(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】絶縁型DC-DC電力変換回路
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
H02M3/28 W
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017236916
(22)【出願日】2017-12-11
【審査請求日】2020-11-02
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205969
【氏名又は名称】氷室 詩乃
(72)【発明者】
【氏名】石垣 将紀
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0304292(US,A1)
【文献】特開平8-275512(JP,A)
【文献】特開平8-266057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00-3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源と
、変圧器の第1巻線と並列に接続された第1キャパシタと、
前記第1電源と前記第1キャパシタの間に接続された第1スイッチと、前記第1電源と前記第1キャパシタとの間に接続された第1インダクタとを有する、変圧器の1次側の第1回路と、
第2電源と
、前記変圧器の第2巻線と並列に接続された第2キャパシタと、
前記第2電源と前記第2キャパシタの間に接続された第2スイッチと、前記第2電源と前記第2キャパシタとの間に接続された第2インダクタとを有する、前記変圧器の2次側の第2回路と、を含
む電力変換回路であって、
前記第1インダクタ又は前記第2インダクタは、前記第1スイッチ又は前記第2スイッチのピーク電圧を低減するように構成された前記電力変換回路を通る追加の共振電流経路を提供する、電力変換回路と、
前記電力変換回路を通る電力の伝送方向を決定し、
決定された前記電力の伝送方向に基づいて、前記第1回路及び前記第2回路を構成し、
決定された前記電力の伝送方向及び電力伝送量に基づいて、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのスイッチングを制御するように構成された、制御回路と、
を含む、システム。
【請求項2】
前記第1回路及び前記第2回路は、前記変圧器の両側に対称である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電力変換回路は、双方向電力伝送を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御回路は、ソフトスイッチングを実施することによって、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの前記スイッチングを制御するようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電力変換回路は、前記第1スイッチをオンにする前記制御回路に応答して、第1期間に前記第1回路の第1漏れインダクタと前記第2回路の第2漏れインダクタとを通る少なくとも1つの第1の共振電流を生成し、
前記第2キャパシタは、前記少なくとも1つの第1の共振電流によって充電される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1の共振電流が前記第1漏れインダクタと前記第2漏れインダクタとを流れる前記第1期間は、前記第1スイッチのオン時間とは無関係に一定のままである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電力変換回路は、前記少なくとも1つの第1の共振電流によってゼロに達する前記第2スイッチの
第2電圧に応答して、第2期間に前記第1漏れインダクタと、第2漏れインダクタと、第2スイッチのボディダイオードとを通る少なくとも1つの第2の共振電流を生成し、
エネルギーが、少なくとも1つの第2の共振電流経路を通って、前記第1電源から前記第2電源に伝送される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1スイッチのオン時間の増加は、前記少なくとも1つの第2の共振電流に関連する前記第2期間の増加に対応する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電力変換回路は、前記第1スイッチをオフにする前記制御回路に応答して、
第3期間に前記第1回路の第1漏れインダクタと前記第2回路の第2漏れインダクタとを通る少なくとも1つの第3の共振電流を生成し、
エネルギーが、前記第1漏れインダクタと前記第2漏れインダクタとを通って、前記第1キャパシタから放電され、
前記第2電源は、前記少なくとも1つの第3の共振電流を通って前記第1スイッチの出力キャパシタンスを充電する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1スイッチでの第1電圧は、前記少なくとも1つの第3の共振電流に基づいて、前記第3期間中に正弦波状に第1のピーク電圧まで増加する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記電力変換回路は、変圧器の電流が負になることに応答して、
第4期間に前記第1回路の前記第1漏れインダクタと前記第2回路の前記第2漏れインダクタとを通る少なくとも1つの第4の共振電流を生成し、
エネルギーが、前記第1漏れインダクタと前記第2漏れインダクタとを通って、前記第2キャパシタから放電される、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第4期間中に、前記第1スイッチでの前記第1電圧は、正弦波状にゼロに減少し、前記第2スイッチでの第2電圧は、第2のピーク電圧まで増加する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1インダクタは、前記第1インダクタと、前記第1キャパシタと、前記第1スイッチとを通る前記追加の共振電流経路を提供する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記電力変換回路は、前記第1スイッチがオフにされた
前記第3期間及び前記第4期間中に、前記追加の共振電流経路を通る追加の共振電流を生成するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記追加の共振電流の周波数は、前記第1キャパシタのキャパシタンス、前記第1スイッチの出力キャパシタンス、及び前記第1インダクタのインダクタンスに基づいている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
並列に接続された複数の前記電力変換回路をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記制御回路は、前記第1スイッチ又は前記第2スイッチの位相シフト制御を使用して、前記複数の電力変換回路の前記第1スイッチ又は前記第2スイッチの前記スイッチングを制御するようにさらに構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御回路は、並列に接続された前記電力変換回路の数に基づいて、前記複数の電力変換回路に関連する複数のスイッチ間の位相シフトの量を決定するようにさらに構成される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
