(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】アデノシンA3受容体の調節剤
(51)【国際特許分類】
C07D 417/14 20060101AFI20220301BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20220301BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220301BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20220301BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220301BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220301BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220301BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220301BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220301BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220301BHJP
A61P 27/06 20060101ALI20220301BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220301BHJP
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A61P 37/00 20060101ALI20220301BHJP
A61P 13/00 20060101ALI20220301BHJP
A61P 1/10 20060101ALI20220301BHJP
A61P 7/04 20060101ALI20220301BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
C07D417/14
A61K31/4545
A61P9/10 101
A61P11/06
A61P35/00
A61P13/12
A61P43/00 121
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P17/06
A61P27/06
A61P27/02
A61P25/00
A61P37/00
A61P13/00
A61P1/10
A61P7/04
A61P25/04
(21)【出願番号】P 2019538476
(86)(22)【出願日】2018-01-19
(86)【国際出願番号】 ES2018070039
(87)【国際公開番号】W WO2018134464
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-09-08
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】515201268
【氏名又は名称】パロビオファルマ、ソシエダッド、リミターダ
【氏名又は名称原語表記】PALOBIOFARMA S.L
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100155631
【氏名又は名称】榎 保孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【氏名又は名称】大森 未知子
(74)【代理人】
【識別番号】100207907
【氏名又は名称】赤羽 桃子
(72)【発明者】
【氏名】フリオ、カストロ、パロミノ、ラリア
(72)【発明者】
【氏名】フアン、カマーチョ、ゴメス
(72)【発明者】
【氏名】アブデルアジズ、エル、マアトゥグイ
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-114779(JP,A)
【文献】特表2010-540615(JP,A)
【文献】国際公開第99/064418(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/116652(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/116106(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/063743(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 417/14
A61K 31/4545
A61P 9/10
A61P 11/06
A61P 35/00
A61P 13/12
A61P 43/00
A61P 19/02
A61P 29/00
A61P 17/06
A61P 27/06
A61P 27/02
A61P 25/00
A61P 37/00
A61P 13/00
A61P 1/10
A61K 31/40
A61K 31/505
A61K 31/366
A61K 31/47
A61K 31/277
A61K 31/167
A61K 31/519
A61K 31/549
A61K 31/352
A61P 7/04
A61P 25/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(上記式中、R
1は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルキル、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基またはO、S、およびNから選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員のヘテロアリール基を表す)の化合物およびその薬学上許容可能な塩。
【請求項2】
R
1が、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルキル、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリール基を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1が、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルキル、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいチエニル、フリル、ピリジル、およびチアゾリルから選択される群を表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R
1が、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルコキシからなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいチエニル基を表す、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R
1が、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルコキシからなる群から選択される1個または2個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基を表す、請求項
1に記載の化合物。
【請求項6】
1-(5-(5-シアノ-4-フェニルチアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((5-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((5-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-(5-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((5-シアノ-4-(2-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((5-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((5-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((4-(2-クロロフェニル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-(5-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-(5-シアノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-(5-シアノ-4-(フラン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-((4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、
1-(5-(5-シアノ-4-(チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸のうちの1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に規定された化合物またはその薬学上許容可能な塩と、薬学上許容可能な希釈剤または担体とを含む、医薬組成物。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物を含む、アデノシンA
3受容体の調節によって寛解しやすい疾患または病態の治療に使用するための医薬組成物。
【請求項9】
アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛からなる群から選択される、アデノシンA
3受容体の調節によって寛解しやすい疾患または病態の治療に使用するための、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物と、アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛からなる群から選択される疾患の治療に使用される治療剤とを含む、組合せ
製品。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物と、アトルバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、モンテルカスト、ビカルタミド、フルタミド、トファシチニブ、ヒドロクロロチアジドおよびルビプロストンからなる群から選択される治療剤とを含む、組合せ
製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、アデノシンA3受容体調節剤としての1-(5-(チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸誘導体に関する。本願発明の他の態様は、これらの化合物を調製する手順;有効量のこれらの化合物を含む医薬組成物;アデノシンA3受容体の調節によって改善できる病態または疾患の治療に用いる医薬を製造するための本化合物の使用である。
【背景技術】
