(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】静電容量測定装置
(51)【国際特許分類】
G01F 23/26 20220101AFI20220301BHJP
G01N 27/22 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G01F23/26 A
G01N27/22 B
(21)【出願番号】P 2021168906
(22)【出願日】2021-10-14
【審査請求日】2021-10-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521452898
【氏名又は名称】斉藤 幸明
(74)【代理人】
【識別番号】100141955
【氏名又は名称】岡田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 幸明
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/111551(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/123141(WO,A2)
【文献】米国特許第06823731(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0087013(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0058844(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、長手方向に延在する、読出電極と、該読出電極に対向する対向電極とで構成されるコンデンサである、
対向電極と読出電極の間隔、及び、読出電極の長手方向に直交する方向に沿った幅の双方が、均一である均一コンデンサと、
対向電極と読出電極の間隔が一定であり、読出電極の長手方向に直交する方向に沿った幅が長手方向に沿って周期関数状に変化する第1~第P(Pは3以上の整数)周期コンデンサと
を備え、
前記第1~第P周期コンデンサが示す周期関数は、
最大値と最小値との差及び周期Lが、互いに共通であり、
初期位相が互いに異なる
ことを特徴とする静電容量測定装置。
【請求項2】
読出電極の幅が長手方向に沿って周期的に変化する、第1~第P左コンデンサ及び第1~第P右コンデンサを備え、
1以上P以下の整数kに対して、第k左コンデンサを構成する読出電極の幅と第k右コンデンサを構成する読出電極の幅の和が、それぞれ一定で、互いに等しく、
前記第k左コンデンサと前記第k右コンデンサが、第k周期コンデンサを構成し、前記第k左コンデンサの静電容量と前記第k右コンデンサの静電容量の差が、前記第k周期コンデンサの静電容量であり、
前記第1左コンデンサと前記第1右コンデンサが、前記均一コンデンサを構成し、前記第1左コンデンサの静電容量と前記第1右コンデンサの静電容量の和が、前記均一コンデンサの静電容量である
ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量測定装置。
【請求項3】
読出電極の幅が長手方向に沿って周期的に変化する、第1~第Pコンデンサを備え、
前記第1~第Pコンデンサが、それぞれ
前記第1~第P周期コンデンサを構成し、前記第1~第Pコンデンサの静電容量が、それぞれ前記第1~
第P周期コンデンサの静電容量であり、
前記第1~第Pコンデンサが、前記均一コンデンサを構成し、前記第1~
第Pコンデン
サを構成する読出電極の幅の和が一定であり、前記第1~
第Pコンデンサの静電容量の和が、前記均一コンデンサの静電容量である
ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量測定装置。
【請求項4】
コンデンサ部と、
静電容量測定部と、
演算部と
を備え、
前記コンデンサ部は、前記均一コンデンサ及び前記第1~
第P周期コンデンサを備え、
前記静電容量測定部は、前記均一コンデンサ及び前記第1~
第P周期コンデンサの静電容量を取得し、
前記演算部は、
前記第1~
第P周期コンデンサの静電容量から、位相φを取得する位相取得手段と、
前記均一コンデンサの静電容量から、周期Lの繰り返し回数Nを取得する繰り返し回数取得手段と、
h=L×N+L/2π×φの式を用いて、対向電極と読出電極の間の物質の高さhを取得する高さ取得手段と
を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の静電容量測定装置。
【請求項5】
前記演算部が、さらに、
前記第1~
第P周期コンデンサの静電容量の2乗の和から、対向電極と読出電極の間の物質の比誘電率を取得し、前記比誘電率を用いて前記繰り返し回数Nを取得する
ことを特徴とする請求項4に記載の静電容量測定装置。
