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特許7032364取引値表示システム、取引値表示方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】取引値表示システム、取引値表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20220301BHJP
【FI】
G06Q40/04
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019181507
(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公開番号】P2021056934
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501044644
【氏名又は名称】楽天証券株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】永倉 弘昭
(72)【発明者】
【氏名】川田 哲也
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0192877(US,A1)
【文献】特開2004-102793(JP,A)
【文献】特開平06-231133(JP,A)
【文献】特開2019-003236(JP,A)
【文献】特開2014-102589(JP,A)
【文献】特開2004-334480(JP,A)
【文献】特開2006-350972(JP,A)
【文献】特開2008-262429(JP,A)
【文献】特開2006-323534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、
を備え
前記表示処理部は、さらに、前記第3位置から前記第1位置まで伸びる線状の前記第1表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする取引値表示システム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記取引対象の取引成立に応じて前記高値または前記安値が変更された場合に、前記第1位置に対応して表示される前記高値または前記第2位置に対応して表示される前記安値を変更することを特徴とする請求項1に記載の取引値表示システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記取引対象の取引成立に応じて前記高値または前記安値が変更された場合に、前記第3位置を変更して前記始値と前記第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の取引値表示システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記取引対象の取引成立に応じて前記高値または前記安値が変更された場合に、前記第4位置を変更して前記現在値と前記第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の取引値表示システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記高値から前記安値までをn(nは2以上の自然数)等分して得られたn-1個の中間値をさらに取得し、
前記表示処理部は、前記第1位置から前記第2位置までを前記線図に沿ってn(nは2以上の自然数)等分して得られたn-1個の位置に対応させて前記n-1個の中間値を表示させることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の取引値表示システム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記第1位置から前記第2位置までを前記線図に沿ってn(nは2以上の自然数)等分して得られたn-1個の位置に対応させて目盛りを表示させることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の取引値表示システム。
【請求項7】
端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、
を備え、
前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第1期間における複数の前記取引値の変動幅を当該第1期間内の第2期間毎に累計した第1変動累計値の平均値を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第3期間における複数の前記取引値の変動幅を累計した第2変動累計値を取得し、
前記表示処理部は、さらに、前記平均値を基準として前記第2変動累計値を表す第3表示物であって、前記線図上の第5位置から、前記平均値及び前記第2変動累計値に基づいて特定される第6位置まで伸びる線状の前記第3表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする取引値表示システム。
【請求項8】
端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、
を備え、
前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数に対する前記現在売枚数の割合、及び前記過去平均買枚数または前記過去平均売枚数に対する前記現在買枚数の割合を取得し、
前記表示処理部は、さらに、前記現在売枚数の割合を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数の割合に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記現在買枚数の割合を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数の割合に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする取引値表示システム。
【請求項9】
端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、
を備え、
前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、
前記表示処理部は、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在売枚数を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在買枚数を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする取引値表示システム。
【請求項10】
前記表示処理部は、円弧状または楕円弧状の線図を表示させ、前記線図の一端部の前記第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図の他端部の前記第2位置に対応させて前記安値を表示させることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の取引値表示システム。
【請求項11】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、
所定の長さを有する線図を表示させるステップと、
前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、
前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
前記第3位置から前記第1位置まで伸びる線状の前記第1表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、
を含むことを特徴とする取引値表示方法。
【請求項12】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、
所定の長さを有する線図を表示させるステップと、
前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、
前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第1期間における複数の前記取引値の変動幅を当該第1期間内の第2期間毎に累計した第1変動累計値の平均値を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第3期間における複数の前記取引値の変動幅を累計した第2変動累計値を取得するステップと、
前記平均値を基準として前記第2変動累計値を表す第3表示物であって、前記線図上の第5位置から、前記平均値及び前記第2変動累計値に基づいて特定される第6位置まで伸びる線状の前記第3表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、
を含むことを特徴とする取引値表示方法。
【請求項13】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、
所定の長さを有する線図を表示させるステップと、
前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、
前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数に対する前記現在売枚数の割合、及び前記過去平均買枚数または前記過去平均売枚数に対する前記現在買枚数の割合を取得するステップと、
