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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】コネクター
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/04 20060101AFI20220301BHJP
   A42B 3/06 20060101ALI20220301BHJP
   A42B 3/10 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A42B3/04
A42B3/06
A42B3/10
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020528316
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 EP2018082126
(87)【国際公開番号】W WO2019101816
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】1719559.5
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520140785
【氏名又は名称】エムアイピーエス エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピートルザック、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】リュー、ジャック
(72)【発明者】
【氏名】ワン、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】シエ、サマン
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/004475(WO,A1)
【文献】特開2015-168888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 3/04
A42B 3/06
A42B 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルメットの第1のパーツおよび第2のパーツを接続するためのコネクターであって、前記コネクターは、
第1のプレートと;
前記第1のプレートの一方の側にある第1のアンカー・ポイントであって、前記第1のアンカー・ポイントは、前記第1のパーツに接続されるように構成されている、第1のアンカー・ポイントと;
前記第1のアンカー・ポイントから前記第1のプレートの反対側に位置付けされている第2のプレートと;
前記第1のプレートから前記第2のプレートの反対側にある第2のアンカー・ポイントであって、前記第2のアンカー・ポイントは、前記第2のパーツに接続されるように構成されている、第2のアンカー・ポイントと;
前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの対向する表面の間に提供される低摩擦インターフェースと;
前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの周りに提供されている変形可能な材料のカフであって、前記カフは、前記第1のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている前記第1のプレートの側部を少なくとも部分的にカバーするように構成されており、また、前記第2のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている前記第2のプレートの側部を少なくとも部分的にカバーするように構成されている、カフと
を含む、コネクター。
【請求項2】
変形可能な材料の前記カフは、前記第1のアンカー・ポイントまたは前記第2のアンカー・ポイントをカバーしていない、請求項1に記載のコネクター。
【請求項3】
変形可能な材料の前記カフは、前記第1のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている前記第1のプレートの周辺部の周りの複数のポイントにおいて、前記第2のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている前記第2のプレートの側部まで延在している、請求項1に記載のコネクター。
【請求項4】
変形可能な材料の前記カフは、実質的に弾性的に変形可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項5】
変形可能な材料の前記カフは、伸縮性のあるファブリック、布、もしくはテキスタイル、またはエラストマー材料を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項6】
変形可能な材料の前記カフは、前記第1のプレートまたは前記第2のプレートに結合されていないかまたは取り付けられていない、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項7】
前記低摩擦インターフェースは、前記対向する表面のうちの少なくとも1つを形成するエレメントの構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、前記対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、前記対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用すること、および、少なくとも1つの低摩擦表面を有する前記対向する表面の間に、固定されていない追加的な材料の層を提供することのうちの少なくとも1つによって実装される、請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項8】
変形可能な材料の前記カフは、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを第1の位置に向けて付勢するように構成されており、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが、前記低摩擦インターフェースに沿ってスライドすることによって前記第1の位置から離れるように変位させられているときに、変形可能な材料の前記カフが前記第1および第2のプレートを前記第1の位置へ戻るように促すようになっている、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項9】
前記第1のアンカー・ポイントまたは前記第2のアンカー・ポイントのうちの少なくとも1つは、前記ヘルメットの前記第1のパーツまたは前記第2のパーツに取り外し可能にそれぞれ接続されるように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項10】
前記第1のアンカー・ポイントまたは前記第2のアンカー・ポイントのうちの前記少なくとも1つは、面ファスナー接続、スナップ・フィット接続、および磁気コネクターのうちの少なくとも1つによって、取り外し可能に接続されるように構成されている、請求項8に記載のコネクター。
【請求項11】
前記第1のアンカー・ポイントまたは前記第2のアンカー・ポイントのうちの少なくとも1つは、前記ヘルメットの前記第1のパーツまたは前記第2のパーツに解除不可能にそれぞれ接続されるように構成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクター。
【請求項12】
前記第1のアンカー・ポイントまたは前記第2のアンカー・ポイントのうちの前記少なくとも1つは、接着剤、刺繍、または高周波溶接によって接続されるように構成されている、請求項11に記載のコネクター。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターを含む、ヘルメットのためのライナー。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコネクターの前記第1のアンカー・ポイントは、前記ライナーに接続されており、前記少なくとも1つのコネクターの前記第2のアンカー・ポイントは、前記ヘルメットに接続されるように構成されている、請求項13に記載のヘルメットのためのライナー。
