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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】乗員拘束装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/18 20060101AFI20220301BHJP
   B60R 22/14 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
B60R21/18
B60R22/14
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018061876
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019172039
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 勇
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】中西 祥一朗
(72)【発明者】
【氏名】渡森 孝有
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-54624(JP,A)
【文献】米国特許第3933370(US,A)
【文献】特開2009-202861(JP,A)
【文献】特開2014-196014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の座席シートに対して車幅方向内側にバックルを有し、車幅方向外側にショルダーベルトが引き出されるショルダーアンカーを有して、前記ショルダーベルトに沿って摺動自在に設けられたタングを前記バックルに係止させることにより乗員を拘束するシートベルト装置を用いた乗員拘束装置において、
前記シートベルト装置の装着時、前記座席シートの車幅方向中心部よりもタング側となる前記ショルダーベルト内に設けられ、前記ショルダーベルト内から上方に展開されるバッグと、
乗員が着座する位置と反対側からの側面衝突が検知、または、予測された際に、前記バッグを展開させるバッグ展開装置と、
を備えたことを特徴とする乗員拘束装置。
【請求項2】
前記バッグは、前記シートベルト装置の装着により湾曲した前記ショルダーベルトのラウンド形状で上方に展開される、
ことを特徴とする請求項1に記載の乗員拘束装置。
【請求項3】
前記バッグは、前記タングに近い位置よりも、前記タングから離れた前記ショルダーベルトの上方の配置位置の方が、大きく展開される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗員拘束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員拘束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートベルトの内部にバッグを収納し、車両の衝突時にこのバッグを膨張させて乗員を柔らかく拘束するエアベルト装置が知られている。
また、エアベルトに加え、車両のドア側にエアバッグを備え、乗員の保護機能を高めた乗員拘束装置も提案されている。
例えば、このような乗員拘束装置では、車両の衝突時に、ドア側のエアバッグで乗員の胸部側面を保護し、遅れてエアベルトを膨張させ、車体外側に倒れる乗員の頭部を保護するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-180241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような乗員拘束装置においては、膨張させたエアベルト側に乗員が倒れ込んでくる場合には保護することができるが、乗員が逆側に移動する場合には、十分に保護することができず、乗員がエアベルトから外れ、大きく倒れ込み、移動してしまう虞がある。具体的には、車両の助手席側からの衝突、すなわち、右ハンドルの車両において左からの側突があった場合、運転者は左側に振られる。このとき、エアベルトが運転者の右肩から外れやすく、運転者をしっかり拘束して、十分に保護することができない。
【0005】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、車両の衝突時に、乗員を確実に拘束し、保護機能を高めることができる乗員拘束装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る乗員拘束装置は、車両の座席シートに対して車幅方向内側にバックルを有し、車幅方向外側にショルダーベルトが引き出されるショルダーアンカーを有して、前記ショルダーベルトに沿って摺動自在に設けられたタングを前記バックルに係止させることにより乗員を拘束するシートベルト装置を用いた乗員拘束装置において、前記シートベルト装置の装着時、前記座席シートの車幅方向中心部よりもタング側となる前記ショルダーベルト内に設けられ、前記ショルダーベルト内から上方に展開されるバッグと、乗員が着座する位置と反対側からの側面衝突が検知、または、予測された際に、前記バッグを展開させるバッグ展開装置と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、前記バッグは、前記シートベルト装置の装着により湾曲した前記ショルダーベルトのラウンド形状で上方に展開される、ようにしてもよい。
