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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】画像診断用カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20220301BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20220301BHJP
   A61B 1/015 20060101ALI20220301BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B1/00 525
A61B1/00 526
A61B1/015 511
A61M25/00 600
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020173172
(22)【出願日】2020-10-14
(62)【分割の表示】P 2016101712の分割
【原出願日】2016-05-20
(65)【公開番号】P2021020084
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-11-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】坂口 雄紀
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-229083(JP,A)
【文献】特開2011-067537(JP,A)
【文献】特開2012-179255(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188509(WO,A1)
【文献】特開2016-000124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00
A61B 8/12
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に信号送受信部が設けられ、回転および進退移動可能な駆動シャフトと、
前記駆動シャフトが挿入されるシースと、
前記シースの基端側に設けられた外管と、
前記外管内に進退移動可能に挿入される内側シャフトと、
前記シースの基端に連結され、前記シースおよび前記外管を接続する中継コネクタと、
前記駆動シャフトの外周に軸方向に沿って設けられ、前記駆動シャフトに連動して進退移動するサポートチューブと、
前記外管の基端側に設けられ前記内側シャフトを受容するように構成されたユニットコネクタと、
前記中継コネクタの内部に設けられ、前記中継コネクタおよび前記サポートチューブの間をシールするシール部材と、
前記中継コネクタに設けられ、前記シース内に液体を注入可能な注入口と、を有し、
前記駆動シャフトが回転しているときに、前記注入口において、前記サポートチューブが前記駆動シャフトを覆っていて、
前記サポートチューブは、前記内側シャフトおよび前記駆動シャフトの間に配置され、
前記サポートチューブは、前記内側シャフトに対して固定される画像診断用カテーテル。
【請求項2】
前記信号送受信部は超音波振動子である請求項1に記載の画像診断用カテーテル。
【請求項3】
前記注入口は前記中継コネクタの前記軸方向の中央よりも基端側に配置される請求項1または2に記載の画像診断用カテーテル。
【請求項4】
前記中継コネクタの基端側に配置され前記駆動シャフトを回転および進退移動させるハブ内に設けられ、流体の基端側への移動を規制する封止部材を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の画像診断用カテーテル。
【請求項5】
前記注入口に連通するポートをさらに有し、
前記ポートは、前記軸方向に直交する方向から基端側に傾斜して構成される請求項1~4のいずれか1項に記載の画像診断用カテーテル。
【請求項6】
前記注入口に連通して前記軸方向に沿って延在するチューブをさらに有する請求項1~5のいずれか1項に記載の画像診断用カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像診断用カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生体内の疾患部位等の診断を行うための診断画像を取得するために使用され
る医療装置として、血管内超音波診断法(IVUS:Intra Vascular U
ltra Sound)や光干渉断層診断法(OCT:Optical Coheren
ce Tomography)といった画像診断装置に使用される画像診断用カテーテル
がある。
【0003】
画像診断用カテーテルは、検査波を送受信する送受信部が設けられた駆動シャフトと、
駆動シャフトが進退移動可能に挿入されるシースとを備えている。画像診断用カテーテル
の使用時には、駆動シャフトを回転させつつ後退移動させることにより、駆動シャフトを
先端側から基端側へ移動させる、いわゆるプルバック操作(中引き操作)や、駆動シャフ
トを先端側へ押し込む押し込み操作が行われる(下記特許文献1を参照)。
【0004】
一方、画像診断用カテーテルを使用する際には、検査波を効率良く送受信するため、生
理食塩水等のプライミング液がシース内に充填される(プライミング処理)。シース内に
プライミング液を充填するにあたって、一般的に、手元側のハブに設けられたポートにシ
