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特許7031942プリント回路基板及びこれを含むパッケージ基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びこれを含むパッケージ基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20220301BHJP
   H01B 11/00 20060101ALN20220301BHJP
【FI】
H05K1/02 N
H05K1/02 J
H01B11/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017017164
(22)【出願日】2017-02-01
(65)【公開番号】P2017139463
(43)【公開日】2017-08-10
【審査請求日】2020-01-09
(31)【優先権主張番号】10-2016-0014861
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ヒー ユーン
(72)【発明者】
【氏名】ボン-イェオル リー
(72)【発明者】
【氏名】サイネス フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ユン-スー キム
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162528(JP,A)
【文献】国際公開第2007/086551(WO,A1)
【文献】特開2003-017613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に形成され、ホールが形成されるグラウンドパターンと、
前記グラウンドパターンの周辺に形成され、少なくとも一部が前記グラウンドパターンのホール内に配置される信号パターンと、
前記グラウンドパターン及び前記信号パターン上に形成される第2絶縁層と、
を含み、
前記第2絶縁層には、前記グラウンドパターンの少なくとも一部が露出するように開口部が形成されたプリント回路基板。
【請求項2】
前記開口部は、前記信号パターンの少なくとも一部を露出させる請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記開口部は、ホールが形成される領域には形成されない請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記ホールが複数個形成される請求項1または請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記ホールの大きさが互いに異なる請求項4に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記ホールは、多角形、円形、楕円形、メッシュパターン及び放射形パターンのうちのいずれか一つ以上が選択されて形成される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記グラウンドパターンまたは前記信号パターン上に形成され、電子素子と接続可能な接続部をさらに含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板及びこれを含むパッケージ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器等の電子機器等においては、高集積・多機能化を実現するためにチップを実装する技術が多様に発展している。
チップをプリント回路基板に実装するための様々なパッケージ技術が採用されており、プリント回路基板とチップとの接続方式としては、フリップチップボールグリッドアレイ(flip chip ball grid array)方式、及びワイヤボンディング(wire bonding)方式等がある。
【0003】
フリップチップボールグリッドアレイ方式は、チップの下部に端子が形成され、バンプによりプリント回路基板と接続する方式である。
一方、ワイヤボンディング方式は、チップの上部に端子が形成され、ワイヤによりプリント回路基板と接続する方式である。
【0004】
フリップチップボールグリッドアレイ方式は、バンプにより、プリント回路基板上に形成された回路パターンと直接接続するので、ワイヤにより迂迴的にプリント回路基板と接続する方式よりは信号伝達速度が速い。
したがって、フリップチップボールグリッドアレイ方式は、高性能な回路を実装するのに好適であり、HIGH I/O countを要求するパッケージに使用されることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第2006-0094662号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るプリント回路基板は、グラウンドパターンが形成された領域及び信号パターンが形成された領域において銅の分布が互いに類似した分布となるように、グラウンドパターンにホールを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例に係るパッケージ基板を概略的に示す断面図である。
図2】電子素子実装下部領域を除いた領域における信号パターンの一部を示す図である。
図3】本発明の一実施例に係るプリント回路基板の電子素子実装下部領域に形成されたグラウンドパターン及び信号パターンの一部を示す図である。
