(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】円偏波アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/24 20060101AFI20220301BHJP
H01Q 1/12 20060101ALI20220301BHJP
H01Q 1/42 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H01Q21/24
H01Q1/12 Z
H01Q1/42
(21)【出願番号】P 2018123455
(22)【出願日】2018-06-28
【審査請求日】2021-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】100197022
【氏名又は名称】谷水 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【氏名又は名称】西脇 博志
(72)【発明者】
【氏名】金子 敦
(72)【発明者】
【氏名】田中 陽子
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-204434(JP,A)
【文献】特開2001-237638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00- 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形とされたアンテナケース内に左旋円偏波アンテナ部と右旋円偏波アンテナ部とが収納されている円偏波アンテナであって、
前記左旋円偏波アンテナ部と前記右旋円偏波アンテナ部とは、
周縁から複数の突部が突出して形成されている電波が透過する弾性を有する軟質材製の平板状の部材を複数個積層したヘリカル保持部材と、
積層された該ヘリカル保持部材に巻回された4本のヘリカル素子と、
を少なくとも備え、前記ヘリカル保持部材における前記突部が前記アンテナケースの内周面に弾性的に圧接されることにより、前記左旋円偏波アンテナ部および前記右旋円偏波アンテナ部が前記アンテナケース内に保持されていることを特徴とする円偏波アンテナ。
【請求項2】
前記4本のヘリカル素子は柔軟な材質製とされ、前記ヘリカル保持部材に巻回された際に、前記ヘリカル保持部材における前記突部同士の交差部である交点で前記ヘリカル素子のそれぞれが保持されていることを特徴とする請求項1に記載の円偏波アンテナ。
【請求項3】
前記ヘリカル素子部材は、周縁に突部がそれぞれ形成された4つの突出部からなる十字状の形状とされたA部材の2つの間に、周縁に複数の突部がほぼ等間隔で形成されたほぼ円板状の形状とされたB部材の2つを積層して構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の円偏波アンテナ。
【請求項4】
前記A部材と前記B部材とには中心から偏心した2つの挿通孔が形成されており、
前記ヘリカル保持部材の上下に配置された第1基板および第2基板に立設された支柱が、前記2つの挿通孔に挿通されることにより、前記A部材の突部と前記B部材の突部とが位置決めされることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
【請求項5】
前記第1基板に設けられ前記アンテナケースの内側に固着されるスペーサAと、前記第2基板に設けられ前記アンテナケースの内周面に弾性的に圧接される軟質材製のスペーサBとが上下方向の対角に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
【請求項6】
前記左旋円偏波アンテナ部における前記ヘリカル保持部材は、前記右旋円偏波アンテナ部における前記ヘリカル保持部材の前記平板状の保持部材が裏返されて積層されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
【請求項7】
前記4本のヘリカル素子は、巻き中心の軸が互いに偏心してほぼ等間隔になるよう前記ヘリカル保持部材に螺旋状に巻かれて、ホット素子とコールド素子との組を2組構成しており、
前記ホット素子とコールド素子との一方の組に給電される位相を、前記ホット素子とコールド素子との他方の組に給電される位相と約90°異ならせることにより、前記4本のヘリカル素子において隣り合うヘリカル素子との位相差が約90°となるように給電を行う給電されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の円偏波アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナケース内に収納された円偏波アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な通信システムが開発及び使用されているが、円偏波モードの通信システムがある。このような通信システムにおける基地局や端末機器用のアンテナとしては円偏波アンテナが用いられる。
