(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】吊り下げ式商品棚
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
A47F5/00 D
A47F5/00 Z
(21)【出願番号】P 2020556770
(86)(22)【出願日】2019-04-18
(86)【国際出願番号】 CN2019083317
(87)【国際公開番号】W WO2019201320
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2020-12-04
(31)【優先権主張番号】201810356166.5
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519290828
【氏名又は名称】上海云拿智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI CLOUDPICK SMART TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲ざい▼ 恒亮
(72)【発明者】
【氏名】馮 立男
(72)【発明者】
【氏名】▲う▼ 文尭
(72)【発明者】
【氏名】馬 捷▲うぃ▼
(72)【発明者】
【氏名】夏 鼎
(72)【発明者】
【氏名】李 庭涛
(72)【発明者】
【氏名】張 一▲めい▼
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-272012(JP,A)
【文献】特開2008-043542(JP,A)
【文献】特開平07-067753(JP,A)
【文献】中国実用新案第2616138(CN,Y)
【文献】中国特許出願公開第1575696(CN,A)
【文献】実開平06-050557(JP,U)
【文献】特開2007-061407(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106934692(CN,A)
【文献】中国実用新案第201492123(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げ式商品棚であって、
棚支持枠と、
前記棚支持枠に着脱可能に取り付けられる棚板と、
を含み、
前記棚板は、
取付けブラケットと、
前記取付けブラケットの上方に配置された重量感知装置と、
前記重量感知装置の上方に配置された吊り下げブラケットベースと、
一端が前記吊り下げブラケットベースに着脱可能に取り付けられる吊り下げブラケットと、
前記棚支持枠に着脱可能に取り付けられた垂直取付け板と、
前記垂直取付け板を貫通し、かつ前記吊り下げブラケットベースに対向して配置された取付け板貫通孔と、を含み、
前記吊り下げブラケットベースは、
ベース本体と、
前記ベース本体の上部に凹設されたブラケット係合溝と、を含み、
前記吊り下げブラケットは、
前記取付け板貫通孔に接触せずに該取付け板貫通孔を貫通する吊り棒と、
前記吊り棒の一端に設けられ、かつ前記ブラケット係合溝に着脱可能に係合されるブラケット係合具と、
を含むことを特徴とする吊り下げ式商品棚。
【請求項2】
前記棚板は、
垂直取付け板と、
前記垂直取付け板の縁部から突出した止め板と、
前記垂直取付け板及び2つ以上の止め板で囲まれる取付け板キャビティと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項3】
前記棚板は、
前記垂直取付け板を貫通し、且つ前記取付け板貫通孔の周りに位置する取付け板係合口をさらに含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項4】
前記棚板は、
前記取付け板キャビティ内に配置された回路基板取付けスロットと、
前記回路基板取付けスロット内に着脱可能に取り付けられる回路基板と、
をさらに含み、
前記回路基板には、サーバーに接続された通信インタフェースが設けられ、
前記重量感知装置は、導線を介して前記回路基板に接続され、前記通信インタフェースを介して、リアルタイムの感知データを前記サーバーに伝送する、ことを特徴とする請求項2に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項5】
前記取付けブラケットは、前記取付け板キャビティ内に固定して取り付けられ、
前記取付けブラケットの両端は、互いに対向する2つの止め板にそれぞれ接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項6】
