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特許7032016フープ材の切断装置及びその動刃ガイド機構
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  • 特許-フープ材の切断装置及びその動刃ガイド機構 図1
  • 特許-フープ材の切断装置及びその動刃ガイド機構 図2
  • 特許-フープ材の切断装置及びその動刃ガイド機構 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】フープ材の切断装置及びその動刃ガイド機構
(51)【国際特許分類】
   B23D 15/04 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
B23D15/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017114676
(22)【出願日】2017-06-09
(65)【公開番号】P2019000911
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】502182008
【氏名又は名称】エムエスシー製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090413
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 康稔
(72)【発明者】
【氏名】徳勝 賢治
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-264710(JP,A)
【文献】特表2008-500905(JP,A)
【文献】特開平02-256413(JP,A)
【文献】特開平06-190642(JP,A)
【文献】米国特許第04664007(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23D 15/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搖動しつつ進退動するラムの下部に動刃を固定するとともに、ベース側に固定刃を固定し、前記ラムの作動により前記動刃を前記固定刃に対して離接させつつフープ材を切断するフープ材切断装置の動刃ガイド機構であって、
前記ラムの下部が、前記固定された動刃よりも幅広に形成されており、
前記ラムの下部の側面と所定の間隔で離間する前記ベース側の側面部と、
該ベース側の側面部に回転可能に嵌合され、円柱面の一部が、前記ベース側の側面部から突出して、前記ラムの下部の側面と当接可能なガイドピンと、
前記ラムの下部の側面に、前記ガイドピンが当接する範囲に合わせて設けられたガイドプレートと、
を備えており、
前記ガイドプレートを、前記ラムの側面と表面が面一になるように設けたことを特徴とするフープ材切断装置のガイド機構。
【請求項2】
前記ガイドプレートが、焼き入れプレートであることを特徴とする請求項記載のフープ材切断装置の動刃ガイド機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の動刃ガイド機構と、
前記ラムを搖動的に進退動させるカムと、
該カムを回転駆動させる駆動手段と、
を備えたことを特徴とするフープ材切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動プレス装置等に併設してスクラップフープ材を切断するフープ材切断装置等に併設してスクラップフープ材を切断するフープ材切断装置及びその動刃ガイド機構に関し、更に具体的には、動刃の進退動のガイドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フープ材をプレスしたのちのスクラップを、自動プレス装置等で併設されたフープ材切断装置(フープ材カッター)で、ストリップのまま切断処理することが行われている。この種のフープ材切断装置は、モータの軸にキーを介して固定してカムの回転により軸受を介してラムが搖動しつつ往復動することにより、ラムの裏面に取り付けた動刃とベース側に固定した固定刃との間にてフープ材を切断するものである。このような構成のフープ材切断装置において、往復動する動刃の端面をガイドする構造としては、例えば、下記特許文献1に記載の「フープ材カッター」及び特許文献2に記載の「フープ材カッター用切刃ガイド」がある。
【0003】
前記特許文献1の「フープ材カッター」では、ベース側上面に固定した固定刃と、この固定刃に対向して進退動することにより接離する動刃と、動刃の進退動をガイドするガイドローラと、動刃の端部仮面に固定した平板状のラムと、ラムを搖動的に進退動させるカムと、カムを回転させる駆動手段と、被切断材ガイドして切断部に供給するホッパーとから構成されている。そして、前記ガイドローラは、動刃の両端面に直に接している。
【0004】
また、前記特許文献2の「フープ材カッター用切刃ガイド」には、搖動しつつ往復動するラムの下面に動刃を固定するとともにベース側の上面に固定刃を固定し、ラムの作動により動刃を固定刃に対向して離接させつつフープ材を切断するフープ材カッターにおいて、円柱状かつその両端に面取りを施したガイドピンをベース側に回転可能に嵌合するとともに、前記ガイドピンの円柱面をベースの側面に突出させ、前記突出部において動刃の端面をガイドすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平7-60531号公報
