(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】タッチレスゲートシステム、通信装置、およびタッチレスゲートの認証方法
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20220301BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20220301BHJP
H04B 1/59 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
G07B15/00 L
G06K7/10 264
H04B1/59
(21)【出願番号】P 2019032587
(22)【出願日】2019-02-26
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】森脇 和也
(72)【発明者】
【氏名】柴山 昌也
(72)【発明者】
【氏名】末柄 恭宏
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-196686(JP,A)
【文献】特開2017-050000(JP,A)
【文献】実開平07-041664(JP,U)
【文献】特開2018-025877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00-15/06
G06K 7/10
H04B 1/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能なゲートと、
予め定められた第1領域にビーム識別情報を含む
所定の通信規格で設定された周波数ビームを照射するビーム照射装置と、
ユーザが所持する通信端末と通信する通信装置と
を備え、
前記通信装置は、
前記第1領域に照射された前記周波数ビームを受信した前記通信端末から、前記周波数ビームに含まれているビーム識別情報と、前記通信端末に記憶された
前記通信端末に固有の情報及び前記ゲートの通行を許可するか否かの情報を含む端末情報
とを受信する情報受信部と、
前記端末情報
が前記ゲートの先への通行を許可する情報を含むことに基づいて前記ユーザを認証する第1認証部と、
前記ユーザの認証結果を
前記所定の通信規格に対応する周波数ビームを用いて前記通信端末に通知する通知部と、
前記ユーザの認証結果に応じて前記ゲートの開閉を制御するゲート制御部と
を有する、
タッチレスゲートシステム。
【請求項2】
前記ゲートは、前記ユーザが提示する被認証アイテムに含まれている被認証情報を取得する情報取得部を有し、
前記通信装置は、前記被認証情報に基づいて前記ユーザを認証する第2認証部を更に備え、
前記ゲート制御部は、前記第1認証部および前記第2認証部の認証結果に基づき、前記ゲートの開閉を制御する、
請求項1に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項3】
前記ユーザの認証結果を表示する第1表示装置を更に備え、
前記ゲート制御部は、前記ユーザの認証結果を前記第1表示装置に送信する、
請求項2に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項4】
前記第2認証部の認証結果を表示する第2表示装置を更に備え、
前記ゲート制御部は、前記第2認証部の認証結果を前記第2表示装置に送信する、
請求項3に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項5】
前記第2表示装置は、前記第1表示装置よりも前記ゲートの出口に近い位置に設けられている、請求項4に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記ゲートの入口および出口の間に設けられており、
前記ビーム照射装置は、前記情報取得部よりも前記ゲートの入口に近い領域を含む前記第1領域に前記周波数ビームを照射する、
請求項2から5のいずれか一項に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項7】
前記第2認証部は、前記ユーザの認証結果を前記第1認証部に送信し、
前記第1認証部は、
前記ユーザの通行を許可する認証をしていない場合、前記第2認証部から受け取った前記ユーザの認証結果を前記ゲート制御部に送信し、
既に前記ユーザの通行を許可する認証をしている場合、前記第2認証部から受け取った前記ユーザの認証結果を破棄する、
請求項2から6のいずれか一項に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項8】
前記第1認証部は、前記ユーザの通行を許可する認証結果を前記ゲート制御部に送信した場合、前記第2認証部に前記ユーザの認証を完了したことを通知し、
前記第2認証部は、前記ユーザの認証完了の通知を受け取ったことに応じて、前記ユーザの認証結果の前記第1認証部への供給を停止する、
請求項2から7のいずれか一項に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項9】
前記ゲート制御部は、前記第1認証部による前記ユーザの認証結果に応じて前記ゲートを開放した場合、前記第2認証部に前記ゲートを開放したことを通知し、
前記第2認証部は、前記ユーザの認証結果の通知の停止中に、前記ゲートを開放した通知を受け取ると、前記ユーザの認証結果の通知の停止を解除する、
請求項8に記載のタッチレスゲートシステム。
【請求項10】
予め定められた第1領域に照射された
所定の通信規格で設定された周波数ビームを受信したユーザの通信端末から、前記周波数ビームに含まれているビーム識別情報と、前記通信端末に記憶された
前記通信端末に固有の情報及び開閉可能なゲートの通行を許可するか否かの情報を含む端末情報とを受信する情報受信部と、
前記端末情報
が前記ゲートの先への通行を許可する情報を含むことに基づいて前記ユーザを認証する第1認証部と、
前記ユーザの認証結果を
前記所定の通信規格に対応する周波数ビームを用いて前記通信端末に通知する通知部と
前記ユーザの認証結果に応じて前記ゲートの開閉を制御するゲート制御部と、
を備える、