第1電源と
、変圧器の第1巻線と並列に接続された第1キャパシタと、
前記第1電源と前記第1キャパシタの間に接続された第1スイッチと、前記第1電源と前記第1キャパシタとの間に接続された第1インダクタとを有する、変圧器の1次側の第1回路と、第2電源と
、前記変圧器の第2巻線と並列に接続された第2キャパシタと、
前記第2電源と前記第2キャパシタの間に接続された第2スイッチと、前記第2電源と前記第2キャパシタとの間に接続された第2インダクタとを有する、前記変圧器の2次側の第2回路と、を含む
電力変換回路であって、前記第1インダクタ又は前記第2インダクタは、前記第1スイッチ又は前記第2スイッチのピーク電圧を低減するように構成された前記電力変換回路を通る追加の共振電流経路を提供する、電力変換回路を通る電力の伝送方向を決定し、
決定された前記電力の伝送方向に基づいて、前記第1回路及び前記第2回路を構成し、
決定された前記電力の伝送方向及び電力伝送量に基づいて、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのスイッチングを制御する、
方法。
【請求項20】
第1電源と
、変圧器の第1巻線と並列に接続された第1キャパシタと、
前記第1電源と前記第1キャパシタの間に接続された第1スイッチと、前記第1電源と前記第1キャパシタとの間に接続された第1インダクタとを有する、変圧器の1次側の第1回路と、第2電源
と、前記変圧器の第2巻線と並列に接続された第2キャパシタと、
前記第2電源と前記第2キャパシタの間に接続された第2スイッチと、前記第2電源と前記第2キャパシタとの間に接続された第2インダクタとを有する、前記変圧器の2次側の第2回路と、を含む
電力変換回路であって、前記第1インダクタ又は前記第2インダクタは、前記第1スイッチ又は前記第2スイッチのピーク電圧を低減するように構成された前記電力変換回路を通る追加の共振電流経路を提供する、電力変換回路を通る電力の伝送方向を決定し、
決定された前記電力の伝送方向に基づいて、前記第1回路及び前記第2回路を構成し、
決定された前記電力の伝送方向及び電力伝送量に基づいて、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチのスイッチングを制御する、ように構成された制御回路、
を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2016年12月16日に出願された米国特許仮出願第62/435,117号に基づいて優先権の利益を主張し、そこに記載された全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
DC-DC電力変換回路は、磁気絶縁(magnetic isolation)を用いて双方向電力伝送を行うことができる。Hosotaniによる「スイッチング電源装置」と題した米国特許第9,106,141号は、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)を実施するために、共振周波数よりも高いスイッチング周波数で制御されるマルチ共振回路を有するスイッチング電源装置を記載している。
【発明の概要】
【0003】
例示的な実施形態において、システムは、第1電源と、第1スイッチと、変圧器の第1巻線と並列に接続された第1キャパシタと、第1電源と第1キャパシタとの間に接続された第1インダクタとを有する、変圧器の1次側の第1回路と、第2電源と、第2スイッチと、変圧器の第2巻線と並列に接続された第2キャパシタと、第2電源と第2キャパシタとの間に接続された第2インダクタとを有する、変圧器の2次側の第2回路と、を含み、第1インダクタ又は第2インダクタは、第1スイッチ又は第2スイッチのピーク電圧を低減するように構成された電力変換回路を通る追加の共振電流経路を提供する、電力変換回路と、電力変換回路を通る電力の伝送方向を決定し、決定された電力の伝送方向に基づいて、第1回路及び第2回路を構成し、決定された電力の伝送方向及び電力伝送量に基づいて、第1スイッチ及び第2スイッチのスイッチングを制御するように構成された、制御回路と、を含む。
【0004】
第1回路及び第2回路は、変圧器の両側に対称である。また、電力変換回路は、双方向電力伝送を実行するように構成されることができる。
【0005】
制御回路は、ソフトスイッチングを実施することによって、第1スイッチ及び第2スイッチのスイッチングを制御できる。
【0006】
電力変換回路は、第1スイッチをオンにする制御回路に応答して、第1期間に第1回路の第1漏れインダクタと第2回路の第2漏れインダクタとを通る少なくとも1つの第1の共振電流を生成する。この場合、第2キャパシタは、少なくとも1つの第1の共振電流によって充電される。少なくとも1つの第1の共振電流が第1漏れインダクタと第2漏れインダクタとを流れる第1期間は、第1スイッチのオン時間とは無関係に一定のままである。電力変換回路は、少なくとも1つの第1の共振電流によってゼロに達する第2スイッチの第2電圧に応答して、第2期間に第1漏れインダクタと、第2漏れインダクタと、第2スイッチのボディダイオードとを通る少なくとも1つの第2の共振電流を生成し、エネルギーが、少なくとも1つの第2の共振電流経路を通って、第1電源から第2電源に伝送される。第1スイッチのオン時間の増加は、少なくとも1つの第2の共振電流に関連する第2期間の増加に対応する。
【0007】
電力変換回路は、第1スイッチをオフにする制御回路に応答して、第3の期間に第1回路の第1漏れインダクタと第2回路の第2漏れインダクタとを通る少なくとも1つの第3の共振電流を生成し、エネルギーが、第1漏れインダクタと第2漏れインダクタとを通って、第1キャパシタから放電され、第2電源は、少なくとも1つの第3の共振電流を介して第1スイッチの出力キャパシタンスを充電する。第1スイッチでの第1電圧は、少なくとも1つの第3の共振電流に基づいて、第3期間中に正弦波状に第1のピーク電圧まで増加する。電力変換回路は、変圧器の電流が負になることに応答して、第4期間に第1回路の第1漏れインダクタと第2回路の第2漏れインダクタとを通る少なくとも1つの第4の共振電流を生成し、エネルギーが、第1漏れインダクタと第2漏れインダクタとを通って、第2キャパシタから放電される。第4期間中に、第1スイッチでの第1電圧は、正弦波状にゼロに減少し、第2スイッチでの第2電圧は、第2のピーク電圧まで増加する。
【0008】
第1インダクタは、第1インダクタと、第1キャパシタと、第1スイッチとを通る追加の共振電流経路を提供する。電力変換回路は、第1スイッチがオフにされた第3の期間及び第4期間中に、追加の共振電流経路を通る追加の共振電流を生成するように構成されることができる。追加の共振電流の周波数は、第1キャパシタのキャパシタンス、第1スイッチの出力キャパシタンス、及び第1インダクタのインダクタンスに基づくことができる。
【0009】
システムは、並列に接続された複数の電力変換回路をさらに備えることができる。システムは、第1スイッチ又は第2スイッチの位相シフト制御を使用して、複数の電力変換回路の第1スイッチ又は第2スイッチのスイッチングを制御できる。システムは、並列に接続された電力変換回路の数に基づいて、複数の電力変換回路に関連する複数のスイッチ間の位相シフトの量を決定できる。
【0010】
方法は、第1電源と、第1スイッチと、変圧器の第1巻線と並列に接続された第1キャパシタと、第1電源と第1キャパシタとの間に接続された第1インダクタとを有する、変圧器の1次側の第1回路と、第2電源と、第2スイッチと、変圧器の第2巻線と並列に接続された第2キャパシタと、第2電源と第2キャパシタとの間に接続された第2インダクタとを有する、変圧器の2次側の第2回路と、を含む電力変換回路を通る電力の伝送方向を決定し、決定された電力の伝送方向に基づいて、第1回路及び第2回路を構成し、決定された電力の伝送方向及び電力伝送量に基づいて、第1スイッチ及び第2スイッチのスイッチングを制御する。
