(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】ジオターゲティング広告配信システムおよびジオターゲティング広告配信方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220301BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
(21)【出願番号】P 2020045465
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2020-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515299944
【氏名又は名称】日本アルテミス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【氏名又は名称】並木 敏章
(74)【代理人】
【識別番号】100218095
【氏名又は名称】山崎 一夫
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 賢司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 梨紗
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-269454(JP,A)
【文献】特開2011-039700(JP,A)
【文献】特開2018-022252(JP,A)
【文献】特開2016-021661(JP,A)
【文献】特開2015-149020(JP,A)
【文献】特開2019-101746(JP,A)
【文献】特開2014-191538(JP,A)
【文献】特開2015-118414(JP,A)
【文献】特開2015-095190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0236648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域に設けられた無線通信網と前記無線通信網に接続された広域通信網とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信システムであって、
前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証手段と、
前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末を他の通信端末と識別するための特定識別子を、前記認証処理の際に取得する識別子取得手段と、
前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存手段と、
前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出手段と、
前記識別子検出手段により前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信手段と、
を備え、
前記識別子取得手段は、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される前記特定通信端末のウェブブラウザにより生成されて前記特定通信端末から送信されるフィンガープリントを、前記特定識別子として前記認証処理の際に取得することを特徴とするジオターゲティング広告配信システム。
【請求項2】
所定領域に設けられた無線通信網と前記無線通信網に接続された広域通信網とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信システムであって、
前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証手段と、
前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末を他の通信端末と識別するための特定識別子を、前記認証処理の際に取得する識別子取得手段と、
前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存手段と、
前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出手段と、
前記識別子検出手段により前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信手段と、を備え、
前記認証処理の際に前記認証手段が、前記特定通信端末のウェブブラウザにより、前記特定通信端末において認証用画面を表示させ、
前記認証用画面の表示中に前記識別子取得手段が、前記特定識別子を取得するように構成されることを特徴とするジオターゲティング広告配信システム。
【請求項3】
所定領域に設けられた無線通信網と前記無線通信網に接続された広域通信網とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信方法であって、
前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証ステップと、
前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末を他の通信端末と識別するための特定識別子を、前記認証処理の際に取得する識別子取得ステップと、
前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得ステップと、
前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存ステップと、