通信装置。
【請求項11】
予め定められた第1領域にビーム識別情報を含む
所定の通信規格で設定された周波数ビームを照射するステップと、
前記第1領域に照射された周波数ビームを受信したユーザが所持する通信端末から、前記周波数ビームに含まれているビーム識別情報と、前記通信端末に記憶された
前記通信端末に固有の情報及び開閉可能なゲートの通行を許可するか否かの情報を含む端末情報とを受信するステップと、
前記端末情報
が前記ゲートの先への通行を許可する情報を含むことに基づいて前記ユーザを認証するステップと、
前記ユーザの認証結果を
前記所定の通信規格に対応する周波数ビームを用いて前記通信端末に通知するステップと、
前記ユーザの認証結果に応じて
前記ゲートの開閉を制御するステップと
を備える、
タッチレスゲートの認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチレスゲートシステム、通信装置、およびタッチレスゲートの認証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)において、第5世代(NR:Ne
w Radio)の通信システムの検討が行われている(非特許文献1参照)。このようなNRの検討には、第4世代よりも高い周波数帯を含むビームマネージメント・レポーティングに関する仕様が策定されている(非特許文献2、3参照)。第4世代よりも高い周波数帯のビームは、比較的限られた範囲内に伝播するので、局所的な領域でサービスを提供するシステムへの応用が考えられる。特に、ユーザが所持する通信端末を用いることで、特定の通路、領域、施設等にタッチレスで入退場するシステム等への応用が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】RP-172115,“Revised WID on New Radio Access Technology”
【文献】TS38.331,“NR; Radio Resource Control(RRC) protocol specification”
【文献】TS38.214,“NR; Physical layer procedures for data”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなタッチレスで入退場するシステムは、例えば、ユーザが通行を許可する情報等を記憶した通信端末を所持して通路を歩くだけで、通路上のゲート等を通過できることが望ましい。この場合、ユーザは通路を移動するだけなので、システムに自身が認証されたか否かを確認することが困難になることがあった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、タッチレスで入退場するシステムにおいて、システムの認証結果を入退場するユーザに気づかせることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、開閉可能なゲートと、予め定められた第1領域にビーム識別情報を含む周波数ビームを照射するビーム照射装置と、ユーザが所持する通信端末と通信する通信装置とを備え、前記通信装置は、前記第1領域に照射された周波数ビームを受信した前記通信端末から、前記周波数ビームに含まれているビーム識別情報と、前記通信端末に記憶された端末情報とを受信する情報受信部と、前記端末情報に基づいて前記ユーザを認証する第1認証部と、前記ユーザの認証結果を前記通信端末に通知する通知部と、前記ユーザの認証結果に応じて前記ゲートの開閉を制御するゲート制御部とを有する、タッチレスゲートシステムを提供する。
【0007】
前記ゲートは、前記ユーザが提示する被認証アイテムに含まれている被認証情報を取得する情報取得部を有し、前記通信装置は、前記被認証情報に基づいて前記ユーザを認証する第2認証部を更に備え、前記ゲート制御部は、前記第1認証部および前記第2認証部の認証結果に基づき、前記ゲートの開閉を制御してもよい。
【0008】
前記タッチレスゲートシステムは、前記ユーザの認証結果を表示する第1表示装置を更に備え、前記ゲート制御部は、前記ユーザの認証結果を前記第1表示装置に送信してもよい。
【0009】
前記タッチレスゲートシステムは、前記第2認証部の認証結果を表示する第2表示装置を更に備え、前記ゲート制御部は、前記第2認証部の認証結果を前記第2表示装置に送信してもよい。
【0010】
前記第2表示装置は、前記第1表示装置よりも前記ゲートの出口に近い位置に設けられていてもよい。
【0011】
前記情報取得部は、前記ゲートの入口および出口の間に設けられており、前記ビーム照射装置は、前記情報取得部よりも前記ゲートの入口に近い領域を含む前記第1領域に前記周波数ビームを照射してもよい。
【0012】
前記第2認証部は、前記ユーザの認証結果を前記第1認証部に送信し、前記第1認証部は、前記ユーザの通行を許可する認証をしていない場合、前記第2認証部から受け取った前記ユーザの認証結果を前記ゲート制御部に送信し、既に前記ユーザの通行を許可する認証をしている場合、前記第2認証部から受け取った前記ユーザの認証結果を破棄してもよい。
【0013】
前記第1認証部は、前記ユーザの通行を許可する認証結果を前記ゲート制御部に送信した場合、前記第2認証部に前記ユーザの認証を完了したことを通知し、前記第2認証部は、前記ユーザの認証完了の通知を受け取ったことに応じて、前記ユーザの認証結果の前記第1認証部への供給を停止してもよい。
【0014】
前記ゲート制御部は、前記第1認証部による前記ユーザの認証結果に応じて前記ゲートを開放した場合、前記第2認証部に前記ゲートを開放したことを通知し、前記第2認証部は、前記ユーザの認証結果の通知の停止中に、前記ゲートを開放した通知を受け取ると、前記ユーザの認証結果の通知の停止を解除してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様においては、予め定められた第1領域に照射された周波数ビームを受信したユーザの通信端末から、前記周波数ビームに含まれているビーム識別情報と、前記通信端末に記憶された端末情報とを受信する情報受信部と、前記端末情報に基づいて前記ユーザを認証する第1認証部と、前記ユーザの認証結果に応じて開閉可能なゲートの開閉を制御するゲート制御部と、前記ユーザの認証結果を前記通信端末に通知する通知部とを備える、通信装置を提供する。