【0002】
アデノシンの作用は、少なくとも4つの特異的な膜受容体を通じて媒介され、それらはA1、A2A、A2BおよびA3受容体に分類され、Gタンパク質共役受容体のファミリーに属する。A1受容体およびA3受容体は、酵素アデニル酸シクラーゼを阻害する阻害性Gタンパク質(Gi)を共役することによって、サイクリックアデノシン1リン酸(cAMP)の細胞内レベルを減少させる。これに対して、A2A受容体およびA2B受容体では、アデニル酸シクラーゼを活性化し細胞内cAMPレベルを増加させる刺激性Gタンパク質(Gs)が共役している。これらの受容体を通じて、アデノシンは、広範な生理的機能を制御する。
【0003】
胃腸障害におけるアデノシンA3受容体
潰瘍性大腸炎およびクローン病は、合わせて炎症性腸疾患として知られており、発展途上国と先進国との両方において発生率が上昇している重度の衰弱性の障害である(非特許文献1)。
【0004】
両疾患は、胃腸のモーター、分泌、およびセンサーの機能の重要な変化に関連する胃腸管の異なるレベルでの腸管粘膜の重篤な炎症によって特徴付けられる(非特許文献2)。
【0005】
アデノシンA3受容体の調節剤は、腸の炎症の新たな治療として研究されている。
【0006】
近年、アデノシンA3(A3AR)受容体が、クローン病、関節リウマチ、および乾癬などの様々な自己免疫疾患において、健康な対象に比べて上方制御されていることが確認されている。このことから、前記受容体は、そのような自己免疫炎症性疾患を治療するための重要な標的であると考えられている(非特許文献3)。
【0007】
公知のA3ARアゴニストであるIB-MECAがマウスで使用されて、腸の炎症と特発性大腸炎とが寛解された。さらに、A3ARを刺激することにより、IL-1、IL-6、およびIL-12などの炎症誘発性サイトカインの結腸でのレベルを著しく低減することができた(非特許文献4)。
【0008】
さらに、近年の研究では、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を用いて疾患を誘導したマウスモデルの結腸の運動性および大腸炎の進行におけるA3ARの役割を実証しており、そこでは、A3ARノックアウトマウスモデル(A3-/-AR)が、受容体(野生型)を有するものよりも症状を少なく生じるか、または早く回復することが示されている。得られたデータは、内在的なアデノシンによるA3ARの活性化によって、マウスにおける腸輸送、結腸内容排出、および総蠕動が減速することを示唆しており、この受容体の活性化が大腸炎の発症に寄与するという仮説を支持している(非特許文献5)。
【0009】
続いて、他の研究は、アデノシンA3受容体欠損マウスが、結腸の病理の低減、およびミエロペルオキシダーゼ酵素のレベルの減少を示唆しており、好中球の遊走におけるA3ARの役割を証明しており、この機能変化が、自然免疫応答に負の影響を及ぼす可能性があることを示している(非特許文献6)。
【0010】
中枢神経系におけるアデノシンA3受容体
A3ARは、中枢神経系に広範に分布しているが、発現レベルが低く、親和性が減少している。神経伝達におけるこれらの受容体の重要な役割を示す形跡があるものの、複数の病態生理的状態におけるA3ARの役割は、しばしば議論の的となっている(非特許文献7)。
【0011】
A3ARアゴニストは、自発運動活性に対する抑制効果を有することが報告されており、このことは、皮質ニューロンにおいて興奮性の神経伝達を阻害する可能性を示唆する(非特許文献8)
【0012】
さらに、中枢神経系と末梢組織での炎症誘発性効果との両方に関与するA3ARの侵害受容の役割がハイライトされている(非特許文献9)。
【0013】
神経変性現象におけるA3ARの役割は、低酸素症/虚血のin vivo および in vitroのモデルで実施された研究から明らかにされている。A3ARは、シナプス伝達を減少させることによって、虚血の最初のフェーズにおいて保護的な役割を果たすという仮説が立てられている(非特許文献10)。
【0014】
さらに、アルツハイマー病の遺伝子導入マウスモデルの海馬におけるA3ARの上方制御が報告されており、そこでは、アミロイドの沈着の前に酸化的リン酸化の変化が検出された(非特許文献11)。
【0015】
最後に、各種の研究で、痛みの段階におけるアデノシンA3受容体の役割が評価されている。そのいくつかでは、この受容体の活性化に起因して、浮腫の形成を引き起こす侵害受容かつ炎症誘発性の応答があることが実証されている。しかし、痛みの調節における逆の活性が、後の研究で観察されており、それらの研究では、アデノシンA3受容体のアゴニストが、機械的におよび用量依存的な化学療法によって誘発された神経障害性疼痛の発症を遮断し、現在使用されている様々な鎮痛薬の鎮痛効果を有意に増大させることから、アデノシンA3受容体アゴニストを慢性神経障害性疼痛の治療に適用する可能性が示唆されている(非特許文献12、およびその中にある参考文献)。
【0016】
腎障害におけるアデノシンA3受容体
腎臓の虚血においてA3ARの活性化を及ぼし得る有害な効果があることを示す、複数の公表された研究がある。マウスに腎不全を誘発させたモデルで実施された研究では、A3ARアンタゴニストは、有害性が証明されているIB-MECAを使用する際に得られる効果に比べて、血中尿素およびクレアチニンなどの血液パラメーターを改善するとともに、腎臓の形態学的な損傷を減少させることが示されている(非特許文献13およびその中にある参考文献)。
【0017】
腎臓の虚血のマウスモデルで実施された別の研究では、同様の結果が得られ、A3AR受容体欠損マウス、ならびに既に前記アデノシンA3受容体のアンタゴニストを用いて処理されたマウス(野生型)の両方で、腎不全が減弱されたことが確認された(非特許文献14)。
【0018】
心血管系におけるアデノシンA3受容体
また、A3ARが、PKC、KATPチャンネルの活性化、p38MAPKのリン酸化、およびグリコーゲンシンターゼキナーゼに関連する機構によって、血管の保護を媒介し、梗塞および虚血心筋のサイズの制限に寄与することが報告されている(非特許文献15)。
【0019】
大動脈の多因子疾患であるアテローム性動脈硬化は、心疾患および脳卒中の世界的に主要な原因である。疫学研究では、この病理に関係する複数の関連の環境的および遺伝的なリスク要因が発見されている。ごく最近では、アデノシンが、A3ARの活性化を通じてVEGFの分泌を刺激し、泡沫細胞の形成を刺激すること、およびこの効果がA3ARアンタゴニストによって強力に低減されることが示されている。
【0020】
それゆえ、結果として、A3ARアンタゴニストを使用できる可能性があることは、アテローム硬化性のプラークの発達における重要なステップを遮断する上で興味深いものとなり得る(非特許文献16)。
【0021】
免疫系におけるアデノシンA3受容体
A3ARは、免疫細胞に存在し、炎症過程および免疫過程の病態生理的な制御に関与する。in vitroおよびin vivoの研究から得られた複数の結果で、A3ARの活性化が、検討される細胞のタイプまたは考慮される動物種に応じて、炎症誘発性とすることも抗炎症性とすることもできることが示唆されている(非特許文献17、およびその中にある参考文献)。
【0022】
機能研究では、ヒト好中球が、A3ARを発現し、酸化的バーストの阻害を媒介したことが示されている(非特許文献18)。
【0023】
A3ARがヒトの好酸球に存在し、細胞活性化のシグナル経路に連結しており、好酸球をアポトーシスから保護し走化性の過程を阻害することができるという証拠がある。また、A3ARの過剰発現が、リンパ球、およびヒト白血病細胞株であるジャーカット(Jurkat)細胞にも検出されており、それらは、酵素アデニル酸シクラーゼの活性の阻害およびカルシウムの調節に関連する。マクロファージでは、A3ARの活性化により、同じ抗炎症性効果が示されるようである(非特許文献19、およびその中にある参考文献)。
【0024】
さらに、他の証拠が、自己免疫疾患におけるA3ARの関連を示しており、そこでは、このタイプの複数の病理においてこれらの受容体の過剰発現している。これらの疾患の中には、特に関節リウマチ、クローン病、および乾癬がある(非特許文献20)。
【0025】
他の研究では、SYKチロシンキナーゼ阻害剤であり免疫血小板減少症(ITP)の治療のために臨床試験第III相にあるプロドラッグのフォスタマチニブが、他の免疫シグナル経路における活性に加えて、A3AR受容体に顕著な親和性を有する(IC50=81nM)ことが証明されており、ITPなどの疾患におけるA3ARの役割が指摘されている。このことは、このSYKチロシンキナーゼ阻害剤が、A3AR受容体経路のようにSYKチロシンキナーゼとは独立した他のシグナル伝達経路を通じて、その臨床効果を発揮するものと考えられる理由となっている(非特許文献21)。
【0026】
関節リウマチにおけるアデノシンA3受容体
関節リウマチ(RA)患者の臨床的エビデンスでは、アデノシンA3受容体アゴニストを用いた治療が、疾患の徴候および症状の改善に繋がることを示している(非特許文献22)。
【0027】
RAにおけるA3ARの過剰発現は、高レベルの炎症誘発性サイトカインと直接的に相関があり、これらのサイトカインは、関節炎疾患の病理における重要な因子であるNF-kBの上方制御を介して作用する(非特許文献23)。
【0028】
RA患者における第II相の臨床試験では、IB-MECA(1-デオキシ-1-[6-[((3-ヨードフェニル)メチル)アミノ]-9H-プリン-9-イル]-N-メチル-β-D-リボフランウロンアミド)の12週間にわたる毎日2回の経口投与が、安全であること、良好な耐容性を有すること、ならびに疾患の徴候および症状の改善を媒介できることが示され、これらは、抗リウマチ剤としてのA3アデノシン受容体調節剤の開発を示唆するものである。
【0029】
呼吸器管におけるアデノシンA3受容体
呼吸器系の制御におけるアデノシンの役割は周知であり、アデノシンのレベルの上昇は、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)、血液、および呼気凝縮液に見出されている。
【0030】
A3ARは、炎症過程に関与し、炎症誘発性または抗炎症性の両方の応答において重要な役割を果たし、関連する各種細胞タイプに厳密に依存する(非特許文献24)。
【0031】
具体的には、A3ARがマスト細胞の活性化において機能的な役割を有するという極めて強力な証拠が、遺伝子ノックアウトマウスを使用することにより得られ、そこではアレルゲンの不在または存在下でのマスト細胞の脱顆粒が、アデノシン受容体の活性化に依存することが明らかになった(非特許文献25)。
【0032】
気道の応答性亢進は、A3AR欠損マウスで減少し、それゆえ、選択的なA3ARアンタゴニストを用いて処理されたマウスは、肺炎の著しい減弱、好酸球の気道内への浸潤
の低減、および気道の粘液産生の減少を示した(非特許文献26)。
【0033】
これらのデータは、炎症を重要な特徴とする肺疾患に関連する状態において、アデノシンA3受容体のアンタゴニストを使用できる可能性があることを示唆している。
【0034】
眼疾患におけるアデノシンA3受容体
ドライアイ症候群、緑内障、またはぶどう膜炎など、様々な眼疾患の治療のために可能性のある治療標的として、アデノシンA3受容体を調節することが報告されている(非特許文献27)。
【0035】
初期の研究では、マウスにおけるアデノシンA3受容体の欠失が眼圧の低減を示すことが実証されたが、このことは、A3ARアンタゴニストが、緑内障の新規の療法になり得ることを示唆している(非特許文献28)。
【0036】