【0011】
システムは、第1電源と、第1スイッチと、変圧器の第1巻線と並列に接続された第1キャパシタと、第1電源と第1キャパシタとの間に接続された第1インダクタとを有する、変圧器の1次側の第1回路と、第2電源と、第2スイッチと、変圧器の第2巻線と並列に接続された第2キャパシタと、第2電源と第2キャパシタとの間に接続された第2インダクタとを有する、変圧器の2次側の第2回路と、を含む電力変換回路を通る電力の伝送方向を決定し、決定された電力の伝送方向に基づいて、第1回路及び第2回路を構成し、決定された電力の伝送方向及び電力伝送量に基づいて、第1スイッチ及び第2スイッチのスイッチングを制御する、ように構成された制御回路を含む。
【0012】
例示的な実施形態の前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、本開示の教示の例示的な態様に過ぎず、限定的なものではない。
【0013】
本開示及びそれに付随する多くの利点のより完全な理解は、以下の詳細な説明を添付図面と関連して考慮する場合によりよく理解されるものとして、容易に得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】絶縁型DC-DC電力変換回路の例示的な概略図。
【
図2】絶縁型DC-DC電力変換回路の電流及び電圧波形の例示図。
【
図3A】絶縁型DC-DC電力変換回路を通る例示的な電流経路を示す。
【
図3B】絶縁型DC-DC電力変換回路を通る例示的な電流経路を示す。
【
図3C】絶縁型DC-DC電力変換回路を通る例示的な電流経路を示す。
【
図3D】絶縁型DC-DC電力変換回路を通る例示的な電流経路を示す。
【
図4】絶縁型DC-DC電力変換回路の例示的な概略図。
【
図5】絶縁型DC-DC電力変換回路を通る例示的な電流経路を示す。
【
図6A】絶縁型DC-DC電力変換回路の例示的な電圧及び波形を示す。
【
図6B】絶縁型DC-DC電力変換回路の例示的な電圧及び波形を示す。
【
図7】絶縁型DC-DC電力変換回路の電流及び電圧波形の例示図。
【
図8】絶縁型DC-DC電力変換回路のスイッチオン時間の例示的なグラフ。
【
図9】絶縁型DC-DC電力変換プロセスの例示的なフローチャート。
【
図10】絶縁型DC-DC電力変換回路の適用例を示す例示図。
【
図11】モジュール式に接続された絶縁型DC-DC電力変換回路の例示的な概略図。
【
図12】モジュール式に接続された絶縁型DC-DC電力変換回路の電流波形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、絶縁型DC-DC電力変換回路100の例示図である。絶縁型DC-DC電力変換回路100は、磁気コアトランス114の両側に対称的な1次側及び2次側を含む。1次側は、1次スイッチ106及び1次DC電源102を含み、2次側は、2次スイッチ108及び2次DC電源104を含むことができる。1次スイッチ106は、ボディダイオード120及び出力キャパシタンス124を有するMOSFETであってもよく、2次スイッチ108は、ボディダイオード122及び出力キャパシタンス126を有するMOSFETであってもよい。いくつかの実装において、ダイオード120及び122並びにキャパシタ124及び126は、スイッチ106及び108と並列に接続された外部部品であってもよい。絶縁型DC-DC電力変換回路100はまた、1次側及び2次側にそれぞれキャパシタ116及び118を含む。キャパシタ116は、磁気コアトランス114の1次巻線と並列に接続され、キャパシタ118は、磁気コアトランス114の2次巻線と並列に接続される。いくつかの態様において、磁気コアトランス114の巻数比Nは、2次DC電源104の電圧に対する1次DC電源102の電圧の比に基づいて決定される。絶縁型DC-DC電力変換回路100はまた、1次側と2次側の磁気コアトランス114の漏れを表す漏れインダクタ110、112を含む。本明細書でさらに詳細に説明するように、漏れインダクタ110、112は、絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側と2次側間で電力が伝送されるように、1つ又は複数のキャパシタ116、118、124、及び126を有する共振電流経路を提供する。
【0016】
特定の実施形態において、電力を電力源から電気負荷に伝送するために、絶縁型DC-DC電力変換回路100を車両の電気システムに設置できる。いくつかの実装において、車両内の電気的コンポーネントは、実行されるアプリケーションに応じて、電源又は電気負荷のいずれかとして機能できる。例えば、電気自動車のバッテリセルは、車両がプラグを介してACコンセントに接続されているとき、充電動作中に電気負荷として機能できる。一方、バッテリセルは、電池セルバランシング(平衡化)中に電源としても機能できる。
【0017】
電気的コンポーネントが電源又は電気負荷として動作可能にするために、絶縁型DC-DC電力変換回路100は、1次側と2次側間の対称性に起因して双方向に動作できる。より具体的には、電力は、1次側から2次側へ、又は2次側から1次側へ伝送できる。電力伝送の方向は、1次スイッチ106又は2次スイッチ108がオンオフされるかどうかに基づいている。例えば、電力が1次側から2次側に伝送される場合、1次スイッチ106がオンとオフを繰り返す。電力が2次側から1次側に伝送される場合、2次スイッチ108がオンとオフを繰り返す。いくつかの実装において、1次スイッチ106及び2次スイッチ108は、1次スイッチ106及び2次スイッチ108に統合されたゲートドライバによって制御される。
【0018】
さらに、他方側からエネルギーを受け取る絶縁型DC-DC電力変換回路100一方側のスイッチ106又は108は、同期整流器として動作して絶縁型DC-DC電力変換回路による損失を低減することができる。例えば、1次スイッチ106をオンオフすることによって絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側から2次側に電力が伝送されるとき、2次スイッチ108は、1次スイッチ106のオフ時間中に閉じることができるので、ダイオード122ではなく2次スイッチ108に電流が流れ、回路効率が向上する。
【0019】
図2は、1次スイッチ106のデューティサイクルの時間に対する絶縁型DC-DC電力変換回路100の電流及び電圧波形の例示図である。例えば、波形212は、1次スイッチ106のデューティサイクルを示す。いくつかの実装によれば、1次スイッチ106は、時刻206にオンにされ、その後時刻210にオフにされる。
図2に示す波形は、1次スイッチ電流I
106、1次スイッチ電圧V
106、2次スイッチ電流I
108、2次スイッチ電圧V
108、1次キャパシタ電流I
116、及びトランス電流I
TRを含む。いくつかの実装において、トランス電流I
