短が全てハズレの場合には、10回の時短のうちの7回で勝負玉消化演出がおこなわれる。なお、残り10回の時短のうち、勝負玉消化演出をどの回の時短でおこなうかは任意であり、例えば所定のタイミングで乱数を用いた抽選等により、勝負玉消化演出をおこなう時短の回を決定するようにすればよい。ただし、時短回数が最後の1回のときは、強制的に勝負玉演出をおこなうのが望ましい。また、残り10回の時短の途中で大当たりになった場合には、残った勝負玉を持ったまま大当たり遊技に移行する。獲得可能な勝負玉の最大個数は10個であるので、仮に時短回数が残り10回まで専用リーチSP5がおこなわれなかったときは、残り10回の時短全てで勝負玉消化演出がおこなわれる。つまり、時短中に大当たりにならないときは、大当たりで獲得した勝負玉は全て、時短中に必ず消化されることになる。
【0191】
以上の説明から明らかなように、勝負玉消化演出で勝負玉が使用された場合、遊技者により有利な特典が付与されやすい勝負玉の期待度は、金玉>赤玉>緑玉>青玉となっており、例えば、金玉が使用されて勝負玉消化演出がおこなわれたときは確変大当たりになる期待度が高く、赤玉が使用されて勝負玉消化演出がおこなわれたときは通常大当たり(潜確大当たりを含む)になる期待度が高く、緑玉が使用されて勝負玉消化演出がおこなわれたときは確変大当たりおよび通常大当たりになる期待度が金玉及び赤玉よりも低く、青玉が使用されて勝負玉消化演出がおこなわれたときは確変大当たりおよび通常大当たりになる期待度が緑玉よりも低くなっている。
【0192】
[勝負玉演出A]
次に、勝負玉演出の一実施形態である勝負玉演出Aについて
図48、
図49を用いて説明する。
図48、
図49は、勝負玉演出Aを説明するための図である。この勝負玉演出Aは、確変大当たりとなって、その大当たり遊技中に勝負玉を獲得する演出がおこなわれるとともに、大当たり遊技後の遊技状態が次回大当たりまで高確時短状態(高確高ベース状態)となり、この高確時短状態(高確高ベース状態)中に獲得した勝負玉を使用(消化)する演出である。
【0193】
図48を参照して、まず、
図48(A)に示すように、特別図柄の変動表示と同期して装飾図柄変動演出が実行される。この装飾図柄変動演出では、画像表示装置7の表示画面7aにおいて、左の図柄表示エリアに左装飾図柄8L、中の図柄表示エリアに中装飾図柄8C、右の図柄表示エリアには右装飾図柄8Rが表示される。装飾図柄8L、8C、8Rの停止順は、最初に左装飾図柄8Lが停止し、次に右装飾図柄8Rが停止し、最後に中装飾図柄8Cが停止するようになっている。なお、
図48(A)では、装飾図柄8L、8C、8Rは変動中(下方にスクロール中)であることを示している。
【0194】
次に、
図48(B)に示すように、表示画面7aでは大当たり確定演出が実行される。この大当たり確定演出は、
図48(A)に示した装飾図柄8L、8C、8Rの当該変動の結果が、大当たりしたことを示している。本例では、この大当たり図柄配列は「777」が示されている。なお、装飾図柄8L、8C、8Rの上方には、「確変大当たり~!」という文字が表示されるようになっている。この大当たり確定演出により、遊技者は大当たりおよび大当たり後の確変を確信する。
【0195】
ここで、上述したように、大当たり図柄配列「777」は、「16RV通過予定大当たり」(確変大当たり)であって、大当たり遊技終了後、遊技状態が次回大当たりするまで高確時短状態(高確高ベース状態)になる大当たりである。なお、本例では、大当たり図柄配列「333」は、「16R(実質15R)V通過予定大当たり」(確変大当たり)であって、大当たり遊技終了後、遊技状態が次回大当たりするまで高確時短状態(高確高ベース状態)になる大当たりである。「777」および「333」以外の大当たり図柄配列は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜確大当たり)または「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(通常大当たり)になる大当たりである。「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜確大当たり)は、大当たり遊技終了後、特別図柄の変動回数が50回おこなわれるまで遊技状態が高確時短状態(高確高ベース状態)になり、それ以降は高確低ベース状態(潜伏確変状態)になる。「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(通常大当たり)は、大当たり遊技終了後、特別図柄の変動回数が50回おこなわれるまで遊技状態が低確時短状態(低確高ベース状態)になり、それ以降は低確低ベース状態(通常状態)になる。
【0196】
次に、大当たり遊技が開始されると、
図48(C)に示すように、表示画面7aでは、ラウンド遊技中などに勝負玉獲得演出としてのバトル演出が表示される。このバトル演出は、表示画面7aの中央で遊技者側の味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとがバトルする画像が表示され、このバトル演出の結果に関連して獲得する勝負玉の数と種別が決定する。例えば、味方キャラクタCRAが倒した(勝利した)敵キャラクタCRBの数によって勝負玉の数が決定し、味方キャラクタCRAが倒した(勝利した)敵キャラクタCRBの種別(強敵の度合い)によって勝負玉の種別が決定する。
【0197】
次に、
図48(D)に示すように、表示画面7aでは、大当たり遊技のエンディング中などに、バトル演出の結果としてのリザルト画面(勝負玉獲得結果演出)が表示される。本例では、このリザルト画面には青玉5個、緑玉2個、赤玉1個、金玉1個(勝負玉の合計個数9個)の勝負玉を獲得したことが示されている。なお、これは、
図46に示した勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60において、演出制御用マイコン91が勝負玉乱数値として208~216の何れかを取得した場合である。
【0198】
次に、大当たり遊技が終了すると遊技状態が高確時短状態(高確高ベース状態)となり、
図48(E)に示すように、表示画面7aでは、時短開始勝負玉演出が開始される。なお、ここでの時短開始勝負玉演出は、高確高ベース状態における装飾図柄変動演出がおこなわれる。また、装飾図柄8L、8C、8Rの上方には、「時短開始!」という文字が表示されている。また、表示画面7aの左上には、直前の大当たり遊技で獲得した勝負玉が表示されている(青玉5個、緑玉2個、赤玉1個、金玉1個)。なお、表示画面7aには、高確(確変)状態を示唆する表示、例えば通常(低確)時と異なる背景表示などをおこなうようにしてもよい。
【0199】
次に、
図48(F)に示すように、例えば時短12回転目で、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な専用リーチ演出が実行される。この専用リーチ演出は、上述したように、演出制御用マイコン91が受信した変動開始コマンドに含まれる変動パターンの情報がP62、P63、P67、P71、P74の何れかの場合に、基幹演出パターンとしてSP5をおこなうリーチ演出である。なお、ここでは、変動パターンの情報がP67またはP71(ともにハズレとなるリーチ)とし、専用リーチ演出として「8↓8」(仮に大当たりになった場合は、潜確大当たりまたは通常大当たりになるリーチ、通常大当たりリーチ)が示されている。
【0200】
次に、