図4】本発明の一実施例に係る開口部が形成された絶縁層の一部を示す図である。
図5】本発明の一実施例に係るプリント回路基板の一部分を示す断面図である。
図6】本発明の一実施例に係るプリント回路基板の他の一部分を示す断面図である。
図7】本発明の他の実施例に係るプリント回路基板の電子素子実装下部領域に形成されたグラウンドパターン及び信号パターンの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本出願に使用された用語は、ただ特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明らかに表現しない限り、複数の表現を含む。
【0009】
明細書全般にわたって、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは特別に言及しない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
また、明細書全般にわたって、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0010】
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
また、本明細書において、第1、第2などの用語は、同一または相応する構成要素を区別するための識別記号に過ぎず、同一または相応する構成要素が第1、第2などの用語により限定されない。
【0011】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示したものであって、本発明が必ずしもそれらに限定されることがない。
本発明に係るプリント回路基板及びこれを含むパッケージ基板の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明を省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施例に係るパッケージ基板1000を概略的に示す断面図である。
図1を参照すると、パッケージ基板1000は、プリント回路基板100及びプリント回路基板100上に配置された電子素子70を含むことができる。
【0013】
プリント回路基板100は、第1絶縁層10と第2絶縁層20とを含み、第1絶縁層10上にはグラウンドパターン30、信号パターン40を形成することができる。
【0014】
第1絶縁層10は、グラウンドパターン30及び信号パターン40の下部に形成された絶縁層であり、第2絶縁層20は、グラウンドパターン30及び信号パターン40の上部に形成された絶縁層である。
第1絶縁層10の材質としては、ABF、PPG、PID等、その材質は制限されず、同様に、第2絶縁層20は、グラウンドパターン30、信号パターン40を保護するためのソルダーレジスト層を含む概念であって、ABF、PPG、PID等、その材質は制限されない。
【0015】
その他にも、プリント回路基板100は、第1絶縁層10の内部に回路パターン3、4及びビア6を形成することができ、補強層11を含むことにより剛性を保持することができる。
【0016】
一方、プリント回路基板100は、電子素子70を実装するために接続部2を含むことができる。本発明において、接続部2は、バンプ、メタルポストを含む概念である。
接続部2は、プリント回路基板100が高機能化されるにつれて、その数が増加し、相互間の間隔は狭くなる。
【0017】
接続部2は、接続部2間の相互間隔Iが狭くなった場合であっても、その間隔を一定に揃えて保持しながら信号パターン40と接続する必要があり、これにより、プリント回路基板100は、信号パターン40から伝達された信号が相互干渉を起こさずにそれぞれの機能を実現することができる。
一方、接続部2は、積層された絶縁層10、11上に形成されるので、絶縁層10、11の高さを一定に揃えて維持する必要があり、これにより、相互間隔Iが狭くなった場合であってもその間隔を一定に揃えて維持することができる。
【0018】
絶縁層10、11の高さが一定にならず、絶縁層10、11の高低差により傾斜面が形成された場合は、傾斜面に形成された接続部2も傾斜して、接続部2同士が相互接触することがある。
したがって、接続部2の下部に形成される絶縁層10、11の高さと接続部2の周辺に形成される第2絶縁層20の高さとは一定に揃えて形成されることが好ましい。
【0019】
絶縁層10、11、20の高さは、絶縁層の下部に形成される金属パターンの分布面積の差によって変化し得る。
特に、金属パターンのうち、グラウンドパターン30と信号パターン40は、金属の分布面積の偏差が大きい。
【0020】
グラウンドパターン30は、プリント回路基板100の表面または内部に形成される回路パターンの共通の電位基準点が形成される所であって、電位差を安定に制御するために、電子素子の下部に形成され、電子素子に対応する面積にわたって分布するようにパターニングされるのが一般的である。
一方、信号パターン40は、グラウンドパターン30の周辺に微細な線が複数形成されて、溝45が形成され得る。
【0021】
したがって、第2絶縁層20の高さ偏差は、グラウンドパターン30が信号パターンよりも相対的に広い面積に金属が分布させられて発生する。
【0022】
以下では、図面を参照して、本発明の一実施例に係るグラウンドパターン30を説明し、グラウンドパターン30上に形成される絶縁層の高さの偏差を改善できる効果をより詳細に説明する。