TRは、DC-DC電力変換回路100の1次側と2次側間で伝送される電力量を表す。さらに、波形は、時刻202、204、206、208及び210に分割して4つの期間(A、B、C、及びD)に分割される。絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側から2次側に伝送される電力量は、1次スイッチ106のオン時間を増加又は減少することで変更される。例えば、絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側から2次側に伝送される電力量を増加させるには、1次スイッチ106のオン時間を増加させる。同様に、絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側から2次側に伝送される電力量を減少させるには、1次スイッチ106のオン時間を減少させる。さらに、ソフトスイッチ、特にゼロ電圧スイッチ(ZVS)を維持するために、1次スイッチ106及び2次スイッチ108のオフ時間を一定に保つことができ、回路損失を低減し、効率を改善する。
【0020】
いくつかの実装では、2次スイッチ108をオンオフすることによって、絶縁型DC-DC電力変換回路120の2次側から1次側に電力を伝送することにより、双方向電力伝送を実行できる。絶縁型DC-DC電力変換回路120の2次側から1次側への電力の伝送の説明は、当業者にとって直接的な方法で双方向電力伝送にも適用できる。
【0021】
絶縁型DC-DC電力変換回路100内のデューティサイクル、スイッチング周波数、及び電力の伝送方向は、1つ又は複数の電子制御ユニット(ECU)又は同様の回路によって制御できる。例えば、センサは、バッテリ充電状態(SOC:State of Charge)、電圧などを感知できる電気自動車(EV)のバッテリセル内に設置できる。ある実装において、ECUは、センサデータを処理し、バッテリのSOC情報をユーザに表示し、絶縁型DC-DC電力変換回路100を調整するアクチュエータに制御信号を送ることができる。ECUは、1次スイッチ106及び2次スイッチ108のデューティサイクル及びスイッチング周波数を制御することによって、電力の伝送方向だけでなく、絶縁型DC-DC電力変換回路100によって伝送される電力量を制御できる。ECUはまた、絶縁型DC-DC電力変換回路100を調整して、ユーザからの入力によって決定される機能を実行する。
【0022】
また、
図3A~3Dは、
図2に示す期間A~Eに対応する、絶縁型DC-DC電力変換回路100を通る例示的な電流経路を示す。絶縁型DC-DC電力変換回路100のコンポーネントの参照符号は、図面を分かり易くするために
図3A~3Dには示されていないが、
図1に示す参照番号に対応すると考えることができる。
図3Aは、時刻206と208の間(期間A)の絶縁型DC-DC電力変換回路100内の電流経路を示す。時刻206において、1次スイッチ106は、ECUの制御回路によってオンにされてもよい。いくつかの態様において、1次スイッチ106は、ZVSを実施するために1次スイッチV
106の電圧がゼロであるときオンにされてもよい。1次スイッチ電圧V
106は、時刻206と208の間にゼロのままである。1次スイッチ106がオンになることに応答して、共振電流302及び304が漏れインダクタ110及び112を通って流れる。例えば、電流304は、
図2に示す1次スイッチ電流I
106に対応し、トランス電流I
TRと同様に時刻206と208の間で正弦波状に増加する。電流304は、漏れインダクタ110、112及びキャパシタ118に基づくLC共振を有し、キャパシタ118の電圧が2次電源104の電圧に達するまでキャパシタ118を充電する。電流302は、2次スイッチ108の出力キャパシタンス126からエネルギーが放出されると、漏れインダクタ110、112及び出力キャパシタンス126に基づくLC共振を有する。電流302によって2次スイッチ108の出力キャパシタンス126からエネルギーを放出すると、2次スイッチ108の電圧(
図2のV
108)は、正弦波状にゼロに減少する。時刻206と208の間の時間量(期間A)は、1次スイッチ106のデューティサイクル中の1次スイッチ106のオン時間の量に関係なく一定のままである。
【0023】
図3Bは、時刻208と210の間(
図2の期間B)の絶縁型DC-DC電力変換回路100内の電流経路を示す。時刻208と210の間では、1次スイッチ106は閉じたまま(オンにする)であり、次に、時刻210でオフにする。時刻208において、2次スイッチ108のボディダイオード122は、電流302及び304により2次スイッチV
108の電圧がゼロに達することに応答してオンになり、漏れインダクタ110、112及び2次スイッチ108のボディダイオード122を通る共振電流306を生成する。電流306が流れると、漏れインダクタ110及び112は、1次電源102から連続的に電力を取り出し、エネルギーを2次電源104に伝送する。時刻208と210の間の時間量(期間B)は、1次スイッチ106のオン時間に正比例する。例えば、1次スイッチ106のオン時間を長くするにつれて、絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側から2次側に伝送されるエネルギー量(電力)を増加させることで、時刻206と208の間の時間量(期間A)は一定のままであり、時刻208と210の間の時間量(期間B)は増加する。さらに、絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側から2次側にエネルギーが伝送されると、1次スイッチ電流I
106、キャパシタ電流I
116及び変流器電流I
TRは、時刻208と210の間でほぼ一定かつ正のままであり、1次スイッチ電圧V
106及び2次スイッチ電圧V
108は、ほぼゼロである。
【0024】
図3Cは、時刻202と204の間(
図2に示す期間C)の絶縁型DC-DC電力変換回路100内の電流経路を示す。時刻202において、1次スイッチ106は、オン時間(期間A及びB)の後、ECUの制御回路によって開かれる(オフにされる)。1次スイッチ106は、ZVSを維持するために1次スイッチ電圧V
106がゼロであるときオフにされる。さらに、2次スイッチ108は、絶縁型DC-DC電力変換回路100を通る損失を低減するために、同期整流器として動作するように時刻202と204の間で閉じる(オンにする)。1次スイッチ106がオフになることに応答して、共振電流308と310は、漏れインダクタ110、112を流れる。例えば、電流310は、漏れインダクタ110と112を通じてキャパシタ116からエネルギーを放出し、電流312は、1次スイッチ106の出力キャパシタンス124を2次電源104から充電する。換言すれば、キャパシタ116及び118からの蓄積エネルギーは、2次電源104に向かって放出される。さらに、時刻202と204の間に、1次スイッチ電流I
106及びトランス電流I
TRは、正弦波状にゼロに減少し、2次スイッチV
108の電圧はゼロのままである。1次スイッチ106の電圧は、電流308及び310に起因して、期間Cの間にピーク電圧214に正弦波状に増加する。いくつかの実装において、1次スイッチ106の定格電圧は、ピーク電圧214の大きさに基づいている。1次スイッチ106の定格電圧が、1次スイッチ106のピーク電圧214に順応するように増加するにつれて、1次スイッチ106の抵抗も増加し、絶縁型DC-DC電力変換回路100の効率を低下させる可能性がある。
【0025】
図3Dは、時刻204と206の間(
図2に示す期間D)の絶縁型DC-DC電力変換回路100内の電流経路を示す。時刻204と206の間では、1次スイッチ106と2次スイッチ108の両方が開いている(オフにされている)。時刻204において、トランス電流I
TRは、トランス電流I
TRが正の値から負の値へ変化するにつれてゼロになる。トランス電流I
TRが負になるのに応答して、DC-DC電力変換回路100は、漏れインダクタ110及び112を流れる共振電流312及び314を生成する。例えば、電流312は、漏れインダクタ110と112を通ってキャパシタ118からエネルギーを放出し、