前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出ステップと、
前記識別子検出
ステップにより前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信ステップと、をコンピュータにより実行する
ように構成され、
前記識別子取得ステップにおいて、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される前記特定通信端末のウェブブラウザにより生成されて前記特定通信端末から送信されるフィンガープリントを、前記特定識別子として前記認証処理の際に取得することを特徴とするジオターゲティング広告配信方法。
【請求項4】
所定領域に設けられた無線通信網と前記無線通信網に接続された広域通信網とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信方法であって、
前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証ステップと、
前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末を他の通信端末と識別するための特定識別子を、前記認証処理の際に取得する識別子取得ステップと、
前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得ステップと、
前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存ステップと、
前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出ステップと、
前記識別子検出ステップにより前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信ステップと、をコンピュータにより実行するように構成され、
前記認証処理の際に前記認証ステップにおいて、前記特定通信端末のウェブブラウザにより、前記特定通信端末において認証用画面を表示させ、
前記認証用画面の表示中に前記識別子取得ステップにおいて前記特定識別子を取得するように構成されることを特徴とするジオターゲティング広告配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジオターゲティング広告配信システムおよびジオターゲティング広告配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ショッピングモールや駅、空港等の様々な施設内において無線LAN(LAN:Local Area Network)などの無線通信網が配備されている。これらの施設を訪れた来訪者は、自身が携行する携帯電話等の通信端末を無線通信網に接続することにより、当該無線通信網に接続されたインターネット等の広域通信網を介して、様々なウェブサーバや他の通信端末と通信することができる。
【0003】
従来、無線通信網が配備された施設等を、通信端末を携行して訪れた通信端末利用者の属性や通信端末の位置に関する情報を取得し、それらの情報に基づき通信端末に広告を配信する技術が知られている(例えば、下記特許文献1を参照)。通信端末の位置情報を活用して配信する広告はジオターゲティング広告とも称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような通信端末への広告配信において、高い広告効果を得ることが求められている。そのためには、広告の配信対象となる通信端末や配信する広告の内容を決めるのに有用となる情報を効率良く取得し、取得した情報を有効に活用して広告を配信することが課題となっている。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、高い広告効果を得ることが可能なジオターゲティング広告配信システムおよびジオターゲティング広告配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るジオターゲティング広告配信システムは、所定領域(例えば、実施形態におけるエリアAR1)に設けられた無線通信網(例えば、実施形態における無線LAN10)と前記無線通信網に接続された広域通信網(例えば、実施形態におけるインターネット40)とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信システムであって、前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証手段(例えば、実施形態における認証処理部51)と、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末(例えば、実施形態における通信端末CT2)を他の通信端末と識別するための特定識別子(例えば、実施形態における端末識別子IR2)を、前記認証処理の際に取得する識別子取得手段(例えば、実施形態における識別子取得部61)と、前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得手段(例えば、実施形態における端末情報取得部52)と、前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得手段(例えば、実施形態における属性情報取得部53)と、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存手段(例えば、実施形態における広告対象情報保存部54)と、前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出手段(例えば、実施形態における識別子検出部73)と、前記識別子検出手段により前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信手段(例えば、実施形態における広告配信部74)と、を備え、前記識別子取得手段は、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される前記特定通信端末のウェブブラウザにより生成されて前記特定通信端末から送信されるフィンガープリントを、前記特定識別子として前記認証処理の際に取得する。