前記現在売枚数の割合を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数の割合に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記現在買枚数の割合を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数の割合に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、
を含むことを特徴とする取引値表示方法。
【請求項14】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、
所定の長さを有する線図を表示させるステップと、
前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、
前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、
現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得するステップと、
前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在売枚数を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在買枚数を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、
を含むことを特徴とする取引値表示方法。
【請求項15】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ
前記表示処理部は、さらに、前記第3位置から前記第1位置まで伸びる線状の前記第1表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ、
前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第1期間における複数の前記取引値の変動幅を当該第1期間内の第2期間毎に累計した第1変動累計値の平均値を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第3期間における複数の前記取引値の変動幅を累計した第2変動累計値を取得し、
前記表示処理部は、さらに、前記平均値を基準として前記第2変動累計値を表す第3表示物であって、前記線図上の第5位置から、前記平均値及び前記第2変動累計値に基づいて特定される第6位置まで伸びる線状の前記第3表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ、
前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数に対する前記現在売枚数の割合、及び前記過去平均買枚数または前記過去平均売枚数に対する前記現在買枚数の割合を取得し、
前記表示処理部は、さらに、前記現在売枚数の割合を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数の割合に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記現在買枚数の割合を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数の割合に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、
前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、
所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ、
前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、
前記表示処理部は、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在売枚数を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在買枚数を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末の画面に金融商品等の取引対象の取引値を表示する取引値表示システム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、株式相場、外国為替相場などの相場の値動きを図表として表現するローソク足チャートという手法が知られている。ローソク足チャートでは、単位期間(例えば、1日)における始値、高値、安値、及び終値という4つの値をローソクの形で表している。特許文献1には、特定の株式銘柄の株価について、株価の動きを視覚的により見易く、また、解り易くてより簡易に予測判断を行うことが可能な相場価格診断チャートが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-102793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された相場価格診断チャートでは、最高値、最安値、終値、所定期間の移動平均価格の指定日当日の現在値を表す移動平均現在値が考慮されているものの、単位期間(例えば、1日)における始値及び直近の取引値(取引に応じて変動する現在値)が考慮されていない。そのため、ユーザは取引対象の寄り付きからの値動きを一見して把握することが困難であり、したがって、取引対象の相場を直感的に予測することが困難である。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの習熟度に関わらず、ユーザに対して取引対象の相場を直感的に予測させることが可能なユーザインターフェースを実現できる取引値表示システム、取引値表示方法、及びプログラムを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、を備え、前記表示処理部は、さらに、前記第3位置から前記第1位置まで伸びる線状の前記第1表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。これにより、ユーザの習熟度に関わらず、ユーザに対して取引対象の相場を直感的に予測させることが可能なユーザインターフェースを実現することができ、ユーザに対して取引対象の値動きを始値、高値、及び安値の線図上の位置関係から直観的に把握させる視覚効果を高めることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の取引値表示システムにおいて、前記表示処理部は、前記取引対象の取引成立に応じて前記高値または前記安値が変更された場合に、前記第1位置に対応して表示される前記高値または前記第2位置に対応して表示される前記安値を変更することを特徴とする。これにより、ユーザに対して取引対象の値動きを一見して把握させることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の取引値表示システムにおいて、前記表示処理部は、前記取引対象の取引成立に応じて前記高値または前記安値が変更された場合に、前記第3位置を変更して前記始値と前記第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させることを特徴とする。これにより、ユーザに対して取引対象の値動きを始値、高値、及び安値の線図上の位置関係から直観的に把握させることができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の取引値表示システムにおいて、前記表示処理部は、前記取引対象の取引成立に応じて前記高値または前記安値が変更された場合に、前記第4位置を変更して前記現在値と前記第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させることを特徴とする。これにより、ユーザに対して取引対象の値動きを現在値、高値、及び安値の線図上の位置関係から直観的に把握させることができる。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れか一項に記載の取引値表示システムにおいて、前記取得部は、前記高値から前記安値までをn(nは2以上の自然数)等分して得られたn-1個の中間値をさらに取得し、前記表示処理部は、前記第1位置から前記第2位置までを前記線図に沿ってn(nは2以上の自然数)等分して得られたn-1個の位置に対応させて前記n-1個の中間値を表示させることを特徴とする。これにより、ユーザに対して現在値を把握させやすくすることができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1乃至の何れか一項に記載の取引値表示システムにおいて、前記表示処理部は、前記第1位置から前記第2位置までを前記線図に沿ってn(nは2以上の自然数)等分して得られたn-1個の位置に対応させて目盛りを表示させることを特徴とする。これにより、ユーザに対して現在値を把握させやすくすることができる。
【0013】