【0003】
円偏波アンテナとしては、パッチアンテナやヘリカルアンテナが用いられる。ヘリカルアンテナを利用した従来の円偏波アンテナ500の構成を
図12に示す。
図12は円偏波アンテナ500の構成を示す斜視図である。
図12に示す円偏波アンテナ500は、4本の導体からなるヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546が天頂方向に向かってピッチ角が例えば30乃至60度の範囲内で螺旋状に延在している。4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546はプリント基板548上に同心円状に90度間隔でそれぞれ配置されている。また、プリント基板548上には4個のスイッチモジュールが配置されており、4個のスイッチモジュールはプリント基板548上に配置された遅延線530,532,534,536との接続を制御している。
【0004】
4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の螺旋の外径、長さ、ピッチ角などは、アンテナの放射パターンや利得などの特性に直接影響し、要求仕様に応じて適正に設定される。4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の材質としては、アルミニウムや銅合金などの良導体を用いることが出来る。またプリント基板548は、ヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の螺旋外径の3倍以下にすることが出来る。
【0005】
第1遅延線530の電気長をEL1とすると、第2遅延線532の電気長EL2は(EL1+λ/4)、第3遅延線534の電気長EL3は(EL2+λ/4)、第4遅延線536の電気長EL4は(EL3+λ/4)にそれぞれ設定されている。この結果、それぞれの遅延線を経由して給電された4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546の給電位相は、90度ずつ順次遅れる。
4個のスイッチモジュールを制御して、遅延線530,532,534,536を介することなく直接4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546に給電すると、4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546は全て同位相で給電されるので直線偏波を送受信できる。また、4個のスイッチモジュールを制御して、遅延線530,532,534,536をそれぞれ介して4本のヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546に給電すると、各ヘリカルアンテナエレメント540,542,544,546における給電の位相が90度ずつずれるので、円偏波を送受信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の円偏波アンテナでは、軸方向に長い形状とされていることから、アンテナケースに内蔵する場合は、大きなアンテナケースが必要とされる。また、通信の相手が移動している際には、相手方から放射される電波が反射することがある。そして、円偏波は反射されると旋回方向が逆転することから、右旋と左旋の円偏波アンテナを設ける必要がある。すると、右旋と左旋の円偏波アンテナをアンテナケースに内蔵させるには、さらに大きなアンテナケースが必要になるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、右旋円偏波と左旋円偏波とを送受信することができ、アンテナケースに内蔵しても小型化することができる円偏波アンテナを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の円偏波アンテナは、円筒形とされたアンテナケース内に左旋円偏波アンテナ部と右旋円偏波アンテナ部とが収納されている円偏波アンテナであって、前記左旋円偏波アンテナ部と前記右旋円偏波アンテナ部とは、周縁から複数の突部が突出して形成されている電波が透過する弾性を有する軟質材製の平板状の部材を複数個積層したヘリカル保持部材と、積層された該ヘリカル保持部材に巻回された4本のヘリカル素子とを少なくとも備え、前記ヘリカル保持部材における前記突部が前記アンテナケースの内周面に弾性的に圧接されることにより、前記左旋円偏波アンテナ部および前記右旋円偏波アンテナ部が前記アンテナケース内に保持されていることを最も主要な特徴としている。
【0010】
また、上記円偏波アンテナにおいて、前記4本のヘリカル素子は柔軟な材質製とされ、前記ヘリカル保持部材に巻回された際に、前記ヘリカル保持部材における前記突部同士の交差部である交点で前記ヘリカル素子のそれぞれが保持されている。