【0008】
本発明に係るもう一つのジオターゲティング広告配信システムは、所定領域に設けられた無線通信網と前記無線通信網に接続された広域通信網とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信システムであって、前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証手段と、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末を他の通信端末と識別するための特定識別子を、前記認証処理の際に取得する識別子取得手段と、前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存手段と、前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出手段と、前記識別子検出手段により前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信手段と、を備え、前記認証処理の際に前記認証手段が、前記特定通信端末のウェブブラウザにより、前記特定通信端末において認証用画面を表示させ、前記認証用画面の表示中に前記識別子取得手段が、前記特定識別子を取得するように構成される。
【0009】
本発明にかかるジオターゲティング広告配信方法は、所定領域に設けられた無線通信網と前記無線通信網に接続された広域通信網とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信方法であって、前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証ステップと、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末を他の通信端末と識別するための特定識別子を、前記認証処理の際に取得する識別子取得ステップと、前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得ステップと、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存ステップと、前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出ステップと、前記識別子検出ステップにより前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信ステップと、をコンピュータにより実行するように構成され、前記識別子取得ステップにおいて、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される前記特定通信端末のウェブブラウザにより生成されて前記特定通信端末から送信されるフィンガープリントを、前記特定識別子として前記認証処理の際に取得する。
【0010】
本発明に係るもう一つのジオターゲティング広告配信方法は、所定領域に設けられた無線通信網と前記無線通信網に接続された広域通信網とを有する通信ネットワークに接続された通信端末に、広告を配信するジオターゲティング広告配信方法であって、前記無線通信網へアクセスする通信端末に対し、前記無線通信網への接続の可否を決めるための認証処理を行い、当該認証処理を行う通信端末から所定の認証用情報を取得する認証ステップと、前記認証処理の結果に基づき前記無線通信網への接続が許可される特定通信端末を他の通信端末と識別するための特定識別子を、前記認証処理の際に取得する識別子取得ステップと、前記無線通信網と前記特定通信端末との通信履歴に基づき、前記特定通信端末の使用者が前記所定領域を訪れたことが分かる特定通信端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、前記特定通信端末の使用者の属性に関する特定通信端末使用者属性情報を取得する属性情報取得ステップと、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報を前記特定識別子に対応付けて保存する取得情報保存ステップと、前記所定領域の前記無線通信網に接続された履歴を有する前記特定通信端末が前記広域通信網に接続された状態において、前記特定通信端末から送信される前記特定識別子を検出可能な識別子検出ステップと、前記識別子検出ステップにより前記特定識別子が検出されたことを契機として、前記特定識別子に基づき前記特定通信端末を識別し当該特定通信端末に対し、前記特定通信端末位置情報及び前記特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を、前記広域通信網を介して配信する広告配信ステップと、をコンピュータにより実行するように構成され、前記認証処理の際に前記認証ステップにおいて、前記特定通信端末のウェブブラウザにより、前記特定通信端末において認証用画面を表示させ、前記認証用画面の表示中に前記識別子取得ステップにおいて前記特定識別子を取得するように構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、特定通信端末に対する認証処理の際に取得された認証用情報に基づき、特定通信端末使用者属性情報を取得するので、有用な特定通信端末使用者属性情報を効率良く取得することができる。また、取得した特定通信端末使用者属性情報を特定通信端末位置情報と共に、認証処理の際に取得した特定識別子に対応付けて保存するので、特定識別子に基づき特定通信端末使用者属性情報及び特定通信端末位置情報を管理することが可能となり、これらの情報を有効に活用することが容易となる。さらに、特定識別子に基づき識別した特定通信端末に対し特定通信端末位置情報及び特定通信端末使用者属性情報に対応する所定の広告を配信するので、所定領域を訪れて無線通信網に接続した履歴のある特定通信端末に対し、その利用者にとって関心の高い広告を的確に配信することができる。そのため、本発明によれば、高い広告効果を得ることが可能なる。