図2の期間Dの間のキャパシタ電流I
116で示されるようにキャパシタ116を充電し、電流312は、共振によりキャパシタ116、118を充電しかつ放電し続ける。さらに、電流314は、1次スイッチ106の出力キャパシタンス124を放電し、1次スイッチ電圧V
106は、時刻206でのZVSターンオンに対して正弦波状にゼロに減少し、2次スイッチ電圧V
108は、2次スイッチのピーク電圧まで増加する。
【0026】
図4は、絶縁型DC-DC電力変換回路400の例示図である。絶縁型DC-DC電力変換回路400は、先に説明した絶縁型DC-DC電力変換回路(
図1)と同様の構造を有する。例えば、絶縁型DC-DC電力変換回路400は、磁気コアトランス414の両側に対称であり、1次電源402、2次電源404、磁気コアトランス414(漏れインダクタ410、412を含む)、キャパシタ416及び418、1次スイッチ406(ボディダイオード420及び出力キャパシタンス424を含む)、及び2次スイッチ408(ボディダイオード422及び出力キャパシタンス426を含む)を含む。1次側では、絶縁型DC-DC電力変換回路400はまた、1次電源402とキャパシタ416の間に1次電源402と直列に接続されたインダクタ428も含む。同様に、2次側では、絶縁型DC-DC電力変換回路400は、2次電源404とキャパシタ418の間に2次電源404と直列に接続されたインダクタ430を含む。
図2及び
図3A~3Dに関して先に説明したこれらに類似する回路動作特徴を維持する一方で、本明細書でさらに説明するように、インダクタ428は、1次側に追加の共振電流経路を提供し、絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側から2次側に電力が伝送されているときに1次スイッチ406のオフ時間中に発生する1次スイッチ406のピーク電圧を減少させる。さらに、インダクタ430は、2次側に追加の共振電流経路を提供し、絶縁型DC-DC電力変換回路400の2次側から1次側に電力が伝送されるときに2次スイッチ408のオフ時間中に発生する2次スイッチ408のピーク電圧を低減させる。
【0027】
図5は、
図2に示す期間C中(時刻202と204の間)に絶縁型DC-DC電力変換回路400を通る例示的な電流経路を示す。絶縁型DC-DC電力変換回路400のコンポーネントの参照符号は、図面の明瞭性のために
図5には示されていないが、
図4に示す参照番号に対応すると考えることができる。例えば、電流502は、
図3Cの電流308に対応する。1次スイッチ406がオフにされたことに応答して、DC-DC電力変換回路400は、1次スイッチ406のインダクタ428、キャパシタ416、及び出力キャパシタンス424を流れる追加の共振電流504を生成する。追加の共振電流502は、1次スイッチ408がオフにされたとき(例えば、
図2の期間C及びD)、絶縁型DC-DC電力変換回路400によって生成される。同様に、2次スイッチ408がオフになると、絶縁型DC-DC電力変換回路400の2次側から1次側に電力が伝送されたときに、追加の共振電流が2次スイッチ408のインダクタ430、キャパシタ418、及び出力キャパシタンス426に流れる。絶縁型DC-DC電力変換回路400は、追加の共振電流504が、キャパシタ416のキャパシタンスと、1次スイッチ406の出力キャパシタンス426と、1次スイッチ406がオフ(開)にされたときに1次スイッチ電圧V
406の低下を引き起こすインダクタ428のインダクタンスと、に基づいて所定の周波数を有するように設計されている。
【0028】
図6A及び6Bは、絶縁型DC-DC電力変換回路400の例示的な電圧波形及び電流波形を示す。
図6Aは、1次スイッチ電圧波形608を含み、追加の共振電流に関連するインダクタ428及び430を有さない絶縁型DC-DC電力変換回路100のオフ時間の1次スイッチ電圧V106を表す。例えば、時間602~604は、
図2に示す期間Cを表し、時間604~606は、
図2に示す期間Dを表す。
図6Aはまた、波形610を含み、1次スイッチ電圧波形608のピーク電圧を低下させる絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側に追加の共振電流504を示す。
図6Bは、例示的な電圧波形を含み、1次スイッチ406のピーク電圧に対する追加の共振電流504の影響を示す。例えば、波形608’は、
図6Aの波形608に対応し、波形612は、インダクタ428、キャパシタ416、及び1次スイッチ406の出力キャパシタンス424を通る追加の共振電流504に起因して低下したピーク電圧を有する絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次スイッチ406の電圧を表す。追加の共振電流504は、絶縁型DC-DC電力変換回路400の全体的な動作特性を変更することなく、電圧波形612を、波形608’のピーク電圧の大きさよりも小さい大きさを有する2つの電圧ピーク616及び618に分割する。
【0029】
図7は、絶縁型DC-DC電力変換回路100及び400の例示的な電圧波形及び電流波形を示す。波形212、I
106、V
106、I
108、V
108、I
116及びI
TRは、
図2による波形であって、時刻202、204、206、208、及び210によって期間A、B、C、及びDに分割された絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次スイッチ106のデューティサイクルと関連し、絶縁型DC-DC電力変換回路100の動作と、追加の共振電流経路を提供するインダクタ428及び430を含む絶縁型DC-DC電力変換回路400の動作との比較を提供する。いくつかの実施例によれば、
図7はまた、時刻706でオンになり、その後時刻710でオフになる1次スイッチ406のデューティサイクルを示す波形712を含む。
図7はまた、1次スイッチ電流I
406、1次スイッチ電圧V
406、2次スイッチ電流I
408、2次スイッチ電圧V
408、1次キャパシタ電流I
416、及びトランス電流I
TR’の波形を含む。さらに、波形は、時刻702、704、706、708、及び710によって分割された4つの期間(A’、B’、C’及びD’)にも分割される。絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側から2次側への電力伝送量は、1次スイッチ406のオン時間を増加又は減少させることによって変更できる。絶縁型DC-DC電力変換回路400に関連する期間A’、B’、C’及びD’は、絶縁型DC-DC電力変換回路100の期間A、B、C、Dに対応する。
【0030】
さらに、基準線714は、インダクタ428及び430に関連する追加の共振電流を含まない絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次スイッチ106でのピーク電圧に対応する。基準線714は、1次スイッチ106でのピーク電圧が、絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次スイッチ406のピーク電圧よりも大きいことを示す。絶縁型DC-DC電力変換回路400は、インダクタ428を通る追加の共振電流504を含み、1次スイッチ106のピーク電圧よりも小さい大きさを有する期間C’及びD’の間の2つの電圧ピークへのピーク電圧を分割し、1次スイッチ406の電圧ストレスを低減し、回路全体の効率を改善する。追加の共振電流504の影響は、絶縁型DC-DC電力変換回路400に関連する1つ以上の他の波形に存在する可能性があるが、絶縁型DC-DC電力変換回路400の全体的な動作には大きく影響しない。例えば、トランス電流ITR’は、DC-DC電力変換回路400の1次側と2次側間で伝送される電力量を表し、トランス電流ITR’は、絶縁型DC-DC電力変換回路100のトランス電流ITRと同様である。さらに、キャパシタ電圧V416は、追加の共振電流504の存在による影響を示すが、キャパシタ電圧V416の積分は、変圧器励起がゼロとなるように設計されたキャパシタ電圧V116の積分と同じである。