【請求項15】
前記ライナーは、コンフォート・パッディングと、随意的に、前記コンフォート・パッディングよりも外向きに提供された、前記コンフォート・パッディングと比較して相対的に硬質の材料の層とを含む、請求項13または14に記載のヘルメットのためのライナー。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項に記載のライナーを含むヘルメット。
【請求項17】
前記ライナーは、前記ヘルメットから除去可能である、請求項16に記載のヘルメット。
【請求項18】
前記少なくとも1つのコネクターの前記第2のアンカー・ポイントは、前記ヘルメットの外側シェル、前記ヘルメットの中の材料のエネルギー吸収層、および、前記ヘルメットのエネルギー吸収材料よりも前記ヘルメットの中に内向きに提供された材料の層のうちの少なくとも1つに接続されており、
前記外側シェル、および/または、前記ヘルメットのエネルギー吸収材料よりも前記ヘルメットの中に内向きに提供された材料の前記層は、前記エネルギー吸収層を形成する材料よりも硬質である、請求項16または17に記載のヘルメット。
【請求項19】
前記ヘルメットは、所定の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、所定の材料から形成された内側シェルと、前記ライナーとを順に含み、
前記外側シェルおよび/または前記内側シェルを形成する材料は、前記エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層を形成する材料よりも硬質である、請求項16から18のいずれか一項に記載のヘルメット。
【請求項20】
低摩擦インターフェースは、前記エネルギー吸収材料と前記内側シェルとの間に提供されている、請求項19に記載のヘルメット。
【請求項21】
前記低摩擦インターフェースは、前記内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、前記内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、および、前記内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される、請求項20に記載のヘルメット。
【請求項22】
前記第1のアンカー・ポイントは、前記ライナーに高周波溶接されており、前記第2のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によって前記ヘルメットに取り付けられている、請求項16から21のいずれか一項に記載のヘルメット。
【請求項23】
請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターによって前記ヘルメットにそれぞれ装着されている、コンフォート・パッディングの複数の独立したセクションを含むヘルメット。
【請求項24】
前記ヘルメットは、所定の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、所定の材料から形成された複数のセクションの内側シェルと、前記複数のセクションのコンフォート・パッディングとを順に含み、
前記外側シェルおよび/または前記内側シェルを形成する材料は、前記エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層を形成する材料よりも硬質である、請求項23に記載のヘルメット。
【請求項25】
低摩擦インターフェースは、前記複数のセクションの内側シェルと前記エネルギー吸収材料との間に提供されている、請求項24に記載のヘルメット。
【請求項26】
前記低摩擦インターフェースは、前記複数のセクションの内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、前記複数のセクションの内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、および前記複数のセクションの内側シェルおよび前記エネルギー吸収材料の前記対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される、請求項25に記載のヘルメット。
【請求項27】
前記少なくとも1つのコネクターの前記第1のアンカー・ポイントは、コンフォート・パッディングのセクションに高周波溶接されており、前記第2のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によって前記ヘルメットに取り付けられている、請求項23から26のいずれか一項に記載のヘルメット。
【請求項28】
ヘルメットの中で使用するための複数のセクションのコンフォート・パッディングのセットであって、コンフォート・パッディングのそれぞれのセクションは、請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターを含む、セット。
【請求項29】
ヘルメットであって、前記ヘルメットは、
所定の材料から形成された外側シェルと、
エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、
ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングと
を順に含み、
前記外側シェルを形成する材料は、前記エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層を形成する材料よりも硬質であり、
ーティングが、前記ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングの外側表面に結合されており、前記コーティングと前記エネルギー吸収層との間に低摩擦インターフェースを形成しており、
前記コーティングは、前記エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層を形成する材料よりも硬質であり、
前記ヘルメットは、前記ライナーまたはコンフォート・パッディングのセクションを前記ヘルメットの残部に接続する、請求項1から12のいずれか一項に記載の少なくとも1つのコネクターをさらに含む、ヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクターに関し、コネクターは、たとえば、ライナーまたはコンフォート・パッディングをヘルメットの残りの部分に接続するために、装置の2つのパーツを接続するために使用され得る。
【背景技術】
【0002】
ヘルメットは、さまざまな活動において使用するものとして知られている。これらの活動は、戦闘目的および産業目的を含み、たとえば、兵士のための保護ヘルメット、および、たとえば、建築業者、鉱山労働者、または、産業用マシンのオペレーターによって使用される安全帽またはヘルメットなどを含む。また、ヘルメットは、スポーツ活動にも普及している。たとえば、保護ヘルメットは、アイスホッケー、サイクリング、モーター・サイクリング、モーター・カー・レーシング、スキー、スノーボード、スケート、スケートボード、馬術、アメリカンフットボール、ベースボール、ラグビー、クリケット、ラクロス、登山、ゴルフ、エアソフト、およびペイントボールにおいて使用され得る。
【0003】
ヘルメットは、固定されたサイズのものであることが可能であり、または、頭部の異なるサイズおよび形状にフィットするように調節可能であり得る。いくつかのタイプのヘルメットでは、たとえば、一般に、アイスホッケー・ヘルメットでは、ヘルメットの外側寸法および内側寸法を変化させるためにヘルメットのパーツを移動させることによって、調節可能性が提供され得る。これは、互いに対して移動することができる2つ以上のパーツを備えたヘルメットを有することによって実現され得る。他のケースでは、たとえば、一般に、サイクリング・ヘルメットでは、ヘルメットは、ヘルメットをユーザーの頭部に固定するための取り付けデバイスを設けられており、取り付けデバイスは、ヘルメットの主本体部またはシェルが同じサイズのままである状態で、ユーザーの頭部にフィットするように寸法が変化することが可能である。いくつかのケースでは、ヘルメットの中のコンフォート・パッディングは、取り付けデバイスとして作用することが可能である。また、取り付けデバイスは、複数の物理的に別個のパーツの形態で、たとえば、互いに相互接続されていない複数のコンフォート・パッドの形態で提供され得る。ユーザーの頭部の上にヘルメットを着座させるためのそのような取り付けデバイスは、ヘルメットを適切な場所にさらに固定するために、追加的なストラップ(たとえば、顎ストラップなど)とともに使用され得る。また、これらの調節メカニズムの組み合わせも可能である。
