(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】メールサーバ及びメール送信管理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/23 20220101AFI20220301BHJP
【FI】
H04L51/23
(21)【出願番号】P 2019161503
(22)【出願日】2019-09-04
【審査請求日】2019-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】399056820
【氏名又は名称】テクマトリックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】町田 崇
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-138260(JP,A)
【文献】特開2012-113396(JP,A)
【文献】特開2013-065338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置とネットワークを介して接続されたメールサーバであって、
予め設定されるメールの送信先のメールアドレスごとの取り決めをチェックルールとして記憶する記憶部と、
前記端末装置から受信したメールの送信先のメールアドレスに対してメールを送信するときに前記記憶部を検索し、前記メールの送信先のメールアドレスに対応するチェックルールが存在する場合、該チェックルールの内容を表示し、該チェックルールの確認後に前記メールの送信を許可するメール送信管理制御部と
を備えたことを特徴とするメール
サーバ。
【請求項2】
前記メール送信管理制御部は、一つのメールに複数の送信先のメールアドレスが記述され、各送信先のメールアドレスにそれぞれ対応する複数のチェックルールが存在する場合であって、前記複数のチェックルールが相反する内容である場合、前記一つのメールの複数の送信先のメールアドレスを分離した複数のメールを生成することを特徴とする請求項1に記載のメール
サーバ。
【請求項3】
前記チェックルールは、メールアドレス、添付ファイル及びタイトルに関するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のメール
サーバ。
【請求項4】
前記チェックルールは、特定の送信先のメールアドレスを含む場合に、メールの送信先のメールアドレス、添付ファイル及びタイトルのうちの1以上の記述内容を確認させるチェックルールを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のメール
サーバ。
【請求項5】
前記メール送信管理制御部は、メールアドレス、添付ファイル及びタイトルのうちの1以上の記述内容を確認させる場合、メールアドレス、添付ファイル及びタイトルを一覧表示して確認依頼を行うことを特徴とする請求項4に記載のメール
サーバ。
【請求項6】
前記メール送信管理制御部は、複数の送信先のメールアドレスにそれぞれ対応する複数のチェックルールが存在する場合、予め設定された優先順序の高い送信先のチェックルールを適用することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載のメール
サーバ。
【請求項7】
前記送信先のメールアドレスには、同報先のメールアドレスも含めることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載のメール
サーバ。
【請求項8】
端末装置とネットワークを介して接続されたメールサーバにおけるメール送信管理方法であって、
予め設定されるメールの送信先のメールアドレスごとの取り決めをチェックルールとして記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記端末装置から受信したメールの送信先のメールアドレスに対してメールを送信するときに前記記憶部を検索し、前記メールの送信先のメールアドレスに対応するチェックルールが存在する場合、該チェックルールの内容を表示し、該チェックルールの確認後に前記メールの送信を許可するメール送信管理制御ステップと
を含むことを特徴とするメール送信管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定した取り決めに反したメールの誤送信をメール送信前に低減することができるメールサーバ及びメール送信管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子メールシステムでは、メール送信時に宛先のアドレスの設定を間違えたり、誤ったファイルを電子メールに添付したりするミスが生じる場合がある。このような電子メールの誤送信は、特に企業等の組織体で使用される電子メールシステムの場合、情報漏洩や顧客の信頼を失う等、企業の社会的信用の低下を招きかねない。このため、従来から電子メールの誤送信を防止する対策が求められている。
【0003】
例えば、メールの誤送信を防止するために、予めメール送信時のポリシーを設定しておき、該ポリシーに基づいて送信予定のメールをチェックする技術が提案されている(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のメール誤送信対策では、セキュリティを管理する担当者が、情報セキュリティに関する企業の基本方針に従って、これまでの事象を確認した上で、ポリシーの設定や改定を行わなければならず、大変煩雑な作業となっていた。
【0006】