【0031】
図8は、絶縁型DC-DC電力変換回路100及び400のスイッチオン時間の例示的なグラフである。いくつかの実装では、1次スイッチ106、406のオン時間を増加又は減少させることによって、絶縁型DC-DC電力変換回路100の1次側から2次側に伝送される電力量を変更できる。
図8は、1次スイッチのオン時間対伝送電力量を示す。例えば、絶縁型DC-DC電力変換回路100、400の1次側から2次側に伝送される電力量を増加させるために、1次スイッチ106、406のオン時間を増加させる。同様に、絶縁型DC-DC電力変換回路100、400の1次側から2次側に伝送される電力量を減少させるために、1次スイッチ106、406のオン時間を減少させる。さらに、1次スイッチ106、406又は2次スイッチ108、408のオン時間の量が、期間A又はA’に関連する時間量よりも大きいときに、絶縁型DC-DC電力変換回路100又は400の1次側から2次側への電力伝送が生じる。1次スイッチ106、406又は2次スイッチ108、408のオン時間の量が期間A又はA’を超えると、絶縁型DC-DC電力変換回路100又は400の1次側と2次側間で伝送される電力量は、期間B又はB’の長さに比例する。
【0032】
絶縁型DC-DC電力変換回路100、400の1次側と2次側間で伝送される電力量を増減するために、1次スイッチ106、406又は2次スイッチ108、408のオン時間を増減できるが、1次スイッチ106、406又は2次スイッチ108、408のオフ時間を一定に保つことができる。いくつかの実装において、1次スイッチ106、406又は2次スイッチ108、408のオフ時間は、期間C又はC’及びD又はD’(
図2及び7に示される)に関連する時間量の合計である。期間C又はC’及びD又はD’に関連する時間量は、様々なインダクタンス及びキャパシタンスのパラメータに基づく絶縁型DC-DC電力変換回路100、400の共振周波数に基づいている。例えば、期間C又はC’に関連する時間量は、次のように記述できる。
ここでは、L
110/410は、漏れインダクタ110/410のインダクタンスに対応し、L
112/412は、漏れインダクタ112/412のインダクタンスに対応し、C
116/416は、キャパシタ116/416のキャパシタンスに対応し、C
124/424は、出力キャパシタンス124/424のキャパシタンスに対応する。さらに、期間D又はD’に関連する時間量は、次のように記述できる。
ここでは、C
118/418は、キャパシタ118/418のキャパシタンスに対応し、C
126/426は、出力キャパシタンス126/426のキャパシタンスに対応する。
【0033】
図9は、絶縁型DC-DC電力変換プロセス900の例示的なフローチャートである。絶縁型DC-DC電力変換プロセス900は、1つ以上のECU又は同様の回路によって制御できる。EV電力伝送システムの1つ又は複数のバッテリセル及び他の電気的コンポーネント内に設置されたセンサは、バッテリのSOC、電圧、電流などを感知できる。ECUは、センサデータを処理し、電力モジュール情報をユーザに表示し、電気的コンポーネントへの連続的な電力を維持するためにEV電力伝送システムを調整するアクチュエータに制御信号を送ることができる。いくつかの実装において、アクチュエータは、絶縁型DC-DC電力変換回路120の1次スイッチ106、406及び2次スイッチ108、408、動作周波数、及び電力の伝送方向のデューティサイクル及びスイッチング周波数を制御する制御信号を送信する。ECUは、複数の絶縁型DC-DC電力変換回路を調整して、EV電力伝送システム内の1つ又は複数の電源及び/又は負荷間で電力伝送を行うこともできる。プロセス900は、絶縁型DC-DC電力変換回路400に関して説明されているが、絶縁型DC-DC電力変換回路100にも適用できる。
【0034】
ステップ902において、制御回路は、絶縁型DC-DC電力変換回路400を通る電力の伝送方向を決定する。いくつかの実装形態において、電気的コンポーネントは、1次DC電源402及び2次DC電源404に接続され、電源又は電気負荷のいずれかとして機能できる。例えば、EVの電気システム内のバッテリセルは、ブレーキ、オーディオシステムなどの車両の電気的コンポーネントに電力を供給するための電源として機能できる。電池セルはまた、複数の電池セルの間の電池セル平衡化の間、電気負荷として機能できる。いくつかの実装において、電力の伝送方向は、1次DC電源402と2次DC電源404との間の電圧差、又は電力システム内の他の電力/負荷要求に基づくことができる。例えば、1次DC電源402の電圧が2次DC電源404の電圧よりも大きい場合、制御回路は、電力が絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側から2次側に伝送されると決定できる。
【0035】
ステップ904において、制御回路は、電力伝送の所望の方向に基づいて絶縁型DC-DC電力変換回路400を構成する。いくつかの実装では、所望の電力の伝送方向に基づいて少なくとも1つの絶縁型DC-DC電力変換回路400を調整するために制御信号が送信される。制御回路は、絶縁型DC-DC電力変換回路400を所望の電力の伝送方向に調整するために、電圧センサ、電流センサ、及びタイマに加えて、1次スイッチ406及び2次スイッチ408に制御信号を送ることができる。
【0036】
ステップ906において、制御回路は、所望の電力の伝送方向に基づいて、1次スイッチ406及び/又は2次スイッチ408のスイッチングを制御する。絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側から2次側に電力が伝送されている場合には、制御信号が送信されて、1次スイッチV406での電圧がゼロであるときに時刻706(
図7)で1次スイッチ406をオンにして、ZVSを実施する。絶縁型DC-DC電力変換回路400の2次側から1次側に電力が伝送される実装では、2次スイッチV408を通る電圧がゼロであるときに2次スイッチ408をオンにする制御信号が送信され、ZVSを実施する。制御回路は、1次スイッチ406の電流に関するセンサデータを受信して、1次スイッチ406をオンにする制御信号をいつ送信するかを決定できる。いくつかの実装において、制御回路は、一定のオフ時間の実施のように、1次スイッチ406がオフにされてから経過した時間の量に基づいて1次スイッチ406をいつオンにするかを決定できる。一例において、制御信号は、1次スイッチ406をオンにするゲートドライバ回路に送られる。いくつかの態様において、ゲートドライバ回路は、1次スイッチ406及び2次スイッチ408に統合できる。
【0037】
絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側から2次側に伝送される電力量は、1次スイッチ406のオン時間の量を変更することによって変更できる。絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側から2次側に伝送される電力量を増加させるために、1次スイッチ406のオン時間を増加させる。絶縁型DC-DC電力変換回路400の1次側から2次側に伝送される電力量を減少させるために、1次スイッチ406のオン時間を減少させる。絶縁型DC-DC電力変換回路の1次側から2次側に伝送される電力量は、電気システム内の電気的コンポーネントの電力及び電圧特性に基づいて決定できる。