リンジを接続してプライミング液を注入する。そして注入されたプライミング液はシース
と駆動シャフトとの隙間を先端側に流れて、シースの先端に設けられた連通孔からカテー
テル外へ放出される。
【0005】
プライミング液を注入するためのシリンジを押す力は、プライミング液が流通する流路
における流路抵抗に依存する。すなわち、流路抵抗が大きいほど、シリンジを押す際に大
きな力が必要となる。よって、プライミング処理を円滑に行うために、流路抵抗を小さく
することが望まれている。ここで、流路抵抗は、プライミング液が流通する流路径に反比
例し、プライミング液が流通する流路長に比例する。
【0006】
流路抵抗を小さくする一例として、シースと駆動シャフトとの隙間(流路径)を大きく
することが挙げられるが、この隙間を大きくしてしまうと駆動シャフトを回転させた際に
送受信部の振動が大きくなってしまい画像を好適に取得できなくなる可能性がある。
【0007】
以上から、シースと駆動シャフトとの隙間を大きくすることなく、流路抵抗を小さくし
てプライミング処理を円滑に行うことのできる画像診断用カテーテルが求められている。
【0008】
これに関連して、例えば下記の特許文献2には、ハブ(ドライブシャフトコネクタに相
当)の先端側に設けられるユニットコネクタ(シースコネクタに相当)にプライミング用
ポートが設けられた画像診断用カテーテルが開示されている。特許文献2に開示された画
像診断用カテーテルによれば、ハブにポートが設けられる画像診断用カテーテルと比較し
て、プライミング液が流通する流路長が短くなるため、流路抵抗は低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2015-119994号公報
【文献】特開2000-083959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に係る画像診断用カテーテルに対して、プライミング処理を
より円滑に行うために、さらなる流路抵抗の低減が求められている。
【0011】
一方、プライミング処理を行う際にプライミング液が駆動シャフトに直接接触すると、
駆動シャフトが例えば変形や損傷して、好適に画像を取得できなくなる可能性がある。
【0012】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、プライミング液が駆動シャフト
に接触して好適に画像を取得できなくなることを防止しつつ、シースと駆動シャフトとの
隙間を大きくすることなく流路抵抗を小さくしてプライミング処理を円滑に行うことので
きる画像診断用カテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する画像診断用カテーテルは、先端部に信号送受信部が設けられ、回転
および進退移動可能な駆動シャフトと、前記駆動シャフトが挿入されるシースと、前記シ
ースの基端に連結される中継コネクタと、前記駆動シャフトの外周に軸方向に沿って設け
られ、前記駆動シャフトに連動して進退移動するサポートチューブと、前記中継コネクタ
の内部に設けられ、前記中継コネクタおよび前記サポートチューブの間をシールするシー
ル部材と、前記シール部材よりも先端側の領域であって、後進限位置における前記サポー
トチューブの先端よりも基端側に配置され、前記シース内に液体を注入可能な注入口と、
を有する。
【発明の効果】
【0014】
上記のように構成した画像診断用カテーテルによれば、中継コネクタの内部に設けられ
るシール部材よりも先端側の領域に設けられる注入口からプライミング液が注入される。
このため、ユニットコネクタやハブにポートが設けられる構成と比較して、プライミング
液が流通する流路長が短くなり、流路抵抗は低減する。したがって、シースと駆動シャフ
トとの隙間を大きくすることなく流路抵抗を小さくしてプライミング処理を円滑に行うこ
とができる。また、注入口は、後進限位置におけるサポートチューブの先端よりも基端側
に配置されるため、注入口からプライミング液を注入する際に、プライミング液は駆動シ
ャフトの外周に設けられるサポートチューブに接触する。よって、プライミング液が駆動
シャフトに接触して好適に画像を取得できなくなることを防止できる。
【0015】
以上から、プライミング液が駆動シャフトに接触して好適に画像を取得できなくなるこ
とを防止しつつ、シースと駆動シャフトとの隙間を大きくすることなく流路抵抗を小さく
してプライミング処理を円滑に行うことのできる画像診断用カテーテルを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る画像診断用カテーテルに外部装置が接続された状態を示す平面図である。
図2】本実施形態に係る画像診断用カテーテルの全体構成を概略的に示す図であり、図2(A)は、プルバック操作(中引き操作)を実施する前の画像診断用カテーテルの側面図、図2(B)は、プルバック操作を実施した際の画像診断用カテーテルの側面図である。
図3】画像診断用カテーテルの先端側の構成を示す拡大断面図である。
図4】中継コネクタ近傍の構成を示す拡大断面図であって、サポートチューブが前進限位置にある状態を示す。
図5】中継コネクタ近傍の構成を示す拡大断面図であって、サポートチューブが後進限位置にある状態を示す。
図6】ユニットコネクタ近傍の構成を示す拡大断面図である。
図7】画像診断用カテーテルの基端側の構成を示す拡大断面図である。
図8】変形例1に係る画像診断用カテーテルの全体構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明