【0016】
本発明の第3の態様においては、予め定められた第1領域にビーム識別情報を含む周波数ビームを照射するステップと、前記第1領域に照射された周波数ビームを受信したユーザが所持する通信端末から、前記周波数ビームに含まれているビーム識別情報と、前記通信端末に記憶された端末情報とを受信するステップと、前記端末情報に基づいて前記ユーザを認証するステップと、前記ユーザの認証結果を前記通信端末に通知するステップと、前記ユーザの認証結果に応じて開閉可能なゲートの開閉を制御するステップとを備える、タッチレスゲートの認証方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、タッチレスで入退場するシステムにおいて、システムの認証結果を入退場するユーザに気づかせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の構成例を示す。
【
図2】本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の動作フローの一例を示す。
【
図3】本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の変形例を示す。
【
図4】本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の動作フローの変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<タッチレスゲートシステム10の構成例>
図1は、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の構成例を示す。タッチレスゲートシステム10は、ユーザが所持する通信端末の端末情報に基づいてゲートの開閉を制御しつつ、端末情報の認証結果を当該ユーザに気づかせる。
図1は、タッチレスゲートシステム10が通路20を通過しているユーザ30の通信端末40と通信する例を示す。タッチレスゲートシステム10は、ゲート110と、ビーム照射装置120と、通信装置130とを備える。
【0020】
ゲート110は、ユーザ30が通過する通路20に設けられている。ゲート110は、例えば、仕切り板、扉、ドア等が開閉可能に設けられている。これに代えて、または、これに加えて、ゲート110は、音および/または光等によって通行の可否を示してもよい。また、ゲート110は、表示部等によって通行の可否を示してもよい。ゲート110は、例えば、通行を許可された人が通過できるように開閉が制御されることが望ましい。
図1は、通路20の境界に壁22および壁24が設けられており、壁22および壁24の間にゲート110が設けられている例を示す。
【0021】
ビーム照射装置120は、通路20の一部を含む予め定められた第1領域50にビーム識別情報を含む周波数ビームを照射する。第1領域50は、通路20上において、ゲート110に至るまでの部分の少なくとも一部を含む。例えば、第1領域50は、通路20の壁22および壁24で挟まれた部分の少なくとも一部を含む。第1領域50は、通路20を移動してゲート110を通過しようとしているユーザ30が所持する通信端末40に、ビーム照射装置120が周波数ビームを照射できるように予め設定される。
図1は、ゲート110の壁22および壁24の間に第1領域50が設けられている例を示す。
【0022】
ビーム照射装置120は、このような第1領域50に予め定められた周波数帯域の周波数ビームを照射する。ビーム照射装置120は、例えば、通信規格等で予め設定された周波数ビームを照射する。周波数ビームの周波数帯域は、数GHzから数十GHzの周波数を含む帯域である。例えば、周波数ビームの周波数帯域は、10GHzから40GHzの周波数を含む帯域でよく、20GHzから30GHzの周波数を含む帯域であってもよい。なお、局所的な領域で周波数ビームを用いることから、周波数ビームの周波数帯域は、より高い周波数帯域であることが望ましく、30GHzから40GHzの周波数を含む帯域であってもよく、また、40GHzを超える周波数を含む帯域であってもよい。
【0023】
ビーム照射装置120は、ビーム識別情報を含めて周波数ビームを照射する。ビーム識別情報は、照射した周波数ビームを識別するための情報である。例えば、ビーム識別情報は、照射した領域に応じて異なる情報を有する。
図1の例の場合、ビーム照射装置120は、第1領域50に対応する第1識別情報を含む周波数ビームを当該第1領域50に照射する。なお、第1識別情報は、ビーム識別情報の一例である。
【0024】
ビーム照射装置120は、例えば、予め定められた周期で周波数ビームを照射してよく、これに代えて、予め定められた時間スケジュールに応じて周波数ビームを照射してもよい。これに代えて、ビーム照射装置120は、周波数ビームを継続して照射してもよい。また、ビーム照射装置120は、通信装置130の動作に応じて、周波数ビームを照射する頻度を変更してもよい。例えば、ビーム照射装置120は、通信装置130が通信動作をしていない状態よりも、通信動作をしている状態の方が、周波数ビームを照射する頻度を高くする。また、ビーム照射装置120は、通信装置130からの要求に応じて、周波数ビームを照射してもよい。
【0025】
通信装置130は、通路20を移動するユーザ30が所持する通信端末40と通信する。また、通信装置130は、ゲート110と通信して、ゲート110の開閉を制御する。通信装置130の少なくとも一部は、一例として、サーバ等のコンピュータである。通信装置130は、情報受信部210と、記憶部220と、第1認証部230と、通知部240と、ゲート制御部250とを有する。
【0026】
情報受信部210は、第1領域50に照射された周波数ビームを受信した通信端末40から、周波数ビームに含まれているビーム識別情報と、通信端末40に記憶された端末情報とを受信する。情報受信部210は、ユーザ30の通信端末40からビーム識別情報および端末情報を継続して受信することが望ましい。通信端末40は、例えば、第1領域50において、ビーム照射装置120から周波数ビームを受信したことに応じて、第1領域50に対応するビーム識別情報と当該通信端末40に予め記憶された端末情報とを情報受信部210に送信する。