【0012】
本発明において、広域通信網に接続された特定通信端末から送信される特定識別子を検出し、それを契機として、広域通信網を介して特定通信端末に広告を配信可能に構成する
ことで、特定通信端末が広域通信網に接続されている様々な状況下において、特定通信端末に広告を配信することが可能となる。
【0013】
本発明において、認証処理の際に特定通信端末のウェブブラウザにより特定通信端末において認証用画面を表示させ、その認証用画面の表示中に特定識別子を取得するように構成することで、特定識別子を確実に取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るジオターゲティング広告配信システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】上記ジオターゲティング広告配信システムにおける認証サーバ、識別子サーバ及び広告サーバの機能ブロック図である。
【
図3】上記ジオターゲティング広告配信システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】上記ジオターゲティング広告配信システムによる(A)は認証時の処理の概要を説明し、(B)は広告配信時の処理の概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について上記図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るジオターゲティング広告配信システム1の全体構成を模式的に示しており、まず、
図1を参照して、ジオターゲティング広告配信システム1の全体構成について概要説明する。
【0016】
図1に示すジオターゲティング広告配信システム1は、エリアAR1内に設けられた無線通信網としての無線LAN10と、エリアAR2内に設けられた無線LAN20と、広域通信網としてのインターネット40と、認証サーバ50と、識別子サーバ60と、広告サーバ70とを主体として構成される。認証サーバ50、識別子サーバ60及び広告サーバ70は、専用回線を介して互いに接続されるとともに、インターネット40を介して互いに接続されている。無線LAN10,20は、それぞれインターネット40に接続されるとともに、インターネット40を介して認証サーバ50、識別子サーバ60及び広告サーバ70に接続されている。本実施形態では、一例として、エリアAR1を或る地域に設けられたショッピングモール等の商業施設とし、エリアAR2を別の地域に設けられた商業施設とする。
【0017】
無線LAN10,20は、例えば、Wi-Fi(登録商標)等の所定規格の通信方式に対応するものである。無線LAN10は、エリアAR1内に配置されたアクセスポイントAP1~AP18と認証装置11を備えており、無線LAN20は、エリアAR2内に配置されたアクセスポイントAP21~AP37と認証装置21とを備えている。
【0018】
アクセスポイントAP1~AP18は、エリアAR1内の各所定位置に分散して配置されており、エリアAR1内に存在する通信端末CT1~CT15との間で、所定の通信信号を送受信して通信できるように構成されている。アクセスポイントAP21~AP37は、エリアAR2内の各所定位置に分散して配置されており、エリアAR2内に存在する通信端末CT21~CT36との間で、所定の通信信号を送受信して通信できるように構成されている。アクセスポイントと通信端末との間で送受信される通信信号としては、例えば、アクセスポイントから周囲に発信されるビーコン(beacon)、通信端末からアクセスポイントに向けて発信されるプローブ要求(Probe Request)、プローブ要求に応じて
アクセスポイントから通信端末に向けて送信されるプローブ応答(Probe Response)、後述する認証処理が行われる際に通信端末とアクセスポイントの間で送受信される通信信号等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、各アクセスポイントは、通信
端末と通信した場合、その通信履歴(「通信ログ情報」とも称する)を記録するように構成されている。通信ログ情報は、例えば、通信相手となった通信端末からのプローブ要求等の通信信号に含まれるMACアドレス等の通信端末固有の情報(「端末固有情報」とも称する)や、通信を行ったアクセスポイントの識別情報(どのアクセスポイントと通信したのかが分かる情報)、通信した日時等の情報を含むが、これに限定されるものではない。
【0019】
認証装置11は、エリアAR1内の各アクセスポイントから、各通信端末との通信ログ情報を取得可能に構成されている。また、認証装置11は、エリアAR1内の通信端末(一例として、通信端末CT2とする)から無線LAN10への接続要求があった場合、インターネット40を介して認証サーバ50に、所定の情報(「接続要求時情報」とも称する)を送信する。接続要求時時情報は、例えば、接続要求のあった通信端末CT2と通信したアクセスポイント(一例として、アクセスポイントAP3とする)から取得した通信ログ情報が含まれる。さらに、認証装置11は、接続要求のあった通信端末CT2の有するウェブブラウザ(単に「ブラウザ」とも称する)を起動させ、通信端末CT2を、インターネット40を介して認証サーバ50に接続する。ブラウザの起動は、通信端末のOS(Operating System)に働きかけて自動的に行われるようにしてもよいし、起動を要求するメッセージ等を通信端末に送信して、通信端末使用者の操作を介して行われるようにしてもよい。
