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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01D 21/00 20060101AFI20220301BHJP
   G06F 7/57 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G01D21/00 Z
G06F7/57 204
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019017986
(22)【出願日】2019-02-04
(65)【公開番号】P2019139765
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2019-06-03
(31)【優先権主張番号】62/625,747
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/262,579
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/262,676
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517338467
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クレア・クローク
(72)【発明者】
【氏名】アーニェ・マッカーシー
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン・シェリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョバンニ・シー・ドッタ
(72)【発明者】
【氏名】ダン・オドノバン
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】メアリー・マッカーシー
(72)【発明者】
【氏名】コリン・ジー・ライデン
(72)【発明者】
【氏名】フィオナ・トレーシー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・バーン
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0241804(US,A1)
【文献】特開2007-109185(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0276486(US,A1)
【文献】実開平05-064730(JP,U)
【文献】特開2016-126665(JP,A)
【文献】特開2004-061251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 21/00
G06F 7/57
H03K 19/173-19/17796
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストデバイスと測定システムとを備えるセンサ管理システムであって、
前記ホストデバイスはホストデバイスプロセッサ回路を備えていて、前記ホストデバイスプロセッサ回路が、
遠隔サーバから、第1のセンサとインターフェースするための前記測定システムの第1の構成を記述する測定システム構成データを受信することと、
前記測定システム構成データに少なくとも部分的に基づいて第1のレジスタマップを生成することと、
前記第1のレジスタマップを前記測定システムに送信することと、を含む動作を実行するように構成されていて、
前記測定システムは、スイッチマトリックスと、測定システムプロセッサ回路とを備えていて、前記測定システムプロセッサ回路が、
前記ホストデバイスから前記第1のレジスタマップを受信することと、
前記第1のレジスタマップを、前記第1のセンサと矛盾するレジスタ値/範囲を特定するエラールールセットと比較することと、
前記第1のレジスタマップを前記エラールールセットと比較した後、前記測定システムの前記第1の構成に従って前記第1のセンサをサンプリングするために前記スイッチマトリックスを構成することと、
第1のセンサから複数のサンプルを受信することと、
前記複数のサンプルに少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成することと、を含む動作を実行するように構成されている、センサ管理システム。
【請求項2】
前記測定システム構成データが、対人可読構文で前記測定システムの前記第1の構成を記述する第1の形式の構成データと、コンピュータ可読構文で前記測定システムの前記第1の構成を記述する第2の形式の構成データとを含む、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項3】
前記遠隔サーバをさらに備え、前記遠隔サーバが、
ユーザから測定される物理的特性の指示を受信することと、
前記測定される物理的特性の前記指示に基づいて前記第1のセンサを選択することと、
前記第1のセンサおよび前記測定される物理的特性に少なくとも部分的に基づいて前記測定システム構成データを生成することと、を含む動作を実行するように構成されている、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項4】
前記測定システムが、前記第1のレジスタマップが前記エラールールセットに合格したと判定することを含む動作を実行するようにさらに構成されている、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項5】
前記測定システムが、
前記第1のレジスタマップ内で、前記第1のセンサと矛盾するビット値を判定することと、
前記判定されたビット値を用いずに、前記第1のレジスタマップから前記測定システムの前記第1の構成を導出することと、を含む動作を実行するようにさらに構成されている、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項6】
前記測定システムが、
前記第1のレジスタマップが、少なくとも1つのエラールールに不合格であると判定することと、
前記スイッチマトリックスを構成する前に、ユーザからオーバーライドコードを受信することと、を含む動作を実行するようにさらに構成されている、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項7】
前記測定システムが、前記測定システムの接続性が前記測定システムに接続されている前記第1のセンサと一致すると判定することを含む動作を実行するようにさらに構成されている、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項8】
前記第1のレジスタマップはまた、第2のセンサに対する前記測定システムの第2の構成を記述し、前記測定システムが、
第2のセンサを接続するように前記スイッチマトリックスを構成することであって、ADCが、前記第2の構成に従って前記第2のセンサからの第2の未加工のセンサ信号をサンプリングする、前記スイッチマトリックスを構成することと、
前記第2の未加工のセンサ信号に少なくとも部分的に基づいて第2のデジタル測定データを生成することと、
前記第2のデジタル測定データを前記ホストデバイスに送信することと、を含む動作を実行するようにさらに構成されている、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項9】
前記ホストデバイスが、
前記第1のレジスタマップを生成するために第1の構成ファイルをコンパイルすることと、
第2のレジスタマップを生成するために第2の構成ファイルをコンパイルすることと、
前記ホストデバイスで実行しているホストアプリケーションからのホストアプリケーション命令に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のレジスタマップまたは前記第2のレジスタマップを前記測定システムに選択的に送信することと、を含む動作を実行するように構成されている、請求項1に記載のセンサ管理システム。
【請求項10】
センサを管理するための方法であって、
測定システムの第1の構成であって、第1のセンサに関連付けられている、第1の構成を記述する第1のレジスタマップを、ホストデバイスから受信することと、
前記第1のレジスタマップと、前記第1のセンサと矛盾するレジスタ値/範囲を特定するエラールールセットとを比較することと、
前記第1のレジスタマップを前記エラールールセットと比較した後、前記測定システムの前記第1の構成に従って前記第1のセンサをサンプリングするように前記測定システムのスイッチマトリックスを構成することと、
第1のセンサから複数のサンプルを受信することと、
前記複数のサンプルに少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記第1のレジスタマップが、前記エラールールセットに合格したと判定することを、さらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のレジスタマップ内で、前記第1のセンサと矛盾するビット値を判定することと、
前記判定されたビット値を用いずに、前記第1のレジスタマップから前記測定システムの前記第1の構成を導出することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のレジスタマップが、少なくとも1つのエラールールに不合格であると判定することと、
前記スイッチマトリックスを構成する前に、ユーザからオーバーライドコードを受信することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記測定システムの接続性が、前記測定システムに接続されている前記第1のセンサと一致していると判定することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のレジスタマップが、第2のセンサに対する前記測定システムの第2の構成も記述し、
前記測定システムのプロセッサ回路を用いて、第1の未加工のセンサ信号を前記第1のデジタル測定データに変換するための第1の方程式を記述する第1のセンサデータ構造を生成することと、
前記プロセッサ回路に関連付けられたメモリのセンサデータスタックにおいて、前記第1のセンサデータ構造を第1のメモリアドレスセットに割り当てることと、
前記第2のセンサからの第2の未加工のセンサ信号を第2のデジタル測定データに変換するための第2の方程式を記述する第2のセンサデータ構造を生成することと、
前記第2のセンサデータ構造を前記センサデータスタックにおいて第2のメモリアドレスセットに割り当てることであって、前記第1のメモリアドレスセットは、前記第2のメモリアドレスセットよりも多くのメモリアドレスを含む、割り当てることと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセッサ回路はまた、
前記第1のセンサデータ構造の第1の値が、修正された第1の値に変更するべきであると判定することと、
前記修正された第1の値を、前記第1の値に関連付けられた少なくとも1つのメモリアドレスに上書きすることと、を含む動作を実行するように構成されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
センサを管理するためのシステムであって、
測定システムの第1の構成であって、第1のセンサに関連付けられている、第1の構成を記述する第1のレジスタマップを、ホストデバイスから受信するための手段と、
前記第1のレジスタマップを、前記第1のセンサと矛盾するレジスタ値/範囲を特定するエラールールセットと比較するための手段と、
前記第1のレジスタマップを前記エラールールセットと比較した後、前記測定システムの前記第1の構成に従って前記第1のセンサをサンプリングするように前記測定システムのスイッチマトリックスを構成するための手段と、
第1のセンサから複数のサンプルを受信するための手段と、
前記複数のサンプルに少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成するための手段と、を備える、システム。
【請求項18】
前記第1のレジスタマップ内で、前記第1のセンサと矛盾しているビット値を判定するための手段と、
前記判定されたビット値を用いずに前記第1のレジスタマップから前記測定システムの前記第1の構成を導出するための手段と、をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般的に、限定するものではないが、集積チップに関し、特に、限定するものではないが、ホストデバイスを1つ以上のセンサにインターフェースするための測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、化学的または工業的なプロセス制御、動作制御、暖房、換気、および空調(HVAC)の制御などの建築制御、遠隔監視または制御などの様々な用途の監視または制御を容易にするために使用し得る。そのような電子デバイスは、例えば1つ以上のセンサを使用して測定を行う。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
図面において、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、同様の数字は異なる図において類似の構成要素を記述することがある。異なる文字の接尾辞を有する同様の数字は、類似の構成要素の異なる事例を表すことがある。図面は概して、限定としてではなく例として、本明細書で論じられる様々な実施形態を図示する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】測定システムの構成例を示す図である。
図2】測定システムの一例を示す機能図である。
図3図2の測定システムなどの測定システムを構成するために提供され得る例示的なレジスタマップである。
図4】レジスタマップを受信した際に測定システムによって実行され得るプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
図5】測定システムの較正を実行すべきかどうかを判定するためにレジスタマップを受信したときに測定システムによって実行され得るプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
図6】測定シーケンスを判定するためにレジスタマップを受信したときに測定システムによって実行され得るプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
図7】測定システムを管理するために実行され得るプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