【0038】
さらに、1次スイッチ406の電圧がゼロである場合、1次スイッチ406のデューティサイクルのアクティブ信号時間を終了させることができる制御信号が送信され、1次スイッチ406をオフにしてZVS(
図7の時刻710又は702)を実施する。制御回路は、1次スイッチ406の電圧に関するセンサデータを受信して、1次スイッチ406をオフにする制御信号をいつ送信するかを決定できる。いくつかの実装において、制御回路は、1次スイッチ406がオンにされてから経過した時間が所定量の電力伝送に対応するとき、いつ1次スイッチ406をオフにするかを決定できる。
【0039】
図10は、絶縁型DC-DC電力変換回路100、400のアプリケーション1000の例示である。例えば、絶縁型DC-DC電力変換回路1002は、絶縁型DC-DC電力変換回路100、400の実装であり、車両充電ステーションなどのAC電源1004を車両の少なくとも1つのバッテリセル1006に接続できる。絶縁型DC-DC電力変換回路1002は、AC電源1004と少なくとも1つのバッテリセル1006との間の絶縁を提供し、双方向電力伝送を提供する。
【0040】
図11は、モジュール式に接続された絶縁型DC-DC電力変換回路の例示的な概略図である。
図11は、2つの並列接続された絶縁型DC-DC電力変換回路100(モジュール1及びモジュール2)を示すが、複数の絶縁型DC-DC電力変換回路を同様に並列に接続できる。複数のモジュール式の絶縁型DC-DC電力変換回路を並列に接続することにより、絶縁型DC-DC電力変換回路の電力伝送範囲を拡大できる。
図11はまた、
図12A~12Bの電流波形として示された入力電流I
in及び出力電流I
outを示す。
図12A及び12Bに示すように、制御回路は、並列接続された絶縁型DC-DC電力変換回路の位相シフト制御を実装して、循環電力(circulated power)を低減し、電流及び電圧ピークを低減し、スイッチング周波数を増加させ、フィルタサイズを小さくすることを提供する。例えば、
図12Aは、0度位相シフトに対する入力電流I
in及び出力電流I
outを示し、
図12Bは、108度の位相シフトに対する入力電流I
in及び出力電流I
outを示す。さらに、制御回路は、並列接続された電力変換回路の数に基づいて、並列接続された絶縁型DC-DC電力変換回路のスイッチ間の位相シフトの量を決定でき、絶縁型DC-DC電力変換回路は360/Nに対応し、ここでNは並列接続された絶縁型DC-DC電力変換回路の数である。例えば、2つの絶縁型DC-DC電力変換回路が並列接続されている場合、電力伝送を制御するスイッチの動作間の位相シフトの量は180度である。
【0041】
本開示の態様は、磁気コアトランスの両側に対称的な絶縁型DC-DC電力変換回路を通る双方向電力伝送を行うことに関する。回路損失を低減し、効率を改善するために、ソフトスイッチングを実施できる。さらに、絶縁型DC-DC電力変換回路は、磁気コアトランスの両側にインダクタを含み、インダクタは1次スイッチ及び2次スイッチで発生する可能性のある電圧ピークを低減させる追加の共振電流経路を提供する。スイッチでの電圧ピークが低減されると、定格電圧が低減されたスイッチを絶縁型DC-DC電力変換回路に実装でき、抵抗が減少し、損失が低減される。
【0042】
本明細書で図示又は説明されているコンピュータアーキテクチャ(すなわち、回路)のブロック又は回路は、単一の処理システムに実装でき、又は複数の処理システムに及んで分散させることができ、これらは別々のプロセッサ又は回路と呼ぶことができる。例えば、アーキテクチャの各ブロックは、個別のプロセッサ、システム、又は論理コンポーネントであってもよい。さらに、例示的な機能又は特徴は、共通回路又は特定の命令を実行する汎用プロセッサによって実行できる。
【0043】
図13は、例示的な処理システム(すなわち、例示的なプロセッサ又は回路)を示す。このような一以上の処理システムは、本明細書で提供される説明に従って、一以上のアルゴリズム又はその一部、又は一以上のアーキテクチャブロック又はその一部において利用されるか、又はそれらを実行できる。このシステムは、車両に搭載された電子制御ユニット(ECU)又は個別のコンピュータとして具体化及び/又は実装できる。例示的な処理システムは、中央処理装置(CPU)及び/又は少なくとも1つの特定用途向けプロセッサASP(図示せず)などの、一以上のマイクロプロセッサ又は等価物を使用して実装できる。マイクロプロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体を利用する回路であり、例えば、本開示のプロセス及びシステムを実行及び/又は制御するマイクロプロセッサを制御するように構成されたメモリ回路(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、スタティックメモリ、DRAM、SDRAM、及びそれらの等価物)である。他の記憶媒体は、コントローラ、例えば、ハードディスクドライブ又は光ディスクドライブを制御できるディスクコントローラ、を介して制御できる。
【0044】
別の実装において、マイクロプロセッサ又はその態様は、この開示を増強又は完全に実施するための論理デバイスを含むか又は排他的に含むことができる。そのような論理デバイスは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ジェネリックアレイオブロジック(GAL)、及びそれらの等価物を含むが、これらに限定されない。マイクロプロセッサは、別個の装置又は単一の処理機構とすることができる。さらに、この開示は、マルチコアCPUの並列処理能力の恩恵を受けることができる。1つ又は複数のプロセッサによって複数の処理構成で提供される制御回路を使用して、メモリに含まれる一連の命令を実行することもできる。あるいは、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせてハードワイヤード回路を使用できる。したがって、本明細書で説明する例示的な実装形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0045】
別の態様では、本開示による処理の結果は、ディスプレイコントローラを介してモニタに表示できる。表示コントローラは、好ましくは、計算効率を向上させるために、複数のグラフィックス処理コアによって提供される少なくとも1つのグラフィック処理ユニットを含む。表示コントローラ又はその一部は、CPUに組み込むこともできる。さらに、I/Oインターフェースに周辺機器として接続される、マイクロホン、スピーカ、カメラ、マウス、キーボード、タッチベースのディスプレイ又はパッドインターフェースなどからの信号及び/又はデータを入力するためのI/O(入力/出力)インターフェースが設けられている。例えば、本開示の様々なプロセス又はアルゴリズムのパラメータを制御するためのキーボード又はポインティングデバイスは、追加の機能及び構成オプションを提供するため、又は表示特性を制御するためにI/Oインターフェースに接続できる。さらに、モニタは、コマンド/命令インターフェースを提供するためのタッチセンシティブ又はジェスチャ検出インターフェースを備えることができる。
【0046】
