(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】プラグ抜け止め装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
(21)【出願番号】P 2019200375
(22)【出願日】2019-11-04
【審査請求日】2020-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】519283901
【氏名又は名称】澤口 孔志
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】澤口 孔志
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-103280(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0214201(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0234988(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0278794(US,A1)
【文献】特開2009-93950(JP,A)
【文献】特開2012-248355(JP,A)
【文献】登録実用新案第3162496(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0052018(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0486181(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56 -13/72
A44B 13/00 -18/00
F16L 3/00 - 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプラグと、前記第1のプラグよりもサイズが大きい第2のプラグとを有するケーブルの前記第2のプラグによって接続される機器に装着するプラグ抜け止め装置であって、
前記第1のプラグのプラグカバーを貫通可能かつ前記第2のプラグのプラグカバーに当接可能な
サイズの内径を持つリングと、
前記リングによって両端が連結されバンドを形成する帯状部材と、
を備え、
前記リングが前記第2のプラグのプラグカバーに当接した状態を維持するように、
前記バンドが、前記機器への前記第2のプラグの挿入方向に沿って前記機器に装着されることで、前記第2のプラグの引き抜き方向への移動を抑止す
るプラグ抜け止め装置。
【請求項2】
第1のプラグと、前記第1のプラグよりもサイズが大きい第2のプラグとを有するケーブルの前記第2のプラグによって接続される機器に装着するプラグ抜け止め装置であって、
前記第1のプラグのプラグカバーを貫通可能かつ前記第2のプラグのプラグカバーに当接可能な開口が設けられ、
バンドを形成する帯状部材を備え、
前記開
口が前記第2のプラグのプラグカバーに当接した状態を維持するように、
前記バンドが、前記機器への前記第2のプラグの挿入方向に沿って前記機器に装着されることで、前記第2のプラグの引き抜き方向への移動を抑止す
るプラグ抜け止め装置。
【請求項3】
前記
帯状部材は、伸縮可能なシリコンゴムで構成さ
れている請求項2のプラグ抜け止め装置。
【請求項4】
前記第2のプラグは、前記機器のUSBタイプAのコネクタに接続するプラグである請求項1から
3いずれか一のプラグ抜け止め装置。
【請求項5】
第1のプラグと、前記第1のプラグよりもサイズが大きい第2のプラグとを有するケーブルの前記第2のプラグによって接続される機器に装着するプラグ抜け止め装置であって、
前記第2のプラグの挿入方向に沿って前記機器に装着される帯状部材と、
前記帯状部材の両端に取り付けられ、それぞれが前記第1のプラグのプラグカバーを貫通可能かつ前記第2のプラグのプラグカバーに当接可能な1対の
リングと、を備え、
前記1対の
リングのうちの1つが前記第2のプラグのプラグカバーに当接し、かつ、前記1対の
リングのうちの他の1つが前記プラグカバーに当接する
リングと重なった状態で、前記帯状部材を前記機器に取り付けることで、前記第2のプラグの移動を抑止可能なプラグ抜け止め装置。
【請求項6】
第1のプラグと、前記第1のプラグよりもサイズが大きい第2のプラグとを有するケーブルの前記第2のプラグによって接続される機器に装着するプラグ抜け止め装置であって、
前記第2のプラグの挿入方向に沿って前記機器に装着される帯状部材と、
前記帯状部材の両端に
設けられ、それぞれが前記第1のプラグのプラグカバーを貫通可能かつ前記第2のプラグのプラグカバーに当接可能な1対の開口
部と、を備え、
前記1対の開口
部のうちの1つが前記第2のプラグのプラグカバーに当接し、かつ、前記1対の開口
部のうちの他の1つが前記プラグカバーに当接する開口