図8】例示的なプロセッサ回路のさらなる詳細を含む、図1の構成の別の例を示す図である。
図9】センサデータ構造を動的に割り当てるために測定システムのプロセッサ回路によって実行され得るプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
図10】等間隔のLUTを利用して単一変数(例えば、一次元)方程式を評価するために実行時に測定システムによって実行されてもよいプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
図11】等間隔のLUTを利用して2変数(例えば、2次元)方程式を評価するために実行時に測定システムによって実行されてもよいプロセスフローの一例を示すフローチャートである。
図12】本明細書で論じられる方法のうちのいずれか1つの例を機械に実行させるための一組の命令または命令のシーケンスを実行し得るコンピューティングデバイスハードウェアアーキテクチャを図示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書で記述されている様々な例は、測定システムを動作させるおよび/または構成するための測定システムおよび方法を対象としている。本明細書に記載されるように、測定システムは、1つ以上のセンサとホストデバイスとの間のインターフェースを提供する。例えば、測定システムは、様々な異なる種類のセンサからの出力を、駆動および/または受信し、ホストデバイスによる処理の準備ができているデジタル出力信号をホストデバイスに提供するように構成される。例えば、測定システムは、異なる種類のセンサを駆動するために適切な励起信号を提供してもよい。測定システムはまた、適切なアナログ-デジタル変換を実行し得る。いくつかの例では、測定システムはまた、例えば適切な測定ユニット内にあるセンサ出力を提供し、線形化を実行し、別のセンサ出力に基づいて1つのセンサ出力を補償するなどのデータ処理も実行する。
【0006】
本発明者らは、特定のアプリケーション用に一組のセンサを構成することは、特にソフトウェアに偏った専門知識をもつ開発者および設計チームにとっては難しい場合があるということを、とりわけ認識していた。例えば、特定の用途のためのセンサハードウェアを設計することは、広範囲の構成オプションを有する広範囲の異なる利用可能なデバイスから適切なセンサ、変換器、および/または他のデバイスを選択し配置することを含み得る。その結果、開発者にとっては、特定の測定性能目標を満たさないデバイスなど、特定の用途には不適切なデバイスを選択することが容易となる。
【0007】
いくつかの例では、広範囲のセンサをサポートし、高度なセンサ選択および構成を支援する構成ツールを介して構成可能である測定システムを提供することによって、センサ回路設計の課題が軽減される。しかしながら、多数の異なるセンサおよび構成をサポートするように構成し得る測定システムを提供することは、さらなる課題を生み出す可能性がある。しかしながら、開発者が測定システム構成を修正できるようにすることは、開発者が誤る機会を生み出す。広範囲のセンサをサポートするように構成された測定システムの複雑さはエラーの可能性を増大させる。したがって、開発者が構成ツールを使用して生成された測定システム構成を修正できるようにすることが望ましい。また、用途によっては、使用中および/または使用の間に測定システムが異なる構成をとることが望ましい。いくつかの構成変更は、1つ以上の変換器などのような様々な構成要素の再較正を必要とする可能性がある。開発者が再較正の必要性を認識できない場合、測定の精度は低下する。
【0008】
これらおよび/または他の顧客の好みを満たす測定システムは、高度の複雑さを含み得る。経済的にも処理効率の点でも費用対効果を達成するために、本明細書に記載の様々な測定システムは、簡素化されたハードウェアおよび/またはソフトウェア構成で複雑な処理を可能にする機能を備えて構成される。
【0009】
図1は、測定システム102の一構成例100を示す図である。測定システム102は、1つ以上のセンサ118A、118B、118Nと通信している。測定システム102は、センサ118A、118B、118Nからのセンサ信号をサンプリングする。いくつかの例では、センサ118A、118B、118Nは省略されている。例えば、測定システム102は、化学的または電気化学的プロセスから1つ以上の電気信号を受信してもよい。いくつかの例、およびいくつかのセンサ118A、118B、118Nについては、測定システム102はまた適切な励起を提供する。センサ118A、118B、118Nは、周囲環境130の特徴を感知するために周囲環境130内に配置される。また、いくつかの例では、測定システム102は、他のデバイスによってサンプリングされたセンサ信号に対して単位変換、線形化、補償、または他の処理を実行し得る。
【0010】
例えば、温室用途では、センサ118A、118B、118Nは温室(温室が周囲環境である場合)内の温度、圧力、および湿度を感知し得る。3つのセンサ118A、118B、118Nが示されているが、任意の適切な数のセンサを使用してもよい例えば、測定システム102は、図示されている3つのセンサより多い、または少ないセンサをサポートし得る。また、1つの周囲環境130が示されているが、センサ118A、118B、118Nは同じ周囲環境に配置される必要はない。例えば、内燃機関用の管理システムは、内燃機関の異なる構成要素における温度を測定するために異なるセンサが配置されている複数の温度センサを利用してもよい。
【0011】
測定システム102は、ホストアプリケーション132を実行するホストデバイス104と通信している。ホストデバイス104は、例えば、埋め込みコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デスクトップまたはラップトップパーソナルコンピュータ(PC)などを含む、任意の適切な種類のプロセッサベースのシステムを含み得る。測定システム102は、測定データをホストアプリケーション132に提供する。測定データは、センサ118A、118B、118Nから受信したデータを含む。いくつかの例では、測定データは、センサ118A、118B、118N自体からサンプリングされた未加工のセンサ信号に対する様々な補正および/または修正を含む。例えば、測定データはデジタルであってもよく、それゆえ(追加の)ADCを必要とせずにホストアプリケーション132にアクセス可能であり得る。さらに、測定データを線形化してセンサの非線形性を補正し得る。また、いくつかの例では、測定データは、それぞれのセンサによって測定された物理量を表す選択されたセンサユニットに対して正規化されてもよい。例えば、温度センサ用のセンサユニットは、摂氏度、ケルビン度などであってもよい。圧力センサ用のセンサ単位は、平方インチ当たりのポンド数(psi)、ミリメートルHgなどであってもよい。また、いくつかの例では、測定データは、例えば、複数のセンサからサンプリングされたセンサ信号に基づいて出力を調整することによって補償される。
【0012】
ホストアプリケーション132は、任意の適切な方法で測定データを使用する。例えば、ホストアプリケーション132は、測定データに基づいて制御される、例えば1つ以上のモータ、または他の適切な機器などの他の構成要素に提供される1つ以上の入出力(I/O)信号を生成し得る。上記の温室の例に戻って参照すると、ホストアプリケーション132は、温度、圧力、および/または湿度の変化に応じて、温室の窓または通気口を開閉するように構成されてもよい。
【0013】
測定システム102は、例えば、スイッチマトリックス116、1つ以上の励起回路114、1つ以上の変換器112(例えば、ADCまたはDAC)、1つ以上のプロセッサ回路110、1つ以上の通信回路108などを含む様々な構成要素を備える。様々な構成要素108、110、112、114、116は、単一の集積回路上、またはいくつかの例では複数の集積回路上に形成し得る。また、いくつかの例では、構成要素108、110、112、114は、単一の集積回路または複数の集積回路を含む単一の集積パッケージに提供される。
【0014】
通信回路108は、ホストデバイス104と通信するように構成される。プロセッサ回路110は、測定システム102を制御するためのファームウェアを実行する。変換器112は、アナログセンサ入力信号をデジタル(ADC)に変換するように、および/またはデジタル励起信号をアナログ(DAC)に変換するように構成される。励起回路114は、使用中に励起電圧または電流を受け取る任意のセンサ118A、118B、118Nに励起信号を提供するように構成可能である。スイッチマトリックス116は、本明細書で説明されるように、様々なセンサ118A、118B、118Nを適切な変換器112、励起回路114などに選択的に連結するように構成される。いくつかの例では、測定システム102の様々な構成要素は、単一の集積回路または一連の集積回路上に実装されている。例えば、測定システム102は、ASIC、FPGA、デジタル信号プロセッサなどを含み得る。
【0015】
測定システム102は、広範囲の異なるタイプおよびセンサタイプの組み合わせをサポートするように構成可能である。例えば、ホストアプリケーション132は、測定システム102の構成を記述する構成データ120を生成および/または受信する。例えば、構成データ120は、特定の測定データセットを作成するための特定のセンサセットに対する測定システムの構成を記述する。構成データ120は、様々な形式122、124のファイルまたは他のデータの描写を含み得る。例えば、測定システム102の構成データは、ある形式ではCプログラミング言語などの構文で、別の形式ではJavaScript(登録商標) Object Notation(JSON)124などの対人可読構文で表現し得る。いくつかの例では、異なる形式122、124は同じ構成データ120を表す。
【0016】
構成データ120の全部または一部は、レジスタマップ126に変換される。いくつかの例では、ホストアプリケーション132、またはホストデバイス104の他の適切なアプリケーションは、レジスタマップを生成するために構成データ120を解釈および/または変換する。また、いくつかの例では、構成データ120は、ホストアプリケーション132に提供される前に完全にまたは部分的に変換される。例えば、ホストアプリケーションは、構成データ120に加えてまたは代わりに1つ以上のレジスタマップ126を受信し得る。ホストアプリケーション132は、測定システム102に、例えば、初期構成時および/または起動時にレジスタマップ126を提供する。例えば、測定システム102は、レジスタマップを受信し適用するためのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を含み得る。いくつかの例では、ホストアプリケーション132は、それが測定システム102に提供される前にレジスタマップ126を修正する。このように、ホストアプリケーション132は、構成データ120によって要求される測定システム102の構成から逸脱するようにプログラムされてもよい。また、いくつかの例では、ホストアプリケーション132は、本明細書で説明するように、実行中に新しいまたは更新されたレジスタマップを提供する。
【0017】
ホストデバイス104、測定システム102、およびセンサ118A、118B、118Nは、本番環境103の一部である構成100は、構成ツール134を実行するウェブサーバ106を含む例示的な開発環境101も含む。構成ツール134は、ユーザコンピューティングデバイス136を介してユーザ138にユーザインターフェース(UI)119を提供する。ユーザコンピューティングデバイス136は、例えばデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話などの任意の適切なコンピューティングデバイスであり得るか、またはそれらを含み得る。構成ツール134は、UI119を介して、測定システム102を構成するための段階的なプロセスをユーザ138に提供する。例えば、UI119を介して、ユーザ138は、感知される1つ以上の物理量、物理量に関する所望の精度、および/または測定に関する他のパラメータを選択する。構成ツール134は、1つ以上のセンサ118A、118B、118Nを推奨し、推奨されたセンサおよび構成に関する構成データ120を生成してもよい。結果として得られる構成データ120は、例えば構成ツール134からおよび/またはユーザコンピューティングデバイス136からホストアプリケーション132に提供される。いくつかの例では、構成ツール134によって生成された構成データ120は修正せずに使用される。他の例では、ユーザ138は、彼らの特定のアプリケーションの設計制約に合うように構成データ120を修正し得る。例えば、ユーザ138がより熟練しているとき、および/またはアプリケーションが要求するとき、ユーザ138は、測定システム102の動作を微調整するために構成データ120を修正するオプションを有してもよい。他の例では、アプリケーションが単純である場合、および/またはユーザ138があまり熟練していない場合、構成ツール134によって生成された構成データ120を修正せずに使用してもよい。
【0018】
図2は、測定システム200の一例を示す機能図である。図2の機能図は、例えば、デジタルフィルタ204、ADC208、プログラマブル利得アンプ212、アンチエイリアシングフィルタ214、マルチプレクサまたはスイッチマトリックス216、および様々な入出力デバイス(I/O)デバイスを含む、測定システム200の様々な構成要素を示す。図2の機能図はまた、例えばインターフェース/ロジック232、チャネルシーケンサ218などのような、測定システム200のプロセッサ回路によって実行され、および/またはそれに記憶される様々な機能ブロックを示す。これらの機能ブロックは、図1に示されるプロセッサ回路110のようなプロセッサ回路によって実行され得る。
【0019】
スイッチマトリックス216は、異なるセンサチャネルを測定システム200の様々な他の構成要素に代替的に接続するように制御可能である。図2に示す例において、測定システム200は4つのアナログセンサチャネル(SENSOR0、SENSOR1、SENSOR2、SENSOR3)を備える。アナログセンサチャネルは、信号入力ピンAIN0、AIN1、AIN2、AIN3と同様に、センサ励起正ピン(EXCP)とセンサ励起負ピン(EXCN)を含む。チャネルごとに2つの励起ピンが示されているが、いくつかのチャネルは追加のセンサ励起ピンを有してもよい。また、チャネルごとに4つの信号入力ピンが示されているが、センサチャネルは任意の適切な数の信号入力ピンを有してもよく、いくつかのセンサチャネルは他のものとは異なる数の信号入力ピンを有してもよい。本明細書に記載のピンのいくつかまたは全ては、例えば入力ピンまたは出力ピンとして機能するように構成可能である。
【0020】