【0027】
ここで、端末情報は、通信端末40に対応する固有の情報である。端末情報は、例えば、ゲート110の通行を許可するか否かの情報を含む。端末情報は、一例として、入場チケットとしての機能を有する。また、端末情報は、ユーザ30および/または通信端末40を識別する情報を含む。
【0028】
ビーム照射装置120および情報受信部210は、例えば、ユーザ30の通信端末40と通信可能な基地局の少なくとも一部である。この場合、通信端末40は、通信規格等に則って、周波数ビームの受信に応じて、ビーム識別情報および端末情報を情報受信部210に送信してもよい。また、必要に応じて、ビーム照射装置120および情報受信部210と、通信端末40とは、他の情報を授受してもよい。通信端末40は、例えば、携帯電話、スマートフォン、ゲーム機器、タブレット型PC、小型PC、およびノート型PC等といった通信可能なデバイスである。
【0029】
記憶部220は、受信したビーム識別情報および端末情報を記憶する。例えば、情報受信部210は、ビーム識別情報および端末情報を受信する毎に、当該情報を記憶部220に記憶する。また、記憶部220は、当該タッチレスゲートシステム10がゲート110を開放したことに応じて、ユーザ30がゲート110を通過した履歴を記憶してもよい。
【0030】
記憶部220は、サーバ等が通信装置130として機能するOS(Operating System)、およびアプリケーションソフトウェアの情報を格納してもよい。また、記憶部220は、当該アプリケーションソフトウェアの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。例えば、サーバ等のコンピュータは、記憶部220に記憶されたプログラムを実行することによって、情報受信部210、記憶部220、第1認証部230、通知部240、およびゲート制御部250の少なくとも一部として機能する。
【0031】
記憶部220は、例えば、コンピュータ等のBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、および作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでもよい。また、コンピュータは、GPU(Graphics Processing Unit)等を更に備えてもよい。
【0032】
また、記憶部220は、通信装置130が利用する設定値等の情報を格納してもよい。また、記憶部220は、通信装置130の動作の過程で生成する(または利用する)中間データ、算出結果、閾値、およびパラメータ等をそれぞれ格納してもよい。また、記憶部220は、通信装置130内の各部の要求に応じて、格納したデータを要求元に供給してもよい。更に、記憶部220は、タッチレスゲートシステム10内の各部の要求に応じて、格納したデータを要求元に供給してもよい。
【0033】
第1認証部230は、端末情報に基づいてユーザ30を認証する。第1認証部230は、例えば、ユーザ30の端末情報がゲート110の先への通行を許可する情報を含むか否かに応じて、当該ユーザ30を認証する。また、第1認証部230は、ユーザ30の端末情報が予め登録されているメンバ情報等に含まれる場合、当該ユーザ30の通行が可能であることを認証してもよい。予め登録されているメンバ情報は、例えば、ゲート110を通過するために発行されたチケットを購入した購入者リスト等である。また、第1認証部230は、端末情報が電子マネー、プリペイドカード等の情報を含む場合に、当該ユーザ30の通行可能を認証してもよい。
【0034】
通知部240は、ユーザ30の認証結果を通信端末40に通知する。通知部240は、例えば、ビーム照射装置120および情報受信部210と共に、基地局の少なくとも一部を構成してもよい。この場合、通信端末40は、周波数ビームの受信に応じて、通信装置130と種々の情報の送受信を開始してもよい。また、本実施形態において、通知部240が認証結果等の情報を通信端末40に通知する例を説明するが、これに限定されることはない。例えば、ビーム照射装置120が、認証結果等の情報を周波数ビームに含めて第1領域50に照射して、通知部240として機能してもよい。
【0035】
ゲート制御部250は、ユーザ30の認証結果に応じてゲート110の開閉を制御する。また、ゲート制御部250は、ビーム識別情報に対応するゲート110の開閉を制御する。ゲート制御部250は、例えば、ユーザ30が認証された場合、当該ユーザ30が所持する通信端末40が送信したビーム識別情報に対応するゲート110を開ける。また、ゲート制御部250は、ユーザ30が認証されない場合、当該ビーム識別情報に対応するゲート110を閉じるか、または閉じたままとする。
【0036】
以上のタッチレスゲートシステム10は、ユーザ30をタッチレスで認証してゲート110を制御しつつ、認証結果を当該ユーザ30の所持する通信端末40に送信する。このようなタッチレスゲートシステム10の動作フローについて次に説明する。
【0037】
<タッチレスゲートシステム10の動作フロー>
図2は、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の動作フローの一例を示す。本実施形態において、タッチレスゲートシステム10が
図2に示す動作フローを実行して、駅の改札等に用いられるタッチレスゲートとして機能する例を説明する。
【0038】
まず、ビーム照射装置120は、ビーム識別情報を含む周波数ビームを第1領域50に照射する(S210)。ビーム照射装置120は、例えば、継続して周波数ビームを照射する。これにより、ユーザ30がゲート110に近づいて第1領域50に入ると、ユーザ30が所持する通信端末40が第1識別情報を含む周波数ビームを受信する。通信端末40は、ビーム照射装置120から周波数ビームを受信したことに応じて、ビーム識別情報と、当該通信端末40に予め記憶された端末情報とを情報受信部210に送信する。
【0039】
