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  • 特許-車両タイヤ用防滑具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】車両タイヤ用防滑具
(51)【国際特許分類】
   B60C 27/02 20060101AFI20220301BHJP
【FI】
B60C27/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019006003
(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公開番号】P2020114693
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】517019876
【氏名又は名称】株式会社ウナム
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 宏
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-000008(JP,U)
【文献】実開昭54-066306(JP,U)
【文献】登録実用新案第3176212(JP,U)
【文献】実開昭57-003005(JP,U)
【文献】米国特許第01914298(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の支持部材間に車両タイヤのトレッド面に配置される防滑部材が架設され、一方の支持部材に緊締ベルトの基部が止着され、他方の支持部材に該緊締ベルトの先端部を長手方向に沿って略S字状に折返折曲可能な対向一対の円筒ロールが支持軸により遊転自在に並設され、該支持軸は角部を有する角軸状に形成されてなることを特徴とする車両タイヤ用防滑具。
【請求項2】
上記他方の支持部材は板状部材からなり、該他方の支持部材に上記一対の円筒ロールを配置可能な配置溝部が上記トレッド面側となる内側位置、上記トレッド面側と反対側となる外側位置及びその中間位置に順次三個並列形成され、該三個の配置溝部間に形成された二個の桟状の桟板部を上記角軸状の支持軸に形成し、各円筒ロールにスリット溝を形成してなることを特徴とする請求項1記載の車両タイヤ用防滑具。
【請求項3】
上記三個の配置溝部のうち、上記外側位置の配置溝部に上記緊締ベルトの長手方向に対して側方に開口する開口溝部を形成してなることを特徴とする請求項1又は2記載の車両タイヤ用防滑具。
【請求項4】
上記防滑部材は複数個の鎖材を直列状に連結してなる金属製の滑止チェーンからなることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両タイヤ用防滑具。
【請求項5】
上記防滑部材は左右一対の支持部材間に並列状に複数個架設されてなることを特徴とする請求項4項に記載の車両タイヤ用防滑具。
【請求項6】
上記緊締ベルトは上記一方の支持部材に複数個並設されてなることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載に車両タイヤ用防滑具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、氷雪路面の凹み部や泥濘からの脱出具に用いられる車両タイヤ用防滑具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両タイヤ用防滑具として、車両タイヤのトレッド面に配置される防滑部材と、防滑部材の一方側部に緊締ベルトを設けると共に他方側部に連繋ベルトを介してカムバックルを設けてなる構造のものが知られている。
【0003】
しかして、車両タイヤのトレッド面に防滑部材を配置し、防滑部材の一方側部の緊締ベルトを車両タイヤのホイールの飾り穴に挿通し、飾り穴からの緊締ベルトをカムバックルに挿通し、緊締ベルトをベルト挿通方向に送り出し、カムバックルのベルト緊締作用により車両タイヤのトレッド面に防滑部材を緊締状に配置固定し、防滑部材により氷雪路面の凹み部や泥濘からの脱出を図るように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-231776
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来構造の場合、車両タイヤのトレッド面に防滑部材を配置し、防滑部材の一方側部の緊締ベルトを車両タイヤのホイールの飾り穴に挿通し、飾り穴からの緊締ベルトをカムバックルに挿通し、緊締ベルトをベルト挿通方向に送り出して締めることになり、このカムバックルは構造が比較的複雑であると共に重量化し易く、車両タイヤの回転によりカムバックルが振れ回りしてタイヤに衝突し、車両タイヤを損傷させてしまうことがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、左右一対の支持部材間に車両タイヤのトレッド面に配置される防滑部材が架設され、一方の支持部材に緊締ベルトの基部が止着され、他方の支持部材に該緊締ベルトの先端部を長手方向に沿って略S字状に折返折曲可能な対向一対の円筒ロールが支持軸により遊転自在に並設され、該支持軸は角部を有する角軸状に形成されてなることを特徴とする車両タイヤ用防滑具にある。