スイッチマトリックス216はまた、バイアス電圧発生器234からバイアス電圧を受け取ることができる。スイッチマトリックス216を選択的に接続することによって、バイアス電圧が任意のアナログセンサチャネルに提供され得る。同様に、励起電流発生器235は、スイッチマトリックス216を選択的に配置することによって、アナログセンサチャネルSENSOR0、SENSOR1、SENSOR2、SENSOR3のいずれかに提供され得る1つ以上の励起電流を生成する。例えば、バイアス電圧発生器234によって生成されたバイアス電圧および/または励起電流発生器235によって生成された励起電流は、例えば励起ピンEXCP、EXCNを横切って、1つ以上のアナログセンサチャネルに提供されてもよい。図2の例において、測定システムは入力チャネル(CJC0およびCJC1)も含む。例えば、熱電対センサがアナログセンサチャネルSENSOR0、SENSOR1、SENSOR2、SENSOR3のうちの1つで使用されている場合は、2線式抵抗温度デバイス(RTD)を熱電対の冷接点温度を測定するように配置し、入力チャネルCJC0、CJC1のうちの1つに接続し得る。いくつかの例では、チャネルCJC0、CJC1はまた、励起電流または電圧を他のチャネルSENSOR0、SENSOR1、SENSOR2、SENSOR3のうちの1つ、および/または別のCJCピン上のセンサに提供するように構成可能としてもよい。いくつかの例では、複数のセンサチャネルを使用して単一のセンサと接続する。例えば、2本以上のワイヤを含むRTDセンサを検討する。一方のチャネルは冷接点補償を提供するために使用され、他方のチャネルは接点の温度を測定するための熱電対を含む。
【0021】
さらに、電圧測定(V_MEAS)チャネルは、測定システム200の動作電圧を超えるセンサ入力を受信し測定するように構成される。例えば、減衰器ネットワーク(ATTEN)は、スイッチマトリックス216などの測定システム200の様々な構成要素によって読み取り可能な電圧までセンサ入力を低減する。同様に、電流測定チャネル(I_MEAS)は、測定された電流を表す電圧を見つけるためのシャント回路を含む。電流測定チャネルが電流に切り替えられると、他のチャネルが切り替えられてもよい。1つのチャネルで障害状態が発生した場合、これによって障害状態が他のチャネルに影響を与えるのを防ぐことができる。
【0022】
図2の例において、測定システム200は、デジタルインターフェースを介して1つ以上のデジタルセンサとインターフェースするようにも構成される。例えば、SPI2チャネルは、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)プロトコルに従って配置され、センサクロックを受信および/または提供するためのクロックピン(SPI2_SCLK)、デジタルデータを受信するためのマスタイン/スレーブアウトピン(SPI2_MISO)およびマスタアウト/スレーブイン(SPI2_MOSI)、ならびに特定のデジタルセンサを選択するためのチップ選択出力ピン(SPI2_CSB)を含む。他のデジタルセンサチャネル(I2C)は集積回路間(I2C)プロトコルに従って配置され、クロックピン(I2C_SCL)およびシリアルデータピン(I2C_SDA)を含む。
【0023】
測定システム200はまた、スイッチマトリックス216とプロセッサ回路との間に信号処理経路を含む。例えばプログラマブル利得アンプ212、ADC208、および1つ以上のデジタルフィルタ204を含む、所与のセンサに対する信号経路に入る、および/またはそこから出る様々な信号処理構成要素を切り替えることができる。測定システム200のアナログ構成要素、例えば、励起電流発生器235、バイアス電圧発生器234、アンチエイリアシングフィルタ214、PGA212などのようなものは、まとめてアナログフロントエンドと呼んでもよい。図2の例において、ADC208はシグマデルタADCであるが、他の種類のADCを使用してもよい。基準参照選択モジュール206は、ADC208用の基準参照電圧を選択する。また、図2の例において、デジタルフィルタ204は、ADC208の測定時間を設定するための測定時間フィルタと、50/60Hz除去フィルタとを含む。いくつかの例では、デジタルフィルタ204は、(例えば、ADC208と共通のIC上に含まれる)ADC208の構成要素であるか、または、例えば、デジタル信号プロセッサもしくは他の適切なプロセッサによって、ASICによって、PGAなどによって実装され得る。
【0024】
電力モードセレクタ222は、例えば構成データによって構成されてもよく、測定システム200に対する電力モードを設定してもよい。例えば、測定システム200は、フル、ミドル、およびローパワーモードを有し得る。いくつかの例は動的電力モードを含む。例えば、測定システム200の電力レベルは、提供されたレジスタマップによって設定されてもよい。診断ブロック220は、プロセッサ回路によって実行されてもよく、測定システム200上で、例えば、測定システム200の構成が一貫しているかどうか、および/またはハードウェア(例えば、センサなど)が測定システム200に正しく接続されているかどうかを判定すること含む様々な診断を実行するように構成されてもよい。チャネルシーケンサ218は、プロセッサ回路によって実行されてもよく、プロセッサ回路に様々なセンサチャネルを接続するためのシーケンスを選択するように構成されている。チャネルシーケンサ218、診断ブロック220、および/または電力モードセレクタ222は、プロセッサ回路によって実行されるソフトウェア(例えばファームウェア)として、および/または別個のハードウェアとして実装され得る。いくつかの例では、チャネルシーケンサ218はまた、スイッチマトリックス216を構成した後、時には励起信号を提供し始めた後に遅延を挿入するように構成されている。これはADCが変換を実行するように指示される前に、センサ出力および/またはPGA出力が安定した値に落ち着くまでに十分な時間をかけることを許容し得る。いくつかの例では、異なるチャネルに対する遅延は、構成データ内のパラメータを介してユーザによって調整可能である。
【0025】
図2は、プロセッサ回路に含まれてもよく、および/またはプロセッサ回路に記憶されてもよい様々なメモリおよびデータ構造を示す。例えば、較正データ224は、測定システム200の1つ以上の構成要素の電流較正を記述する。補正/変換データ226は、例えば、本明細書に記載されるように、未加工のセンサ信号の補正および/または未加工のセンサ信号の所望の単位への変換を提供するために使用される。ルックアップテーブルLUTおよび/または多項式データ228(本明細書においてより詳細に説明される)は、未加工のセンサ信号を正しい単位に変換するためのランタイム計算を単純化するためにプロセッサ回路によって利用される。LUT/多項式データ228は、ユーザによって判定され、ホストデバイスによって計算され、測定システムによって計算され、および/またはセンサ製造業者によって提供され得る。いくつかの例では、LUT/多項式データ228は、例えば、補正/変換データ228に内蔵補正または変換データをもたないセンサに対して補正または変換を提供するために使用される。例えば、ユーザは、LUT/多項式データ228に記憶されているLUTまたは方程式として提供される補正または変換データを供給し得る。図2の例も、ホストアプリケーションに提供される処理済み測定データを記憶し得るメモリキュー230(先入先出またはFIFO)を含む。
【0026】
インターフェース/論理ブロック232は、例えばプロセッサ回路によって実行されてもよく、測定システム200とホストデバイス/ホストアプリケーションとの間の通信を構成する。図2の例において、インターフェース/論理ブロック232は、SPIチャネル(SPI1_CSB、SPI1_MISO、SPI1_MOSI、SPI1_SCLK、SPI_DRDY)およびホストアプリケーション/デバイスと通信するために、および/またはセンサデータ収集のために使用され得るユニバーサル非同期受信機送信機(UART)チャネルをサポートする。インターフェース/論理ブロック232は、プロセッサ回路によって実行され得る。いくつかの例では、キュー230がセンサ読み取り値で十分に満たされ、読み取る準備ができたときに、インターフェース/論理ブロック232はホストアプリケーションにメッセージを送信する。
【0027】
図2の例示的な測定システム200はまた、測定システム200に電力を供給するためのVDDピン、GNDピン、およびAVDDピンを含む。VDDは、測定システム200のデジタル部分に電力を供給するための電圧を受け取り、AVDDは、測定システム200のアナログ部分に電力を供給するための電圧を受け取る。VDDピンとAVDDピンは、グランドピンGNDを基準参照にしている。また、測定システム200は、警告状態が存在するときに測定システム200のALERTピンをアサートし、エラーが検出されたときにERRORピンをアサートするように構成されてもよい。ホストデバイスは、測定システム200をリセットするためにRESETピンをアサートしてもよい。
【0028】
図3は、図2の測定システム200などの測定システムを構成するために提供され得る例示的なレジスタマップである。図3は、センサ詳細レジスタ、励起電流レジスタ、デジタルセンサアドレスレジスタ、および3つのデジタルコマンドレジスタ(デジタルセンサコマンド1、デジタルセンサコマンド2、デジタルセンサコマンド3)を示す。図3のレジスタマップは、単一のセンサに対する測定システム200の構成を説明するレジスタの例を示す。例えば、他の/追加のセンサ用に測定システム200を構成するために、および/または他の構成パラメータを提供するために、追加のレジスタ値を提供し得る。
【0029】
センサ詳細レジスタは、測定システムに接続されているセンサを記述し得るビットの例を示す。例えば、測定システムは、それに接続された各センサ(例えば、各アナログセンサ)に対するセンサ詳細レジスタを含み得る。センサ詳細レジスタは、ビットの記述、センサに対する平均化、センサに対するPGA利得、センサに対する基準参照選択(例えば、ADCについての基準参照を記述する)、センサに対するバイアス電圧、センサに対する補償チャネル設定、およびセンサに対する測定単位を含み得る。
【0030】
センサの平均化は、仮にあったとしても、センサに対する未加工のセンサ信号が測定システムによってどのように平均化されるのかを記述し得る。例えば、測定システムは、1つ以上の信号から未加工のセンサ信号を平均してもよい。また、3線式または4線式RTDセンサなど、一部のセンサには複数の励起電流が提供される。いくつかの例では、測定システムは、各測定データについてセンサからの複数の未加工のセンサ信号をサンプリングし、励起電流をセンサ信号間で変化させる(例えば交換する)ように構成される。次いで、測定システムは複数のセンサ信号を平均して測定データを生成する。平均化ビットは、所与のセンサに対して平均化が行われるかどうか、またその方法を記述する。PGA利得ビットは、センサに使用されるPGAの利得を記述する。基準参照ビットは、センサに使用されるADCの基準参照信号を記述する。バイアス電圧ビット(Vbias)は、バイアス電圧がセンサに提供されるかどうかを表す。基準参照バッファ無効(RBD)ビットは、ADC基準参照バッファリングを無効にするべきかどうかを表す。補償チャネルビットは、センサに対して実行される補償を記述する。補償は、例えば、周囲温度、圧力などの周囲条件に対する補償を含む。測定単位ビットは、センサに対する測定データが表現されるべき単位を記述する。
【0031】
励起電流レジスタは、励起電流またはセンサに提供される電流を記述するビットの例を示している。例えば、Iout1およびIout0無効ビットは、Iout1またはIout0を無効にする必要があることを表し得る。Iout励磁電流ビットは励磁電流の値を表す。
【0032】
デジタルセンサアドレスおよびデジタルセンサCmd1-3はデジタルセンサに使用される。例えば、デジタルセンサアドレスレジスタは、例えば上述のI2Cバス上のデジタルセンサのアドレスおよび/またはセンサ出力が提供されるレジスタのアドレスを表す。デジタルセンサCmd1-3レジスタは、例えば、デジタルセンサを選択された動作モード、選択された範囲、選択された帯域幅モードなどに構成するために、デジタルセンサに提供され得るコマンドを表す。図3の例においては、いくつかのビットが「空き」または「NU」とマークされている。これらのビットは、図3に示すレジスタマップの例では使用されていないが、他のレジスタマップ構成で使用されてもよい。
【0033】
図4は、レジスタマップを受信したときに測定システム(例えば、測定システムのプロセッサ回路)によって実行され得るプロセスフロー400の一例を示すフローチャートである。動作402において、測定システムはレジスタマップを受信する。レジスタマップは、ホストデバイスで実行されているホストアプリケーションから受信されてもよく、測定システムの構成を記述してもよい。例えば、図3を参照すると、レジスタマップは、図3のレジスタに対する一組の値を含んでもよい。いくつかの例では、レジスタマップは、デバイスによって管理される各センサについての図3のレジスタに対する一組の値を含む。例えば、3つのセンサが測定システムによって管理されることになっている場合、レジスタマップは図3のレジスタに対する3組の値を含み得る。また、図3のレジスタは、測定システム用のレジスタマップ(またはその一部)をどのように構成し得るかのほんの一例を提供することも理解されよう。
【0034】
測定システムは、その動作中の任意の適切な時点でレジスタマップを受信し得る。いくつかの例では、ホストアプリケーションは、起動時に測定システムにレジスタマップを提供するように構成される。また、いくつかの例では、ホストアプリケーションは、動作中の異なる時点で異なるレジスタマップを測定システムに提供する。例えば、測定システムは、1つの構成に従って未加工のセンサ信号をサンプリングするようにそれに命令する1つのレジスタマップを受信してもよい。ホストアプリケーションの動作中に、別の構成に従って追加の未加工のセンサ信号をサンプリングするように測定システムを構成するための別のレジスタマップを提供してもよい。例えば、第1のレジスタマップを用いた動作中に特定のセンサに制限が侵入した場合、励起電流を別の値に変更する新しい構成を送信するようにホストをプログラムして、いかなる制限も侵入させずに測定を続けることができる。別の例では、センサはその値に突然の変動を示すことがある。それに応じて、別のレジスタマップがデバイスに送信され、その特定のセンサをより高速でサンプリングしてより頻繁にそれを監視する。いくつかの例では、ホストアプリケーションは測定システムに複数のレジスタマップを提供し、測定システムは、閾値センサ出力に達するなどの変化条件の発生時にレジスタマップ間で自動的に切り替わるように構成される。
【0035】