さらに、A3ARのmRNAおよびタンパク質が、正常な眼に比べて、緑内障を伴う偽落屑症候群での眼の非着色の毛様体上皮において一貫して増加することが見出されている(非特許文献29)。
【0037】
また、網膜神経節細胞におけるA3ARの過剰発現が報告されている(非特許文献30)。
【0038】
A3ARを介して抗炎症効果および保護効果が媒介されたことは、自己免疫の病因を伴うヒトのぶどう膜炎を表す自己免疫性ぶどう膜炎の実験モデルにおいてIB-MECAの効果を検討するきっかけとなった。このモデルでは、IB-MECAは、ぶどう膜炎の臨床的および病理学的な症状を阻害した(非特許文献31)。
【0039】
腫瘍疾患におけるアデノシンA3受容体
A3ARは、ヒト白血病細胞HL60およびK562、リンパ腫細胞、ヒト膠芽腫細胞などの各種タイプの腫瘍細胞、およびヒト前立腺細胞に存在する。
【0040】
A3ARは、腫瘍の成長および細胞周期の制御に関与する(非特許文献32)。
【0041】
具体的には、前立腺がん細胞におけるA3ARの活性化によって、PKA媒介性のERK1/2の刺激が低減されること、およびがんの低減に繋がることが、報告されている(非特許文献33)。
【0042】
これらのデータは、A3ARが生物学的マーカーになり得ること、およびA3ARの調節をがん治療に使用し得ることを示唆する。
【0043】
特許文献もまた、アデノシンA3受容体の調節剤に関連する各種の適用を記載している。例えば、特許文献1は、炎症誘発性サイトカインの産生に対する阻害特性と前記アデノシンA3受容体の阻害特性とを有する2,4二置換チアゾールの誘導体を開示している。
【0044】
特許文献2の特許出願は、アデノシンA3受容体のアンタゴニストとしての1,3-アゾール誘導体化合物、ならびに特に喘息、アレルギー、および炎症を治療するための予防剤または治療剤としてのその使用を開示している。
【0045】
特許文献3の文書は、アデノシンA3受容体の阻害剤としてのピリジルアリール-チアゾールおよび抗炎症剤としてのその使用を開示している。
【0046】
特許文献4の特許出願は、メラニンの産生、分泌および/または蓄積を調節におけるアデノシンA3受容体のアンタゴニストの使用、ならびに皮膚の色素沈着過剰などの状態を治療する方法を開示している。
【0047】
特許文献5の特許出願は、アテローム性動脈硬化を治療するためのアデノシンA3受容体のアンタゴニストの使用、およびそのようなアンタゴニストと他の抗アテローム性硬化剤との組合せを開示している。
【0048】
特許文献6の特許出願は、特にがん、炎症性疾患、喘息、および緑内障を含む非常に数多くの疾患を治療するための、アデノシンA3受容体アンタゴニストおよび/または部分アゴニストの使用を開示している。
【0049】
さらに、緑内障の治療および一般的な眼圧の低減に関して、各種アデノシンA3受容体アンタゴニストについて、複数の特許文献、例えば特許文献7、特許文献8、および特許文献9が開示している。
【0050】
先行技術を含む他の特許文献、例えば特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、および特許文献14は、特に神経性虚血および心虚血、白血球減少症、好中球減少症、関節リウマチ、多発性硬化症、胃腸障害、喘息などの呼吸器障害、ならびにアルツハイマー病、ハンチントン病、およびパーキンソン病などの神経系疾患などの状態を治療するための、各種アデノシンA3受容体アンタゴニストの使用を開示している。
【0051】
特に、特許文献15では、文献に開示された数多くのアデノシンA3受容体アンタゴニストが、フラボノイド類、1,4-ジヒドロピリジン誘導体、トリアゾロキナゾリン類、チアゾロピリミジン類、チアゾロナフチリジン類の群に属すること、および強い親油性を有し、それらは水への可溶性に乏しいものとすることが記載されている。この特徴は、そのような化合物のin vivoでの適用性の妨げとなる。それゆえ、水に可溶なアデノシンA3受容体の調節化合物が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【文献】米国特許出願公開第2003203897号
【文献】国際公開第9921555号
【文献】国際公開第9964418号
【文献】米国特許出願公開第2012134945号
【文献】米国特許出願公開第2011190324号
【文献】米国特許出願公開第2011171130号
【文献】国際公開第0003741号
【文献】国際公開第2008045330号
【文献】米国特許出願公開第2012053176号
【文献】国際公開第2009052310号
【文献】国際公開第2008006369号
【文献】欧州特許第1180518号
【文献】スペイン特許第2360632号
【文献】スペイン特許出願公開第2204262号
【文献】国際公開第2005009969号
【非特許文献】
【0053】
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【発明の概要】
【0054】
本発明者らは、新規の1-(5-(チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸誘導体をA3アデノシン受容体の強力かつ選択的な調節物質として見出した。それゆえ、本特許出願は、新規のカルボン酸誘導体を強力かつ選択的なアデノシンA3受容体調節剤として開示する。
【0055】
その態様の1つでは、本願発明は、式(I):
【化1】
(上記式中、R
1が、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルキル、直鎖または分岐鎖のC
1-C
6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基または5員もしくは6員のヘテロアリール基を表す)
の1-(5-(チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸誘導体である。
【0056】
本願発明の他の態様は、
a)その薬学上許容可能な塩、
b)有効量の前記化合物またはその薬学上許容可能な塩を含む医薬組成物、
c)アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛からなる群から選択される、アデノシンA3受容体の調節によって寛解できる疾患を治療するための医薬の製造における前記化合物の使用、
d)アテローム性動脈硬化などの心血管疾患、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛のような、アデノシンA3受容体の調節によって寛解できる疾患の治療のための手順であって、本願発明の化合物を、治療を必要とする対象に投与することを含む手順、および
e)本発明による式(I)の化合物と他の治療剤とを含む組合せであって、前記治療剤が、アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛を治療するための剤から選択される、組合せである。治療剤は、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびシンバスタチンを含むスタチンとしても知られる3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタリル-CoAレダクターゼ(HMG-CoAレダクターゼ)の阻害剤;モンテルカストなどのロイコトリエン受容体アンタゴニスト;ビカルタミドなどの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト;フルタミドなどの抗アントロゲン薬剤;トファシチニブなどのヤヌスキナーゼ1および3(JAK1および3)酵素の阻害剤;ヒドロクロロチアジドなどの利尿剤;ならびにルビプロストンなどの腸液の分泌の活性化剤からなる群から選択される。好ましくは、追加の治療剤は、アトルバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、モンテルカスト、ビカルタミド、フルタミド、トファシチニブ、ヒドロクロロチアジド、およびルビプロストンからなる群から選択される。
【発明の具体的な説明】
【0057】
本特許出願で使用される際に、用語C1-C6アルキル基とは、直鎖または分岐鎖の、置換されていてもよい、1個から6個の炭素原子を有する(CnH2n+1)炭化水素基を指すために使用される。本願発明の一実施形態では、アルキル基は、好ましくは1個から4個の炭素原子を含有する。例としては、以下の基:メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、sec-ブチルおよびterc-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、イソペンチル、1-エチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-メチルペンチルおよびiso-ヘキシルが挙げられる。
【0058】
本特許出願で使用される際に、用語C1-C6アルコキシ基とは、直鎖または分岐鎖の、置換されていてもよい、1個から6個の炭素原子を有する、酸素原子に連結しているC1-C6アルキル基(C2H2n+1-O-)を含有する基を指すために使用される。本願発明の一実施形態では、アルコキシ基は、好ましくは1個から4個の炭素原子を含有する。好適なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ヒドロキシメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、または2-ヒドロキシプロポキシである。
【0059】
本明細書で使用される際に、用語ヘテロアリール基とは、O、S、およびNから選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を有する5員環または6員環を指すために使用される。本願発明のヘテロアリール基は、置換されていてもよい。本願発明の一実施形態では、好適なヘテロアリール基は、チエニル、フリル、ピリジル、およびチアゾリルである。ヘテロアリール基が2個以上の置換基を有する際に、それらは同じであっても異なっていてもよい。置換されていてもよい他の好適なヘテロアリール基としては、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、1,3-チアゾリル、チアジアゾリル、およびピラゾリルが挙げられる。
【0060】
本明細書で使用される際に、用語C1-C6ハロアルキルとは、塩素、フッ素、臭素、またはヨウ素などの1個、2個、または3個のハロゲン原子が付加している、上記で規定されたアルキル基である。好適なハロゲン原子は、塩素およびフッ素である。
【0061】
本明細書で使用される際に、本発明の一般構造に存在する原子、基、鎖、または環のいくつかは、「置換されていてもよい」。このことは、これらの原子、基、鎖、または環を、非置換とすることもできるし、任意の位置で1個または複数個の、例えば1個、2個、3個、または4個の置換基によって置換することもでき、それによって、未置換の原子、基、鎖、または環に結合している水素原子は、ハロゲン原子、C3-C12シクロアルキル、ヒドロキシ、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、アミノ、モノまたはジアルキルアミノ、C1-C6アルコキシアルキル、ヒドロキシカルボニル、およびC2-C6アルコキシカルボニルによって置換されることを意味する。2つ以上の置換基が存在する際には、各置換基は同じであっても異なっていてもよい。
