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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】医用画像診断装置及びX線照射制御装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220301BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A61B6/00 370
A61B6/00 360B
A61B6/00 300D
A61B6/00 300X
A61B8/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018017193
(22)【出願日】2018-02-02
(65)【公開番号】P2019130224
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-01-08
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】特許業務法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 紗佳
(72)【発明者】
【氏名】長江 亮一
(72)【発明者】
【氏名】大井 伸秀
(72)【発明者】
【氏名】穐山 充男
(72)【発明者】
【氏名】安藤 広治
(72)【発明者】
【氏名】泉 実教
(72)【発明者】
【氏名】小役丸 貴士
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-061093(JP,A)
【文献】特開2008-245788(JP,A)
【文献】特開2017-140135(JP,A)
【文献】特開2010-057910(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0063400(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0236032(US,A1)
【文献】特開2009-015301(JP,A)
【文献】特開平10-005205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/14
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波画像及びX線画像を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断に従って、前記表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを示す情報を提示する提示手段と、
を有する医用画像診断装置。
【請求項2】
前記提示手段は、前記情報を示す提示画像を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の医用画像診断装置。
【請求項3】
前記提示手段は、前記提示画像として、前記X線画像に相当するアイコンと、前記超音波画像に相当するアイコンとを含み、それらのうち、前記ライブ画像に対応するアイコンがアクティブにされた画像を前記表示部に表示させる、
請求項2に記載の医用画像診断装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記超音波画像がライブ画像である場合、超音波プローブの位置情報に対応する、X線照射部及びX線検出部を支持するアームの位置情報を特定し、前記特定された位置情報に対応するX線画像を記憶部に記憶された複数のX線画像から取得して前記表示部に表示させる、
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記X線画像がライブ画像である場合、X線照射部及びX線検出部を支持するアームの位置情報に対応する、超音波プローブの位置情報を特定し、前記特定された位置情報に対応する超音波画像を記憶部に記憶された複数の超音波画像から取得して前記表示部に表示させる、
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記X線画像がライブ画像である場合、X線照射部及びX線検出部を支持するアームの位置情報に対応する超音波画像を、超音波撮影によるボリュームデータから生成して前記表示部に表示させる、
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記X線画像に前記超音波画像を重畳させた重畳画像を前記表示部に表示させる、
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項8】
前記X線撮影のためにX線を照射するX線照射部と、
前記X線を検出するX線検出部と、
前記X線照射部及び前記X線検出部を制御して、前記X線撮影を行うように制御するX線撮影手段と、
を更に有する請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項9】
超音波プローブを制御して、前記超音波撮影を行うように制御する超音波撮影手段、
を更に有する請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
【請求項10】
超音波診断装置及びX線診断装置と相互に通信可能なように接続されたX線照射制御装置であって、
超音波画像及びX線画像を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断に従って、前記表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを示す情報を提示する提示手段と、
