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  • 特許-工業炉及び燃料供給・停止検知装置 図1
  • 特許-工業炉及び燃料供給・停止検知装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】工業炉及び燃料供給・停止検知装置
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/00 20060101AFI20220301BHJP
   F23N 5/26 20060101ALI20220301BHJP
   F23K 5/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
F23N5/00 Z
F23N5/26 Z
F23K5/00 301C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022008535
(22)【出願日】2022-01-24
【審査請求日】2022-01-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】中井 真伍
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-100572(JP,A)
【文献】特開2017-36901(JP,A)
【文献】特開2010-223450(JP,A)
【文献】特開2006-284154(JP,A)
【文献】特開昭50-144930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/00-5/26
F23K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料と燃焼用空気とを混合させて燃焼させるバーナーが複数設けられた工業炉において、各バーナーに燃料を供給する各燃料供給管に、手動式開閉レバーが設けられた開閉バルブを設ける一方、確認用気体を通す確認用気体案内管を設け、前記の確認用気体案内管に、各燃料供給管に設けられた開閉バルブにおける手動式開閉レバーの動作によりスイッチ部材が動作されて開閉される検知用バルブを開閉バルブに対応して直列に設け、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けてバーナーに燃料を供給する際に、前記の手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れないようにする一方、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止させる際に、前記の手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが開かれて確認用気体が検知用バルブ通して流れるようにし、前記の全ての開閉バルブが閉じて前記の全ての検知用バルブが開き、前記の確認用気体案内管を通して流れる確認用気体を検知する検知装置を設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項2】
請求項1に記載の工業炉において、前記の検知装置として、確認用気体案内管を通して確認用気体が流れたことを検知する圧力計を設けたことを特徴とする工業炉。
【請求項3】
燃料供給管による燃料の供給・停止を検知する燃料供給・停止検知装置において、前記の燃料供給管に、手動式開閉レバーが設けられた開閉バルブを設ける一方、確認用気体を通す確認用気体案内管に、前記の燃料供給管に設けられた開閉バルブにおける手動式開閉レバーの動作によりスイッチ部材が動作されて開閉される検知用バルブを直列に設け、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けて燃料供給管により燃料を供給させる際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れないようにする一方、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止させる際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが開いて確認用気体が検知用バルブ通して流れるようにし、前記の確認用気体案内管を通して流れる確認用気体を検知する検知装置を設けたことを特徴とする燃料供給・停止検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料と燃焼用空気とを混合させて燃焼させるバーナーが複数設けられた工業炉及び燃料供給・停止検知装置に関するものである。特に、工業炉のメンテナンス時などに、工業炉における全てのバーナーの燃焼を停止させるにあたって、全ての燃料供給管を通して全てのバーナーに燃料を供給するのが停止されていることを、簡単かつ確実に検知できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、工業炉としては、特許文献1等に示されるように、燃料と燃焼用空気とを混合させて燃焼させるバーナーを複数設けたものが知られている。
【0003】
ここで、前記のように燃料と燃焼用空気とを混合させて燃焼させるバーナーを複数設けた工業炉においては、一般に、各バーナーに燃料を供給する各燃料供給管にそれぞれ電磁弁を設け、この電磁弁を電気的に制御して、各燃料供給管を通して各バーナーへの燃料の供給と停止とを行い、各バーナーにおける燃焼を制御するようにしている。
【0004】
そして、このような工業炉において、メンテナンス時などに、全てのバーナーにおける燃焼を停止させる場合には、全ての燃料供給管に設けられた各電磁弁により、全ての燃料供給管を通して全てのバーナーに燃料が供給されないようにしている。
【0005】