【0004】
ヘルメットは、多くの場合、外側シェル(それは、通常、硬質であり、プラスチックまたは複合材料から作製されている)と、ライナーと呼ばれるエネルギー吸収層とから作製されている。最近では、保護ヘルメットは、特定の法的要件を満たすように設計されなければならず、特定の法的要件は、とりわけ、特定の荷重において脳の重心に発生し得る最大加速度に関するものである。典型的に、テストが実施され、テストにおいて、ヘルメットを装備しているダミー頭蓋骨として知られているものが、頭部に向けて半径方向の打撃を受ける。これは、頭蓋骨に対して半径方向への打撃のケースにおいて、良好なエネルギー吸収能力を有する現代のヘルメットを結果として生じさせる。また、回転エネルギーを吸収するかもしくは消散させることによって、および/または、回転エネルギーというよりもむしろ並進エネルギーへと方向付けし直すことによって、斜めの打撃(すなわち、それは、接線方向の成分および半径方向の成分の両方を組み合わせている)から伝達されるエネルギーを減じるためのヘルメットを開発することが進められてきた(たとえば、WO2001/045526およびWO2011/139224(それらは、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれている))。
【0005】
(保護がない状態での)そのような斜めの衝撃は、脳の並進加速度および角加速度の両方を結果として生じさせる。角加速度は、脳が頭蓋骨の中で回転することを引き起こし、脳を頭蓋骨に接続している身体の要素に、また、脳自身に傷害を発生させる。
【0006】
回転傷害の例は、軽度の外傷性脳損傷(MTBI)、たとえば、脳震とうなど、および、重度の外傷性脳損傷(STBI)、たとえば、硬膜下血腫(SDH)など、血管破裂の結果としての出血、およびびまん性軸索損傷(DAI)を含み、それは、脳組織の中の高い剪断変形の結果として神経線維が引き伸ばされ過ぎるものとして要約され得る。
【0007】
持続期間、振幅、および増加レートなどのような、回転力の特質に応じて、脳震とう、SDH、DAI、または、これらの傷害の組み合わせのいずれかを負う可能性がある。一般的に言えば、SDHは、短い持続期間および大きい振幅の加速度のケースにおいて起こり、一方、DAIは、より長くより広範囲の加速度荷重のケースにおいて起こる。
【0008】
斜めの衝撃によって引き起こされる脳に伝達される回転エネルギーを低減させることができる、WO2001/045526およびWO2011/139224に開示されているものなどのようなヘルメットにおいて、ヘルメットの第1および第2のパーツは、斜めの衝撃に続いて互いに対してスライドするように構成され得る。しかし、通常使用の間に、すなわち、衝撃を受けていないときに、ヘルメットがその完全性を保つように、第1のパーツおよび第2のパーツが接続されているということが依然として望ましい。したがって、ヘルメットの第1のパーツおよび第2のパーツを一緒に接続しながら、衝撃下において第2のパーツに対する第1のパーツの移動を許容するコネクターを提供することが望ましい。また、製造コストおよび/または労力を実質的に増加させることなく提供され得るヘルメットの中のコネクターを提供することが望ましい。
【0009】
WO2017/157765におけるコネクターは、上記に述べられている問題のうちのいくつかに対処している。しかし、それらは、製造するのに比較的に厄介で時間のかかるものである可能性がある。本発明は、衝撃下における相対的な移動を許容する、製造するのが容易なコネクターを提供することによって、少なくとも部分的にこの問題に対処することを目標とする。
【発明の概要】
【0010】
本発明の態様によれば、装置の第1のパーツおよび第2のパーツを接続するためのコネクターであって、コネクターは、第1のプレートと;第1のプレートの一方の側にある第1のアンカー・ポイントであって、第1のアンカー・ポイントは、第1のパーツに接続されるように構成されている、第1のアンカー・ポイントと;第1のアンカー・ポイントから第1のプレートの反対側に位置付けされている第2のプレートと;第1のプレートから第2のプレートの反対側にある第2のアンカー・ポイントであって、第2のアンカー・ポイントは、第2のパーツに接続されるように構成されている、第2のアンカー・ポイントと;第1のプレートおよび第2のプレートの対向する表面の間に提供される低摩擦インターフェースと;第1のプレートおよび第2のプレートの周りに提供されている変形可能な材料のカフであって、カフは、第1のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている第1のプレートの側部を少なくとも部分的にカバーするように構成されており、また、第2のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている第2のプレートの側部を少なくとも部分的にカバーするように構成されている、カフとを含む、コネクターが提供される。2つのプレートの周りに変形可能なカフを提供することによって、プレートは一緒に保持されるが、依然として互いに対してスライドすることが可能である。これは、スライド・コネクターを実現するための簡単な構築を可能にする。
【0011】
随意的に、変形可能な材料のカフは、第1のアンカー・ポイントまたは第2のアンカー・ポイントをカバーしていない。これは、接続されている装置の第1のパーツおよび第2のパーツへのアンカー・ポイントの取り付けに、カフが干渉しないことを保証する。
【0012】
随意的に、変形可能な材料のカフは、第1のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている第1のプレートの周辺部の周りの複数のポイントにおいて、第2のアンカー・ポイントがその上に位置付けされている第2のプレートの側部まで延在している。代替的に、カフは、第1のプレートおよび第2のプレートの周辺部を完全に取り囲むことが可能である。カフの2つの側部がプレートの周りで接続するポイントの数/範囲を変化させることは、コネクターによって許容される運動の範囲を変化させることが可能である。
【0013】
随意的に、変形可能な材料のカフは、実質的に弾性的に変形可能である。これは、コネクターの構築を支援し、コネクターがプレートの周りにフィットするように引き伸ばされることを可能にする。随意的に、変形可能な材料のカフは、伸縮性のあるファブリック、布、もしくはテキスタイル、またはエラストマー材料を含む。
【0014】
随意的に、変形可能な材料のカフは、第1のプレートまたは第2のプレートに結合されていないかまたは取り付けられていない。これは、製造プロセスを簡単化することを助ける。
【0015】
随意的に、低摩擦インターフェースは、対向する表面のうちの少なくとも1つを形成するエレメントの構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用すること、および、少なくとも1つの低摩擦表面を有する対向する表面の間に、固定されていない追加的な材料の層を提供することのうちの少なくとも1つによって実装される。
【0016】
随意的に、変形可能な材料のカフは、第1のプレートおよび第2のプレートを第1の位置に向けて付勢するように構成されており、第1のプレートおよび第2のプレートが、低摩擦インターフェースに沿ってスライドすることによって第1の位置から離れるように変位させられているときに、変形可能な材料のカフが第1および第2のプレートを第1の位置へ戻るように促すようになっている。
【0017】
随意的に、第1のアンカー・ポイントまたは第2のアンカー・ポイントのうちの少なくとも1つは、装置の第1のパーツまたは第2のパーツに取り外し可能にそれぞれ接続されるように構成されている。随意的に、第1のアンカー・ポイントまたは第2のアンカー・ポイントのうちの少なくとも1つは、面ファスナー接続、スナップ・フィット接続、および磁気コネクターのうちの少なくとも1つによって、取り外し可能に接続されるように構成されている。
【0018】