動作404において、測定システムは受信したレジスタマップをエラールールセットと比較する。エラールールセットは、矛盾または不正確なレジスタマップを識別する。例えば、エラールールセットのいくつかのルールは、特定のセンサタイプの値をもつべき、またはもつべきではないレジスタおよび/またはビットを定義する。エラールールは、励起電流を必要とするセンサを表すレジスタマップも励起電流値を提供するべきであることを特定する。また、例えば、選択されたセンサと矛盾するデジタルフィルタリングパラメータを表すレジスタマップは、エラールールセットに失敗する可能性がある。別の例示的なエラールールは、選択されたセンサと矛盾するレジスタ値/範囲を特定する。例えば、特定のセンサタイプは閾値レベルを超える励起電流を必要とし得る。例示的なエラールールは、センサタイプを表すレジスタマップが閾値を超える励起電流値も表すべきであることを特定し得る。
【0036】
動作406において、測定システムは、レジスタマップがエラールールのいずれかのエラールールに違反しているかどうかを判定する。違反していた場合、測定システムは、動作408でエラーを返す。例えば、図2の例を参照すると、プロセッサ回路はERRORビットをアサートし、(誤った)レジスタマップに従って動作するように進まない可能性がある。
【0037】
エラールールに違反していない場合、測定システムは、動作410において、その接続性を判定する。測定システムの接続性を判定することは、測定システムのどのピンがセンサなどの他の構成要素に接続されているかを判定することを含む。接続性を判定するために、プロセッサ回路は、2つ以上のピン(例えば、チャネル用の信号ピンと接地ピン)にまたがって電圧を存在させることができる。ピン間の電流を(例えば、シャント抵抗を用いて)測定し、それからピン間のインピーダンスを導出し得る。測定システムの導電率を判定するための他の適切な技術もまた使用され得る。
【0038】
動作412において、測定システムは、接続性エラーがあるかどうかを判定する。測定システム(例えば、そのプロセッサ回路)が、レジスタマップによって示されるセンサが実際にはデバイスに接続されていない、または正しく接続されていないと判定した場合、接続エラーが発生する。例えば、レジスタマップが3線式RTDデバイスを第1のチャネルに接続するように要求したが、測定システムが3線式への接続を検出することに失敗した場合(例えば、(第1のチャネルの適切なピンにかかるインピーダンスが開回路であると判定した場合)、エラーが検出される可能性がある。また、いくつかの例では、レジスタマップが、異なるインピーダンス特性を有する導線を有するセンサを要求し、測定システムは、導線が正しいピンに接続されていないと判定した場合、エラーが検出され得る。エラーが検出された場合、測定システムは、動作408でエラーを返すことができる。エラーが検出されなかった場合、測定システムは、動作416で、受信したレジスタマップに従って指示されたセンサを管理するように進むことができる。
【0039】
図5は、測定システムの較正を実行すべきかどうかを判定するためにレジスタマップを受信したときに測定システムによって実行され得るプロセスフロー500の一例を示すフローチャートである。例えば、例えばPGA、フィルタ、ADCなどのような測定システムの様々な構成要素が較正される。変換器などのいくつかの構成要素は、自己較正するように構成されている。他の構成要素は、測定システムのプロセッサ回路によって較正される。いくつかの例では、複数の構成要素が共に較正され得る。例えば、図2に示す測定システム200のいくつかの実装形態では、ADC208とPGA212は共に自動較正し得る。
【0040】
動作502において、測定システムはレジスタマップを受信する。動作506において、測定システムは、受信したレジスタマップが以前のレジスタマップと異なるかどうかを判定する。例えば、測定システムは、以前のレジスタマップの全部または一部をメモリに記憶し、受信したレジスタマップを以前のレジスタマップと比較し得る。差異がない場合、測定システムは、オペレーション510において、受信したレジスタマップに従ってセンサを管理するように進むことができる。
【0041】
受信したレジスタマップが以前のレジスタマップと異なる場合、測定システムは受信したレジスタマップを較正ルールセットと比較する。較正ルールセットは、1つ以上の構成要素の較正(または再較正)を要求する測定システムの構成に対する変更を識別する。例えば、受信されたレジスタマップは、PGA利得への変更を要求する可能性があり、PGAの新しい値でADCを再較正することが望ましい。また、例えば、受信されたレジスタマップは、励起電流またはセンサのための電流の変更を要求する可能性があり、新しい励起電流を考慮してADCおよび/または線形化方程式もしくはルックアップテーブル(LUT)を再較正することが望ましい。
【0042】
動作506において、測定システムは、動作504における較正ルールセットとの比較が、測定システムの1つ以上の構成要素を較正すべきであることを指示したかどうかを判定する。指示されてない場合、動作510において、測定システムは受信したレジスタマップに従ってセンサを管理するように進むことができる。動作506で較正が指示された場合、動作508で測定システムは較正を促す。例えば、プロセッサ回路は、ADCまたは他の変換器などの構成要素に新しい構成で自己較正を実行するように促すことができる。また、いくつかの例では、プロセッサ回路自体が、線形化および/または単位変換のために方程式の係数および/またはLUTに変更を加えることができる。較正後、測定システムは、動作510において、受信したレジスタマップに従ってセンサを管理するように進むことができる。
【0043】
図6は、測定シーケンスを判定するためにレジスタマップを受信したときに測定システムによって実行され得るプロセスフロー600の一例を示すフローチャートである。測定シーケンスは、測定システムによって管理されている異なるセンサから測定データがいつ提供されるかを記述する。いくつかの例では、測定システムは自動的に測定シーケンスを判定する。このようにして、開発者は、測定システムの順序付けを特別に構成することなく、各センサから所望される測定データの数および/または所望の測定データの頻度を表すことができる。
【0044】
動作602において、測定システムはレジスタマップを受信する。動作604において、測定システムは、レジスタマップによって表される様々なセンサに対する測定サイクルデータを読み取る。例えば、レジスタマップは、レジスタマップによって表される構成の各センサについて、ホストアプリケーションがそのセンサからの測定データをどれくらいの頻度で予期するかを表す測定頻度を表すことができる。いくつかの例では、レジスタマップはまた、センサがサンプリングされるべき順序を表す。温度、湿度、および圧力を測定する温室システムの上の例を再検討する。その例における測定システム用のレジスタマップは、温度が15分ごとに測られなくてはならず、圧力および湿度が1時間ごとに測定されるべきであることを表し得る。
【0045】
動作606において、測定システムは、レジスタマップの測定頻度に基づいて測定システムのための測定シーケンスを生成する。これは、例えば、測定サイクル長を判定すること、および各センサがサンプリングされる測定サイクル内の順序および/または位置を判定することを含み得る。いくつかの例では、1つ以上のセンサがサイクルごとにサンプリングされないことがある。各センサは、測定サイクル中に所定の回数でサンプリングされてもよい。例えば、上記の温室の例を再検討する。その例の測定サイクル時間は1時間であり得、そしてサンプリングの順序は温度、圧力、湿度、圧力、湿度、圧力、湿度、圧力、湿度であり得る。測定システムのプロセッサ回路(例えば、それによって実行されるシーケンサ)は、判定されたシーケンスに従って未加工のセンサ信号をサンプリングするように測定システムを構成し得る。未加工のセンサ信号をセンサからサンプリングすることは、センサに関連付けられた入力または出力ピンをアナログフロントエンドに連結するようにスイッチマトリックスを構成すること、およびセンサに関連付けられた構成に従ってアナログフロントエンドおよびADC(センサがアナログの場合)および任意のデジタルフィルタを構成することを含み得る。
【0046】
図7は、測定システムを管理するための処理フロー700の一例フローチャートである。動作702において、複数の構成データ変動が生成される。構成データ変動を生成することは、測定システムのための代替構成を判定することを含み得る。様々な構成データ変動を単一のファイルまたは複数のファイルに記憶し得る。代替構成は、例えば、アクティブセンサチャネル、励起電流、PGA利得などの数および/または種類といった、測定システムの構成パラメータを変える。複数の構成データ変動は、ホストアプリケーションによって自動的に判定されてもよく、構成ツールによって生成され、および/またはユーザ138によって構成されてもよい。また、動作702で判定された構成データの変動は、任意の適切な形式で表現されてもよい。構成データ変動は、開発環境において(例えば、構成ツールのみによって、またはユーザ138およびユーザコンピューティングデバイスと併せて)生成され得る。
【0047】
動作704において、動作704において判定された複数の構成データの変動は、複数のレジスタマップを形成するために変換(例えば、コンパイルおよび/または解釈)される。いくつかの例では、(ユーザコンピューティングデバイスを介して)ユーザは、1つ以上のレジスタマップを構成データから逸脱させる1つ以上のレジスタマップ変動を追加する。構成データのレジスタマップへの変換は、ホストアプリケーション、ホストデバイスで実行中の別のアプリケーション、開発者のユーザコンピューティングデバイス、または別の適切なデバイスによって実行され得る。
【0048】
動作706において、ホストアプリケーションは、測定システムに提供されるレジスタマップを選択する。選択されたレジスタマップは、複数の構成データ変動のうちの第1の構成データ変動および測定システムの特定の構成に対応する。ホストアプリケーションは、適切な基準に基づいてレジスタマップを選択する。動作708において、ホストアプリケーションは選択されたレジスタマップを測定システムに送信する。それに応答して、測定システムは受信したレジスタマップに従ってそれ自体を構成する。
【0049】
動作710において、ホストアプリケーションは、例えば提供されたレジスタマップに従って測定システムから測定データを受信することを実行し続ける。動作712において、ホストアプリケーションは、構成変更が測定システムに対して行われるべきかどうかを判定する。行われない場合、ホストアプリケーションは、動作710で実行し続けることができる。構成変更が判定された場合、ホストアプリケーションは、動作714で次のレジスタマップを選択して測定システムに送信する。それに応答して、測定システムは、受信したレジスタマップに従ってそれ自体を構成し、動作710で実行し続ける。
【0050】
動作712に戻って参照すると、ホストアプリケーションは、任意の適切な理由で測定システムの構成変更が起こるべきであると判定する。例えば、測定システムは、他のチャネルが使用されていない間に、第1のチャネル上の第1のセンサから測定データを捕捉していることがある。予想外の結果が第1のチャネルで受信された場合、ホストアプリケーションは、他のチャネル上の追加のセンサを利用して予想外のデータの理由を理解するように測定デバイスを再構成すべきであると判定し得る。また、いくつかの例では、測定デバイスは、第1の構成による第1の方法でセンサを励起および/またはサンプリングするように構成されてもよい。未加工のセンサ読み取り値、または他の結果値が制限を超えている(例えば、飽和している)場合、ホストアプリケーションはそのセンサに関して構成を変更し、動作710で実行を継続し得る。
【0051】
図8は、例示的プロセッサ回路110のさらなる詳細を含む構成100の別の例を示す図である。図8の例において、プロセッサ回路110は、プロセッサ802とメモリデバイス804とを含む。プロセッサ802は、例えば埋め込み型マイクロコントローラを含む任意の適切な種類のプロセッサとし得る。メモリデバイス804は、例えばフラッシュメモリデバイス、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなどを含む任意の適切な種類のメモリデバイスを含み得る。プロセッサ回路110は、フラッシュメモリデバイスのような持続性メモリデバイスと、スタティックRAM(SRAM)デバイスのようなRAMデバイスの両方にセンサデータ構造を記憶し得る。
【0052】
いくつかの例では、プロセッサ回路によって使用されるメモリ位置の数を最小限に抑えることが望ましい。これにより、測定システムに含まれるメモリの量を減らすことができ、それによってそのコストを削減し、潜在的にそのサイズおよび/または電力消費も削減し得る。いくつかの例では、プロセッサ回路110は動的センサデータスタックを実装するように構成される。例えば、プロセッサ回路は、センサ信号の未加工のサンプルを線形化するための値、および/またはセンサ信号を適切な単位に変換するための値などを含む、LUTまたは他のテーブルなどのデータ構造を記憶し得る。異なるセンサに使用されるデータ構造のサイズは異なる場合がある。例えば、複雑な線形化計算を有するセンサは線形化のために大きなデータ構造を使用し得るが、より単純な線形化計算を有するセンサはより小さなデータ構造を使用し得る。また、例えば、異なるセンサは異なる数のセンサデータ構造を含み得る。例えば、未加工のセンサ信号が線形化を必要とするセンサは線形化データ構造と関連付けられてもよいが、線形化を必要としないセンサはそうでなくてもよい。サイズにかかわらず、各データ構造に固定量のメモリを割り当てる代わりに、プロセッサ回路は、動的センサデータ構造スタックを実装するように構成されてもよい。例えば、図8は、2つのメモリスタック808および806を示すメモリデバイス804の詳細を示す。スタック808は、コンパイル時に割り当てられ得るローカル変数スタックである。センサデータスタック806は、メモリスペースを節約するためにデータ構造が動的に割り当てられるいくつかのデータ構造810A、810B、810Nを含む。
【0053】
図9は、センサデータ構造を動的に割り当てるために測定システムのプロセッサ回路110によって実行され得るプロセスフロー900の一例を示すフローチャートである。動作902において、プロセッサ回路110はレジスタマップを受信する。動作904において、プロセッサ回路110はメモリデバイス804を削除する。これは、例えば、メモリデバイス804を消去すること、および/または以前に割り当てられていた任意のデータ構造からメモリロケーションを割り当て解除することを含み得る。
【0054】
動作906において、プロセッサ回路110は、受信したレジスタマップに関連付けられた構成のためのデータ構造を判定する。本明細書で説明されるように、レジスタマップは、測定システムによって管理されることになっているセンサを表す。各センサ(またはセンサの種類)は、線形化処理および単位変換に関連付けられている。線形化処理および単位変換は、実行時に使用される1つ以上のデータ構造に関連付けることができる。例えば、線形化処理は、線形化されたセンサ応答を判定論的に生成するためのLUTおよび/または係数セットと関連付けられてもよい。単位変換は、LUTおよび/または係数セットにも関連付けられ得る。例えば、温度センサはXボルトの出力を提供し得る。単位変換を実行することは、Xボルトを対応する温度に変換することを含み得る。