しかし、このように各燃料供給管にそれぞれ電磁弁を設け、この電磁弁を電気的に制御するための配線やこれを制御する制御装置等を設ける場合、設置コストが高くなると共に、停電時や電気設備の接続不良等によって電磁弁が作動されなくなるおそれがあり、全ての燃料供給管を通して全てのバーナーに燃料を供給するのが停止されたかを確実に検知することは困難になるという問題があった。
【0006】
また、従来においては、特許文献2に示されるように、リミットスイッチつきのガスバルブをガス管に設け、ガスバルブにおけるバブルハンドルを操作してガス管によるガスの供給を停止させた場合に、バブルハンドルがリミットスイッチのボタンから離れ、リミットスイッチが通電されて集中開閉確認板の表示灯が点灯されるようにしたものが提案されている。
【0007】
しかし、前記のようにバーナーが複数設けられた工業炉において、全ての燃料供給管に前記のようなリミットスイッチつきのガスバルブを設ける場合、多数のリミットスイッチつきのガスバルブを設けることが必要になると共に、配線や制御装置の設置なども必要になって、設備コストが非常に高くつき、また前記の電磁弁の場合と同様に、停電時や電気設備の接続不良等によってリミットスイッチが作動されなくなるおそれがあり、全ての燃料供給管を通して全てのバーナーに燃料を供給するのが停止されたかを確実に検知することは困難になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2014-48020号公報
【文献】実開昭57-1979号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、燃料と燃焼用空気とを混合させて燃焼させるバーナーが複数設けられた工業炉における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0010】
すなわち、本発明は、前記のような工業炉において、工業炉のメンテナンス時などにおいて、全てのバーナーにおける燃焼を停止させるにあたり、全ての燃料供給管を通して全てのバーナーに燃料を供給するのが停止されたことを簡単かつ確実に検知できるようにし、またこのような検知に用いる燃料供給・停止検知装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明における工業炉においては、前記のような課題を解決するため、燃料と燃焼用空気とを混合させて燃焼させるバーナーが複数設けられた工業炉において、各バーナーに燃料を供給する各燃料供給管に、手動式開閉レバーが設けられた開閉バルブを設ける一方、確認用気体を通す確認用気体案内管を設け、前記の確認用気体案内管に、各燃料供給管に設けられた開閉バルブにおける手動式開閉レバーの動作によりスイッチ部材が動作されて開閉される検知用バルブを開閉バルブに対応して直列に設け、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けてバーナーに燃料を供給する際に、前記の手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れないようにする一方、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止させる際に、前記の手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが開かれて確認用気体が検知用バルブ通して流れるようにし、前記の全ての開閉バルブが閉じて前記の全ての検知用バルブが開き、前記の確認用気体案内管を通して流れる確認用気体を検知する検知装置を設けた。
【0012】
そして、本発明における工業炉のように、手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けてバーナーに燃料を供給する際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れないようにする一方、手動式開閉レバーにより開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止させる際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、検知用バルブが開かれて確認用気体が検知用バルブ通して流れるようにし、全ての開閉バルブが閉じて全ての検知用バルブが開かれた場合に、確認用気体案内管を通して流れる確認用気体を検知装置によって検知するようにしたため、工業炉のメンテナンス時などにおいて、全てのバーナーにおける燃焼を停止させるにあたり、従来のように全ての燃料供給管に電磁弁やリミットスイッチつきのガスバルブ等の電気的な設備を設けなくても、全ての燃料供給管から全てのバーナーに燃料が供給されるのが停止されているかを、前記の検知装置によって機械的に簡単かつ確実に検知できるようになる。
【0013】
ここで、本発明における工業炉においては、前記の検知装置として、確認用気体案内管を通して確認用気体が流れたことを検知する圧力計を設けるようにすることができる。このようにすると、検知装置に電気的な設備を設ける必要がなくなる。
【0014】
また、本発明における燃料供給・停止検知装置においては、燃料供給管による燃料の供給・停止を検知する燃料供給・停止検知装置において、前記の燃料供給管に、手動式開閉レバーが設けられた開閉バルブを設ける一方、確認用気体を通す確認用気体案内管に、前記の燃料供給管に設けられた開閉バルブにおける手動式開閉レバーの動作によりスイッチ部材が動作されて開閉される検知用バルブを直列に設け、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けて燃料供給管により燃料を供給させる際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れないようにする一方、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止させる際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、前記の検知用バルブが開いて確認用気体が検知用バルブ通して流れるようにし、前記の確認用気体案内管を通して流れる確認用気体を検知する検知装置を設けた。