【0008】
さらに、前記バッグは、前記タングに近い位置よりも、前記タングから離れた前記ショルダーベルトの上方の配置位置の方が、大きく展開される、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両の衝突時に、乗員を確実に拘束し、保護機能を高めることができる乗員拘束装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態における乗員拘束装置を備えた車両の概略を示す断面図である。
図2】本実施の形態の乗員拘束装置において、バッグが展開した際の正面図である。
図3】本実施の形態の乗員拘束装置において、バッグが展開した際の上面図である。
図4】本実施の形態におけるショルダーベルト部の構造の概略を示す斜視図である。
図5】本実施の形態におけるバッグの形状について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における乗員拘束装置を備えた車両の概略を示す断面図である。また、図2は、本実施の形態の乗員拘束装置が作動し、バッグが展開した際の正面図であり、図3は、バッグが展開した際の上面図である。
【0012】
(車両1の構成)
図1に示すように、車両1の床面2(アンダーボディのフロアパネルが設けられた部分)には、座席シート10が配備されている。また、床面2の車幅方向外側(車外側)には、車体内側壁を構成する左右のセンターピラー3が対向して配備され、センターピラー3の上端はルーフサイドレール4に、下端はサイドシル5に一体結合されている。また、ルーフサイドレール4の上部には、ルーフ6がほぼ水平に設けられている。
【0013】
そして、各座席シート10には、それぞれ乗員拘束装置100が設けられている。また、右の座席シート10の乗員拘束装置100と、左の座席シート10の乗員拘束装置100とは、左右対称に設けられている。
なお、以下では、右の座席シート10(図1において左側)に設けられた乗員拘束装置100を例に説明する。
【0014】
座席シート10は、乗員Pの臀部から大腿部を支えるシートクッション11(座部)と、リクライニング可能に設けられたシートバッグ12(背もたれ部)と、乗員Pの頭部を支えるヘッドレスト13(ヘッド部)と、を備えている。
【0015】
(乗員拘束装置100の構成)
乗員拘束装置100は、乗員Pを拘束するシートベルト装置200と、車両1の衝突検知または衝突予測時に展開されるバッグ300と、車両1の衝突検知または衝突予測時にバッグ300を展開させるインフレータ400と、車両1の衝突検知および衝突予測を行う衝突検知装置500と、を備えている。
【0016】
(シートベルト装置200)
シートベルト装置200は、ウェビング210と、ラップアンカー220と、ショルダーアンカー230と、リトラクター240と、タング250と、バックル260と、を備えている。
【0017】
ウェビング210は、衝突荷重を受け止め、和らげる帯状のベルトである。また、ウェビング210は、一端がラップアンカー220に固定され、ショルダーアンカー230を介して、センターピラー3の開口部3aからセンターピラー3の内部に挿入され、他端がリトラクター240に巻き取られている。
【0018】
ラップアンカー220は、サイドシル5の側壁面に固定されており、上記のように、ウェビング210の一端を固定している。
ショルダーアンカー230は、座席シート10に着座した乗員Pの肩部上方で、センターピラー3の側壁に設けられ、ウェビング210が摺動可能に挿通されている。すなわち、ショルダーアンカー230は、車幅方向外側に設けられ、ウェビング210(後述するショルダーベルト部211)が引き出されるものである。なお、センターピラー3の開口部3aは、ショルダーアンカー230の近傍に設けられている。
【0019】
リトラクター240は、ウェビング210を巻き取るものであり、また、緊急時にはロックさせる巻き取り装置である。また、リトラクター240は、センターピラー3の内部に設けられ、ウェビング210の他端を巻き取り可能に支持している。なお、リトラクター240は、ウェビング210に対して巻き取り方向に緩い張力を与えている。そして、リトラクター240は、ウェビング210に一定以上の引き出し速度が加わるとロックさせるものであり、また、車体に一定以上の加速度がかかった場合にもロックさせるものである。
【0020】
タング250は、バックル260と連結するためのT字型の連結金具である。また、タング250は、挿通用孔と、結合用孔と、が設けられた板状の部材である。タング250の挿通用孔には、ウェビング210が挿通されており、ウェビング210に対して摺動自在に設けられている。また、タング250の結合用孔は、バックル260と結合するために設けられている。
【0021】
バックル260は、タング250を着脱する結合部品であり、軽い力でもしっかりとタング250を固定することができるようになっている。また、バックル260は、座席シート10のシートクッション11の車幅方向内側(車両中央側)に設けられている。なお、バックル260は、タング250が挿入されることにより、タング250の結合用孔を係止して固定する一方、バックル260の取り外しボタンが操作されることにより、タング250を離脱させることで、簡単にタング250を着脱できるようになっている。