は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、
図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0018】
図1は、本実施形態に係る画像診断用カテーテル100に外部装置300が接続された
状態を示す平面図であり、図2は、画像診断用カテーテル100の全体構成を概略的に示
す図であり、図3は、画像診断用カテーテル100の先端側の構成を示す図であり、図4
図5は、中継コネクタ170近傍の構成を示す図であり、図6は、ユニットコネクタ1
50近傍の構成を示す図であり、図7は、画像診断用カテーテル100の基端側の構成を
示す図である。
【0019】
本実施形態に係る画像診断用カテーテル100は、血管内超音波診断法(IVUS)に
適用される。図1に示すように、画像診断用カテーテル100は、外部装置300に接続
されることによって駆動される。
【0020】
図1図7を参照して、画像診断用カテーテル100の構成について説明する。
【0021】
図1図2(A)、(B)に示すように、画像診断用カテーテル100は、概説すると
、生体の体腔内に挿入されるシース110と、シース110の基端側に設けられた外管1
20と、外管120内に進退移動可能に挿入される内側シャフト130と、信号を送受信
する振動子ユニット145を先端に有してシース110内に回転および進退移動可能に設
けられる駆動シャフト140と、シース110および外管120を接続する中継コネクタ
170と、駆動シャフト140の外周に軸方向に沿って設けられ駆動シャフト140に連
動して進退移動するサポートチューブ180と、外管120の基端側に設けられ内側シャ
フト130を受容するように構成されたユニットコネクタ150と、内側シャフト130
の基端側に設けられたハブ160と、を有している。
【0022】
明細書の説明においては、画像診断用カテーテル100の体腔内に挿入される側を先端
または先端側と称し、画像診断用カテーテル100に設けられたハブ160側を基端また
は基端側と称し、外管120の延在方向を軸方向と称する。
【0023】
図2(A)に示すように、駆動シャフト140は、シース110、中継コネクタ170
、サポートチューブ180、外管120、内側シャフト130、およびユニットコネクタ
150を通り、ハブ160の内部まで延在している。
【0024】
ハブ160、内側シャフト130、駆動シャフト140、振動子ユニット145、およ
びサポートチューブ180は、それぞれが一体的に軸方向に進退移動するよう構成されて
いる。このため、例えば、ハブ160が先端側に向けて押される操作がなされると、ハブ
160に接続された内側シャフト130は、外管120内およびユニットコネクタ150
内に押し込まれ、駆動シャフト140および振動子ユニット145がシース110の内部
を先端側へ移動し、サポートチューブ180は、中継コネクタ170の内部を先端側へ移
動する。例えば、ハブ160が基端側に引かれる操作がなされると、内側シャフト130
は、図1図2(B)中の矢印a1で示すように外管120およびユニットコネクタ15
0から引き出され、駆動シャフト140および振動子ユニット145は、矢印a2で示す
ように、シース110の内部を基端側へ移動し、サポートチューブ180は、矢印a3で
示すように、中継コネクタ170の内部を基端側へ移動する。
【0025】
図2(A)に示すように、内側シャフト130が先端側へ最も押し込まれたときには、
内側シャフト130の先端部は中継コネクタ170付近まで到達する。この際、振動子ユ
ニット145は、シース110の先端付近に位置する。
【0026】
図2(B)に示すように、内側シャフト130の先端には抜け防止用の突部131(図
6参照)が設けられている。抜け防止用の突部131は、内側シャフト130が外管12
0から抜け出るのを防止する機能を有している。抜け防止用の突部131は、ハブ160
が最も基端側に引かれたとき、つまり外管120およびユニットコネクタ150から内側
シャフト130が最も引き出されたときに、ユニットコネクタ150の内壁152B(図
6参照)に引っ掛るように構成されている。また、ハブ160が最も基端側に引かれたと
きであっても、サポートチューブ180は、後述する注入口173aよりも先端側に配置
される(図5符号B参照)。
【0027】
図3に示すように、駆動シャフト140は、可撓性を有する管体140aと、管体14
0aの内部に挿通された信号線140bと、を有している。管体140aは、例えば軸ま
わりの巻き方向が異なる多層のコイルによって構成することができる。コイルの構成材料
として、例えばステンレス、Ni-Ti(ニッケル・チタン)合金などが挙げられる。信
号線140bは、例えば、ツイストペアケーブルや同軸ケーブルにより構成することがで
きる。
【0028】
振動子ユニット145は、超音波を送受信する超音波振動子(信号送受信部に相当)1
45aと、超音波振動子145aを収容するハウジング145bと、を有している。
【0029】
超音波振動子145aは、検査波としての超音波を体腔内に送信し、かつ、体腔から反
射してきた超音波を受信する機能を有している。超音波振動子145aは、信号線140
bを介して電極端子166(図7を参照)と電気的に接続している。
【0030】
超音波振動子145aとしては、例えば、セラミックス、水晶などの圧電材を用いるこ
とができる。
【0031】
図3に示すように、シース110は、駆動シャフト140が進退移動可能に挿入される