請求項7に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、を備え、前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第1期間における複数の前記取引値の変動幅を当該第1期間内の第2期間毎に累計した第1変動累計値の平均値を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第3期間における複数の前記取引値の変動幅を累計した第2変動累計値を取得し、前記表示処理部は、さらに、前記平均値を基準として前記第2変動累計値を表す第3表示物であって、前記線図上の第5位置から、前記平均値及び前記第2変動累計値に基づいて特定される第6位置まで伸びる線状の前記第3表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。これにより、ユーザに対して過去の価格変動と比べて現在の価格変動の大きさを一見して把握させることができる。
【0014】
請求項に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、を備え、前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数に対する前記現在売枚数の割合、及び前記過去平均買枚数または前記過去平均売枚数に対する前記現在買枚数の割合を取得し、前記表示処理部は、さらに、前記現在売枚数の割合を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数の割合に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記現在買枚数の割合を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数の割合に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。これにより、ユーザに対して取引対象の売買の活発状況を一見して把握させることができる。
【0015】
請求項9に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムであって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部と、を備え、前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、前記表示処理部は、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在売枚数を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在買枚数を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。これにより、ユーザに対して取引対象の売買の活発状況を一見して把握させることができる。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至の何れか一項に記載の取引値表示システムにおいて、前記表示処理部は、円弧状または楕円弧状の線図を表示させ、前記線図の一端部の前記第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図の他端部の前記第2位置に対応させて前記安値を表示させることを特徴とする。これにより、線図の見やすさを高めることができる。
【0017】
請求項11に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、所定の長さを有する線図を表示させるステップと、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、前記第3位置から前記第1位置まで伸びる線状の前記第1表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、を含むことを特徴とする。請求項12に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、所定の長さを有する線図を表示させるステップと、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第1期間における複数の前記取引値の変動幅を当該第1期間内の第2期間毎に累計した第1変動累計値の平均値を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第3期間における複数の前記取引値の変動幅を累計した第2変動累計値を取得するステップと、前記平均値を基準として前記第2変動累計値を表す第3表示物であって、前記線図上の第5位置から、前記平均値及び前記第2変動累計値に基づいて特定される第6位置まで伸びる線状の前記第3表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、を含むことを特徴とする。請求項13に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、所定の長さを有する線図を表示させるステップと、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数に対する前記現在売枚数の割合、及び前記過去平均買枚数または前記過去平均売枚数に対する前記現在買枚数の割合を取得するステップと、前記現在売枚数の割合を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数の割合に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記現在買枚数の割合を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数の割合に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、を含むことを特徴とする。請求項14に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータにより実行される取引値表示方法であって、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得するステップと、所定の長さを有する線図を表示させるステップと、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させるステップと、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させるステップと、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得するステップと、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在売枚数を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在買枚数を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させるステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
請求項15に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ、前記表示処理部は、さらに、前記第3位置から前記第1位置まで伸びる線状の前記第1表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。請求項16に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ、前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第1期間における複数の前記取引値の変動幅を当該第1期間内の第2期間毎に累計した第1変動累計値の平均値を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第3期間における複数の前記取引値の変動幅を累計した第2変動累計値を取得し、前記表示処理部は、さらに、前記平均値を基準として前記第2変動累計値を表す第3表示物であって、前記線図上の第5位置から、前記平均値及び前記第2変動累計値に基づいて特定される第6位置まで伸びる線状の前記第3表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。請求項17に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ、前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数に対する前記現在売枚数の割合、及び前記過去平均買枚数または前記過去平均売枚数に対する前記現在買枚数の割合を取得し、前記表示処理部は、さらに、前記現在売枚数の割合を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数の割合に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記現在買枚数の割合を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数の割合に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。