さらに、上記円偏波アンテナにおいて、前記ヘリカル素子部材は、周縁に突部がそれぞれ形成された4つの突出部からなる十字状の形状とされたA部材の2つの間に、周縁に複数の突部がほぼ等間隔で形成されたほぼ円板状の形状とされたB部材の2つを積層して構成されている。
さらにまた、上記円偏波アンテナにおいて、前記A部材と前記B部材とには中心から偏心した2つの挿通孔が形成されており、前記ヘリカル保持部材の上下に配置された第1基板および第2基板に立設された支柱が、前記2つの挿通孔に挿通されることにより、前記A部材の突部と前記B部材の突部とが位置決めされている。
さらにまた、上記円偏波アンテナにおいて、前記第1基板に設けられ前記アンテナケースの内側に固着されるスペーサAと、前記第2基板に設けられ前記アンテナケースの内周面に弾性的に圧接される軟質材製のスペーサBとが上下方向の対角に設けられている。
さらにまた、上記円偏波アンテナにおいて、前記左旋円偏波アンテナ部における前記ヘリカル保持部材は、前記右旋円偏波アンテナ部における前記ヘリカル保持部材の前記平板状の保持部材が裏返されて積層されている。
さらにまた、上記円偏波アンテナにおいて、前記4本のヘリカル素子は、巻き中心の軸が互いに偏心してほぼ等間隔になるよう前記ヘリカル保持部材に螺旋状に巻かれて、ホット素子とコールド素子との組を2組構成しており、前記ホット素子とコールド素子との一方の組に給電される位相を、前記ホット素子とコールド素子との他方の組に給電される位相と約90°異ならせることにより、前記4本のヘリカル素子において隣り合うヘリカル素子との位相差が約90°となるように給電を行う給電されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の円偏波アンテナは、右旋円偏波アンテナ部と左旋円偏波アンテナ部とを備えていることから、右旋円偏波および左旋円偏波を送受信することができる。従って、本発明の円偏波アンテナは、円偏波が反射されて逆旋となっても送受信することができるようになる。
また、本発明の円偏波アンテナでは、4本のヘリカル素子が、巻き中心の軸が互いに偏心してほぼ等間隔になるよう螺旋状に巻かれていることから、低姿勢としても指向特性等の電気的特性がずれることがない。従って、本発明の円偏波アンテナをアンテナケースに内蔵されても小型することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例である円偏波アンテナをマストに取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例である円偏波アンテナの構成をケースの一部を破断して示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例である円偏波アンテナの構成を断面図で示す正面図である。
【
図4】本発明の円偏波アンテナにおける右旋円偏波アンテナ部の構成を示す斜視図である。
【
図5】本発明の円偏波アンテナにおける右旋円偏波アンテナ部の第1基板の構成を示す上面図である。
【
図6】本発明の円偏波アンテナのヘリカル保持部材におけるA部材の構成を示す斜視図である。
【
図7】本発明の円偏波アンテナのヘリカル保持部材におけるB部材の構成を示す斜視図である。
【
図8】本発明の円偏波アンテナにおけるヘリカル保持部材の構成を示す斜視図、上面図および他の上面図である。
【
図9】本発明の円偏波アンテナにおけるヘリカル保持部材の構成を示す分解図である。
【
図10】本発明の円偏波アンテナにおけるヘリカル素子が巻回されたヘリカル保持部材の構成を示す上面図およびヘリカル素子の構成を示す上面図である。
【
図11】本発明の円偏波アンテナにおけるヘリカル素子が巻回されたヘリカル保持部材の構成を示す側面図およびヘリカル素子の構成を示す側面図である。
【
図12】従来の円偏波アンテナの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施例>
本発明の実施例にかかる円偏波アンテナの構成を
図1ないし
図3に示す。
図1は実施例にかかる円偏波アンテナ1をマストに取り付けた状態を示す斜視図であり、
図2は実施例にかかる円偏波アンテナ1の構成をアンテナケース10の一部を破断して示す斜視図であり、
図3は実施例にかかる円偏波アンテナ1の構成を断面図で示すA方向から見た正面図である。
これらの図に示す本発明の実施例にかかる円偏波アンテナ1は、円筒形とされた電波が透過する絶縁材製、例えばビニルパイプや他の樹脂製のパイプのアンテナケース10を備えている。アンテナケース10の右端は右蓋部11が水密に嵌着されて閉塞され、アンテナケース10の左端は左蓋部12が水密に嵌着されて閉塞されている。右蓋部11および左蓋部12は一面が開口された高さの低い円筒状とされ、内径はアンテナケース10の外径より僅か小さい径とされている。右蓋部11および左蓋部12は、電波が透過する絶縁材製、例えばビニルや他の樹脂製とされている。アンテナケース10の内部には、後述する小型化された左旋円偏波アンテナ部20および右旋円偏波アンテナ部30が収納されている。第1ケーブル17は左旋円偏波アンテナ部20から引き出され、第2ケーブル18は右旋円偏波アンテナ部30から引き出されている。第1ケーブル17および第2ケーブル18は、共に同軸ケーブルとされている。