【0055】
動作908において、プロセッサ回路110は、センサデータスタックにおいて選択されたセンサにデータ構造を割り当てる。各データ構造に割り当てられるメモリ量は、データ構造のサイズに基づいてもよい。プロセッサ回路110は、各データ構造に対する割り当てに関連付けられたメモリアドレスを記憶する。いくつかの例では、センサデータ構造は連続するメモリアドレスに割り当てられる。説明したように、隣接するメモリ位置にセンサデータ構造を動的に割り当てることは、使用されるメモリ位置の総数を減らすことができる。
【0056】
センサデータスタックの例示的な構造は、以下の表1によって示される:
【0057】
【表1】
【0058】
表1では、センサデータスタックはヘッダによって記述されている。ヘッダは、例えば、スタックに記憶されているセンサデータ構造の総数および全てのセンサデータ構造の全長(例えばバイト)を含む、センサデータスタックに関する様々なデータを表す。
【0059】
ヘッダの後には、0、1、2、nとラベル付けされた複数のデータ構造がある。各データ構造には、記述子とデータセクションが含まれている。データ構造記述子は、データ構造およびデータ構造に含まれるデータ要素の記述を含む。センサデータ構造記述子の例示的な構成は、以下の表2によって提供される。
【0060】
【表2】
【0061】
表2の例においては、センサデータ構造記述子は64ビット長(例えば8バイト)であり、データ構造ジオメトリ、方程式タイプ、方向、センサタイプ、データタイプ、エラー検出コード、および長さのフィールドを含む。データ構造記述子の様々なフィールドのサイズおよび対応するビットの例も表2に表されているが、データ構造記述子のフィールドの長さおよび位置は変わり得ることが理解されよう。また、異なる記述子は、表2の例に示されるものよりも多いまたは少ないフィールドおよび異なるフィールドの組み合わせを含み得る。
【0062】
表2の例においては、データ構造ジオメトリフィールドはデータ構造のジオメトリを記述する。例えば、センサデータ構造のジオメトリは、データ構造の種類および次元数を記述し得る。センサデータ構造の1つの例示的なタイプは係数リストであり、それは一次元であり得る(例えば、方程式が単一の変数を有することを表す)。また、いくつかのセンサデータ構造は、一次元または二次元であり得る一般的なLUTであり得る。二次元LUTなどの二次元データ構造では、表される方程式は2つの変数を有する。また、センサデータ構造は、等間隔のLUTでもよく、これは一次元または二次元でもよい。
【0063】
方程式タイプフィールドは、センサデータ構造によって記述される方程式の種類を表す。センサデータ構造によって記述し得る例示的な方程式の種類等は、例えば、多項式、多項式プラス指数方程式、二次方程式、Steinhart-Hart方程式、対数式、二変量多項式、方向フィールドは、センサデータ構造を所与のキー値または複数のキー値のデータ要素を識別するためにする方法を表す。例えば、センサデータ構造は前方または後方に走査し得る。センサータイプフィールドは、センサデータ構造に関連付けられているセンサのタイプを表す。データタイプフィールドは、例えばデータ要素を表すのに使用されるビット数のようなセンサデータ構造におけるデータ要素のデータタイプを表す。例としては、単精度浮動小数点数(例えば、32ビット)、倍精度浮動小数点数(例えば、64ビット)などが挙げられる。
【0064】
長さフィールドは、例えば記述子およびデータ要素を含む、センサデータ構造の全長を表す。長さフィールドは、例えば、センサデータスタックを走査するために使用されてもよい。例えば、特定のデータ構造が必要とされるとき、プロセッサ回路110は、各センサデータ構造についてヘッダを読み取り、そこに表示された長さを使用して次のセンサデータ構造にジャンプすることによってセンサデータスタックを走査し得る。所望のセンサデータ構造が見つかるまでこれを続けてもよい。エラー検出コードフィールドは、例えば、データ構造記述子および/またはそのデータ要素を記述するエラー検出コードを含む。例えば、CRC-16、CCITTなどの任意の適切なエラー検出コード形式を使用し得る。
【0065】
図9に戻って参照すると、動作910において、プロセッサ回路110は、本明細書で説明されているように、例えば未加工のセンサ信号をサンプリングし、測定データをホストアプリケーションに提供するためにセンサルーチンを実行する。動作912において、プロセッサ回路110は、割り当てられたセンサデータ構造における任意の要素の値が変更されるべきか否かを判定する。変更されるべきでない場合、プロセッサ回路110は、動作910においてセンサルーチンを実行し続ける。センサデータ構造におけるデータ要素の値が変更されるべきである場合、プロセッサ回路は、動作914において既存のデータ要素の値を更新された値で上書きする。いくつかの例では、変更された値は、以前のデータ要素の値と同じメモリ位置またはメモリ位置のセット内に収まる可能性があり、したがって、再割り当ては必要とされない可能性がある。動作914で更新された値を書き込んだ後、プロセッサは動作910でセンサ経路を実行し続けることができる。
【0066】
いくつかの例では、プロセスフロー900の動作のいくつかまたは全ては測定システムの外部で実行される。例えば、所与の構成に対するデータ構造の判定は、ホストアプリケーションによっておよび/または開発環境において実行され得る。センサデータ構造、および、例えばセンサデータ構造のためのメモリ位置を記述するメモリマップは、レジスタマップと共にホストアプリケーションによって測定システムに提供されてもよい。
【0067】
センサデータ構造によって記述され得る1つのタイプの方程式は、単一変量方程式または一次元方程式である。単一変量方程式の方程式係数を示す例示的なセンサデータ構造は、以下の表3によって示される:
【0068】
【表3】
【0069】
表3の例においては、係数は係数名によって識別される。表3の第1の3つのレコードは、表内の係数の数、最小有効入力(例えば単一変数に対する)および最大有効入力(例えば単一変数に対する)を表す。表3のデータ要素は、係数と、係数の数ならびに最小および最大有効入力値などのメタデータとを含む。
【0070】
単一変量方程式または一次元方程式の一例は二次方程式であり、これはいくつかのRTDセンサを記述し得る。二次方程式の一例は、下記の式[1]で示される。
【0071】
【数1】
【0072】
別の例示的な単一変量または一次元方程式は、ケルビン度を測定単位として使用する、以下の式[2]によって示されるSteinhart-Hart方程式である。Steinhart-Hart方程式は、いくつかのサーミスタタイプセンサの動作を記述するために使用される。
【0073】
【数2】
【0074】
別の例の単一変量または一次元方程式は、以下の式[3]によって示される対数方程式であり、これはいくつかのサーミスタセンサタイプを説明し得る。
【0075】
【数3】
【0076】
センサデータ構造によって部分的に事前計算され記述され得る他の種類の方程式は、二次元である二変量多項式である。例示的な二次元センサデータ構造は、以下の表4によって示される。
【0077】
【表4】
【0078】
表4の例においては、係数は係数名によって識別される。表の第1のレコードは、表現された多項式の次数を表す。次の4つのレコードは、2つの変数(ここではXとY)の最小範囲と最大範囲を表す。追加のレコードは、多項式の様々な次数に対する定数項と係数を表す。多項式の表現例は、以下の式[4]によって、示される。
【0079】
【数4】
【0080】
いくつかのセンサ方程式は、LUTとしてセンサデータ構造で表される。LUTには、出力変数に対応する1つまたは2つの入力変数がある。入力値がLUT内の入力変数値の間にある場合、出力値は、例えば線形的に、隣接LUT値からランタイムに補間されてもよい。本明細書に記載されているように、LUTは等間隔の値を有していても、有していなくてもよい。形式Y=f(X)の方程式に対する「不等間隔の」一次元LUTの例を以下の表5に示される。
【0081】
【表5】
【0082】
形式Z=f(X、Y)の式に対する2次元の「等間隔ではない」LUTの例を以下の表6に示される。
【0083】
【表6】
【0084】
適切な式では、等間隔のLUTを使用すると実行時処理がさらに簡単になり、メモリ使用量も削減される。以下の表7は、形式Y=f(X)の一次元方程式に対する等間隔LUTの一例を示す。
【0085】
【表7】
【0086】
この例では、Xが初期入力値であり、最小の入力値である。DXは、入力値の増分値またはLUT内のXの値の差である。DXは、以下の式[5]によって示される。
【0087】
【数5】
【0088】
表7のLUTの事前計算中に、プロセッサ回路110は、入力値の増分を超える1であるDXの逆数を見つける。
【0089】
図10は、以下の例のように等間隔のLUTを利用して単一変数(例えば一次元)方程式を評価するために実行時にプロセッサ回路110によって実行され得るプロセスフロー1000の一例を示すフローチャートである。例えば、プロセスフロー1000を利用して評価された方程式は、未加工のセンサ信号の線形化を記述し得る。プロセッサ回路110は、未加工のセンサ信号のサンプルおよび/または以前の処理ステップの出力を表すことができる入力値xで開始してもよい。動作1002において、プロセッサ回路110は、入力値xが対応するLUTの範囲外であるかどうかを判定し、範囲外である場合、動作1004においてエラーを返す。
【0090】
入力xが範囲内である場合、プロセッサ回路110はidxを判定し、idxは、動作1006において入力xに対応するインデックスである。例えば、idxは、入力値の増分に対して正規化された初期入力値Xからのオフセットであり得る。例えば、idxは以下の式[6]で示される。
【0091】
【数6】
【0092】
1/dxは事前処理中に計算されたので、実行時におけるプロセッサ回路の式[6]の評価は乗算を含み、より計算コストが高い除算を除外し得る。動作1008において、プロセッサ回路110は、idxがテーブル入力値(例えば、XプラスDXの整数倍)の閾値内にあるかどうかを判定する。閾値内であれば、プロセッサ回路110は動作1012でテーブル入力値に対応するLUT値を返す。閾値内でなければ、プロセッサ回路110は動作1010でidxに最も近い2つのテーブル入力値に対応するLUT値の間の線形補間を判定する。補間を見つけるための式の例は、以下の式[7]によって示される。
【0093】
【数7】
【0094】
下記の表8は、形式Z=f(X、Y)の二次元方程式に対する等間隔LUTの例を示す。
【0095】
【表8】
【0096】
この例では、Xは、第1の入力Xの初期値である。Yは、第2の入力Yの初期値であり、DXは第1の入力値Xの入力値の増分、DYは第2の入力値の入力値の増分である。DXおよびDYは、それぞれ以下の式[8]および[9]によって示される。
【0097】
【数8】
【0098】
【数9】
【0099】
事前処理中に、プロセッサ回路110は、表7に関して記述したものと同様に、例えばDXとDYの逆数を見つけることができる。
【0100】
図11は、表8の例示的なLUTのような、等間隔のLUTを利用して実行時にプロセッサ回路110によって実行されて2変数(例えば、2次元)方程式を評価し得るプロセスフロー1100の一例を示すフローチャートである。例えば、評価された方程式は、プロセスフロー1100を利用する未加工のセンサ信号の線形化を記述し得る。プロセッサ回路110は入力値XおよびYで開始することができ、これらは未加工のセンサ信号のサンプルまたはセンサからの信号および/または以前の処理ステップの出力を表すことができる。動作1102において、プロセッサ回路110は、入力値xが対応するLUTの範囲内にあるかどうかを判定し、範囲内でない場合、動作1104においてエラーを返す。
【0101】
動作1106において、プロセッサ回路110はidxを判定し、idxは入力値xに対応するインデックスである。例えば、idxは、上記の式[6]に従って見つけられ得る。動作1108において、プロセッサ回路110はidyを判定し、idyは入力値yに対応するインデックスである。例えば、idyは、例えば、方程式[6]にYと1/DYを代入することによって見つけることができる。
【0102】
動作1110において、プロセッサ回路110は、第2の入力Yを第2のインデックスidyにロックしたまま、LUTから第1のX線形補間値を見つける。動作1112で、プロセッサ回路110は、第2の入力Yを第2のインデックスidy+1にロックしたまま、LUTから第2のX線形補間値を判定する。動作1114において、プロセッサ回路110は、第1のX線形補間と第2のX線形補間との間で第2の入力Yに線形補間を返す。動作1114の結果が返されてもよい。
【0103】
[実施例]
いくつかの例の構成では、測定システムは第1のセンサをホストデバイスに連結するためのものである。測定システムはアナログフロントエンド、スイッチマトリックスおよびプロセッサ回路を含む。プロセッサ回路は、第1のセンサに対する測定システムの第1の構成を記述する第1のレジスタマップを受信するように構成されている。プロセッサ回路はまた、アナログフロントエンドを介して、第1のレジスタマップによって記述された第1の構成に従って第1のセンサからの第1の未加工のセンサ信号をサンプリングするようにスイッチマトリックスを構成するように構成される。プロセッサ回路はまた、第1の未加工のセンサ信号を、第1のセンサに対するセンサユニット内の第1のデジタル測定データに変換するように構成される。プロセッサ回路はまた、第1のデジタル測定データをホストデバイスに送信するように構成されている。
【0104】
いくつかの例示的な構成では、プロセッサ回路はまた、第1の未加工のセンサ信号をサンプリングするようにスイッチマトリックスを構成する前に、第1のレジスタマップが矛盾するレジスタマップ構成を表すエラールールセットに合格したと判定するように構成される。
【0105】
いくつかの例示的な構成では、プロセッサ回路はまた、測定システムの接続性が、測定システムに接続されている第1のセンサと一致していると判定するようにも構成される。
【0106】
いくつかの例示的な構成では、プロセッサ回路はまた、第1のセンサに対する測定システムの代替の第1の構成を記述する第2のレジスタマップを受信するように構成されている。プロセッサ回路は、第1のセンサに対する測定システムの第1の構成と第1のセンサに対する測定システムの代替の第1の構成との間の差が、測定システムの少なくとも1つの構成要素の再較正に関連付けられると判定してもよく、測定システムの少なくとも1つの構成要素の再較正を促してもよい。
【0107】