また、特許文献1は、組織的に統一したセキュリティポリシーを徹底するため、送信メール全般に対する対策であり、顧客などに対する個別の送信メールに対する具体的な取り決めのルールを適用するものではない。例えば、A社の担当者に送信メールを送る場合、必ずA社のA1氏及び当社のB1担当者に同報するなどのルールに対応するものではない。このような個別の取り決めに対応したルールを確実に行うことは、企業間の信用蓄積あるいは顧客に対する信用蓄積にとって重要である。
【0007】
また、このような個別のルールは、追加や変更が頻繁に行われるため、簡易に追加や変更を行われることが好ましい。
【0008】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、予め設定した取り決めに反した送信メールの誤送信をメール送信前に低減することができるメールサーバ及びメール送信管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、端末装置とネットワークを介して接続されたメールサーバであって、予め設定されるメールの送信先のメールアドレスごとの取り決めをチェックルールとして記憶する記憶部と、前記端末装置から受信したメールの送信先のメールアドレスに対してメールを送信するときに前記記憶部を検索し、前記メールの送信先のメールアドレスに対応するチェックルールが存在する場合、該チェックルールの内容を表示し、該チェックルールの確認後に前記メールの送信を許可するメール送信管理制御部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の発明において、前記メール送信管理制御部は、一つのメールに複数の送信先のメールアドレスが記述され、各送信先のメールアドレスにそれぞれ対応する複数のチェックルールが存在する場合であって、前記複数のチェックルールが相反する内容である場合、前記一つのメールの複数の送信先のメールアドレスを分離した複数のメールを生成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記チェックルールは、メールアドレス、添付ファイル及びタイトルに関するものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記チェックルールは、特定の送信先のメールアドレスを含む場合に、メールの送信先のメールアドレス、添付ファイル及びタイトルのうちの1以上の記述内容を確認させるチェックルールを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記メール送信管理制御部は、メールアドレス、添付ファイル及びタイトルのうちの1以上の記述内容を確認させる場合、メールアドレス、添付ファイル及びタイトルを一覧表示して確認依頼を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記メール送信管理制御部は、複数の送信先のメールアドレスにそれぞれ対応する複数のチェックルールが存在する場合、予め設定された優先順序の高い送信先のチェックルールを適用することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記送信先のメールアドレスには、同報先のメールアドレスも含めることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、端末装置とネットワークを介して接続されたメールサーバにおけるメール送信管理方法であって、予め設定されるメールの送信先のメールアドレスごとの取り決めをチェックルールとして記憶部に記憶する記憶ステップと、前記端末装置から受信したメールの送信先のメールアドレスに対してメールを送信するときに前記記憶部を検索し、前記メールの送信先のメールアドレスに対応するチェックルールが存在する場合、該チェックルールの内容を表示し、該チェックルールの確認後に前記メールの送信を許可するメール送信管理制御ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、メールサーバにおいて、予め設定した取り決めに反した送信メールの誤送信をメール送信前の確認により低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施例に係るメールサーバを含むメールシステムの概要を示す機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、チェックルールの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、チェック画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、メール送信管理制御部によるメール送信管理処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、変形例1に係るメール送信管理制御部によるメール送信管理処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、変形例2に係るメール送信管理制御部によるメール送信管理処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係るメールサーバを含むメールシステム及びメール送信管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。
【0021】
<メールシステムの概要>
まず、本実施例に係るメールシステムの概要について説明する。
図1は、本実施例に係るメール送信管理装置に対応したメールサーバ10を含むメールシステムの概要を示す機能ブロック図である。
【0022】