を有するX線照射制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、医用画像診断装置及びX線照射制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置、超音波診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、及び磁気共鳴イメージング装置等の医用画像診断装置のうち、異なる種類の装置を併用することで治療効率の向上などを図る目的で、異なる種類の複数の医用画像診断装置を有する医用画像診断システムが存在する。例えば、カテーテルを用いたインターベンション治療が行われる場合に、X線診断装置及び超音波診断装置が併用される。
【0003】
X線診断装置は、被検体内にX線を透過し、その透過像を画像化するものである。X線画像を取得する手段としては、比較的強いX線を照射する「撮影モード」と、比較的弱いX線を照射する「透視モード」とがある。医師は、撮影モード又は透視モードによるX線照射により血管内のカテーテルを確認しながら、患者にカテーテルを挿入する。そして、カテーテルの患部への到達後、X線によりあらゆる角度から患部の撮影が行われる。その後、確認された患部の治療をカテーテルによって行う。X線による透視及び撮影では確認できない病変も見逃さないために、超音波診断装置を併用し、患部の特定を行う方法が注目されている。
【0004】
特に、小児患者に対するカテーテル治療の場合は、被曝を避けるために成人患者の場合よりもX線の照射量、照射時間を抑えなければならない。このような場合においてもX線診断装置及び超音波診断装置の併用は有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-54425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、手技中における操作者による操作性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る医用画像診断装置は、表示制御手段と、判断手段と、提示手段とを有する。表示制御手段は、超音波画像及びX線画像を表示部に表示させる。判断手段は、表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを判断する。提示手段は、判断手段による判断に従って、表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを示す情報を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの構成を示す概略図。
図2図2は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの外観を示す図。
図3図3は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの第1の動作例をフローチャートとして示す図。
図4図4は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムにおいて、ライブ情報が提示画像として付与された重畳画像の例を示す図。
図5図5は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの第2の動作例をフローチャートとして示す図。
図6図6は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムにおいて、ライブ情報が提示画像として付与された重畳画像の例を示す図。
図7図7は、第2の実施形態に係る医用画像診断システムの構成を示す概略図。
図8図8は、第3の実施形態に係る医用画像診断システムの構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、医用画像診断装置及びX線照射制御装置の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの構成を示す概略図である。図2は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの外観を示す図である。
【0011】
図1及び図2は、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1を示す。医用画像診断システム1は、超音波診断装置10と、第1の実施形態に係る医用画像診断装置としてのX線診断装置50とを備える。例えば、X線診断装置50は、X線循環器装置、いわゆるアンギオ(Angio)装置である。
【0012】
超音波診断装置10は、超音波プローブ11、装置本体12、入力インターフェース13、及びディスプレイ14を設ける。なお、装置本体12のみの構成を超音波診断装置と称する場合もあり、装置本体12に超音波プローブ11、入力インターフェース13、及びディスプレイ14のうち少なくとも1つを加えた構成を超音波診断装置と称する場合もある。以下の説明では、超音波プローブ11、装置本体12、入力インターフェース13、及びディスプレイ14の全てが備えられた構成を超音波診断装置とする場合について説明する。
【0013】
超音波プローブ11は、前面部に複数個の微小な振動子(圧電素子)を備え、スキャン対象を含む領域、例えば管腔体を含む領域に対して超音波の送受波を行う。各振動子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルスを超音波パルスに変換し、また、受信時には反射波を電気信号(受信信号)に変換する機能を有する。超音波プローブ11は小型、軽量に構成されており、ケーブル(又は無線通信)を介して装置本体12に接続される。
【0014】
超音波プローブ11は、スキャン方式の違いにより、リニア型、コンベックス型、及びセクタ型等の種類に分けられる。また、超音波プローブ11は、アレイ配列次元の違いにより、アジマス方向に1次元(1D)的に複数個の振動子が配列された1Dアレイプローブと、アジマス方向かつエレベーション方向に2次元(2D)的に複数個の振動子が配列された2Dアレイプローブとの種類に分けられる。なお、1Dアレイプローブは、エレベーション方向に少数の振動子が配列されたプローブを含む。
【0015】