ルーメン110aを備える。シース110の先端部には、シース110に設けられたルー
メン110aに並設されて、ガイドワイヤWが挿通可能なガイドワイヤルーメン114a
を備えるガイドワイヤ挿通部材114が取り付けられている。シース110およびガイド
ワイヤ挿通部材114は、熱融着等により一体的に構成することが可能である。ガイドワ
イヤ挿通部材114には、X線造影性を有するマーカ115が設けられている。マーカ1
15は、Pt、Au、Ir等のX線不透過性の高い金属コイルから構成される。
【0032】
シース110の先端部には、ルーメン110aの内部と外部とを連通する連通孔116
が形成されている。また、シース110の先端部には、ガイドワイヤ挿通部材114を強
固に接合・支持するための補強部材117が設けられる。補強部材117には、補強部材
117より基端側に配置されるルーメン110aの内部と連通孔116とを連通する連通
路117aが形成されている。なお、シース110の先端部には、補強部材117が設け
られていなくてもよい。
【0033】
連通孔116は、プライミング液を排出するためのプライミング液排出孔である。画像
診断用カテーテル100を使用する際は、シース110内の空気による超音波の減衰を減
らし、超音波を効率良く送受信するため、プライミング液をシース110内に充填させる
プライミング処理を行う。プライミング処理を行う際に、プライミング液を連通孔116
から外部に放出させて、プライミング液とともに空気等の気体をシース110の内部から
排出することができる。
【0034】
シース110は、超音波の透過性の高い材料により形成している。シース110の軸方
向において超音波振動子145aが移動する範囲であるシース110の先端部は、超音波
の透過性が他の部位に比べて高く形成された音響窓部を構成する。
【0035】
シース110、ガイドワイヤ挿通部材114および補強部材117は、可撓性を有する
材料で形成され、その材料は、特に限定されず、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系
、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリブタジエン系、
トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラ
ストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーア
ロイ、ポリマーブレンド、積層体等)も用いることができる。なお、シース110の外表
面には、湿潤時に潤滑性を示す親水性潤滑被覆層を配置することが可能である。
【0036】
図4、5に示すように、中継コネクタ170は、シース110と外管120とを接続す
る。中継コネクタ170は、基端側に設けられる外管保持部171と、先端側に設けられ
る耐キンクプロテクタ172と、プライミング液を注入可能な注入口173aに連通する
ポート173と、を有する。中継コネクタ170は、駆動シャフト140およびサポート
チューブ180が進退移動可能に挿入されるルーメン170aを備える。
【0037】
外管保持部171は、先端側において、耐キンクプロテクタ172の内部に挿入されて
、外管保持部171の外周に設けられる凸部171Aが耐キンクプロテクタ172の内周
に設けられる凹部172Aに嵌合されることによって固定される。
【0038】
外管保持部171の内部には、駆動シャフト140およびサポートチューブ180を支
持する軸受174が設けられる。外管保持部171は、軸受174とともに、外管120
を保持する。
【0039】
また、外管保持部171の内部であって、軸受174の先端側には、外管保持部171
およびサポートチューブ180の間をシールするXリング(シール部材に相当)175が
設けられる。このため、プライミング液を注入する際に、プライミング液が外管保持部1
71およびサポートチューブ180の間を基端側に流れることを抑制できる。なお、外管
保持部171およびサポートチューブ180の間をシールする構成は、Xリングに限定さ
れず、Oリング等であってもよい。外管保持部171を構成する材料としては、比較的硬
質の樹脂材料を用いることができる。
【0040】
耐キンクプロテクタ172は、硬度に大きな差を有するシース110と外管保持部17
1との接続箇所において、硬度の変化をなだらかにすることを目的に取り付けられている
。このため、耐キンクプロテクタ172は、外管保持部171よりも低い硬度を有する材
料から形成されることが望ましい。このように耐キンクプロテクタ172が設けられるこ
とによって、シース110が外管保持部171から露出する部位におけるシース110の
折れ曲がりおよびねじれなどを防止することができる。なお、本実施形態では耐キンクプ
ロテクタ172は外管保持部171と別部材から構成されていたが、特に限定されず、例
えば、外管保持部と一体的に構成され、スパイラル形状にカットされた構成であってもよ
い。
【0041】
図4に示すように、サポートチューブ180が前進限位置(図4の符号A参照)にある
とき、シース110、駆動シャフト140、およびサポートチューブ180は、耐キンク
プロテクタ172の内部から先端側に向けて引き出されている。また、図5に示すように
、サポートチューブ180が後進限位置(図5の符号B参照)にあるとき、シース110
および駆動シャフト140は、耐キンクプロテクタ172の内部から先端側に向けて引き
出されている。