【0014】
アンテナケース10は、金属製の取付金具5により樹脂製パイプとされるマスト4に固着されている。取付金具5は、取付座金具201、押さえ金具202、Uボルト204および蝶ネジ205から構成されている。アンテナケース10の背面側に断面形状がM字状の取付座金具201が、
図3に示す1対の取付ネジ15で固着されており、取付座金具201に対向すると共にマスト4をその間に挟むように断面形状がコ字状の押さえ金具202が配置される。そして、取付座金具201に遊動可能に設けられているUボルト204の先端部を押さえ金具202に挿通して、Uボルト204の先端から1対の蝶ネジ205を螺合して締着する。これにより、取付座金具201と押さえ金具202との間にマスト4が挟持されて、アンテナケース10をマスト4に取り付けることができる。すなわち、円偏波アンテナ1がマスト4に固着される。取付座金具201および押さえ金具202は平板状の板金を加工して作成されており、取付座金具201と押さえ金具202のマスト4に接する部位には鋸歯状の突起が複数形成されている。
なお、アンテナケース10の前面側で取付ネジ15に対面する位置に、それぞれ孔が形成されており、この孔にドライバを差し込むことで1対の取付ネジ15により取付座金具201をアンテナケース10の背面側に固着している。取付座金具201をアンテナケースに取り付けた後に、前面側のそれぞれの孔にゴム等の柔軟な材質のブッシュ14が圧入されて、孔が閉塞されている。
【0015】
アンテナケース10に収納された左旋円偏波アンテナ部20と右旋円偏波アンテナ部30は低姿勢化されて高さが低く小型化されている。また、左旋円偏波アンテナ部20と右旋円偏波アンテナ部30は、ヘリカル保持部材に巻回された後述する4本のヘリカル素子の巻き方向が異なるだけで、他の構成はほぼ同様の構成とされている。
左旋円偏波アンテナ部20は、所定間隔を空けて対面して配置された第1基板21と第2基板22とを備え、第1基板21と第2基板22との間に2組の同じ構成の左旋円偏波アンテナ20aが設けられている。第1基板21と第2基板22とは、高周波特性の良好なエポキシ基板やテフロン(登録商標)基板とするのが好適である。左旋円偏波アンテナ20aは、ヘリカル保持部材24の外周面に沿って4本のヘリカル素子を左巻きに巻回して構成されている。ヘリカル保持部材24は、発泡樹脂等の電波が透過する弾性を有する軟質材製、例えばエチレン発泡体製やウレタン発泡体製とされた後述する4つの部材を積層して構成されている。4本のヘリカル素子は、柔軟な材質、例えば細径の同軸ケーブル製とされ、ヘリカル保持部材24の外周面に沿って巻回されると共に、ヘリカル保持部材24の周縁から突出して形成されている突部同士の交差部である交点で保持されるようになる。また、第1基板21の裏面において奥側に配置される端部に、発泡樹脂等の電波が透過する弾性を有する軟質材製、例えばエチレン発泡体製やウレタン発泡体製とされた細長い直方体状のスペーサBが貼着されている。さらに、第2基板22の表面において手前側の端部に一対のスペーサAがネジ止めされている。スペーサAは外周形状が六角形とされて、上端から所定の深さまで雌ねじが内部に形成されている。
【0016】
左旋円偏波アンテナ部20を円筒状のアンテナケース10内に収納する時は、アンテナケース10の開口面の一端から左旋円偏波アンテナ部20をアンテナケース10内に挿入して押し込んでいく。この際に、ヘリカル保持部材24の外縁に形成されている突部がアンテナケース10の内周面に押されて弾性的に圧接(変形)されながら挿入されていくと共に、スペーサBの両側端部がアンテナケース10の内周面に押されて弾性的に圧接されながら挿入されていく。そして、アンテナケース10内の所定位置まで左旋円偏波アンテナ部20を挿入してから、2本の第1ネジ13aをアンテナケース10の端部に開けられた2つの孔にそれぞれ挿入してスペーサAのそれぞれに螺着する。スペーサAとスペーサBとは左旋円偏波アンテナ部20の上下方向の対角に設けられていることから、スペーサAとスペーサBとの2つにより、アンテナケース10の内周面に対して第1基板21および第2基板22がほぼ平行になるよう左旋円偏波アンテナ部20が固着されて収納されるようになる。そして、左旋円偏波アンテナ部20は、ヘリカル保持部材24に形成されている突部およびスペーサBの機能によりアンテナケース10内に弾性的に保持されるようになる。左旋円偏波アンテナ部20がアンテナケース10内に収納されたら開口面の一端に右蓋部11を嵌合して開口面を閉塞する。
【0017】