いくつかの例示的な構成では、第1のレジスタマップはまた、第2のセンサに対する測定システムの第2の構成も記述する。プロセッサ回路はまた、第2の構成に従って第2のセンサからの第1の未加工のセンサ信号を、アナログフロントエンドを介してサンプリングするようにスイッチマトリックスを構成するように構成されてもよい。プロセッサ回路はまた、第2のセンサからの第1の未加工のセンサ信号を、第2のセンサに対するセンサユニット内の第2のデジタル測定データに変換して、第2のデジタル測定データをホストデバイスに送信するように構成されてもよい。
【0108】
いくつかの例示的な構成では、第1のレジスタマップはまた、第1のセンサに対する測定頻度および第2のセンサに対する測定頻度を記述する。プロセッサ回路は、第1のセンサおよび第2のセンサに対する測定シーケンスを判定するように構成されてもよい。
【0109】
いくつかの例示的な構成では、ホストデバイスは、第1のレジスタマップを生成するために第1の構成ファイルをコンパイルし、第2のレジスタマップを生成するために第2の構成ファイルをコンパイルするように構成され、ホストデバイスで実行されるホストアプリケーションに少なくとも部分的に基づいて、第1のレジスタマップまたは第2のレジスタマップを測定システムに選択的に送信するように構成される。
【0110】
いくつかの例示的な構成では、第1のレジスタマップはまた、第2のセンサに対する測定システムの第2の構成も記述する。プロセッサ回路はまた、第1の未加工のセンサ信号を第1のデジタル測定データに変換するための第1の方程式を記述する第1のセンサデータ構造を生成するように構成されてもよい。プロセッサ回路はまた、メモリデバイスのセンサデータスタックにおいて第1のセンサデータ構造をメモリアドレスの第1のセットに割り当てることができる。プロセッサ回路はまた、第2のセンサからの第2の未加工のセンサ信号を第2のデジタル測定データに変換するための第2の方程式を記述する第2のセンサデータ構造を生成し、第2のセンサデータ構造をセンサデータスタックにおける第2のメモリアドレスセットに割り当てることができる。第1のメモリアドレスセットは、第2のメモリアドレスセットも多くのメモリアドレスを含み得る。
【0111】
いくつかの例示的な構成では、プロセッサ回路はまた、第1のセンサデータ構造の第1の値が修正第1の値に変更し、修正第1の値を第1の値に関連付けられた少なくとも1つのメモリアドレスに上書きすることを判定するように構成される。
【0112】
実施例1は、センサ管理システムであって、遠隔サーバから第1のセンサとインターフェースするための測定システムの第1の構成を記述する構成データを受信することと、測定システム構成データに少なくとも部分的に基づいて第1のレジスタマップを生成することと、第1のレジスタマップを測定システムに送信することと、を含む動作を実行するように構成されたホストデバイスプロセッサ回路を備えたホストデバイスを備える。
【0113】
実施例2において、実施例1の主題は、測定システム構成データが対人可読構文で測定システムの第1の構成を記述する第1の形式の構成データと、コンピュータ可読構文で測定システムの第1の構成を記述する第2の形式の構成データを必要に応じて含む。
【0114】
実施例3では、実施例1~2のうちのいずれか1つ以上の主題は、リモートサーバを必要に応じて含み、リモートサーバは、ユーザから測定される物理的特性の指示を受信することと、測定される物理的特性の指示に基づいて第1のセンサを選択することと、測定システム構成データは、第1のセンサおよび測定される物理的性質に少なくとも部分的に基づいて生成することを含む動作を実行するように構成される。
【0115】
実施例4では、実施例1~3のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のレジスタマップがエラールールセットに合格したと判定することを含む動作を実行するように測定システムがさらに構成されることを必要に応じて含む。
【0116】
実施例5では、実施例1~4のうちのいずれか1つ以上の主題は、測定システムが、第1のレジスタマップの第1のビット値が第1のセンサと矛盾すると判定することと、第1のビット値を考慮せずに、第1のレジスタマップから測定システムの第1の構成を導出することを含む動作を実行するようにさらに構成されていることを必要に応じて含む。
【0117】
実施例6では、実施例1~5のうちのいずれか1つ以上の主題は、測定システムが、第1のレジスタマップが少なくとも1つのエラールールに不合格であると判定することと、スイッチマトリックスを構成する前に、ユーザーオーバーライドコードを受信することを含む動作を実行するようにさらに構成されていることを必要に応じて含む。
【0118】
実施例7では、実施例1~6のうちのいずれか1つ以上の主題は、測定システムの接続性が、測定システムに接続されている第1のセンサと一致すると判定することを含む動作を実行するようにさらに構成されることを必要に応じて含む。
【0119】
実施例8では、実施例1~7のうちのいずれか1つ以上の主題は、測定システムが、第1のセンサに対する測定システムの代替の第1の構成を記述する第2のレジスタマップを受信することと、第1のセンサに対する測定システムの第1の構成と第1のセンサに対する測定システムの代替の第1の構成との間の差が、測定システムの少なくとも1つの構成要素の再較正に関連付けられると判定することと、測定システムの少なくとも1つの構成要素の再較正を促すことを含む動作を実行するようにさらに構成されることを必要に応じて含む。
【0120】
実施例9では、実施例1~8のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のレジスタマップが第2のセンサに対する測定システムの第2の構成も記述することと、およびADCは第2の構成に従って第2のセンサからの第2の未加工のセンサ信号をサンプリングして測定システムが第2のセンサを接続するようにスイッチマトリックスを構成することと、第2の未加工のセンサ信号に少なくとも部分的に基づいて第2のデジタル測定データを生成することと、第2のデジタル測定データをホストデバイスに送信することを含む動作を実行するようにさらに構成されることを必要に応じて含む。
【0121】
実施例10では、実施例1~9のうちのいずれか1つ以上の主題は、ホストデバイスを必要に応じて備え、ホストデバイスは、第1の構成ファイルをコンパイルして第1のレジスタマップを生成することと、第2の構成ファイルをコンパイルして第2のレジスタマップを生成することと、ホストデバイスで実行されるホストアプリケーションからのホストアプリケーション命令に少なくとも部分的に基づいて第1のレジスタマップまたは第2のレジスタマップを測定システムに選択的に送信することを含む動作を実行するように構成される。
【0122】
実施例11は、センサを管理するための方法であり、ホストデバイスから、測定システムの第1の構成を記述する第1のレジスタマップを受信することと、第1の構成は第1のセンサに関連付けられており、第1のレジスタマップを、矛盾するレジスタマップ構成を表すエラールールセットと比較することと、第1のレジスタマップをエラールールセットと比較した後、測定システムの第1の構成に従って第1のセンサをサンプリングするように測定システムのスイッチマトリックスを構成することと、第1のセンサから複数のサンプルを受信することと、複数のサンプルに少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成することを含む。
【0123】
実施例12において、実施例11の主題は、第1のレジスタマップがエラールールセットに合格したと判定することを必要に応じて含む。
【0124】
実施例13では、実施例11~12のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のレジスタマップの第1のビット値が第1のセンサと矛盾すると判定することと、および第1のビット値を考慮せずに、第1のレジスタマップから測定システムの第1の構成を導出することを必要に応じて含む。
【0125】
実施例14では、実施例11~13のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のレジスタマップが少なくとも1つのエラールールに不合格だったと判定することと、かつスイッチマトリックスを構成する前に、ユーザーオーバーライドコードを受信することを必要に応じて含む。
【0126】
実施例15では、実施例11~14のうちのいずれか1つ以上の主題は、測定システムの接続性が、測定システムに接続されている第1のセンサと一致していると判定することを必要に応じて含む。
【0127】
実施例16では、実施例11~15のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のデジタル測定データが第1のセンサからの第1の複数のサンプルを含むことを必要に応じて含み、測定システムのプロセッサ回路を用いて、高速フーリエ変換(FFT)を生成するためのウィンドウ係数のセットを生成することと、プロセッサ回路に関連付けられたメモリにおいてウィンドウ係数のバッファにウィンドウ係数のセットを書き込むことと、第1の複数のサンプルをメモリの未加工のバッファに書き込むことと、第1の複数のサンプルを事前処理して事前処理済みサンプルセットを生成することと、事前処理済みサンプルセットを未加工のバッファに書き込むことと、事前処理済みサンプルに少なくとも部分的に基づいて第1のFFTサンプルセットを判定することと、および第1のFFTサンプルセットをメモリの第1の出力バッファに書き込むことと、第1の出力バッファから第1のFFTサンプルセットを読み取ることと、第1の出力バッファから第1のFFTサンプルセットを読み取りながら、第1のセンサからの第2の複数のサンプルに少なくとも部分的に基づいて第2のFFTサンプルセットをメモリの第2の出力バッファに書き込むことをさらに含む。
【0128】
実施例17では、実施例11~16のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のレジスタマップが、第2のセンサに対する測定システムの第2の構成も記述することを必要に応じて含み、測定システムのプロセッサ回路を用いて第1の未加工のセンサ信号を第1のデジタル測定データに変換するための第1の方程式を記述する第1のセンサデータ構造を生成することと、プロセッサ回路に関連付けられたメモリのセンサデータスタックにおいて、第1のセンサデータ構造を第1のメモリアドレスセットに割り当てることと、第2のセンサからの第2の未加工のセンサ信号を第2のデジタル測定データに変換するための第2の方程式を記述する第2のセンサデータ構造を生成することと、第1のメモリアドレスセットは、第2のメモリアドレスセットよりも多くのメモリアドレスを含み第2のセンサデータ構造をセンサデータスタックの第2のメモリアドレスセットに割り当てることをさらに含む。
【0129】
実施例18において、実施例17の主題は、プロセッサ回路がまた、第1のセンサデータ構造の第1の値が修正された第1の値に変更されるべきであると判定し、および修正された第1の値を、第1の値に関連付けられた少なくとも1つのメモリアドレスに上書きすることを含む動作を実行するように構成されることを必要に応じて含む。
【0130】
実施例19は、センサを管理するためのシステムであり、ホストシステムから、測定システムの第1の構成を記述する第1のレジスタマップを受信するための手段と、第1のレジスタマップを、矛盾するレジスタマップ構成を表すエラールールセットと比較するための手段と、第1のレジスタマップをエラールールセットと比較した後、測定システムの第1の構成に従って第1のセンサをサンプリングするように測定システムのスイッチマトリックスを構成するための手段と、第1のセンサから複数のサンプルを受信するための手段と、複数のサンプルに少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成するための手段を備える。
【0131】
実施例20では、実施例19の主題は、第1のレジスタマップの第1のビット値が第1のセンサと矛盾すると判定するための手段と、および第1のビット値を考慮せずに、第1のレジスタマップから測定システムの第1の構成を導出するための手段とを必要に応じて備える。
【0132】
実施例21は、第1のセンサをホストデバイスに連結するための測定システムであり、測定システムは、励起回路と、スイッチマトリックスと、アナログ-デジタル変換器(ADC)とを備えており、プロセッサ回路が、第1のセンサに対する測定システムの第1の構成を記述し、第1の構成は第1のセンサに対する第1の測定頻度を示し、第1のレジスタマップをホストデバイスから受信することと、ADCは、第1の構成によって記述された第1の測定頻度で第1のセンサからの第1の未加工のセンサ信号をサンプリングし、ADCを第1のセンサに接続するようにスイッチマトリックスを構成することと、励起回路によって生成された第1の励起信号を第1のセンサに提供するようにスイッチマトリックスを構成することと、第1の未加工のセンサ信号に少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成することと、第1のデジタル測定データをホストデバイスに送信することを含む動作を実行するように構成されている。
【0133】
実施例22では、実施例21の主題は、第1のレジスタマップがまた第2のセンサに対する第2の測定頻度を記述すること、およびプロセッサ回路は第1の測定頻度および第2の測定頻度に少なくとも部分的に基づいて第1のセンサおよび第2のセンサに対する測定シーケンスを判定することを含む動作を実行するようにさらに構成されることを必要に応じて含む。
【0134】
実施例23では、実施例22の主題は、プロセッサ回路が、第1のデジタル測定データに少なくとも部分的に基づいて第1のセンサおよび第2のセンサに対する修正された測定シーケンスを生成することを含む動作を実行するようにさらに構成されることを必要に応じて含む。
【0135】
実施例24では、実施例22~23のうちのいずれか1つ以上の主題は、プロセッサ回路が、第1のデジタル測定データが第1の条件と一致していると判定することと、少なくとも部分的に第1の条件に基づいて第1のセンサに対する修正された測定頻度を判定することと、第1のセンサに対する修正された測定頻度に少なくとも部分的に基づいて、第2のセンサに対する修正された測定シーケンスを判定することを含む動作を実行するようにさらに構成されていることを必要に応じて含む。
【0136】
実施例25では、実施例22~24のうちのいずれか1つ以上の主題は、プロセッサ回路が、第1のセンサおよび第2のセンサは第1の測定サイクルでサンプリングされる測定シーケンスの第1の測定サイクルを判定することと、第1のセンサは第1の測定サイクルでサンプリングされ、および第1のセンサは第2の測定サイクルではサンプリングされない測定シーケンスの第2の測定サイクルを判定することを含む動作を実行するようにさらに構成されていることを必要に応じて含む。
【0137】