【0042】
図4図5に示すように、ポート173は、外管保持部171と一体的に構成されてい
る。この構成によれば、ポート173は比較的硬質な材料からなるため、ポートが耐キン
クプロテクタと一体的に構成される場合と比較して、シリンジSを接続する場合に変形し
にくい。ポート173は注入口173aに連通しており、注入口173aはルーメン17
0aに連通している。ポート173は、プライミング処理を行う際に、シリンジS(図1
参照)が接続される。
【0043】
このように注入口173aが中継コネクタ170に設けられるため、例えばハブまたは
ユニットコネクタにプライミング用のポートを設ける構成と比較して、より先端側にポー
ト173が設けられることになる。このため、プライミング液が連通孔116まで流通す
る流路長が短くなり、流路抵抗を小さくしてプライミング処理を円滑に行うことができ、
術者の負担を低減できる。さらに、プライミング液が連通孔116まで流通する流路長が
短くなることによって、プライミング液の注入量を減らすことができる。このため、プラ
イミング液を注入する際に術者がシリンジSを押す量が低減してプライミング処理を円滑
に行うことができ、術者の負担を低減することができる。
【0044】
さらに、ハブ160から中継コネクタ170までの間におけるルーメンには、複数の段
差D(図6図7参照)が構成されている。図6の段差Dは、抜け防止用の突部131が
引っ掛かることを目的に構成され、図7の段差Dは、内側シャフト130を受容すること
を目的に構成されている。例えばプライミング用のポートがハブに設けられている構成で
は、この段差Dをプライミング液が通過する際に、渦が発生して気泡が発生する可能性が
ある。そして、この気泡がプライミング液とともに、シース110の先端側まで移動して
振動子ユニット145に付着(エアートラップ)すると超音波の伝播が阻まれ、振動子ユ
ニット145で計測される信号が微弱となって好適に画像を取得できなくなる場合がある
。しかしながら、本実施形態に係る画像診断用カテーテル100であれば、ポート173
が中継コネクタ170に設けられるため、プライミング液が段差Dを通過して先端側に流
れることがない。したがって、上記のようなエアートラップの発生を好適に抑制すること
ができる。
【0045】
また、例えば、ポートがハブに設けられる構成では、外部装置300との接続を行う際
にハブの方向決めをするためにハブに突起を設ける必要がある。これに対して、本実施形
態に係る画像診断用カテーテル100では注入口173aが中継コネクタ170に設けら
れているため、上記の突起が不要となる。
【0046】
ポート173は、図4に示すように、軸方向に直交する方向から基端側に傾斜して構成
される。この構成によれば、プライミング液を注入する際に、軸方向に直交する方向に沿
ってポートが設けられる構成と比較して、注入口173aにおいてプライミング液を先端
側に向けて流通させることができる。このため、術者がシリンジSを押す力を低減するこ
とができる。
【0047】
注入口173aは、Xリング175の先端側であって、中継コネクタ170の軸方向の
中央170cよりも基端側に配置される。この構成によれば、注入口173aは、軸方向
において、Xリング175に近づいて構成される。よって、注入口173aからXリング
175の間に空気が溜まることを低減することができる。
【0048】
図4図6に示すように、サポートチューブ180は、駆動シャフト140の外周かつ
中継コネクタ170の内周に軸方向に沿って設けられ、駆動シャフト140を覆って保護
する。
【0049】
図4図5に示すように、サポートチューブ180は、先端側において、シース110
および駆動シャフト140の間に挟まれて構成する。図6に示すように、サポートチュー
ブ180は、基端側において、内側シャフト130および駆動シャフト140の間に挟ま
れて構成する。
【0050】
図6に示すように、サポートチューブ180は、内側シャフト130の先端部130A
において、内側シャフト130と接着剤Bによって接着される。したがって、サポートチ
ューブ180は、内側シャフト130と連動して、軸方向に進退移動可能に構成される。
【0051】
図5に示すように、サポートチューブ180は、ハブ160が最も基端側に引かれたと
き(サポートチューブ180の後進限位置に対応)、注入口173aよりも先端側に配置
される。すなわち、注入口173aは、後進限位置におけるサポートチューブ180の先
端(図5符号B)よりも基端側に配置される。この構成によれば、注入口173aから注
入されたプライミング液は、直接駆動シャフト140に接触することなく、サポートチュ
ーブ180に接触する。よって、プライミング液が駆動シャフト140に接触して駆動シ
ャフトが変形することを防止することができる。また、注入口173aにおいて、サポー
トチューブ180が駆動シャフト140を覆っているため、画像を取得するために駆動シ
ャフト140を回転する際に、駆動シャフト140が注入口173aに進入して、駆動シ
ャフト140がいわゆるトグロ状に巻回することを防止することができる。サポートチュ
ーブ180を構成する材料は、例えば、樹脂材料である。
【0052】
サポートチューブ180は、図5に示すように、後進限位置において先端がより注入口
173aに近づいて配設されることが好ましい。この構成によれば、シース110および
サポートチューブ180の隙間Gを形成する部位の軸方向の長さが短くなる。ここで隙間
Gを形成する部位は、プライミング液が流通する流路の中で流路抵抗が比較的高い箇所で