【0015】
そして、本発明における燃料供給・停止検知装置においては、手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けて燃料供給管により燃料を供給する際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れないようにする一方、手動式開閉レバーにより開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止する際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、検知用バルブが開いて確認用気体が検知用バルブ通して流れるようにし、確認用気体案内管を通して流れる確認用気体を検知装置によって検知するようにしたため、燃料供給管を通してバーナーに燃料を供給するのが停止されているかを、前記の検知装置によって機械的に簡単かつ確実に検知できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る工業炉においては、燃料供給管に設けた手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けてバーナーに燃料を供給する際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、確認用気体案内管に設けた検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れないようにする一方、前記の手動式開閉レバーにより開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止させる際に、手動式開閉レバーにより前記のスイッチ部材を動作させ、検知用バルブが開かれて確認用気体が検知用バルブを通して流れるようにし、検知装置によって確認用気体が確認用気体案内管を通して流れているかを検知し、検知装置によって全ての検知用バルブが開かれて確認用気体が確認用気体案内管を通して流れていることを検知することにより、全ての開閉バルブが閉じられて全ての燃料供給管から全てのバーナーに燃料が供給されていないことを簡単かつ確実に検知できるようになる。
【0017】
この結果、発明に係る工業炉においては、工業炉のメンテナンス時などにおいて、全ての燃料供給管を通して全てのバーナーに燃料を供給するのが停止されているかを確認するにあたり、従来のように全ての燃料供給管に電磁弁やリミットスイッチつきのガスバルブ等の電気的な設備を設ける必要がなく、前記の機械的な検知装置によって簡単かつ確実に検知できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る工業炉において、(A)は各燃料供給管に設けられた各開閉バルブを手動式開閉レバーにより開けて、各燃料供給管を通して各バーナーに燃料を供給させ、各バーナーにおいて燃料と燃焼用空気とを混合させて燃焼させる一方、手動式開閉レバーがスイッチ部材から離れることによって、確認用気体案内管に設けられた検知用バルブが閉じられて、確認用気体が確認用気体案内管内を流れずに、確認用気体の流れが検知装置によって検知されない状態を示した概略説明図、(B)は各燃料供給管に設けられた各開閉バルブを手動式開閉レバーにより閉じて、各燃料供給管を通して各バーナーに燃料が供給されないようにして、各バーナーにおける燃焼を停止させる一方、手動式開閉レバーがスイッチ部材に接触することによって、確認用気体案内管に設けられた全ての検知用バルブが開かれて、確認用気体が確認用気体案内管内を流れて検知装置によって検知し、全てのバーナーが消火していることを検知する状態を示した概略説明図である。
図2】前記の実施形態に係る工業炉において、各燃料供給管に設けられた各開閉バルブの一部が開いた状態で、一部のバーナーに燃料が供給されて燃焼されている場合には、一部の手動式開閉レバーがスイッチ部材から離れていることによって、確認用気体案内管に設けられた一部の検知用バルブが閉じられて、確認用気体が確認用気体案内管内を流れずに、確認用気体の流れが検知装置によって検知されず、燃焼しているバーナーが残っていることを検知する状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る工業炉及びこの工業炉に用いた燃料供給・停止検知装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る工業炉及び燃料供給・停止検知装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0020】
この実施形態における工業炉においては、図1(A),(B)に示すように、炉10の炉壁11にバーナー20を適当な間隔を介して複数設けている。
【0021】
そして、各バーナー20に、それぞれ燃料Gを供給する燃料供給管30と燃焼用の空気Airを供給する空気供給管40とを接続させ、各バーナー20において、燃料供給管30を通して供給された燃料Gと空気供給管40を通して供給された空気Airとを混合させて燃焼を行うようにしている。
【0022】
また、この実施形態における工業炉においては、バーナー20に燃料Gを供給する燃料供給管30にそれぞれ手動式開閉レバー31aを有する開閉バルブ31を設け、前記の手動式開閉レバー31aを作動させて開閉バルブ31の開閉を行ない、燃料供給管30によるバーナー20への燃料Gの供給・停止を切り換えるようにしている。
【0023】
そして、この実施形態においては、図1(A)に示すように、前記の手動式開閉レバー31aを、図における水平状態から下方に回動させて下方に向かって傾斜させた状態では、前記の開閉バルブ31が開いて、燃料Gが燃料供給管30を通してバーナー20に供給され、空気供給管40を通して供給された空気Airと混合されて燃焼される一方、図1(B)に示すように、手動式開閉レバー31aを下方に傾斜した状態から上方に回動させて水平にした状態では、前記の開閉バルブ31が閉じて、燃料Gがバーナー20に供給されなくなって燃焼が停止されるようになる。