前記重量感知装置の一端の底面は、前記取付けブラケットに接続され、他端の底面と前記取付けブラケットとの間に隙間がある、ことを特徴とする請求項1に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項7】
前記棚板は、
前記重量感知装置の一端の底面と前記取付けブラケットの上面との間に配置されたガスケットをさらに含む、ことを特徴とする請求項
6に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項8】
前記ブラケット係合具は、
前記ブラケット係合溝に挿入する第1係合板と、
前記第1係合板と平行し、かつ前記吊り棒に固定接続される第2係合板と、
一端が前記第1係合板に接続され、他端が前記第2係合板に接続される接続板と、
を含むことを特徴とする請求項
1に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項9】
前記垂直取付け板に着脱可能に取り付けられる第2吊り下げブラケットをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項10】
前記垂直取付け板に着脱可能に取り付けられる第2吊り下げブラケットをさらに含み、
前記第2吊り下げブラケットは、
第2吊り棒と、
前記第2吊り棒の一端に配置され、かつ取付け板貫通孔に対向して配置された第2止め板と、
前記第2止め板における前記取付け板貫通孔を向いている側の表面から突出し、取付け板係合口に着脱可能に取り付けられる第2ブラケット係合具と、
前記第2止め板を貫通した第2止め板貫通孔と、
を含み、
前記第2ブラケット係合具が前記取付け板係合口内に係合されると、前記吊り下げブラケットの吊り棒は前記第2止め板貫通孔を通過する、ことを特徴とする請求項
1に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項11】
前記第2吊り下げブラケットは、
前記第2吊り棒の前記第2止め板から離れた一端に垂直に接続される横棒と、
前記横棒に回転可能に又は固定的に取り付けられる標識板と、
をさらに含むことを特徴とする請求項
10に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項12】
前記棚支持枠は、
垂直に配置された長手形状の直方体である支持枠本体と、
前記支持枠本体の一方の側壁に凹設され均一に分布している少なくとも1つの支持枠係合口と、
を含み、
前記棚板は、
前記垂直取付け板の一端の縁部に配置され、前記支持枠係合口に着脱可能に係合される少なくとも1つの係合爪を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の吊り下げ式商品棚。
【請求項13】
前記棚支持枠は、
両端がそれぞれ2つの支持枠本体の上端に着脱可能に接続される第1接続部品及び/又は 、
両端がそれぞれ2つの支持枠本体の末端に着脱可能に接続される第2接続部品及び/又は 、
両端がそれぞれ2つの支持枠本体に着脱可能に接続される少なくとも1つの接続板を含む 、
ことを特徴とする請求項
12に記載の吊り下げ式商品棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売業向けの商品保管装置に関し、具体的には、吊り下げ式商品式棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の小売業の買い物スタイルでは、スーパーやコンビニエンスストアごとに専門の販売員や現金取扱員が必要であり、人件費が高い。電子決済技術、身分識別技術、及びクラウドコンピューティング技術の発展に伴い、無人スーパープロジェクトは技術的に高い実行可能性を持っている。無人スーパープロジェクトでは、ユーザーが商品を選択し購入するときの判断及び記録の問題を早急に解決する必要がる。具体的には、サーバーは、ユーザーがどの商品を選択したか、どの商品を戻したか、スーパーからどの商品を持ち帰ったかを正確に判定する必要がある。
【0003】
従来技術では、カメラ技術を採用して、ユーザーが選択し購入した商品を識別する人がいるが、この方式で計算するデータ量が比較的大きく、データ処理コストが比較的高く、商品の識別誤差が比較的大きいため、ユーザーがカメラを欺く現象が発生し、商品の紛失を招く可能性がある。スーパー又はコンビニエンスストアの出入り口にRFIDリーダーを設置することで、ユーザーが選択し購入する商品を識別する人もいる。この方式は、各商品にRFIDタグを取り付ける必要があり、ハードウェアのコストが比較的高いため、商品の価格が高くなる。また、ユーザーが店を出る前に食べられる商品を食べてから、包装をスーパー内に残す場合、RFIDリーダーはユーザーの実際の消費金額を識別及び確定することができず、無人スーパーの経営リスクが大きくなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、商品棚に吊り下げられているすべての商品の重量を正確に識別し、商品が商品棚から取り外された否かを重量の変化に基づいて判断することができ、従来技術において商品の識別精度に劣り、誤差が大きく、商品が紛失するという技術的問題を解決することができる吊り下げ式商品棚を提供することである。