随意的に、第1のアンカー・ポイントまたは第2のアンカー・ポイントのうちの少なくとも1つは、装置の第1のパーツまたは第2のパーツに解除不可能にそれぞれ接続されるように構成されている。随意的に、第1のアンカー・ポイントまたは第2のアンカー・ポイントのうちの少なくとも1つは、接着剤、刺繍、または高周波溶接によって接続されるように構成されている。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による少なくとも1つのコネクターを含む、ヘルメットのためのライナーが提供される。
【0020】
随意的に、少なくとも1つのコネクターの第1のアンカー・ポイントは、ライナーに接続されており、少なくとも1つのコネクターの第2のアンカー・ポイントは、ヘルメットに接続されるように構成されている。
【0021】
随意的に、ライナーは、コンフォート・パッディングと、随意的に、コンフォート・パッディングよりも外向きに提供された、コンフォート・パッディングと比較して相対的に硬質の材料の層とを含む。
【0022】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様によるライナーを含むヘルメットが提供される。
【0023】
随意的に、ライナーは、ヘルメットから除去可能である。
【0024】
随意的に、少なくとも1つのコネクターの第2のアンカー・ポイントは、ヘルメットの比較的に硬質の外側シェル、ヘルメットの中の材料のエネルギー吸収層、および、ヘルメットのエネルギー吸収材料よりもヘルメットの中に内向きに提供された材料の相対的に硬質の層のうちの少なくとも1つに接続されている。
【0025】
随意的に、相対的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、相対的に硬質の材料から形成された内側シェルと、ライナーとを順に含む。
【0026】
随意的に、低摩擦インターフェースは、エネルギー吸収材料と内側シェルとの間に提供されている。随意的に、低摩擦インターフェースは、内側シェルおよびエネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、および、内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される。
【0027】
随意的に、第1のアンカー・ポイントは、ライナーに高周波溶接されており、第2のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によってヘルメットに取り付けられている。
【0028】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様による少なくとも1つのコネクターによってヘルメットにそれぞれ装着されている、コンフォート・パッディングの複数の独立したセクションを含むヘルメットが提供される。
【0029】
随意的に、ヘルメットは、相対的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、相対的に硬質の材料から形成された複数のセクションの内側シェルと、エネルギー吸収材料とを順に含む。
【0030】
随意的に、低摩擦インターフェースは、内側シェルと複数のセクションのコンフォート・パッディングとの間に提供されている。随意的に、低摩擦インターフェースは、複数のセクションの内側シェルおよびエネルギー吸収材料の構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、複数のセクションの内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、および複数のセクションの内側シェルおよびエネルギー吸収材料の対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用することのうちの少なくとも1つによって実装される。
【0031】
随意的に、少なくとも1つのコネクターの第1のアンカー・ポイントは、コンフォート・パッディングのセクションに高周波溶接されており、第2のアンカー・ポイントは、面ファスナー接続によってヘルメットに取り付けられている。
【0032】
本発明の第5の態様によれば、ヘルメットの中で使用するための複数のセクションのコンフォート・パッディングであって、コンフォート・パッディングのそれぞれのセクションは、第1の態様による少なくとも1つのコネクターを含む、複数のセクションのコンフォート・パッディングが提供される。
【0033】
本発明の第6の態様によれば、ヘルメットであって、ヘルメットは、相対的に硬質の材料から形成された外側シェルと、エネルギー吸収材料の1つまたは複数の層と、ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングとを順に(すなわち、それらがヘルメットの外側から内側へ出会う順序)含み、相対的に硬質のコーティングが、ライナーまたは複数のセクションのコンフォート・パッディングの外側表面に結合されており、相対的に硬質のコーティングとエネルギー吸収層との間に低摩擦インターフェースを形成している、ヘルメットが提供される。
【0034】
随意的に、ヘルメットは、ライナーまたはコンフォート・パッディングのセクションをヘルメットの残部に(たとえば、エネルギー吸収層に)接続する、第1の態様による少なくとも1つのコネクターをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明は、添付の図を参照して、下記に詳細に説明されている。
【0036】
図1】斜めの衝撃に対する保護を提供するためのヘルメットを通る断面を示す図である。
図2図1のヘルメットの機能的な原理を示すダイアグラムである。
図3A図1のヘルメットの構造の変形例を示す図である。
図3B図1のヘルメットの構造の変形例を示す図である。
図3C図1のヘルメットの構造の変形例を示す図である。
図4】別の保護ヘルメットの概略図である。
図5図4のヘルメットの取り付けデバイスを接続する代替的な方式を示す図である。
図6】本発明の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
図7】本発明の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
図8】本発明の別の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
図9】本発明の別の実施形態によるヘルメットを断面で示す図である。
図10】本発明の実施形態によるコネクターを断面で示す図である。
図11図10によるコネクターを平面図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図の中に示されているヘルメットの中のさまざまな層の厚さの割合は、明確化のために図面の中で誇張されており、当然のことながら、必要性および要求に応じて適合され得る。
【0038】
図1は、斜めの衝撃に対する保護を提供する意図された、WO01/45526に議論されている種類の第1のヘルメット1を示している。このタイプのヘルメットは、上記に議論されているヘルメットのタイプのいずれかであることが可能である。
【0039】
保護ヘルメット1は、外側シェル2、および、外側シェル2の内側に配置されている内側シェル3によって構築されており、内側シェル3は、着用者の頭部との接触を意図している。
【0040】
スライド層4またはスライド促進体が、外側シェル2と内側シェル3との間に配置されており、したがって、外側シェル2と内側シェル3との間の変位を可能にする。とりわけ、下記に議論されているように、スライド層4またはスライド促進体は、衝撃の間の2つのパーツの間でスライドが起こることができるように構成され得る。たとえば、それは、ヘルメット1の着用者に関して生存可能であることが予期される、ヘルメット1に対する衝撃に関連付けられる力の下でのスライドを可能にするように構成され得る。いくつかの配置では、摩擦係数が0.001から0.3の間にあるようにおよび/または0.15を下回るように、スライド層またはスライド促進体を構成することが望ましい可能性がある。
【0041】
図1の描写において、1つまたは複数の接続部材5が、ヘルメット1の縁部部分の中に配置され得り、1つまたは複数の接続部材5は、外側シェル2および内側シェル3を相互接続している。いくつかの配置では、コネクターは、エネルギーを吸収することによって、外側シェル2と内側シェル3との間の相互の変位に対抗することが可能である。しかし、これは、必須ではない。さらに、この特徴が存在している場合でも、吸収されるエネルギーの量は、通常、衝撃の間に内側シェル3によって吸収されるエネルギーと比較して最小になっている。他の配置では、接続部材5は、全く存在していなくてもよい。