【0024】
また、この実施形態における工業炉においては、確認用気体Xを通す確認用気体案内管50を前記の各燃料供給管30と交差する方向に設け、この確認用気体案内管50に、各燃料供給管30に設けられた各開閉バルブ31と対応するようにして各検知用バルブ51を設け、各検知用バルブ51にそれぞれ前記の開閉バルブ31における手動式開閉レバー31aによって動作されるスイッチ部材51aを設けると共に、各検知用バルブ51よりも確認用気体Xの下流側における確認用気体案内管50の位置に、確認用気体案内管50を通して導かれた確認用気体Xを検知する検知装置52として圧力計52を設けると共に、確認用気体案内管50に残った確認用気体Xを排気させるための排気弁53を設けている。
【0025】
この場合、検知用バルブ51は通常閉まっており、スイッチ部材51aが押し込まれるように動作すると、検知用バルブ51が開くようになっている。
【0026】
そして、この実施形態においては、図1(A)に示すように、前記の各手動式開閉レバー31aが下方に向かって傾斜されて各開閉バルブ31が開き、燃料Gが各燃料供給管30を通して各バーナー20に供給されて燃焼される状態では、前記の各開閉バルブ31における手動式開閉レバー31aが、前記の各検知用バルブ51におけるスイッチ部材51aから離れた状態になって、各検知用バルブ51が閉じて、確認用気体Xが確認用気体案内管50を通して圧力計52に導かれなくなる。
【0027】
一方、図1(B)に示すように、前記の全ての手動式開閉レバー31aが下方に傾斜した状態から上方に回動されて水平になり、全ての開閉バルブ31が閉じられて、燃料Gが全てのバーナー20に供給されなくなって燃焼が停止した状態では、上方に回動された手動式開閉レバー31aにより検知用バルブ51におけるスイッチ部材51aが押し込まれて、直列に接続された全ての検知用バルブ51が開かれて、確認用気体Xが、検知用バルブ51が直列に接続された前記の確認用気体案内管50を通して圧力計52に導かれるようになり、圧力計52の値が上昇することで、全てのバーナー20が消火していることを検知する。なお、バーナー20が1つでも燃焼していると検知されない。
【0028】
また、図2に示すように、前記の各開閉バルブ31における一部の手動式開閉レバー31aが水平状態ではなく下方に向かって傾斜された状態で、この部分における開閉バルブ31が開いて、燃料Gがこの開閉バルブ31を通して燃料供給管30からバーナー20に供給されて燃焼が行われている状態では、この開閉バルブ31における手動式開閉レバー31aが、対応する検知用バルブ51におけるスイッチ部材51aから離れた状態になって、この検知用バルブ51が閉じられるため、確認用気体Xの流れがこの検知用バルブ51により停止されて、確認用気体Xが前記の圧力計52に導かれなくなり、圧力計52の値が上昇しないため、これによって全てのバーナー20による燃焼が停止されていないこと(どこかのバーナー20がまだ消火されていないこと)が分かるようになる。
【0029】
そして、前記のように圧力計52の値が上昇したことにより、確認用気体Xが確認用気体案内管50を通して導かれたことを検知することによって、全ての開閉バルブ31が閉じられて、燃料Gが全てのバーナー20に供給されなくなり、全てのバーナー20における燃焼が停止していることを簡単かつ確実に検知することができるようになる。
【0030】
また、前記のように圧力計52の値が上昇したことにより確認用気体Xが確認用気体案内管50を通して導かれたことを検知することにより、全てのバーナー20が消火され、燃焼Gが流出していないことを確認して、メンテナンス作業を開始する。
【0031】
そして、メンテナンス作業を終えた後は、前記の手動式開閉レバー31aを下方に向かって傾斜させて開閉バルブ31を開いて、燃料Gを燃料供給管30からバーナー20に供給させて燃焼させる前に、確認用気体案内管50内に残った確認用気体Xの圧力が、前記の圧力計52によって検知されたままにならないようにするため、この実施形態においては、検知用バルブ51よりも確認用気体案内管50の下流側に設けた前記の排気弁53を開け、確認用気体案内管50内に残った確認用気体Xを排気させ、圧力計52の値を元に戻した後、排気弁53を閉じるようにする。
【0032】
なお、この実施形態においては、工業炉のメンテナンス等の前の安全確認として、全てのバーナー20が燃焼を停止しているかどうかを検知する場合を例にして説明したが、他の用途としては、工業炉の操業開始時に、バーナー20に点火させる前の安全確認として、全ての開閉バルブ31が閉じられていて、炉10内に燃料Gが流出していないかどうかを検知することなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0033】
10 :炉
11 :炉壁
20 :バーナー
30 :燃料供給管
31 :開閉バルブ
31a :手動式開閉レバー
40 :空気供給管
50 :確認用気体案内管
51 :検知用バルブ
51a :スイッチ部材
52 :圧力計(検知装置)
53 :排気弁
Air :空気
G :燃料
X :確認用気体
【要約】
【課題】 工業炉のメンテナンス時などに、全ての燃料供給管を通して全てのバーナーに燃料を供給するのが停止されたことを簡単かつ確実に検知できるようにする。
【解決手段】 工業炉における各バーナーに燃料を供給する各燃料供給管30に、手動式開閉レバー31aにより開閉される開閉バルブ31を設ける一方、確認用気体Xを通す確認用気体案内管50に、手動式開閉レバーによりスイッチ部材51aが動作されて開閉される検知用バルブ50を直列に設け、手動式開閉レバーにより開閉バルブを開けてバーナーに燃料を供給する際に、検知用バルブが閉じられて確認用気体が流れず、開閉バルブを閉じてバーナーへの燃料の供給を停止させる際に、検知用バルブが開かれて確認用気体が検知用バルブ通して流れるようにし、検知装置52により確認用気体案内管を通して流れる確認用気体を検知する。
【選択図】 図1
図1
図2