【請求項6】
前記演算部が、補正手段を備え、
高さhにおける
前記第1~第P
周期コンデンサの静電容量の測定値の補正前の測定値D
1´(h)~D
P´(h)のいずれか1又は複数の1周期における平均値が、0以外の値をとるとき、前記補正手段が、測定値D
1´(h)~D
P´(h)のいずれか1又は複数に対して測定値を補正して、
前記第1~第P
周期コンデンサの補正後の測定値D
1(h)~D
P(h)の、1周期における平均値をいずれも0にする
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の静電容量測定装置。
【請求項7】
高さhにおける
前記第1~第P
周期コンデンサの
静電容量の測定値の補正前の測定値D
1´(h)~D
P´(h)のいずれか1又は複数の1周期における平均値が、0以外の値をとるとき、
前記第1~第P
周期コンデンサの補正後の測定値D
1(h)~D
P(h)の、1周期における平均値をいずれも0にする補正電極を備え、
前記補正電極は、1周期における平均値が0以外の値をとる
前記周期コンデンサを構成する電極の、長手方向の高さ0以下となる部分に、当該補正電極による高さ0における測定値が、前記補正後の高さ0における測定値と等しくなるように設けられる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の静電容量測定装置。
【請求項8】
コンデンサ部と、
静電容量測定部と、
演算部と
を備え、
前記コンデンサ部は、前記第1~
第P周期コンデンサを備え、
前記静電容量測定部は、
前記第1~
第P周期コンデンサの静電容量を取得し、
前記演算部は、前記第1~
第P周期コンデンサの静電容量の2乗の和から、対向電極と読出電極の間の物質の比誘電率を取得する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の静電容量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水位の測定に用いられる静電容量式の水位センサなど、静電容量を測定する静電容量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体の水位を測定する水位計として、静電容量式の水位センサがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来の静電容量式の水位センサの概略を説明する。面積Sの2枚の電極が、互いに平行に、距離dだけ離して配置されたコンデンサの静電容量Cは、以下の式(1)で与えられる。
【0004】
【0005】
ここで、εrは比誘電率である。比誘電率εrは、真空の誘電率ε0に対する、電極間の物質の誘電率εの比(εr/ε0)である。例えば、空気の比誘電率εr(air)は1程度である。これに対し、水の比誘電率εr(water)は80程度であり、空気の比誘電率εr(air)に比べて非常に大きい。
【0006】
このため、電極対を高さ方向に延在するように設けると、浸水する電極の面積、すなわち、水位によってコンデンサの静電容量が変化する。従って、静電容量を測定することにより、水位を測定することができる。
【0007】
しかし、静電容量式の水位センサで測定される静電容量は、上記式(1)からわかるように、水位だけでなく、液体の誘電率によっても値が変わる。このため、液体の誘電率が一定でない場合など、正確な水位を求める工夫が必要である。
【0008】
正確な水位を求めるために、基準電極を用いて較正する技術がある。ここで用いられる基準電極は、完全に浸水していなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した基準電極を用いる較正では、基準電極と測定電極の電気容量の比から水位を得るため、この比が大きいと誤差が大きくなる。従って、高い水位をより正確に測定するには、基準電極を大きくする必要がある。その一方、基準電極は完全に浸水している必要があるため、大きさに制限がある。従って、従来の静電容量式の水位センサにおいて、広い測定範囲の水位を正確に測定することは難しい。
【0011】
また、水以外の液体や、粒体、粉体などの高さの測定や、電極間の物質の比誘電率の測定が望まれる場合もある。
【0012】