【0022】
また、ウェビング210は、ウェビング210の挿通されたタング250をバックル260に挿入し、係止させた状態において、ショルダーアンカー230からタング250までの位置がショルダーベルト部211(ショルダーベルト)となり、タング250からラップアンカー220までの位置がラップベルト部212(ラップベルト)となる。すなわち、ウェビング210は、乗員Pの左肩から胸部前部を通って右腰までを拘束するショルダーベルト部211と、乗員Pの右腰から前方を通って左腰までを拘束するラップベルト部212と、を有する。
【0023】
また、図4に示すように、ウェビング210のショルダーベルト部211は、2枚重ね構造となっており、乗員Pに接する側の第1ショルダーベルト部211aと、外側となり装着時に車両前方側となる第2ショルダーベルト部211bと、を有している。
なお、本実施の形態においては、後述するように、ショルダーベルト部211を2枚重ね構造として、その間にバッグ300を設けるようにしたが、これに限らず、ショルダーベルト部211を1枚構造として、内側(乗員Pに接する側)にバッグ300を設けるようにしてもよいし、外側(車両前方側)にバッグ300を設けるようにしてもよい。また、ショルダーベルト部211を3枚重ね以上の構造とし、所定の位置にバッグ300を設けるようにしてもよい。
【0024】
(バッグ300)
バッグ300は、ショルダーベルト部211の内部に設けられており、車両1の衝突検知または衝突予測時にインフレータ400によって展開させられる。また、バッグ300は、第1ショルダーベルト部211aと、第2ショルダーベルト部211bと、の間に設けられている。
【0025】
バッグ300は、ベルト装着時のショルダーベルト部211において、座席シート10の車幅方向中心部よりもタング250側に設けられている。また、上記のように、バッグ300は、第1ショルダーベルト部211aと第2ショルダーベルト部211bとの間に設けられており、第1ショルダーベルト部211aと第2ショルダーベルト部211bとは、バッグ300が配置された箇所において、下部側はしっかり縫合されており、上部側は圧力が加わると簡単に開くように弱く綴じられている。
【0026】
また、バッグ300は、インフレータ400から内部にガスの供給が可能となっている。バッグ300は、インフレータ400からガスが供給されると、膨張し、第1ショルダーベルト部211aと第2ショルダーベルト部211bとの上部の接着を開いて、乗員Pの左の脇の下(一方の脇の下)方面を狙って上方に展開するようになっている。なお、バッグ300は、乗員Pの脇の下付近まで展開するため、乗員Pの拘束時に、肋骨によって支えられ、腹部など体の弱い部分への圧迫を極力避けることができる。また、ショルダーベルト部211と離れた部分で支えることができるため、乗員Pの拘束力を高めることができる。
【0027】
また、バッグ300は、ショルダーベルト部211が挿着されている際には、ショルダーベルト部211の形状に沿って、湾曲したラウンド形状となっているが、展開時は、このラウンド形状のまま、上方に展開する。
さらに、バッグ300は、タング250から離れたショルダーアンカー230に近い側のバッグ300の上方部300aの方が、タング250に近い側のバッグ300の下方部300bよりも、大きく展開されるようになっている。すなわち、バッグ300は、座席シート10の車幅方向中心部に近い側の方が、座席シート10の外側に当たる側(左側)よりも、大きく展開されるようになっている。
【0028】
(インフレータ400)
インフレータ400は、バッグ300にガスを供給するものである。より詳しくは、インフレータ400は、衝突検知装置500が車両1の衝突検知または衝突予測を行うと作動され、衝突検知装置500から送られた信号に基づいて、火薬に点火し、燃焼による化学反応でガスを発生させ、バッグ300にガスを供給し、バッグ300を展開させるものである。すなわち、インフレータ400は、車両1の衝突検知または衝突予測が行われた際に、バッグ300を展開させるバッグ展開装置の役割を担うものである。
【0029】
(衝突検知装置500)
衝突検知装置500は、車両1の衝突検知および衝突予測を行うものである。また、衝突検知装置500は、衝突検知または衝突予測を行った際に、インフレータ400を作動させるものである。例えば、衝突検知装置500は、乗員Pが着座する位置とは反対側(左側)からの障害物の側面衝突(側突)、あるいは、左前方からの斜めの衝突(斜突)を検知および予測する。
【0030】
なお、本実施の形態においては、衝突検知装置500が、車両1に対する衝突の予測と、衝突の検知と、の双方を行うようにしているが、これに限らず、衝突検知装置500が、車両1に対する衝突の予測のみを行うものであっても、車両1に対する衝突の検知のみを行うものであってもよい。
また、衝突検知装置500、インフレータ400は、ECU(Electronic Control Unit)によって制御されるようにしてもよい。
【0031】
(乗員拘束装置100の動作)
このような乗員拘束装置100において、シートベルト装置200が挿着されると、作動準備状態となる。具体的には、タング250がバックル260に挿入され、係合されると、対象の座席シート10に対するインフレータ400が、衝突検知装置500からの信号出力先の対象となる。
そして、衝突検知装置500が、車両1の衝突検知または衝突予測を行うと、対象のインフレータ400に対して信号を送信し、インフレータ400を作動させる。