【0042】
さらに、これらの接続部材5の場所は、変化させられ得る(たとえば、縁部部分から離れるように位置決めされており、また、スライド層4を通して外側シェル2および内側シェル3を接続している)。
【0043】
外側シェル2は、好ましくは、さまざまなタイプの衝撃に耐えるために、比較的に薄くて強くなっている。外側シェル2は、たとえば、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などのような、ポリマー材料から作製され得る。有利には、ポリマー材料は、ガラス繊維、アラミド、Twaron、炭素繊維、またはKevlarなどのような、材料を使用して、繊維強化され得る。
【0044】
内側シェル3は、かなり厚くなっており、エネルギー吸収層として作用する。そうであるので、それは、頭部に対する衝撃を減衰または吸収することができる。それは、有利には、発泡ポリスチレン(EPS)、発泡ポリプロピレン(EPP)、発泡ポリウレタン(EPU)、ビニールニトリルフォームのようなフォーム材料;または、たとえば、ハニカム状の構造体を形成する他の材料;または、ブランド名Poron(商標)およびD3O(商標)の下で市販されているような、歪み速度感受性フォームから作製され得る。構築体は、たとえば、異なる材料の複数の層を伴って、異なる方式で変化させられ得り、それは、下記に出現する。
【0045】
内側シェル3は、衝撃のエネルギーを吸収するために設計されている。ヘルメット1の他のエレメントは、限られた範囲内でそのエネルギーを吸収することとなるが(たとえば、硬質の外側シェル2、または、いわゆる、内側シェル3の中に設けられる「コンフォート・パッディング」)、それは、それらの主要な目的ではなく、エネルギー吸収へのそれらの貢献は、内側シェル3のエネルギー吸収と比較して最小である。実際に、コンフォート・パッディングなどのようないくつかの他のエレメントが、「圧縮可能な」材料から作製され得り、そうであるので、他の文脈において「エネルギーを吸収するもの」として考えられ得るが、ヘルメットの分野において、圧縮可能な材料は、必ずしも、ヘルメットの着用者への損傷を低減させる目的のために、衝撃の間にエネルギーの意味のある量を吸収する意味の「エネルギーを吸収するもの」ではないということがよく認識されている。
【0046】
複数の異なる材料および実施形態が、スライド層4またはスライド促進体、たとえば、油、テフロン(登録商標)、マイクロスフェア、空気、ゴム、ポリカーボネート(PC)、フェルトなどのようなファブリック材料などとして使用され得る。そのような層は、0.1~5mmの厚さを有することが可能であるが、選択される材料および望まれる性能に応じて、他の厚さも使用され得る。また、スライド層の数およびそれらの位置決めが変化させられ得り、この例は、(図3Bを参照して)下記に議論されている。
【0047】
接続部材5として、たとえば、プラスチックまたは金属の変形可能なストリップが使用され得り、それらは、適切な様式で、外側シェルおよび内側シェルの中にアンカー固定される。
【0048】
図2は、保護ヘルメット1の機能的な原理を示しており、そこでは、ヘルメット1および着用者の頭蓋骨10は、半円筒形状であると仮定されており、頭蓋骨10は、長手方向軸線11の上に装着された状態になっている。捩じり力およびトルクは、ヘルメット1が斜めの衝撃Kを受けるときに、頭蓋骨10に伝達される。衝撃力Kは、保護ヘルメット1に対して、接線方向力Kおよび半径方向力Kの両方を生じさせる。この特定の文脈において、ヘルメットを回転させる接線方向力Kおよびその効果だけが関心のものである。
【0049】
見られ得るように、力Kは、内側シェル3に対する外側シェル2の変位12を生じさせ、接続部材5は変形させられている。頭蓋骨10に伝達される捩じり力のおおよそ25%の低減が、そのような配置によって取得され得る。これは、内側シェル3と外側シェル2との間のスライド運動の結果であり、半径方向の加速度へと伝送されるエネルギーの量を低減させる。
【0050】
また、スライド運動は、保護ヘルメット1の円周方向に起こることも可能であるが、これは示されていない。これは、側シェル2と内側シェル3との間の円周方向の角度回転の結果としてのものである可能性がある(すなわち、衝撃の間に、外側シェル2は、内側シェル3に対して所定の円周方向の角度だけ回転させられ得る)。
【0051】
また、保護ヘルメット1の他の配置も可能である。いくつかの可能な変形例が、図3に示されている。図3aでは、内側シェル3は、相対的に薄い外側層3’’および相対的に厚い内側層3’から構築される。外側層3’’は、好ましくは、内側層3’よりも硬質になっており、外側シェル2に対するスライドを促進させることを助ける。図3bでは、内側シェル3は、図3aのものと同じ様式で構築される。しかし、このケースでは、2つのスライド層4が存在しており、2つのスライド層4の間に、中間シェル6が存在している。2つのスライド層4は、そのように望まれる場合には、異なって具現化され得り、異なる材料から作製され得る。1つの可能性は、たとえば、内側スライド層においてよりも、外側スライド層において、より低い摩擦を有するということである。図3cでは、外側シェル2は、以前のものとは異なって具現化されている。このケースでは、より硬質の外側層2’’が、より軟質の内側層2’をカバーしている。内側層2’は、たとえば、内側シェル3と同じ材料であることが可能である。
【0052】
図4は、WO2011/139224に議論されている種類の第2のヘルメット1を示しており、それは、また、斜めの衝撃に対する保護を提供することを意図している。また、このタイプのヘルメットは、上記に議論されているヘルメットのタイプのいずれかであることが可能である。
【0053】
図4では、ヘルメット1は、図1のヘルメットの内側シェル3と同様のエネルギー吸収層3を含む。エネルギー吸収層3の外側表面は、エネルギー吸収層3と同じ材料から提供され得り(すなわち、追加的な外側シェルは存在しなくてもよい)、または、外側表面は、図1に示されているヘルメットの外側シェル2と同等のリジッド・シェル2(図5を参照)であることが可能である。そのケースでは、リジッド・シェル2は、エネルギー吸収層3とは異なる材料から作製され得る。図4のヘルメット1は、複数のベント7を有しており、複数のベント7は、随意的なものであり、エネルギー吸収層3および外側シェル2の両方を通って延在しており、それによって、ヘルメット1を通る空気フローを可能にする。
【0054】
取り付けデバイス13が、着用者の頭部へのヘルメット1の取り付けのために設けられている。先に議論されているように、これは、エネルギー吸収層3およびリジッド・シェル2のサイズが調節されることができないときに望ましい可能性がある。その理由は、それが、取り付けデバイス13のサイズを調節することによって、異なるサイズ頭部が収容されることを可能にするからである。取り付けデバイス13は、弾性的なまたは半弾性的なポリマー材料、たとえば、PC、ABS、PVC、またはPTFEなど、または、綿布などのような天然繊維材料から作製され得る。たとえば、テキスタイルのキャップまたはネットが、取り付けデバイス13を形成することが可能である。
【0055】
取り付けデバイス13が、前方側、後方側、左側、および右側から延在するさらなるストラップ部分を備えた頭部バンド部分を含むものとして示されているが、取り付けデバイス13の特定の構成は、ヘルメットの構成にしたがって変化することが可能である。いくつかのケースでは、取り付けデバイスは、むしろ、連続的な(形状の)シートのようになっていることが可能であり、恐らく、孔またはギャップ(たとえば、ベント7の位置に対応している)を備えており、ヘルメットを通る空気フローを可能にする。
【0056】
また、図4は、特定の着用者のための取り付けデバイス13の頭部バンドの直径を調節するための随意的な調節デバイス6を示している。他の配置では、頭部バンドは、弾性的な頭部バンドであることが可能であり、そのケースでは、調節デバイス6は除外され得る。
【0057】
スライド促進体4は、エネルギー吸収層3の半径方向内向きに提供されている。スライド促進体4は、エネルギー吸収層に対抗して、または、ヘルメットを着用者の頭部に取り付けるために提供されている取り付けデバイス13に対抗して、スライドするように適合されている。
【0058】