【0005】
上記の目的を実現するために、本発明は吊り下げ式商品棚を提供する。この商品棚は、棚支持枠と、前記棚支持枠に着脱可能に取り付けられる棚板とを含み、前記棚板は、取付けブラケットと、前記取付けブラケットの上方に配置された重量感知装置と、前記重量感知装置の上方に配置された吊り下げブラケットベースと、一端が前記吊り下げブラケットベースに着脱可能に取り付けられる吊り下げブラケットと、を含む。
【0006】
さらに、異なる実施例では、前記棚板は、垂直取付け板と、前記垂直取付け板の縁部から突出した止め板と、前記垂直取付け板及び2つ以上の止め板で囲まれる取付け板キャビティと、をさらに含む。
【0007】
さらに、異なる実施例では、前記棚板は、前記垂直取付け板を貫通し、かつ吊り下げブラケットベースに対向して配置された取付け板貫通孔をさらに含み、吊り下げブラケットの一端が取付け板貫通孔を通過して吊り下げブラケットベースに着脱可能に取り付けられる。
【0008】
さらに、異なる実施例では、前記棚板は、前記垂直取付け板を貫通し、且つ前記取付け板貫通孔の周りに位置する取付け板係合口をさらに含む。
【0009】
さらに、異なる実施例では、前記棚板は、前記取付け板キャビティ内に配置された回路基板取付けスロットと、前記回路基板取付けスロット内に着脱可能に取り付けられる回路基板と、をさらに含み、前記回路基板には、サーバーに接続された通信インタフェースが設けられ、前記重量感知装置は、導線を介して前記回路基板に接続され、前記通信インタフェースを介して、リアルタイムの感知データを前記サーバーに伝送する。
【0010】
さらに、異なる実施例では、前記取付けブラケットは、前記取付け板キャビティ内に固定して取り付けられ、前記取付けブラケットの両端は、互いに対向する2つの止め板にそれぞれ接続される。
【0011】
さらに、異なる実施例では、前記重量感知装置の一端の底面は、前記取付けブラケットに接続され、他端の底面と前記取付けブラケットとの間に隙間がある。
【0012】
さらに、異なる実施例では、前記棚板は、前記重量感知装置の一端の底面と前記取付けブラケットの上面との間に配置されたガスケットをさらに含む。
【0013】
さらに、異なる実施例では、前記吊り下げブラケットベースは、ベース本体と、前記ベース本体の上部に凹設されたブラケット係合溝と、を含み、前記吊り下げブラケットは、吊り棒と、前記吊り棒の一端に設けられ、かつ前記ブラケット係合溝に着脱可能に係合されるブラケット係合具と、を含む。
【0014】
さらに、異なる実施例では、前記ブラケット係合具は、前記ブラケット係合溝に挿入する第1係合板と、前記第1係合板と平行し、かつ前記吊り棒に固定接続される第2係合板と、一端が前記第1係合板に接続され、他端が前記第2係合板に接続される接続板と、を含む。
【0015】
さらに、異なる実施例では、前記吊り下げ式商品棚は、前記垂直取付け板に着脱可能に取り付けられる第2吊り下げブラケットをさらに含む。
【0016】
さらに、異なる実施例では、前記吊り下げ式商品棚は、前記垂直取付け板に着脱可能に取り付けられる第2吊り下げブラケットをさらに含み、前記第2吊り下げブラケットは、第2吊り棒と、前記第2吊り棒の一端に配置され、かつ取付け板貫通孔に対向して配置された第2止め板と、前記第2止め板における前記取付け板貫通孔に向いている側の表面から突出し、取付け板係合口に着脱可能に取り付けられる第2ブラケット係合具と、前記第2止め板を貫通した第2止め板貫通孔と、を含み、前記第2ブラケット係合具が前記取付け板係合口内に係合されると、前記吊り下げブラケットの吊り棒は前記第2止め板貫通孔を通過する。
【0017】
さらに、異なる実施例では、前記第2吊り下げブラケットは、前記第2吊り棒の前記第2止め板から離れた一端に垂直に接続される横棒と、前記横棒に回転可能に又は固定的に取り付けられる標識板と、をさらに含む。
【0018】
さらに、異なる実施例では、前記棚支持枠は、垂直に配置された長手形状の直方体である支持枠本体と、前記支持枠本体の一方の側壁に凹設され均一に分布している少なくとも1つの支持枠係合口と、をさらに含み、前記棚板は、前記垂直取付け板の一端の縁部に配置され、前記支持枠係合口に着脱可能に係合される少なくとも1つの係合爪を含む。