右旋円偏波アンテナ部30は左旋円偏波アンテナ部20とほぼ同様の構成とされ、右旋円偏波アンテナ部30は、所定間隔を空けて対面して配置された第1基板31と第2基板32とを備え、第1基板31と第2基板32との間に2組の同じ構成の右旋円偏波アンテナ30aが設けられている。第1基板31と第2基板32とは、高周波特性の良好なエポキシ基板やテフロン(登録商標)基板とするのが好適である。右旋円偏波アンテナ30aは、ヘリカル保持部材34の外周面に沿って4本のヘリカル素子を右巻きに巻回して構成されている。ヘリカル保持部材34は、発泡樹脂等の電波が透過する弾性を有する軟質材製、例えばエチレン発泡体製やウレタン発泡体製とされた後述する4つの部材を積層して構成されている。4本のヘリカル素子は、柔軟な材質、例えば細径の同軸ケーブル製とされ、ヘリカル保持部材34の外周面に沿って巻回されると共に、ヘリカル保持部材34の周縁から突出して形成されている突部同士の交差部である交点で保持されるようになる。また、第1基板31の裏面において奥側に配置される端部に、発泡樹脂等の電波が透過する弾性を有する軟質材製、例えばエチレン発泡体製やウレタン発泡体製とされた細長い直方体状のスペーサBが貼着されている。さらに、第2基板32の表面において手前側の端部に一対のスペーサAがネジ止めされている。スペーサAは外周形状が六角形とされて、上端から所定の深さまで雌ねじが内部に形成されている。
【0018】
右旋円偏波アンテナ部30を円筒状のアンテナケース10内に収納する時は、アンテナケース10の開口面の他端から右旋円偏波アンテナ部30をアンテナケース10内に挿入して押し込んでいく。この際に、ヘリカル保持部材34に形成されている突部がアンテナケース10の内周面に押されて弾性的に圧接(変形)されながら挿入されていくと共に、スペーサBの両側端部がアンテナケース10の内周面に押されて弾性的に圧接されながら挿入されていく。そして、アンテナケース10内の所定位置まで右旋円偏波アンテナ部30を挿入してから、2本の第4ネジ13bをアンテナケース10の端部に開けられた2つの孔にそれぞれ挿入してスペーサAのそれぞれに螺着する。スペーサAとスペーサBとは右旋円偏波アンテナ部30の上下方向の対角に設けられていることから、スペーサAとスペーサBとの2つにより、アンテナケース10の内周面に対して第1基板31および第2基板32がほぼ平行になるよう右旋円偏波アンテナ部30が固着されて収納されるようになる。そして、右旋円偏波アンテナ部30は、ヘリカル保持部材34に形成されている突部およびスペーサBの機能によりアンテナケース10内に弾性的に保持されるようになる。右旋円偏波アンテナ部30がアンテナケース10内に収納されたら開口面の他端に左蓋部12を嵌合して開口面を閉塞する。
なお、第1基板31は第1基板21と、第2基板32は第2基板22とほぼ同一面内に配置されて、左旋円偏波アンテナ部20と右旋円偏波アンテナ部30とはほぼ平行に設置され ほぼ同じ指向方向を向くようになる。
【0019】
次に、左旋円偏波アンテナ部20と右旋円偏波アンテナ部30との詳細な構成を説明するが、左旋円偏波アンテナ部20と右旋円偏波アンテナ部30とはほぼ同様の構成とされているから、右旋円偏波アンテナ部30の構成のみを
図4ないし
図11を参照して説明する。
図4は右旋円偏波アンテナ部30の構成を示す斜視図、
図5は右旋円偏波アンテナ部30の第1基板31の構成を示す上面図、
図6はヘリカル保持部材34のA部材の構成を示す斜視図、
図7はヘリカル保持部材34のB部材の構成を示す斜視図、
図8(a)はヘリカル保持部材34の構成を示す斜視図、
図8(b)は上面図、
図8(c)は他の上面図、
図9はヘリカル保持部材の構成を示す分解図、
図10(a)はヘリカル素子が巻回されたヘリカル保持部材34の構成を示す上面図、
図10(b)はヘリカル素子の構成を示す上面図、
図11(a)はヘリカル素子が巻回されたヘリカル保持部材34の構成を示す側面図、
図11(b)はヘリカル素子の構成を示す側面図である。
【0020】
右旋円偏波アンテナ部30において、第1基板31と第2基板32との間に2組の右旋円偏波アンテナ30aが設けられている。第1基板31には支柱33がそれぞれの組の右旋円偏波アンテナ30a用として2本ずつ立設されており、第1基板31と第2基板32とは4本の支柱33により互いに平行になるよう固着されている。
図4に示す支柱33の両端部には所定深さの雌ねじが形成されており、1組の右旋円偏波アンテナ30aで2本の支柱33が設けられている。
図3に示すように、2本の支柱33の上端の雌ねじに第1基板31に形成された挿通孔に表面から挿通された2本の第6ネジ37がそれぞれ螺着され、2本の支柱33の下端の雌ねじに第2基板32に形成された挿通孔に裏面から挿通された2本の第5ネジ36がそれぞれ螺着されて、第1基板31と第2基板32とが互いに平行になるよう固着されている。支柱33の外形形状は六角形とされ、ヘリカル保持部材34を構成する2つのA部材45と2つのB部材46とに形成された挿通孔に2本の支柱33が弾性的に嵌挿されている。4段積層されて構成されたヘリカル保持部材34は、最上段と最下段がA部材45とされ、2,3段目がB部材46とされている。A部材45およびB部材46は、上記したように発泡樹脂等の電波が透過する弾性を有する軟質材製、例えばエチレン発泡体製やウレタン発泡体製とされている。なお、