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものである。この発明の目的は、液体、粒体、粉体などの高さを広い測定範囲でより正確に測定でき、また、電極間の物質の比誘電率を測定できる静電容量測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の静電容量測定装置は、均一コンデンサと、第1~第P(Pは3以上の整数)周期コンデンサとを備えて構成される。均一コンデンサと、第1~第P(Pは3以上の整数)周期コンデンサは、それぞれ、長手方向に延在する、読出電極と、読出電極に対向する対向電極とで構成されるコンデンサである。均一コンデンサは、対向電極と読出電極の間隔、及び、読出電極の、長手方向に直交する方向に沿った幅の双方が、均一である。第1~第P周期コンデンサは、対向電極と読出電極の間隔、及び、読出電極の、長手方向に直交する方向に沿った幅のいずれか一方又は双方が、周期関数状に変化する。ここで、第1~第P周期コンデンサが示す周期関数は、最大値と最小値との差及び周期Lが、互いに共通であり、初期位相が互いに異なる。
【発明の効果】
【0014】
この発明の静電容量測定装置によれば、液体、粒体、粉体などの高さを広い測定範囲でより正確に測定でき、また、電極間の物質の比誘電率を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】水位センサの原理を説明するための模式図である。
【
図2】電極の他の構成例を説明するための模式図である。
【
図3】第1実施例の水位センサを説明するための模式図である。
【
図4】測定値にずれがない場合の、周期コンデンサの測定値を示す模式図である。
【
図5】測定値にずれがある場合の、周期コンデンサの測定値を示す模式図である。
【
図6】第2実施例の水位センサを説明するための模式図である。
【
図7】第3実施例の水位センサを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。ここでは、コンデンサを構成する一方の電極から他方の電極へ向かう方向をz軸、電極の長手方向をy軸、y軸及びz軸の両者に直交する方向をx軸として説明する。なお、x軸は、電極の幅方向に沿った軸である。
【0017】
(基本原理)
図1を参照して、この発明の静電容量測定装置の一実施形態として水位センサの原理を説明する。
図1は、この実施形態の水位センサの原理を説明するための模式図である。
【0018】
この実施形態の水位センサは、第1~3周期コンデンサと、均一コンデンサの4つのコンデンサを備えて構成される。各コンデンサは、2枚の電極板が互いに平行に配置された電極対を備えて構成される。
【0019】
以下の説明では、電極対を構成する電極の一方を読出電極と称し、他方を対向電極と称
することもある。対向電極は、対をなす読出電極と同じ形状及び同じ大きさで構成されてもよいし、読出電極よりも大きく構成されてもよい。以下の説明では、電極の形状として読出電極の形状を主に説明し、対向電極の形状等の説明を省略することもある。ここで、各コンデンサが有する対向電極は、一体として構成されていてもよい。また、対向電極は接地(アース)され、接地電極として用いられることもある。
【0020】
図1(A)は、第1周期コンデンサを立体的に示す模式図である。
図1(B)~(D)は、それぞれ、第1~第3周期コンデンサを構成する読出電極の、概略的な平面図である。
図1(E)は、均一コンデンサを構成する読出電極の、概略的な平面図である。
【0021】
先ず、第1~第3周期コンデンサについて説明する。第1~第3周期コンデンサでは、読出電極12と対向電極14との間隔、及び、読出電極12の長手方向に直交する方向に沿った幅のいずれか一方又は双方が、周期関数状に変化する。ここでは、読出電極12と対向電極14との間隔dが一定であり、幅が周期関数状、ここでは余弦関数状に変化する例を説明する。読出電極12は、長手方向がほぼ鉛直に配置されるのが好ましい。
【0022】
第1~3周期コンデンサの読出電極12a~12cは、初期位相が互いに異なっていることを除いて、同じ形状及び同じ大きさで構成される。すなわち、第1~3周期コンデンサの読出電極12a~12cの幅W1(y)~W3(y)の、平均値、最大値と最小値との差、及び、周期が互いに共通である。初期位相は、互いに異なっていればよいが、互いに均等に、ここでは120度(2π/3)ずつずれているのが好ましい。このときの、第1~第3周期コンデンサの読出電極12a~12cの幅W1(y)~W3(y)は、以下の式(2a)~(2c)で表される。
【0023】
【0024】
ここで、W0は第1~第3周期コンデンサの読出電極12a~12cの平均幅であり、Lは周期関数の周期であり、Rは周期関数の最大値と最小値の差の1/2である。また、φ10及びφ20は、それぞれ、第2及び第3周期コンデンサにおける初期位相である。
【0025】
なお、ここで示す例のように、周期関数が余弦関数の場合は、Rは余弦関数の振幅に対応する。また、
図1(B)~(D)に示されるように、初期位相が互いに120度(2π/3)ずつずれている場合、初期位相φ10及びφ20は、それぞれ、2π/3、及び、-2π/3となる。
【0026】
水位がhであるとき、第1~第3周期コンデンサの読出電極12a~12cの浸水部分
の面積S1(h)~S3(h)は、以下の式(3a)~(3c)で与えられる。