部と重なった状態で、前記帯状部材を前記機器に取り付けることで、前記第2のプラグの移動を抑止可能なプラグ抜け止め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種のコネクタを有する機器に装着するプラグ抜け止め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、簡単な構造でプラグ抜け防止機構を実現できるというコネクタの抜け防止装置が開示されている。同文献によると、USB(Universal Serial Bus)デバイス等のプラグ側(オス部)の外形寸法と装置側レセプタクル(メス部)の内径寸法の寸法差による、ピンコンタクト部分に存在する隙間を利用した「抜け防止機構」が開示されている。具体的には、この「抜け防止機構」は、マイラーなどの物質で作られたシート状の素材で構成され、その挟み込みパーツ部分をUSBコネクタの隙間に挿入することで、嵌合力の増強をする構成となっている。
【0003】
特許文献2には、USBケーブルを挟持可能なホルダを備えたストラップが開示されている。特許文献3には、USBコネクタの近傍のUSBケーブルを、クランク状に固定するUSBケーブル固定ガイドを備えた脱落防止機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-234404号公報
【文献】特開2006-173308号公報
【文献】特開2004-22469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、モバイルバッテリーや各種の電子機器をカバンやポケット等に入れ、あるいは、車両に搭載して、電源と機器をケーブルで接続して充電や給電をしながら移動するという使い方が増えている。こうした使い方をする場合において、接続中のスマートフォンを使用したり、移動中にカバン内の物を取り出したりした際に、意図せず、コネクタのプラグが抜けてしまうことがある。
【0006】
特許文献1のプラグ抜け防止機構では、ピンコンタクト部分に存在する隙間を利用するものであるため、振動が加わり続けるとUSBコネクタを痛める可能性がある。また、特許文献2の構成では、USBコネクタの近傍にストラップ穴がなければ利用できないという問題点がある。特許文献3の構成では、USBケーブルをクランク状に固定するため、持ち歩きを前提とする機器では、クランク部分が引っかかり、USBコネクタに上下方向の力が加わったり、USBケーブルが抜けたりしてしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上記した、コネクタの意図しないプラグの抜けを防止できるプラグ抜け止め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の視点によれば、第1のプラグと、前記第1のプラグよりもサイズが大きい第2のプラグとを有するケーブルの前記第2のプラグによって接続される機器に装着するプラグ抜け止め装置であって、前記第1のプラグのプラグカバーを貫通可能かつ前記第2のプラグのプラグカバーに当接可能な開口が設けられた開口部と、前記開口部が前記第2のプラグのプラグカバーに当接した状態を維持するように、前記開口部を支持することで前記第2のプラグの引き抜き方向への移動を抑止する移動抑止手段と、を備えたプラグ抜け止め装置が提供される。
【0009】
第2の視点によれば、第1のプラグと、前記第1のプラグよりもサイズが大きい第2のプラグとを有するケーブルの前記第2のプラグによって接続される機器に装着するプラグ抜け止め装置であって、前記第2のプラグの挿入方向に沿って前記機器に装着される帯状部材と、前記帯状部材の両端に取り付けられ、それぞれが前記第1のプラグのプラグカバーを貫通可能かつ前記第2のプラグのプラグカバーに当接可能な1対の開口と、を備え、前記1対の開口のうちの1つが第2のプラグのプラグカバーに当接し、かつ、前記1対の開口のうちの他の1つが前記プラグカバーに当接する開口と重なった状態で、前記帯状部材を前記機器に取り付けることで、前記第2のプラグの移動を抑止可能なプラグ抜け止め装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カバンやポケット等に入れ、又は、車両に搭載したままケーブルで接続して充電や給電を行う機器の意図しないプラグの抜けを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態のプラグ抜け止め装置の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態のプラグ抜け止め装置の使用態様を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態のプラグ抜け止め装置の開口のサイズを説明するための図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態のプラグ抜け止め装置の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態のプラグ抜け止め装置の使用態様を示す図である。
【
図6】本発明の第3の実施形態のプラグ抜け止め装置の構成を示す図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態のプラグ抜け止め装置の使用態様を示す図である。
【
図8】本発明の第4の実施形態のプラグ抜け止め装置の構成を示す図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態のプラグ抜け止め装置の使用態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のプラグ抜け止め装置の構成を示す図である。