【0007】
又、請求項2記載の発明は、上記他方の支持部材は板状部材からなり、該他方の支持部材に上記一対の円筒ロールを配置可能な配置溝部が上記トレッド面側となる内側位置、上記トレッド面側と反対側となる外側位置及びその中間位置に順次三個並列形成され、該三個の配置溝部間に形成された二個の桟状の桟板部を上記角軸状の支持軸に形成し、各円筒ロールにスリット溝を形成してなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記三個の配置溝部のうち、上記外側位置の配置溝部に上記緊締ベルトの長手方向に対して側方に開口する開口溝部を形成してなることを特徴とするものである。
【0008】
又、請求項4記載の発明は、上記防滑部材は複数個の鎖材を直列状に連結してなる金属製の滑止チェーンからなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記防滑部材は左右一対の支持部材間に並列状に複数個架設されてなることを特徴とするものであり、又、請求項6記載の発明は、上記緊締ベルトは上記一方の支持部材に複数個並設されてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、車両タイヤのトレッド面に防滑部材を配置し、一方の支持部材に止着された緊締ベルトの先端部を車両タイヤの飾り穴に挿通し、その後、緊締ベルトの先端部を他方の支持部材に並設された一対の円筒ロールにより緊締ベルトの長手方向に沿って略S字状に折返折曲し、緊締ベルトの先端部を引き締めることにより緊締ベルトにより円筒ロールは支持軸に向けて押圧され、支持軸は角軸状に形成されているので、支持軸の各角部が円筒ロールの内面に食い込み、これにより円筒ロールの回転が阻止され、この回転が阻止された円筒ロールにより緊締ベルトと円筒ロールの外周面との摩擦により緊締ベルトの緩みが阻止され、緊締ベルトの緊締により防滑部材を車両タイヤのトレッド面に圧締することができ、車両タイヤのトレッド面に配置した防滑部材を圧締状態で車両タイヤに固定配置することができ、防滑部材により氷雪路面の凹み部や泥濘からの脱出の確実性を向上することができ、車両タイヤの損傷を防ぐことができると共に車両走行の安全性を高めることができる。
【0010】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記他方の支持部材は板状部材からなり、他方の支持部材に上記一対の円筒ロールを配置可能な配置溝部が上記トレッド面側となる内側位置、上記トレッド面側と反対側となる外側位置及びその中間位置に順次三個並列形成され、三個の配置溝部間に形成された二個の桟状の桟板部を上記角軸状の支持軸に形成し、各円筒ロールにスリット溝を形成しているから、円筒ロールをスリット溝により角軸状の支持軸に遊転自在に容易に挿通配置することができ、一方の支持部材に止着された緊締ベルトの先端部を車両タイヤの飾り穴に挿通し、その後、上記トレッド面側となる内側位置の配置溝部に緊締ベルトの先端部を挿通し、緊締ベルトの先端部を配置溝部の一方の円筒ロールの外周面で折り返し、折り返された緊締ベルトの先端部を中間位置の配置溝部の一対の円筒ロールの外周面間に挿通して引き締め、その後、緊締ベルトの先端部を外側位置の配置溝部に挿通して他方の円筒ロールの外周面により折り返し、一対の円筒ロールにより緊締ベルトを長手方向に沿って略S字状に折返折曲し、緊締ベルトの先端部を引き締めることにより緊締ベルトにより円筒ロールは支持軸に向けて押圧され、支持軸は角軸状に形成されているので、支持軸の各角部が円筒ロールの内面に食い込み、これにより円筒ロールの回転が阻止され、回転が阻止された円筒ロールにより緊締ベルトと円筒ロールの外周面との摩擦により緊締ベルトの緩みが阻止され、緊締ベルトの緊締により防滑部材を車両タイヤのトレッド面に圧締することができ、車両タイヤのトレッド面に配置した防滑部材を圧締状態で車両タイヤに固定配置することができ、防滑部材により氷雪路面の凹み部や泥濘からの脱出の確実性を向上することができ、車両タイヤの損傷を防ぐことができると共に車両走行の安全性を高めることができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記三個の配置溝部のうち、上記外側位置の配置溝部に上記緊締ベルトの長手方向に対して側方に開口する開口溝部を形成してなるから、緊締ベルトの先端部を配置溝部の一方の円筒ロールの外周面で折り返し、折り返された緊締ベルトの先端部を中間位置の配置溝部の一対の円筒ロールの外周面間に挿通して引き締め、その後、緊締ベルトの先端部を外側位置の配置溝部に挿通するとき、緊締ベルトを側方から開口溝部に挿通して外側位置の配置溝部に挿通装着することができ、緊締ベルトの引き締めにより支持部材は車両タイヤに近接している状態において、緊締ベルトを容易に外側位置の配置溝部に挿通することができ、あるいは、引き締め状態の緊締ベルトを開口溝部を介して外側位置の配置溝部から離脱することができ、外側位置の配置溝部に対する緊締ベルトの装着及び離脱を開口溝部の存在により容易に行うことができ、車両タイヤへの車両タイヤ用防滑具の着脱を容易に行うことができる。