【0019】
さらに、異なる実施例では、前記棚支持枠は、両端がそれぞれ2つの支持枠本体の上端に着脱可能に接続される前記第1接続部品、及び/又は、両端がそれぞれ2つの支持枠本体の末端に着脱可能に接続される第2接続部品、及び/又は、両端がそれぞれ2つの支持枠本体に着脱可能に接続される少なくとも1つの接続板をさらに含む。
【0020】
本発明の利点は次のとおりである。商品を感知できる吊り下げ式商品棚が提供される。この商品棚は、商品重量感知機能を有し、商品棚上の商品のリアルタイムの重量感知値をリアルタイムに監視し、各吊り下げブラケットの重量変化をリアルタイムに感知することができ、データ処理機器と組み合わせることで、商品棚上のすべての吊り下げブラケットの重量変化から、どの商品が取り出されたか、又は戻されたかを推断することができる。各商品の単品の重量値と吊り下げブラケットの番号を組み合わせると、データ処理機器は、取り出されたか又は戻された商品の種類と数量をさらに判断することができる。ユーザーのリアルタイムの位置、及びデータ処理機器に事前に記憶された各商品の吊り下げ位置を組み合わせると、データ処理機器は、商品を取り出したり戻したりしたユーザーの身分をさらに判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例における吊り下げ式商品棚の全体構造模式図である。
【
図2】本発明の実施例における吊り下げ式商品棚の側面構造模式図である。
【
図3】本発明の実施例おける吊り下げ式商品棚の一方向の分解構造模式図である。
【
図4】本発明の実施例における吊り下げ式商品棚の別の方向の分解構造模式図である。
【
図5】本発明の実施例に係る棚板の正面構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例における棚板の背面構造模式図である。
【
図7】本発明の実施例におけるデータ処理機器の構造ブロック図である。
【
図8】本発明の実施例における吊り下げブラケットと棚板の分解構造模式図である。
【
図9】本発明の実施例における第2吊り下げブラケットと棚板の分解構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、技術的内容をより明確かつ理解しやすくするために、本明細書の添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を説明する。本発明は、多くの異なる形態の実施例によって実現することができ、その保護範囲は、本明細書で言及された実施例に限定されない。
【0023】
添付の図面では、同じ構造の部品は同じ数字番号で表れ、類似の構造又は機能を持つ部品は類似の数字番号で表われる。本発明で言及されている方向用語、例えば、上、下、前、後、左、右、内、外、側面、上部、底部、上端、底端、末端などは、図面中の方向のみであり、本発明を解釈及び説明するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0024】
ある部品が他の部品の「上」に「ある」と説明される場合、前記部品は、前記他の部品上に直接配置されてもよいし、中間部品が存在してもよい。前記部品は、前記中間部品上に配置され、前記中間部品は他の部品上に配置される。ある部品が他の部品に「取り付けられる」又は「接続される」と説明される場合、両方は直接「取り付けられる」又は「接続される」と理解されてもよいし、又は一つの部品は中間部品を介して間接的に他の部品に「取り付けられる」又は「接続される」と理解されてもよい。
【0025】
図1~4に示すように、本実施例は、吊り下げ式商品棚に関する。この吊り下げ式商品棚は、棚支持枠1及び少なくとも1つの棚板2を含む。棚板2は、棚支持枠1に着脱可能に取り付けられる。棚板2には、外側に延び、商品を吊り下げるための吊り下げブラケット28が設けられる。
【0026】
棚支持枠1は、並んで配置された2つの直線形の支持枠本体11、及び少なくとも1つの支持枠係合口12を含む。支持枠本体11は、垂直に配置された長手形状の直方体であり、2つの支持枠本体11は互いに平行である。各支持枠本体11の一方の側壁には、該側壁に凹設された少なくとも1つの支持枠係合口12がそれぞれ設けられる。支持枠係合口12が2つ以上ある場合、複数の支持枠係合口12は、枠本体22の一方の側壁に直線に沿って均一に分布している。好ましくは、2つの支持枠本体11の支持枠係合口12は同一平面上に位置する。
【0027】