図1を参照すると、開口部として機能するリング12と、このリング12の移動を抑止する移動抑止手段として機能するベルト10とを備えたプラグ抜け止め装置1が示されている。
【0013】
図2は、本実施形態のプラグ抜け止め装置の使用態様を示す図である。
図2の例では、機器の例として、USBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)と、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)とを有するUSBケーブルにて接続されたモバイルバッテリー20が示されている。
図2に示すように、プラグ抜け止め装置1は、そのベルト10を、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の挿入方向に沿ってモバイルバッテリー20に巻き付けて使用される。この状態で、ベルト10は、リング12がUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーに当接した状態を維持するように、リング12を支持する。これにより、プラグ抜け止め装置1は、モバイルバッテリー20のUSBタイプAのコネクタに挿入されるプラグ(第2のプラグ24)の引き抜き方向への移動を抑止する。
【0014】
上記したベルト10としては、織ゴムと呼ばれる伸縮性を有するゴムバンド(帯状部材の一例)を好適に用いることができる。また、ベルト10全体が伸縮性を有する必要はなく、例えば、モバイルバッテリー20に取り付けた後、締め付けが可能なバックル付きのベルト(帯状部材の別の一例)を用いることもできる。このような伸縮性や長さ調整機能付きのベルト(帯状部材)を用いることで様々なサイズのモバイルバッテリー20やその他の機器に、プラグ抜け止め装置1を取り付けることが可能となる。また、上記のようなベルト10を持つ構成とすることで、プラグ抜け止め装置1に、ブックバンドやランチベルト(弁当箱用のバンド)等の汎用のバンドとしての機能を持たせることができる。
【0015】
リング12は、ベルト10の両端を連結して1つのバンドを形成するようにベルト10に取り付けられている。このリング12は、機器への装着状態において、第2のプラグ24の挿入方向を指向し、第2のプラグ24のプラグカバーの端部(側壁面)に当接する。
図3は、プラグ抜け止め装置1の開口のサイズを説明するための図である。
図3(a)に示すように、リング12としては、USBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)のプラグカバーを貫通できるが、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーを貫通不可能なサイズの角カンを用いることができる。このようなサイズのリング12を用いることにより、リング12に、USBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)を通して、リング12をUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーの端部に当接した状態にセットすることができる。そして、ベルト10をモバイルバッテリー20に取り付けることで、リング12を介して、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)を押さえることが可能となる(
図2参照)。
【0016】
なお、リング12としては、
図3(a)に示した角カンのほか、
図3(b)に示す楕円カンやその他リングを好適に用いることができる。また、リング12のサイズは、USBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)のプラグカバーを貫通できるが、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーを貫通できないサイズであればよく、例えば、
図3(c)に示すように、幅方向のサイズが、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の幅を上回るものであってもよい。また、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーを貫通できないサイズであることを条件に、リング12として、高さ方向のサイズが、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の高さを上回るものであってもよい。また、リングの材質としては、割れ等が生じにくい材料であればよく、例えば、金属や樹脂製のリングを用いることができる。また、
図3(d)に示すように、リング12に、その幅方向の移動を規制する樹脂部材26を取り付けた形態も採用可能である。
【0017】
以上のようなプラグ抜け止め装置1によれば、カバン等に入れた状態でスマートフォン等を充電しているモバイルバッテリー20のUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の不用意な抜けを防止することが可能となる。その理由は、ベルト10が、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーに当接した状態を維持するようにリング12を支持し、その移動を抑止する構成を採用したことにある。さらに、さらにベルト10として、伸縮性を有するものを用いることにより、仮にUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)が引き抜き方向に移動したとしても、ベルト10の力によりUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)を挿入状態に復帰させることが可能となる。