【0062】
本明細書で使用される際に,用語の薬学上許容可能な塩とは、薬学上許容可能な酸または塩基を伴う塩を包含する。薬学上許容可能な酸としては、無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、2リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、および硝酸、ならびに有機酸、例えばクエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、またはp-トルエンスルホン酸などが挙げられる。薬学上許容可能な塩基としては、アルカリ金属(例えばナトリウムまたはカリウムおよびアルカリ土類金属(例えばカルシウムまたはマグネシウム)の水酸化物、ならびに有機塩基、例えばアルキルアミン、アリールアルキルアミン、および複素環アミンが挙げられる。
【0063】
本発明による他の好適な塩は、四級アンモニウム化合物であり、その化合物では、アニオン(X-)の等価物がN原子の正電荷と会合している。X-は、様々な鉱酸のアニオン、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、硝酸、リン酸、または有機酸のアニオン、例えば酢酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸などであることがある。X-は、好ましくは塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、硝
酸、酢酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、またはトリフルオロ酢酸から選択されるアニオンである。さらに好ましくは、X-は、塩化物、臭化物、トリフルオロ酢酸、またはメタンスルホン酸である。
【0064】
本願発明の一実施形態によれば、式(I)の化合物では、R1は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1-C6ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシ、およびシアノ基から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリール基を表す。本願発明の好適な一実施形態では、R1は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいチエニル、フリル、ピリジル、およびチアゾリルから選択される群を表す。本願発明の好適な一実施形態では、R1は、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシからなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいチエニル基を表す。
【0065】
本願発明の一実施形態によれば、式(I)の化合物では、R1は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1-C6ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基を表す。本願発明の好適な一実施形態では、R1は、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシからなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基を表す。
【0066】
本発明の具体的な化合物としては、
1-(5-(5-シアノ-4-フェニルチアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((5-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((5-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-(5-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((5-シアノ-4-(2-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((5-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((5-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((4-(2-クロロフェニル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-(5-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-(5-シアノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-(5-シアノ-4-(フラン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-((4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1-(5-(5-シアノ-4-(チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
が挙げられる。
【0067】
本願発明の式(I)によって規定される化合物は、下記に記載される手順を使用することによって合成できる。
【0068】
【0069】
式(III)の2-アミノ-4-シアノ-1,3-チアゾールは、スキーム1に示された通りに、40°から100℃の間の温度で、ピリジンを溶媒とし、商用入手可能な式(II)のシアノケトンをヨウ素およびチオ尿素と反応させることによって、得ることができる。
【0070】
シアノケトンが非売品である場合には、スキーム2に示される反応に従って合成することができる。
【0071】
【0072】
非売品のシアノケトン(II)は、当該技術分野で公知の方法に従い、水素化ナトリウムの存在下、DMSO中、対応のエステル(IV)をアセトニトリルに反応させることにより合成することができる。得られた式(II)の誘導体を、さらに精製せずに続けて使用する。
【0073】
【0074】
2-アミノ-4-シアノ-1,3-チアゾール(III)を、市販の式(V)のエステルと反応させて、式(VI)のアミドを生じ、次にそれを、DMSO中、60°と100℃との間の温度で4時間から12時間にわたって、イソニペコチン酸メチルなどの式(VII)の対応の市販のアミンと反応させて、式(VIII)の誘導体に変換する。
【0075】
【0076】
最後に、式(VIII)の誘導体を、THFおよび1M水酸化ナトリウムの混合物中、室温で加水分解し、本発明による式(I)の化合物に対応する酸を得る。
【0077】
薬理学的活性
組換えアデノシン受容体用途のヒトの膜をReceptor Biology,Inc.(米国)から購入した。
【0078】
A3アデノシン受容体競合的放射性リガンド結合アッセイ
競合アッセイは、CHO細胞にトランスフェクションされたヒトA3受容体に由来する膜、[3H]-NECA、緩衝液[20mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、10mM MgCl2、2単位/mLアデノシンデアミナーゼ]、および非標識リガンドを、総量0.2mLで60分間、25℃でインキュベーションすることによって実施した。R-PIAを用いて非特異的結合を判定した。Brandelセルハーベスターにて、それをSchleicher&Schuell GF/52(0.5%ポリエチレンイミンを用いて予め浸漬)の上で濾過した。3×250μLの20mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、10mM MgCl2を用いて、非結合の放射性リガンドを除去した。
【0079】
A2Aアデノシン受容体競合的放射性リガンド結合アッセイ
競合アッセイは、HeLa細胞にトランスフェクションされたヒトA2A受容体に由来する膜、[3H]-ZM241385、緩衝液[Tris-HCl 50mM(pH=7.4)、10mM MgCl2、EDTA 1mMおよび2単位/mLアデノシンデアミナーゼ]、および非標識リガンドを、総量0.2mLで60分間、25℃でインキュベーションすることによって実施した。NECAを用いて非特異的結合を判定した。Brandelセルハーベスターにて、それをSchleicher&Schuell GF/52(0.5%ポリエチレンイミンを用いて予め浸漬)の上で濾過した。3×250μLの50mM Tris-HCl(pH=7.4)、10mM MgCl2、1mM EDTAを用いて、非結合の放射性リガンドを除去した。
【0080】
A2Bアデノシン受容体競合的放射性リガンド結合アッセイ
Fredholmら(International Union of Pharmacology. XXV. Nomenclature and classification of adenosine receptors, Pharmacol Rev. 2001 Dec; 53(4):527-52)によって開示されたアッセイに従って、アデノシンA2B受容体サブタイプの結合アッセイを、ヒト組換え供給源(HEK-293細胞)および放射性リガンドとして[3H]DPCPXに実施した。
【0081】
アデノシンA1受容体サブタイプ競合的放射性リガンド結合アッセイ
競合アッセイは、CHO細胞にトランスフェクションされたhA1受容体に由来するアデノシン受容体のヒト組換え膜(Receptor Biology, Inc.)、放射性リガンドとして[3H]DPCPX、緩衝液[20mM HEPES(pH7.4)、10mM MgCl2、100mM NaCl、2U/mLアデノシンデアミナーゼ、および非標識リガンドを、総量0.2mLで90分間、25℃でインキュベーションすることによって実施した。R-PIAを用いて非特異的結合を判定した。Brandelセルハーベスターにて、Schleicher&Schuell GF/52(0.5%ポリエチレンイミンを用いて予め浸漬)の上で濾過した。30mM HEPES(3×250μL)、NaCl(100mM)、およびMgCl2(10mM)を用いて、非結合の放射性リガンドを除去した。
【0082】
表1は、いくつかの例示的な化合物のアデノシン受容体におけるKi値を示す。
【0083】
【0084】
上記の結果から、本願発明において特許請求の範囲に記載されている式(I)の化合物が、強力かつ選択的なアデノシンA3受容体調節剤であることを結論付けることができる。
【0085】
本願発明の別の態様は、A3アデノシン受容体の調節によって改善されやすい病理学的な疾患または状態の治療に用いる医薬の製造のための本願発明による式(I)の化合物の使用に関する。
【0086】
本願発明の化合物は、A3アデノシン受容体の調節によって寛解することが知られている疾患、例えばアテローム性動脈硬化などの心血管疾患、喘息などの呼吸器疾患、前立腺がんなどのがん疾患、急性腎不全などの腎疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患、クローン病、大腸炎、もしくは過敏性腸症候群などの胃腸系の疾患、または緑内障、ドライアイ症候群、またはぶどう膜炎などの眼科の疾患または状態などの治療または予防に有用である。
【0087】