【文献】特開平10-296525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1ではガイドローラが、特許文献2ではガイドピンが、それぞれ動刃の側端面に直に当接している。このような構造では、動刃の側端面がガイドピン(ないしガイドローラ)に当たりすぎると、ピン側に負担がかかってしまう。逆に、動刃の側面とピンが離れすぎると、ガイドとして役に立たない。したがって、動刃の側面がガイドピンに適切に当たるようにするためには、動刃の寸法を正確に調整し、側面を研磨する必要がある。しかしながら、動刃は固い材料で形成されているため、精度よく加工することは困難であるという不都合がある。
【0007】
本発明は、以上のような点に着目したもので、動刃の寸法精度が大まかでよく、かつ、動刃の側面の研磨加工が不要でありながら、動刃の進退動をガイド可能なフープ材切断装置及びその動刃ガイド機構を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフープ材切断装置のガイド機構は、搖動しつつ進退動するラムの下部に動刃を固定するとともに、ベース側に固定刃を固定し、前記ラムの作動により前記動刃を前記固定刃に対して離接させつつフープ材を切断するフープ材切断装置の動刃ガイド機構であって、前記ラムの下部が、前記固定された動刃よりも幅広に形成されており、前記ラムの下部の側面と所定の間隔で離間する前記ベース側の側面部と、該ベース側の側面部に回転可能に嵌合され、円柱面の一部が、前記ベース側の側面部から突出して、前記ラムの下部の側面と当接可能なガイドピンと、前記ラムの下部の側面に、前記ガイドピンが当接する範囲に合わせて設けられたガイドプレートと、を備えており、前記ガイドプレートを、前記ラムの側面と表面が面一になるように設けたことを特徴とする。
【0009】
主要な形態の一つは、前記ガイドプレートが、焼き入れプレートであることを特徴とする。
【0010】
本発明のフープ材切断装置は、前記いずれかに記載の動刃ガイド機構と、前記ラムを搖動的に進退動させるカムと、該カムを回転駆動させる駆動手段と、を備えたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、搖動しつつ進退動するラムの下部に動刃を固定するとともに、ベース側に固定刃を固定し、前記ラムの作動により前記動刃を前記固定刃に対して離接させつつフープ材を切断するフープ材切断装置の動刃をガイドするにあたり、前記ラムの下部が、前記固定された動刃よりも幅広に形成されており、前記ラムの下部の側面と所定の間隔で離間する前記ベース側の側面部と、該ベース側の側面部に回転可能に嵌合され、円柱面の一部が、前記ベース側の側面部から突出して、前記ラムの下部の側面と当接可能なガイドピンと、前記ラムの下部の側面に、前記ガイドピンが当接する範囲に合わせて設けられたガイドプレートとを備え、前記ガイドプレートを、前記ラムの側面と表面が面一になるように設けることとした。このため、動刃が直にガイドピンに当接する必要がなく、動刃の寸法精度が大まかでよく、かつ、動刃の側面の研磨加工が不要でありながら、動刃の進退動のガイドが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例1を示す図であり、(A)は切断装置全体を示す正面図,(B)ガイドブロックの斜視図である。
図2】前記図1(A)を#A-#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
図3】前記実施例1のガイド機構の作用を示す主要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
最初に、図1図3を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1(A)は、本実施例のフープ材切断装置の全体構成を示す正面図,図1(B)はガイドブロックの斜視図である。図2は、前記図1(A)を#A-#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。図3は、本実施例のガイド機構の作用を示す正面図である。なお、図1及び図3においては、理解を容易にするために、後述するサブプレートの図示を省略している。
【0015】
本実施例のフープ材切断装置10は、ベースプレート12と、ラムプレート40と、サブプレート80と、固定刃18及び動刃44と、ガイド機構24A,24Bにより構成されている。前記ベースプレート12は、図示しないフープ材が通る開口部15を有するベース面14と、その周囲を囲む下部フレーム16,側部フレーム20,21、上部フレーム22とからなる。また、前記ベース面14の開口部15の下縁には、図3に示すように、固定刃18が適宜手段で固定されている。
【0016】
更に、前記側部フレーム20,21には、ガイド機構24A,24Bの一部を構成するガイドブロック26がそれぞれ設けられている。ガイドブロック26は、図1(B)に示すように、直方体状のブロック27に、円柱状のガイドピン30の一部を収容するための嵌合穴28を設けた構造となっている。該嵌合穴28は、断面が半円より大きく、底28Aを有する。前記嵌合穴28にガイドピン30を収納すると、外周面32(円柱面)の一部が突出する。前記ガイドブロック26を、前記側部フレーム20,21の下側の幅広部20A,21Aに設けると、図1(A)に示すように、前記ガイドピン30の外周面32の一部が、ラムプレート40側へ向けて突出した状態となる。
【0017】
前記ラムプレート40は、搖動しつつ進退動するもので、下部42には、動刃44が固定されている。また、ラムプレート40の下部側の幅は、前記動刃44の幅よりも大きく設定されている。更に、前記ラムプレート40の下部両側端は、動刃44の進退方向に延長した一対の延長部46,48が形成されている。
【0018】