ここで、3Dスキャン、つまり、ボリュームスキャンが実行される場合、超音波プローブ11として、リニア型、コンベックス型、及びセクタ型等のスキャン方式を備えた2Dアレイプローブが利用される。又は、ボリュームスキャンが実行される場合、超音波プローブ11として、リニア型、コンベックス型、及びセクタ型等のスキャン方式を備え、エレベーション方向に機械的に揺動する機構を備えた1Dプローブが利用される。後者のプローブは、メカ4Dプローブとも呼ばれる。
【0016】
装置本体12は、送受信回路31、Bモード処理回路32、ドプラ処理回路33、画像生成回路34、画像メモリ35、ネットワークインターフェース36、処理回路37、及び記憶回路38を備える。回路31~34は、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるものである。しかしながら、その場合に限定されるものではなく、回路31~34の機能の全部又は一部は、処理回路37がプログラムを実行することで実現されるものであってもよい。
【0017】
送受信回路31は、送信回路及び受信回路(図示省略)を有する。送受信回路31は、処理回路37による制御の下、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。なお、送受信回路31が装置本体12に設けられる場合について説明するが、送受信回路31は、超音波プローブ11に設けられてもよいし、装置本体12及び超音波プローブ11の両方に設けられてもよい。
【0018】
送信回路は、パルス発生回路、送信遅延回路、及びパルサ回路等を有し、超音波振動子に駆動信号を供給する。パルス発生回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。送信遅延回路は、超音波プローブ11の超音波振動子から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサ回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波振動子に駆動パルスを印加する。送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波ビームの送信方向を任意に調整する。
【0019】
受信回路は、アンプ回路、A/D(Analog to Digital)変換器、及び加算器等を有し、超音波振動子が受信したエコー信号を受け、このエコー信号に対して各種処理を行ってエコーデータを生成する。アンプ回路は、エコー信号をチャンネル毎に増幅してゲイン補正処理を行う。A/D変換器は、ゲイン補正されたエコー信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理されたエコー信号の加算処理を行ってエコーデータを生成する。加算器の加算処理により、エコー信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
【0020】
Bモード処理回路32は、処理回路37による制御の下、受信回路からエコーデータを受信し、対数増幅、及び包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(2次元又は3次元データ)を生成する。このデータは、一般に、Bモードデータと呼ばれる。
【0021】
ドプラ処理回路33は、処理回路37による制御の下、受信回路からのエコーデータから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動態情報を多点について抽出したデータ(2次元又は3次元データ)を生成する。このデータは、一般に、ドプラデータと呼ばれる。
【0022】
画像生成回路34は、処理回路37による制御の下、超音波プローブ11が受信したエコー信号に基づいて、所定の輝度レンジで表現された超音波画像を画像データとして生成する。例えば、画像生成回路34は、超音波画像として、Bモード処理回路32によって生成された2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。また、画像生成回路34は、超音波画像として、ドプラ処理回路33によって生成された2次元のドプラデータから移動態情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。
【0023】
画像メモリ35は、1フレーム当たり2軸方向に複数のメモリセルを備え、それを複数フレーム分備えたメモリである2次元メモリを含む。画像メモリ35としての2次元メモリは、処理回路37の制御による制御の下、画像生成回路34によって生成された1フレーム、又は、複数フレームに係る超音波画像を2次元画像データとして記憶する。
【0024】
画像生成回路34は、処理回路37による制御の下、画像メモリ35としての2次元メモリに配列された超音波画像に対し、必要に応じて補間処理を行う3次元再構成を行うことで、画像メモリ35としての3次元メモリ内に超音波画像をボリュームデータとして生成する。補間処理方法としては、公知の技術が用いられる。
【0025】
画像メモリ35は、3軸方向(X軸、Y軸、及びZ軸方向)に複数のメモリセルを備えたメモリである3次元メモリを含む場合もある。画像メモリ35としての3次元メモリは、処理回路37の制御による制御の下、画像生成回路34によって生成された超音波画像をボリュームデータとして記憶する。
【0026】
ネットワークインターフェース36は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。ネットワークインターフェース36は、この各種プロトコルに従って、装置本体12と、外部のX線診断装置50等の機器とを接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続等を適用することができる。ここで、電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線の病院基幹のLAN(Local Area Network)やインターネット網のほか、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワーク、衛星通信ネットワーク、Wifi、及びBluetooth(登録商標)等を含む。
【0027】