したがって、本発明の誘導体およびその薬学上許容可能な塩、ならびにそのような化合物および/またはその塩を含む医薬組成物は、ヒトの身体の障害を治療する方法において使用されることがあり、この方法は、有効量の本発明の式(I)の2-アミノ-1,3-チアゾール誘導体またはその薬学上許容可能な塩を、そのような治療を必要とする対象に投与することを含む。
【0088】
本願発明はまた、活性成分として、少なくとも式(I)のアミドチアゾール誘導体またはその薬学上許容可能な塩を、他の治療剤、担体または希釈剤などの薬学上許容可能な賦形剤と併せて含む医薬組成物を提供する。活性成分は、製剤の性質と、適用する前にさらに希釈されるか否かとに応じて、0.001重量%から99重量%、好ましくは0.01重量%から90重量%の組成物を含むことがある。好ましくは、組成物は、経口投与、局所投与、経鼻投与、直腸内投与、経皮投与、または注射投与に適した形態に作製される。
【0089】
この発明の組成物を形成するために活性化合物またはそのような化合物の塩と混合される薬学上許容可能な賦形剤は、それ自体で周知のものであり、使用される実際の賦形剤は、組成物を投与する目的の方法に特に依存する。
【0090】
この発明の組成物は、好ましくは注射および経口の投与に適合している。この場合、経口投与のための組成物は、錠剤、持効性錠、舌下錠、カプセル、吸入用エアロゾル、吸入用溶液、乾燥粉末吸入剤、または液体調製物、例えば混合物、エリキシル、シロップ、または懸濁剤などの形態をとることがあり、全てが本発明の化合物を含有する。そして、そのような調製物は、当技術分野に公知の方法によって調製されてもよい。
【0091】
本組成物の調製物中に使用されることがある希釈剤は、活性成分に適合する液体および固体の希釈剤を含み、必要に応じて着色剤または着香剤を併せて含む。錠剤またはカプセルは、便宜上、2と500mgとの間の活性成分または等量のその塩を含有する。
【0092】
経口の使用に適合する液体組成物は、溶液または懸濁液の形態であることがある。溶液は、活性化合物の可溶性の塩または他の誘導体と、例えばシロップを形成するためのスクロースとを併せた、水性溶液であることがある。懸濁液は、本発明の不溶性の活性化合物またはその薬学上許容可能な塩を、水および懸濁剤または着香剤と併せて含むことがある。
【0093】
非経口注射に用いる組成物は、可溶性の塩から調製されることがあり、この塩は、凍結乾燥されていることもされていないこともあり、パイロジェンフリーの水性媒体または他の適切な非経口注射用流体に溶解していることもある。
【0094】
有効な用量は、通常は1日当たり2~2000mgの活性成分の範囲にある。毎日の投薬は、1日当たり1回または複数回の治療に、好ましくは1回から4回の治療で投与されることがある。
【0095】
本発明の別の態様は、既に定義されているような式(I)の化合物と、例えばアルツハイマー病のような中枢神経系の疾患、例えばアテローム性動脈硬化のような心血管疾患、喘息のような呼吸器疾患、急性腎不全のような腎疾患、前立腺がんのようながん疾患、関節リウマチのような自己免疫疾患、または過敏性腸症候群などの胃腸系の疾患を治療するために承認されている他の薬剤とを含む、組合せ製品に関する。
【0096】
本発明の別の態様は、既に定義されているような式(I)の化合物と他の薬剤とを含む組合せ製品に関するものであり、ここでは、他の薬剤は、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびシンバスタチンを含むスタチンとしても知られる3-ヒドロキシ-3-メチル-グルタリル-CoAレダクターゼ(HMG-CoAレダクターゼ)の阻害剤;モンテルカストなどのロイコトリエン受容体アンタゴニスト;ビカルタミドなどの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト;フルタミドなどの抗アントロゲン薬;トファシチニブなどのヤヌスキナーゼ1および3(JAK1および3)酵素の阻害剤;ヒドロクロロチアジドなどの利尿剤;ならびにルビプロストンなどの腸液の分泌の活性化剤からなる群から選択される。
本発明は以下の通りである。
[1]上記式(I)(上記式(I)中、R1は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1-C6ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基または5員もしくは6員のヘテロアリール基を表す)の化合物およびその薬学上許容可能な塩。
[2]R1が、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1-C6ハロアルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよい5員または6員のヘテロアリール基を表す、上記[1]に記載の化合物。
[3]R1が、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルキル、直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシ、およびシアノ基からなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいチエニル、フリル、ピリジル、およびチアゾリルから選択される群を表す、上記[2]に記載の化合物。
[4]R1が、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシからなる群から選択される1個、2個、または3個の置換基によって置換されていてもよいチエニル基を表す、上記[3]に記載の化合物。
[5]R1が、ハロゲン原子および直鎖または分岐鎖のC1-C6アルコキシからなる群から選択される1個または2個の置換基によって置換されていてもよいフェニル基を表す、上記[3]に記載の化合物。
[6]1-(5-(5-シアノ-4-フェニルチアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((5-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((5-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-(5-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((5-シアノ-4-(2-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((5-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((5-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((4-(2-クロロフェニル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-(5-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-(5-シアノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-(5-シアノ-4-(フラン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-((4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸、1-(5-(5-シアノ-4-(チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸のうちの1つである、上記[1]に記載の化合物。
[7]上記[1]~[6]のいずれかに規定された化合物またはその薬学上許容可能な塩と、薬学上許容可能な希釈剤または担体とを含む、医薬組成物。
[8]アデノシンA3受容体の調節によって寛解しやすい疾患または病態の治療に使用するための、上記[1]~[6]のいずれかに記載の化合物。
[9]アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛からなる群から選択される、アデノシンA3受容体の調節によって寛解しやすい疾患または病態の治療に使用するための、上記[8]に記載の化合物。
[10]アデノシンA3受容体の調節によって寛解しやすい疾患または病態の治療に用いる医薬の製造のための、上記[1]~[6]のいずれかに記載の化合物の使用。
[11]アデノシンA3受容体の調節によって寛解しやすい前記疾患または病態が、アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎および神経障害性疼痛からなる群から選択される、上記[10]に記載の化合物の使用。
[12]アデノシンA3受容体の調節によって寛解しやすい疾患または病態を治療する方法であって、有効量の上記[1]に記載の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法。
[13]アデノシンA3受容体の調節によって寛解しやすい前記疾患または病態が、アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛からなる群から選択される、上記[12]に記載の治療方法。
[14]上記[1]~[6]のいずれかに記載の化合物と、アテローム性動脈硬化、喘息、前立腺がん、急性腎不全、関節リウマチ、乾癬、免疫血小板減少症、クローン病、大腸炎、過敏性腸症候群、緑内障、ドライアイ症候群、ぶどう膜炎、および神経障害性疼痛からなる群から選択される疾患の治療に使用される治療剤とを含む、組合せ。
[15]上記[1]~[6]のいずれかに記載の化合物と、アトルバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、モンテルカスト、ビカルタミド、フルタミド、トファシチニブ、ヒドロクロロチアジドおよびルビプロストンからなる群から選択される治療剤とを含む、組合せ。
【0097】
本願発明を以下の実施例によってさらに説明するが、どんな形であれ本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0098】
本明細書で使用する本発明の化合物および中間体の合成を、中間体の調製を含めて、以下の例(1から17)によって説明するが、これらは、どのような形であれ本願発明の範囲を限定するものではない。
【0099】
全般。試薬、溶媒、および出発物質は、商業用供給会社から購入した。濃縮とは、ビュッヒ(Buchi)のロータリーエバポレーターを使用した真空下での蒸発を指す。反応生成物は、必要に応じて、示した溶媒系を用いて、シリカゲル(40~63μm)上でフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。分光データは、バリアン・ジェミニ(Varian Gemeni)300分光計で記録した。融点は、ビュッヒ535装置で記録した。HPLC-MSは、ギルソン(Gilson)ピストンポンプ321、ギルソン864真空デガッサ、ギルソン189注入モジュール、1/1000スプリッタ、ギルソン307メイクアップポンプ、ギルソン170ダイオードアレイ検出器、およびサーモクエスト・フィニガン(Thermoquest Fennigan)aQa検出器を搭載したギルソン機器で実施した。
【0100】
中間体1:3-(4-クロロチオフェン-2-イル)-3-オキソ-プロパンニトリル
【化6】
【0101】