スライド促進体4は、上記に議論されているものと同じ様式で、取り付けデバイス13に対してエネルギー吸収層3がスライドすることを支援するために提供されている。スライド促進体4は、低い摩擦係数を有する材料であることが可能であり、または、そのような材料によってコーティングされ得る。
【0059】
そうであるので、図4のヘルメットにおいて、スライド促進体は、取り付けデバイス13に面するエネルギー吸収層3の最も内側の側面の上に提供され得り、または、それと一体化され得る。
【0060】
しかし、スライド促進体4は、エネルギー吸収層3と取り付けデバイス13との間のスライド可能性を提供する同じ目的のために、取り付けデバイス13の外側表面の上に提供され得り、または、それと一体化され得るということが等しく考えられ得る。すなわち、特定の配置では、取り付けデバイス13自身は、スライド促進体5として作用するように適合され得り、また、低摩擦材料を含むことが可能である。
【0061】
換言すれば、スライド促進体4は、エネルギー吸収層3の半径方向内向きに提供されている。また、スライド促進体は、取り付けデバイス13の半径方向外向きに提供され得る。
【0062】
取り付けデバイス13がキャップまたはネット(上記に議論されているように)として形成されているときには、スライド促進体4は、低摩擦材料のパッチとして提供され得る。
【0063】
低摩擦材料は、ワキシー・ポリマー、たとえば、ΡTFΕ、ABS、PVC、PC、ナイロン、PFA、EΕΡ、PE、およびUHMWPEなど、または、潤滑剤を注入され得る粉末材料であることが可能である。低摩擦材料は、ファブリック材料であることが可能である。議論されているように、この低摩擦材料は、スライド促進体およびエネルギー吸収層のいずれか一方または両方に適用され得る。
【0064】
取り付けデバイス13は、図4の中の4つの固定部材5a、5b、5c、および5dなどのような、固定部材5によって、エネルギー吸収層3および/または外側シェル2に固定され得る。これらは、弾性的な、半弾性的な、または塑性的な方式で変形することによって、エネルギーを吸収するように適合され得る。しかし、これは、必須ではない。さらに、この特徴が存在している場合でも、吸収されるエネルギーの量は、通常、衝撃の間にエネルギー吸収層3によって吸収されるエネルギーと比較して最小になっている。
【0065】
図4に示されている実施形態によれば、4つの固定部材5a、5b、5c、および5dは、第1および第2の部分8、9を有するサスペンション部材5a、5b、5c、5dであり、サスペンション部材5a、5b、5c、5dの第1の部分8は、取り付けデバイス13に固定されるように適合されており、サスペンション部材5a、5b、5c、5dの第2の部分9は、エネルギー吸収層3に固定されるように適合されている。
【0066】
図5は、着用者の頭部の上に設置されているときの、図4の中のヘルメットと同様のヘルメットの実施形態を示している。図5のヘルメット1は、エネルギー吸収層3とは異なる材料から作製された硬質の外側シェル2を含む。図4とは対照的に、図5では、取り付けデバイス13は、2つの固定部材5a、5bによってエネルギー吸収層3に固定されており、2つの固定部材5a、5bは、弾性的に、半弾性的に、または塑性的に、エネルギーおよび力を吸収するように適合されている。
【0067】
ヘルメットに対する回転力を生成させる前方斜めの衝撃Iが、図5に示されている。斜めの衝撃Iは、エネルギー吸収層3が取り付けデバイス13に対してスライドすることを引き起こす。取り付けデバイス13は、固定部材5a、5bによってエネルギー吸収層3に固定されている。明確化のために、2つだけのそのような固定部材が示されているが、実際には、多くのそのような固定部材が存在していることが可能である。固定部材5は、弾性的にまたは半弾性的に変形することによって、回転力を吸収することが可能である。他の配置では、変形は、塑性的であることも可能であり、さらには、固定部材5のうちの1つまたは複数の切断を結果として生じさせることも可能である。塑性的な変形のケースでは、少なくとも固定部材5は、衝撃の後に交換される必要があることとなる。いくつかのケースでは、固定部材5の中の塑性的な変形および弾性的な変形の組み合わせが起こることが可能であり、すなわち、いくつかの固定部材5は破断し、エネルギーを塑性的に吸収し、一方、他の固定部材は弾性的に変形し、力を吸収する。
【0068】
一般的に、図4および図5のヘルメットにおいて、衝撃の間に、エネルギー吸収層3は、図1のヘルメットの内側シェルと同じ方式で、圧縮することによって、衝撃吸収体として作用する。外側シェル2が使用されている場合には、それは、エネルギー吸収層3にわたって衝撃エネルギーを広げることを助けることとなる。また、スライド促進体4は、取り付けデバイスとエネルギー吸収層との間のスライドを可能にすることとなる。これは、そうでなければ回転エネルギーとして脳に伝達されることとなるエネルギーを消散させるための制御された方式を可能にする。エネルギーは、摩擦熱、エネルギー吸収層変形、または、固定部材の変形もしくは変位によって、消散され得る。低減されたエネルギー伝達は、脳に影響を与える回転加速度の低減を結果として生じさせ、したがって、頭蓋骨の中の脳の回転を低減させる。MTBIおよびSTBI、たとえば、硬膜下血腫など、SDH、血管破裂、脳震とう、およびDAIを含む、回転傷害のリスクが、それによって低減される。
【0069】
装置の2つのパーツを接続するための本発明のコネクターが、下記に説明されている。これらのコネクターは、さまざまな文脈の中で使用され得り、ヘルメットの中での使用に限定されるべきではないということが認識されるべきである。たとえば、それらは、スポーツ機器のための胴体防護具またはパッディングなどのような、衝撃保護を提供する他のデバイスの中で使用され得る。ヘルメットの文脈において、本発明のコネクターは、とりわけ、上記に議論されている配置の以前から知られている接続部材および/または固定部材の代わりに使用され得る。
【0070】
本発明のある実施形態では、コネクターは、図6に示されているタイプのヘルメット1によって使用され得る。図6に示されているヘルメットは、図4および図5に関して上記に議論されているものと同様の構成を有している。とりわけ、ヘルメットは、比較的に硬質の外側シェル2およびエネルギー吸収層3を有している。頭部取り付けデバイスは、ヘルメット・ライナー15の形態で提供されている。ライナー15は、上記に議論されているように、コンフォート・パッディングを含むことが可能である。一般的に、ライナー15および/または任意のコンフォート・パッディングは、エネルギー吸収層3によって吸収されるエネルギーと比較して、有意の割合の衝撃のエネルギーを吸収しなくてもよい。
【0071】
ライナー15は、除去可能であり得る。これは、ライナーがクリーニングされることを可能にすることができ、および/または、特定の着用者にフィットするように修正されるライナーの提供を可能にすることができる。
【0072】
ライナー15とエネルギー吸収層3との間に、相対的に硬質の材料、すなわち、エネルギー吸収層3よりも硬質の材料から形成された内側シェル14が提供されている。内側シェル14は、エネルギー吸収層3にモールドされ得り、また、外側シェル2の形成に関連して上記に議論されている材料のいずれかから作製され得る。
【0073】
図6の配置において、低摩擦インターフェースが、内側シェル14とライナー15との間に提供されている。これは、ライナー15の外側表面を形成するために使用される材料、または、内側シェル14を形成するために使用される材料のうちの少なくとも1つの適当な選択される実装され得る。代替的にまたは追加的に、低摩擦コーティングが、内側シェル14およびライナー15の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。代替的にまたは追加的に、潤滑剤が、内側シェル14およびライナー15の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。
【0074】
示されているように、ライナー15は、さらに詳細に下記に議論されている本発明の1つまたは複数のコネクター20によって、ヘルメット1の残りの部分に接続され得る。コネクター20の場所の選択、および、使用するべきコネクター20の数は、ヘルメットの残りの部分の構成に依存することが可能である。したがって、本発明は、図6に示されている構成に限定されない。
【0075】