あるため、隙間Gの軸方向の長さが短くなることによって、プライミング処理を円滑に行
うことができる。
【0053】
図6に示すように、ユニットコネクタ150は、基端側に設けられるユニットコネクタ
本体151と、先端側に設けられるカバー部材152と、を有する。ユニットコネクタ1
50は、内側シャフト130および駆動シャフト140が進退移動可能に挿入されるルー
メン150aを備える。
【0054】
ユニットコネクタ本体151の先端側の内表面には、ネジ溝が設けられた雌ネジ部15
1Aが設けられている。カバー部材152の基端側の外表面には、ネジ山が設けられた雄
ネジ部152Aが設けられている。ユニットコネクタ本体151の雌ネジ部151Aを、
カバー部材152の雄ネジ部152Aに対してねじ込むことによって、ユニットコネクタ
本体151をカバー部材152に対して取り付け可能に構成されている。
【0055】
カバー部材152は、中継コネクタ170に取り付けられた外管120が挿入され、こ
の外管120の内部にハブ160から伸びた内側シャフト130および駆動シャフト14
0が挿入される。
【0056】
ユニットコネクタ本体151およびカバー部材152を構成する材料としては、比較的
硬質の樹脂材料を用いることができる。
【0057】
図7に示すように、ハブ160は、中空形状を有するハブ本体161と、駆動シャフト
140を保持する接続パイプ164bと、ハブ本体161と接続パイプ164bの間を封
止する封止部材164aと、接続パイプ164bを回転自在に支持する軸受164cと、
外部装置300と機械的および電気的に接続される電極端子166が内部に配置されたコ
ネクタ部165と、を有している。
【0058】
ハブ本体161の先端部には内側シャフト130が接続されている。駆動シャフト14
0は、ハブ本体161の内部において内側シャフト130から引き出されている。
【0059】
接続パイプ164bは、ロータ167の回転を駆動シャフト140に伝達するために、
ロータ167と反対側の端部である接続パイプ164bの先端で駆動シャフト140を保
持する。接続パイプ164bおよび駆動シャフト140の間には、不図示のシール部材が
設けられている。このため、プライミング液が基端側に流れてロータ167に接触するこ
とを防止できる。
【0060】
接続パイプ164bの内部には信号線140b(図3を参照)が挿通されており、当該
信号線140bの一端は電極端子166に、他端は駆動シャフト140内を通り抜けて超
音波振動子145aに接続されている。超音波振動子145aにおける受信信号は、電極
端子166を介して外部装置300に送信され、所定の処理を施されて画像として表示さ
れる。
【0061】
封止部材164aは、例えばOリングであって、プライミング処理の際にハブ160内
におけるプライミング液の基端側への移動を規制する。このため、プライミング液が基端
側に流れてロータ167に接触することを防止できる。また、注入口173aから封止部
材164aの間のルーメン内に存在する気泡がプライミングを行う際のプライミング注入
圧によって基端側に移動するが、封止部材164aが設けられることによって、気泡の封
止部材164aよりも基端側への移動を防止することもできる。
【0062】
再び図1を参照して、画像診断用カテーテル100は、外部装置300に接続されて駆
動される。
【0063】
上述したように、外部装置300は、ハブ160の基端側に設けられたコネクタ部16
5(図7参照)に接続される。
【0064】
また、外部装置300は、駆動シャフト140を回転させるための動力源であるモータ
300aと、駆動シャフト140を軸方向に移動させるための動力源であるモータ300
bと、を有する。モータ300bの回転運動は、モータ300bに接続したボールネジ3
00cによって軸方向の運動に変換される。
【0065】
外部装置300の動作は、これに電気的に接続した制御装置320によって制御される
。制御装置320は、CPU(Central Processing Unit)およ
びメモリを主たる構成として含む。制御装置320は、モニタ330に電気的に接続して
いる。
【0066】
次に、本実施形態に係る画像診断用カテーテル100の使用例について述べる。
【0067】
まず、術者は、ハブ160を最も基端側に引いた状態で(図2(B)、図5参照)、プ
ライミング液が入ったシリンジSをポート173に接続し、術者はシリンジSの押し子を
押す。シリンジSの押し子を押すことによって、プライミング液は注入口173aを介し
て、中継コネクタ170内に注入される。
【0068】
ここで、本実施形態に係る画像診断用カテーテル100は、注入口173aが中継コネ
クタ170に設けられるため、ユニットコネクタやハブにポートが設けられる構成と比較
して、プライミング液が連通孔116まで流通する流路長が短くなり、流路抵抗は低減す
る。また、サポートチューブ180は注入口173aよりも先端側に配置されるため、注
入口173aから注入されたプライミング液は、駆動シャフト140に直接接触すること
なく、サポートチューブ180に接触する。よって、プライミング液が、駆動シャフト1
40に接触して駆動シャフト140が変形することを防止することができる。
【0069】
中継コネクタ170内に注入されたプライミング液は、シース110およびサポートチ
ューブ180の隙間Gを介して先端側に流れ(図5参照)、サポートチューブ180の先
端を通過した後は、シース110および駆動シャフト140の隙間を介して先端側に流れ