図1に示すように、このメールシステムは、メールサーバ10に端末装置60が接続される。端末装置60は、メールサーバ10を利用してメールの送受信を行うパーソナルコンピュータなどの端末である。端末装置60は、メールサーバ10にアクセスし、メールサーバ10によるメール送受信機能を用いてメールの送受信を行う。記憶部40には、予め設定されるメールの送信先ごとの取り決めがチェックルール41として記憶され、メール送信管理制御部51は、メール送信時にチェックルール41を検索し、チェックルール41が存在する場合、チェックルール41の内容を表示し、チェックルール41の確認後にメールの送信を許可する。これにより、送信メールは、メール送信前にチェックルール41が確認されるので、誤送信を低減することができる。
【0023】
<メールサーバの構成>
メールサーバ10は、ネットワークNを介して端末装置60に接続される。メールサーバ10は、入出力部20、通信部30、記憶部40及び制御部50を有する。なお、ネットワークNは、インタネット、イントラネット、特定の施設内LANを含む。
【0024】
入出力部20は、各種操作入力及び表示出力等を行うタッチパネル式ディスプレイなどの入出力インタフェースである。通信部30は、ネットワークNを介して端末装置60と通信を行うための通信インタフェースである。
【0025】
記憶部40は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、チェックルール41を記憶する。このチェックルール41は、予め設定されるが、逐次、追加、削除などの更新が行われる。
【0026】
制御部50は、メールサーバ10の全体を制御する制御部であり、メール送信管理制御部51及び表示処理部52を有し、メールの送受信処理制御を行う。制御部50は、これらの機能部に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
【0027】
メール送信管理制御部51は、メール送信時にチェックルール41を検索し、送信先に対応するチェックルール41が存在する場合、チェックルール41の内容を表示させ、チェックルール41の確認後にメールの送信を許可する。
【0028】
表示処理部52は、少なくとも、チェックルール41の確認を行うためのチェック画面を端末装置60側に提供する。端末装置60は、例えばWEBブラウザを有し、提供されるチェック画面を表示する。
【0029】
<チェックルールの一例>
図2は、チェックルール41の一例を示す図である。
図2に示すように、チェックルール41は、送信先とチェック内容とが対応づけて記憶される。例えば、送信先が「AAA.co.jp」を含む場合、メールアドレス及び添付ファイルの確認を行うルールが記述されている。このルールは、メール送信前に、メールアドレス、添付ファイル、タイトルなどの記述内容を確認させるものである。このルールは、例えば、送信先に「AAA.co.jp」を含むメールが重要なメールである場合に適用される。なお、チェックルール41の送信先には、同報先(CC,BCC)を含めてもよい。
【0030】
また、
図2では、送信先に「A123@AAA.co.jp」を含む場合、CC(同報先)に、B123@AAA.co.jp 及び X123@KKK.com を付加するルールが記述されている。このルールは、「A123@AAA.co.jp」の送信先にメールを送る場合、自社あるいは他社の関連部署の担当者や上司に同報するものである。このようなルールは常に設けてもよいし、プロジェクト作業中の一定期間のみに一時的に設けるようにしてもよい。
【0031】
さらに、
図2では、送信先に「B001@AAA.co.jp」を含む場合、添付ファイルの添付を禁止するルールが記述されている。また、
図2では、送信先に「C002@AAA.co.jp」を含む場合、添付ファイルを暗号化するルールが記述されている。さらに、
図2では、送信先に「D003@AAA.co.jp」が含まれる場合、添付ファイルのファイル名をタイトルに含めるルールが記述されている。また、送信先に「BBB.com」が含まれる場合、実行ファイル(exeファイル)の添付を禁止するルールが記述されている。
【0032】
また、
図2では、送信先に「CCC.co.jp」が含まれる場合、タイトルに「〇〇研究」を含む場合に、CCに Y001@MMM.com を付加するルールが記述されている。さらに、
図2では、送信先に「DDD.co.jp」が含まれる場合、添付ファイル名に「貴社整理番号_弊社整理番号」を含めるルールが記述されている。このルールは、例えば、顧客先からの要望によるルールである。
【0033】
上記のように、チェックルール41は、メールアドレス、添付ファイル及びタイトルに関するものである。また、チェックルール41は、特定の送信先に対してメールアドレス、添付ファイル及びタイトルのうちの1以上の記述内容を確認させるチェックルールが含まれる。なお、添付ファイルの記述内容の確認には、添付ファイルを開いてファイル内容を確認することを含めてもよい。添付ファイルは、ファイル名のコピーなどによって、ファイル名とファイルの内容とが異なっている場合があるからであり、この確認によって誤送信を事前に防ぐことができる。
【0034】
<チェック画面の一例>
図3は、チェック画面D1の一例を示す図である。