図48(G)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行される。この勝負玉消化演出は、専用リーチ(SP5)演出中の所定のタイミング、例えば、専用リーチにおいて何段階か発展した後の最終発展先(本例ではボタンPUSH演出)で、変動中の中装飾図柄8Cが停止する直前のタイミングなどでおこなわれる演出である。勝負玉消化演出が開始されると、表示画面7aの左上に表示されていた手持ちの勝負玉が消去され、表示画面7aの左隅に左装飾図柄8Lが、右隅に右装飾図柄8Rが移動する。そして表示画面7aの中央では、遊技者に演出ボタン63の操作を促すための画像と、現在持っている勝負玉の中から使用する勝負玉の画像が表示される。具体的には、勝負玉消化演出は、表示画面7aの左右中央に表示されたボタン画像BOGの右方に、「ボタンPUSH!」という文字が表示され、ボタン画像BOGの上方に、今回使用する勝負玉と、その勝負玉の右方に、「勝負!」という文字が表示される。ここで、今回使用される勝負玉は青玉1個であり、これは上述した勝負玉消化演出パターン決定処理で、受信した変動パターンの情報がP67またはP71のときは、現在持っている勝負玉のうち、「青玉」→「緑玉」→「赤玉」→「金玉」の優先順位で使用することに基づく。なお、ボタン画像BOG下部の鍔部には、演出ボタン63の有効操作期間の残り期間を示唆するメータMATが表示される。このメータMATは、ボタン操作指示演出が表示されてからの経過時間とともに、メータ値(クロスハッチング部分)が上昇するように表示され、演出ボタン63の有効操作期間の残り期間が無くなると、メータ値が満タンになるように表示される。
【0201】
次に、
図48(H)に示すように、表示画面7aでは勝負玉失敗演出が実行される。この勝負玉失敗演出は、演出ボタン63の有効操作期間中に遊技者が演出ボタン63を押下操作して中装飾図柄8Cの変動が停止した結果、
図48(F)に示した装飾図柄8L、8C、8Rの当該変動(専用リーチSP5)がハズレたことを示している。本例では、このハズレ図柄配列は「878」が示され、すなわち、このハズレ図柄配列「878」が示されることにより、勝負玉が使用(消化)されたにも拘わらず遊技者に有利な特典が付与されなかったこと(勝負玉失敗)を演出している。なお、停止したハズレ図柄配列は「878」の上方には、その旨を示唆する「失敗!」という文字が表示されている。また、表示画面7aの左上には、
図48(F)に表示されていた勝負玉から、今回使用された青玉1個が差し引かれた勝負玉が表示される(青玉4個、緑玉2個、赤玉1個、金玉1個、勝負玉の合計個数8個)。
【0202】
その後、時短の所定回転目で、
図48(F)~
図48(H)に準じて、表示画面7aでは専用リーチ演出、勝負玉消化演出、勝負玉失敗演出が7回繰り返され、残りの勝負玉の数が1個になったとする。この間の勝負玉の使用順は、7回全てがハズレとなる専用リーチ(SP5)であることから、青玉または緑玉(合計6個)が優先して使用され、次に赤玉1個が使用され、従って残りの勝負玉は金玉1個となっている。そして、次に、例えば時短180回転目で、
図49(I)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な専用リーチ演出が実行される。なお、ここでは、変動パターンの情報がP62とし、専用リーチ演出として「5↓5」(潜確大当たりまたは通常大当たりになるリーチ)が示されている。
【0203】
次に、
図49(J)に示すように、表示画面7aでは
図48(G)と同様に勝負玉消化演出が実行され、この勝負玉消化演出で使用される勝負玉は、唯一残っている金玉1個となる。本来であれば、専用リーチSP5として「5↓5」が表示された場合、「赤玉」→「金玉」→「緑玉」→「青玉」の優先順位で使用されるが、この場合、赤玉が残っていなかったので金玉が使用される。
【0204】
次に、
図49(K)に示すように、表示画面7aでは勝負玉成功演出が実行される。この勝負玉成功演出は、演出ボタン63の有効操作期間中に遊技者が演出ボタン63を押下操作して中装飾図柄8Cの変動が停止した結果、
図49(I)に示した装飾図柄8L、8C、8Rの当該変動(専用リーチSP5)が大当たりしたことを示している。本例では、この大当たり図柄配列は「555」が示され、すなわち、この大当たり図柄配列は「555」が示されることにより、勝負玉の使用(消化)によって遊技者に有利な特典が付与されたこと(勝負玉成功)を演出している。なお、停止した大当たり図柄配列は「555」の上方には、その旨を示唆する「成功!」という文字が表示されている。また、今回で獲得した勝負玉を全て使用したので、表示画面7aの左上には、残りの勝負玉を表す表示は消去される。そして、この大当たり後、遊技状態は高確高ベース状態から低確低ベース状態に移行して大当たり遊技が実行される。なお、この大当たり遊技では、当然ながら勝負玉が持ち越されることはない。
【0205】
一方、
図49(I)に示した専用リーチ演出で、変動パターンの情報がP67またはP71であり、専用リーチ演出として「5↓5」(ハズレ)が示されたときは、
図49(J)に示した勝負玉消化演出の結果、
図49(L)に示すように、表示画面7aで勝負玉失敗演出がおこなわれ、引き続き遊技状態は高確高ベース状態が維持される。なお、本例では、
図49(L)に示す勝負玉失敗演出ではハズレ図柄配列「575」が示されている。そして、このように高確高ベース状態が維持された遊技状態で、次に、例えば時短210回転目で、
図49(M)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な専用リーチ演出「8↓8」が実行される。しかして、この専用リーチ演出がおこなわれた時点では、手持ちの勝負玉は無くなっている。
【0206】
次に、
図49(N)に示すように、表示画面7aではバトル演出が実行される。上記したように、
図49(M)に示した専用リーチ演出がおこなわれた時点では、手持ちの勝負玉は無くなっているので、このバトル演出は、勝負玉消化演出に替えておこなわれる演出である。すなわち、勝負玉の残りがない状態で専用リーチSP5がおこなわれる場合には、勝負玉消化演出に替えて他の所定の演出(例えば、バトル演出、ストーリー演出、ステップアップ演出、ゾーン演出など)がおこなわれるようになっている。なお、このバトル演出は、遊技者側の味方キャラクタCRAと敵キャラクタCRBとがバトルする画像が表示され、味方キャラクタCRAが勝利すると、遊技者に有利な特典(大当たりなど)が付与されたり、遊技者に有利な特典がおこなわれることを示唆(大当たり後の確変状態の示唆など)したりする演出である。
【0207】
[勝負玉演出B]
次に、勝負玉演出の一実施形態である勝負玉演出Bについて
図50~
図52を用いて説明する。
図50~
図52は、勝負玉演出Bを説明するための図である。この勝負玉演出Bは、見かけ上、通常大当たり(内部では潜伏確変大当たり)となり、その大当たり遊技中に勝負玉を獲得する演出がおこなわれるとともに、大当たり遊技後の遊技状態が50回転まで高確時短状態(高確高ベース状態、時短50回転)となり、この時短50回転中に獲得した勝負玉を使用(消化)する演出である。
【0208】
図50を参照して、まず、
図50(A)に示すように、特別図柄の変動表示と同期して装飾図柄変動演出が実行される。この装飾図柄変動演出は、上述した
図48(A)と同様であるので、説明は省略する。
【0209】
次に、
図50(B)に示すように、表示画面7aでは大当たり確定演出が実行される。この大当たり確定演出は、
図50(A)に示した装飾図柄8L、8C、8Rの当該変動の結果が、大当たりしたことを示している。本例では、この大当たり図柄配列は「555」が示されている。ここで、上述したように、この大当たり図柄配列は「555」は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜確大当たり)または「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(通常大当たり)になる大当たりであり、ここでの大当たり図柄配列「555」は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜確大当たり)とする。
【0210】
次に、大当たり遊技が開始されると、
図50(C)に示すように、表示画面7aでは、ラウンド遊技中などに勝負玉獲得演出としてのバトル演出が表示される。このバトル演出は、上述した
図48(C)と同様であるので、説明は省略する。
【0211】
次に、
図50(D)に示すように、表示画面7aでは、大当たり遊技のエンディング中などに、バトル演出の結果としてのリザルト画面(勝負玉獲得結果演出)が表示される。本例では、このリザルト画面には青玉4個、緑玉1個、赤玉1個(勝負玉の合計個数6個)の勝負玉を獲得したことが示されている。なお、これは、