【0020】
認証装置21は、エリアAR2内の各アクセスポイントから、各通信端末との通信ログ情報を取得可能に構成されている。また、認証装置21は、エリアAR2内の通信端末(一例として、通信端末CT21とする)から無線LAN20への接続要求があった場合、インターネット40を介して認証サーバ50に、接続要求時情報を送信する。さらに、認証装置21は、接続要求のあった通信端末CT21を、インターネット40を介して認証サーバ50に接続するとともに、通信端末CT21の有するブラウザを起動させる。
【0021】
エリアAR1内に例示した通信端末CT1~CT15及び、エリアAR2内に例示した通信端末CT21~CT36は、その使用者に携行されてエリア内を移動可能に構成された、例えば、携帯電話、タブレット型やノート型(ラップトップ型)のPC等の無線端末であり画像表示部を備えている。これらの通信端末は、それらの有するブラウザにより、インターネット40を介して各種のウェブサーバに接続し、ウェブサイトを閲覧したり、所定のコンテンツを取得したりすることが可能である。また、これらの通信端末は、無線LANのアクセスポイントと通信し、無線LANへの接続要求を行う機能を有している。
【0022】
次に、
図2を追加参照して、認証サーバ50、識別子サーバ60及び広告サーバ70の構成および機能について説明する。認証サーバ50、識別子サーバ60及び広告サーバ70は、それぞれ、CPUやGPU等の演算処理素子、半導体メモリ等の記憶素子および各種IC素子等のハードウエアや、記憶素子に格納された制御プログラム等のソフトウエアなどの各構成要素により構成される。
図2に示す各機能ブロックは、各構成要素により実現される各機能を概略的に示している。
【0023】
認証サーバ50は、
図2に示すように、認証処理部51、端末情報取得部52、属性情報取得部53、広告対象情報保存部54、広告対象情報選択部55及び情報記憶部59を備えて構成される。
【0024】
認証処理部51は、無線LAN(エリアAR1の無線LAN10またはエリアAR2の無線LAN20)への接続要求をした通信端末に対し、無線LANへの接続(無線LANを介して自由にインターネット40への接続が可能となる接続)を許可するか否かを決めるための認証処理(詳細後述)を行う。また、この認証処理において、接続要求をした通
信端末から所定の認証用情報(詳細後述)を取得し、認証用情報を取得できた通信端末に対し無線LANへの接続を許可する。以下、認証処理の結果、無線LANへの接続が許可される通信端末のことを「接続許可端末」とも称する。
【0025】
端末情報取得部52は、接続許可端末が無線LANへの接続要求を行った際に、認証装置(認証装置11または認証装置21)から認証サーバ50に送信される接続要求時情報に基づき、接続許可端末に関する所定の情報(「接続許可端末情報」とも称する(詳細後述))を取得する。
【0026】
属性情報取得部53は、接続許可端末に対する認証処理において認証処理部51が取得した認証用情報に基づき、接続許可端末の使用者の属性に関する情報(「接続許可端末使用者属性情報」とも称する(詳細後述))を取得する。
【0027】
広告対象情報保存部54は、端末情報取得部52が取得した接続許可端末情報と、属性情報取得部53が取得した接続許可端末使用者属性情報とを、後述する端末識別子と対応付け、接続許可端末に関する一群の情報(端末識別子と接続許可端末情報と接続許可端末使用者属性情報とがセットになった情報)として、情報記憶部59に記憶させる保存処理を行う。以下、この保存処理により、情報記憶部59に記憶される接続許可端末に関する一群の情報のことを「広告対象情報」(詳細後述)とも称する。
【0028】
広告対象情報選択部55は、記憶部59に記憶された複数の接続許可端末別の広告対象情報の中から、所定の条件(「広告配信対象条件」とも称する(詳細後述))を満たす広告対象情報を選択する。また、広告対象情報選択部55は、選択した広告対象情報を広告サーバ70に提供する。
【0029】
情報記憶部59は、広告対象情報保存部54により保存される接続許可端末別の各広告対象情報を記憶する。また、情報記憶部59は、エリアAR1内の通信端末CT1~CT15及び、エリアAR2内の通信端末CT21~CT36が設置された各位置の情報(「アクセスポイント位置情報」とも称する)を予め記憶している。
【0030】
識別子サーバ60は、
図2に示すように、識別子取得部61を備えて構成される。
【0031】
識別子取得部61は、認証サーバ50の認証処理部51による認証処理の結果、無線LANへの接続が許可された接続許可端末を他の通信端末と識別するための端末識別子を取得する(詳細後述)。また、識別子取得部61は、その端末識別子の情報を認証サーバ50に提供する。
【0032】
広告サーバ70は、
図2に示すように、広告記憶部71、配信用広告選択部72、識別子検出部73及び広告配信部74を備えて構成される。
【0033】
広告記憶部71は、通信端末(接続許可端末)に配信可能な各種の広告を記憶する。
【0034】
配信用広告選択部72は、認証サーバ50の広告対象情報選択部55から提供された広告対象情報に基づき、広告対象情報に関連する接続許可端末(「広告配信対象端末」とも称する(詳細後述))に配信する広告を、広告記憶部71に記憶されている各種広告の中から選択する。
【0035】