【0018】
なお、上記した第1の実施形態では、モバイルバッテリー20が、USBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)とUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)を持つUSBケーブルで接続されるものとして説明したが、ケーブルの種類はこれに限られない。例えば、lightning(登録商標)と呼ばれるアップル社のスマートフォンのプラグとUSBタイプAのプラグを持つUSBケーブルも、第2のプラグ(USBタイプA)が、第1のプラグ(マイクロUSBタイプBのプラグ)よりもサイズが大きいという関係が成立するので、本発明を適用することができる。同様に、マイクロUSBタイプBのプラグとUSBタイプAのプラグを持つUSBケーブルも、第2のプラグ(USBタイプA)が、第1のプラグ(マイクロUSBタイプBのプラグ)よりもサイズが大きいという関係が成立するので、本発明を適用することができる。同様に、ミニUSBタイプBのプラグとUSBタイプAのプラグを持つUSBケーブルも、第2のプラグ(USBタイプA)が、第1のプラグ(マイクロUSBタイプBのプラグ)よりもサイズが大きいという関係が成立するので、本発明を適用することができる。また、これらのケーブル以外にも、第2のプラグ(USBタイプA)が、第1のプラグ(マイクロUSBタイプBのプラグ)よりもサイズが大きいという関係が成立するケーブルであれば、本発明を適用することができる。
【0019】
[第2の実施形態]
上記した第1の実施形態では、開口部として、リング12を用いて、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーを押さえる構成を採用したが、ベルト10に直接開口を設けた構成も採用可能である。
図4は、本発明の第2の実施形態のプラグ抜け止め装置の構成を示す図である。
図4を参照すると、開口12aが直接形成されたベルト10aで構成されたプラグ抜け止め装置1aが示されている。
【0020】
開口12aのサイズは、第1の実施形態のリングと同様に、USBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)を貫通できるが、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)を貫通不可能なサイズに設定される。
【0021】
また、ベルト10aの材質としては、縫製の必要がないので、例えば、ゴム樹脂やシリコンゴムを用いることができる。また、開口12aの割けを防ぐため、ベルト10aの開口12aの周囲に補強パッチを当てたり、肉厚部を設けたりしてもよい。また、材質として、ゴム樹脂やシリコンゴムを使用することで、開口12aが伸縮するので、開口12aを広げた状態でUSBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)を通過できる程度に、開口12aのサイズを小さくすることができる。
【0022】
図5は、本実施形態のプラグ抜け止め装置1aの使用態様を示す図である。
図5に示されたように、プラグ抜け止め装置1aも第1の実施形態と同様にモバイルバッテリー20に装着することができる。具体的には、開口12aに、USBタイプCのプラグ(第1のプラグ22)を通して、開口12aがUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーの端部に当接した状態で、ベルト10aをモバイルバッテリー20に取り付けることで、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の移動を抑止することが可能となる(
図5参照)。
【0023】
本実施形態のプラグ抜け止め装置1aによれば、第1の実施形態の効果に加えて、より部品点数を減らし、製造コストを低減することが可能となる。
【0024】
[第3の実施形態]
続いて、第1の実施形態のプラグ抜け止め装置1をより使いやすくなるように改良した第3の実施形態のプラグ抜け止め装置1について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態のプラグ抜け止め装置1bの構成を示す図である。第3の実施形態は、第1の実施形態にいくつかの要素を追加したものであるので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0025】
第3の実施形態のプラグ抜け止め装置1bは、ベルト10bとリング12の連結個所に、ベルトの素材をループさせることで形成されたループ部14を備えている。このループ部14は、プラグ抜け止め装置1bを取り外す際の取っ手(つまみ)として使用することができる。また、このループ部14を、各種のキーホルダーやアクセサリーの取り付け箇所として用いることも可能である。
【0026】