請求項18に記載の発明は、端末の画面に取引対象の取引値を表示するコンピュータを、前記取引対象の取引値として、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値を取得する取得部と、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させる表示処理部として機能させ、前記取得部は、さらに、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間における前記取引対象の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を取得し、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間における前記取引対象の現在売枚数及び現在買枚数を取得し、前記表示処理部は、さらに、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在売枚数を表す第4表示物であって、前記線図上の第8位置から、前記現在売枚数に基づいて特定される第11位置まで伸びる線状の前記第4表示物を前記線図に沿って表示させ、前記過去平均売枚数または前記過去平均買枚数を基準として前記現在買枚数を表す第5表示物であって、前記線図上の前記第8位置から、前記現在買枚数に基づいて特定される第12位置まで伸びる線状の前記第5表示物を前記線図に沿って表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザの習熟度に関わらず、ユーザに対して取引対象の相場を直感的に予測させることが可能なユーザインターフェースを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】金融商品取引システムSの概要構成例を示す図である。
図2】(A)は、注文者端末3の概要構成例を示す図であり、(B)は、制御部34における機能ブロックの一例を示す図である。
図3】金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの一例を示す図である。
図4】金融商品の取引成立に応じて高値が変更された場合に注文画面SCにおいて表示変更が行われる様子を示す概念図である。
図5】注文者端末3の制御部34における注文画面表示処理の一例を示すフローチャートである。
図6】変形例において、注文画面表示処理中に行われる価格変動表示処理の一例を示すフローチャートである。この価格変動表示処理は、例えば、ステップS13において行われる。
図7】金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの変形例1を示す図である。
図8】金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの変形例1を示す図である。
図9】第5位置PLから第7位置PHまでの線図L上の各位置の値の一例を示す図である。
図10】変形例2において、注文画面表示処理中に行われる売買表示処理の一例を示すフローチャートである。
図11】金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの変形例2を示す図である。
図12】金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの変形例2を示す図である。
図13】第9位置PHから第10位置PLまでの線図L上の各位置の値の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、金融商品取引システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。ここで、「金融商品」には、例えば、株式、債券、投資信託等の有価証券の他に、外国為替証拠金取引(FX(Foreign Exchange))で取引可能な通貨、ストックオプションで取引可能な株式、先物取引で取引可能な商品(大豆先物、原油先物等)、仮想通貨などが該当する。
【0022】
1.金融商品取引システムSの構成及び機能概要
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る金融商品取引システムSの構成及び機能概要について説明する。金融商品取引システムSは、端末の画面に取引対象の取引値を表示する取引値表示システムの一例である。図1は、金融商品取引システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、金融商品取引システムSは、金融商品の売買取引を遂行する取引所により運営される取引所サーバ1、当該取引所に登録された取引業者(例えば、証券会社等)により運営される注文処理サーバ2、及び取引業者を介して金融商品の注文(買い注文または売り注文)を行う注文者(例えば、投資家等のユーザ)により使用される注文者端末3等を含んで構成される。注文処理サーバ2は、ネットワークNWを介して取引所サーバ1と通信可能になっている。また、注文者端末3は、ネットワークNWを介して注文処理サーバ2と通信可能になっている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。なお、図1の例では、取引所サーバ1を1つ示しているが取引所毎に存在する。また、注文処理サーバ2を1つ示しているが、取引業者毎に存在する。また、注文者端末3を1つ示しているが、注文者毎に存在する。
【0023】
取引所サーバ1は、1または複数のサーバコンピュータにより構成され、注文者情報データベース(DB)11、注文情報データベース(DB)12、及び取引情報データベース(DB)13等を用いて各種情報を管理し、注文処理サーバ2からの要求に応じた処理を実行する。例えば、取引所サーバ1は、注文処理サーバ2から送信された買い注文要求に応じて買い注文を注文情報データベース12に登録し、注文処理サーバ2から送信された売り注文要求に応じて売り注文を注文情報データベース12に登録する。そして、取引所サーバ1は、所定の売買ルールにしたがって、注文された金融商品の取引を成立(約定)させる処理を実行し、約定された金融商品の情報を取引情報データベース13に登録する。なお、取引を成立させる処理の内容は、金融商品の種別に応じて異なるが、本発明とは直接の関係がないので、その詳しい説明を省略する。
【0024】
ここで、注文者情報データベース11には、取引業者の識別情報(ID)、当該取引業者との間で取引の委託契約を行った注文者の識別情報(ID)、注文者の名称、当該注文者の住所、当該注文者のメールアドレス、当該注文者の認証に利用されるパスワード、当該注文者の口座情報(上記委託契約を通じて金融商品の取引のために開設された口座の情報)、当該注文者の売取引情報、及び当該注文者の買取引情報等が対応付けられて取引業者毎且つ注文者毎に区別されて格納される。注文情報データベース12には、注文された金融商品の識別情報(銘柄識別情報)、注文者の識別情報、売買区分(買い注文、または売り注文の別)、注文単価、及び注文数量等が対応付けられて注文毎に格納される。取引情報データベース13には、約定された金融商品の識別情報、注文者の識別情報、売買区分、取引単価(取引値)、及び取引数量等が対応付けられて約定毎に格納される。
【0025】
注文処理サーバ2は、1または複数のサーバコンピュータにより構成され、取引所サーバ1により管理されている情報を所定時間間隔で取得し、注文者情報データベース21、注文情報データベース22、及び取引情報データベース23等を用いて各種情報を管理し、注文者端末3からの要求に応じた処理を実行する。なお、注文情報データベース22及び取引情報データベース23には、取引所サーバ1の注文情報データベース12、及び取引情報データベース13に格納された情報が格納される。また、注文処理サーバ2は、注文者端末3からのアクセス要求に応じてログイン画面を注文者端末3に表示させ、ログイン画面の入力欄に注文者により入力された注文者の識別情報及びパスワードを用いて認証処理を実行し、認証成功であれば、GUI(Graphical User Interface)である注文画面(取引画面)を注文者端末3に表示させる。
【0026】
ここで、注文画面を表示するためのアプリケーションプログラムは、例えば取引業者との委託契約時に注文処理サーバ2から注文者端末3にダウンロードされてインストールされる。注文者は、注文画面上で現在までの取引状況を閲覧したり、注文画面に表示された操作ボタンを操作して所望の金融商品の選択や注文指示を行うことが可能になっている。そして、注文処理サーバ2は、注文画面において注文者により選択された金融商品の注文指示により注文者端末3から送信された注文要求(売り注文要求、または買い注文要求)に応じて注文受付処理を実行することで当該金融商品の注文要求を取引所サーバ1へ送信する。
【0027】
図2(A)は、注文者端末3の概要構成例を示す図である。図2(A)に示すように、注文者端末3は、通信部31、記憶部32、操作・表示部33、及び制御部34(コンピュータの一例)等を備える。通信部31は、ネットワークNWに接続して通信を行う機能を担う。記憶部32には、例えば不揮発性半導体メモリやハードディスク等から構成され、各種プログラム及びデータを記憶する。各種プログラムには、OS(Operating System)、及び注文画面を表示するためのアプリケーションプログラムが含まれる。操作・表示部33は、例えばタッチパネルに注文画面を表示し、注文者からの指示を受け付ける。なお、注文者端末3には、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、ゲーム機、パーソナルコンピュータなどが適用可能である。
【0028】