実施例26では、実施例21~25のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のレジスタマップはまた、第2のセンサに対する測定システムの第2の構成を記述し、およびプロセッサ回路が、ADCは、第2の構成に従って第2のセンサからの第2の未加工のセンサ信号をサンプリングし、ADCを第2のセンサに接続するようにスイッチマトリックスを構成することと、第2の未加工のセンサ信号に少なくとも部分的に基づいて第2のデジタル測定データを生成することと、第2のデジタル測定データをホストデバイスに送信することを含む動作を実行するようにさらに構成されていることを必要に応じて含む。
【0138】
実施例27では、実施例21~26のうちのいずれか1つ以上の主題は、プロセッサ回路が、第1のデジタル測定データを第1のセンサからサンプリングされた以前のデジタル測定データと比較することと、および第1のデジタル測定データに関連付けられた第1のADC署名が、以前のデジタル測定データに関連付けられた以前のADC署名とは異なると判定することを含む動作を実行するようにさらに構成されていることを必要に応じて含む。
【0139】
実施例28では、実施例21~27のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1デジタル測定データは、第1センサからの第1の複数のサンプルを備えており、プロセッサ回路は、高速フーリエ変換(FFT)を生成するためのウィンドウイング係数のセットを生成することと、プロセッサ回路に関連付けられたメモリにおいてウィンドウ係数のバッファにウィンドウ係数のセットを書き込むことと、第1の複数のサンプルをメモリの未加工のバッファに書き込むことと、第1の複数のサンプルを事前処理して事前処理済みサンプルセットを生成することと、事前処理済みサンプルセットを未加工のバッファに書き込むことと、事前処理済みサンプルに少なくとも部分的に基づいて第1のFFTサンプルセットを判定することと、第1のFFTサンプルセットをメモリの第1の出力バッファに書き込むことと、第1の出力バッファから第1のFFTサンプルセットを読み取ることと、第1のFFTサンプルセットを第1の出力バッファから読み取りながら、第1のセンサからの第2の複数のサンプルに少なくとも部分的に基づいて第2のFFTサンプルセットをメモリの第2の出力バッファに書き込むことを含む動作を実行するようにさらに構成されていることを必要に応じて含む。
【0140】
実施例29では、実施例21~28のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のレジスタマップはまた、第2の測定システムの第2の構成を記述し、プロセッサ回路はまた、第1の未加工のセンサ信号を第1のデジタル測定データに変換するための第1の方程式を記述する第1のセンサデータ構造を生成し、プロセッサ回路に関連付けられたメモリのセンサデータスタックにおいて、第1のセンサデータ構造を第1のメモリアドレスセットに割り当てることと、第2のセンサからの第2の未加工のセンサ信号を第2のデジタル測定データに変換するための第2の方程式を記述する第2のセンサデータ構造を生成し、第1のメモリアドレスセットは、第2のメモリアドレスセットよりも多くのメモリアドレスを含んでおり第2のセンサデータ構造をセンサデータスタックの第2のメモリアドレスセットに割り当てることを含む動作を実行するように構成されていることを必要に応じて含む。
【0141】
実施例30では、実施例9~29のうちのいずれか1つ以上の主題は、プロセッサ回路はまた、第1のセンサデータ構造の第1の値が修正された第1の値に変更されるべきであると判定することと、および修正された第1の値を、第1の値に関連付けられた少なくとも1つのメモリアドレスに上書きすることを含む動作を実行するように構成されていることを必要に応じて含む。
【0142】
実施例31は、測定システムを用いて第1のセンサをホストデバイスに連結するための方法であり、測定システムによって、およびホストデバイスから、第1のセンサに対する測定システムの第1の構成を記述し、第1の構成は第1のセンサに対する第1の測定頻度を示し、第1のレジスタマップを受信することと、第1のセンサに第1の励起信号を提供するように測定システムのスイッチマトリックスを構成することと、測定システムのアナログデジタル変換器(ADC)を第1のセンサに接続するようにスイッチマトリックスを構成することと、第1の構成によって記述された第1の測定頻度で、ADCを用いて第1のセンサからの第1の未加工のセンサ信号をサンプリングし、測定システムによって、第1の未加工のセンサ信号に少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成することと、第1のデジタル測定データをホストデバイスに送信することを含む。
【0143】
実施例32では、実施例31の主題は、第1のレジスタマップがまた、第2のセンサに対する第2の測定頻度を記述することを必要に応じて含み、第1の測定頻度および第2の測定頻度に少なくとも部分的に基づいて第1のセンサおよび第2のセンサに対する測定シーケンスを判定することをさらに含む。
【0144】
実施例33では、実施例32の主題は、第1のデジタル測定データに少なくとも部分的に基づいて、第1のセンサおよび第2のセンサに対する修正された測定シーケンスを生成することを必要に応じて含む。
【0145】
実施例34では、実施例32~33のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のデジタル測定データが第1の条件と一致していると判定することと、少なくとも部分的に第1の条件に基づいて第1のセンサに対する修正された測定頻度を判定することと、第1のセンサに対する修正された測定頻度に少なくとも部分的に基づいて、第2のセンサに対する修正された測定シーケンスを判定することを必要に応じて含む。
【0146】
実施例35では、実施例32~34のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のセンサおよび第2のセンサは第1の測定サイクルでサンプリングされる測定シーケンスの第1の測定サイクルを判定することと、および第1のセンサは第1の測定サイクルでサンプリングされ、第1のセンサは第2の測定サイクルではサンプリングされない測定シーケンスの第2の測定サイクルを判定することを必要に応じて含む。
【0147】
実施例36は、測定システムを用いて第1のセンサをホストデバイスに連結するためのシステムであり、第1のセンサに対する測定システムの第1の構成を記述し、第1のセンサに対する第1の測定頻度を表す、第1のレジスタマップをホストデバイスから受信するための手段と、測定システムのスイッチマトリックスを構成して第1の励起信号を第1のセンサに提供するための手段と、測定システムのアナログデジタル変換器(ADC)を第1のセンサに接続するようにスイッチマトリックスを構成するための手段と、第1の構成によって記述された第1の測定頻度で、ADCを用いて第1のセンサからの第1の未加工のセンサ信号をサンプリングする手段と、第1の未加工のセンサ信号に少なくとも部分的に基づいて第1のデジタル測定データを生成するための手段と、第1のデジタル測定データをホストデバイスに送信するための手段とを備える
【0148】
実施例37において、実施例36の主題は、第1のレジスタマップがまた第2のセンサに対する第2の測定頻度を記述することを必要に応じて含み、および第1の測定頻度と第2の測定頻度に少なくとも部分的に基づいて、第1のセンサおよび第2のセンサに対する測定シーケンスを判定するための手段をさらに備える。
【0149】
実施例38において、実施例37の主題は、第1のデジタル測定データに少なくとも部分的に基づいて、第1のセンサおよび第2のセンサに対する修正された測定シーケンスを生成するための手段を必要に応じて備える。
【0150】
実施例39では、実施例37~38のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のデジタル測定データが第1の条件と一致していることを判定するための手段と、少なくとも部分的に第1の条件に基づいて第1のセンサに対する修正された測定頻度を判定するための手段と、第1のセンサに対する修正された測定頻度に少なくとも部分的に基づいて第2のセンサに対する修正された測定シーケンスを判定するための手段とを必要に応じて備える。
【0151】
実施例40では、実施例37~39のうちのいずれか1つ以上の主題は、第1のセンサおよび第2のセンサは第1の測定サイクルにおいてサンプリングされる測定シーケンスの第1の測定サイクルを判定するための手段と、および第1のセンサは第1の測定サイクルでサンプリングされ、第1のセンサは第2の測定サイクルではサンプリングされない測定シーケンスの第2の測定サイクルを判定する手段とを必要に応じて備える。
【0152】
図12は、本明細書で論じられる方法のうちのいずれか1つの例を機械に実行させるために、命令のセットまたはシーケンスを実行し得るコンピューティングデバイスハードウェアアーキテクチャ1200を図示するブロック図である。アーキテクチャ1200は、例えば、本明細書に記載の任意のコンピューティングデバイスを説明し得る。アーキテクチャ1200は、独立型デバイスとして動作してもよく、または他の機械に接続されてもよい(例えば、ネットワーク接続されてもよい)。ネットワーク配置では、アーキテクチャ1200は、サーバクライアントネットワーク環境におけるサーバまたはクライアントマシンのいずれかの能力で動作することができ、あるいはピアツーピア(または分散型)ネットワーク環境ではピアマシンとして機能し得る。アーキテクチャ1200は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、ハイブリッドタブレット、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、またはそのマシンで実行される動作を特定する命令(順次またはその他)を実行できる任意のマシンに実装が可能である。
【0153】
例示的なアーキテクチャ1200は、少なくとも1つのプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、またはその両方、プロセッサコア、計算ノードなど)を備えるプロセッサユニット1202を含む。アーキテクチャ1200は、リンク1208(例えばバス)を介して互いに通信するメインメモリ1204およびスタティックメモリ1206をさらに含み得る。アーキテクチャ1200は、ビデオ表示ユニット1210、英数字入力デバイス1212(例えばキーボード)、およびUIナビゲーションデバイス1214(例えばマウス)をさらに含み得る。いくつかの例では、ビデオ表示ユニット1210、英数字入力デバイス1212、およびUIナビゲーションデバイス1214はタッチスクリーンディスプレイに組み込まれている。アーキテクチャ1200は、記憶デバイス1216(例えば、駆動ユニット)、信号生成デバイス1218(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス1220、GPSセンサ、コンパス、加速度計、その他のセンサなどの1つ以上のセンサ(図示せず)をさらに含み得る。
【0154】
いくつかの例では、プロセッサユニット1202または他の適切なハードウェア構成要素はハードウェア割り込みをサポートし得る。ハードウェア割り込みに応答して、プロセッサユニット1202は、例えば、本明細書で説明されるように、その処理を一時停止してISRを実行してもよい。
【0155】
記憶デバイス1216は、本明細書で説明される方法または機能のうちの任意の1つ以上によって具現化または利用される1組または複数組のデータ構造および命令1224(例えばソフトウェア)が記憶される機械可読媒体1222を含む。命令1224は、メインメモリ1204、スタティックメモリ1206、およびプロセッサユニット1202も機械可読媒体を構成しながら、アーキテクチャ1200によるその実行中に、メインメモリ1204内、スタティックメモリ1206内、および/またはプロセッサユニット1202内に、完全にまたは少なくとも部分的に存在することもできる。機械可読媒体1222に記憶された命令1224は、例えば、ソフトウェアアーキテクチャ1200を実施するための命令、本明細書に記載されている機能のうちのいずれかを実行するための命令などを含み得る。
【0156】
機械可読媒体1222は、一例として単一の媒体として図示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つ以上の命令1224を記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連付けられたキャッシュおよびサーバ)を含み得る。「機械可読媒体」という用語はまた、機械による実行のための命令を記憶、符号化、または搬送可能であり、本開示の方法のうちの任意の1つ以上を機械に実行させる、またそのような命令によって利用されるか、またはそれに関連するデータ構造を記憶、符号化、または搬送可能な任意の有形の媒体を含むと解釈される。したがって、「機械可読媒体」という用語は、それだけに限らないが、固体メモリ、ならびに光および磁気媒体を含むと解釈されるべきである。機械可読媒体の具体例には、それだけに限定されないが、例として、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMならびにDVD-ROMディスク、を含む。
【0157】
命令1224はさらに、いくつかの周知の伝送プロトコル(例えば、ハイパーテキスト伝送プロトコル(HTTP))のうちのいずれか1つを利用するネットワークインターフェースデバイス1220を介して伝送媒体を使用して通信ネットワーク1226を介して送信または受信され得る。通信ネットワークの例には、LAN、WAN、インターネット、携帯電話ネットワーク、単純従来型電話(POTS)ネットワーク、および無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi、3G、および5G LTE/LTE-AまたはWiMAXネットワーク)が含まれる。「伝送媒体」という用語は、機械によって実行されるための命令を記憶、符号化、または搬送可能な任意の無形の媒体を含むと理解されるべきであり、かつ、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタルまたはアナログ通信信号または他の無形媒体を含む。
【0158】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示として、本発明を実践し得る特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、示され、または記述されたものに加えて要素を含み得る。しかしながら、本発明者らはまた、示され、または記載されるそれらの要素のみが提供される複数の例をも意図する。さらに、本発明者はまた、本明細書において示され、または記載される、特定の例(または、その1つ以上の態様)に関して、または、複数の他の例(または、それらの1つ以上の態様)に関して、示され、または記載される要素の任意の組み合わせまたは置換(または、その1つ以上の態様)を用いる複数の例を意図する。