図46に示した勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60において、演出制御用マイコン91が勝負玉乱数値として43~62の何れかを取得した場合である。
【0212】
次に、大当たり遊技が終了すると遊技状態が高確時短状態(高確高ベース状態)となり、
図50(E)に示すように、表示画面7aでは、時短開始勝負玉演出が開始される。なお、ここでの時短開始勝負玉演出は、高確高ベース状態における装飾図柄変動演出がおこなわれるが、ただし、上述した
図48(E)に示した時短開始勝負玉演出と異なり、遊技者は、時短状態は認識できても、高確状態は認識し難くなっている。すなわち遊技者は、現在の遊技状態が、低確高ベース状態なのか高確高ベース状態なのかが判別し難くなっている。なお、表示画面7aの右上には、時短回数の残りを示す時短回数表示ZTが表示され、ここでは、時短回数表示ZTは、時短状態に移行してから最初の特別図柄の変動が開始された場合(時短回数が一回も消化されていない場合)であるので、デフォルト値としての50が示されている。なお、時短回数が50回に設定される理由については後述する。また、表示画面7aの左上には、直前の大当たり遊技で獲得した勝負玉が表示されている(青玉4個、緑玉1個、赤玉1個)。
【0213】
次に、
図50(F)に示すように、例えば時短28回転目で、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な専用リーチ演出が実行される。この専用リーチ演出は、上述した
図48(F)と同様であるので、説明は省略する。ただし、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとして23(当該変動も含めて時短回数残り23回)が示されている。
【0214】
次に、
図50(G)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行される。この勝負玉消化演出は、上述した
図48(G)と同様であるので、説明は省略する。ただし、この勝負玉消化演出では、時短回数表示ZTは、一旦消去される。
【0215】
次に、
図50(H)に示すように、表示画面7aでは勝負玉失敗演出が実行される。この勝負玉失敗演出は、上述した
図48(H)と同様であるので、説明は省略する。ただし、表示画面7aの左上には、
図50(F)に表示されていた勝負玉から、今回使用された青玉1個が差し引かれた勝負玉が表示される(青玉3個、緑玉1個、赤玉1個、勝負玉の合計個数5個)。また、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとしての23が再表示される。なお、この時短回数表示ZTは、次の装飾図柄8L、8C、8Rの変動時にカウントダウンされ、22が表示される。
【0216】
その後、時短29回転(時短回数残り22回)~時短40回転(時短回数残り11回)の間は、専用リーチ(SP5)が出現することなく、次に、
図51(I)に示すように、時短41回転目となり、時短回数表示ZTが10を示したとき、つまり時短回数が残り10回になったとき、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な強制専用リーチ演出が実行される。上述したように、時短回数が残り10回以下になったとき、毎回、強制的に専用リーチ演出(通常大当たりリーチまたは確変大当たりリーチ)が実行され、現在勝負玉が残っている場合に、リーチ種別に応じて
図47に示した優先順位で勝負玉が使用(消化)される。なお、この強制専用リーチ演出では、表示画面7aには「3↓3」(ハズレ、確変大当たりリーチ)が表示され、表示画面7aの左上には、勝負玉が表示され(青玉3個、緑玉1個、赤玉1個、勝負玉の合計個数5個)、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとして10(当該変動も含めて時短回数残り10回)が示されている。
なお、時短回数が50回に設定される理由は、このように時短回数が残り10回以下になったとき、毎回、強制的に勝負玉が使用(消化)し得る専用リーチ演出が実行されるので、高確時短状態で時短回数が残り10回になる前に大当たりになる確率が高いと、せっかくの専用リーチ演出が実行されなくなる確率が高くなるからである(本例では、高確状態における大当たり確率は、
図8に示す約1/100)。
【0217】
次に、
図51(J)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行される。この勝負玉消化演出は、上述した
図50(G)と同様であるので、説明は省略する。ただし、この勝負玉消化演出では、
図51(I)に示した強制専用リーチ演出として「3↓3」(ハズレ、確変大当たりリーチ)が表示されているので、ここでの勝負玉消化演出では、勝負玉として緑玉1個が使用される。
【0218】
次に、
図51(K)に示すように、表示画面7aでは勝負玉失敗演出が実行される。この勝負玉失敗演出は、上述した
図48(H)と同様であるので、説明は省略する。なお、ここでの勝負玉失敗演出では、ハズレ図柄配列として「373」が表示されている。また、表示画面7aの左上には、
図51(I)に表示されていた勝負玉から、今回使用された緑玉1個が差し引かれた勝負玉が表示される(青玉3個、赤玉1個、勝負玉の合計個数4個)。また、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとしての10が再表示される。
【0219】
次に、
図51(L)に示すように、時短42回転目となり、時短回数表示ZTが9を示したとき、つまり時短回数が残り9回になったとき、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な強制専用リーチ演出が続けて実行される。この強制専用リーチ演出では、表示画面7aには「5↓5」(ハズレ、通常大当たりリーチ)が表示され、表示画面7aの左上には、勝負玉が表示され(青玉3個、赤玉1個、勝負玉の合計個数4個)、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとして9(当該変動も含めて時短回数残り9回)が示されている。
【0220】
次に、
図51(M)に示すように、ハズレ図柄停止演出が実行される。このハズレ図柄停止演出は、
図51(L)に示したリーチの結果が、ハズレたことを示している。すなわち、このハズレ図柄停止演出は、
図51(L)に示した専用リーチ(SP5)がおこなわれたにも拘わらず、ボタン演出である勝負玉消化演出まで発展せずに、ハズレ図柄が停止する演出となっている。なお、表示画面7aには、ハズレ図柄配列として「575」が表示され、表示画面7aの左上には、勝負玉が表示され(青玉3個、赤玉1個、勝負玉の合計個数4個)、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとして9(当該変動も含めて時短回数残り9回)が示されている。ただし、勝負玉の表示は、
図51(L)に示した強制専用リーチ演出のときと整合しており、さらに、ハズレ図柄配列「575」の上方には、勝負玉失敗演出のような「失敗!」という文字は表示されていない。
【0221】
つまり、時短42回転目(当該変動も含めて時短回数残り9回)では、
図51(L)に示す強制専用リーチ演出がおこなわれたにも拘わらず、勝負玉消化演出は実行されず、
図51(M)に示すハズレ図柄停止演出がおこなわれている。これは、時短回数が残り10回になった時点で勝負玉の残数が5個(青玉3個、緑玉1個、赤玉1個)になっていたので、残り10回の時短全てで勝負玉消化演出をおこなうことができないことに起因する。なお、上述したように、残り10回の時短のうち、勝負玉消化演出をどの回の時短でおこなうかは、時短回数が残り10回になったとき、所定タイミング(例えば演出制御用マイコン91が主制御基板80から当該変動開始コマンドを受信したタイミング)で所定の乱数を取得することによりおこなう抽選等で決定する。ただし、時短回数が最後の1回のときは、強制的に勝負玉演出はおこなわれる。これにより、時短42回転目(当該変動も含めて時短回数残り9回)では、勝負玉消化演出はおこなわれずに、強制専用リーチ演出からハズレ図柄停止演出に移行したのである。