識別子検出部73は、接続許可端末がインターネット40に接続された状態(無線LAN10,20を介さずに接続された状態でもよい)において、接続許可端末からインターネット40上に送信される端末識別子を検出する。
【0036】
広告配信部74は、配信用広告選択部72により選択された広告を、インターネット40を介して広告配信対象端末に配信する。広告配信部74は、識別子検出部73が端末識別子を検出したことを契機として、その端末識別子と対応する接続許可端末が広告配信対象端末である場合に、広告(ジオターゲティング広告)を配信する。
【0037】
次に、
図3、
図4を追加参照して、ジオターゲティング広告配信システム1において広告配信のために実行される処理(「広告配信用処理」とも称する)の内容の一例について説明する。この広告配信用処理の内容は、本発明に係るジオターゲティング広告配信方法の一実施形態に該当する。なお、ここでは、通信端末CT2が、エリアAR1内においてアクセスポイントAP3を介して無線LAN10に接続した履歴を有する場合を例にとって説明する。
【0038】
広告配信用処理では、
図4(A)に示すように、エリアAR1内において通信端末CT2が、アクセスポイントAP3を介して無線LAN10へアクセスし、無線LAN10への接続要求を行うと、
図3に示すように、認証処理が行われる(ステップS1)。この認証処理では、まず、認証装置11から認証サーバ50に接続要求時情報(アクセスポイントAP3から取得した通信端末CT2との通信ログ情報が含まれる)が送信される。また、認証装置11は、通信端末CT2のブラウザを起動させ、通信端末CT2を認証サーバ50(詳しくは、認証用画面のウェブページ)に接続する。
【0039】
ブラウザが起動して通信端末CT2が認証サーバ50に接続されると、
図4(A)に示すように、認証サーバ50から通信端末CT2に、インターネット40及び無線LAN10を介して認証用画面のデータが送信され、通信端末CT2に認証用画面が表示される。この認証用画面は、例えば、各種の質問が掲載されたアンケート形式とされる。それらの質問に対する回答を通信端末CT2の使用者が入力して認証サーバ50に送信することにより、認証サーバ50(認証処理部51)は、その回答を認証用情報として取得し、無線LAN10への接続を許可する。これにより、通信端末CT2は接続許可端末となる。アンケートでの質問としては、例えば、端末使用者の性別、年代、居住地、既婚/未婚、職業、趣味嗜好、子供の有無等に関するものであってよい。また、認証処理の際に、ブラウザの設定データから国籍、使用言語等の情報を認証用情報として取得してもよい。このようにアンケートを用いた認証によれば、端末使用者が自ら回答(入力)した端末使用者個人の属性情報を認証用情報として容易かつ確実に取得することが可能となる。
【0040】
また、通信端末CT2における認証用画面の表示中に、識別子サーバ60(識別子取得部61)が、通信端末CT2を他の通信端末と識別するための端末識別子(この端末識別子のことを「端末識別子IR2」と称する)を取得する(
図3のステップS2)。この端末識別子としては、例えば、HTTPcookie(「クッキー」とも称する)や、Fingerprint(フィンガープリント)を用いることができる。クッキーを端末識別子として用いる場
合、端末識別子IR2は、例えば、識別子サーバ60(識別子取得部61)において生成されて通信端末CT2に送信され、通信端末CT2のブラウザを介して通信端末CT2に自動的に記憶される。また、フィンガープリントを端末識別子として用いる場合、端末識別子IR2は、例えば、認証用画面の表示中に通信端末CT2のブラウザにより生成され、ブラウザを介して識別子サーバ60に送信される。識別子サーバ60が取得した端末識別子IR2の情報は、識別子サーバ60から認証サーバ50に提供される。
【0041】
次に、認証サーバ50(端末情報取得部52)において、通信端末CT2の接続許可端末情報が取得される(
図3のステップS3)。この接続許可端末情報は、通信端末CT2からの無線LAN10への接続要求が行われた際に、認証装置11から認証サーバ50に送信された接続要求時情報に基づき取得される。接続許可端末情報としては、例えば、接
続要求時の通信端末CT2の位置情報や時間情報、通信端末CT2の端末固有情報(MACアドレス等)が挙げられる。これらの接続許可端末情報は、認証装置11から認証サーバ50に送信された接続要求時情報に含まれる通信ログ情報(通信履歴)から抽出することが可能である。
【0042】
また、認証サーバ50(属性情報取得部53)において、通信端末CT2の使用者の属性に関する接続許可端末使用者属性情報が取得される(
図3のステップS4)。この接続許可端末使用者属性情報は、通信端末CT2に対する認証処理において取得された認証用情報に基づき取得される。接続許可端末使用者属性情報としては、例えば、アンケートの回答に基づく、端末使用者の性別、年代、居住地、既婚/未婚、職業、趣味嗜好、子供の有無等の情報が挙げられる。
【0043】
次に、認証サーバ50(広告対象情報保存部54)において、通信端末CT2に関する広告対象情報が保存される(
図3のステップS5)。この広告対象情報は、接続許可端末に記憶された端末識別子と、接続許可端末情報と、接続許可端末使用者属性情報とが互いに対応付けられてセットになった情報である。通信端末CT2に関する広告対象情報としては、例えば、端末識別子IR2、通信端末CT2のMACアドレス、接続要求時の通信端末CT2の位置情報(例えば、エリアAR1の3階の第2区間)、接続要求時の通信端末CT2の時間情報(例えば、2020年1月15日の午後3時25分)、通信端末CT2の使用者の国籍(例えば、日本)、使用言語の種別(例えば、日本語)、性別(例えば、男性)、年代(例えば、30代)、居住地(例えば、関西圏)、既婚/未婚(例えば、既婚)、職業(例えば、自営業)、趣味嗜好(例えば、旅行、日本酒)、子供の有無(例えば、有り)等の情報がセットになったものが挙げられる。