タッチレスゲートシステム10は、このようにユーザ30が第1領域50に入ることを待つ。即ち、タッチレスゲートシステム10は、通信端末40からのビーム識別情報および端末情報を受信したか否かを確認する(S220)。タッチレスゲートシステム10は、情報受信部210が通信端末40からビーム識別情報および端末情報を受信するまで、S220の動作を繰り返す(S220:No)。
【0040】
情報受信部210が通信端末40からのビーム識別情報および端末情報を受信した場合(S220:Yes)、情報受信部210は、受信した情報を記憶部220に記憶する。また、情報受信部210は、端末情報を第1認証部230に供給してもよい。
【0041】
次に、第1認証部230は、端末情報に基づいてユーザ30を認証する(S230)。第1認証部230は、ユーザ30がゲート110を通行可能であるか否かを認証する。第1認証部230は、ユーザ30を認証した後、通知部240およびゲート制御部250に認証結果を送信する。第1認証部230は、端末情報と共に認証結果を通知部240に送信してもよい。また、第1認証部230は、認証結果を記憶部220に記憶してもよい。
【0042】
通知部240は、ユーザ30の認証結果を当該ユーザ30の通信端末40に通知する(S240)。通知部240は、例えば、端末情報に対応する通信端末40に認証結果を通知する。この場合、通信端末40は、認証結果を受け取ったことに応じて、当該認証結果を表示画面等に表示する。これに代えて、または、これに加えて、通信端末40は、認証結果を受け取ったことに応じて、音、声、光、および振動のうち少なくとも1つを発生させる。これにより、ユーザ30は、少なくとも、タッチレスゲートシステム10による認証が完了したことがわかる。なお、通信端末40からユーザ30への認証完了の通知方法は、当該ユーザ30によって予め設定可能であることが望ましい。この場合、認証結果も判別できるように設定可能であることがより望ましい。
【0043】
また、ゲート制御部250は、認証結果に応じてゲート110の開閉を制御する(S250)。ゲート制御部250は、例えば、ユーザ30がゲート110を通行可能であることの認証結果を受け取った場合、ゲートを開放する。また、ゲート制御部250は、ユーザ30がゲート110を通行できないことの認証結果を受け取った場合、ゲート110を閉じるか、またはゲート110を閉じたままとする。ゲート制御部250は、ゲート110を開放しない場合、ゲート110の周辺にいる管理者、使用者、オペレータ等に通知してもよい。タッチレスゲートシステム10は、処理を終了するか(S260:Yes)、または、処理を継続するためにS220に戻ってもよい(S260:No)。
【0044】
以上のように、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、ユーザ30が所持する通信端末40の端末情報と当該通信端末40が受信したビーム識別情報とを用いることにより、タッチレスゲートとして機能することができる。即ち、ゲート110を通行できる情報を端末情報として通信端末40に予め記録させたユーザ30は、当該通信端末40を所持して通路20を歩くだけで、ゲート110を通過することができる。
【0045】
なお、
図2に示す動作フローは、ユーザ30の認証結果を通信端末40に通知してからゲート110の開閉を制御する例を説明したが、動作の順番はこれに限定されることはない。タッチレスゲートシステム10は、ゲート110の開閉を制御してからユーザ30の認証結果を通信端末40に通知してもよい。また、タッチレスゲートシステム10は、ゲート110の開閉の制御と、ユーザ30の認証結果の通知とを並行に実行してもよい。
【0046】
ここで、例えば、ゲート110が閉じている場合、ゲート110が閉じるタイミングによっては、時間の経過によって閉じたのか、ユーザ30の認証結果として閉じたのかが判断がつかないことがある。また、ユーザ30の前を歩く人が通過してゲート110が開放されたままの状態の場合、ユーザ30がゲート110に移動するタイミングによっては、ユーザ30の認証結果でゲート110が開放しているのか否かが判断つかないことがある。また、ユーザ30自身が、通信端末40に記憶されているか端末情報を把握していないこともある。
【0047】
このような場合であっても、本実施形態に係る通知部240が通信端末40に認証結果を送信するので、ユーザ30は、タッチレスゲートシステム10に自身が認証されたか否かを容易に気づくことができる。したがって、ユーザ30は、認証結果に応じた対応を速やかに取ることができる。例えば、ユーザ30は、ゲート110の通過が可能である認証結果に応じて、速やかにゲート110を通過することができる。また、ユーザ30は、ゲート110の通過ができない認証結果に応じて、ゲート110には移動せずに、ゲート110を通過するための操作、問い合わせ、チケット購入等の対応動作等に速やかに移行できる。
【0048】
なお、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10において、通信端末40が認証結果をユーザ30に伝達する例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、
図1に示すように、タッチレスゲートシステム10は、ユーザ30の認証結果を表示する第1表示装置140を更に備えてもよい。第1表示装置140は、例えば、ゲート110の周囲、壁22、または壁24等に設けられる。
【0049】
この場合、ゲート制御部250は、ユーザ30の認証結果を第1表示装置140に送信する。これに代えて、通知部240が第1表示装置140にユーザ30の認証結果を送信してもよい。これにより、ユーザ30は、通信端末40を見なくても、自身の認証結果を確認することができる。例えば、ユーザ30は、所持する通信端末40が振動したタイミングで第1表示装置140を見ることにより、自身の認証結果を確認することができる。
【0050】
なお、第1認証部230またはゲート制御部250は、ゲートを開けたことに応じて、課金システムおよび/または入場管理システム等に、ユーザ30の認証とゲートの通過の情報を通知してよい。課金システムおよび/または入場管理システム等は、タッチレスゲートシステム10の外部等に設けられていてよく、ネットワーク等で接続されていることが望ましい。これにより、ユーザ30がゲート110を通過することに応じて、ユーザ30への課金および入場者の把握等を円滑に実行することができる。