【0159】
本明細書と参照により本文に組み込まれるあらゆる文献との間で矛盾した用法がある場合には、本明細書における用法が有効となる。本明細書において、特許明細書においては共通なように、「1つの(a)または(an)」という用語が用いられて、「少なくとも1つ」または「1または複数」のあらゆる他の例または使用とは独立した、1または1より多い、を含む。別段の指示がない限り、本明細書において、「または」という用語は、非排他的であることを指すべく、または、「AまたはB」が、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および、「AおよびB」を含むように用いられる。本明細書において、「含む(including)」および「ここで(in which)」という用語は、「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」の各用語の平素な英語による等価物として用いられる。また、以下の特許請求の範囲においては、「含む(including)」および「備える(comprising)」という用語は無制限なものである。つまり、請求項においてそのような用語の後に挙げられるものに加えて複数の要素を含むシステム、デバイス、物品、構成物、形成物、またはプロセスは、依然としてその請求項の範囲内に含まれるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、および「第3」等の用語は、単にラベルとして用いられて、それらの対象物に数的な要件を課すことは意図されない。
【0160】
「平行」、「垂直」、「円形」、または「正方形」などの幾何学的用語は、文脈がそうでないと示さない限り、絶対的な数学的精度を必要とすることを意図しない。代わりに、そのような幾何学的用語は製造または同等の機能による変動を許容する。例えば、要素が「円形」または「ほぼ円形」として記述されている場合、正確に円形ではない構成要素(例えば、わずかに長円形または多面多角形であるもの)は、依然としてこの説明に含まれる。
【0161】
「回路」という用語は、専用ハードウェア回路、汎用マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、または他のプロセッサ回路を含むことができ、ファームウェアまたはソフトウェアを使用するなどして、汎用回路から特殊回路に構造的に構成し得る。
【0162】
本明細書で論じられている任意の1つ以上の技法(例えば、方法)は、機械上で実行され得る。様々な実施形態において、機械は独立型デバイスとして動作してもよく、または他の機械に接続されてもよい(例えばネットワーク接続されてもよい)。ネットワーク配置では、サーバ-クライアントネットワーク環境では、マシンはサーバマシン、クライアントマシン、またはその両方の容量で動作することがある。一例では、機械は、ピアツーピア(P2P)(または他の分散型)ネットワーク環境においてピアマシンとして機能し得る。機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、またはそのマシンによって実行されるアクションを特定する命令(順次またはその他)を実行できる任意のマシンであり得る。さらに、単一の機械のみが図示されているが、「機械」という用語は、本明細書で論じる方法のうちの任意の1つ以上を実行するために、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、その他のコンピュータクラスタ構成などの1セットの(または複数セットの)命令を個別にまたは共に実行する機械の任意の集合体を含むと理解されるべきである。
【0163】
本明細書で説明されるように、例は、ロジック、またはいくつかの構成要素、またはメカニズムを含むか、またはそれらによって動作し得る。回路セットは、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジックなど)を含む有形のエンティティに実装された回路の集合体である。回路セットのメンバシップは、時間経過に柔軟性があり、基盤となるハードウェアの変動性もある。回路セットは、単独でまたは組み合わせて、動作時に特定の動作を実行し得るメンバを含む。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作を実行するように不変に設計されていてもよい(例えばハードワイヤード)。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するように物理的に修正された(例えば、磁気的、電気的、不変質量粒子の可動配置など)コンピュータ可読媒体を含む、様々に接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含み得る。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成要素の基盤的な電気的特性が、例えば絶縁体から導体へ、またはその逆に変化する。命令は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディングメカニズム)が、動作中に特定の動作の一部を実行するために可変接続を介してハードウェア内に回路セットのメンバを作成することを可能にし得る。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているときに回路セット部材の他の構成要素に通信可能に連結される。一例では、物理的構成要素のうちのいずれかを、複数の回路セットのうちの複数の構成要素において使用し得る。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点で第1の回路セットの第1の回路で使用され、第1の回路セット内の第2の回路、あるいは、異なる時間に設定された第2の回路内の第3の回路によって再利用されてもよい。
【0164】
本明細書に記載のシステムおよび方法の特定の実装形態は、ハードウェアプロセッサ(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ、およびスタティックメモリを含むことができ、それらのいくつかまたは全てが相互リンク(例えば、バス)を介して互いに通信し得る機械の使用(例えば、コンピュータシステム)を伴い得る。機械は、ディスプレイユニット、英数字入力デバイス(例えばキーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス(例えばマウス)をさらに含み得る。一例では、表示ユニット、入力デバイスおよびUIナビゲーションデバイスはタッチスクリーンディスプレイとし得る。機械は、記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)、信号生成デバイス(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス、および全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または他のセンサなどの1つ以上のセンサをさらに含み得る。機械は、1つ以上の周辺機器(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信または制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、パラレル、または他の有線または無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)など)接続の出力コントローラを含んでもよい。
【0165】
記憶デバイスは、本明細書に記載された技術や機能のうちのいずれか1つ以上によって、1つ以上のデータ構造セットまたは命令セット(例えばソフトウェア)を具現化または利用する機械可読媒体を含み得る。命令は、機械によってその実行中に完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ内に、スタティックメモリ内、またはハードウェアプロセッサ内で、存在してもよい。一例では、ハードウェアプロセッサ、メインメモリ、スタティックメモリ、または記憶デバイスのうちの1つまたは任意の組み合わせが機械可読媒体を構成し得る。
【0166】
機械可読媒体は単一の媒体を含み得るが、用語「機械可読媒体」は、1つ以上の命令を記憶するように構成された単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型データベース、および/または関連付けられるキャッシュおよびサーバ)を含み得る。
【0167】
「機械可読媒体」という用語は、機械によって実行されるための命令を記憶、符号化、または搬送可能であるか、機械に本開示の技術の任意の1つ以上を実行させるか、または、そのような命令によって用いられる、もしくはそのような命令に関連付けられるデータ構造を記憶、符号化、または搬送可能である、任意の媒体を含み得る。非限定的な機械可読媒体の例は、ソリッドステートメモリと、光および磁気媒体とを含み得る。一例では、大容量機械可読媒体は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体を含む。したがって、大容量機械可読媒体は一時的に伝搬する信号ではない。機械式可読媒体の特定の例には、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMならびにDVD-ROMディスク、を含み得る。
【0168】
命令はさらに、いくつかの伝送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト伝送プロトコル(HTTP)など)のうちの任意の1つを利用するネットワークインターフェースデバイスを介し、伝送媒体を使用して通信ネットワークを介して送信または受信し得る。例示的な通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えばインターネット)、携帯電話ネットワーク(例えばセルラーネットワーク)、単純従来型電話(POTS)ネットワーク、および、無線データネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として既知の複数の規格の電気電子学会(IEEE)802.11ファミリー、WiMax(登録商標)として既知の複数の規格のIEEE802.16ファミリー)、複数の規格のIEEE802.15.4ファミリー、ピアツーピア(P2P)ネットワークをとりわけ含み得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイスは、通信ネットワークに接続するための1つ以上の物理的ジャック(例えば、イーサネット(登録商標)、同軸ジャック、または電話ジャック)または1つ以上のアンテナを含み得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイスは、複数のアンテナを含み、一入力複数出力(SIMO)技術、多入力多出力(MIMO)技術、または多入力一出力(MISO)技術のうちの少なくとも1つを用いて無線通信し得る。「伝送媒体」という用語は、機械によって実行されるための命令を記憶、符号化、または搬送可能な任意の無形の媒体を含むと理解されるべきであり、かつ、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタルまたはアナログ通信信号または他の無形媒体を含む。
【0169】
本明細書に記載の方法の例は、少なくとも部分的に機械またはコンピュータで実施し得る。いくつかの例は、電子デバイスを、上記複数の例において記載されたような方法を実行するよう構成すべく動作可能な命令でエンコードされるコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含み得る。そのような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コードなどのコードを含み得る。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含み得る。コードはコンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。さらに、一例では、コードは、実行時または他の時点などにおいて、1つ以上の揮発性で非一時的な、または不揮発性で有形のコンピュータ可読媒体に実体的に記憶され得る。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、ハードディスク、取り外し可能磁気ディスク、取り外し可能光ディスク(コンパクトディスクやデジタルビデオディスクなど)、磁気カセット、メモリカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および同等なものを含み得るが、これらに限定されない。
【0170】
上記の説明は、例示的であることを意図するものであって、限定的であることは意図しない。例えば、上述の例(またはその1つ以上の態様)は互いに組み合わせて使用し得る。他の実施形態が、例えば、上記の説明を検討して当業者によって用いられ得る。要約は、読者が技術的開示の本質を直ちに確認できるように、米国特許法施行規則第1.72条第(b)項に従って提供される。それは、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈する、または限定するためには用いられないという理解の下で提出される。また、上記の発明を実施するための形態において、様々な特徴は共にグループ化されて、開示を簡素化し得る。これは、未請求の開示された特徴がいずれの請求項においても不可欠であるということを意図すると解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ないところにあってよい。したがって、以下の特許請求の範囲はこれにより、各請求項が別個の実施形態としてそれ自身で成立しつつ、例または実施形態として詳細な説明に組み込まれ、そのような実施形態は様々な組み合わせまたは置換で互いに組み合わされ得る。本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0171】
102 測定システム
104 ホストデバイス
108 通信回路
110 プロセッサ回路
112 変換器
114 励起回路
116 スイッチマトリックス
118A、118B、118N センサ
130 周囲環境
132 ホストアプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12