図4では右側に配置される右旋円偏波アンテナ30aは省略して示されている。
【0021】
A部材45は
図6に示すように、所定の厚みを有し四方向に突出部が突出している平板状の十字状本体部45aから構成されている。十字状本体部45aの4つの突出部の先端部には、先の尖った突部とされる先鋭部45bが片側に寄って形成され、対向する二方向の突出部に中心から偏心した位置に円形の挿通孔45cがそれぞれ形成されている。
B部材46は
図7に示すように、所定の厚みを有しほぼ丸い平板状(円板状)とされた円形状本体部46aから構成されている。円形状本体部46aの周縁には4つの突部46bがほぼ等間隔で形成されており、円形状本体部46aには中心から偏心した位置に2つの挿通孔45cが形成されている。突部46bはほぼ矩形状とされているが、一側面は斜面とされ対向する他側面の角部は面取りされている。そして、円形状本体部46aの中心線を2つの挿通孔45cの中心を結ぶように通した際に、中心線が突部46bの斜面の付け根にぶつかるように、4つの突部46bは2つの挿通孔45cの中心を結んだ中心線からずれて形成されている。
【0022】
ヘリカル保持部材34は、
図8(a)および
図9に示すようにA部材45-B部材46-B部材46-A部材45の4段の順で挿通孔45cまたは挿通孔46cに支柱33を嵌入することで積層されて構成されている。ただし、一番下のA部材45とその上のB部材46は裏返されて積層され先鋭部45bおよび突部46bの位置が逆方向にずれて積層されている。突部である先鋭部45bと突部46bとは、支柱33に嵌入されることにより位置決めされて、
図8(b)に示すように、突部である先鋭部45bの斜面と突部46bの斜面との間に交点47が等間隔で4カ所ずつ形成される。すなわち、斜面同士の間に交点47が生じるようになる。
【0023】
第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の4本は、柔軟な材質、例えば細径の同軸ケーブル製とされ、
図10(a)および
図11(a)に示すように、ヘリカル保持部材34の外周面に沿って右回りに巻回された際に4カ所の交点47のそれぞれにおいて保持されると共に、2段目と3段目のB部材46の円形状本体部46aの外周面に沿って巻回されるようになる。上記したように斜面同士の間に交点47が生じているが、
図10(a)および
図11(a)に示すように、最下段の突部である先鋭部45bの斜面よりその上の段の突部46bの斜面が右巻きの第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の巻き始め側(右側)に位置するようになる。これにより、交点47を通過した第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44は、先鋭部45bの上面側に位置するようになる。また、最上段の突部である先鋭部45bの斜面よりその下の段の突部46bの斜面が右巻きの第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の巻き終わり側(左側)に位置するようになって、交点47を通過した第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44は、突部46bの上面側に位置するようになる。なお、
図10(a)および
図11(a)では、第1基板31および第2基板32を省略して示している。
【0024】
図10(b)および
図11(b)に示すように、第1ヘリカル素子41、第2ヘリカル素子42、第3ヘリカル素子43、第4ヘリカル素子44は、互いにほぼ等間隔になるようほぼ90°間隔でそれぞれ配置されて右巻きの螺旋状で巻かれて構成されているが、その巻き中心は互いに偏心している。そして、ピッチ角が小さくされて高さが低くされている。一般に、ピッチを小さくすると指向特性等の電気的特性がずれてしまうようになるが、本発明にかかる右旋円偏波アンテナ部30では、第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の巻き中心の軸が互いに偏心していることから、ピッチを小さくしても指向特性等の電気的特性がずれないようになる。すなわち、従来の複数のヘリカル素子を備える円偏波アンテナに比べ低い高さで動作させることが可能となり、本発明にかかる右旋円偏波アンテナ部30を低姿勢化することができ、小型化することができる。
【0025】
第1基板31および第2基板32はプリント基板からなる横長とされた矩形のほぼ同形状とされている。第1基板の裏面はほぼ全面アースとされ、表面に