【0027】
【0028】
次に、均一コンデンサについて説明する。均一コンデンサでは、読出電極と対向電極との間隔、及び、読出電極の長手方向に直交する方向に沿った幅の双方が、一定である。ここでは、均一コンデンサの読出電極と対向電極との間隔dが一定であり、均一コンデンサの読出電極12dの幅が第1~第3周期コンデンサの読出電極の平均幅W0に等しい例を説明する。この例では、水位がhであるとき、均一コンデンサの浸水部分の面積S0(h)は、W0×hで与えられる。
【0029】
従って、第1~第3周期コンデンサの読出電極12dの浸水部分の各静電容量と、均一コンデンサの静電容量との差をとると、測定値として、以下の式(4a)~(4d)が得られる。
【0030】
【0031】
上記式(4a)~(4c)を水位hに対応する位相φで書き直すと、以下の式(5a)~(5d)が得られる。
【0032】
【0033】
ここで、N(Nは0以上の整数)は、周期Lの繰り返し回数である。繰り返し回数Nと位相φが得られれば、上記式(5d)から、水位hがわかる。
【0034】
ここで、繰り返し回数Nは、均一コンデンサの静電容量から得られる。均一コンデンサの静電容量を、周期Lを基準として考える。第1~3周期コンデンサの1周期Lに対応する高さまで浸水しているときの、均一コンデンサの基準静電容量は、以下の式(6)で与えられる。
【0035】
【0036】
従って、以下の式(7)で与えられる均一コンデンサの静電容量を、上記式(6)で与えられる基準静電容量で割って整数部分をとれば、周期の繰り返し回数Nが算出される。
【0037】
【0038】
位相φは、第1~第3周期コンデンサの静電容量を利用して得られる。初期位相が互いに異なる3つの周期コンデンサを用いることで、位相φが一意に決まる。
【0039】
ここでは、読出電極12の幅が余弦関数状に変化する例を説明したが、三角関数に限定されない。
図2を参照して、読出電極の他の構成例を説明する。
図2(A)及び(B)は、第1周期コンデンサの読出電極の他の構成例を説明するための模式図である。
【0040】
電極の幅を与える周期関数は、余弦関数などの厳密な三角関数で無くてもよく、三角関数に近似する、折れ線状の関数(例えば、
図2(A)参照)や、階段状の関数(例えば、
図2(B)参照)であってもよい。ここで、読出電極112xが、
図2(A)に示す折れ線状の関数である場合や、読出電極112yが、
図2(B)に示す階段状の関数である場合、これらの関数の最大値と最小値の差が、余弦関数の振幅の2倍に対応する。
【0041】
図2(A)に示す折れ線状の関数の1周期あたりの折れ曲がり回数は、任意好適に設定することができる。
【0042】
また、
図2(B)に示す階段状の関数のステップ幅は、任意好適に設定することができる。ただし、周期関数が階段状の関数の場合は、算出される位相の精度がこのステップ幅に依存する。従って、階段状の関数のステップ幅は、要求される位相精度に対応する大きさよりも小さくするのが良い。また、
図2(B)では、階段状の関数を余弦関数に直接近似させた例を示しているが、
図2(A)に示す折れ線状の関数に近似させてもよい。
【0043】
なお、ここでは、周期コンデンサを構成する読出電極の幅が、周期関数状に変化する例を説明したがこれに限定されない。例えば、周期コンデンサの読出電極の幅を均一として、周期コンデンサの、読出電極と対向電極との間隔を周期関数状に変化する構成にしてもよい。ここで、読出電極及び対向電極は、例えば、銅箔やアルミ箔など導電性の材料の表面に絶縁被膜を形成して構成される。従って、絶縁被膜の厚みを周期関数状に変化させることで、読出電極と対向電極の間隔を周期関数状に変化させることができる。
【0044】
また、ここでは、コンデンサが平行平板の電極で構成される例を説明したが、これに限定されない。最大値と最小値との差及び周期Lが互いに同じで、位相が互いに異なっている周期関数で表される、第1~第3周期コンデンサの静電容量と、第1~第3周期コンデンサの静電容量の平均値と等しい均一コンデンサの静電容量が得られれば、電極の構成は任意好適に設定できる。
【0045】
(第1実施例)
図3を参照して、第1実施例の水位センサを説明する。
図3は、第1実施例の水位センサを説明するための模式図である。
【0046】
各電極はy軸が鉛直方向になるように配置される。すなわち、y軸方向(長手方向)が高さ方向となる。またx軸に沿った辺のうち、低い位置に配置される辺のy座標を0とする。
【0047】
この第1実施例の水位センサは、コンデンサ部100、静電容量測定部200及び演算部300を備えて構成される。
【0048】
第1実施例の水位センサでは、コンデンサ部100は、第1~第3左コンデンサ11