図2(B)は、制御部34における機能ブロックの一例を示す図である。制御部34は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),及びRAM(Random Access Memory)等を備え、OS上で注文画面を表示するためのアプリケーションプログラムを実行する。当該アプリケーションプログラムが起動すると、制御部34は、注文処理サーバ2にアクセスして特定期間における特定銘柄の注文情報及び取引情報を注文処理サーバ2から取得し、例えばRAMの特定銘柄一時保存領域に保存する。このような注文情報及び取引情報は、注文処理サーバ2から所定時間間隔(例えば、0.1秒~0.5秒間隔)で注文者端末3に送信される。これにより、特定銘柄一時保存領域に保存された注文情報及び取引情報は所定時間間隔で更新されることになる。また、制御部34は、上記アプリケーションプログラムを実行することで、図2(B)に示すように、データ取得部341(取得部の一例)、表示処理部342、及び注文者指示処理部343等として機能する。
【0029】
データ取得部341は、特定銘柄一時保存領域に保存された取引情報から当該金融商品の取引値として、所定の単位期間における始値、高値(最高値)、安値(最安値)、及び現在値を取得する。ここで、所定の単位期間とは、例えば、日単位、週単位、月単位の期間である。かかる単位期間は、注文者により選択可能になっている。現在値とは、最新の取引値(つまり、直近で約定された価格)である。なお、金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合、その為替レートが取引値に相当し、現在値は現時点(つまり、データ取得部341による現在値の取得時点)における最新の為替レートである。また、データ取得部341は、取得した高値から安値までをn(nは2以上の自然数)等分して得られたn-1個の中間値をさらに取得するとよい。この中間値は、注文処理サーバ2から取得されてもよいし、データ取得部341が高値から安値をn等分する計算を行うことで取得されてもよい。
【0030】
表示処理部342は、上記アプリケーションプログラムの起動により描画処理を実行し、操作・表示部33(例えば、タッチパネル)に表示された注文画面上に取引値メーター、及び操作ボタン(例えば、選択ボタン、注文ボタン、設定ボタン)等を表示させる。ここで、描画される取引値メーターは、グラフィック表現される線図を含んで構成される。線図は、曲線状の図であってもよいし、直線状の図であってもよい。また、線図は、実線であってもよいし、破線であってもよいし、例えば複数のバブルが連なり線のように見える図であってもよい。望ましくは、円弧状または楕円弧状の線図が描画されるように構成すれば、見やすさを高めることができる。
【0031】
さらに、表示処理部342は、データ取得部341により取得された始値、高値、安値、及び現在値に基づいて、線図上の第1位置に対応させて高値を表示させ、当該線図上の第2位置に対応させて安値を表示させ、第1位置、第2位置、または第1位置と第2位置の間にある線図上の第3位置(つまり、第3位置は、第1位置または第2位置と一致する場合もあるし、或いは、第1位置と第2位置の間に位置する場合もある)に対応させて始値を表示させ、第1位置、第2位置、または第1位置と第2位置の間にある線図上の第4位置(つまり、第4位置は、第1位置または第2位置と一致する場合もあるし、或いは、第1位置と第2位置の間に位置する場合もある)に対応させて現在値を表示させる。このとき、第1位置には高値がセットされ、第2位置には安値がセットされる。なお、線図上の第1位置に対応させて高値を表示させるとは、第1位置から当該第1位置の近傍位置(つまり、所定ピクセル離れた位置)の間の何れかの位置に高値を表示させることを意味する(安値、始値、現在値、及び中間値の場合も同様)。第1位置は線図の一端部にあり、第2位置は線図の他端部にあるとよい。
【0032】
また、表示処理部342は、始値に代えて、または始値とともに始値に対応する第1表示物を第3位置に対応させて表示させるとよい。始値に対応する第1表示物とは、始値が線図上のどこに位置するのかが注文者により視認可能な表示物である。第3位置と第1位置とが一致していない場合、表示処理部342は、第3位置から第1位置まで伸びる線状の第1表示物を線図に沿って表示させるとよい。また、表示処理部342は、現在値に代えて、または現在値とともに現在値に対応する第2表示物を第4位置に対応させて表示させるとよい。現在値に対応する第2表示物とは、現在値が線図上のどこに位置するのか(つまり、どの水準にあるのか)が注文者により視認可能な表示物である。
【0033】
ここで、第3位置は、始値、高値及び安値に基づいて特定され、第4位置は、高値、安値、及び現在値に基づいて特定される。例えば、表示処理部342は、線図上の各位置の座標(x,y)を認識しており、線図上の第1位置にセットされた高値と、線図上の第2位置にセットされた安値とから、線図上の各位置に対応する値を計算により求めることで、始値に対応する第3位置、及び現在値に対応する第4位置を計算により特定する。また、表示処理部342は、第1位置から第2位置までを線図に沿ってn等分して得られたn-1個の位置に対応させて目盛りを表示させ、n-1個の位置に対応させてn-1個の中間値を表示(つまり、目盛りと中間値とを対応付けて表示)させるとよい。これにより、注文者に対して現在値を把握させやすくすることができる。なお、目盛りと中間値との何れか一方をn-1個の位置に対応させて表示させてもよい。
【0034】
図3は、金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの一例を示す図である。図3に示す注文画面SCには、取引値メーターを構成する円弧状の線図Lが表示され、線図Lの右端部の第1位置PHに対応するように(つまり、第1位置PHの近傍位置に)高値(107.121)及び目盛りが表示され、線図Lの左端部の第2位置PLに対応するように安値(106.811)及び目盛りが表示され、第1位置PHと第2位置PLの間にある線図L上の第3位置POに対応するように始値(106.966)が表示され、第1位置PHと第2位置PLの間にある線図L上の第4位置PPに対応するように現在値(106.935)が表示されている。
【0035】
また、図3に示す注文画面SCには、第3位置PO(始点)から第1位置PH(終点)まで伸びる曲線状の取引傾向メーターW(第1表示物の一例)が線図Lに沿って表示されている。換言すると、取引傾向メーターWは、第3位置POと第1位置PHとを繋いでいる。取引傾向メーターWにより、注文者に対して金融商品の値動きを始値、高値、及び安値の線図L上の位置関係から直観的に把握させることができる。例えば、取引傾向メーターWが長ければ(つまり、第2位置PL付近から第1位置PHまで伸びていれば)、注文者は現在値が上昇傾向であることを直観的に把握することができる。一方、取引傾向メーターWが短ければ、注文者は現在値が下降傾向であることを直観的に把握することができる。取引傾向メーターWは、目立つ色(例えば、赤色)で表示させれば、より視覚効果を高めることができる。なお、図3の例では、取引傾向メーターWは、線図Lの外側に表示されているが、線図Lの内側に表示されてもよい。
【0036】
また、図3に示す注文画面SCには、現在値に対応する三角形状のポインターR(第2表示物の一例)が第4位置PPに表示されている。ポインターRにより、注文者に対して金融商品の値動きを現在値、高値、及び安値の線図L上の位置関係から直観的に把握させることができる。例えば、ポインターRが第1位置PHに表示され続けていれば(つまり、高値で張り付いていれば)、注文者は現在値が上昇し続けていることを直感的に把握することができる。一方、ポインターRが第2位置PLに表示され続けていれば(つまり、安値で張り付いていれば)、注文者は現在値が下降し続けていることを直感的に把握することができる。
【0037】
また、図3に示す注文画面SCには、第1位置PHから第2位置PLまでを線図Lに沿って10等分して得られた9個の位置P1~P9に対応するように目盛りが表示され、9個の位置に対応するように9個の中間値(106.842,106.873,106.904....)が表示されている。また、図3に示す注文画面SCには、第3位置POと位置P5(換言すると、始値と中間値)が同じであるため、始値と中間値とで共通する1つの値(106.966)だけが表示されているが、第3位置POが位置P1~P9のいずれとも異なる場合(つまり、重ならない場合)、表示処理部342は、中間値とは別に、始値を表示させるとよい。
【0038】
また、図3に示す注文画面SCには、第4位置PPと位置P4(換言すると、現在値と中間値)が同じであるため、現在値と中間値とで共通する1つの値(106.935)だけが表示されているが、第4位置PPが位置P1~P9のいずれとも異なる場合、表示処理部342は、中間値とは別に、現在値を表示させるとよい。なお、図3の例では、9個の位置P1~P9に対応するように表示された目盛り以外にも線図L上に目盛り(例えば、符号mで示される目盛り等)が表示されているが、これより狭い間隔で目盛りが表示されてもよい。
【0039】
また、図3に示す注文画面SCには、取引値の時系列的変化を表すチャートchが線図Lの近傍位置(この例では、線図Lに囲まれるように)に表示されている。図3に示すチャートchは、縦軸を取引値とし横軸を時間とし、時系列的に表されるローソク足及び移動平均線により構成される。かかるチャートは、注文者により、日足、週足、月足、年足、1分足、5分足のいずれかの足種に選択可能になっている。
【0040】