25mLフラスコ中の0.5g(2.83mmol)の4-クロロチオフェン-2-カルボン酸メチルのDMSO 1.2mL中溶液に、0.22mL(4.24mmol)のアセトニトリルを添加する。混合液を0℃で攪拌し、0.147g(3.68mmol)のNaH(ミネラルオイル中60%)を添加する。反応液を室温で窒素下、8時間にわたって攪拌する。この中間体をさらに精製せずに次の工程に使用した(ワンポット反応)。
【0102】
以下の中間体は、中間体1について記載された手順を用いて、対応のエステルを用いて合成した。
【0103】
中間体2:3-オキソ-3-(チアゾール-2-イル)プロパンニトリル
中間体をさらに精製せずに以下の工程に使用した(ワンポット反応)。
【0104】
中間体3:2-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)チアゾール-5-カルボニトリル
【化7】
【0105】
1.0g(6.13mmol)の3-(2-フルオロフェニル)-3-オキソプロパンニトリルを5mLのピリジンに溶解し、0.61g(7.97mmol)のチオ尿素および1.56g(6.13mmol)のヨウ素を添加する。この溶液を90℃で6時間加熱する。次いで、それを室温に放冷して、50mLの氷水に注ぎ入れる。結果として得られる沈殿物を濾過し、水で複数回洗浄して、1.12g(83.15%)の薄茶色の固体を得る
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.26 (s, 2H), 7.64 (m, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.32 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.950, m/z 219.4 (MH+).
【0106】
以下の中間体は、中間体3について記載された手順を用いて、対応のアセトニトリルから合成した。
【0107】
中間体4:2-アミノ-4-(3-フルオロフェニル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.28 (s, 2H), 7.77 (m, 1H), 7.64 (ddd, 1H), 7.57 (m, 1H), 7.34 (td, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.373, m/z 220.0 (MH+).
【0108】
中間体5:2-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.25 (s, 2H), 7.97 (dd, 2H), 7.36 (t, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.316, m/z 220.0 (MH+).
【0109】
中間体6:2-アミノ-4-フェニルチアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.39 (d, 2H), 8.09 (d, 2H) 7.55 (t, 2H), 7.47 (t, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.351 m/z 202.0 (MH+).
【0110】
中間体7:2-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.12 (s, 2H), 7.44 (t, 2H), 7.15 (d, 1H), 7.02 (t, 1H), 3.82 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 3.199, m/z 332.0 (MH+).
【0111】
中間体8:2-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.26 (s, 2H), 7.51 (ddd, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.06 (ddd, 1H), 3.80 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 3.530, m/z 232.0 (MH+).
【0112】
中間体9:2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.38 (d, 2H), 8.08 (d, 2H) 7.09 (d, 2H), 3.84 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 3.894, m/z 231.9 (MH+).
【0113】
中間体10:2-アミノ-4-(2-クロロフェニル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.27 (s, 1H), 7.60 (dd, 1H), 7.52(m, 2H), 7.45 (td, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.798, m/z 235.9 (MH+).
【0114】
中間体11:2-アミノ-4-(ピリジン-2-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.66 (d, 1H), 8.21 (s, 2H), 7.93 (m, 2H), 7.46 (m, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.909 m/z 203.0 (MH+).
【0115】
中間体12:2-アミノ-4-(ピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.07 (d, 1H), 8.67 (dd, 1H), 8.33 (s, 2H), 8.25 (d, 1H), 7.56 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 2,249, m/z 203,0 (MH+).
【0116】
中間体13:2-アミノ-4-(ピリジン-4-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.74 (d, 2H), 8.35 (s, 2H), 7.83 (d, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.224 m/z 203.0 (MH+).
【0117】
中間体14:2-アミノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.71 (d, 1H), 8.27 (s, 2H) 8.17 (dd, 1H), 6.97 (d, 1H), 3.91 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 2.949, m/z 233.0 (MH+).
【0118】
中間体15:2-アミノ-4-(フラン-2-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.22 (s, 2H), 7.89 (d, 1H), 6.93 (d, 1H), 6.68 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.615, m/z 192.0 (MH+).
【0119】
中間体16:2-アミノ-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.29 (s, 2H), 7.78 (d, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.21 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.141, m/z 208.0 (MH+).
【0120】
中間体17:2-アミノ-4-(チオフェン-3-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.21 (s, 2H), 8.06 (dd, 1H), 7.70 (dd, 1H), 7.63 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.320, m/z 208.0 (MH+).
【0121】
中間体18:2-アミノ-4-(4-クロロチオフェン-2-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.36 (s, 2H), 7.79 (d, 1H), 7.63 (d, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.639, m/z 241.9 (MH+).
【0122】
中間体19:2-アミノ-4-(チアゾール-2-イル)チアゾール-5-カルボニトリル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.39 (s, 2H), 8.04 (d, 1H), 7.94 (d, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.528, m/z 209.0 (MH+).
【0123】
中間体20:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-フェニルチアゾール-2-イル)ニコチンアミド
【化8】
【0124】
0.300g(1.50mmol)の2-アミノ-4-フェニルチアゾール-5-カルボニトリル、0.281g(0.64mmol)の6-クロロニコチン酸メチル、および0.583g(1.79mmol)の炭酸セシウムのDMF0.8mL中溶液を、60℃で2日間攪拌する。次いで、反応混合物を冷水中に注ぎ入れ、形成された沈殿物を真空下で濾過する。得られた固体を水で2回洗浄し、乾燥して、0.485g(95.50%)の所望のニコチンアミド誘導体を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.84 (s, 1H), 9.10 (d, J = 2,5 Hz, 1H), 8.50 (dd, J = 8.4, 2.6 Hz, 1H), 8.04 (dd, J = 8.2, 1.4 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.58 (m, 3H).
HPLC-MS: Rt 3.173, m/z 341.0 (MH+).
【0125】
以下の中間体は、中間体20について記載された手順を用いて、対応の2-アミノチアゾールから合成した。
【0126】
中間体21:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(2-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)ニコチンアミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.92 (s, 1H), 9.09 (d, 1H), 8.50 (dd, 1H), 7.76 (m, 2H), 7.62 (m, 1H), 7.44 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.297, m/z 359.0 (MH+).