図3に示したチェック画面D1は、メールの送信ボタンの押下後に表示される。このチェック画面D1は、送信するメールアドレスに対するチェックである「メールアドレスチェック」、及び、添付ファイルをチェックする「添付ファイルチェック」が表示される。「メールアドレスチェック」では、さらに送信先「yshimada@tmx.co.jp」を含む場合に「cc1@tmx.co.jp」及び「dd1@atmx.co.jp」をCCに含めることを指定する指定ルールが表示されている。また、「添付ファイルチェック」では、添付ファイルの記述内容を確認することを指定する指定ルールが表示される。この添付ファイルの指定ルールには、ダウンロードボタンが付され、添付ファイル名の確認のみではなく、添付ファイル「abc001.jpg」の内容確認を指示している。これらの指定ルールは、チェックルール41に記述されるルールである。
【0035】
メールアドレス及び添付ファイル、あるいはタイトルの記述内容を確認する場合、メールアドレス及び添付ファイルを1行ごとに、一覧表示する。一般に、メール作成画面では、メールアドレスや添付ファイルが多数である場合、連続して記述されており、場合によっては隠れてしまう。これでは、確認が容易ではなく、かつ、誤りを見落とす場合もあるので、チェック画面D1では、メールアドレス及び添付ファイルを1つずつ改行して確認しやすくしているとともに、すべてを表示している。
【0036】
このチェック画面D1には、各確認内容の左側にチェックボックスが配置され、すべてのチェックボックスへのチェックがあった場合、送信を行ってよいかを伺う送信確認ボタンが表示され、この送信確認ボタンの押下によってメールが送信される。
【0037】
<メール送信管理処理>
次に、メール送信管理制御部51によるメール送信管理処理手順について説明する。
図4は、メール送信管理制御部51によるメール送信管理処理手順を示すフローチャートである。
図4に示すように、メール送信管理制御部51は、送信ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS101)。送信ボタンが押下されないならば(ステップS101;No)、本判定処理を繰り返す。一方、送信ボタンが押下されたならば(ステップS101;Yes)、さらに、作成したメールの送信先に対応するチェックルール41があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0038】
チェックルール41がないならば(ステップS102;No)、送信確認ボタンを表示し、送信確認ボタンの押下によるメール送信を行い(ステップS105)、本処理を終了する。
【0039】
一方、チェックルール41があるならば(ステップS102;Yes)、チェック画面D1を表示する(ステップS103)。その後、チェック画面D1に対するチェックが済んでいるか否かを判定する(ステップS104)。すなわち、チェック画面D1のチェックボックスのすべてがチェックされたか否かを判定する。チェックが済んでいないならば(ステップS104;No)、ステップS103に移行してチェック処理を続行する。一方、チェックが済んだならば(ステップS104;Yes)、送信確認ボタンを表示し、送信確認ボタンの押下によるメール送信を行い(ステップS105)、本処理を終了する。
【0040】
本実施例では、予め設定されるメールの送信先ごとの取り決めをチェックルール41として記憶しておき、メール送信管理制御部51が、メール送信時にチェックルール41を検索し、チェックルール41が存在する場合、チェックルール41の内容を表示し、チェックルール41の確認後にメールの送信を許可するようにしているので、予め設定した取り決めに反する送信メールの誤送信をメール送信前に低減することができる。特に、チェックルール41は、随時、変更、追加、削除を簡易に行うことができ、例えば顧客との間での変動する取り決めに即したルールに対応した、きめの細かい適正な送信メールを送信することができる。
【0041】
<変形例1>
図5は、変形例1に係るメール送信管理制御部51によるメール送信管理処理手順を示すフローチャートである。本変形例1では、複数の送信先に対するチェックルール41が存在する場合であって、各送信先に対する複数のチェックルール41が相反する内容である場合、送信先を分離した複数のメールを生成するようにしている。
【0042】
図5に示すように、まず、メール送信管理制御部51は、送信ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS201)。送信ボタンが押下されないならば(ステップS201;No)、本判定処理を繰り返す。一方、送信ボタンが押下されたならば(ステップS201;Yes)、さらに、作成したメールの送信先に対応するチェックルール41があるか否かを判定する(ステップS202)。
【0043】
チェックルール41がないならば(ステップS202;No)、送信確認ボタンを表示し、送信確認ボタンの押下によるメール送信を行い(ステップS203)、本処理を終了する。
【0044】
一方、チェックルール41があるならば(ステップS202;Yes)、さらに、複数の送信先に対するチェックルール41があるか否かを判定する(ステップS204)。複数の送信先に対するチェックルール41がないならば(ステップS204;No)、1つの送信先に対するチェックルール41のチェック画面D1を表示する(ステップS205)。その後、チェック画面D1に対するチェックが済んでいるか否かを判定する(ステップS206)。すなわち、チェック画面D1のチェックボックスのすべてがチェックされたか否かを判定する。チェックが済んでいないならば(ステップS206;No)、ステップS205に移行してチェック処理を続行する。一方、チェックが済んだならば(ステップS206;Yes)、送信確認ボタンを表示し、送信確認ボタンの押下によるメール送信を行い(ステップS203)、本処理を終了する。
【0045】