また、図3に示す注文画面SCには、金融商品を選択するための金融商品選択ボタンB1、注文数量の設定を行うための数量設定ボタンB2、売り注文指示を行うための売り注文ボタンB3、買い注文指示を行うための買い注文ボタンB4、足種を選択するための足種選択ボタンB5、画面表示に関する設定を行うための設定ボタンB6、及び保有建玉を全決済するための全決済ボタンB7等が表示されている。ここで、画面表示に関する設定の例として、画面表示更新間隔の設定、上記単位期間の設定、高値から安値までを何等分するかの設定などが挙げられる。
【0041】
そして、表示処理部342は、データ取得部341により所定時間間隔で取得される始値、高値、安値、及び現在値に基づいて、注文画面SCにおいて線図Lに沿って表示されている取引値(始値、高値、安値、中間値、現在値)、第1表示物(例えば、取引傾向メーターW)の表示位置(第3位置P0)、及び第2表示物(例えば、ポインターR)の表示位置(第4位置PP)所定の更新間隔で更新する。このとき、金融商品の取引成立(つまり、新たな約定により新たな現在値が得られたこと)に応じて高値または安値が変更(更新)された場合に、表示処理部342は、第1位置PHに対応するように表示される高値または第2位置PLに対応するように表示される安値を変更(表示変更)する。この場合、例えば変更された高値から変更されていない安値まで(または、変更されていない高値から変更後された安値まで)が、再度、n等分(例えば、10)されることでn-1個の中間値についても変更される。そして、表示処理部342は、n-1(例えば9個)の位置(例えば、P1~P9)に対応するように表示されるn個の中間値を変更(表示変更)することになる。
【0042】
図4は、金融商品の取引成立に応じて高値が変更された場合に注文画面SCにおいて表示変更が行われる様子を示す概念図である。なお、図4(A)は更新前(表示変更前)を示しており、高値H、安値L、中間値M1~M9が線図Lに沿って表示されている。一方、図4(B)は更新後(表示変更後)を示しており、高値H’、安値L、中間値M1’~M9’が線図Lに沿って表示されている。つまり、高値Hが高値H’(>高値H)に表示変更され、中間値M1~M9が中間値M1’~M9’に表示変更されている。
【0043】
また、図4(A),(B)に示すように、取引傾向メーターW(この例では、線図Lの内側に表示)の始点となる第3位置は、高値の変更に応じて、POからPO’に変更されている。つまり、表示処理部342は、金融商品の取引成立に応じて例えば高値が変更された場合に、第3位置を変更して取引傾向メーターWを表示させる。これにより、注文者に対して、取引傾向メーターWが伸縮するように見せることができる。このとき、表示処理部342は、変更後の第3位置PO’に対応させて始値を表示させてもよい。
【0044】
さらに、図4(A),(B)に示すように、ポインターRが表示される第4位置は、高値の変更に応じて、PPからPP’に変更されている。つまり、表示処理部342は、金融商品の取引成立に応じて例えば高値が変更された場合に、第4位置を変更してポインターRを表示させる。これにより、注文者に対して、ポインターRが線図L上を移動するように見せることができる。このとき、表示処理部342は、変更後の第4位置PP’に対応させて現在値を表示させてもよい。
【0045】
注文者指示処理部343は、注文画面SCが表示された状態において、操作・表示部33により受け付けられた指示に応じた処理を行う。例えば、注文者指示処理部343は、注文者による選択ボタンB1の操作(例えば、タップ操作)に応じて、金融商品を選択する処理を行う。また、注文者指示処理部343は、注文者による数量設定ボタンB2の操作に応じて、注文数量を設定する処理を行う。また、注文者指示処理部343は、注文者による売り注文ボタンB3の操作に応じて、選択された金融商品の売り注文要求(例えば、金融商品の識別情報、注文者の識別情報、売買区分(売り注文)、注文単価、及び注文数量等を含む)を注文処理サーバ2へ送信する処理を行う。また、注文者指示処理部343は、注文者による買い注文ボタンB4の操作に応じて、選択された金融商品の買い注文要求(例えば、金融商品の識別情報、注文者の識別情報、売買区分(買い注文)、注文単価、及び注文数量等を含む)を注文処理サーバ2へ送信する処理を行う。また、注文者指示処理部343は、注文者による足種選択ボタンB5の操作に応じて、足種を選択する処理を行う。また、注文者指示処理部343は、注文者による設定ボタンB6の操作に応じて、画面表示更新間隔の設定、上記単位期間の設定、または高値から安値までを何等分するかを設定する処理を行う。
【0046】
2.注文者端末3の動作
次に、図5を参照して、注文画面表示処理について説明する。図5は、注文者端末3の制御部34における注文画面表示処理の一例を示すフローチャートである。図5に示す注文画面表示処理は、例えば、上記アプリケーションプログラムの起動により開始される。なお、注文画面表示処理の実行中においても、注文処理サーバ2から所定時間間隔で送信されてくる取引情報等は、例えば制御部34のマルチタスクにより特定銘柄一時保存領域に保存(更新)されることになる。
【0047】
図5に示す注文画面表示処理が開始されると、制御部34は、注文画面SCの描画処理を実行し、注文画面SCを操作・表示部33(例えば、タッチパネル)に表示させる(ステップS1)。次いで、制御部34は、注文者により選択された金融商品(例えば、前回の注文画面SCの表示中に注文者により選択された金融商品)の所定の単位期間(例えば、前回の注文画面SCの表示中に注文者により選択された単位期間)における取引値を特定銘柄一時保存領域から取得する(ステップS2)。
【0048】
次いで、制御部34は、少なくとも異なる2つの取引値が取得されたか否かを判定する(ステップS3)。制御部34は、少なくとも異なる2つの取引値が取得されたと判定した場合(ステップS3:YES)、つまり、安値と高値が区別できる場合、ステップS4へ進む。一方、制御部34は、異なる2つの取引値が取得されていないと判定した場合(ステップS3:NO)、ステップS12へ進む。
【0049】
ステップS4では、制御部34は、所定の長さを有する線図Lを注文画面SCに描画することで表示させる。このとき、制御部34は、線図L上の第1位置PHから第2位置PLまでを線図Lに沿って例えば10(例えば注文者により予め設定)等分して得られた9個の位置P1~P9に対応させて目盛りを表示させるとよい。なお、線図Lの描画は、上記ステップS1で行われてもよい。
【0050】
次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第1位置(図3の例では、右端位置)PHに高値をセットし当該第1位置PHに対応させて高値を表示させ、当該線図L上の第2位置(図3の例では、左端位置)PLに安値をセットし当該第2位置PLに対応させて安値を表示させる(ステップS5)。第1位置PHに高値がセットされ、且つ第2位置PLに安値がセットされることにより、第1位置PHから第2位置PLまでの線図L上の例えば1ピクセル毎の各位置の値が特定可能となる。
【0051】
次いで、制御部34は、例えば高値と安値との差を10で除算演算することで得られた値(最小単位より小さい値は切り捨て)を用いて高値から安値までを10等分した9個の中間値を取得する(ステップS6)。次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第1位置PHから第2位置PLまでを線図Lに沿って10等分して得られた9個の位置P1~P9のそれぞれに各中間値をセットし当該位置P1~P9に対応させて9個の中間値を表示させる(ステップS7)。
【0052】
次いで、制御部34は、始値、高値及び安値に基づいて、上述したように、注文画面SCにおける線図L上の第3位置POを特定する(ステップS8)。次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第3位置POから第1位置PHまで伸びる取引傾向メーターWを線図Lに沿って表示させる(ステップS9)。次いで、制御部34は、高値、安値、及び現在値に基づいて、上述したように、注文画面SCにおける線図L上の第4位置PPを特定する(ステップS10)。次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第4位置PPにポインターRを表示させる(ステップS11)。
【0053】
次いで、制御部34は、注文画面表示処理を終了するか否かを判定する(ステップS12)。制御部34は、注文画面表示処理を終了すると判定した場合(ステップS12:YES)、例えば操作・表示部33により終了指示が受け付けられた場合、注文画面表示処理を終了する。一方、制御部34は、注文画面表示処理を終了しないと判定した場合(ステップS12:NO)、その他の処理が実行される(ステップS13)。例えば、操作・表示部33により受け付けられた指示に応じた処理が実行される。
【0054】
次いで、制御部34は、予め設定された画面表示更新間隔(例えば、0.5秒)に基づいて、更新契機になったか否かを判定する(ステップS14)。制御部34は、更新契機になっていないと判定した場合(ステップS14:NO)、ステップS12に戻る。一方、制御部34は、更新契機になったと判定した場合(ステップS14:YES)、ステップS2に戻る。つまり、画面表示更新間隔毎に上記処理が実行される。
【0055】