【0127】
中間体22:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)ニコチンアミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.90 (s, 1H), 9.10 (d, 1H), 8.50 (dd, 1H), 7.90 (m, 1H), 7.79 (m, 2H), 7.66 (m, 1H), 7.43 (td, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.536, m/z 359.0 (MH+).
【0128】
中間体23:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)ニコチンアミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.07 (d, 1H), 8.46 (dd, 1H), 8.08 (dd, 2H), 7.63 (d, 1H), 7.39 (t, 3H).
HPLC-MS: Rt 3.495, m/z 359.0 (MH+).
【0129】
中間体24:6-クロロ-N-(4-(2-クロロフェニル)-5-シアノチアゾール-2-イル)ニコチンアミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.07 (d, 1H), 8.47 (dd, 1H), 7.60 (m, 6H).
HPLC-MS: Rt 3.409, m/z 374.9 (MH+).
【0130】
中間体25:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)ニコチンアミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.83 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 8.50 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.64 (m, 2H), 7.23 (d, 1H), 7.11 (t, 1H), 3.86 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 3.193, m/z 371.0 (MH+).
【0131】
中間体26:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)ニコチンアミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.81 (s, 1H), 9.09 (dd, 1H), 8.48 (dd, 1H), 7,70 (d, 1H), 7,63 (dd, 1H), 7,63 (m, 1H), 7,48 (t, 1H), 7,09 (dd, 1H), 3,83 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 3,488, m/z 371,0 (MH+).
【0132】
中間体27:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.76 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.01 (d, 2H), 7.73 (d, 1H), 7.13 (d, 2H), 3.84 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 3.481, m/z 371.0 (MH+).
【0133】
中間体28:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.86 (s, 1H), 9.10 (d, 1H), 8.75 (m, 1H), 8.50 (dd, 1H), 8.09 (d, 1H), 8.03 (td, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.54 (ddd, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.990, m/z 342.0 (MH+).
【0134】
中間体29:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.91 (s, 1H), 9.19 (d, 1H), 9.10 (d, 1H), 8.73 (dd, 1H), 8.50 (dd, 1H), 8.36 (m, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.64 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.963, m/z 341.9 (MH+).
【0135】
中間体30:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.91 (s, 1H), 9.10 (d, 1H), 8.82 (d, 2H), 8.50 (dd, 1H), 7.95 (d, 2H), 7.76 (d, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.890, m/z 342.0 (MH+).
【0136】
中間体31:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.07 (d, 1H), 8.82 (d, 1H), 8.46 (dd, 1H), 8.29 (dd, 1H), 7.60 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 3.93 (s, 3H).
HPLC-MS: Rt 2.970, m/z 372.0 (MH+).
【0137】
中間体32:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(フラン-2-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 12.87 (s, 1H), 9.06 (d, 1H), 8.44 (d, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 6.68 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.834, m/z 331.0 (MH+).
【0138】
中間体33:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.85 (s, 1H), 9.09 (d, 1H), 8.49 (dd, 1H), 7.91 (dd, 1H), 7.84 (dd, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.123, m/z 347.0 (MH+).
【0139】
中間体34:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(チオフェン-3-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.05 (dd, 1H), 8.44 (ddd, 1H), 8.11 (dd, 1H), 7.75 (dt, 1H), 7.68 (ddd, 1H), 7.56 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.348, m/z 347.0 (MH+).
【0140】
中間体35:6-クロロ-N-(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)5-シアノチアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.06 (d, 1H), 8.44 (dd, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.58 (d, 1H).
HPLC-MS: Rt 3.822, m/z 380.9 (MH+).
【0141】
中間体36:6-クロロ-N-(5-シアノ-4-(チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イル)ピリジン-3-カルボキサミド
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.07 (d, 1H), 8.45 (dd, 1H), 8.00 (d, 1H), 7.87 (d, 1H), 7.57 (d, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.939, m/z 348.0 (MH+).
【0142】
中間体37:1-(5-(5-シアノ-(4-フェニルチアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
【化9】
【0143】
0.512g(1.5mmol)の6-クロロ-N-(5-シアノ-4-フェニルチアゾール-2-イル)ニコチンアミドのDMSO 1mL中溶液を、1.01mL(7.5mmol)のピペリジン-4-カルボン酸メチルに添加し、90℃で12時間攪拌する。反応混合液を炭酸水素ナトリウムの冷却飽和溶液中に注ぎ入れる。形成された沈殿物を濾過し、水で複数回洗浄し、順相クロマトグラフィーによって精製する。0.454g(67.48%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.86 (s, 1H), 8.19 (dd, 1H), 8.03 (d, 1H), 7.51 (m, 1H), 6.88 (d, 1H), 4.33 (d, 1H), 3.62 (s, 2H), 3.06 (t, 1H), 1.91 (d, 1H), 1.55 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 4.507, m/z 448.1 (MH+).
【0144】
以下の中間体は、中間体37について記載された手順を用いて、対応のニコチンアミドおよびピペリジン-4-カルボン酸メチルから合成した。
【0145】
中間体38:1-(5-((5-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.25 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.57 (dd, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.09 (t, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.12 (t, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.53 (td, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.410, m/z 378.1 (MH+).
【0146】
中間体39:1-(5-((5-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.27 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.21 (dd, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.57 (m, 1H), 7.50 (t, 1H), 7.12 (m, 1H), 6.96 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.12 (m, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.92 (m, 2H), 1.54 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.678, m/z 478.1 (MH+).
【0147】
中間体40:1-(5-(5-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.24 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 8.01 (d, 2H), 7.14 (d, 2H), 6.95 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.12 (t, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.53 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.739, m/z 478.1 (MH+).
【0148】
中間体41:1-(5-((5-シアノ-4-(2-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.35 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.76 (td, 1H), 7.58 (m, 2H), 7.40 (m, 3H), 6.96 (d, 1H), 4.37 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.12 (m, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (dd, 2H), 1.53 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.419, m/z 466.1 (MH+).
【0149】
中間体42:1-(5-((5-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.31 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.89 (dd, 1H), 7.77 (m, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.41 (td, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.12 (m, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (dd, 2H), 1.53 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.710, m/z 466.1 (MH+).
【0150】
中間体43:1-(5-((5-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.29 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 8.08 (m, 2H), 7.44 (t, 2H), 6.96 (d, 1H), 4.38 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.11 (m, 2H), 2.72 (m, 1H), 1.92 (dd, 2H), 1.54 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.734, m/z 466.1 (MH+).
【0151】
中間体44:1-(5-((4-(2-クロロフェニル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.33 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.59 (d, 4H), 6.96 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.12 (m, 2H), 2.69 (d, 1H), 1.91 (dd, 2H), 1.53 (td, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.818 m/z 481.9 (MH+).
【0152】
中間体45:1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.17 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.20 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.01 (t, 1H), 7.51 (m, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.11 (t, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.54 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.924, m/z 449.1 (MH+).
【0153】
中間体46:1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.36 (s, 1H), 9.18 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.72 (d, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.20 (d, 1H), 7.63 (dd, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.12 (t, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.53 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.682, m/z 449.1 (MH+).
【0154】
中間体47:1-(5-(5-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.34 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.80 (d, 2H), 8.20 (dd, 1H), 7.95 (d, 2H), 6.94 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.10 (t, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.53 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.616, m/z 449.1 (MH+).
【0155】
中間体48:1-(5-(5-シアノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.87 (d, 1H), 8.82 (d, 1H), 8.28 (dd, 1H), 8.19 (dd, 1H), 7.03 (d, 1H), 6.93 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.10 (t, 2H), 2.70 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.54 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.033, m/z 479.0 (MH+).
【0156】
中間体49:1-(5-(5-シアノ-4-(フラン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.85 (d, 1H), 8.16 (dd, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.88 (dd, 1H), 6.70 (d, 1H), 4.33 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.07 (t, 2H), 2.67 (m, 1H), 1.89 (d, 2H), 1.54 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.520, m/z 438.1 (MH+).