2、122、132及び第1~第3右コンデンサ114、124、134の合わせて6つのコンデンサを備えて構成される。静電容量測定部200は、6つのコンデンサの静電容量を測定する機能を有していればよく、任意好適な従来公知のものを用いることができる。演算部300は、静電容量測定部200での測定結果に基づいて、水位を算出する。演算部300は、所定のプログラムを実行可能な、例えば、マイクロコンピュータなどで構成される。演算部300は、所定のプログラムを実行することにより各機能手段を実現する。各機能手段の動作については後述する。
【0049】
図3では、第1~第3左コンデンサ112、122、132及び第1~第3右コンデンサ114、124、134の合わせて6つのコンデンサを構成する電極対のそれぞれ一方の電極である読出電極を図示している。
【0050】
第1左コンデンサ112を構成する第1左読出電極は、y軸に沿った辺のうち、一方の側(ここでは、左側)の辺が直線状であり、他方の側(ここでは、右側)の辺が周期関数状である。周期関数は正弦関数及び余弦関数など任意好適な関数にすることができるが、ここでは、周期関数が余弦関数であり、各辺が余弦曲線で表される例を説明する。第1左読出電極の右側の辺の余弦曲線が、周期L及び振幅Rの余弦曲線であり、第1左読出電極の平均幅がW0/2であるとき、第1左読出電極の幅W1L(y)は以下の式(8a)で与えられる。
【0051】
また、第2及び第3左コンデンサ122及び132を構成する第2及び第3左読出電極は、第1左読出電極と同様に、左側の辺が直線状であり、右側の辺が余弦曲線状である。第1~第3左読出電極の右側の辺は、同じ周期Lかつ同じ振幅Rであり、互いに初期位相が120度(2π/3)ずれている余弦曲線で表される。また、第1~第3左読出電極の平均幅は互いに同じ幅であり、W0/2である。この場合、第2及び第3左読出電極の幅W2L(y)及びW3L(y)は、以下の式(8b)及び(8c)で与えられる。
【0052】
【0053】
一方、第1右コンデンサ114を構成する、第1右読出電極は、y軸に沿った辺のうち、一方の側(ここでは、左側)の辺が余弦曲線状であり、他方の側(ここでは、右側)の辺が直線状である。第1左読出電極の幅W1L(y)と第1右読出電極の幅W1R(y)の和は、一定であり、第1右読出電極の平均幅は、第1左読出電極の平均幅と等しくW0/2である。
【0054】
第2及び第3右コンデンサ124及び134を構成する第2及び第3右読出電極は、第1右読出電極と同様に、左側の辺が余弦曲線状であり、右側の辺が直線状である。第2左読出電極の幅W2L(y)と第2右読出電極の幅W2R(y)の和、及び、第3左読出電極の幅W3L(y)と第3右読出電極の幅W3R(y)の和は、いずれも一定である。第2及び第3右読出電極124a及び134aの平均幅は、W0/2である。このとき、第1~第3右読出電極の幅W1R(y)~W3R(y)は、以下の式(9a)~(9c)で与えられる。
【0055】
【0056】
水位がhであるとき、浸水している、第1~第3左読出電極の面積S1L(h)~S3L(h)及び第1~第3右読出電極の面積S1R(h)~S3R(h)は、以下の式(10a)~(10f)で与えられる。
【0057】
【0058】
静電容量取得部200は、コンデンサ部100の各コンデンサの静電容量を取得する。浸水していない部分の静電容量を無視すると、第1~第3左コンデンサ112、122及び132並びに第1右コンデンサ114、124及び134の静電容量の測定値D1L(h)~D3L(h)及びD1R(h)~D3R(h)は、それぞれ、以下の式(11a)~(11f)で与えられる。静電容量取得部200で取得された静電容量の測定値D1L(h)~D3L(h)及びD1R(h)~D3R(h)は、演算部300に送られる。
【0059】
【0060】
演算部300が備える、静電容量取得手段302は、第1~第3左コンデンサ112、122及び132並びに第1右コンデンサ114、124及び134の静電容量の測定値、D1L(h)~D3L(h)及びD1R(h)~D3R(h)から第1~第3周期コンデンサ110,120及び130の静電容量の測定値D1´(h)~D3´(h)を取得する。具体的には、以下の式(12a)~(12d)で表されるように、第1左コンデンサ112の静電容量の測定値から第1右コンデンサ114の静電容量の測定値を減算したものを第1周期コンデンサ110の静電容量の測定値D1´(h)とし、第2左コンデンサ122の静電容量の測定値から第2右コンデンサ124の静電容量の測定値を減算したものを第2周期コンデンサ120の静電容量の測定値D2´(h)とし、第3左コンデンサ132の静電容量の測定値から第3右コンデンサ134の静電容量の測定値を減算したものを第3周期コンデンサ130の静電容量の測定値D3´(h)とする。
【0061】
【0062】
ここで、上記式(12b)及び(12c)で与えられる、第2及び第3周期コンデンサ120及び130の静電容量の測定値D2´(h)及びD3´(h)の最後の項は、いわゆる測定値のずれである。この測定値のずれの成分を除去すると、第1~第3周期コンデンサの静電容量の測定値は、以下の式(13a)~(13d)で与えられる。