複数の送信先に対するチェックルール41があるならば(ステップS204;Yes)、さらに、相反するチェックルール41か否かを判定する(ステップS207)。相反するチェックルール41がないならば(ステップS207;No)、ステップS205に移行し、1つの送信先に対するチェック処理に移行する。
【0046】
一方、相反するチェックルール41があるならば(ステップS207;Yes)、相反するチェックルール41に対応する複数の送信先を分離した複数のメールを生成する(ステップS208)。そして、生成した複数のメールのうちの1つのメールに対するチェック画面D1を表示する(ステップS209)。その後、チェック画面D1に対するチェックが済んでいるか否かを判定する(ステップS210)。すなわち、チェック画面D1のチェックボックスのすべてがチェックされたか否かを判定する。チェックが済んでいないならば(ステップS210;No)、ステップS209に移行してチェック処理を続行する。一方、チェックが済んだならば(ステップS210;Yes)、送信確認ボタンを表示し、送信確認ボタンの押下によるメール送信を行う(ステップS211)。そして、送信先を分離した残りのチェック未処理のメールがあるか否かを判定する(ステップS212)。残りのチェック未処理のメールがあるならば(ステップS212;Yes)、ステップS209に移行して未処理のメールに対するチェック処理を続行する。一方、残りの未処理のメールがないならば(ステップS212;No)、本処理を終了する。
【0047】
本変形例1では、複数の送信先に対するチェックルール41が存在する場合であって、送信先のチェックルール41が相反する内容である場合、送信先を分離した複数のメールを生成した後、各メールに対するメール管理処理を行うようにしているので、チェックルール41に対する矛盾のない送信メールを送信することができる。
【0048】
<変形例2>
図6は、変形例2に係るメール送信管理制御部51によるメール送信管理処理手順を示すフローチャートである。本変形例2では、複数の送信先に対するチェックルール41が存在する場合、予め設定された優先順序の高い送信先のチェックルール41を適用するようにしている。
【0049】
図6に示すように、まず、メール送信管理制御部51は、送信ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS301)。送信ボタンが押下されないならば(ステップS301;No)、本判定処理を繰り返す。一方、送信ボタンが押下されたならば(ステップS301;Yes)、さらに、作成したメールの送信先に対応するチェックルール41があるか否かを判定する(ステップS302)。
【0050】
チェックルール41がないならば(ステップS302;No)、送信確認ボタンを表示し、送信確認ボタンの押下によるメール送信を行い(ステップS307)、本処理を終了する。
【0051】
一方、チェックルール41があるならば(ステップS302;Yes)、さらに、複数の送信先に対するチェックルール41があるか否かを判定する(ステップS303)。複数の送信先に対するチェックルール41がないならば(ステップS303;No)、ステップS305に移行して、チェック画面D1を表示する。一方、複数の送信先に対するチェックルール41があるならば(ステップS303;Yes)、予め設定された優先順位の高い送信先のチェックルール41を適用し(ステップS304)、このチェックルール41のチェック画面D1を表示する(ステップS305)。この優先順位は、例えば、送信先のメールアドレスごとに設定しておいてもよいし、送信先、すなわち送信先(TO)、同報先(CC)、同報先(BCC)の順に優先順位を設定してもよい。
【0052】
その後、チェック画面D1に対するチェックが済んでいるか否かを判定する(ステップS306)。すなわち、チェック画面D1のチェックボックスのすべてがチェックされたか否かを判定する。チェックが済んでいないならば(ステップS306;No)、ステップS305に移行してチェック処理を続行する。一方、チェックが済んだならば(ステップS306;Yes)、送信確認ボタンを表示し、送信確認ボタンの押下によるメール送信を行い(ステップS307)、本処理を終了する。
【0053】
本変形例2では、複数の送信先に対するチェックルール41が存在する場合、予め設定された優先順序の高い送信先のチェックルール41を適用するようにしているので、送信先ごとのチェックルール41が複数存在する場合であっても、適切なチェック画面D1を表示することができる。
【0054】
なお、変形例2では、複数の送信先に対するチェックルール41が存在する場合、予め設定された優先順位の高いチェックルール41を適用するようにしていたが、これに限らず、各チェックルール41のアンド条件あるいはオア条件を満足するチェックルール41を適用するようにしてもよい。この場合、アンド条件を適用するかオア条件を適用するかは予め設定しておく。
【0055】
また、上記の実施例及び変形例1,2では、メールサーバ10が送信メールの送信時にチェックルール41に即したチェック画面D1を表示してメール送信管理制御を行うようにしていたが、端末装置60がメーラーを用いている場合には、このメーラーのプラグインとしてメール送信管理制御機能を付加するようにしてもよい。
【0056】
なお、上記の実施例及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明に係るメールサーバ及びメール送信管理方法は、予め設定した取り決めに対応しない送信メールの誤送信をメール送信前に低減する場合に有用である。
【符号の説明】
【0058】
10 メールサーバ
20 入出力部
30 通信部
40 記憶部
41 チェックルール
50 制御部
51 メール送信管理制御部
52 表示処理部
60 端末装置
D1 チェック画面
N ネットワーク