また、ネットワークインターフェース36は、非接触無線通信用の種々のプロトコルを実装してもよい。この場合、装置本体12は、例えば超音波プローブ11と、ネットワークを介さず直接にデータ送受信することができる。
【0028】
処理回路37は、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、又はGPU(Graphics Processing Unit)の他、ASIC、及び、プログラマブル論理デバイス等を意味する。プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。
【0029】
また、処理回路37は、単一の回路によって構成されてもよいし、複数の独立した回路要素の組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、記憶回路38は回路要素ごとに個別に設けられてもよいし、単一の記憶回路38が複数の回路要素の機能に対応するプログラムを記憶するものであってもよい。
【0030】
記憶回路38は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって構成される。記憶回路38は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)等の可搬型メディアによって構成されてもよい。記憶回路38は、処理回路37において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータを記憶する。また、OSに、操作者に対するディスプレイ14への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力インターフェース13によって行うことができるGUI(Graphical User Interface)を含めることもできる。
【0031】
入力インターフェース13は、超音波技師D2によって操作が可能な入力デバイスからの信号を入力する回路と、入力デバイスとを含む。入力デバイスは、トラックボール、スイッチ、マウス、キーボード、走査面に触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。超音波技師D2により入力デバイスが操作されると、入力インターフェース13はその操作に応じた入力信号を生成して処理回路37に出力する。
【0032】
ディスプレイ14は、例えば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等の一般的な表示出力装置により構成される。また、ディスプレイ14は、GPU(Graphics Processing Unit)及びVRAM(Video RAM)等を含む。ディスプレイ14は、処理回路37の制御による制御の下、処理回路37から表示出力要求のあった超音波画像(例えば、ライブ画像)を表示する。
【0033】
位置センサ15は、超音波プローブ11の、時系列に複数の位置情報を検知して、装置本体12に出力する。位置センサ15としては、超音波プローブ11に取り付けられるタイプのセンサと、超音波プローブ11とは別体で設けられるタイプのセンサとがある。後者のセンサは、光学式センサであり、測定対象である超音波プローブ11の特徴点を複数位置から撮影し、三角測量の原理で超音波プローブ11の各位置を検出する。以下、位置センサ15が前者のセンサである場合について説明する。
【0034】
位置センサ15は、超音波プローブ11に取り付けられ、自身の位置情報を検知して、装置本体12に出力する。位置センサ15の位置情報を、超音波プローブ11の位置情報と見なすこともできる。超音波プローブ11の位置情報は、超音波プローブ11の位置及び姿勢(傾き角)を含む。例えば、磁場送信器(図示省略)が3軸の磁場を順次送信しその磁場を位置センサ15で順次受信することにより超音波プローブ11の姿勢が検知され得る。また、位置センサ15は、3次元空間における3軸の角速度を検知する3軸ジャイロセンサ、3次元空間における3軸の加速度を検知する3軸加速度センサ、3次元空間における3軸の地磁気を検知する3軸地磁気センサのうち少なくともいずれかを含む、いわゆる9軸センサであってもよい。
【0035】
X線診断装置50は、高電圧供給装置51、X線照射装置52、X線検出装置53、入力インターフェース54、ディスプレイ55、ネットワークインターフェース56、処理回路57、記憶回路58、Cアーム59(図2のみに図示)、及び寝台60(図2のみに図示)を備える。
【0036】
高電圧供給装置51は、処理回路57による制御の下、X線照射装置52のX線管に高電圧電力を供給する。
【0037】
X線照射装置52は、Cアーム59の一端に設けられる。X線照射装置52は、X線管(X線源)及び可動絞り装置を設ける。X線管は、高電圧供給装置51から高電圧電力の供給を受けて、高電圧電力の条件に応じてX線を発生する。可動絞り装置は、処理回路57による制御の下、X線管のX線照射口で、X線を遮蔽する物質から構成された絞り羽根を移動可能に支持する。なお、X線管の前面に、X線管によって発生されたX線の線質を調整する線質調整フィルタ(図示省略)を備えてもよい。
【0038】
X線検出装置53は、Cアーム59の他端に、X線照射装置52に対向するように設けられる。X線検出装置53は、処理回路57による制御の下、SID(Source-Image Distance)方向に沿って動作、即ち、前後動作を行うことができる。また、X線検出装置53は、処理回路57による制御の下、SID方向を中心とした回転方向に沿って動作、即ち、回転動作を行うことができる。
【0039】
入力インターフェース54は、入力インターフェース13と同等な構成を有する。治療室内の操作者D(手技者D1、超音波技師D2、及び助手等)によって入力インターフェース54が操作されると、操作信号が処理回路57に送られる。
【0040】
ディスプレイ55は、ディスプレイ14と同等な構成を有する。ディスプレイ55は、超音波撮影に従って生成された超音波画像と、X線撮影に従って生成されたX線画像とを表示する。例えば、ディスプレイ55は、手技中に、X線画像に超音波画像が重畳された重畳画像(例えば、図4に図示)を表示するか、X線画像及び超音波画像を並列表示する。