【0063】
【0064】
ここで、Nは周期Lの繰り返し回数を表す。なお、測定値のずれの補正については後述
する。
【0065】
また、第1左コンデンサ112の静電容量の測定値と第1右コンデンサ114の静電容量の測定値を加算したものを均一コンデンサの静電容量とする。なお、上述の通り、第1左読出電極の幅W1L(y)と第1右読出電極の幅W1R(y)の和、第2左読出電極の幅W2L(y)と第2右読出電極の幅W2R(y)の和、及び、第3左読出電極の幅W3L(y)と第3右読出電極の幅W3R(y)の和は、いずれも一定でW0である。従って、均一コンデンサの静電容量は、第1左コンデンサ112の静電容量の測定値と第1右コンデンサ114の静電容量の測定値を加算したものに限定されず、第2左コンデンサ122の静電容量の測定値と第2右コンデンサ124の静電容量の測定値を加算したものや、第3左コンデンサ132の静電容量の測定値と第3右コンデンサ134の静電容量の測定値を加算したものとしてもよい。
【0066】
図4は、D
1(φ)、D
2(φ)及びD
3(φ)を示す図である。縦軸に長手方向の軸(y軸)をとって示し、横軸にD
1(φ)、D
2(φ)及びD
3(φ)を任意単位でとって示している。
【0067】
D1(h)、D2(h)、D3(h)の和は0となる。また、D1(h)、D2(h)、D3(h)の2乗の和は(K×2R)2×3/2となる。従って、D1(h)、D2(h)、D3(h)から(K×2R)が得られる。Rは、電極の設計で決まる値であるので、(K×2R)が得られれば、Kが求められる。また、Kが求められれば、上記式
(12d)からεr(water)が計算される。
【0068】
演算部300が備える繰り返し回数取得手段306は、位相取得手段304が取得した位相φが何周期目にあるか、すなわち周期の繰り返し回数Nを算出する。まず、第1左コンデンサ112と第1右コンデンサ114の測定値の和(D1L(h)+D1R(h)=W0h×εr(water)/d)を計算する。次に、D0(h)をW0L×εr(water)/dで除算すれば、hが何周期目にあるか、すなわち周期の繰り返し回数Nが算出できる。
【0069】
さらに、以下の関係式(14a)~(14c)から、φが一義的に定まる。
【0070】
【0071】
演算部300が備える位相取得手段304は、D1(h)、D2(h)、D3(h)から上記の式(14a)~(14c)を用いて位相φを求める。
【0072】
演算部300が備える水位取得手段308は、位相取得手段が取得した位相φと、繰り返し回数取得手段が取得した繰り返し回数Nを用いて、上記の式(13d)を用いて、水位hを算出する。
【0073】
この発明の水位センサでは、電極構造が有する周期Lの周期性を用いて、水位hの大まかな位置を求め、その後、位相からその周期内での位置を測定する。この水位hの大まかな位置は、測定対象の誘電率が変化したとしても、正確な水位を求める必要はないので、問題にはならないことが多い。
【0074】
周期の繰り返し回数Nを求めた後、位相φを用いて測定するので、その1周期内での正確な位置を算出することができる。また、互いに120度位相がずれた3つの測定値を用いることで、誘電率に依存せずに位相φを求めることができる。したがって、基準電極を用いる必要はない。また、1つの水位に対する測定データから水位を求めることができる。
【0075】
また、D1(h)、D2(h)、D3(h)の和は0となる。従って、例えば、断線などにより第3周期コンデンサの測定値が得られない場合でも、均一コンデンサの測定値から第1周期コンデンサ及び第2周期コンデンサの測定値を減算することで、第3周期コンデンサの測定値を得ることができる。
【0076】
なお、6対の電極対を用いる場合、第1~第3周期コンデンサの測定値を得る際に、左コンデンサと右コンデンサの測定値の差分を取るため、振幅が2倍となり、ノイズが相殺される効果がある。
【0077】
また、製造の際には、幅W0の矩形の金属板から、右読出電極を切り出した残りを左読出電極として用いることができるので、製造工程を過剰に複雑にすることもない。
【0078】
測定値のずれが補正されていない場合、上記式(8a)及び(8b)に示すように、水位hが0において、第2周期コンデンサ120及び第3周期コンデンサ130の測定データD
2´(0)が及びD
3´(0)が0となり、
図5に示すように、測定データの平均が0とならない。
図5は測定値のずれの影響を示す模式図である。第1実施例の水位センサでは、上記式(10a)~(10c)を用いて、第1~第3周期コンデンサ110、120及び130の測定データから位相φを求めるが、測定値のずれがあると、正しく位相φを求めることができない。このため測定値のずれを補正する必要がある。
【0079】