【0222】
その後、時短43回転目(当該変動も含めて時短回数残り8回)~時短49回転目(当該変動も含めて時短回数残り2回)の強制専用リーチ演出の所定回数目で勝負玉消化演出、勝負玉失敗演出が3回おこなわれ、その結果、勝負玉を3個消化し、残りの勝負玉の数が1個になったとする。なお、この間の勝負玉の使用順は、3回全てがハズレとなる強制専用リーチ(SP5)であることから、残っていた青玉3個、赤玉1個のうち、青玉3個が使用されて、従って残りの勝負玉は赤玉1個となっている。そして、次に、
図51(N)に示すように、時短50回転目(当該変動も含めて時短回数残り1回、最後の時短)で、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な強制専用リーチ演出が実行される。なお、ここでは、強制専用リーチ演出として「7↓7」(ハズレ、確変大当たりリーチ)が示されている。また、表示画面7aの左上には、勝負玉が表示され(赤玉1個、勝負玉の合計個数1個)、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとして1(当該変動も含めて時短回数残り1回)が示されている。
【0223】
次に、
図51(O)に示すように、表示画面7aでは
図49(J)と同様に勝負玉消化演出が実行され。ただし、この勝負玉消化演出で使用される勝負玉は、唯一残っている赤玉1個となる。本来であれば、専用リーチSP5として「7↓7」(ハズレ)が表示された場合、「緑玉」→「青玉」→「赤玉」→「金玉」の優先順位で使用されるが、この場合、緑玉および青玉が残っていなかったので赤玉が使用される。
【0224】
次に、
図51(P)に示すように、表示画面7aでは勝負玉失敗演出が実行される。この勝負玉失敗演出は、上述した
図48(H)と同様であるので、説明は省略する。なお、ここでの勝負玉失敗演出では、ハズレ図柄配列として「787」が表示されている。また、表示画面7aの左上は、
図51(N)に表示されていた勝負玉から、今回使用された赤玉1個が差し引かれた結果、勝負玉が無くなり、勝負玉が表示されなくなる。また、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとしての1が再表示され、これは、ハズレ図柄配列が「787」停止後、所定時間経過(例えば2秒)して確定すると消去される。これにより時短状態が終了したことが示唆される。
【0225】
一方、
図51(P)に示した勝負玉失敗演出に替えて、
図52(Q)に示すように、勝負玉確変示唆演出をおこなうようにしてもよい。上述したように、
図50(B)で示した大当たり図柄配列「555」は潜確大当たりであるので、今回の時短状態(時短50回転)が終了した後も、次の大当たりになるまで高確(確変)状態は、遊技者に判別し難い態様で継続する。そこで、最後の時短となる時短50回転目で強制専用リーチ演出の結果が大当たりにならない場合には、
図51(O)に示す勝負玉消化演出を経て、
図52(Q)に示す、現在の遊技状態が高確(確変)状態であることを示唆する勝負玉確変示唆演出をおこなうのである。この勝負玉確変示唆演出は、
図52(Q)に示すように、専用リーチSP5として左装飾図柄8Lと右装飾図柄8Rが停止した状態で「7↓7」を表示後、最後に中装飾図柄8Cが「!」(感嘆符、エクスクラメーションマーク)で停止し、「7!7」を表示する。さらに、「7!7」の上方には「確変!」という文字が表示されるようになっている。「7!7」は、ハズレ図柄配列であるものの、通常のハズレ図柄配列とは趣が異なり、さらに「7!7」の上方に「確変!」という文字が表示されるので、遊技者は、この時点で、現在の遊技状態が高確(確変)状態ではないかと推察する。
【0226】
次に、
図52(R)に示すように、表示画面7aでは、装飾図柄8L、8C、8Rが消去され、代わりに表示画面7aの中央に「確変確定」という文字が表示される。この「確変確定」の文字表示により、遊技者は、現在の遊技状態が高確(確変)状態であることを確信する。
【0227】
次に、
図52(S)に示すように、表示画面7aでは、時短状態が終了した後、最初の装飾図柄変動演出が実行される。この装飾図柄変動演出では、表示画面7aの右下に「確変中」という文字KHが表示される。この「確変中」という文字KHは、虹色の点滅表示など、遊技者に注意喚起させる態様でおこなわれ、次回大当たりになるまで継続して表示される。
【0228】
[勝負玉演出C]
次に、勝負玉演出の一実施形態である勝負玉演出Cについて
図53~
図55を用いて説明する。
図53~
図55は、勝負玉演出Cを説明するための図である。この勝負玉演出Cは、通常大当たりとなり、その大当たり遊技中に勝負玉を獲得する演出がおこなわれるとともに、大当たり遊技後の遊技状態が50回転まで低確時短状態(低確高ベース状態、時短50回転)となる。そして、この時短50回転中に獲得した勝負玉を全て消化する前に大当たりとなり、この大当たり遊技中に残った勝負玉を使用(消化)する演出である。
【0229】
図53を参照して、まず、
図53(A)に示すように、特別図柄の変動表示と同期して装飾図柄変動演出が実行される。この装飾図柄変動演出は、上述した
図50(A)と同様であるので、説明は省略する。
【0230】
次に、
図53(B)に示すように、表示画面7aでは大当たり確定演出が実行される。この大当たり確定演出は、
図53(A)に示した装飾図柄8L、8C、8Rの当該変動の結果が、大当たりしたことを示している。本例では、この大当たり図柄配列は「888」が示されている。ここで、上述したように、この大当たり図柄配列は「888」は、「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜確大当たり)または「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(通常大当たり)になる大当たりであり、ここでの大当たり図柄配列「888」は、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(通常大当たり)とする。
【0231】
次に、大当たり遊技が開始されると、
図53(C)に示すように、表示画面7aでは、ラウンド遊技中などに勝負玉獲得演出としてのバトル演出が表示される。このバトル演出は、上述した
図50(C)と同様であるので、説明は省略する。
【0232】
次に、
図53(D)に示すように、表示画面7aでは、大当たり遊技のエンディング中などに、バトル演出の結果としてのリザルト画面(勝負玉獲得結果演出)が表示される。本例では、このリザルト画面には青玉4個、緑玉1個、赤玉3個、金玉2個(勝負玉の合計個数10個)の勝負玉を獲得したことが示されている。なお、これは、
図46に示した勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60において、演出制御用マイコン91が勝負玉乱数値として249~252の何れかを取得した場合である。
【0233】
次に、大当たり遊技が終了すると遊技状態が低確時短状態(低確高ベース状態)となり、
図53(E)に示すように、表示画面7aでは、時短開始勝負玉演出が開始される。なお、ここでの時短開始勝負玉演出は、低確高ベース状態における装飾図柄変動演出がおこなわれる。なお、表示画面7aの右上には、
図50(E)と同様に時短回数の残り(50)を示す時短回数表示ZTが表示され、また、表示画面7aの左上には、直前の大当たり遊技で獲得した勝負玉が表示されている(青玉4個、緑玉1個、赤玉3個、金玉2個、勝負玉の合計個数10個)。
【0234】
次に、
図53(F)に示すように、例えば時短28回転目で、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な専用リーチ演出が実行される。この専用リーチ演出は、上述した
図50(F)と同様であるので、説明は省略する。
【0235】
次に、