棚支持枠1は、第1接続部品13及び第2接続部品14をさらに含み、必要に応じて、少なくとも1つの接続板15を含み得る。第1接続部品13の両端はそれぞれ2つの支持枠本体11の上端に着脱可能に接続される。かつ/又は、第2接続部品14の両端はそれぞれ2つの支持枠本体11の末端に着脱可能に接続される。かつ/又は、各接続板15の両端はそれぞれ2つの支持枠本体11に着脱可能に接続される。接続板15は、上下に配置された任意の2つの棚板2の間の隙間内に配置されるか、あるいは、1つの棚板2と第1接続部品13又は第2接続部品14との間の隙間内に配置される。
【0028】
複数の棚板2が互いに接続された後、2つの支持枠本体11の間の空間が充満される場合、接続板15を取り付ける必要がなくなる。この場合、隣接する2つの棚板2上の2列の吊り下げブラケット28の間の距離が小さく、長さが小さい商品のみを吊り下げることができる。隣接する2列の吊り下げブラケット28の間の距離を拡大して、吊り下げブラケット28に長い商品を吊り下げる必要がある場合、隣接する2つの棚板2の間に1つ又は複数の接続板15を配置する必要がある。
【0029】
図5~6に示すように、棚板2は、垂直取付け板21、止め板22及び取付け板キャビティ23を含む。垂直取付け板21は、水平面に垂直であり、棚支持枠1に着脱可能に取り付けられる。
【0030】
垂直取付け板21は矩形であり、4つの辺の縁部に突出した止め板22が設けられる。止め板22は、垂直取付け板21に垂直であり、4つの止め板22は、垂直取付け板21の同じ側に位置する。垂直取付け板21及び4つの止め板22は、取付け板キャビティ23を囲む。
【0031】
止め板22には複数の止め板貫通孔221が設けられる。複数の棚板2が下から上に順に2つの棚支持枠1の間に取り付けられると、止め板貫通孔221によって複数の棚板2又は複数の接続板15が固定し取り付けられる。
【0032】
棚板2は、垂直取付け板21の左端又は右端の縁部に配置された係合接続装置24をさらに含む。係合接続装置24は、少なくとも1つの係合爪241を含む。各係合爪241は、対応する支持枠係合口12に着脱可能に係合される。
【0033】
図5~6に示すように、棚板2は、取付けブラケット25、重量感知装置26、吊り下げブラケットベース27及び吊り下げブラケット28をさらに含む。
【0034】
取付けブラケット25は、直線的で長手形状の部材であり、取付け板キャビティ23内に水平に固定して取り付けられる。取付けブラケット25の両端は、互いに対向する左右両側の2つの止め板22にそれぞれ接続される。
【0035】
好ましくは、重量感知装置26は重量センサーであり、取付けブラケット21の上方に配置される。重量感知装置26の一端の底面は取付けブラケット25に接続される。この底面と取付けブラケット25の上面との間にはガスケット251が設けられる。他端の底面と取付けブラケット25との間に隙間がある。本実施例では、ガスケット251は、重量感知装置26の左側の一端の下方で支点を形成する。重量感知装置26の中部又は右側の上方にかかる圧力が変化すると、重量感知装置26は、圧力値の大きさの変化状況を正確に感知することができる。吊り下げブラケットベース27は、重量感知装置26の上方に配置される。具体的には、吊り下げブラケットベース27は、重量感知装置26の中部及び/又は右側の上方に取り付けられる。
【0036】
吊り下げブラケットベース27は、吊り下げブラケット28を取り付けるために使用され、ベース本体271及びブラケット係合溝272を含む。ブラケット係合溝272は直線状であり、ベース本体271の上部に凹設される。
【0037】
棚板2は、回路基板取付けスロット29及び回路基板(図示せず)をさらに含む。回路基板取付けスロット29は、取付け板キャビティ23内に設けられる。前記回路基板は、回路基板取付けスロット29内に着脱可能に取り付けられる。回路基板29上には、データ処理機器4(サーバーが好ましい)に接続された通信インタフェース(図示せず)が設けられる。重量感知装置26は、導線261を介して回路基板29に接続され、前記通信インタフェースを介して、リアルタイムの感知データをデータ処理機器4に伝送する。
【0038】
2つの棚支持枠1の後部には、棚板2の内部の各部材を保護するために、吊り下げブラケット28と反対側に1つ又は複数の蓋板(図示せず)が設けられる。前記蓋板には、1つ又は複数の蓋板貫通孔(図示せず)が設けられ、それらの位置は、前記通信インタフェースの位置に対応する。データ処理機器4は、導線により蓋板貫通孔を通して各通信インタフェースに接続することができ、それにより、各重量感知装置26に接続されて、各重量感知装置26によって取得されたリアルタイム重量感知値を取得する。
【0039】