測定値のずれの補正は、測定データから演算部300での処理により行うこともできる。あるいは、補正電極を設けて補正することもできる。
【0080】
図3に示す第1実施例では、第2周期コンデンサ120の測定値のずれを補正するために、第2左コンデンサ122の読出電極に、面積がL/2×R×sin(2π/3)である第2補正電極126を設ける。また、第3周期コンデンサ130の測定値のずれを補正するために、第3右コンデンサ134の読出電極に、面積がL/2π×R×sin(2π/3)である第3補正電極136を設ける。
【0081】
この第2及び第3補正電極126及び136を設けることで、h=0における、第2周期コンデンサ及び第3周期コンデンサの測定データD2(0)が及びD3(0)がそれぞれ、K×2R×sin(2π/3)及びK×2R×sin(-2π/3)となるので、位相φを正しく求めることができる。
【0082】
(第2実施例)
図6を参照して、第2実施例の水位センサを説明する。
図6は、第2実施例の水位センサを説明するための模式図である。
【0083】
第2実施例の水位センサは、コンデンサ部の構造が、第1実施例の水位センサと異なっている。他の構成は、第1実施例と同様なので、重複する説明を省略する。
【0084】
第2実施例の水位センサでは、コンデンサ部101は、第1~第3コンデンサ111、121及び131の3つのコンデンサを備えて構成される。
図6は、第1~第3コンデンサ111、121及び131の合わせて3つのコンデンサを構成する電極対のそれぞれ一方の電極である読出電極を図示している。
【0085】
第1コンデンサ111を構成する第1読出電極は、y軸に沿った辺のうち、一方の側(ここでは、左側)の辺が直線状であり、他方の側(ここでは、右側)の辺が周期関数状である。周期関数は正弦関数及び余弦関数など任意好適な関数にすることができるが、ここでは、周期関数が余弦関数であり、辺が余弦曲線で表される例を説明する。すなわち、第1読出電極の右側の辺の余弦曲線が、周期L及び振幅Rの余弦曲線であり、第1読出電極の平均幅がWoであるとする。
【0086】
第3コンデンサ131を構成する第3読出電極は、y軸に沿った辺のうち、一方の側(ここでは、右側)の辺が直線状であり、他方の側(ここでは、左)の辺が周期関数状である。ここでは、第1読出電極と同様に、第3読出電極の周期関数が余弦関数であり、辺が余弦曲線で表されるものとする。すなわち、第3読出電極の左側の辺の余弦曲線が、周期L及び振幅Rの余弦曲線であり、第3読出電極の平均幅がWoであるとする。
【0087】
第2コンデンサ121を構成する第2読出電極は、y軸に沿った辺の左側及び右側の両者の辺が周期関数状である。ここでは、第1及び第3読出電極と同様に、周期関数が余弦関数であり、辺が余弦曲線で表される例を説明する。すなわち、第2読出電極の両側の辺の余弦曲線が、周期L及び振幅Rの余弦曲線であり、第2読出電極の平均幅がWoであるとする。
【0088】
このとき、第1~第3コンデンサ111、121及び131は、それぞれ、上記第1~第3周期コンデンサとなる。また、第1~第3読出電極の幅W1(y)~W3(y)は、以下の式(15a)~(15c)で与えられる。
【0089】
【0090】
また、第1~第3読出電極の幅の和(W1(y)+W2(y)+W3(y))は、一定値である3W0/2となる。したがって、第1~第3周期コンデンサを並列接続したものを一体として、均一コンデンサとすることができる。この場合、第1~第3コンデンサの静電容量の和の1/3が、均一コンデンサの静電容量になる。
【0091】
この第2実施例の構成によれば、3つのコンデンサで、第1~3周期コンデンサ及び均一コンデンサを実現できるので、第1実施例の水位センサと比べて、コンパクトに構成することができる。
【0092】
(他の構成例1)
第1実施例の水位センサは、6のコンデンサ(6対の電極対)を備え、第2実施例の水位センサは、3のコンデンサ(3対の電極対)を備える。しかし、この発明の水位センサはこれに限定されない。
【0093】
第1~3周期コンデンサと、均一コンデンサの4つのコンデンサを、それぞれ独立した電極対、すなわち、4対の電極対で構成してもよい。また、第1~3周期コンデンサと、均一コンデンサの4つのコンデンサの各読出電極を、それぞれ1つの電極で構成してもよいし、2以上の電極を組み合わせて構成してもよい。
【0094】
(他の構成例2)
上述した、第1実施例及び第2実施例の水位センサでは、周期の繰り返し回数Nを算出する際に、隣接する周期との境界付近において、繰り返し回数Nを誤って算出してしまう可能性がある。
【0095】
そこで、水位センサを2つ用意し、第1の水位センサの周期がL1であるとき、第2の水位センサの周期を、第1の水位センサの周期L1とは異なるL2とするのがよい。このように周期Lが異なる2つの水位センサを用いることで、繰り返し回数Nの算出の誤りを減らすことができる。