図53(G)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行される。この勝負玉消化演出は、上述した
図50(G)と同様であるので、説明は省略する。
【0236】
次に、
図53(H)に示すように、表示画面7aでは勝負玉失敗演出が実行される。この勝負玉失敗演出は、上述した
図50(H)と同様であるので、説明は省略する。ただし、表示画面7aの左上には、
図50(F)に表示されていた勝負玉から、今回使用された青玉1個が差し引かれた勝負玉が表示される(青玉3個、緑玉1個、赤玉3個、金玉2個、勝負玉の合計個数9個)。
【0237】
その後、時短29回転(時短回数残り22回)~時短40回転(時短回数残り11回)の間は、専用リーチ(SP5)が2回出現(ともにハズレリーチ)して、青玉1個と緑玉1個を消化したとする。次に、
図54(I)に示すように、時短41回転目となり、時短回数表示ZTが10を示したとき、つまり時短回数が残り10回になったとき、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な強制専用リーチ演出が実行される。この強制専用リーチ演出は、上述した
図50(I)と同様であるので、説明は省略する。ただし、表示画面7aには「9↓9」(大当たり、通常大当たりリーチ)が表示され、表示画面7aの左上には、勝負玉が表示されている(青玉2個、赤玉3個、金玉2個、勝負玉の合計個数5個)。
【0238】
次に、
図54(J)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行される。この勝負玉消化演出は、上述した
図53(G)と同様であるので、説明は省略する。ただし、この勝負玉消化演出では、
図54(I)に示した強制専用リーチ演出として「9↓9」(大当たり、通常大当たりリーチ)が表示されているので、ここでの勝負玉消化演出では、勝負玉として赤玉1個が使用される。
【0239】
次に、
図54(K)に示すように、表示画面7aでは勝負玉成功演出が実行される。この勝負玉成功演出は、上述した
図49(K)と同様であるので、説明は省略する。なお、ここでの勝負玉成功演出では、大当たり図柄配列として「999」が表示されている。また、表示画面7aの左上には、
図54(I)に表示されていた勝負玉から、今回使用された赤玉1個が差し引かれた勝負玉が表示される(青玉2個、赤玉2個、金玉2個、勝負玉の合計個数6個)。つまり、これらの勝負玉は、次におこなわれる大当たり遊技に持ち越される。また、表示画面7aの右上には、時短回数表示ZTとしての10が再表示される。
【0240】
次に、
図54(L)に示すように、表示画面7aでは大当たり遊技演出が実行される。ここで、この大当たり遊技演出では、上述した
図53(C)に示した勝負玉獲得演出としてのバトル演出はおこなわれることはない。つまり、今回の大当たり遊技では、勝負玉は獲得されることはない。なお、表示画面7の中央には「大当たり遊技開始!」という文字が表示され、また、表示画面7aの右上には、今回大当たりになった大当たり図柄配列OZH(「999」)が表示されている。
【0241】
次に、
図54(M)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化昇格演出が実行される。この勝負玉消化昇格演出は、大当たり遊技のラウンド遊技中などにおこなわれる、今回の大当たりである通常大当たりから確変大当たりに昇格するか否かの演出である。この勝負玉消化昇格演出は、演出内容は、上述した
図54(J)などに示した勝負玉消化演出と基本的に同様であり、詳しい説明は省略するが、ここで使用(消化)される勝負玉は、今回の大当たり遊技に持ち越した勝負玉全てとなる。つまり、
図54(M)に示すように、勝負玉消化昇格演出では、表示画面7aの中央で遊技者に演出ボタン63の操作を促すための画像が表示され、その画像の上には今回の大当たり遊技に持ち越した全ての勝負玉(青玉2個、赤玉2個、金玉2個)が表示されるようになっている。なお、表示画面7aの右上には、今回大当たりになった大当たり図柄配列OZH(「999」)が継続して表示されている。
【0242】
次に、
図54(N)に示すように、表示画面7aでは勝負玉昇格成功演出が実行される。この勝負玉昇格成功演出では、演出ボタン63の有効操作期間中に遊技者が演出ボタン63を押下操作した結果、表示画面7aの右上に表示されていた大当たり図柄配列OZH(「999」)が消去され、表示画面7aの中央には確変大当たり図柄配列である「LUCKY999」が確定表示される。この「LUCKY999」は、
図54(K)に示した通常大当たり図柄配列「999」において、装飾図柄8L、8C、8Rそれぞれに「LUCKY」の文字が重畳して表示される態様で、これにより、今回の大当たりである通常大当たり(「999」)が、確変大当たり(「LUCKY999」)に昇格したことを示している。すなわち、この確変大当たり図柄配列「LUCKY999」が示されることにより、大当たり遊技に持ち越した全ての勝負玉を使用(消化)して、遊技者に有利な特典が付与されたこと(勝負玉昇格成功)を演出している。なお、確変大当たり図柄配列「LUCKY999」の上方には、その旨を示唆する「昇格!」という文字が表示されている。その後、大当たり遊技が終了し、遊技状態が次回大当たりまで高確時短状態(高確高ベース状態)となり、表示画面7aでは装飾図柄8L、8C、8Rの変動表示が開始される。ただし、この高確時短状態(高確高ベース状態)へは、持ち越される勝負玉は無い。
【0243】
なお、上述した
図54(K)に示した大当たり図柄配列としての「999」は、見かけ上、通常大当たり図柄配列であるが、内部的には確変大当たりとなっている。つまり、演出制御用マイコン91は、一旦、通常大当たりを示した後、大当たり遊技中の昇格演出(勝負玉消化昇格演出)により、この通常大当たり図柄配列を確変大当たり図柄配列(「LUCKY999」)に昇格させ、これにより遊技者に確変大当たりになったことを報知する演出をおこなったのである。
【0244】
ここで、勝負玉消化昇格演出について、
図56を用いて説明する。
図56は、勝負玉消化昇格演出を説明するための図である。上述したように、
図54(M)に示した勝負玉消化昇格演出では、今回の大当たり遊技に持ち越した勝負玉全てを使用(消化)して、確変大当たりに昇格するか否かの演出をおこなうようになっている。しかして、
図56に示すように、勝負玉消化昇格演出で成功(失敗)して確変大当たりに昇格するか否かは、大当たり遊技に持ち越した勝負玉の数と種別に応じて決定されるようになっている。
図56を参照して、勝負玉消化昇格演出で成功する勝負玉の数と種別は、「金玉2個以上」、「金玉1個、赤玉1個、緑玉1個以上」、「赤玉2個、緑玉1個以上」、「赤玉1個、緑玉2個、青玉1個以上」、「種別を問わず5個以上」であり、勝負玉消化昇格演出で失敗する勝負玉の数と種別は、上記以外となっている。例えば、青玉5個を持ち越した場合は勝負玉消化昇格演出で成功し、赤玉2個、青玉2個を持ち越した場合は失敗となる。なお、
図54(M)に示した勝負玉消化昇格演出では、青玉2個、赤玉2個、金玉2個が持ち越されていたので成功となっている。ただし、仮に、
図54(K)に示した大当たり図柄配列としての「999」が、内部的にも通常大当たりである場合には、青玉2個、赤玉2個、金玉2個が持ち越された場合であっても、すなわち、
図56に示した勝負玉消化昇格演出で成功する勝負玉の数と種別が持ち越された場合であっても、
図54(M)に示した勝負玉消化昇格演出は実行されることはない。
【0245】
図54に戻って、一方、
図53(D)に示した勝負玉獲得結果演出に替えて、表示画面7aでは、
図54(O)に示すような勝負玉獲得結果演出が実行されたとする。この勝負玉獲得結果演出におけるリザルト画面では、
図53(C)に示したバトル演出(勝負玉獲得演出)の結果、青玉3個、緑玉1個、赤玉1個(勝負玉の合計個数5個)の勝負玉を獲得したことが示されている。なお、これは、
図46に示した勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60において、演出制御用マイコン91が勝負玉乱数値として22~42の何れかを取得した場合である。