図7に示すように、データ処理機器4は、好ましくはコンピューター又はサーバーであり、データ記憶ユニット41、重量値更新ユニット42、重量差計算ユニット43、判定ユニット44、ブラケットマッチングユニット45及び重量マッチングユニット46を含む。
【0040】
データ記憶ユニット41は、各商品の単品重量値及び各商品に対応する吊り下げブラケットの番号を記憶するために使用される。重量値更新ユニット42は、各吊り下げブラケット上のすべての商品のリアルタイム重量値を記憶し更新するために使用される。初期状態では、すべての吊り下げブラケットは商品でいっぱいであり、重量値更新ユニット42は、各吊り下げブラケット上のすべての商品の総重量を記憶する。ユーザーが吊り下げブラケットから商品を取り出したり、吊り下げブラケット上に商品を戻したりする場合、重量感知装置は、その時点における該吊り下げブラケット上のすべての商品のリアルタイムの重量感知値を取得し、重量差計算ユニット43は、このリアルタイム重量値と、重量値更新ユニット42内に既存の該吊り下げブラケット上のすべての商品のリアルタイム重量値との重量差値を計算する。判定ユニット44は、前記重量差値に基づいて、商品を取り出したり戻したりする情報の変化を判断するために使用される。前記重量差値が0未満の場合、商品が取り出されたと判断する。前記重量差値が0未満の場合、ブラケットマッチングユニット45は、この重量センサーに対応する吊り下げブラケット番号を取得するために使用される。重量マッチングユニット46は、前記吊り下げブラケット番号に基づいて、前記重量差値の絶対値を、吊り下げブラケット上の各商品の単品重量値とマッチングして、取り出された商品の種類及び数量を判定する。例えば、同じ棚板上の4つの吊り下げブラケットA、B、C、Dにはそれぞれ4種類の商品X、Y、Z、Wが吊り下げられ、対応する単品重量はそれぞれ50グラム、80グラム、100グラム、160グラムである。1人のユーザーが吊り下げブラケットBから2つの商品を取り出した場合、吊り下げブラケットBに対応する重量感知装置は、リアルタイム重量感知値を取得し、重量差計算ユニット43は、該リアルタイム重量感知値と、該吊り下げブラケットBの前回のリアルタイム重量値との差値を160グラムとして算出し、データ記憶ユニット41に記憶された吊り下げブラケットBに対応する商品の単品重量は80グラムであり、重量マッチングユニット46は、取り出された商品の数量が2つであることを算出することができる。データ処理機器4は、重量が軽くなったトレーの位置及び軽くなった時間を記録することができ、各ユーザーの買い物行為をリアルタイムに把握することができる。前記買い物行為とは、いつ、どこで、いくつ、どのような種類の商品が取り出されたかを意味する。ユーザー身分識別の技術と組み合わせることで、誰がいつ、どこで、いくつ、どのような種類の商品を取り出したかを確定することができる。それにより、各ユーザーの買い物記録を詳細に記録することができ、ユーザーが買い物エリアを離れたときに、ユーザーのために自動的に精算することができる。
【0041】
図8に示すように、垂直取付け板21には取付け板貫通孔211が設けられる。取付け板貫通孔211は、垂直取付け板21を貫通し、吊り下げブラケットベース27に対向して配置される。吊り下げブラケット28は、吊り棒281及びブラケット係合具282を含む。吊り棒281は、取付け板貫通孔211を通過する。吊り棒281の一端にブラケット係合具282が設けられる。ブラケット係合具282は、吊り下げブラケットベース27に着脱可能に取り付けられる。吊り棒281の他端は上向きに曲げられ、屈曲部283を形成する。屈曲部283と吊り棒281は、120~170度の夾角を形成する。多くの商品は、外装パッケージ(例えば、袋入り商品)に引っ掛け孔が設けられるため、屈曲部283から吊り下げブラケット28に引っ掛けることができる。屈曲部283は上向きに曲げられたため、商品は、落ちずに吊り棒281上にスライドすることができる。
【0042】
ブラケット係合具282は、第1係合板2821、第2係合板2822及び接続板2823を含む。第1係合板2821は、ブラケット係合溝272に挿入することができる。第2係合板2822は、第1係合板2821に平行で、吊り棒281は第2係合板2822に垂直に接続される。接続板2823の一端は、第1係合板2821に接続され、他端は第2係合板2822に接続される。ブラケット係合具282が吊り下げブラケットベース27に取り付けられると、第1係合板2821はブラケット係合溝272に挿入され、第2係合板2822の一方の側面は、ベース本体271の一方の側面に接するようになる。ブラケット係合溝272の深さは、1cmを超え、一般的には、吊り下げブラケットベース27の厚さの約60~90%であり、それにより、吊り下げブラケット28が安定した状態で取り付けられるようにする。