【0157】
中間体50:1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.27 (s, 1H), 8.87 (d, 1H), 8.19 (dd, 1H), 7.90 (dd, 1H), 7.81 (dd, 1H), 7.27 (dd, 1H), 6.94 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.11 (t, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.53 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.828 m/z 453.9 (MH+).
【0158】
中間体51:1-(5-((5-シアノ-4-(チオフェン-3-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.29 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.24 - 8.16 (m, 2H), 7.76 (m, 2H), 6.96 (d, 1H), 4.38 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.12 (m, 2H), 2.71 (dtd, 1H), 1.91 (dd, 2H), 1.54 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.548, m/z 454.1 (MH+).
【0159】
中間体52:1-(5-(4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-シアノチアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.28 (s, 1H), 8.87 (d, 1H), 8.19 (dd, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 6.94 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.12 (t, 2H), 2.71 (m, 1H), 1.92 (d, 2H), 154 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 4.746, m/z 488.0 (MH+).
【0160】
中間体53:1-(5-(5-シアノ-4-(チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチル
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.86 (d, 1H), 8.19 (dd, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.93 (d, 1H), 6.89 (d, 1H), 4.34 (d, 2H), 3.62 (s, 3H), 3.08 (t, 2H), 2.69 (m, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.55 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.764, m/z 355.1 (MH+).
例
【0161】
例1:1-(5-(5-シアノ-4-フェニルチアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
【化10】
【0162】
0.08g(0.178mmol)の1-(5(4-フェニルチアゾール-2-イルカルバモイル-5-シアノ)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸メチルを1.2mLのTHFに溶解する。この溶液に、0.9mL(0.9mmol)の1M NaOHを添加する。反応が完了するまで、反応混合液を室温で撹拌させる。続いて、0.1M NaOH(8mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×10mL)で洗浄する。水相を4M HClでpH3~5に酸性化して薄茶色の沈殿物を得て、濾過し、冷水に続いてペンタンで洗浄し、所望の生成物0.066g(85%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.28 (s, 1H), 12.28 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.03 (d, 2H), 7.58 (dd, 3H), 6.95 (d, 1H), 4.36 (d, 1H), 3.12 (t, 1H), 1.91 (d, 1H), 1.52 (dd, 1H).
HPLC-MS: Rt 2.830, m/z 434.0 (MH+).
【0163】
例2:1-(5-((5-シアノ-4-(2-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.24 (s, 1H), 12.28 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.57 (dd, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.21 (d, 1H), 7.10 (t, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.12 (t, 2H), 2.57 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.51 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.378, m/z 464.1 (MH+).
【0164】
例3:1-(5-((5-シアノ-4-(3-メトキシフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.32 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.23 (m, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.50 (t, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.02 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.16 (t, 2H), 2.60 (t, 1H), 1.91 (d, 2H), 1.54 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.474 m/z 464.0 (MH+).
【0165】
例4:1-(5-(5-シアノ-4-(4-メトキシフェニル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.24 (s, 1H), 12.31 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 8.01 (d, 2H), 7.14 (d, 2H), 6.95 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.11 (t, 2H), 2.58 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.51 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.028, m/z 364.1 (MH+).
【0166】
例5:1-(5-((5-シアノ-4-(2-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.34 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.76 (td, 1H), 7.62 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 6.96 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.12 (m, 2H), 2.59 (m, 1H), 1.90 (dd, 2H), 1.51 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.998, m/z 452.1 (MH+).
【0167】
例6:1-(5-((5-シアノ-4-(3-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.41 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.25 (dd, 1H), 7.89 (m, 1H), 7.78 (m, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.41 (td, 1H), 7.07 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.19 (m, 2H), 2.62 (m, 1H), 1.92 (dd, 2H), 1.55 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.209, m/z 452.1 (MH+).
【0168】
例7:1-(5-((5-シアノ-4-(4-フルオロフェニル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.41 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.25 (dd, 1H), 8.08 (m, 2H), 7.44 (t, 2H), 7.08 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.19 (t, 2H), 2.62 (m, 1H), 1.92 (dd, 2H), 1.55 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.221, m/z 452.1 (MH+).
【0169】
例8:1-(5-((4-(2-クロロフェニル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.33 (s, 1H), 12.30 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.66 (m, 2H), 7.55 (d, 2H), 6.96 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.12 (t, 2H), 2.59 (d, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.51 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.755; m/z 469.1 (MH+).
【0170】
例9:1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.31 (s, 1H), 12.34 (s, 1H), 8.89 (s, 1H), 8.74 (d, 1H), 8.20 (d, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.02 (m, 1H), 7.53 (s, 1H), 6.96 (d, 1H), 4.37 (d, 2H), 3.11 (t, 2H), 2.62 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.51 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.657, m/z 435.1 (MH+).
【0171】
例10:1-(5-((5-シアノ-4-(ピリジン-3-イル)チアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.35 (s, 1H), 12.31 (s, 1H), 9.18 (s, 1H), 8.88 (s, 1H), 8.72 (d, 1H), 8.35 (d, 1H), 8.20 (d, 1H), 7.63 (dd, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.11 (t, 2H), 2.59 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1,51 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2,648, m/z 435,0 (MH+).
【0172】
例11:1-(5-(5-シアノ-4-(ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13,36 (s, 1H), 12,29 (s, 1H), 8,88 (s, 1H), 8,81 (d, 1H), 8,19 (d, 1H), 7,94 (d, 1H), 6,94 (d, 1H), 4,36 (d, 2H), 3,12 (t, 2H), 2,58 (m, 1H), 1,90 (d, 2H), 1,52 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2,556, m/z 435,1 (MH+).
【0173】
例12:1-(5-(5-シアノ-4-(6-メトキシピリジン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.27 (s, 1H), 12.28 (s, 1H), 8.83 (d, 1H), 8.82 (d, 1H), 8.27 (dd, 1H), 8.19 (dd, 1H), 7.04 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.12 (t, 2H), 2.57 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.52 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.705, m/z 465.1 (MH+).
【0174】
例13:1-(5-(5-シアノ-4-(フラン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.30 (s, 1H), 12.28 (s, 1H), 8.88 (d,1H), 8.19 (dd, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.09 (d, 1H), 6.94 (d, 1H), 6.74 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.12 (t, 2H), 2.59 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.52 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.277, m/z 424.0 (MH+).
【0175】
例14:1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.27 (s, 1H), 12.28 (s, 1H), 8.88 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 7.91 (dd, 1H), 7.82 (dd, 1H), 7.28 (dd, 1H), 6.94 (d, 2H), 4.36 (d, 2H), 3.12 (t, 2H), 2.57 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.52 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.483, m/z 440.0 (MH+).
【0176】
例15:1-(5-(5-シアノ-4-(チオフェン-3-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.40 (s, 1H), 8.87 (d, 1H), 8.25 (dd, 1H), 8.21 (dd, 1H), 7.77 (m, 2H), 7.09 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.19 (ddd, 2H), 2.63 (m, 1H), 1.92 (dd, 2H), 1.56 (m, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.043, m/z 440.0 (MH+).
【0177】
例16:1-(5-((4-(4-クロロチオフェン-2-イル)-5-シアノチアゾール-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.29 (s, 1H), 12.27 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 8.18 (d, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 6.93 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.12 (t, 2H), 2.59 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.52 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 3.221, m/z 474.0 (MH+).
【0178】
例17:1-(5-(5-シアノ-4-(チアゾール-2-イル)チアゾール-2-イルカルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペリジン-4-カルボン酸
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.36 (s, 1H), 12.28 (s, 1H), 8.89 (d, 1H), 8.20 (dd, 1H), 8.12 (d, 1H), 8.02 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.36 (d, 2H), 3.12 (t, 2H), 2.59 (m, 1H), 1.90 (d, 2H), 1.52 (dd, 2H).
HPLC-MS: Rt 2.474, m/z 441.0 (MH+).