【0041】
ネットワークインターフェース56は、ネットワークインターフェース36と同等な構成を有する。
【0042】
処理回路57は、処理回路37と同等な構成を有する。
【0043】
記憶回路58は、記憶回路38と同等な構成を有する。
【0044】
Cアーム59は、X線照射装置52とX線検出装置53とを、対向配置するように支持する。Cアーム59は、処理回路57による制御の下、又は手動操作に従って、円弧方向の回転、即ち、CRA(Cranial View)の向きの回転と、CAU(Caudal View)の向きの回転とが可能である。また、Cアーム59は、処理回路57による制御の下、又は手動操作に従って、支点中心の回転、即ち、LAO(Left Anterior Oblique View)の向きの回転と、RAO(Right Anterior Oblique View)の向きの回転とに対応する。なお、Cアーム59の円弧方向の回転が、LAOの向きの回転とRAOの向きの回転とに対応し、Cアーム59の支点中心の回転が、CRAの向きの回転とCAUの向きの回転とに対応する構成を有していてもよい。
【0045】
また、図2において、X線診断装置50が備えるCアーム構造は、X線照射装置52が寝台60の天板の下方に位置するアンダーテーブルの場合を示す。しかしながらその場合に限定されるものではなく、X線照射装置52が天板の上方に位置するオーバーテーブルの場合であってもよい。また、Cアーム59は、Ωアームにより代替されてもよいし、Ωアームが組み合わされてもよい。
【0046】
寝台60は、被検体、例えば患者Pを載置可能な天板を備える。天板は、処理回路57による制御の下、X軸方向に沿って動作、即ち、左右方向へのスライドを行うことができる。天板は、処理回路57による制御の下、Y軸方向に沿って動作、即ち、昇降方向へのスライドを行うことができる。天板は、処理回路57による制御の下、Z軸方向に沿って動作、即ち、頭足方向へのスライドを行うことができる。また、天板は、処理回路57による制御の下、ローリング動作や、チルト動作を行うことも可能である。
【0047】
続いて、医用画像診断システム1の機能について説明する。
【0048】
処理回路37は、記憶回路38に記憶された、又は、処理回路37内に直接組み込まれたプログラムを読み出して実行することで、超音波撮影機能Uを実現する。以下、機能Uがソフトウェア的に機能する場合を例に挙げて説明するが、機能Uは、超音波診断装置10に備えられるASIC等の回路により実現されてもよい。
【0049】
超音波撮影機能Uは、送受信回路31、Bモード処理回路32、ドプラ処理回路33、画像生成回路34、及び画像メモリ35を制御して、超音波撮影を実行させる機能を含む。また、超音波撮影機能Uは、超音波撮影に従って生成された超音波画像をディスプレイ14に表示させる機能や、ネットワークインターフェース36を介してX線診断装置50に送信する機能を含む。
【0050】
処理回路57は、記憶回路58に記憶された、又は、処理回路57内に直接組み込まれたプログラムを読み出して実行することで、X線撮影機能R、表示制御機能Q1、判断機能Q2、及び提示機能Q3を実現する。以下、機能R,Q1~Q3がソフトウェア的に機能する場合を例に挙げて説明するが、機能R,Q1~Q3の全部又は一部は、X線診断装置50に備えられるASIC等の回路により実現されてもよい。
【0051】
X線撮影機能Rは、高電圧供給装置51、X線照射装置52、及びX線検出装置53を制御して、X線撮影を実行させる機能を含む。また、X線撮影機能Rは、X線撮影に従って生成されたX線画像を、超音波診断装置10から送信された超音波画像と共にディスプレイ55に表示させる機能を含む。なお、X線撮影は、透視モードによるX線撮影と、撮影モードによるX線撮影とを含む。ここで、撮影モードとは、比較的強いX線を照射してよりコントラストの明確なX線画像を得るモードを意味し、透視モードとは、比較的弱いX線を連続的又はパルス的に照射するモードを意味する。
【0052】
表示制御機能Q1は、超音波撮影機能Uによる超音波撮影に従って生成される超音波画像を超音波診断装置10から取得すると共に、X線撮影機能RによるX線撮影に従って生成されるX線画像を取得する機能を含む。また、表示制御機能Q1は、取得された超音波画像及びX線画像をディスプレイ55に表示させる機能を含む。例えば、表示制御機能Q1は、X線画像に超音波画像を重畳した重畳画像を生成し、重畳画像をディスプレイ55に表示させる。また、例えば、表示制御機能Q1は、X線画像及び超音波画像をディスプレイ55に並列表示させる。以下、前者、つまり、表示制御機能Q1が重畳画像を生成するものとして説明する。
【0053】
判断機能Q2は、表示制御機能Q1によってディスプレイ55に表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを判断する機能を含む。
【0054】
提示機能Q3は、判断機能Q2による判断に従って、ディスプレイ55に表示された超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であるかを示すライブ情報を提示する機能を含む。例えば、提示機能Q3は、ライブ情報を示す提示画像をディスプレイ55に表示させる。その場合、提示機能Q3は、X線画像に相当するアイコンと、超音波画像に相当するアイコンとを含み、それらのうち、ライブ画像に対応するアイコンがアクティブにされた提示画像をディスプレイ55に表示させる。また、例えば、提示機能Q3は、ライブ情報を示す音声を手術室内スピーカ(図示省略)から発声させてもよいし、ライブ情報に従って手術室内のLED等のランプ(図示省略)を点灯(又は点滅)させてもよい。
【0055】
続いて、医用画像診断システム1の動作について説明する。医用画像診断システム1は、SHD(Structural Heart Disease)において、カテーテルを用いたインターベンション治療が行われる場合に適用される。医用画像診断システム1は、インターベンション治療を進める際、X線診断装置50から得られるX線画像だけではなく、超音波診断装置10から得られる超音波画像も駆使し、手技を進める場合に適用される。
【0056】