例示的な実施形態では、センサ1、2...Nからセンサデータを入力するためのI/Oインターフェースが設けられている。センサは、バッテリ電圧センサ、温度センサ、電流センサ、又はスイッチの開閉を検出できるセンサを含むことができる。I/Oインターフェースにデータを入力する他のセンサは、速度センサ、加速度センサ、ステアリングセンサ、ジャイロセンサなどを含むことができる。さらに、I/Oインターフェースは、ユーザが絶縁型DC-DC電力変換回路120又は分散型電力システムの構成を制御可能にする1つ又は複数のコントローラからのデータを入力するために提供される。例えば、ユーザは、コントローラを使用して、絶縁型DC-DC電力変換回路120の1次スイッチ106及び2次スイッチ108のデフォルト期間及びデューティサイクルを設定できる。また、I/Oインターフェースは、絶縁型DC-DC電力変換回路120内のゲートドライバ回路及び他の回路を含む様々な作動コンポーネントを制御する制御信号を1つ又は複数のアクチュエータに送信するためのインターフェースもまた提供する。いくつかの実装において、アクチュエータは、1次スイッチ106及び2次スイッチ108、動作周波数、及び絶縁型DC-DC電力変換回路120の電力の伝送方向を制御するための制御信号を送信する。I/Oインターフェースは、スマートフォンやポータブルストレージデバイスなどのモバイルデバイスに接続することもできる。I/Oインターフェースは、USB(Universal Serial Bus)ハブ、Bluetooth回路、近接フィールド通信(NFC)回路、又は他の有線又は無線通信回路を含むことができる。いくつかの態様において、モバイルデバイスは、センサ入力、ナビゲーション入力、及び/又はネットワークアクセスを提供できる。
【0047】
上述のコンポーネントは、制御可能なパラメータを含むデータの送信又は受信のためのネットワークインターフェースを介して、インターネット又はローカルイントラネットなどのネットワークに結合できる。ネットワークインターフェースは、1つ又は複数のIEEE802準拠回路を含むことができる。中央のバスは、上記のハードウェアコンポーネント/回路を共に接続するために設けられ、その間のデジタル通信のための少なくとも1つの経路を提供する。
【0048】
処理システムは、ネットワーク化されたデスクトップコンピュータ、端末、又はタブレットコンピュータ又は携帯電話などのパーソナルデバイスであってもよい。上述のデータベースは、サーバ上に遠隔に格納されてもよく、サーバは、処理システムと同様又は同一のコンポーネントを含んでもよい。これらのデバイスは、ネットワークを介して通信できる。
【0049】
オペレーティングシステム又はアプリケーションなどの適切なソフトウェアは、メモリ及び記憶装置を含む処理システムのコンピュータ可読媒体に有形に格納できる。コンピュータ可読媒体の他の例は、コンパクトディスク、ハードディスク、フロッピーディスク、テープ、光磁気ディスク、PROM(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM、又は任意の他の磁気媒体、コンパクトディスク(例えば、CD-ROM)、又はコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体が含まれる。ソフトウェアには、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、開発ツール、アプリケーションソフトウェア、及び/又はグラフィカルユーザーインターフェイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
上記の媒体上のコンピュータコード要素は、任意の解釈可能又は実行可能コード機構であってもよく、スクリプト、解釈可能プログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLL)、Javaクラス、及び完全実行可能プログラムを含むが、これらに限定されない。さらに、本開示の態様の処理の一部は、より良い性能、信頼性及び/又はコストのために分散されてもよい。
【0051】
本明細書に記載の手順及びルーチンは、デバイス、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として実施でき、1つ又は複数の専用回路又はプログラムされたプロセッサを介して実行できる。したがって、本明細書で提供される記述は、ハードウェア形式、ハードウェア上で実行されるソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)形式、又は特定のアルゴリズムとプロセスコードによって構成される専用のハードウェアコンポーネントと汎用プロセッサとの組み合わせを介する形式をとることができる。ハードウェアコンポーネントは、「回路」、「モジュール」、「ユニット」、「デバイス」又は「システム」と呼ばれる。ハードウェアによって実行される実行可能コードは、コンピュータプログラム製品などの有形メモリデバイス上に具体化される。例には、CD、DVD、フラッシュドライブ、ハードディスクユニット、ROM、RAM、及びその他のメモリデバイスが含まれる。
【0052】
本開示の実装による方法、システム及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及びブロック図が参照されてきた。その態様は、コンピュータプログラム命令によって実施される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されて、機械を製造でき、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成する。
【0053】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納することもでき、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック(複数可)で指定された機能/動作を実施する命令手段を含む製造物品を生成するように、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置を特定の方法で指示することができる。コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置に読み込まれ、コンピュータ又は他のプログラム可能装置上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ又は他のプログラム可能装置で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック(複数可)で指定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを生成する。
【0054】
いくつかの実装形態が説明されてきた。しかしながら、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ得ることが理解されるであろう。例えば、開示された技術のステップが異なるシーケンスで実行される場合、開示されたシステムのコンポーネントが異なる方法で組み合わせられた場合、又はコンポーネントが他のコンポーネントによって置換又は補足された場合、好ましい結果が達成され得る。本明細書に記載された機能、プロセス及びアルゴリズムは、ハードウェア内で実行されてもよく、又は本明細書で説明される機能、プロセス及びアルゴリズムを実行するためのプログラムコード及び/又はコンピュータ命令を実行するように構成されたコンピュータプロセッサ及び/又はプログラム可能回路を含むハードウェアによって実行されるソフトウェアによって実行されてもよい。さらに、実施は、これらに説明したものと同一ではないモジュール又はハードウェア上で実行されてもよい。したがって、他の実施態様も請求可能な範囲内である。