以上説明したように、上記実施形態によれば、注文画面SC上に取引値メーターを構成する線図Lを表示させ、所定の単位期間における始値、高値、安値、及び現在値に基づいて、線図L上の第1位置PHに対応させて高値を表示させ、当該線図L上の第2位置PLに対応させて安値を表示させ、線図L上の第3位置POに対応させて始値と伸縮可能な取引傾向メーターWのうち少なくとも何れか一方を表示させ、線図L上の第4位置PPに対応させる現在値と移動可能なポインターRのうち少なくとも何れか一方を表示させるように構成したので、注文者(ユーザ)の習熟度に関わらず、例えば金融商品の寄り付きからの値動きを一見して把握させることが可能となり、注文者に対して金融商品の相場を直感的に予測させることが可能なユーザインターフェースを実現することができる。特に、注文者は、金融商品の相場を判断するにあたり、グラフィック表現の取引値メーターという比較的狭い範囲を俯瞰すればよく、現在値に対応するポインターRの位置や、始値に対応する取引傾向メーターWの長さを見れば、現在の水準や金融商品の寄り付きからの値動きを一見して把握することができる。したがって、従来のチャートなどと比較して、注文者の負担を低減することができる。
【0056】
なお、上記実施形態において、金融商品の取引値として、単位期間毎の終値の移動平均値を取得し、高値、安値、及び移動平均値に基づいて特定される位置に対応させて移動平均値を表示させるように構成してもよい。また、上記実施形態において、例えば土曜日及び日曜日などの取引が行われていない日には、例えば前日の始値、高値、及び安値に基づいて、線図L上の第1位置PHに対応させて高値を表示させ、当該線図L上の第2位置PLに対応させて安値を表示させ、線図L上の第3位置POに対応させて始値と伸縮可能な取引傾向メーターWのうち少なくとも何れか一方を表示させるように構成してもよい。また、上記実施形態において、高値、または安値が更新された時に注文者端末3のバイブレーション機能を動作させ、注文者端末3を振動させるように構成してもよい。また、安値が更新された時に、例えば図3に示す第2位置PLの下部に表示された「LOW(安値)」の文字の色を変化(例えば、白色と黄色で交互に表示)させ、高値が更新された時に、例えば図3に示す第1位置PHの下部に表示された「HIGH(高値)」の文字を変化させるように構成してもよい。
【0057】
(変形例1)
次に、図6乃至図9を参照して、上記実施形態の変形例1について説明する。図6は、変形例において、注文画面表示処理中に行われる価格変動表示処理の一例を示すフローチャートである。この価格変動表示処理は、例えば、ステップS13において行われる。図7及び図8は、金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの変形例1を示す図である。
【0058】
図6において、制御部34は、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第1期間(過去期間)における金融商品(つまり、注文者により選択された金融商品)の連続する複数の取引値を特定銘柄一時保存領域に保存された取引情報から取得する(ステップS21)。ここで、第1期間は、特に限定されるものではないが、例えば、前日の9:00~15:00というように設定される。
【0059】
次いで、制御部34は、ステップS21で取得された複数の取引値の変動幅(つまり、連続する取引値の差分)を当該第1期間内の第2期間毎に累計した第1変動累計値の平均値(以下、「過去ボラティリティ値」という)を演算して取得する(ステップS22)。ここで、第2期間は、特に限定されるものではないが、例えば、1時間に設定される。なお、ボラティリティ値は、取引値の変動幅(つまり、価格変動幅)が大きいほど大きくなる。
【0060】
例えば、ある第2期間において、取引値が“106”,“107”,“106”,“108”,“108”というように時系列で取得されたとすると、変動幅は、“1”,“1”,“2”,“1”,“0”として算出され、第1変動累計値は、“5”として算出される。そして、それぞれの第2期間における第1変動累計値が、“5”,“6”,“3”,“6”,“5”すると、過去ボラティリティ値は、“5”として算出される。こうして取得された過去ボラティリティ値は、例えばRAMの過去分一時保存領域に保存される。
【0061】
次いで、制御部34は、現在時点から所定期間過去に遡った第3期間(現在期間)における金融商品の連続する複数の取引値を特定銘柄一時保存領域に保存された取引情報から取得する(ステップS23)。ここで、第3期間は、特に限定されるものではないが、例えば、本日の10:00~11:00(現在時点)というように設定される。なお、第3期間は、第2期間と同じ時間幅に設定される。次いで、制御部34は、ステップS23で取得された複数の取引値の変動幅を累計した第2変動累計値(以下、「現在ボラティリティ値」という)を演算して取得する(ステップS24)。こうして取得された現在ボラティリティ値は、例えばRAMの現在分一時保存領域に保存される。
【0062】
次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第5位置(図7及び図8の例では、左端位置)PLに“0”をセット(安値とは別にセット)し(ステップS25)、当該線図L上の第7位置(図7及び図8の例では、右端位置)PHに過去ボラティリティ値のm倍の値をセット(高値とは別にセット)する(ステップS26)。ここで、mは、1より大きい値とし、例えば2~5程度に設定されるとよい。図7及び図8の例では、第5位置と第2位置は、レイヤは異なるが同じ位置であるため同一符号“PL”を付し、第7位置と第1位置は、レイヤは異なるが同じ位置であるため同一符号“PH”を付している。
【0063】
なお、第5位置PLに“0”がセットされ、且つ第7位置PHに過去ボラティリティ値のm倍の値がセットされることにより、第5位置PLから第7位置PHまでの線図L上の例えば1ピクセル毎の各位置の値が特定可能となる。図9は、第5位置PLから第7位置PHまでの線図L上の各位置の値の一例を示す図である。図9(A)の例では、過去ボラティリティ値“5”の2倍の値が第7位置PHにセットされた場合の例であり、線図L上の10箇所の位置の値は図示の通りになっている。一方、図9(B)の例では、過去ボラティリティ値“5”の3倍の値が第7位置PHにセットされた場合の例であり、線図L上の10箇所の位置の値は図示の通りになっている。図9(A)の例と及び図9(B)の例を比較すると分かるように、mの値が小さいほど、後述するボラティリティメーターVは見やすくなるので望ましい。しかし、mの値が小さいほど、現在ボラティリティ値が第7位置PHにセットされた値を超える(ボラティリティメーターVが振り切れる)可能性が高くなるので、mの値は、ボラティリティメーターVが見やすく、且つ、現在ボラティリティ値が第7位置PHにセットされた値を超えない程度の値に設定されるとよい。
【0064】
次いで、制御部34は、過去ボラティリティ値(つまり、過去ボラティリティ値のm倍の値)及び現在ボラティリティ値に基づいて、注文画面SCにおける線図L上の第6位置PVを特定する(ステップS27)。つまり、第6位置PVは、過去ボラティリティ値のm倍の値を第7位置PHにセットとしたときの現在ボラティリティ値により決まる。次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第5位置PLから第6位置PVまで伸びる曲線状のボラティリティメーターV(過去ボラティリティ値を基準として現在ボラティリティ値を表す第3表示物の一例)を、図7及び図8に示すように、線図Lに沿って表示させる(ステップS28)。このとき、第6位置PVに対応させて現在ボラティリティ値を表示させてもよい。なお、ボラティリティメーターVは、取引傾向メーターWと同様、目立つ色(例えば、赤色)で表示されると効果的である。
【0065】
以上説明したように、変形例1によれば、注文画面SCにおける線図L上の第5位置PLを原点として伸縮可能なボラティリティメーターVを線図Lに沿って表示させるように構成したので、注文者に対して過去の価格変動と比べて現在の価格変動の大きさを一見して把握させることができる。例えば、図7に示すように、ボラティリティメーターVが長ければ、注文者は過去の価格変動と比べて現在の価格変動が大きいことを一見して把握することができる。一方、図8に示すように、ボラティリティメーターVが短ければ、注文者は過去の価格変動と比べて現在の価格変動が大きいことを一見して把握することができる。
【0066】
(変形例2)
次に、図10乃至図13を参照して、上記実施形態の変形例2について説明する。図10は、変形例2において、注文画面表示処理中に行われる売買表示処理の一例を示すフローチャートである。この売買表示処理は、例えば、ステップS13において行われる。図11及び図12は、金融商品が外国為替証拠金取引で取引可能な通貨である場合の注文画面SCの変形例2を示す図である。
【0067】
図10において、制御部34は、現在時点より前の過去時点から所定期間過去に遡った第4期間(過去期間)における金融商品(つまり、注文者により選択された金融商品)の過去平均売枚数及び過去平均買枚数を特定銘柄一時保存領域に保存された取引情報から取得する(ステップS31)。ここで、売枚数とは、売り注文要求に応じて約定された数であり、買枚数とは、買い注文要求に応じて約定された数である。外国為替証拠金取引においては、売枚数と買枚数とは一致するとは限らない。第4期間は、特に限定されるものではないが、例えば、前日の9:00~15:00というように設定される。過去平均売枚数とは、第4期間を設定期間(例えば、1時間)で区切った期間毎の売枚数の平均数(平均値)であり、過去平均買枚数とは、第4期間を設定期間で区切った期間毎の買枚数の平均数(平均値)である。
【0068】