【0051】
以上のタッチレスゲートシステム10は、1つのゲート110を備える例を説明したが、これに限定されることはない。タッチレスゲートシステム10は、複数の通路20のそれぞれに対応する複数のゲート110を備えてもよい。この場合、ビーム照射装置120は、それぞれの通路20の一部を含む複数の領域に、領域毎に異なるビーム識別情報を含む周波数ビームを照射する。
【0052】
即ち、ビーム照射装置120は、複数のゲート110のそれぞれに対応して異なるビーム識別情報を含む周波数ビームを、複数のゲート110のそれぞれに対応する複数の領域に照射する。例えば、ビーム照射装置120は、第1のゲートに通じる第1の通路の一部を含む第1領域に、第1のビーム識別情報を含む周波数ビームを照射する。また、ビーム照射装置120は、第2のゲートに通じる第2の通路の一部を含む第2領域に、第2のビーム識別情報を含む周波数ビームを照射する。
【0053】
そして、タッチレスゲートシステム10は、ユーザ30が複数の領域のいずれかに入った場合に、当該ユーザ30の端末情報に基づき、当該ユーザ30が入った領域に対応するゲート110を制御しつつ、当該ユーザ30の通信端末40に認証結果を送信する。このように、タッチレスゲートシステム10は、異なるビーム識別情報を用いることにより、ゲート110毎にユーザ30を認証してゲート110のそれぞれを独立に制御することができるので、より多くのユーザ30に対応するタッチレスゲートとして機能できる。
【0054】
以上の本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、1または複数のゲート110に対応して動作する例を説明したが、これに限定されることはない。タッチレスゲートシステム10は、非タッチレスゲート等と共存して動作してもよい。例えば、既に設けられている非タッチレスゲートに、タッチレスゲートシステム10を追加して、ゲートを共有するように設けられてもよい。
【0055】
この場合、非タッチレスゲートの認証とタッチレスゲートシステム10の認証とがそれぞれ動作することになるので、ゲート110の開閉が矛盾した動作となることがある。そこで、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、2つのシステムの認証結果に基づき、共通のゲート110を矛盾なく動作させつつ、少なくとも一方の認証結果をユーザに通知する。このようなタッチレスゲートシステム10について次に説明する。
【0056】
<タッチレスゲートシステム10の変形例>
図3は、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の変形例を示す。本変形例のタッチレスゲートシステム10において、
図1に示された本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。変形例のタッチレスゲートシステム10は、ゲート110が情報取得部310を有し、通信装置130が第2認証部320を更に備える。
【0057】
情報取得部310は、ユーザ30が提示する被認証アイテムに含まれている被認証情報を取得する。被認証アイテムは、例えば、ICカード、プリペイドカード、クレジットカード、乗車券、入場券、定期券等である。被認証アイテムは、接触型または非接触型のカード等でよい。例えば、ユーザ30が被認証アイテムを情報取得部310に接触するか、近接させることで、当該情報取得部310は、磁気的または電気的に記録された被認証情報を取得する。これに代えて、情報取得部310は、ユーザ30の指紋、声紋、虹彩、静脈、ジェスチャー等から被認証情報を取得してもよい。
【0058】
情報取得部310は、ゲート110の入口および出口の間に設けられている。ここで、ゲート110の入口は、例えば、ユーザ30がゲート110へと移動するために通過する通路20上における壁22および壁24の端部の位置である。また、ゲート110の出口は、ゲート110を通過した後に通過する通路上の壁22および壁24の反対側の端部の位置である。
【0059】
情報取得部310は、第1領域50よりもゲート110に近い位置に設けられていることが望ましい。この場合、ビーム照射装置120は、情報取得部310よりもゲート110の入口に近い領域を含む第1領域50に周波数ビームを照射する。これにより、ユーザ30が被認証アイテムを用いて認証する場合でも、情報取得部310が被認証情報を取得するよりも早くユーザ30は第1領域50に入り、情報受信部210はビーム識別情報および端末情報を受信する。
【0060】
第2認証部320は、被認証情報に基づいてユーザ30を認証する。第2認証部320は、第1認証部230と同様に、被認証情報がゲート110の先への通行を許可する情報を含むか否か等に応じて、ユーザ30を認証する。また、第2認証部320は、認証結果を第1認証部230に送信する。第1認証部230は、当該第1認証部230による認証を完了していない場合、第2認証部320から受け取った認証結果をゲート制御部250に送信する。
【0061】
これにより、ゲート制御部250は、第1認証部230および第2認証部320のいずれかの認証結果を受け取る。そして、ゲート制御部250は、第1認証部230および第2認証部320の認証結果に基づき、ゲート110の開閉を制御する。このようなゲート制御部250の動作を含めた、本変形例のタッチレスゲートシステム10の動作を次に説明する。
【0062】
<タッチレスゲートシステム10の動作フローの変形例>
図4は、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の動作フローの変形例を示す。
図4に示すタッチレスゲートシステム10の動作フローの変形例は、
図3に示すタッチレスゲートシステム10の動作フローの一例である。
図4の動作フローにおいて、
図2に示された本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10の動作フローと略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0063】