例えば、医用画像診断システム1は、MitralClipを用いた僧帽弁閉鎖不全症(MR:Mitral Regurgitation)に対するカテーテル治療に利用される。その場合、医師等の操作者は、手技中に、クリップ等のデバイスと心臓組織との位置関係を把握しながら、超音波画像で経食道心エコー(TEE)で血流状況を確認し、デバイスの留置を行う。
【0057】
(第1の実施形態に係る第1の動作例)
図3は、医用画像診断システム1の第1の動作例をフローチャートとして示す図である。図3において、「ST」に数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。図4は、ライブ情報が提示画像として付与された重畳画像の例を示す図である。図3及び図4は、X線画像がライブ画像である場合を示す。
【0058】
表示制御機能Q1は、過去に超音波撮影機能Uによって生成され、画像メモリ35に記憶された複数フレームに係る超音波画像群を取得する(ステップST1)。表示制御機能Q1は、X線撮影機能Rによって生成されたライブのX線画像に、ステップST1によって取得された超音波画像群のうち、対応する超音波画像を重畳した重畳画像を生成し(ステップST2)、重畳画像をディスプレイ55に表示させる(ステップST3)。
【0059】
ステップST2において、表示制御機能Q1は、X線診断装置50側のCアーム59等の位置情報に対応する、超音波診断装置10側の超音波プローブ11の位置情報を特定する。そして、表示制御機能Q1は、特定された超音波プローブ11の位置情報に対応する超音波画像を画像メモリ35に記憶された複数の超音波画像から取得して、それをライブのX線画像に重畳してディスプレイ55に表示させる。
【0060】
例えば、表示制御機能Q1は、Cアーム59の一端に設けられるX線照射装置52の焦点位置と、焦点位置から、Cアーム59の他端に設けられるX線検出器53の中心位置に向かう撮影方向とを特定する。各フレームの超音波画像には超音波プローブ11の位置情報が対応付けられているので、表示制御機能Q1は、X線診断装置50側の焦点位置及び撮影方向に略一致する、位置情報(位置及び姿勢)をもつ超音波画像を取得する。また、表示制御機能Q1は、X線診断装置50側の焦点位置及び撮影方向に略一致するように、超音波画像をアフィン変換してもよい。アフィン変換は、平行移動(拡大縮小、剪断、及び回転)や、線形変換等を含む。
【0061】
なお、ステップST2において、表示制御機能Q1が、特定された超音波プローブ11の位置情報に対応する超音波画像を画像メモリ35に記憶された複数の超音波画像から取得する場合について説明するが、その場合に限定されるものではない。例えば、超音波画像がボリュームデータとして画像メモリ35に記憶されている場合、表示制御機能Q1は、X線診断装置50の位置情報に対応する超音波画像を、所定フレームのボリュームデータから生成してもよい。
【0062】
その場合、Cアーム59の一端に設けられるX線照射装置52の焦点位置を、超音波画像のボリュームデータのレンダリング(ボリュームレンダリング又はサーフェスレンダリング等)処理における視点位置として特定する一方で、焦点位置から、Cアーム59の他端に設けられるX線検出器53の中心位置に向かう撮影方向を、超音波画像のボリュームデータのレンダリング処理における視線方向として特定する。そして、超音波画像のボリュームデータに対して、特定された視点位置及び視線方向に基づいてレンダリング処理を行って、X線画像に重畳する。
【0063】
ここで、X線診断装置50の位置情報は、エンコーダ情報から求めることができる。表示制御機能Q1は、Cアーム59を回転させるためのローラに取り付けられるロータリーエンコーダからエンコーダ情報を取得する。そして、表示制御機能Q1は、取得されたエンコーダ情報に基づいて、Cアーム59に関する位置情報を算出する。なお、X線診断装置50の位置情報は、Cアーム59の位置情報に限定されるものではない。例えば、X線診断装置50の位置情報は、X線照射装置52(可動絞り装置を含む)及びX線検出装置53の位置情報を含んでもよい。その場合、表示制御機能Q1は、X線照射装置52及びX線検出装置53をSID方向に動作させるためのローラに取り付けられるロータリーエンコーダからエンコーダ情報を取得する。
【0064】
判断機能Q2は、ステップST3によってディスプレイ55に表示された超音波画像及びX線画像のうちX線画像がライブ画像であると判断し、提示機能Q3は、X線画像がライブ画像であることを示すライブ情報を提示画像としてディスプレイ55に表示させる(ステップST4)。図4は、ライブのX線画像IXに過去の超音波画像IUが重畳された重畳画像に、ライブ情報Gが付与された提示画像の一例を示す。図4に示す提示画像では、「X線」を示す上側のアイコンがアクティブに設定されている。
【0065】
ここで、X線画像がライブ画像である場合は、超音波よりX線が優位の場合である。X線が優位の場合とは、例えば、カテーテルを下肢から心臓の冠動脈へ挿入している間や、時々行う造影剤注入時や、冠動脈分岐部でのカテーテルの進行方向の確認時や、僧帽弁へのMitralClip等のデバイスの留置時等を意味する。X線が優位であるか否かの判断は、X線照射を指示するためのフットスイッチの操作に基づけばよい。
【0066】
表示制御機能Q1は、X線診断装置50側のCアーム59等が移動(スライド又は回転)したか否かを判断する(ステップST5)。ステップST5の判断にてYES、つまり、Cアーム59が移動したと判断する場合、表示制御機能Q1は、X線撮影機能Rによって生成されたライブのX線画像に、ステップST1によって取得された超音波画像群のうち、対応する超音波画像を重畳した重畳画像を生成する(ステップST2)。このように、Cアーム59が移動する毎に、異なる超音波画像に基づく重畳画像が生成されることになる。
【0067】
ステップST5の判断にてNO、つまり、Cアーム59が移動しないと判断する場合、表示制御機能Q1は、重畳表示を終了するか否かを判断する(ステップST6)。ステップST6の判断にてYES、つまり、重畳表示を終了すると判断する場合、表示制御機能Q1は、重畳表示を終了する(ステップST7)。
【0068】