【0011】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記防滑部材は複数個の鎖材を直列状に連結してなる金属製の滑止チェーンからなるので、耐久性及び防滑効果を高めることができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記防滑部材は左右一対の支持部材間に並列状に複数個架設されてなるから、耐久性及び防滑効果を高めることができ、又、請求項6記載の発明にあっては、上記緊締ベルトは上記一方の支持部材に複数個並設されてなるから、上記防滑部材を車両タイヤに確実に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態例の全体斜視図である。
図2】本発明の実施の形態例の部分拡大斜視図である。
図3】本発明の実施の形態例の部分平面図である。
図4】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図5】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図6】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
図7】本発明の実施の形態例の使用状態の側面図である。
図8】本発明の実施の形態例の使用状態の部分断面図である。
図9】本発明の実施の形態例の使用状態の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至図9は本発明の実施の形態例を示し、Rは車両タイヤ用防滑具であって、図1図2の如く、左右一対の支持部材1・2間に車両タイヤTのトレッド面TRに配置される防滑部材3が架設され、一方の支持部材1に緊締ベルトBの基部が止着され、他方の支持部材2に緊締ベルトBの先端部を長手方向に沿って略S字状に折返折曲可能な対向一対の合成樹脂製の円筒ロール4・5が支持軸6・7により遊転自在に並設され、支持軸6・7は角部6a、7aを有する角軸状に形成されている。
【0014】
この場合、図2図3の如く、上記他方の支持部材2は板状部材からなり、他方の支持部材2に上記一対の円筒ロール4・5を配置可能な配置溝部2a・2b・2cが上記トレッド面TR側となる内側位置、上記トレッド面TR側と反対側となる外側位置及びその中間位置に順次三個並列形成され、三個の配置溝部2a・2b・2c間に形成された二個の桟状の桟板部2d・2eを上記角軸状の支持軸6・7に形成し、各円筒ロール4・5にスリット溝4a・5a、この場合、螺旋状のスリット溝4a・5aを形成し、スリット溝4a・5aにより支持軸6・7としての桟板部2d・2eに円筒ロール4・5の内面4b・5bを遊挿して構成している。尚、この際、上記各円筒ロール4・5を合成樹脂材、金属材等の復元可能な弾性材により形成し、円筒ロール4・5の復元弾性に抗して螺旋状のスリット溝4a・5aを開口して支持軸6・7としての桟板部2d・2eに円筒ロール4・5の内面4b・5bを遊転自在に遊挿配置することもある。又、この場合、上記スリット溝4a・5aは螺旋状に形成されているから、角軸状の支持軸6・7に円筒ロール4・5の内面4b・5bを円滑に遊転自在に遊挿配置することができる。
【0015】
又、この場合、図2図3の如く、上記三個の配置溝部2a・2b・2cのうち、上記外側位置の配置溝部2cに上記緊締ベルトBの長手方向に対して側方に開口する開口溝部2chを形成している。
【0016】
又、この場合、図1の如く、上記防滑部材3は複数個の鎖材C・・を直列状に連結してなる金属製の滑止チェーンCからなり、この場合、上記防滑部材3は左右一対の支持部材1・2間に複数個、この場合、三個並列状に架設され、かつ、この場合、上記緊締ベルトBは複数個、この場合、二個並設され、円筒ロール4・5及び支持軸6・7は複数組、この場合、二組並設され、上記配置溝部2a・2b・2cは複数組、この場合、二組並設されている。尚、上記防滑部材3として、金属製の滑止チェーンCに代えて、耐久性及び機械的強度の高いゴム材又は金属ワイヤにより構成することもできる。
【0017】
この実施の形態例の車両タイヤ用防滑具Rは上記構成であるから、図7図8図9の如く、車両タイヤTのトレッド面TRに防滑部材3を配置し、一方の支持部材1に止着された緊締ベルトBの先端部を車両タイヤTの飾り穴Tに挿通し、その後、図4から図6の如く、緊締ベルトBの先端部を他方の支持部材2に並設された一対の円筒ロール4・5により緊締ベルトBの長手方向に沿って略S字状に折返折曲し、緊締ベルトBの先端部を引き締めることにより緊締ベルトBにより円筒ロール4・5は支持軸6・7に向けて押圧され、支持軸6・7は角軸状に形成されているので、支持軸6・7の各角部6a・7aが円筒ロール4・5の内面4b・5bに食い込み、これにより円筒ロール4・5の回転が阻止され、この回転が阻止された円筒ロール4・5により緊締ベルトBと円筒ロール4・5の外周面との摩擦により緊締ベルトBの緩みが阻止され、緊締ベルトBの緊締により防滑部材3を車両タイヤTのトレッド面TRに圧締することができ、車両タイヤTのトレッド面TRに配置した防滑部材3を圧締状態で車両タイヤTに固定配置することができ、防滑部材3により氷雪路面の凹み部や泥濘からの脱出の確実性を向上することができ、車両タイヤTの損傷を防ぐことができると共に車両走行の安全性を高めることができる。