、シース110のルーメン110a(図3参照)の内部に注入される。
【0070】
プライミング液をルーメン110aの内部に注入すると、図3に示すように、連通路1
17aおよび連通孔116を介して、プライミング液がシース110の外部に放出され(
図3矢印参照)、プライミング液とともに空気等の気体をシース110の内部から外部に
排出することができる。
【0071】
プライミング処理後、図1に示すように、外部装置300を画像診断用カテーテル10
0のコネクタ部165に接続する(図7参照)。そして術者は、ハブ160をユニットコ
ネクタ150の基端に当接するまで押し込み(図2(A)参照)、図3に示すように、振
動子ユニット145を先端側に移動させる。この状態で、シース110は、ガイドワイヤ
ルーメン114aにガイドワイヤWを挿通させながら、ガイドワイヤWに沿って体腔(例
えば、血管)内の目的の位置に挿入される。
【0072】
体腔内の目的の位置で断層画像を得る際、振動子ユニット145は、駆動シャフト14
0とともに回転しつつ基端側へと移動する(プルバック操作)。このとき、振動子ユニッ
ト145の超音波振動子145aは、超音波を送受信する。ここで、注入口173aにお
いて、サポートチューブ180が駆動シャフト140を覆っているため、駆動シャフト1
40が注入口173aに進入して、駆動シャフト140がいわゆるトグロ状に巻回するこ
とを防止することができる。
【0073】
駆動シャフト140の回転および移動操作は、制御装置320によって制御される。ハ
ブ160内に設けたコネクタ部165は、外部装置300に接続された状態で回転され、
これに連動して、駆動シャフト140が回転する。コネクタ部165および駆動シャフト
140の回転速度は、例えば1800rpmである。
【0074】
また、制御装置320から送られる信号に基づき、超音波振動子145aは体内に超音
波を送信する。超音波振動子145aが受信した反射波に対応する信号は、駆動シャフト
140および外部装置300を介して制御装置320に送られる。制御装置320は、超
音波振動子145aから送られてくる信号に基づき体腔の断層画像を生成し、生成した画
像をモニタ330に表示する。
【0075】
以上のように、本実施形態に係る画像診断用カテーテル100は、先端部に超音波振動
子145aが設けられ、回転および進退移動可能な駆動シャフト140と、駆動シャフト
140が挿入されるシース110と、シース110の基端に連結される中継コネクタ17
0と、駆動シャフト140の外周に軸方向に沿って設けられ、駆動シャフト140に連動
して進退移動するサポートチューブ180と、中継コネクタ170の内部に設けられ、中
継コネクタ170およびサポートチューブ180の間をシールするXリング175と、X
リング175よりも先端側の領域であって、後進限位置におけるサポートチューブ180
の先端(図5符号B)よりも基端側に配置され、シース110内にプライミング液を注入
可能な注入口173aと、を有する。このように構成した画像診断用カテーテル100に
よれば、中継コネクタ170の内部に設けられるXリング175よりも先端側の領域に設
けられる注入口173aからプライミング液が注入される。このため、ユニットコネクタ
やハブにポートが設けられる構成と比較して、プライミング液が連通孔116まで流通す
る流路長が短くなり、流路抵抗は低減する。したがって、シース110と駆動シャフト1
40との隙間を大きくすることなく流路抵抗を小さくしてプライミング処理を円滑に行う
ことができる。また、注入口173aは、後進限位置におけるサポートチューブ180の
先端(図5符号B)よりも基端側に配置されるため、注入口173aからプライミング液
を注入する際に、プライミング液は駆動シャフト140の外周に設けられるサポートチュ
ーブ180に接触する。よって、プライミング液が駆動シャフト140に接触して好適に
画像を取得できなくなることを防止できる。以上から、プライミング液が駆動シャフト1
40に接触して好適に画像を取得できなくなることを防止しつつ、シース110と駆動シ
ャフト140との隙間を大きくすることなく流路抵抗を小さくしてプライミング処理を円
滑に行うことのできる画像診断用カテーテル100を提供することができる。
【0076】
また、例えばハブにポートが設けられ、駆動シャフトおよび内側シャフトの間に、金属
の疎巻きコイル状の管体が配置されている構成では、プライミング液がコイル状の管体を
流通する際に、管体の内周および外周の速度差に起因して気泡が発生する。そして、この
気泡は上述したように、振動子ユニット145に付着(エアートラップ)して、好適に画
像を取得できなくなる場合がある。しかしながら、本実施形態に係る画像診断用カテーテ
ル100では、疎巻きコイル状の管体が設けられていないため、上記の気泡の発生を防止
できる。したがって、エアートラップの発生を抑制でき、好適に画像を取得することがで
きる。
【0077】
また、注入口173aは中継コネクタ170に設けられる。この構成によれば、ユニッ
トコネクタやハブにポートが設けられる構成と比較して、プライミング液が連通孔116
まで流通する流路長が短くなり、流路抵抗は低減する。したがって、シース110と駆動
シャフト140との隙間を大きくすることなく流路抵抗を小さくしてプライミング処理を
円滑に行うことができる。
【0078】
また、例えば疾患部位が足のような末梢部位である場合、プライミング液が流通する流
路長が比較的長いため、本実施形態に係る画像診断用カテーテル100のように、注入口
173aを中継コネクタ170に設けることによって、流路抵抗をより好適に低減するこ