【0246】
次に、大当たり遊技が終了すると遊技状態が低確時短状態(低確高ベース状態)となり、
図54(P)に示すように、表示画面7aでは、時短開始勝負玉演出が開始される。この時短開始勝負玉演出は、上述した
図53(E)と同様であるので、説明は省略する。ただし、表示画面7aの左上には、直前の大当たり遊技で獲得した勝負玉が表示されている(青玉3個、緑玉1個、赤玉1個、勝負玉の合計個数5個)。
【0247】
その後、時短1回転(時短回数残り50回)~時短40回転(時短回数残り11回)の間は、専用リーチ(SP5)が2回出現(ともにハズレリーチ)して、青玉1個と緑玉1個を消化したとする。次に、
図55(Q)に示すように、時短41回転目となり、時短回数表示ZTが10を示したとき、つまり時短回数が残り10回になったとき、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行可能な強制専用リーチ演出が実行される。この強制専用リーチ演出は、上述した
図54(I)と同様であるので、説明は省略する。ただし、表示画面7aの左上には、勝負玉が表示されている(青玉2個、赤玉1個、勝負玉の合計個数3個)。
【0248】
次に、
図55(R)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化演出が実行される。この勝負玉消化演出は、上述した
図54(J)と同様であるので、説明は省略する。
【0249】
次に、
図55(S)に示すように、表示画面7aでは勝負玉成功演出が実行される。この勝負玉成功演出は、上述した
図54(K)と同様であるので、説明は省略する。ただし、今回の大当たり図柄配列としての「999」は、内部的にも通常大当たりとなっている。また、表示画面7aの左上には、
図55(Q)に表示されていた勝負玉から、今回使用された赤玉1個が差し引かれた勝負玉が表示される(青玉2個、勝負玉の合計個数2個)。つまり、この青玉2個の勝負玉は、次におこなわれる大当たり遊技に持ち越される。
【0250】
次に、
図55(T)に示すように、表示画面7aでは大当たり遊技演出が実行される。ここで、この大当たり遊技演出では、上述した
図54(L)とは異なり、
図53(C)に示した勝負玉獲得演出としてのバトル演出は実行されるようになっており、これについては後述する。その他は、
図54(L)と同様であるので、説明は省略する。
【0251】
次に、
図55(U)に示すように、表示画面7aでは勝負玉消化昇格演出が実行される。この勝負玉消化昇格演出は、上述した
図54(M)と同様であるので、説明は省略する。ただし、ここで使用(消化)される勝負玉は、今回の大当たり遊技に持ち越した全ての勝負玉(青玉2個)が表示される。
【0252】
次に、
図55(V)に示すように、表示画面7aでは勝負玉昇格失敗演出が実行される。この勝負玉昇格失敗演出では、演出ボタン63の有効操作期間中に遊技者が演出ボタン63を押下操作した結果、表示画面7aの右上に表示されていた大当たり図柄配列OZH(「999」)が消去され、表示画面7aの中央には、消去された大当たり図柄配列OZHと同じ大当たり図柄配列「999」(通常大当たり図柄配列)が確定表示される。これにより、今回の大当たりである通常大当たり(「999」)は、確変大当たりへの昇格に失敗したことを示している。すなわち、この通常大当たり図柄配列「999」が示されることにより、大当たり遊技に持ち越した全ての勝負玉を使用(消化)したにも拘わらず、遊技者に有利な特典が付与されなかったたこと(勝負玉昇格失敗)を演出している。なお、通常大当たり図柄配列「999」の上方には、その旨を示唆する「昇格失敗!」という文字が表示されている。ただし、仮に、今回の大当たり遊技に、
図56に示した勝負玉消化昇格演出で成功する勝負玉の数と種別が持ち越された場合には、
図55(U)に示した勝負玉消化昇格演出は実行されないようになっている。
【0253】
次に、
図55(W)に示すように、表示画面7aでは勝負玉獲得演出が実行される。上述の
図54(N)に示したように、勝負玉昇格成功演出がおこなわれた場合には、その後の大当たり遊技中に、勝負玉獲得演出は実行されないのであるが、
図55(V)に示す勝負玉昇格失敗演出がおこなわれた場合には、その後の大当たり遊技中に、
図55(W)に示すように勝負玉獲得演出が実行されるようになっている。これは、大当たり遊技に持ち越した全ての勝負玉を使用(消化)したにも拘わらず昇格に失敗した遊技者の救済措置として、再び勝負玉の獲得チャンスを与えるためである。なお、この
図55(W)に示す勝負玉獲得演出は、上述した
図53(C)と同様であるので、説明は省略する。
【0254】
次に、
図55(X)に示すように、表示画面7aでは、バトル演出の結果としてのリザルト画面(勝負玉獲得結果演出)が表示される。本例では、このリザルト画面には青玉3個、緑玉2個、赤玉2個、金玉1個(勝負玉の合計個数8個)の勝負玉を獲得したことが示されている。なお、これは、
図46に示した勝負玉獲得演出パターン決定テーブルT60において、演出制御用マイコン91が勝負玉乱数値として175~186の何れかを取得した場合である。これにより、遊技者は、この大当たり遊技中に、持ち越した全ての勝負玉を一旦消化したものの、再び新らたな勝負玉を獲得することができる。
【0255】
[効果例]
以下に、勝負玉演出の効果例を示す。
[効果1]
上記実施形態の遊技機1では、
図48~
図56に示すように、第1演出、第2演出を実行可能であり、第1演出(勝負玉獲得演出)は、特定表示(勝負玉)の獲得に係わる演出表示であり、第2演出表示(勝負玉消化演出、勝負玉消化昇格演出)は、第1演出表示で特定表示を獲得した場合、該獲得した特定表示を使用し、遊技者に有利な所定遊技(例えば大当たり遊技、確変遊技)に係わる情報を示唆(例えば大当たりになる期待度の示唆、確変状態であることの示唆)し得る演出表示であって、図柄の変動表示または大当たり遊技に係わっておこなわれる構成になっている。この構成によれば、遊技者は、特定表示を獲得できるか否かや、特定表示を獲得した場合、どの図柄の変動や大当たり遊技で使用されるかに関心を持ちながら遊技をおこなうことができる。また、特定表示を獲得したときや、特定表示が使用(消化)されたときは、大いなる期待を持って遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0256】
[効果2]
上記実施形態の遊技機1では、
図48~
図56に示すように、第1演出表示は、特定表示を複数獲得可能な演出表示であり、第2演出表示で獲得した特定表示を使用した場合には、該使用された特定表示は消化される構成になっている。この構成によれば、遊技者は、特定表示をいくつ獲得できるかや、特定表示はいつ使用されて消化されるかに関心を持ちながら遊技をおこなうことができる。また、特定表示を多く獲得したときは、大いなる期待を持って遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0257】
[効果3]
上記実施形態の遊技機1では、
図48~
図56(特に、
図47、
図56)に示すように、第1演出表示は、特定表示を複数種類(青玉、緑玉、赤玉、金玉)獲得可能な演出表示であり、複数種類の特定表示は、第1種特定表示(例えば金玉)を含み、第2演出表示で第1種特定表示を使用した場合には、該第1種特定表示を使用しなかったときよりも遊技者に有利な特典(例えば大当たり、確変、時短、リーチ、確変昇格)が付与されやすい構成になっている。この構成によれば、遊技者は、第2演出表示で第1種特定表示が使用された場合には、極めて大きな期待感を持って遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0258】
[効果4]
上記実施形態の遊技機1では、
図48~