次いで、制御部34は、現在時点から所定期間過去に遡った第5期間(現在期間)における金融商品(つまり、注文者により選択された金融商品)の現在売枚数及び現在買枚数を特定銘柄一時保存領域に保存された取引情報から取得する(ステップS32)。ここで、第5期間は、特に限定されるものではないが、例えば、本日の10:00~11:00(現在時点)というように設定される。なお、第5期間は、第4期間を設定期間で区切った期間と同じ時間幅に設定される。
【0069】
次いで、制御部34は、過去平均売枚数(または過去平均買枚数)に対する現在売枚数の割合(以下、「売枚数割合」という)を演算して取得する(ステップS33)。例えば、制御部34は、現在売枚数を、過去平均売枚数と過去平均買枚数とのうち大きい方(つまり、平均枚数の多い方を目盛りの最大値とする)で除算する。こうして取得された売枚数割合は、例えばRAMの売分一時保存領域に保存される。次いで、制御部34は、過去平均買枚数(または過去平均売枚数)に対する現在買枚数の割合(以下、「買枚数割合」という)を演算して取得する(ステップS34)。例えば、制御部34は、現在買枚数を、過去平均売枚数と過去平均買枚数とのうち大きい方で除算する。こうして取得された買枚数割合は、例えばRAMの買分一時保存領域に保存される。
【0070】
次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第8位置(図11及び図12の例では、中心位置)PCに“0”をセットし(ステップS35)、当該線図L上の第9位置(図11及び図12の例では、右端位置)PHにqの値をセットし(ステップS36)、当該線図L上の第10位置(図11及び図12の例では、左端位置)PLにqの値をセットする(ステップS37)。ここで、qは、例えば1~5程度に設定されるとよい。図11及び図12の例では、第10位置と第2位置は、レイヤは異なるが同じ位置であるため同一符号“PL”を付し、第9位置と第1位置は、レイヤは異なるが同じ位置であるため同一符号“PH”を付している。
【0071】
なお、第8位置PCに“0”がセットされ、且つ第9位置PHにqの値がセットされ、且つ第10位置PLにqの値がセットされることにより、第9位置PHから第10位置PLまでの線図L上の例えば1ピクセル毎の各位置の値が特定可能となる。図13は、第9位置PHから第10位置PLまでの線図L上の各位置の値の一例を示す図である。図13(A)の例では、“1”が第9位置PH及び第10位置PLにセットされた場合の例であり、線図L上の10箇所の位置の値は図示の通りになっている。一方、図13(B)の例では、“2”が第9位置PH及び第10位置PLにセットされた場合の例であり、線図L上の10箇所の位置の値は図示の通りになっている。図13(A)の例と及び図13(B)の例を比較すると分かるように、qの値が小さいほど、後述する売枚数メーターSE及び買枚数メーターBUは見やすくなるので望ましい。しかし、qの値が小さいほど、現在売枚数の割合(1より大きい場合も想定されるので)が第10位置PLにセットされた値を超え、現在買枚数の割合が第9位置PHにセットされた値を超える可能性が高くなるので、qの値は、売枚数メーターSE及び買枚数メーターBUが見やすく、且つ、現在売枚数の割合が第10位置PLにセットされた値を超えず、現在買枚数の割合が第9位置PHにセットされた値を超えない程度の値に設定されるとよい。
【0072】
次いで、制御部34は、現在売枚数の割合に基づいて、注文画面SCにおける線図L上の第11位置PSを特定する(ステップS38)。次いで、制御部34は、現在買枚数の割合に基づいて、当該線図L上の第12位置PBを特定する(ステップS39)。
【0073】
次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第8位置PCから第11位置PSまで伸びる曲線状の売枚数メーターSE(売枚数割合を表す第4表示物の一例)を線図Lに沿って表示させる(ステップS40)。次いで、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第8位置PCから第12位置PBまで伸びる曲線状の買枚数メーターBU(買枚数割合を表す第5表示物の一例)を線図Lに沿って表示させる(ステップS41)。このとき、制御部34は、図11及び図12に示すように、線図Lに沿って売枚数メーターSEと買枚数メーターBUとを互いに反対方向に伸びるように表示させるとよい。また、売枚数メーターSEと買枚数メーターBUとは、色を分けて(例えば、赤色と青色)で表示されると効果的である。
【0074】
なお、上記ステップS33及びS34の処理を行わず、上記ステップS35~S37において、制御部34は、注文画面SCにおける線図L上の第8位置PCに“0”をセットし、当該線図L上の第9位置PHに過去平均売枚数と過去平均買枚数とのうち大きい方(或いは、過去平均売枚数または過去平均買枚数でもよい)の枚数のm倍の値をセットし、当該線図L上の第10位置PLに過去平均売枚数と過去平均買枚数とのうち大きい方の枚数(或いは、過去平均売枚数または過去平均買枚数でもよい)のm倍の値をセットするように構成してもよい。ここで、mは、1より大きい値とし、例えば2~5程度に設定されるとよい(変形例1と同様)。この場合、上記ステップS38及びS39において、制御部34は、現在売枚数に基づいて、注文画面SCにおける線図L上の第11位置PSを特定し、現在買枚数に基づいて、当該線図L上の第12位置PBを特定し、上記ステップS40及びS41において、注文画面SCにおける線図L上の第8位置PCから第11位置PSまで伸びる曲線状の売枚数メーターSE(過去平均売枚数または過去平均買枚数を基準として現在売枚数を表す第4表示物の一例)を線図Lに沿って表示させ、線図L上の第8位置PCから第12位置PBまで伸びる曲線状の買枚数メーターBU(過去平均売枚数または過去平均買枚数を基準として現在買枚数を表す第5表示物の一例)を線図Lに沿って表示させることになる。なお、この場合、制御部34は、第11位置PSに対応させて現在売枚数を表示させ、第12位置PBに対応させて現在買枚数を表示させてもよい。
【0075】
以上説明したように、変形例2によれば、注文画面SCにおける線図L上の第8位置PCを原点として伸縮可能な売枚数メーターSE及び買枚数メーターBUを線図Lに沿って表示させるように構成したので、注文者に対して特定銘柄の売買の活発状況を一見して把握させることができる。例えば、図12に示すように、売枚数メーターSEが短ければ、注文者は過去の売り状況と比べて現在の売り状況が活発でないことを一見して把握することができる一方、買枚数メーターBUが長ければ、注文者は過去の買い状況と比べて現在の買い状況が活発であることを一見して把握することができる。しかも、売枚数メーターSEと買枚数メーターBUとが線図L上の中心位置PCから互いに反対方向に向かって表示されるので、比較容易となり、注文者は現在の売り状況と現在の買い状況のどちらが活発であるかを一見して把握することができる。
【0076】
なお、変形例1におけるボラティリティメーターVを注文画面SCに表示させるか、或いは変形例2における売枚数メーターSE及び買枚数メーターBUを注文画面SCに表示させるかは、注文者からの指示に応じて選択可能としてもよいし、ボラティリティメーターV、売枚数メーターSE、及び買枚数メーターBUを全て注文画面SCに表示させるように構成してもよい。後者の場合、ボラティリティメーターVと、売枚数メーターSE及び買枚数メーターBUとが重ならないように表示位置が設定される。
【0077】
以上のように本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態においては、金融商品を例にとって説明したが、本発明は、金融商品以外であっても、所定の単位期間における現在値、始値、高値、及び安値が得られる取引形態の取引対象であれば適用することができる。
【0078】
また、上記実施形態においては、注文者端末3が上記アプリケーションプログラムの実行により本発明の取得部及び表示処理部を備えるように構成したが、別の例として、注文処理サーバ2がサーバプログラムの実行により本発明の取得部及び表示処理部を備えるように構成してもよい。この場合、注文処理サーバ2は、注文者端末3からのリクエストに応じて、上述した注文画面を構成するウェブページを注文者端末3へ送信することで注文者端末3の操作・表示部33に、所定の長さを有する線図を表示させ、前記線図上の第1位置に対応させて前記高値を表示させ、前記線図上の第2位置に対応させて前記安値を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第3位置であって前記始値、前記高値及び前記安値に基づいて特定される前記第3位置に対応させて前記始値と当該始値に対応する第1表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させ、前記第1位置、前記第2位置、または前記第1位置と前記第2位置の間にある前記線図上の第4位置であって前記高値、前記安値、及び前記現在値に基づいて特定される前記第4位置に対応させて前記現在値と当該現在値に対応する第2表示物のうち少なくとも何れか一方を表示させることになる。
【符号の説明】
【0079】
1 取引所サーバ
2 注文処理サーバ
3 注文者端末
31 通信部
32 記憶部
33 操作・表示部
34 制御部
341 データ取得部
342 表示処理部
343 注文者指示処理部
NW ネットワーク
S 金融商品取引システム
図1
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図10
図11
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図13