とができる。
【0079】
また、注入口173aは中継コネクタ170の中央よりも基端側に配置される。この構
成によれば、注入口173aが中継コネクタ170の中央よりも先端側に配置されている
場合よりも、注入口173aは、軸方向において、Xリング175に近づいて構成される
。このため、注入口173aからXリング175の間に空気が溜まることを低減すること
ができる。
【0080】
また、中継コネクタ170の基端側に配置され駆動シャフト140を回転および進退移
動させるハブ160内に設けられ、プライミング液および空気(気泡)の基端側への移動
を規制する封止部材164aを有する。この構成によれば、プライミング処理の際に、プ
ライミング液が基端側に流れてロータ167に接触することを防止できる。また、注入口
173aから封止部材164aの間のルーメン内に存在する気泡が、封止部材164aよ
りも基端側へ移動することを防止できる。
【0081】
また、注入口173aに連結されるポート173をさらに有し、ポート173は、軸方
向に直交する方向から基端側に傾斜して構成される。この構成によれば、プライミング液
を注入する際に、軸方向に直交する方向に沿ってポートが設けられる構成と比較して、注
入口173aにおいてプライミング液を先端側に向けてより滑らかに流通させることがで
きる。このため、術者がシリンジSを押す力を低減することができる。
【0082】
<変形例1>
図8は、変形例1に係る画像診断用カテーテル200の全体構成を概略的に示す図であ
る。
【0083】
変形例1に係る画像診断用カテーテル200は、シリンジSの接続される位置が、上述
した実施形態に係る画像診断用カテーテル100と相違する。
【0084】
変形例1に係る画像診断用カテーテル200は、図8に示すように、シース110と、
外管120と、内側シャフト130と、駆動シャフト140と、中継コネクタ270と、
サポートチューブ180と、ユニットコネクタ150と、ハブ160と、を有する。シー
ス110、外管120、内側シャフト130、駆動シャフト140、サポートチューブ1
80、ユニットコネクタ150、およびハブ160は、上述した実施形態と同様の構成で
あるため、説明は省略する。
【0085】
中継コネクタ270は、プライミング液を注入可能な注入口173aに連結されるポー
ト273を有する。ポート273には、軸方向の基端側に延在するチューブ274が連結
される。
【0086】
このように構成した変形例1に係る画像診断用カテーテル200によれば、ポート27
3近傍において、シリンジSを接続するのが困難である場合であっても、基端側に延在す
るチューブ274にシリンジSを接続して、プライミング液を注入することができる。
【0087】
以上、実施形態および変形例を通じて本発明に係る画像診断用カテーテルを説明したが
、本発明は実施形態および変形例において説明した構成のみに限定されることはなく、特
許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
【0088】
例えば、上述した実施形態に係る画像診断用カテーテル100では、注入口173aは
中継コネクタ170に設けられたが、Xリング175よりも先端側の領域に設けられてい
れば、特に限定されない。
【0089】
また、上述した実施形態に係る画像診断用カテーテル100では、ポート173は、外
管保持部171と一体的に構成されていたが、耐キンクプロテクタ172と一体的に構成
されていてもよい。さらに、ポートは耐キンクプロテクタ172または外管保持部171
と別体として構成されていてもよい。
【0090】
また、上述した実施形態に係る画像診断用カテーテル100では、注入口173aは、
中継コネクタ170の中央よりも基端側に配置された。しかしながら、注入口は、中継コ
ネクタ170の中央よりも先端側に配置されていてもよい。
【0091】
また、上述した実施形態に係る画像診断用カテーテル100では、ポート173は、軸
方向に直交する方向から基端側に傾斜されて構成された。しかしながら、ポートは、軸方
向に直交する方向に構成されていてもよい。
【0092】
また、上述した実施形態では、術者がシリンジSの押し子を押すことによって、プライ
ミング液が中継コネクタ170内に注入された。しかしながら、機械的構成によって、シ
リンジSの押し子が押されて、プライミング液が中継コネクタ170内に注入されてもよ
い。
【0093】
また、上述した実施形態では、本発明に係る画像診断用カテーテルの適用対象として、
血管内超音波診断法(IVUS)に使用される画像診断用カテーテルを例に挙げたが、例
えば、光干渉断層診断法(Optical Coherence Tomography
:OCT)に使用される画像診断用カテーテルや、血管内超音波診断法および光干渉断層
診断法の両方に使用可能なハイブリッド型(デュアルタイプ)の画像診断用カテーテル等
に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0094】
100、200 画像診断用カテーテル、
110 シース、
116 連通孔、
140 駆動シャフト、
145a 超音波振動子(信号送受信部)、
160 ハブ、
164a 封止部材、
170 中継コネクタ、
173 ポート、
173a 注入口、
175 Xリング(シール部材)、
180 サポートチューブ、
274 チューブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8