図5に示す給電用のプリントパターンが形成されている。プリントパターンはマイクロストリップラインとされ、給電点31aには第2ケーブル18が接続されている。給電点31aからのラインは2分配器31bで2分配されて、2つの右旋円偏波アンテナ部30にそれぞれ給電される。2分配器31bで分配された2つのラインは左右に延伸されている。それぞれのラインの端部に第2ヘリカル素子42と第4ヘリカル素子44を構成する同軸ケーブルの中心線が接続点が形成されている。第4ヘリカル素子44は一方のラインでは90°遅延線31cのラインを介した接続点、他方のラインでは90°遅延線31dのラインを介した接続点に接続される。第2ヘリカル素子42と第4ヘリカル素子44を構成する同軸ケーブルの外被導体は第1基板31の裏面のアースに接続されている。また、第1ヘリカル素子41と第3ヘリカル素子43を構成する同軸ケーブルの外被導体も第1基板31の裏面のアースに接続されている。
【0026】
第2基板32の表面には
図4に示すように菱形で一方の先端に向かって伸びるよう変形されたパターンとされ、このパターンが90°ずつ回転されて、パターンAないしパターンDの4つのプリントパターンが形成されている。第2基板32の裏面にはパターンは形成されていない。第2ヘリカル素子42を構成する同軸ケーブルの外被導体はパターンBにハンダ付けされて接続され、その中心線はパターンAにハンダ付けされて接続される。パターンAには第1ヘリカル素子41の外被導体が接続されることから、第1ヘリカル素子41がホット素子となり、第2ヘリカル素子42がコールド素子となる。また、第4ヘリカル素子44を構成する同軸ケーブルの外被導体はパターンDにハンダ付けされて接続され、その中心線はパターンCにハンダ付けされて接続される。パターンCには第3ヘリカル素子43の外被導体が接続されることから、第3ヘリカル素子43がホット素子となり、第4ヘリカル素子44がコールド素子となる。このように、第1ヘリカル素子41と第2ヘリカル素子42とのホット素子とコールド素子の第1の組と、第3ヘリカル素子43と第4ヘリカル素子44とのホット素子とコールド素子の第2の組との2組が構成される。そして、90°遅延線31c(90°遅延線31d)により第3ヘリカル素子43および第4ヘリカル素子44への給電は90°遅れるようになるから、第1の組に給電される位相と第2の組に給電される位相との位相差が約90°となり、右巻きの第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44を備える右旋円偏波アンテナ30aは、右旋円偏波を放射あるいは受信するようになる。なお、第2基板32にはパターンAないしパターンDの外方に向かう延伸方向に沿って斜めの溝がそれぞれ形成されている。この溝には、第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44を構成する同軸ケーブルの先端部が嵌入されて位置決めされ、第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の端部がそれぞれパターンAないしパターンDに接続されるようになる。
【0027】
左旋円偏波アンテナ部20は、ヘリカル保持部材24におけるA部材45とB部材46の積層態様が異なると共に、第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の巻き方向が右巻きから左巻きになる構成を除いて、右旋円偏波アンテナ部30と同様の構成とされている。
そこで、ヘリカル保持部材24の構成を説明する。
ヘリカル保持部材24は、A部材45-B部材46-B部材46-A部材45の4段の順で挿通孔45cまたは挿通孔46cに支柱33を嵌入することで積層されて構成されている。ただし、
図8(c)に示すようにヘリカル保持部材34を構成する2つのA部材45および2つのB部材46を全て裏返して積層するようにしている。この場合も、
図8(c)に示すように、突部である先鋭部45bの斜面と突部46bの斜面との間に交点47が等間隔で4カ所ずつ形成されるようになる。そして、最上段の突部である先鋭部45bの斜面よりその下の段の突部46bの斜面が左巻きの第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の巻き終わり側(右側)に位置するようになって、交点47を通過した第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44は、突部46bの上面側に位置するようになる。また、最下段の突部である先鋭部45bの斜面よりその上の段の突部46bの斜面が左巻きの第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の巻き始め側(左側)に位置するようになる。これにより、交点47を通過した第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44は、先鋭部45bの上面側に位置するようになる。なお、