さらに、第3の実施形態のプラグ抜け止め装置1bは、ベルト10bの内側に滑り止め用の小突起群16が形成されている。このような小突起群16を設けることで、プラグ抜け止め装置1bのモバイルバッテリー20への装着性を高めることが可能となる。
【0027】
図7は、本実施形態のプラグ抜け止め装置1bの使用態様を示す図である。
図7からも理解されるように、ループ部14をつまんで引くことで、ベルト10bをモバイルバッテリー20から離間させ、その隙間に指を入れることで、プラグ抜け止め装置1bを容易に取り外すことが可能となる。
【0028】
以上説明したように、本実施形態のプラグ抜け止め装置1bによれば、第1の実施形態との比較において、モバイルバッテリー20への着脱をより簡単に行うことができる。さらに、本実施形態では、プラグ抜け止め装置1bに備えられたループ部14に、ブックバンドによるペンホルダーや、ランチベルト(弁当箱用のバンド)における箸箱ホルダー等の機能を持たせることができる。
【0029】
[第4の実施形態]
上記した第1~第3の実施形態では、リング12や開口12aを用いて、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の移動を抑止する構成を採用したが、USBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の移動を抑止することが可能な構成は、これらに限られず、さらなる変形が可能である。
【0030】
図8は、本発明の第4の実施形態のプラグ抜け止め装置の構成を示す図である。
図8を参照すると、両端に1対のリング18が取り付けられたベルト(帯状部材)10cで構成されたプラグ抜け止め装置1cが示されている。
【0031】
本実施形態のプラグ抜け止め装置1cは、
図9に示すように、1対のリング18をそれぞれUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーに貫通させた状態で、ベルト10cをモバイルバッテリー20に取り付けて使用される。より具体的には、1対のリング18のうちの1つがUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)のプラグカバーに当接し、かつ、他のリング18が前記プラグカバーに当接するリングと重なった状態としてから、モバイルバッテリー20にベルト10を取り付ける。これにより、プラグ抜け止め装置1cは、プラグ(第2のプラグ24)の引き抜き方向への移動を抑止する。
【0032】
第1の実施形態と同様に、ベルト10cとしては、伸縮性を有するゴムバンドやバックル付きのベルトを用いることもできる。このような長さ調整機能付きのベルトを用いることで様々なサイズのモバイルバッテリー20やその他の機器に、プラグ抜け止め装置1を取り付けることが可能となる。
【0033】
もちろん、第2の実施形態と同様に、リング18に代えて、ベルト10cの両端に2つの開口を設けてもよい。このような構成とすることで部品点数を減らすことが可能となる。もちろん、本実施形態においても、第3の実施形態と同様に、ベルト10cに、ループ部14や滑り止め用の小突起群16を設けてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態のプラグ抜け止め装置1cによれば、第1~第3の実施形態と同様に、カバン等に入れた状態でスマートフォン等を充電しているモバイルバッテリー20のUSBタイプAのプラグ(第2のプラグ24)の不用意な抜けを防止することが可能となる。
【0035】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したベルトやリングの形状は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0036】
例えば、上記した実施形態では、モバイルバッテリー20のプラグ抜け止め用のプラグ抜け止め装置1を挙げて説明したが、本発明は、その他の電子機器のプラグ抜け止めの用途にも適用することができる。また、上記した各実施形態では、ベルトは単一の素材で構成されているものとして説明したが、その一部にレザーや各種の織物を使用するなどして意匠性を高めてもよい。
【0037】
また、上記した実施形態では、USBケーブルのUSBタイプAのプラグを第2のプラグとする構成を説明したが、本発明の適用可能なケーブルは、USBタイプAのプラグを持つケーブルに限られない。例えば、ハードディスクの接続に用いるUSB Type-B SuperSpeedとUSB typeCのプラグを持つケーブルにも本発明を適用することが可能であり、この場合、USB typeCのプラグよりも大きいUSB Type-B SuperSpeedのプラグが、第2のプラグとなりうる。
【0038】
また、上記した各実施形態におけるベルト10、10a、10b、10cの幅は、各図に示した幅に限られず、例えば、モバイルバッテリー20の全体を覆うような幅であってもよい。この場合、ベルト10、10a、10b、10cに、機器の保護ケースとしての機能を持たせることが可能となる。
【符号の説明】
【0039】
1、1a、1b、1c プラグ抜け止め装置
10、10a、10b、10c ベルト
12 リング
12a 開口
14 ループ部
16 小突起群
20 モバイルバッテリー
22 第1のプラグ
24 第2のプラグ
26 樹脂部材