【0096】
(他の構成例3)
ここでは、静電容量測定装置の一実施形態として、水位センサの例を説明したが、これに限定されない。この発明の静電容量測定装置は、比誘電率εrが1よりも十分大きければ、水の高さだけでなく、有機溶媒、液体燃料、液化ガスなどの液体の高さを測定できる。例えば、密閉されていて視認が容易でない容器内の液体の高さ(液面の位置)などの測定に期待される。また、配合飼料などの、粉体、粒体の高さも測定可能である。この場合、比誘電率εrが1よりも十分大きければ、測定前に液体、粉体、粒体の比誘電率εrの正確な数値を得ておく必要はない。
【0097】
また、電極間の物質の比誘電率εrの測定も可能である。例えば、土壌に含まれる水分量による比誘電率εrの違いから、土壌に含まれる水分量の測定も可能となる。
【0098】
(他の構成例4)
また、ここでは、静電容量測定装置が、第1~第3周期コンデンサを備える例を説明したが、周期コンデンサの数は、3に限定されない。周期コンデンサの数Pは、3以上の整数にすることができる。
【0099】
第1実施例と同様の構成の水位センサが、第1~第P周期コンデンサを備える場合の例を説明する。上記式(13a)~(13c)から、第k(kは1以上P以下の整数)周期コンデンサの静電容量の測定値は、以下の式(16a)で与えられる。また、このとき、
以下の式(16b)及び(16c)の関係がある。
【0100】
【0101】
従って、上記式(16c)から、Kを得ることができ、さらに、上記式(4d)から、εrが得られる。さらに、第k周期コンデンサの静電容量の測定値Dk(φ)のうち、初期位相の差が180度(=π)でない2つの測定値から、位相φを一意に求めることができる。
【0102】
なお、Pが大きくなると、周期コンデンサの数が増えるため、コンデンサ部が大きくなる可能性がある。従って、Pは3以上であり、かつ、より小さい値として、3や4にするのが好ましい。
【0103】
ここで、Pが4のとき、第1~第4周期コンデンサの静電容量の測定値Dk(φ)は、以下の式(17a)~(17d)で与えられる。
【0104】
【0105】
上記式(17a)~(17d)で示されるように、D3(φ)=-D1(φ)及びD4(φ)=-D2(φ)の関係がある。
【0106】
この場合の構成例を
図7を参照して説明する。
図7は、第3実施例の水位センサを説明するための模式図である。第3実施例の水位センサは、第1~第2左コンデンサ117及び127並びに第1~第2右コンデンサ119及び129の合わせて4つのコンデンサを備える点が、第1実施例の水位センサと異なっている。第1実施例の水位センサと重複する構成については、説明を省略する場合がある。
【0107】
第3実施例の水位センサでは、第1左コンデンサ117を構成する第1左読出電極の右側の辺と、第2左コンデンサ127を構成する第2左読出し電極の右側の辺は、いずれも周期L及び振幅Rの余弦曲線で表され、位相がπ/2ずれている。
【0108】
従って、第1左コンデンサ117と第1右コンデンサ119の静電容量の測定値の差から上記式(17a)で与えられるD1(φ)と、上記式(17c)で与えられるD3(φ)が得られる。また、第2左コンデンサ127と第2右コンデンサ129の静電容量の測定値の差から上記式(17b)で与えられるD2(φ)と、上記式(17d)で与えられるD4(φ)が得られる。D1(φ)~D4(φ)が得られた後の処理は、第1実施例の水位センサと同様なので説明を省略する。
【符号の説明】
【0109】
12、12a、12b、12c、112x、112y 読出電極
14 対向電極
100、101、102 コンデンサ部
110、120、130 電極対
111、121、131 コンデンサ
112、117、122、127、132 左コンデンサ
114、119、124、129、134 右コンデンサ
200 静電容量取得部
300 演算部
302 静電容量取得手段
304 位相取得手段
306 繰り返し回数取得手段
308 水位取得手段
【要約】
【課題】液体、粒体、粉体などの高さを広い測定範囲でより正確に測定し、また、電極間の物質の比誘電率を測定する。
【解決手段】均一コンデンサと、第1~第P(Pは3以上の整数)周期コンデンサとを備えて構成される。均一コンデンサと、第1~第P(Pは3以上の整数)周期コンデンサは、それぞれ、長手方向に延在する、読出電極と、読出電極に対向する対向電極とで構成されるコンデンサである。均一コンデンサは、対向電極と読出電極の間隔、及び、読出電極の、長手方向に直交する方向に沿った幅の双方が、均一である。第1~第P周期コンデンサは、対向電極と読出電極の間隔、及び、読出電極の、長手方向に直交する方向に沿った幅のいずれか一方又は双方が、周期関数状に変化する。ここで、第1~第P周期コンデンサが示す周期関数は、最大値と最小値との差及び周期Lが、互いに共通であり、初期位相が互いに異なる。
【選択図】
図1