まず、ユーザ30が通信端末40を所持せずに、被認証アイテムを用いて非タッチレスゲートを用いる場合を説明する。即ち、情報受信部210が通信端末40からビーム識別情報および端末情報を受信しない場合において(S220:No)、タッチレスゲートシステム10は、情報取得部310がユーザ30の被認証アイテムから被認証情報を取得したか否かを確認する(S410)。
【0064】
情報取得部310が被認証情報を取得していない場合(S410:No)、タッチレスゲートシステム10はS220に戻る。タッチレスゲートシステム10は、情報受信部210の受信動作または情報取得部310の取得動作が発生するまでS220およびS410を繰り返す。情報取得部310が被認証情報を取得した場合(S410:Yes)、第2認証部320は、被認証情報に基づいてユーザ30を認証する(S420)。第2認証部320は、ユーザ30を認証すると、ユーザ30の認証結果を第1認証部230に送信する。
【0065】
そして、第1認証部230は、ユーザ30の認証をしていないので、第2認証部320によるユーザ30の認証結果をゲート制御部250に通知する。このように、ユーザ30がタッチレスゲートを用いない場合、ゲート制御部250は、第1認証部230の認証結果に代えて、第2認証部320の認証結果を受け取ることになる。この場合、ゲート制御部250は、第2認証部320の認証結果に基づき、ゲート110の開閉を制御する(S250)。
【0066】
ゲート制御部250の制御動作は、第1認証部230の認証結果を受け取った場合の制御動作と同様の動作でよい。ゲート制御部250は、例えば、ユーザ30がゲート110を通行可能であることの認証結果を第2認証部320から受け取った場合、ゲートを開放する。また、ゲート制御部250は、ユーザ30がゲート110を通行できないことの認証結果を第2認証部320から受け取った場合、ゲート110を閉じるか、またはゲート110を閉じたままとする。
【0067】
次に、ユーザ30が通信端末40を所持して第1領域50に入る場合を説明する。この場合、ユーザ30が第1領域50に入ったことに応じて、情報受信部210は、通信端末40からのビーム識別情報および端末情報を受信する(S220:Yes)。そして、第1認証部230は、端末情報に基づいてユーザ30を認証し(S230)、通知部240は、ユーザ30の認証結果を当該ユーザ30の通信端末40に通知する(S240)。
【0068】
これにより、
図2の動作フローで説明したように、通信端末40はユーザ30の認証結果を表示し、ユーザ30は認証結果を確認できる。ユーザ30が非タッチレスゲートを利用せず、情報取得部310が被認証情報を取得しない場合(S430:No)、ゲート制御部250は、タッチレスゲートの認証結果に応じてゲート110の開閉を制御する(S250)。ゲート制御部250の制御については、
図2で既に説明したのでここでは説明を省略する。
【0069】
通信端末40が認証結果を表示したにもかかわらず、ユーザ30が被認証アイテムを情報受信部210に提示した場合、情報取得部310は、被認証情報を取得することになる(S430:Yes)。この場合、第2認証部320は、被認証情報に基づいてユーザ30を認証し、認証結果を第1認証部230に送信する(S440)。ここで、第1認証部230は、既にユーザ30の通行を許可する認証をしている場合(S450:Yes)、第2認証部320から受け取ったユーザ30の認証結果を破棄する(S460)。そして、第1認証部230は、当該第1認証部230による認証結果をゲート制御部250に送信する。
【0070】
ゲート制御部250は、第1認証部230の認証結果に基づき、ゲート110の開閉を制御する(S250)。この場合、第1認証部230の認証結果は、ユーザ30の通行を許可する認証なので、ゲート制御部250は、ゲート110を開放することになる。例えば、タッチレスゲート(即ち、第1認証部230)の認証結果がユーザ30の通行を許可する認証であれば、非タッチレスゲート(即ち、第2認証部320)の認証結果にかかわらず、ゲート制御部250は、ゲート110を開放する。
【0071】
一方、第1認証部230は、ユーザ30の通行を許可する認証をしていない場合(S450:No)、第2認証部320から受け取ったユーザ30の認証結果をゲート制御部250に送信する。この場合、ゲート制御部250は、第2認証部320の認証結果に基づき、ゲート110の開閉を制御する(S250)。例えば、タッチレスゲートによる認証結果がユーザ30の通行を許可しない認証であっても、非タッチレスゲートの認証結果がユーザ30の通行を許可する認証であれば、ゲート制御部250は、ゲート110を開放する。
【0072】
以上のように、本変形例に係るタッチレスゲートシステム10は、情報取得部310、第2認証部320、およびゲート制御部250が非タッチレスゲートとして機能しつつ、タッチレスゲートとゲート110を共有して矛盾なく機能することができる。このように、タッチレスゲートシステム10は、非タッチレスゲートに組み込んで構成することもできるので、例えば、既存の設備等を有効に活用することもできる。
【0073】
以上の本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、第2認証部320が被認証情報に基づいてユーザ30を認証する例を説明した。この場合、第2認証部320の認証結果をユーザ30に通知してもよい。例えば、第1認証部230は、第2認証部320によるユーザ30の認証結果を受け取ったことに応じて、当該認証結果を通知部240に送信する。これにより、第1認証部230は、第2認証部320の認証結果を採用してゲート制御部250に送信したか、または、第1認証部230の認証結果を採用して第2認証部320の認証結果を破棄したかの情報を加えて、認証結果を通知部240に供給することができる。
【0074】
このようにして、通知部240は、ユーザ30の通信端末40に、第1認証部230の認証結果および/または第2認証部320の認証結果を通知することができるので、ユーザ30は、自身の認証結果の詳細について容易に確認することができる。なお、タッチレスゲートシステム10は、第2認証部320の認証結果を通信端末40に通知することに加え、または、これに代えて、第2認証部320の認証結果を表示装置等に表示させてもよい。例えば、タッチレスゲートシステム10は、第2認証部320の認証結果を第1表示装置140に表示させてもよく、これに代えて、第1表示装置140とは異なる第2表示装置330に表示させてもよい。