【0018】
この場合、上記他方の支持部材2は板状部材からなり、他方の支持部材2に上記一対の円筒ロール4・5を配置可能な配置溝部2a・2b・2cが上記トレッド面TR側となる内側位置、上記トレッド面TR側と反対側となる外側位置及びその中間位置に順次三個並列形成され、三個の配置溝部2a・2b・2c間に形成された二個の桟状の桟板部2d・2eを上記角軸状の支持軸6・7に形成し、各円筒ロール4・5にスリット溝4a・5aを形成しているから、図8の如く、円筒ロール4・5をスリット溝4a・5aにより角軸状の支持軸6・7に遊転自在に容易に挿通配置することができ、一方の支持部材1に止着された緊締ベルトBの先端部を車両タイヤTの飾り穴Tに挿通し、その後、図4の如く、上記トレッド面TR側となる内側位置の配置溝部2aに緊締ベルトBの先端部を挿通し、緊締ベルトBの先端部を配置溝部2aの一方の円筒ロール4の外周面で折り返し、図5図8図9の如く、折り返された緊締ベルトBの先端部を中間位置の配置溝部2bの一対の円筒ロール4・5の外周面間に挿通して引き締め、その後、図6の如く、緊締ベルトBの先端部を外側位置の配置溝部2cに挿通して他方の円筒ロール5の外周面により折り返し、一対の円筒ロール4・5により緊締ベルトBを長手方向に沿って略S字状に折返折曲し、緊締ベルトB及び折り返された緊締ベルトBをクリップ具Kにより止着し、図5図6の如く、緊締ベルトBの先端部を引き締めることにより緊締ベルトBにより円筒ロール4・5は支持軸6・7に向けて押圧され、支持軸6・7は角軸状に形成されているので、支持軸6・7の各角部6a・7aが円筒ロール4・5の内面4b・5bに食い込み、これにより円筒ロール4・5の回転が阻止され、回転が阻止された円筒ロール4・5により緊締ベルトBと円筒ロール4・5の外周面との摩擦により緊締ベルトBの緩みが阻止され、緊締ベルトBの緊締により防滑部材3を車両タイヤTのトレッド面TRに圧締することができ、車両タイヤTのトレッド面TRに配置した防滑部材3を圧締状態で車両タイヤTに固定配置することができ、防滑部材3により氷雪路面の凹み部や泥濘からの脱出の確実性を向上することができ、車両タイヤTの損傷を防ぐことができると共に車両走行の安全性を高めることができる。
【0019】
又、この場合、上記三個の配置溝部2a・2b・2cのうち、上記外側位置の配置溝部2cに上記緊締ベルトBの長手方向に対して側方に開口する開口溝部2chを形成してなるから、緊締ベルトBの先端部を配置溝部2aの一方の円筒ロール4の外周面で折り返し、折り返された緊締ベルトBの先端部を中間位置の配置溝部2bの一対の円筒ロール4・5の外周面間に挿通して引き締め、その後、図5から図6の如く、緊締ベルトBの先端部を外側位置の配置溝部2cに挿通するとき、緊締ベルトBを側方から開口溝部2chに挿通して外側位置の配置溝部2cに挿通装着することができ、緊締ベルトBの引き締めにより支持部材2は車両タイヤTに近接している図8の状態において、緊締ベルトBを容易に外側位置の配置溝部2cに挿通することができ、あるいは、引き締め状態の緊締ベルトBを開口溝部2chを介して外側位置の配置溝部2cから離脱することができ、外側位置の配置溝部2cに対する緊締ベルトBの装着及び離脱を開口溝部2chの存在により容易に行うことができ、車両タイヤTへの車両タイヤ用防滑具Rの着脱を容易に行うことができる。
【0020】
又、この場合、上記防滑部材3は複数個の鎖材C・C・・を直列状に連結してなる金属製の滑止チェーンCからなるので、耐久性及び防滑効果を高めることができ、又、この場合、上記防滑部材3は左右一対の支持部材1・2間に並列状に複数個架設されてなるから、耐久性及び防滑効果を高めることができる。
【0021】
この場合、上記緊締ベルトBは上記一方の支持部材1に複数個並設され、円筒ロール4・5及び支持軸6・7は上記他方の支持部材2に複数組並設され、上記配置溝部2a・2b・2cは複数組並設されているから、上記防滑部材3を車両タイヤTに確実に装着することができる。
【0022】
尚、本発明は上記実施の形態例のものに限られず、例えば、緊締ベルトB、支持部材1・2、防滑部材3の材質、構造、形態、数等は車両タイヤTに応じて適宜変更して設計されることになる。
【0023】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0024】
R 車両タイヤ用防滑具
T 車両タイヤ
TR トレッド面
B 緊締ベルト
C 滑止チェーン
鎖材
1 支持部材
2 支持部材
2a 配置溝部
2b 配置溝部
2c 配置溝部
2d 桟板部
2e 桟板部
2ch 開口溝部
3 防滑部材
4 円筒ロール
4a スリット溝
5 円筒ロール
5a スリット溝
6 支持軸
6a 角部
7 支持軸
7a 角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9