一方、ステップST6の判断にてNO、つまり、重畳表示を終了しないと判断する場合、表示制御機能Q1は、次のタイミングのライブのX線画像に、同一の超音波画像を重畳した重畳画像を生成する(ステップST3)。
【0069】
図3に示す医用画像診断システム1の第1の動作例によれば、表示される超音波画像及びX線画像のうちX線画像がライブ画像であることを示すライブ情報Gをディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。また、医用画像診断システム1の第1の動作例によれば、Cアーム59の移動に追従する適切な超音波画像をライブのX線画像に重畳してディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。
【0070】
また、X線画像がライブ画像である場合、操作者Dは、超音波画像(例えば、ドプラ画像)で得られた血管画像を参照しながら、透視モードによるX線画像でカテーテルを進めることができるので、造影剤の使用を大幅に抑制することができる。
【0071】
(第1の実施形態に係る第2の動作例)
図5は、医用画像診断システム1の第2の動作例をフローチャートとして示す図である。図5において、「ST」に数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。図6は、ライブ情報が提示画像として付与された重畳画像の例を示す図である。図5及び図6は、超音波画像がライブ画像である場合を示す。
【0072】
なお、図5において、図3に示すステップ同一ステップには同一符号を付して説明を省略する。
【0073】
表示制御機能Q1は、過去にX線撮影機能Rによって生成され、記憶回路58に記憶された複数フレームに係るX線画像群を取得する(ステップST11)。表示制御機能Q1は、ステップST11によって取得されたX線画像群のうち、対応するX線画像に、超音波撮影機能Uによって生成されたライブの超音波画像を重畳した重畳画像を生成し(ステップST12)、重畳画像をディスプレイ55に表示させる(ステップST13)。
【0074】
ステップST12において、表示制御機能Q1は、超音波診断装置10側の超音波プローブ11の位置情報に対応する、X線診断装置50側のCアーム59等の位置情報を特定する。そして、表示制御機能Q1は、特定されたCアーム59等の位置情報に対応するX線画像を記憶回路58に記憶された複数のX線画像から取得して、それにライブの超音波画像を重畳してディスプレイ55に表示させる。
【0075】
例えば、表示制御機能Q1は、超音波プローブ11の位置情報(位置及び姿勢)を特定する。各フレームのX線画像にはCアーム59等の位置情報が対応付けられているので、表示制御機能Q1は、超音波診断装置10側の位置情報に略一致する、焦点位置及び撮影方向をもつX線画像を取得する。また、表示制御機能Q1は、超音波診断装置10側の位置情報に略一致するように、X線画像をアフィン変換してもよい。
【0076】
判断機能Q2は、ステップST3によってディスプレイ55に表示された超音波画像及びX線画像のうち超音波画像がライブ画像であると判断し、提示機能Q3は、超音波画像がライブ画像であることを示すライブ情報を提示画像としてディスプレイ55に表示させる(ステップST14)。図6は、過去のX線画像IXにライブの超音波画像IUが重畳された重畳画像に、ライブ情報Gが付与された提示画像の一例を示す。図6に示す提示画像では、「超音波」を示す下側のアイコンがアクティブに設定されている。
【0077】
ここで、超音波画像がライブ画像である場合は、X線より超音波が優位の場合である。超音波が優位の場合とは、例えば、冠動脈内でのカテーテル挿入時や、MitralClipの留置後に弁の挟持状態の予後観察時を意味する。超音波が優位か否かの判断は、超音波プローブ11の空中放置状態、超音波画像が患者Pの患部の像を含まない状態、又は、超音波プローブ11の患者Pの体表への接触状態、つまり、超音波画像が患者Pの患部を含む状態であるかに基づけばよい。
【0078】
表示制御機能Q1は、超音波診断装置10側の超音波プローブ11の位置情報が所定値より変化したか否かを判断する(ステップST15)。ステップST15の判断にてYES、つまり、超音波プローブ11の位置情報が変化したと判断する場合、表示制御機能Q1は、ステップST11によって取得されたX線画像群のうち、対応するX線画像に、超音波撮影機能Uによって生成されたライブの超音波画像を重畳した重畳画像を生成する(ステップST12)。このように、超音波プローブ11の位置情報が変化する毎に、異なるX線画像に基づく重畳画像が生成されることになる。
【0079】
ステップST15の判断にてNO、つまり、超音波プローブ11の位置情報が変化しないと判断する場合、表示制御機能Q1は、重畳表示を終了するか否かを判断する(ステップST6)。
【0080】
図5に示す医用画像診断システム1の第2の動作例によれば、表示される超音波画像及びX線画像のうち超音波画像がライブ画像であることを示すライブ情報Gをディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。また、医用画像診断システム1の第2の動作例によれば、超音波プローブ11の位置情報の変化に追従する適切なX線画像にライブの超音波画像を重畳してディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。
【0081】
また、超音波画像がライブ画像である場合、X線の造影画像をリファレンスとし、これを操作者Dが見ながら超音波画像をライブで観察しながら手技を進めることができるので、患者PのX線被曝を抑制することもできる。
【0082】
なお、図3及び図5を用いて、ライブの画像に、非ライブの画像を位置合せして表示する例を説明したがその場合に限定されるものではない。例えば、ライブの画像に、ライブの画像を位置合せして表示する場合もある。
【0083】