前記延長部46,48の端面にはそれぞれ、ガイドプレート50,52が埋め込み固定されている。本実施例では、前記ガイドプレート50,52として、焼き入れプレートを用いている。また、前記ガイドプレート50,52は、前記延長部46,48の表面と面一になるように設けられる。前記ガイドプレート50,52には、前記ガイドブロック26に回転可能に収容されたガイドピン30の外周面32が当接可能となっており、動刃44の進退方向への移動のガイドを行う。なお、前記ガイドピン30とガイドプレート50,52の間には、ラムプレート40の搖動を許容できる程度の隙間ΔI(図3(A)参照)が設けられている。
【0019】
前記ラムプレート40は、図2に示すように、前記ベースプレート14を挟んだ側に設けられたモータ60により回転駆動される。前記モータ60により駆動される駆動軸62にキー64を介して連結したカム66が、軸受け68,70を介して嵌合しており、カム66の偏心作動によりラムプレート40が搖動的に動きつつ、進退動するように構成されている。前記ラムプレート40に下部側は、上述したように、動刃44よりも幅広に形成されており、その両端面に、ガイドプレート50,52を有しており、ラムプレート40の傾きに応じて、ベースプレート12側に設けたガイドブロック26のガイドピン30の外周面32が当接する。以上のようなラムプレート40は、前記ベースプレート12とサブプレート80によって挟まれている。
【0020】
次に、本実施例の作用を図3も参照して説明する。図2に矢印FAで示す方向から被切断材としてのフープ材(図示せず)を供給すると同時に、モータ60を駆動してカム66を回転させる。すると、カム66の偏心作動によって、ラムプレート40は搖動しつつ、進退動して、動刃44と固定刃18との間でフープ材の切断が始まる。本実施例では、ラムプレート40の駆動によって動刃44を進退動させるにあたり、動刃44の側面ではなく、動刃44を取り付けたラム40の側面の延長部46,48に、ガイドプレート50,52を設け、ベース12側に設けたガイドピン30と接触させることで進退動をガイドする。
【0021】
図3(A)は固定刃18と動刃44が完全にかみ合った状態、図3(B)は動刃44が傾斜した状態、図3(C)は固定刃18と動刃44が最大に離間した状態を示すが、実際には、動刃44は搖動しながら進退動している。なお、図3(A)及び(B)に示すように、動刃44が水平の場合には、ガイドプレート50,52と、ガイドピン30の間には隙間ΔIが生じるが、図3(B)に示す動刃44が傾斜した状態では、傾斜の程度に応じて、左右いずれか・もしくは両方のガイドピン30とガイドプレート50,52が接触する。
【0022】
このように、実施例1によれば、搖動しつつ進退動するラムプレート40の下部に動刃44を固定するとともに、ベースプレート12側に固定刃18を固定する。そして、前記ラムプレート40の作動により前記動刃44を前記固定刃18に対して離接させつつフープ材を切断するにあたり、ガイド機構24A,24Bを設ける。ガイド機構24A,24Bは、ラムプレート40の下部を前記動刃44よりも幅広に形成し、前記ラムプレート40の下部の延長部46,48の側面と所定の間隔で離間する前記ベース側の側面部に設けたガイドブロック26により構成する。ガイドブロック26は、ベースプレート12の内側面から外周面32の一部が突出する円柱状のガイドピン30を備え、ラムプレート40の搖動の程度に応じて、ラムプレート40側のガイドプレート50,52に接触する。このように、ガイドピン30が動刃44に直に当接しない構造のため、動刃44の寸法が大まかでよく、動刃44の側面研磨も不要でありながら、動刃44の進退動をガイドすることができる。また、前記ガイドプレート50,52として焼き入れプレートを用いることで、耐久性が高い。
【0023】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。
(2)前記実施例で示した材料についても一例であり、同様の効果を奏するものであれば、公知の各種の材料を用いてよい。
(3)前記実施例で示した搖動機構や進退動機構も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明によれば、搖動しつつ進退動するラムの下部に動刃を固定するとともに、ベース側に固定刃を固定し、前記ラムの作動により前記動刃を前記固定刃に対して離接させつつフープ材を切断するにあたり、前記ラムの下部が、前記固定された動刃よりも幅広に形成されており、前記ラムの下部の側面と所定の間隔で離間する前記ベース側の側面部と、該ベース側の側面部に回転可能に嵌合され、円柱面の一部が、前記ベース側の側面部から突出して、前記ラムの下部の側面と当接可能なガイドピンと、前記ラムの下部の側面に、前記ガイドピンが当接する範囲に合わせて設けられたガイドプレートとを備え、前記ガイドプレートを、前記ラムの側面と表面が面一になるように設けることとした。このため、動刃が直にガイドピンに当接する必要がないため、動刃の寸法精度が大まかでよく、かつ、動刃の側面の研磨加工が不要でありながら、動刃の進退動のガイドが可能になるため、フープ材の切断装置及びそのガイド機構の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0025】
10:フープ材切断装置
12:ベースプレート
14:ベース面
15:開口部
16:下部フレーム
18:固定刃
20,21:側部フレーム
20A,21A:幅広部
22:上部フレーム
24A,24B:ガイド機構
26:ガイドブロック
27:ブロック
28:嵌合穴
28A:底面
30:ガイドピン
32:外周面(円柱面)
40:ラムプレート
42:下部
44:動刃
46,48:延長部
50,52:ガイドプレート
60:モータ
62:駆動軸
64:キー
66:カム
68,70:軸受け
80:サブプレート
図1
図2
図3