【0075】
図3は、このような第2認証部320の認証結果を表示する第2表示装置330をタッチレスゲートシステム10が備える例を示す。この場合、ゲート制御部250は、第2認証部320の認証結果を第2表示装置330に送信する。これに代えて、通知部240が第2認証部320の認証結果を第2表示装置330に通知してもよい。
【0076】
なお、第2表示装置330は、第1表示装置140よりもゲート110の出口に近い位置に設けられていることが望ましい。これにより、ユーザ30は、第1認証部230による認証結果を第1表示装置140で確認してから、第2認証部320による認証結果を第2表示装置330で確認できる。例えば、タッチレスゲートシステム10は、第1認証部230によるユーザ30が通行できない認証結果を第1表示装置140でユーザ30が確認した後、当該ユーザ30が通路20を進み、第2認証部320の認証へと試みる動作を円滑に進めることができる。
【0077】
以上の本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、第1認証部230がユーザ30の通行可能を認証した場合、第2認証部320から受け取った認証結果を破棄する例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、第1認証部230がユーザ30の通行可能を認証した場合、第2認証部320から第1認証部230への認証結果の送信を停止させてもよい。
【0078】
例えば、第1認証部230は、ユーザ30の通行を許可する認証結果をゲート制御部250に送信した場合、第2認証部320にユーザ30の認証を完了したことを通知する。そして、第2認証部320は、ユーザ30の認証完了の通知を受け取ったことに応じて、ユーザ30の認証結果の第1認証部230への供給を停止する。これにより、タッチレスゲートシステム10は、第2認証部320から第1認証部230への無駄な認証結果の送信を防止できる。
【0079】
なお、この場合、ゲート制御部250は、第1認証部230によるユーザ30の認証結果に応じてゲート110を開放した場合、第2認証部320にゲート110を開放したことを通知する。そして、第2認証部320は、ユーザ30の認証結果の通知の停止中に、ゲート110を開放した通知を受け取ると、ユーザ30の認証結果の通知の停止を解除する。これにより、タッチレスゲートシステム10は、次のユーザ30の認証動作を矛盾なく継続することができる。
【0080】
以上のように、本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、ユーザ30をタッチレスおよび/または非タッチレスで認証し、認証結果に応じて矛盾なく共通のゲート110の開閉を制御できる。したがって、例えば、タッチレスゲートシステム10が外部の課金システム、入場管理システム等と接続されている場合、当該システムによる二重課金および/またはユーザ30のダブルカウント等の矛盾が発生することを防止できる。
【0081】
以上の本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、第1認証部230がユーザの通行の許可を認証した場合、第2認証部320による認証結果を採用しない例を説明したが、これに限定されることはない。これに代えて、タッチレスゲートシステム10は、第2認証部320の認証結果を優先させてもよい。例えば、タッチレスゲートシステム10は、第1認証部230がユーザの通行の許可を認証し、更に、第2認証部320がユーザの通行の許可を認証した場合、第2認証部320の認証結果を採用してゲート110を開放する。
【0082】
この場合、ユーザ30はゲート110を通行できることに変わりはないが、通行によって課金等が発生する場合、請求先等が異なる場合が発生する。そこで、タッチレスゲートシステム10は、第1認証部230および第2認証部320の認証結果のいずれを優先させるか、ユーザ30等により予め設定されてもよい。また、ユーザ30がゲート110を通行した後に、通信端末40の通知に応じて、通信端末40を操作し、いずれの認証結果で通行したかを選択できてもよい。この場合、タッチレスゲートシステム10は、選択または採用した認証結果に応じて、外部の対応する課金システム等に通知する。
【0083】
なお、以上の本実施形態に係るタッチレスゲートシステム10は、ゲート110、ビーム照射装置120、通信装置130、第1表示装置140、および第2表示装置330等で構成される例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、ゲート110、第1表示装置140、情報取得部310、および第2表示装置330は、1つの装置の少なくとも一部として構成されていてもよい。
【0084】
また、ビーム照射装置120、情報受信部210、および通知部240は、例えば、基地局の一部として構成されていてもよい。また、第1認証部230および第2認証部320は、認証システムの少なくとも一部として構成されていてもよい。また、ゲート制御部250は、ゲート制御システムの少なくとも一部として構成されていてもよい。即ち、タッチレスゲートシステム10は、ゲート装置、基地局、認証システム、およびゲート制御システムによって構成されていてもよい。この場合、各システムの少なくとも一部は、例えば、それぞれサーバ等のコンピュータで構成される。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0086】
10 タッチレスゲートシステム
20 通路
22 壁
24 壁
30 ユーザ
40 通信端末
50 第1領域
110 ゲート
120 ビーム照射装置
130 通信装置
140 第1表示装置
210 情報受信部
220 記憶部
230 第1認証部
240 通知部
250 ゲート制御部
310 情報取得部
320 第2認証部
330 第2表示装置