【0043】
図8~9に示すように、垂直取付け板21には取付け板係合口212が設けられる。取付け板係合口212は、垂直取付け板212を貫通し、かつ取付け板貫通孔211の周りに位置する。
【0044】
本実施例の吊り下げ式商品棚は、垂直取付け板21に着脱可能に取り付けられる第2吊り下げブラケット3をさらに含む。第2吊り下げブラケット3は、第2吊り棒31、第2止め板32、第2ブラケット係合具33及び第2止め板貫通孔34を含む。
【0045】
第2止め板32は、第2吊り棒31の一端に設けられ、取付け板貫通孔211に対向して配置される。第2ブラケット係合具33は、第2止め板32における取付け板貫通孔211に向いている側の表面から突出し、取付け板係合口212に着脱可能に係合される。第2止め板貫通孔34は第2止め板32を貫通する。第2ブラケット係合具33が取付け板係合口212内に係合されると、第2止め板32は取付け板貫通孔211を遮蔽し、吊り下げブラケット28の吊り棒281は第2止め板貫通孔34を通過する。
【0046】
第2吊り棒31の一端は、第2止め板32に垂直に接続され、他端は上向きに曲げられ、第2屈曲部35を形成し、第2吊り棒31と120~170度の夾角を形成する。
【0047】
図8~9に示すように、第2吊り下げブラケット3は横棒36及び標識板37をさらに含む。横棒36は、第2吊り棒31の第2止め板32から離れた一端、即ち、第2屈曲部34の末端に垂直に接続される。標識板37は、横棒36に回転可能に又は固定的に取り付けられる。標識板37は、着脱可能に全体として組み立てることができる第1回転板371及び第2回転板372を含む。第1回転板371と第2回転板372の組み合わせは、横棒36の周りで一定の角度回転することができる。第1回転板371及び第2回転板372は、透明材料からなる。第1回転板371と第2回転板372との間には、変更可能なラベル373が設けられる。ラベル373には、商品名称、種類、型番、生産地、単価などの情報が記載されている。
【0048】
第2吊り下げブラケット3はそれぞれ1つの吊り下げブラケット28に対応し、一般的に、吊り下げブラケット28の上方に配置される。標識板37に商品標識を貼付することができ、それにより、ユーザーは、それに対応する吊り下げブラケット28に吊り下げられた商品の情報を容易に把握できる。
【0049】
本実施例では、各棚板2には1つの垂直取付け板21及び1つの取付けブラケット24が設けられる。同一の垂直取付け板21には、複数の取付け板貫通孔211(一般的には3~8個、好ましくは4個又は6個)が設けられ、同一の取付けブラケット24には、複数の重量感知装置26が設けられる。各重量感知装置26の上方に1つの吊り下げブラケットベース27が設けられる。各吊り下げブラケットベース27上には、取付け板貫通孔211を通過した吊り下げブラケット28が取り付けられる。各取付け板貫通孔211には、1つの第2吊り下げブラケット3が取り付けられる。取付け板貫通孔211、重量感知装置26、吊り下げブラケットベース27、吊り下げブラケット28及び第2吊り下げブラケット3は、一対一に対応している。
【0050】
本実施例では、各吊り下げブラケットには、同じ重量又はほぼ同じ重量の同じ種類の商品が吊り下げられている。ユーザーが商品を取り出されたり戻したりすると、各吊り下げブラケット28に吊り下げられている商品の総重量が変化し、重量感知装置26は、各吊り下げブラケット28での商品のリアルタイムの重量感知値を取得し、データ処理機器は、各吊り下げブラケットでの商品の数量の変化状況を判断する。本実施例で説明されている吊り下げ式商品棚により商品識別を実現する方法及び原理は、以下の説明を参照されたい。
【0051】
まず、各棚板、各吊り下げブラケットに対してそれぞれブラケット番号を設定する。各吊り下げブラケットには、同じ重量又はほぼ同じ重量の同じ種類の商品が吊り下げられている。これにより、同一の吊り下げブラケットにおけるすべての商品については、重量に応じて種類を区別することができる。各商品に対応する標識情報と商品情報との一対一の対応関係を確立する。商品の商品情報は、この商品の商品名称、商品番号、価格、メーカなどを含む。商品の標識情報は、この商品の重量数値、所属する吊り下げブラケットの番号などを含む。各商品に対応する標識情報、商品情報及び前記対応関係をデータ処理機器4に記憶する。
【0052】