【0023】
図2は、電子素子実装下部領域を除いた領域における信号パターンの一部を示す図である。具体的に、電子素子実装下部領域の周辺に形成された信号パターン形成領域Sの一部を示す図である。
【0024】
図2を参照すると、信号パターン40と信号パターン40との間には、信号パターン40の厚さTにより、溝45が形成され得る。
【0025】
溝45の数は、信号パターン40の数に比例し、溝45の深さDは、信号パターン40の厚さTと同一であり、溝45の幅Wは、信号パターン40の間隔と同一である。
溝45の深さDが深く、幅Wが広く形成されるほど、充填される第2絶縁層20の量が多くなり、グラウンドパターン30及び信号パターン40上に形成される第2絶縁層20の高さの偏差が大きくなり得る。
【0026】
図3は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の電子素子実装下部領域Gに形成されたグラウンドパターン30及び信号パターン40の一部を示す図であり、図4は、本発明の一実施例に係る開口部が形成された第2絶縁層20の一部を示す図である。
【0027】
図3から図4を参照すると、本発明の実施例に係るグラウンドパターン30には、十字状のホール35を形成することができ、ホール35は、グラウンドパターン30に均等に配置される形で形成することができる。
【0028】
グラウンドパターン30は、内部にホール35が形成され、ホール35に第2絶縁層20が部分的に充填され、これにより、グラウンドパターン30及び信号パターン40の上に形成された第2絶縁層20の厚みの偏差を改善することができる。
ホール35は、グラウンドパターン30内に複数形成されてもよく、その大きさは、相互異なってもよい。
【0029】
図5は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の一部分を示す断面図であり、図6は、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の他の一部分を示す断面図である。
【0030】
図5を参照すると、グラウンドパターン30及び信号パターン40上に第2絶縁層20が積層され、第2絶縁層20上に電子素子70が配置される。
第2絶縁層20は、グラウンドパターン30に形成されたホールに形成することができ、複数の信号パターン40の間に形成された溝45にも形成することができる。
【0031】
したがって、グラウンドパターン30が形成された領域の第2絶縁層20の高さと、信号パターン40が形成された領域の第2絶縁層20の高さとが、実質的に同一となるように形成することができる。
電子素子70は、実質的に同一の高さに形成された第2絶縁層20上に形成され、より安定的にプリント回路基板に配置されることができる。
【0032】
上記のそれぞれの領域において高さの偏差が発生しないように、ホール35の面積は、信号パターン40により形成された溝45の面積と実質的に同一となるように形成することが好ましい。
但し、ホール35の面積と溝45の面積が実質的に同一に形成される範囲は、グラウンドパターン30のメッキ面積と信号パターン40のメッキ面積が実質的に同一となるように形成される範囲内に制限される。
【0033】
本発明の一実施例によれば、絶縁層の高さの偏差が改善されることにより、接続部2の相互間隔を一定に保持することができる。
【0034】
図7は、本発明の他の実施例に係るプリント回路基板の電子素子が実装される電子素子の下部領域に形成されたグラウンドパターン30及び信号パターン40の一部を示す図である。
【0035】
図7を参照すると、グラウンドパターン30に形成されたホール35は、複数形成され、それらの大きさは、相互異なってもよい。
例えば、中心に形成されるホール35の大きさは、端に隣接した領域のホール35の大きさよりも大きくなるように形成することができる。
【0036】
ホール35は、多角形、円形、楕円形、メッシュパターン及び放射形パターンのうちのいずれか一つ以上が選択されて形成されることができ、ホール35の面積は、信号パターン40の面積に比例して形成されることができる。
【0037】
グラウンドパターン30に形成されたホール35の大きさ、形状、分布は、信号パターン40が形成される面積、分布により異ならせることができる。
【0038】
また、本発明の実施例に係るグラウンドパターン30、信号パターン40は、第1絶縁層10上にのみ形成されたものを示したが、複数の絶縁層にそれぞれ形成することもできる。
【0039】
本発明の一実施例に係るパッケージ基板1000は、グラウンドパターン30にホール35が形成されることにより、信号パターン40と金属パターンとの分布差による絶縁層の厚みの偏差を解消することができる。
したがって、絶縁層の厚みの偏差が改善されることにより、接続部2の相互間の接続の問題などを改善することができ、プリント回路基板100またはこれを含むパッケージ基板1000の性能を改善することができる。
【0040】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。
【符号の説明】
【0041】
2 接続部
3、4 回路パターン
6 ビア
10 第1絶縁層
20 第2絶縁層
30 グラウンドパターン
35 ホール
40 信号パターン
70 電子素子
100 プリント回路基板
1000 パッケージ基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7