図6に示されているものなどのような配置において、少なくとも1つのコネクター20は、内側シェル14に接続され得る。代替的にまたは追加的に、コネクター20のうちの1つまたは複数は、ヘルメット1の残りの部分の別のパーツ、たとえば、エネルギー吸収層3および/または外側シェル2などに接続され得る。また、コネクター20は、ヘルメット1の残りの部分の2つ以上のパーツに接続され得る。
【0076】
図7は、本発明のコネクター20を使用するヘルメット1のさらなる代替的な配置を示している。示されているように、この配置のヘルメット1は、コンフォート・パッディング16の複数の独立したセクションを含む。コンフォート・パッディング16のそれぞれのセクションは、本発明による1つまたは複数のコネクター20によって、ヘルメットの残りの部分に接続され得る。
【0077】
コンフォート・パッディング16のセクションは、コンフォート・パッディング16のセクションとヘルメット1の残りの部分との間に提供されるスライド・インターフェースを有することが可能である。そのような配置では、コンフォート・パッディング16のセクションは、図6に示されている配置のライナー15のものと同様の機能を提供することが可能である。ライナーとヘルメットとの間にスライド・インターフェースを提供するための上記に議論されているオプションは、また、コンフォート・パッディングのセクションとヘルメットとの間のスライド・インターフェースに適用する。
【0078】
また、図7の配置、すなわち、コンフォート・パッディング16のセクションとヘルメットの残りの部分との間のスライド・インターフェースを提供された、コンフォート・パッディング16の複数の独立して装着されたセクションを提供することは、任意の形態のヘルメット(ヘルメットの2つの他のパーツの間に提供されるスライド・インターフェースも有する、図1から図5に示されているようなものなどを含む)と組み合わせられ得るということが認識されるべきである。
【0079】
ここで、本発明によるコネクター20が説明されることとなる。便宜上、コネクター20は、図6に示されているような、ライナー15をヘルメット1の残りの部分に接続するためのコネクターの文脈において説明されることとなる。しかし、本発明のコネクター20は、装置の任意の2つのパーツを一緒に接続するために使用され得るということが認識されるべきである。そのうえ、下記において、コネクター20が、装置の第1のパーツ(たとえば、ヘルメット・ライナー15など)に接続されている第1のコンポーネントと、装置の第2のパーツ(たとえば、ヘルメット1の残りの部分など)に接続されている第2のコンポーネントとを有するものとして説明されている場合には、適切な修正によって、これは、逆にされ得るということが認識されるべきである。
【0080】
図8および図9は、内側シェル14がライナー15(図8)またはコンフォート・パッディング16(図9)に適用されているということを除いて、図6および図7のものと同等の実施形態を示している。図9のケースにおいて、内側シェル14は、図6から図8の実質的に完全なシェル配置と比較して、単に、部分的なシェルまたは複数のセクションのシェルであることが可能である。実際に、図8および図9の両方において、内側シェル14は、また、ライナー15またはコンフォート・パッディング16の上の相対的に硬質のコーティングとして特徴付けられることも可能である。図6および図7に関して、内側シェル14は、相対的に硬質の材料、すなわち、エネルギー吸収層3よりも硬質の材料から形成されている。たとえば、材料は、ΡTFΕ、ABS、PVC、PC、ナイロン、PFA、EΕΡ、PE、およびUHMWPEであることが可能である。材料は、製造プロセスを簡単化するために、ライナー15またはコンフォート・パッディング16の外側に結合され得る。そのような結合は、たとえば、接着剤によって、または、高周波溶接によってなど、任意の手段を通して行われ得る。
【0081】
図8および図9では、低摩擦インターフェースが、内側シェル14とエネルギー吸収層3との間に提供されている。これは、エネルギー吸収層3の外側表面を形成するために使用される材料、または、内側シェル14を形成するために使用される材料のうちの少なくとも1つの適当な選択によって実装され得る。代替的にまたは追加的に、低摩擦コーティングが、内側シェル14およびエネルギー吸収層3の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。代替的にまたは追加的に、潤滑剤が、内側シェル14およびエネルギー吸収層3の対向する表面のうちの少なくとも1つに適用され得る。
【0082】
図8および図9では、少なくとも1つのコネクター20は、内側シェル14に接続され得る。代替的にまたは追加的に、コネクター20のうちの1つまたは複数は、ライナー15またはコンフォート・パッディング16の残りの部分の別のパーツに接続され得る。
【0083】
図10は、ヘルメットなどのような装置の第1および第2のパーツを接続するために使用され得る、本発明によるコネクター20の実施形態を断面で示している。とりわけ、それは、ライナー15をヘルメットの残りの部分に接続するように構成され得る。
【0084】
図10に示されている配置において、コネクター20は、プレート21の一方の側にアンカー・ポイント22を備えた第1のスライド・プレート21を含む。アンカー・ポイント22に対して第1のプレート21の他方の側に、第2のスライド・プレート24が提供されており、第2のスライド・プレート24は、第1のプレート21から離れる方を向く側に、アンカー・ポイント25を有している。スライド・プレート21は、図10の中でわずかに凹形になっているものとして示されているが、これは、アンカー・ポイント22を図示するためであり、また、下にある層15への結合を図示するためである。実際には、プレート21および24は、静止時には、両方とも実質的に平坦になっている。
【0085】
スライド・プレート21、24は、それらが装置の予期される使用の間にそれらの形状を実質的に保つのに十分に硬い材料から形成され得る。ヘルメットの文脈において、これは、ヘルメットの通常の取り扱い、および、通常の条件の下でヘルメットを着用することを含むことが可能である。また、それは、ヘルメットの上の所定の衝撃を含む条件を含むことも可能であり、その所定の衝撃に関して、ヘルメットは、衝撃がヘルメットの着用者にとって生存可能なものになることとなるということを期待して設計されている。
【0086】
図10に示されている配置において、第1のスライド・プレート21は、第2のパーツ(たとえば、ライナー15など)の表面に隣接して提供されており、プレート21がライナー15の表面の上をスライドすることができるようになっている(たとえば、取り付けポイント25の周りに回転方向に)。
【0087】
第1のスライド・プレート21が第2のスライド・プレート24に対してスライドすることができることを保証するために、低摩擦インターフェースが、2つのプレート21、24の対向する表面の間に提供され得る。
【0088】
この文脈において、低摩擦インターフェースは、使用時に予期され得るローディングの下であってもスライド接触が依然として可能であるように構成され得る。たとえば、ヘルメットの文脈において、このヘルメットの着用者に関して生存可能であることが予期される衝撃の場合に、スライドが維持されることが望ましい可能性がある。これは、たとえば、2つの表面の間のインターフェースの提供によって提供され得り、そこにおいて、摩擦係数は、0.001から0.3の間にあり、および/または、0.15を下回っている。
【0089】
本発明において、低摩擦インターフェースは、プレート21、24の対向する表面のうちの少なくとも1つを形成するエレメントの構築のために少なくとも1つの低摩擦材料を使用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに低摩擦コーティングを適用すること、対向する表面のうちの少なくとも1つに潤滑剤を適用すること、および、少なくとも1つの低摩擦表面を有する対向する表面の間に、固定されていない追加的な材料の層を提供することのうちの少なくとも1つによって実装され得る。
【0090】
本発明のコネクターの中に使用されているプレートは、さまざまな異なる材料から作製され得る。例では、プレートは、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン、または別のプラスチックから作製され得る。プレートは、随意的に、おおよそ0.2mmからおおよそ1.5mmの範囲にある厚さ、たとえば、おおよそ0.7mm厚さを有することが可能である。