以上の説明において、機能Q1~Q3がX線診断装置50の処理回路57によって実現されるものとして説明したが、その場合に限定されるものではない。例えば、機能Q1~Q3の全部又は一部は、超音波診断装置10の処理回路37によって実現されるものであってもよいし、超音波診断装置10及びX線診断装置50以外の装置によって実現されるものであってもよい。以下、機能Q1~Q3の全部が、超音波診断装置10の処理回路37によって実現される場合を、図7を用いて説明し、機能Q1~Q3の全部が、超音波診断装置10及びX線診断装置50以外のX線照射制御装置の処理回路によって実現される場合を、図8を用いて説明する。
【0084】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る医用画像診断システムの構成を示す概略図である。
【0085】
図7は、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1Aを示す。医用画像診断システム1Aは、第2の実施形態に係る医用画像診断装置としての超音波診断装置10Aと、X線診断装置50Aとを備える。
【0086】
図7において、図1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0087】
超音波診断装置10Aの処理回路37は、プログラムを実行することで、超音波撮影機能U、表示制御機能Q1、判断機能Q2、及び提示機能Q3を実現する。X線診断装置50Aの処理回路57は、プログラムを実行することで、X線撮影機能Rを実現する。
【0088】
機能U,R,Q1~Q3については、図1図6を用いて第1の実施形態で説明したので、説明を省略する。
【0089】
図7に示す医用画像診断システム1Aによれば、表示される超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であることを示すライブ情報Gをディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。また、医用画像診断システム1Aによれば、Cアーム59の移動や超音波プローブ11の位置情報の変化に追従する適切な画像をディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。
【0090】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る医用画像診断システムの構成を示す概略図である。
【0091】
図8は、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1Bを示す。医用画像診断システム1Bは、超音波診断装置10Bと、X線診断装置50Bと、第3の実施形態に係るX線照射制御装置80とを備える。X線照射制御装置80は、超音波診断装置10B及びX線診断装置50Bと相互に通信可能なように接続されている。
【0092】
図8において、図1と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。また、超音波診断装置10Bは、超音波診断装置10(図1に図示),10A(図7に図示)と同様に、超音波プローブ11、装置本体12、入力インターフェース13、ディスプレイ14、及び位置センサ15を備えるが、ネットワークインターフェース36及び処理回路37以外の構成については図示を省略する。同様に、X線診断装置50Bは、X線診断装置50(図1に図示),50A(図7に図示)と同様に、高電圧供給装置51、X線照射装置52、X線検出装置53、入力インターフェース54、ディスプレイ55、ネットワークインターフェース56、処理回路57、及び記憶回路58を備えるが、ネットワークインターフェース56及び処理回路57以外の構成については図示を省略する。
【0093】
X線照射制御装置80は、ネットワークインターフェース86、処理回路87、及び記憶回路88を備える。なお、X線照射制御装置80は、入力インターフェース13,54(図1に図示)と同等の構成の入力インターフェースや、ディスプレイ14,55(図1に図示)と同等の構成のディスプレイを備えてもよい。
【0094】
超音波診断装置10Bの処理回路37は、プログラムを実行することで、超音波撮影機能Uを実現する。X線診断装置50Bの処理回路57は、プログラムを実行することで、X線撮影機能Rを実現する。
【0095】
X線照射制御装置80の処理回路87は、記憶回路88に記憶された、又は、処理回路87内に直接組み込まれたプログラムを読み出して実行することで、表示制御機能Q1、判断機能Q2、及び提示機能Q3を実現する。以下、機能Q1~Q3がソフトウェア的に機能する場合を例に挙げて説明するが、機能Q1~Q3の一部又は全部は、X線照射制御装置80に備えられるASIC等の回路により実現されてもよい。
【0096】
機能U,R,Q1~Q3については、図1乃至図6を用いて第1の実施形態で説明したので、説明を省略する。
【0097】
図8に示す医用画像診断システム1Bによれば、表示される超音波画像及びX線画像のうちいずれがライブ画像であることを示すライブ情報Gをディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。また、医用画像診断システム1Bによれば、Cアーム59の移動や超音波プローブ11の位置情報の変化に追従する適切な画像をディスプレイ55に表示させることができるので、手技中における操作者Dによる操作性を向上させることができる。
【0098】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、手技中における操作者による操作性を向上させることができる。
【0099】
なお、超音波撮影機能Uは、超音波撮影手段の一例である。X線撮影機能Rは、X線撮影手段の一例である。表示制御機能Q1は、表示制御手段の一例である。判断機能Q2は、判断手段の一例である。提示機能Q3は、提示手段の一例である。
【0100】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1,1A,1B 医用画像診断システム
10,10A,10B 超音波診断装置
37,57,87 処理回路
50,50A,50B X線診断装置
80 X線照射制御装置
Q1 表示制御機能
Q2 判断機能
Q3 提示機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8