図56に示すように、第1演出表示は、大当たり遊技中におこなわれ、第2演出表示は、時短遊技中の図柄の変動表示に係わっておこなわれる構成になっている。この構成によれば、大当たり遊技で獲得した特定表示は、大当たり遊技後におこなわれる時短遊技(時短且つ確変状態の遊技であってもよい)で直ちに使用されることになる。これにより、獲得した特定表示はスピーディーに使用されることになり、第2演出表示の演出効果をより高めることができる。また、遊技者は、第2演出表示がおこなわれる時短遊技に、より一層の期待感を持って臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0259】
[効果5]
上記実施形態の遊技機1では、
図50~
図52(特に
図52(Q))に示すように、時短遊技は、遊技状態が低確時短状態(低確高ベース状態)と、高確時短状態(高確高ベース状態)とがあり、低確時短と高確時短の遊技状態は、遊技者に判別し難い態様でおこなわれ(いわゆる潜確)、時短遊技が高確時短状態である場合に第2演出表示がおこなわれたときは、該第2演出表示は、時短が高確時短状態であることを示唆し得る構成になっている。この構成によれば、遊技者は、現在おこなわれている時短が第2演出表示で高確時短状態であることを示唆されたときは、時短(電チューサポート)が終了した後の遊技状態は、引き続き高確状態(高確低ベース状態)になることを予知することができる。これにより、遊技者は、第2演出表示で高確時短状態の示唆があったときは、大いなる喜びをもって遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0260】
[効果6]
上記実施形態の遊技機1では、
図48~
図56に示すように、図柄の変動表示は、特定リーチ(専用リーチ、SP5)を含み、第2演出表示は、特定表示が有る場合に特定リーチの発生に係わっておこなわれる構成になっている。この構成によれば、遊技者は、特定表示が有る場合に特定リーチになったときは、第2演出表示がおこなわれることを予感することができる。これにより、遊技者は、特定リーチになったときは、大きな期待感を持って遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0261】
[効果7]
上記実施形態の遊技機1では、
図48、
図49(特に
図49(N))に示すように、第3演出表示を実行可能であり、第3演出表示は、特定表示が無い場合に特定リーチが発生したときにおこなわれる演出表示(例えば、バトル演出、ストーリー演出、ステップアップ演出、ゾーン演出など)である構成になっている。この構成によれば、特定表示が無い場合に特定リーチになったときは、特定表示が有る場合に特定リーチになったときにおこなわれる第2演出表示に替えて、第3演出表示がおこなわれるので、たとえ特定表示が無い場合に特定リーチが発生したときでも、遊技者は、落胆することなく、第3演出表示を楽しむことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0262】
[効果8]
上記実施形態の遊技機1では、
図50~
図55に示すように、時短遊技中における図柄の変動表示の残りの変動回数(時短回数)が所定回数(例えば、残り10回)になったときは、図柄の変動表示は、毎変動、第2演出表示がおこなわれ得る特定リーチになる構成になっている。この構成によれば、時短回数が所定回数になると、図柄の変動表示が毎変動特定リーチになって第2演出表示がおこなわれ得るので、遊技者は、時短回数が所定回数になると、大きな期待感を持って遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、時短回数の残りが所定回数(例えば、残り10)になった時点で特定表示の残数が所定回数以下(例えば、残り5)のときは、所定のタイミングで乱数を用いた抽選等により、第2演出表示をおこなう時短の回を決定するようにすればよい。ただし、時短回数が最後の1回のときは、強制的に第2演出表示をおこなうのが望ましい。このようにすれば、時短回数が最後の1回は、必ず第2演出表示がおこなわれることになり、遊技者は、時短最後の1回は、大きな期待感を持って遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、時短回数の残りが所定回数(例えば、残り10)以下となって特定リーチがおこなわれたにも拘わらず、第2演出表示が実行されないときにおこなう特定表示非使用演出は、次のようにすればよい。すなわち、第2演出表示は、最終発展先として、特定表示を使用(消化)する最終演出(例えばボタン演出)をおこなう演出とし、特定表示非使用演出は、第2演出表示のうちの最終演出のみを省略した演出としておこなうようにすればよい。このようにすれば、遊技者は、特定表示非使用演出がおこなわれた場合であっても、特定表示非使用演出の最後を見るまでは、第2演出表示がおこなわれるかもしれないという期待感を持って遊技に臨むことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる(
図51(L)、(M)参照)。
【0263】
[効果9]
上記実施形態の遊技機1では、
図53~
図56に示すように、第4演出表示を実行可能であり、第4演出表示は、特定表示が全て消化される前に大当たりになったとき、当該大当たり遊技中におこなわれる、当該大当たりが確変大当たりに昇格するか否かの確変昇格演出表示(勝負玉消化昇格演出)であり、確変昇格演出表示は、特定表示が消化されずに残った数または種別(青玉、緑玉、赤玉、金玉)に応じて、当該大当たりが確変大当たりに昇格する確率が変化する態様でおこなわれる構成になっている。この構成によれば、遊技者は、時短遊技で特定表示を残したまま大当たりすれば確変昇格演出表示がおこなわれることを予感できるので、時短遊技で特定表示を残したまま大当たりできるか否かのスリル(ドキドキ感)を楽しむことができる。また、確変昇格演出表示は、特定表示が消化されずに残った数または種別に応じて、確変大当たりに昇格する確率が変化するので、遊技者は、どの種別の特定表示がいくつ残ったかにも大いなる関心を持って時短遊技を楽しむことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0264】
[変形例]
以下に、勝負玉演出の変形例を示す。
[変形例1]
上記実施形態の遊技機1では、
図9に示したように、第2特別図柄(特
図2)では大当たり種別として「16R(実質13R)V通過予定大当たり」は設定されていないが、これは設定するようにしてもよい。このようにすると、第2特別図柄(特
図2)に係わって潜伏確変状態を発生させることができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0265】
[変形例2]
上記実施形態の遊技機1では、
図10~
図11に示したように、勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチとしてのSP5は、時短状態のときのみ発生するようにしたが、これは非時短状態にも発生するようにしてもよい。そして、この場合、大当たり遊技で獲得した勝負玉は、直後の時短遊技で全て消化されず、当該時短状態が終了して通常状態(非時短状態)に勝負玉を持ち越し、この通常状態で専用リーチSP5が発生して持ち越した勝負玉を消化するようにすればよい。あるいは、大当たり終了後時短状態に移行しない(通常状態に移行する)大当たり種別を設け、当該大当たりで獲得した勝負玉は、直後の通常遊技で消化するようにしてもよい。このようにすると、非時短状態においても勝負玉演出をおこなうことが可能になり、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、
図54(M)に示したように、時短遊技で全て消化されずに大当たりして該大当たり遊技に持ち越した勝負玉は、勝負玉消化昇格演出で全て消化されるようにしたが、これは全て消化しないようにしてもよい。そして、残った勝負玉は、
図54(N)に示す勝負玉昇格成功演出が実行されて昇格に成功した後、直後におこなわれる時短遊技に持ち越すようにすればよい。