次に、重量感知装置26(重量センサー)は同時に作動し、各吊り下げブラケット28の重量感知値をリアルタイムで収集する。データ収集の時間間隔は0.1~0.4秒であり、好ましくは0.3秒である。各重量感知装置26によって収集されたリアルタイムの重量値は、データ処理機器4に送信され、該重量感知装置26で前回収集されたリアルタイムの重量値と比較された後、データ処理機器4に記憶され、データ更新及び上書きが完了する。
【0053】
本実施例では、毎回のデータ収集プロセスでは、6つの重量感知装置26は6つのデータを同時に取得し、データ処理機器4に予め記憶されている6つの以前データをそれぞれ比較する。ここでの6つの以前データは、これらの6つの重力センサーの前回収集した重量値である。比較プロセスでは、各重量感知装置26で新しく取得されたリアルタイムの重量値と、直前の時点でのリアルタイムの重量値との差を求める。すべての重量差が0である場合、データ処理機器4は他の操作を必要とせずに、この重量感知装置26によって新たな重量値を収集すればよい。
【0054】
ある重力センサーに対応する重量差が0未満である場合、この重力センサーに対応する吊り下げブラケットにおいて商品が取り出されたことがあると判断する。データ処理機器4は、この吊り下げブラケットのブラケット番号を取得し、このブラケット番号に基づいて、前記重量差の絶対値を、既知のこの吊り下げブラケット上の各商品の重量値とマッチングして、取り出された商品の種類を判定する。本実施例で採用される重力センサーは正確に測定し、重量値はグラム単位で正確にすることができるが、商品自体の重量に誤差がある可能性があるため、一般的には、重量差の絶対値と商品の重量値の差の範囲が-4グラム~4グラムである場合、マッチングが成功したとみなされる。それにより、データ処理機器4は、どの商品が取り出されたかを判断することができる。
【0055】
さらに、本実施例は、携帯電話のショッピングアプリケーションソフトウェア(APP)と組み合わせて、データ処理機器4は無線通信方式(WIFI方式又はセルラー通信方式又はブルートゥース(登録商標)方式)を介して、ユーザーの携帯電話とデータ交換を行い、後の決済のために、このユーザーの携帯電話におけるショッピングソフトウェアのショッピングカートに商品を自動的に追加する。
【0056】
本発明の有益な効果は次のとおりである。商品を感知できる吊り下げ式商品棚が提供される。この商品棚は、商品重量感知機能を有し、商品棚上の商品のリアルタイムの重量感知値をリアルタイムに監視し、各吊り下げブラケットの重量変化をリアルタイムに感知することができ、データ処理機器と組み合わせることで、商品棚上のすべての吊り下げブラケットの重量変化から、どの商品が取り出されたか、又は戻されたかを推断することができる。各商品の単品の重量値と吊り下げブラケットの番号を組み合わせると、データ処理機器は、取り出されたか又は戻された商品の種類と数量をさらに判断することができる。ユーザーのリアルタイムの位置、及びデータ処理機器に事前に記憶された各商品の吊り下げ位置を組み合わせると、データ処理機器は、商品を取り出したり戻したりしたユーザーの身分をさらに判断することができる。従来の平板式商品棚と比較して、本発明は、同じサイズの空間において、より多くの種類の商品を吊り下げることができ、空間の使用率を向上させ、より小さなサイズの様々な商品に適用されるとともに、ユーザーが商品を簡単かつ迅速に取り出すようにして、ユーザーによりよい体験を提供することができる。
【0057】
上記は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、当業者が本発明をより明らかに理解し実施するようにするものである。これらの実施形態は本発明の範囲を制限するものではない。当業者は、本発明の原理から逸脱することなく、幾つかの改良や修飾を行うことができる。これらの改良や修飾も本発明の保護範囲とみなされる。
【符号の説明】
【0058】
1棚支持枠、2棚板、3第2吊り下げブラケット、4データ処理機器;
11支持枠本体、12支持枠係合口;
13第1接続部品、14第2接続部品、15接続板;
21垂直取付け板、22止め板、23取付け板キャビティ、24係合接続装置;
25取付けブラケット、26重量感知装置、27吊り下げブラケットベース、28吊り下げブラケット;
31第2吊り棒、32第2止め板、33第2ブラケット係合具、34第2止め板貫通孔;
35第2屈曲部、36横棒、37標識板;
41データ記憶ユニット、42重量値更新ユニット、43重量差計算ユニット、
44判定ユニット、45ブラケットマッチングユニット、46重量マッチングユニット;
211取付け板貫通孔、212取付け板係合口;
221止め板貫通孔、241係合爪;261導線;
271ベース本体、272ブラケット係合溝;
281吊り棒、282ブラケット係合具、283屈曲部;
2821第1係合板、2822第2係合板、2823接続板