【0044】
以上のような処理が接続許可端末ごとに行われ、接続許可端末別の広告対象情報が収集され蓄積される。例えば、通信端末CT2に関連する広告対象情報、通信端末CT5に関連する広告対象情報、通信端末CT12に関連する広告対象情報、通信端末CT22に関連する広告対象情報、通信端末CT25に関連する広告対象情報、・・・、というように多数の接続許可端末別の広告対象情報が日々収集される。
【0045】
次に、認証サーバ50(広告対象情報選択部55)において、収集された複数の接続許可端末別の広告対象情報の中から、所定の広告配信対象条件を満たす広告対象情報が選択され(
図3のステップS6)、選択された広告対象情報(被選択広告対象情報)が広告サーバ70に提供される。広告配信対象条件としては、例えば、エリアAR1を冬季に訪れた30代の既婚の男性であるとか、あるいはエリアAR2を夏季に訪れた20代の未婚の女性で趣味が旅行であるといったように適宜設定することができる。
【0046】
次に、広告サーバ70(広告配信対象選択部72)において、認証サーバ50から提供された被選択広告対象情報に基づき、被選択広告対象情報に関連する接続許可端末(広告配信対象端末)に配信する広告(「配信用広告」とも称する)が選択される(
図3のステップS7)。例えば、被選択広告対象情報として、通信端末CT2に関連する広告対象情報が提供された場合、その広告対象情報から、通信端末CT2の使用者は、エリアAR1内を1月に訪れていること、30代の既婚の男性で、日本酒が好みであるといったことが分かるので、そのような使用者にとって関心が高いと予想される広告が選択される。
【0047】
その後、広告サーバ70(識別子検出部73)により、広告対象端末がインターネット40に接続された状態において、広告対象端末からインターネット40上に送信される端末識別子の検出が行われる(
図3のステップS8)。例えば、
図4(B)に示すように、広告対象端末である通信端末CT2がエリアAR8(例えば、端末使用者の自宅や勤務場所、移動中の乗物内など任意のエリアとすることができる)のアクセスポイントAP81
を介してインターネット40に接続された際に、通信端末CT2からインターネット40上に送信される端末識別子IR2が検出される。端末識別子IR2は、通信端末CT2がインターネット40上の所定のウェブサイト(例えば、ショッピングサイトやニュースサイト等)に接続された際に、通信端末CT2のブラウザにより当該ウェブサイトに送信され、当該ウェブサイトを介して広告サーバ70に提供されるようにしてもよい。
【0048】
広告対象端末からインターネット40上に送信される端末識別子が検出されると、そのことを契機として、広告サーバ(広告配信部74)から広告対象端末に、インターネット40を介して配信用広告が配信される(
図3のステップS9)。例えば、端末識別子IR2が検出されると、通信端末CT2の使用者に適合するように選択された広告が配信される。
【0049】
このようにジオターゲティング広告配信システム1によれば、エリアAR1,AR2内において無線LAN10,20に接続された履歴を有する通信端末に対し、その通信端末の使用者にとって関心の高い広告を、通信端末がエリアAR1,AR2から離脱した状態においてインターネット40に接続された任意のタイミングにおいて、配信することができる。なお、通信端末がエリアAR1,AR2内に滞在しているとき(再訪したときを含む)に、広告を配信することも可能である。
【0050】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、上述の実施形態では、認証用画面においてアンケートを表示し、このアンケートの回答により端末使用者の属性情報を取得しているが、認証用画面において、SNS(Social networking service)等の会員制サービスにおいて登
録されたIDを入力させ、このIDに基づき端末使用者の属性情報を取得してもよい。この場合、会員制サービスを提供するサーバに記憶された、登録IDに関連付けられたデータから属性情報を取得してもよい。
【0051】
上述の実施形態では、端末識別子を取得する機能を識別子サーバ60が有し、通信端末から送信された端末識別子を検出する機能を広告サーバ70が有しているが、これらの機能は、認証サーバ50、識別子サーバ60及び広告サーバ70の間で、適宜、振り分けてもよい。例えば、端末識別子を取得する機能を認証サーバ50に持たせ、通信端末から送信された端末識別子を検出する機能を識別子サーバ60に持たせてもよい。また、上記では、端末識別子としてクッキーやフィンガープリントを例示しているが、ウェブビーコン(web beacon)を端末識別子として使用してもよい。
【0052】
上述の実施形態では、無線通信網が配置される領域をショッピングモール等の商業施設としているが、学校や公園、図書館などの公共施設を1つの領域としてもよく、駅や空港等の構内や、市区町村などの所定の地理的範囲を1つの領域としてもよい。また、上記では、無線通信網として無線LANを例示しているが、ローカル5G等の移動体通信網を無線通信網としてもよい。また、上記では、ジオターゲティング広告配信システム1内の無線通信網として2つの無線LAN10,20を例示しているが、1つのジオターゲティング広告配信システムが3つ以上の無線通信網を備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 ジオターゲティング広告配信システム
10,20 無線LAN
11,21 認証装置
40 インターネット
50 認証サーバ
60 識別子サーバ
70 広告サーバ
AR1,AR2,AR8 エリア
AP1~AP18,AP21~AP37,AP81 アクセスポイント
CT1~CT15,CT21~CT36 通信端末