図8(c)では、第1基板31および第2基板32を省略して示している。
【0028】
上記したヘリカル保持部材24に左巻きの螺旋状に第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44が巻回された左旋円偏波アンテナ部20では、90°遅延線31c(90°遅延線31d)により第3ヘリカル素子43および第4ヘリカル素子44への給電が90°遅れるようになるから、第1の組に給電される位相と第2の組に給電される位相との位相差が約90°となり、左巻きの第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44を備える左旋円偏波アンテナ20aは、左旋円偏波を放射あるいは受信するようになる。
また、第1ヘリカル素子41、第2ヘリカル素子42、第3ヘリカル素子43、第4ヘリカル素子44は、互いにほぼ等間隔になるようほぼ90°間隔でそれぞれ配置されて左巻きの螺旋状で巻かれて構成されているが、その巻き中心は互いに偏心している。そして、ピッチ角が小さくされて高さが低くされている。本発明にかかる左旋円偏波アンテナ部20では、第1ヘリカル素子41ないし第4ヘリカル素子44の巻き中心の軸が互いに偏心しており、ピッチが小さくされていることから、本発明にかかる左旋円偏波アンテナ部20を指向特性等の電気的特性がずれることなく低姿勢化することができ、小型化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナは、第1ヘリカル素子ないし第4ヘリカル素子がヘリカル保持部材に巻回されている。これらの4本のヘリカル素子には、例えば外被導体の内径が約1.6mmの同軸ケーブルが使用され、給電用の同軸ケーブルである第1ケーブルおよび第2ケーブルと共用されている。この同軸ケーブルは径が細いことから柔軟に屈曲され、巻回された際にヘリカル保持部材で保持されるようになる。そして、巻方向を左巻きから右巻きとすることにより、円偏波の旋回方向を逆転させることができる。この場合、ヘリカル保持部材を構成する2つのA部材と2つのB部材をそれぞれ裏返して積層することにより、左旋用から右旋用とすることができ、ヘリカル保持部材は円偏波の旋回方向によらず共通して使用することができる。
また、上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナは、互いにほぼ等間隔になるようほぼ90°間隔でそれぞれ配置されて螺旋状にヘリカル保持部材に巻かれた第1ヘリカル素子ないし第4ヘリカル素子の巻き中心の軸が互いに偏心していることから、高さを低くしても良好な電気的特性を得ることができる。また、巻き中心の軸が互いに偏心していると、同一巻き数の間に通る経路長が長くなり、その結果ピッチが短くなったことと同様の効果が得られ、さらに高さを低くすることができる。これにより、左旋円偏波アンテナ部および右旋円偏波アンテナ部を低姿勢化することができ、アンテナケースを備える本発明の円偏波アンテナを小型化することができる。例えば、第1基板から第2基板までの高さは約60mm弱とされヘリカル保持部材の外径は約80mmとされて、アンテナケースの外径を約90mm、内径を約84mm、中心軸方向の長さを約560mmとすることができる。
さらに、上記説明した本発明の実施例の円偏波アンテナは、蓋部を含むアンテナケースやヘリカル保持部材等のほとんどの部品が合成樹脂製とされて軽量化されている。このため、本発明の実施例の円偏波アンテナを取り付ける取付金具の強度、および、本発明の実施例の円偏波アンテナを支持するマストの強度として高い強度を必要としなくなる。
そして、4本のヘリカル素子は第1ケーブルおよび第2ケーブルと同じ同軸ケーブルが使用されて、本発明の実施例の円偏波アンテナは特別な素材の部品を使用していないことから低コスト化されている。
【符号の説明】
【0030】
1 円偏波アンテナ、10 アンテナケース、11 右蓋部、12 左蓋部、13a 第1ネジ、13b 第4ネジ、14 ブッシュ、15 取付ネジ、17 第1ケーブル、18 第2ケーブル、20 左旋円偏波アンテナ部、20a 左旋円偏波アンテナ、21 第1基板、22 第2基板、24 ヘリカル保持部材、26 第2ネジ、27 第3ネジ、30 右旋円偏波アンテナ部、30a 右旋円偏波アンテナ、31 第1基板、31a 給電点、31b 2分配器、31c 90°遅延線、31d 90°遅延線、32 第2基板、33 支柱、34 ヘリカル保持部材、36 第5ネジ、37 第6ネジ、41 第1ヘリカル素子、42 第2ヘリカル素子、43 第3ヘリカル素子、44 第4ヘリカル素子、45 A部材、45a 十字状本体部、45b 先鋭部、45c 挿通孔、46 B部材、46a 円形状本体部、46b 突部、46c 挿通孔、47 交点、201 取付座金具、202 金具、204 ボルト、205 蝶ネジ、500 円偏波アンテナ、530,532,534,536 遅延線、540,542,544,546 ヘリカルアンテナエレメント、548 プリント基板