また、勝負玉が消化される演出がおこなわれ得る専用リーチは、SP5以外であってもよい(例えばSP4)。さらに、専用リーチとしてのSP5は、変動時間を80000msecとしたが、例えば変動時間は10000msecと短めの尺に設定し、勝負玉消化演出において最後にボタン演出をおこない、ボタン一撃(ボタン一回の操作)で成功/失敗(勝敗)が決まるような単純なリーチにしてもよい。特に、時短回数が残り10回になったときにおこなわれる強制専用リーチの場合に、このように短めの尺に設定した専用リーチSP5を適用すれば、短期間の間に多くの勝負玉消化演出がおこなわれて成功/失敗(勝敗)が決まるので、遊技者は、勝負玉消化演出の結果が迅速に判ることができ、遊技(残り10回の時短遊技)をスムーズに遂行できる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0266】
[変形例3]
上記実施形態の遊技機1では、
図37、
図46に示したように、勝負玉獲得演出パターン決定処理は、演出制御用マイコン91が主制御基板80からオープニングコマンドを受信したタイミングで勝負玉乱数を取得することにより、大当たり遊技中に獲得する勝負玉の個数と種別を決定するようにしたが、これは他のタイミングで勝負玉乱数を取得して決定するようにしてもよい。例えば、このタイミングとしては、演出制御用マイコン91が主制御基板80からオープニングコマンド以外のコマンドを受信したタイミングや、演出制御用マイコン91が画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、中継基板108に各種コマンドを送信したタイミングなどが挙げられる。
また、勝負玉獲得演出パターン決定処理において、勝負玉は、
図46に示した数や種別以外で決定するようにしてもよい。さらには、勝負玉獲得演出パターン決定処理において大当たり遊技中に獲得する勝負玉の個数と種別は、当該大当たりの種別を考慮して決定するようにしてもよい。例えば、当該大当たりの種別が「16RV通過予定大当たり」のときは、
図46において勝負玉乱数値を「187~255」の中から取得するようにしてもよい。また「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」のときは、
図46において勝負玉乱数値を「0~116」の中から取得するようにしてもよい。このようにすると、大当たりの種別に応じて、獲得した勝負玉の数や期待度(遊技者により有利な特典が付与される期待度)に偏りを持たせることができる。したがって、「16RV通過予定大当たり」のときは期待度の高い勝負玉を多く獲得できる確率が高くなり、「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」のときは期待度の低い勝負玉を多く獲得できる確率が高くなる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0267】
[変形例4]
上記実施形態の遊技機1では、
図48~
図56に示したように、「777」および「333」以外の大当たり図柄配列(「16R(実質13R)V通過予定大当たり」(潜確大当たり)または「16R(実質13R)V非通過予定大当たり」(通常大当たり)になる大当たり図柄配列)は、その他の数字のゾロ目(「555」、「888」、「999」など)で例示したが、これは、数字以外の記号(マーク、文字、アイコン、絵柄など)であってもよい。また、
図52(Q)に示した勝負玉確変示唆演出で、最後に停止する中装飾図柄8Cを「!」(感嘆符、エクスクラメーションマーク)で停止させて「7!7」を表示し、現在の遊技状態が高確(確変)状態であることを示唆するようにしたが、これは、「!」以外の記号(マーク、文字、アイコン、絵柄など)であってもよい。
さらには、例えば
図49(K)に示した勝負玉成功演出では、停止した大当たり図柄配列「555」の上方に勝負玉演出で成功した旨を示唆する「成功!」という文字を表示するようにしたが、これは、勝負玉成功演出では、「成功!」という文字のみを表示画面7a一杯に表示して勝負玉演出で成功した旨を示唆し、その後、画面を切り替えて大当たり図柄配列「555」を表示するようにしてもよい。同様に、例えば
図49(L)に示した勝負玉失敗演出では、「失敗!」という文字のみを表示画面7a一杯に表示して勝負玉演出で失敗した旨を示唆し、その後、画面を切り替えてハズレ図柄配列「575」を表示するようにしてもよい。すなわち、勝負玉消化演出がおこなわれた後、大当たり図柄配列またはハズレ図柄配列が表示される前に、図柄以外の記号(マーク、文字、アイコン、絵柄など)を介在させて、勝負玉演出の成功/失敗を示唆するようにしてもよい。なお、これは、
図54(N)に示した勝負玉昇格成功演出や
図55(V)に示した勝負玉昇格失敗演出においても同様である。このようにすると、遊技者にさらにインパクトのある勝負玉演出をおこなうことができる。
【0268】
[変形例5]
上記実施形態の遊技機1では、
図48~
図56に示したように、勝負玉獲得演出は大当たり遊技中におこなわれるようにしたが、これは、時短遊技中におこなうようにしてもよい。例えば、時短遊技開始後の最初の図柄変動中におこなうようにしてもよい。また、遊技機1は、第1大入賞装置31の内部にV領域(特定領域)39を設け、大当たり遊技中にV領域(特定領域)39を遊技球が通過すると、大当たり終了後高確率状態へ移行するタイプで説明したが、これは、V領域(特定領域)39のないタイプの遊技機(いわゆる確変ループ機。確変大当たりのときは、大当たり終了後、次回大当たりするまで高確高ベース状態となる遊技機)であってもよい。あるいは、遊技機1は、確変(高確高ベース)状態が次回大当たりするまで継続することなく、確変(高確高ベース)状態で所定回数(例えば100回)図柄の変動がおこなわれたときに、通常(低確低ベース)状態に移行するタイプの遊技機(いわゆるST機またはV-ST機。ST機はV領域(特定領域)のないタイプ、V-ST機はV領域(特定領域)のあるタイプ)であってもよい。また、遊技機1は、第2大入賞装置36を設け、大当たり遊技は、第1大入賞装置31と第2大入賞装置36を所定の開放パターンで開放しておこなうようにしたが、第2大入賞装置36は省略し、第1大入賞装置31のみを開放しておこなうようにしてもよい。
【0269】
[その他の変形例]
上述の種々の表示演出において、その一部の演出を含んでいない構成や、上述した以外の演出が含まれていてもよい。
【0270】
上記実施形態の遊技機1は、パチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ遊技機に代えて、スロットマシン等の回胴式遊技機、アレンジボール遊技機、または、雀球遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。遊技機1をスロットマシンとする場合には、遊技媒体を遊技球から遊技メダルに変更すればよい。
【0271】
上記実施形態の遊技機1では、遊技者に操作させる操作部として演出ボタン63を備えているが、これに限られず、遊技者に操作させる操作部として、レバーや、トリガーなどを用いてもよい。また、上記実施形態の遊技機1における表示演出において、演出ボタン63を表すボタン画像を用いて表示演出を実行する場合があるが、これに代えて剣部材64を表す画像を用いて表示演出を実行するようにしてもよいし、レバーやトリガーを表す画像を用いて表示演出を実行するようにしてもよい。
【0272】
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
【0273】
また、上述した複数の演出例および/または変形例のうち、2つ以上の演出例および/または変形例を組み合わせてもよい。さらに、遊技機1は、画像表示装置7の他にサブ表示装置を備えてもよい。この場合、上述した表示演出を当該サブ表示装置で実行するようにしてもよい。
【0274】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0275】
1…遊技機
3…遊技領域
7…画像表示装置
9A,9B…保留画像(保留アイコン)
9C…当該保留画像
14…第1可動役物
15…第2可動役物
20…第1始動口(第1入球口)
21…第2始動口(第2入球口)
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン
101…画像制御用マイコン