【0032】
インフレータ400は、衝突検知装置500による衝突検知または衝突予測により信号が送られてくると、ガスを発生させ、バッグ300にガスを供給する。
【0033】
バッグ300は、インフレータ400からガスが供給されると、ショルダーベルト部211内で膨張する。バッグ300が膨張すると、バッグ300の上部の位置の第1ショルダーベルト部211aと第2ショルダーベルト部211bとの接着を開き、バッグ300がショルダーベルト部211から突出する。バッグ300に対してインフレータ400のガスがされに供給されると、バッグ300は、乗員Pの脇の下付近まで膨張、展開する。
【0034】
なお、このとき、ショルダーベルト部211は、乗員Pの腰に沿って湾曲して挿着されているので、バッグ300は、この湾曲したラウンド形状のまま、上方に突出し、乗員Pを囲う壁のように現れる。
このように、バッグ300は、ラウンド形状で突出するので、乗員Pがバッグ300方向に倒れ込んでも、形状により折れ難く、倒れ難いため、乗員Pをしっかりと受け止めることができる。また、バッグ300が乗員Pの脇の下付近まで展開するので、乗員Pの肋骨付近で接触することができ、乗員Pの拘束力を高めることができる。
【0035】
さらに、バッグ300は、座席シート10の車幅方向中心部に近い側の方が、座席シート10の外側に当たる側(左側)よりも、大きく展開されるようになっている。ここで、図5に示すように、乗員Pが、痩せた人、小さい人の場合には、シートベルト装置200が挿着される際に、ショルダーベルト部211が余り引き出されずに、タング250をバックル260に係合させることができる。したがって、バッグ300の展開が小さい部分が、乗員Pの側部に当たることとなるが、乗員Pの体重は軽いものと考えられるため、十分に乗員Pを保護することができる。また、小さな人に対して、バッグ300が突出し過ぎないため、脇の下に過度の力がかかるなど、乗員Pに負荷をかけずに、適切に拘束することができる。
【0036】
また、乗員Pが、太った人、大きい人の場合には、シートベルト装置200が挿着される際に、ショルダーベルト部211が大きく引き出されてタング250をバックル260に係合させることとなる。したがって、バッグ300の展開が大きい部分が、乗員Pの側部に当たることとなる。このため、乗員Pの体重が重いものであっても、十分に乗員Pを保護することができる。
【0037】
さらに、上記のように、用途(展開位置)に応じてバッグ300の場所によって展開量を変化させているので、インフレータ400のガスを有効に利用でき、インフレータ400の大型化を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては、バッグ300を、座席シート10の車幅方向中心部に近い側の方が、座席シート10の外側に当たる側よりも、大きく展開されるようにしたが、これに限らず、展開量を全て同じにしてもよいし、座席シート10の車幅方向中心部に近い側の方が、座席シート10の外側に当たる側よりも、小さく展開されるようにしてもよい。例えば、バッグ300を、座席シート10の車幅方向中心部に近い側の方が、座席シート10の外側に当たる側よりも、小さく展開されるようにして、バッグ300の展開部の先端が、略水平となるようにしてもよい。
【0038】
以上のように、本実施の形態における乗員拘束装置100は、シートベルト装置200を装着時、座席シート10の車幅方向中心部よりもタング250側となるショルダーベルト部211内に、バッグ300を設け、車両1に対する衝突が検知または予測された際に、バッグ300を、ショルダーベルト部211内から上方に展開させるので、車両1の衝突時に乗員Pを確実に拘束し、保護機能を高めることができる。特に、乗員Pが着座する位置と反対側からの側面衝突の際に、乗員Pが移動する側にバッグ300を展開するので、乗員Pを確実に拘束し、保護機能を高めることができる。
【0039】
また、本実施の形態における乗員拘束装置100は、バッグ300が、シートベルト装置200の装着により湾曲したショルダーベルト部211のラウンド形状で上方に展開されるので、バッグ300が折れ難く、倒れ難くなり、強度が増し、乗員Pを確実に拘束し、保護機能を高めることができる。
【0040】
さらに、本実施の形態における乗員拘束装置100は、バッグ300が、タング250に近い位置よりも、タング250から離れたショルダーベルト部211の上方の配置位置の方が、大きく展開されるので、乗員Pの体型に応じて、適切な展開量で保護することができ、インフレータ400のガスを有効に利用して、乗員Pの保護機能を高めることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 車両、2 床面、3 センターピラー、3a 開口部、4 ルーフサイドレール、5 サイドシル、6 ルーフ、10 座席シート、11 シートクッション、12 シートバッグ、13 ヘッドレスト、100 乗員拘束装置、200 シートベルト装置、210 ウェビング、211 ショルダーベルト部、211a 第1ショルダーベルト部、211b 第2ショルダーベルト部、212 ラップベルト部、220 ラップアンカー、230 ショルダーアンカー、240 リトラクター、250 タング、260 バックル、300 バッグ、400 インフレータ、500 衝突検知装置
図1
図2
図3
図4
図5