【0091】
第1のプレート21のアンカー・ポイント22は、ポイントの形態で図10に示されており、そのポイントにおいて、第1のプレート21が高周波溶接によってライナー15に取り付けられている。しかし、「恒久的な」または解除不可能な取り付けの他の方法が使用され得り、それは、たとえば、接着剤または刺繍を使用することなどである。
【0092】
第2のプレート24のアンカー・ポイント25は、ポイントの形態で図10に示されており、そのポイントにおいて、面ファスナー・コネクターの一方の側が取り付けられている(他方の側は、接続されることとなるパーツ(たとえば、ヘルメット)の上にある)。しかし、「取り外し可能な」取り付けの他の方法が使用され得り、それは、たとえば、スナップ・フィット接続または磁気コネクターなどである。また、取り外し可能な接続の他の形態も使用され得る。
【0093】
第1のプレート21のアンカー・ポイント22は、「恒久的な」取り付けとともに使用することに関して上記に議論されてきたが、また、第2のプレート25のアンカー・ポイント25は、図10の配置において「取り外し可能な」取り付けによって議論されてきたが、いずれかのアンカー・ポイント22、25が、いずれかの恒久的な取り付けまたは取り外し可能な取り付けのために使用され得る。いずれかのタイプの取り付けは、接続されているパーツに対するアンカー・ポイント22、25の並進移動をそれが防止するように構成され得る。しかし、それは、アンカー・ポイント22、25、ひいては、それぞれのプレート21、24が、接続されているパーツに対して1つまたは複数の回転軸線の周りに回転することができるように構成され得る。代替的にまたは追加的に、アンカー・ポイント22、25は、1つまたは複数の追加的なコンポーネントによって、接続されるべきパーツに接続され得る。
【0094】
両方のアンカー・ポイント22、25は、第1および第2のプレート21、24と実質的に水平になっているものとして示されている。しかし、アンカー・ポイントは、WO2017/157765に図示されているように、突出部を含むことが可能であり、その文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0095】
平面図において見られるときに、アンカー・ポイント22、25は、それらのそれぞれのプレート21、24の実質的に中心に配置され得る。しかし、本発明は、特定の構成に限定されない。平面図において見られるときに、プレート21、24の任意の都合の良い形状が使用され得り、それは、たとえば、実質的に長方形の、実質的に正方形の、実質的に円形の、または実質的に楕円形の形状である。角部を有する形状のケースでは、プレートがコネクターの別のパーツまたは別のコンポーネントの上に捕らえられるリスクを最小化するために、角部が丸められ得る。
【0096】
変形可能な材料のカフまたはカラー23が設けられており、カフまたはカラー23は、アンカー・ポイント22、24を組み込むプレート21、24の側部を少なくとも部分的にカバーしている。すなわち、カフは、第1のアンカー・ポイント22が位置付けされている第1のプレート21の側部を少なくとも部分的にカバーしており、また、第2のアンカー・ポイント25が位置付けされている第2のプレート24の側部を少なくとも部分的にカバーしている。換言すれば、図11に図示されているように、カフ23の周辺部の周りの少なくともいくつかのポイント23aが、プレート21、24の外側縁部の周りを包んでいる。いくつかの配置において、図11に示されているように単なる部分というよりもむしろ、プレートの外側縁部全体が、カフ23によってカバーされ得る。
【0097】
図示されているように、カフ23は、コネクター20のアンカー・ポイント22、25をカバーしていない。すなわち、アンカー・ポイント22、25は、カフ23の中のアパーチャーまたはギャップを通って突き出ている。これは、図10の断面図の中に見られ得り、また、図11の中の第2のプレートのアンカー・ポイント25に関して、平面図の中に見られ得る。これは、接続されることとなる周囲の第1および第2のパーツへの接続とカフ23が干渉することを回避する。
【0098】
カフ23は、必ずしも、プレート21、24に直接的に取り付けられていかまたは結合されているわけではない。その代わりに、カフ23は、プレート21、24の周りの精密な嵌合として提供され得り、プレート21、24との機械的な相互作用に起因して、それが適切な場所に留まるようになっている。実際に、カフ23の中にプレート21、24を最初にフィットさせるために、カフ23を引き伸ばし、および/または、プレート21、24を曲げることが必要である可能性がある。
【0099】
コネクター20の中へのカフ23およびプレート21、24の構築は、異なる方式で行うことが可能である。1つのアプローチでは、接続されることとなるパーツにアンカー・ポイント22、25が固定される前に、カフ23が、両方のプレート21、24の周りに提供され得る。別のアプローチでは、カフ23がプレート21、24の周りに提供される前に、アンカー・ポイント22、25は、接続されることとなるパーツに固定され得る。別のアプローチでは、一方のプレート(たとえば、プレート21)が、アンカー・ポイント22を介して接続されることとなる第1のコンポーネントに取り付けられ得り、一方、他方のプレート24はカフ23にフィットさせられる。次いで、第2のプレート24がそのアンカー・ポイント25を介して接続されることとなる第2のコンポーネントに固定される前に、第1のプレート21もカフ23の中へフィットさせられ得る。
【0100】
その後に、プレート21、24が低摩擦インターフェースの上をスライドするときに(たとえば、衝撃の間に)、それらは、それらの相対的な位置を変化させ、カフ23を変形させる。そうであるので、カフ23は、周囲の装置の第1および第2のパーツ(プレート21、24は、アンカー・ポイント22、25を介してそれに接続する)に対するプレート21、24の自然のレスト位置を画定している。しかし、プレート21、24の変位の間の変形可能な材料23の変形によって、たとえば、変形可能な材料の一方の側の引き伸ばしによって、プレート21、24はスライドすることを許容される。そうする際に、装置の第1のパーツ(たとえば、ヘルメットの残りの部分など)(それは、第2のアンカー・ポイント25に接続され得る)は、第1のアンカー・ポイント22に接続されている装置の第1のパーツ(たとえば、ライナー15など)に対してスライドすることが可能である。
【0101】
本発明のコネクター20は、アンカー・ポイント22、25の所望の相対的な範囲の移動を許容するように構成され得り、したがって、装置の第1のパーツと接続されている装置の第2のパーツとの間のその相対的な範囲の移動を許容するように構成され得る。そのような構成は、カフ23を形成する材料の選択、カフ23を形成する材料の厚さ、および、カフ23の上部層が底部層に接続されている周辺部の周りのポイント23aの数によって実現され得る。たとえば、ヘルメットの中での使用のためのコネクター20は、プレート21、24の主要表面に対して平行な平面の中の任意の方向への、おおよそ5mm以上のアンカー・ポイント22、25の間の相対的な移動を可能にするように構成され得る。
【0102】
カフ23は、第2のパーツに対するプレート21の必要とされる範囲の移動のために実質的に弾性的に変形する材料から形成され得る。たとえば、変形可能な材料は、伸縮性のあるファブリック、伸縮性のある布、伸縮性のあるテキスタイル、およびエラストマー材料、たとえば、エラストマー・ポリマー材料、たとえば、シリコーン/ポリシロキサンなどのうちの少なくとも1つから形成され得る。
【0103】
弾性的に変形可能なカフ23を提供することによって、第1および第2のプレート21、24が第1の(レスト)位置から離れるように変位させられ、カフ23が引き伸ばされた後に、カフ23は、第1および第2のプレート21、24を第1の位置へ戻るように促すこととなる。換言すれば、カフ23は、第1および第2のプレート21、24を第1の位置に向けて付勢する。カフ23は、たとえば、モールドすることによって、単一のピースとして形成され得り、または、一緒に複数のピース(たとえば、上側層および下側層)を一緒に接続することによって形成され得り、その後に、縁部において接合され得る。
図1
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